1 議事録の作成に長い時間を費やすのは非効率

議事録の作成は会議につきものですが、そもそもの目的は、決まったこと/決まっていないことについて、関係者が共通認識を持ち、次に取るべきアクションをはっきりさせることです。

議事録の作成に長い時間を費やすのは非効率です。会議終了後に手書きのメモを書き起こす属人的な作業はやめて、

  • ツールやサービスを上手に活用する
  • 記載すべき事項・フォーマットを事前に決めておく

ことで議事録の作成を効率化し、情報を抜け漏れなくタイムリーに共有しましょう。

2 議事録の作成に便利なツールやサービスは?

1)オンラインで共同編集可能なドキュメントを活用する

GoogleやMicrosoftなどが提供する、オンラインで共同編集が可能なドキュメントを活用してみましょう。参加者とドキュメントを共有すれば、会議を進めながら議事録を作成できます。参加者も自分のパソコンでリアルタイムに議事録を確認、修正できます。

例えば、次のようなサービスがあります。

■Google ドキュメント■

https://www.google.com/intl/ja_jp/docs/about/

■Microsoft OneNote■

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onenote/digital-note-taking-app/

■Dropbox Paper■

https://www.dropbox.com/ja/paper

■Evernote■

https://evernote.com/ja-jp

2)Web会議システムのチャット機能を活用する

ZoomなどのWeb会議システムを使って会議を行う場合は、チャット機能を活用して、会議を進めながら同時に議事録を作成するのも一つの手です。議事録の作成担当者がチャットに議事内容を随時書き込んでいくことで、情報を共有できます。

参加者同士のコミュニケーションチャットと区別できるように、議事内容は[ ]でくくるなどの工夫をすれば、チャットをテキストとして保存し、[ ]でくくった部分を抽出することで議事録を効率的に作成できます。

例えば、次のようなサービスがあります。

■Zoom■

https://www.zoom.com/ja/products/virtual-meetings/

■Microsoft Teams■

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

■Google Meet■

https://workspace.google.com/intl/ja/products/meet/

■Cisco Webex■

https://www.webex.com/ja/index.html

■Amazon Chime■

https://aws.amazon.com/jp/chime/

3)議事録自動作成ツール・サービスを活用する

議事録自動作成ツール・サービスは、音声データを自動でテキストに変換してくれるものです。AI(人工知能)を活用し、サービスによっては単に音声をテキスト化するだけではなく、テキスト化した内容から、「いつまでに何をする」といったタスクや、重要なキーワードを自動抽出する機能を持つものもあります。

なるべく雑音が入らないように、個室の会議室を使ったり、特定方向の音声だけを拾う指向性マイクを使ったりすることで、音声認識の精度が向上し、間違いの少ないテキストが出来上がります。

例えば、次のようなものがあります。

■エピックベース「スマート書記」■

https://www.smartshoki.com/

■Hmcomm「ZMeeting」■

https://www.zplatform.ai/

■オルツ「AI GIJIROKU」■

https://gijiroku.ai/

■Rimo「RIMO Voice」■

https://rimo.app/about/voice

■Shamrock Records「UDトーク」■

https://udtalk.jp/

■Notta「Notta」■

https://www.notta.ai/

3 便利なツールやサービス 比較のポイントは?

1)使いやすさ

本格導入した際に使いこなせるかどうかがポイントです。トライアル期間が設けられているツールやサービスも多いため、直感的に操作できるか、機能が多く複雑過ぎないかなど、使い勝手を確認しましょう。

2)セキュリティー

情報漏洩対策がしっかり取られているかがポイントです。不正アクセスやマルウエアへの感染対策はもとより、特に議事録自動作成ツール・サービスであれば、提供側のAIの学習データとして自社の音声データが利用され第三者に流出しないかなどを事前に確認しましょう。

3)音声認識の精度

議事録自動作成ツール・サービスでは、意図した通りに音声がテキストに変換されるかがポイントです。他社の導入実績などを公表しているツール・サービスも多いです。

AIのモデルや学習データにもよりますが、「ハルシネーション」にも注意が必要です。ハルシネーションとは、AIが事実とは異なる情報や、実際には存在しない情報を生成する現象です。

4 「分かりやすい議事録」を作成するためのポイントは?

1)記載すべき事項・フォーマットを統一する

議事録は会社または部署によってフォーマットが決まっている場合が多いかもしれませんが、記載すべき事項はほぼ同じです。

・会議名/日時/場所

どのような会議が、いつ、どこで行われたのか簡潔に記します。

・参加者

誰が参加していたかを記します。記載順は役職上位者からで、議事録作成者は自分の名前を末尾に記します。敬称を記載しない場合は、(敬称略)と記しておきます。

・決定事項/タスク

決まったこと、するべきことを簡潔に記します。抜け漏れがないように注意しましょう。特に数値目標や締め切り期日など、具体的な数字で示した場合、数字を漏れなく記します。

・要点整理

論点ごとにポイントを整理します。「5W1H(2H):誰が、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように(いくらで)」を意識してまとめるとよいでしょう。

「だ・である調」で統一したほうが、「です・ます調」よりもすっきりした印象になります。西暦/和暦、時刻の12時間表記/24時間表記なども統一しておくとよいでしょう。また、次回開催の予定が決まっていれば、その日程を、未定であれば追って連絡する旨を記しましょう。

2)自分の言葉で説明を補足する

参加者の発言の意図をねじ曲げてはいけませんが、そうかといって全てを忠実にテキストに再現する必要もありません。議事録作成者が自分の言葉で内容を整理したり、説明を補足したりします。

そのためには、事前に議題に関係すると思われる情報をインプットしておくことが必要です。また、専門用語や略語などで、どうしても分からない言葉が出てきたときは、会議の雰囲気にもよりますが「念のため確認させていただきたいのですが……」と、その場で確認してしまうとよいでしょう。

以上(2025年1月更新)

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画像:Golubovy-shutterstock

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