書いてあること

  • 主な読者:テレワークなどでチャットツールでのやり取りが多い会社の社員
  • 課題:テキストでのやり取りで意図せず、相手に距離感や冷たさを感じさせていないか不安
  • 解決策:文末に「!」や笑顔の絵文字を1つつける、オーバー気味のリアクションを心がけるなど、気持ちを込める工夫を実践してみる

1 テキストでのやり取りは対面や電話よりも難しい?

テレワークが普及し、社内や取引先とのやり取りで、チャットツールを使ったテキストでのコミュニケーションが増えたという会社も多いと思います。対面や電話よりも気軽に連絡が取りやすくなった一方で、「部下に仕事のミスをテキストで指摘したら、険悪なムードになってしまった」「取引先にどこまで正確に要件が伝わっているか分かりにくい」などと、気をもむ経験をした方もいるのではないでしょうか。

テキストでのコミュニケーションは、対面や電話よりも、目に見えたり、聞こえてきたりする情報がない分、誤解や齟齬(そご)も起こりがちです。

そこで、この記事では、相手に適切に気持ちを伝えて「距離感」や「冷たさ」を感じさせないテキストコミュニケーションのコツを紹介します。

「テキストベースのやり取りで、意図せず相手に距離感や冷たさを感じさせていないだろうか?」と不安になった方は、以降で紹介するコツを参考にしてみてください。

2 気持ちが伝わる! すぐに実践したいコツ5選

1)大前提は「相手に察してほしい」と期待しないこと

対面では、相手がニコニコしているのか、怒っているのかが、相手の表情や言動などで分かります。一方で、テキストコミュニケーションでは、こうした目に見えたり、聞こえてきたりする情報がないため、文字に起こさないと何も伝わりません。

そのため、次のような期待を相手に求めないことが肝心です。

  • 察してほしい
  • 言わなくても、きっと分かってくれる
  • それくらいは気付いてほしい

また、「あれ」「これ」「それ」といった指示語や、「先日」「本日中」「そのうち」などの、人によって解釈が異なる曖昧な言葉は、お互いに認識を共有していないと誤解が生じがちです。5W1Hをきちんと文字に起こして伝えるようにしましょう。

  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Who:誰が
  • What:何を
  • Why:なぜ
  • How:どのように

お互いに誤解や行き違いを招かないためにも、テキストコミュニケーションでは、あえて文字に起こすことを常に心がけてみましょう。幸い、テキストコミュニケーションは相手に送る前に文章を推敲(すいこう)できるメリットもありますので、必ず見直してみることが大切です。

2)文末の「。(まる)」を「!(感嘆符)」や絵文字に変えてみる

メッセージの文末が句点(まる)で終わっていると、特に句点を使い慣れていない若手社員が距離感や冷たさを感じてしまうという、「マルハラ(マルハラスメント)」という言葉を聞いたことはないでしょうか? 若手社員の世代では、社会人になる前からメールやチャットツールに慣れ親しんでおり、絵文字やスタンプで感情を表すことが一般的です。

そのため、送り手は端的にリアクションをしたつもりでも、メッセージの文末が句点で終わっていると、受け手によっては「冷たい」「そっけない」などの気持ちを抱くケースもあるかもしれません。

そこで、文末の「。(まる)」を「!(感嘆符)」や絵文字に変えてみるといった工夫で、柔らかくリアクションを表現してみるとよいでしょう。

例えば、会話の最後が「分かりました。」で終わるよりも、「分かりました!」とビックリマークがつくほうが、若手社員の世代では元気があり好印象と感じる人も多いといいます。

また、句点を使う場合でも、「句点を使っているが、怒っていたり、会話を切ろうと思ったりしているわけではない」など、一言フォローを入れておくとよいでしょう。

3)リアクションは少しオーバーになってもよい

例えば、何かの回答を求められたときに、「OK」だけで返してしまうと、「深く賛同してOK」なのか、「納得できないところはあるけれど、OK」なのかが相手に伝わりません。

同じ「OK」でも、「OKです! 素晴らしい!」など、プラスアルファの一言を添えるだけで気持ちをきちんと表現することができます。絵文字やスタンプを使っても問題ない関係やシチュエーションであれば、ちょっとした装飾を加えると、より気持ちを伝えやすくなります。

これは、自分がミスを指摘されたときのような、ネガティブな状況でも同じです。

例えば、「申し訳ありませんでした。」のように、語尾が「。(まる)」だけだと、相手によっては必要以上に冷たく伝わったり、ふてくされたりしていると捉えられてしまう場合もあり得ます。「申し訳ありませんでした。今後このようなことがないよう気をつけます」など、言い回しを少し工夫することで、謝罪の意思も伝わりやすくなります。

4)「かもしれない」をつけて断定して伝えない

相手に対して何か指摘をするときに、明らかに間違っている内容だとしても、断定して伝えないのもテクニックの1つです。

「間違っている」と断言するのではなく、「間違っているかもしれない」と柔らかく伝えることで、相手を傷つけたり、モチベーションを下げたりすることがなく、指摘を受け入れてもらいやすくなるようになります。

5)相手へのお願いは、目的や期日などを併せて伝える

相手へ何かお願いをして動いてもらう際は、相手の貴重な時間を使って行動してもらうことを忘れてはいけません。

例えば、アンケートをお願いしたいときに、「アンケートへのご協力をお願いします!」などと要件を端的に伝えるだけでは、相手は一方的な要求、かつ忙しいけれどすぐに対応しなければと感じて、ネガティブな気持ちになるかもしれません。

こうしたときには、依頼の目的、所要時間、期日などを加えると相手に動いてもらいやすくなります。また、「お忙しいところ恐縮ですが、お時間をいただけますと幸いです」といった、相手への配慮も一言添えるとよいでしょう。

3 テキストコミュニケーションは万能ではない

冒頭の繰り返しになりますが、テキストコミュニケーションは、対面と比べてコミュニケーション量も、伝えられる情報量も少なくなりがちです。

そのため、謝罪や緊急の依頼などスピードが求められる場面や、議論などの場面では、テキストコミュニケーションが向かないこともあります。

緊急時には電話での連絡が最善ですし、議論であればオンライン会議などを使うほうが、より話はまとまりやすくなります。それぞれのコミュニケーションツールの特性を把握して、テキストコミュニケーションの弱点を上手に補っていきましょう。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2024年5月13日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

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