2025年4月に改正育児介護休業法が施行されたと聞きました。介護休業制度に関しては具体的にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

QUESTION

2025年4月に改正育児介護休業法が施行されたと聞きました。介護休業制度に関しては具体的にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

ANSWER

40歳等でのタイミングで介護に関する情報提供をしなければなりません。

解説

労働者が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、事業主は介護休業制度等に関す下記の事項について情報提供しなければなりません。

  • 1- 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等の制度の内容について
  • 2- 介護休業・介護両立支援制度等の申出先
  • 3- 介護休業給付金に関すること

情報提供の方法は「面談・書面交付・FAX・電子メール等」のいずれか(FAX・電子メールは労働者が希望する場合に限る)とされております。

また、情報提供に当たっては「介護休業制度」は各種制度の趣旨・目的(介護の体制を構築するため一定期間休業する場合に対応するものなど)を踏まえて行うことや情報提供の際に、併せて介護保険制度について周知することが望ましいとされております。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93180

画像:Mariko Mitsuda

カスタマー・ハラスメント(カスハラ)に関して、企業の義務や責任などを定めた法令等はありますか?

QUESTION

カスタマー・ハラスメント(カスハラ)に関して、企業の義務や責任などを定めた法令等はありますか?

ANSWER

カスタマーハラスメント(カスハラ)を直接的に規制する法律は現時点ではありませんが、企業の義務や責任を定めた法令やガイドラインがいくつか存在します。
なお、企業には労働契約法第5条に基づき従業員の安全を確保する義務(安全配慮義務)があり、カスハラから従業員を守る責任があります。

解説

カスタマー・ハラスメント(カスハラ)を直接的に規制する全国的な法律は現時点では存在しませんが、企業には労働契約法第5条に基づき従業員の安全を確保する義務(安全配慮義務)があり、カスハラから従業員を守る責任があります。

また、カスタマー・ハラスメント(カスハラ)に関して、次のような企業の義務や責任を定めた法令やガイドラインがいくつか存在します。

・労働施策総合推進法

  • ⇒この法律は、職場におけるパワーハラスメント防止措置を企業に義務付けていますが、その防止指針において、顧客からの著しい迷惑行為に対する企業の対応が推奨されています。

・厚生労働省のガイドライン

  • ⇒厚生労働省が作成した『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』では、企業が取るべき具体的な対策や対応方法が示されています。

・労働者災害補償保険法

  • ⇒厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」には、顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた場合や企業が対応策を講じなかったことなども労災の認定対象として示されています。

なお、条例になりますが、東京都で全国初の「カスハラ防止条例」が制定されています(2025年4月施行)。この条例では、カスハラ行為の禁止などが明記されています。

今後の法整備の動向にもご留意いただきながら、上記法令やガイドラインに則して適切な対応や体制を整えることが重要です。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.95080

画像:Mariko Mitsuda

1年単位の変形労働時間制をとる場合、労使協定は労働基準監督署に届け出ないといけませんか。

QUESTION

1年単位の変形労働時間制をとる場合、労使協定は労働基準監督署に届け出ないといけませんか。

ANSWER

労働基準監督署に届け出ないといけません。

解説

1年単位の変形労働時間制を導入するには、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定を締結し、所轄労働基準監督署長への届出が必要となります。

労使協定には、

  • 1.労働者の範囲
  • 2.対象期間(1ヶ月を超え1年以内の期間)
  • 3.特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)
  • 4.対象期間における労働日及びその労働日ごとの労働時間
  • 5.有効期間

を定めます。

《参考》労使協定の労働基準監督署長への届出が必要なもの

  • 1.貯蓄金管理協定
  • 2.労働時間の1ヶ月変形制協定
  • 3.労働時間の1年変形制協定
  • 4.労働時間の1週間非定型変形制協定
  • 5.時間外・休日労働協定
  • 6.専門業務型裁量労働制
  • 7.事業場外労働のみなし労働時間制で法定労働時間を超える時間を定めた労使協定
  • 8. フレックスタイム制協定(精算期間が1ヶ月超3ヶ月以下の場合)

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.93170

画像:Mariko Mitsuda

遅刻時間と残業時間を相殺することができますか。

QUESTION

遅刻時間と残業時間を相殺することができますか。

ANSWER

原則として相殺は可能です。

解説

1日の実労働時間が8時間を超えた場合に割増賃金の支払いの対象になるため、原則として相殺は可能です。
ただし、就業規則で「終業時刻後の労働時間について割増賃金を支払う」旨の定めがある場合にはこの限りでありません。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.93040

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事業主には、従業員のメンタルヘルス対策を講じる義務がありますか。

QUESTION

事業主には、従業員のメンタルヘルス対策を講じる義務がありますか。

ANSWER

労働契約法(第5条)や労働安全衛生法、民法(信義則)上の義務を負います。

解説

労働契約法(第5条)や労働安全衛生法(第3条など)、民法(第1条2項など)の規定により、労働者の安全(メンタルを含む)につき、必要な配慮しなければならない義務を負います(安全配慮義務)。
必要な配慮については、平成12年に労働省(当時)が「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を発表して、使用者に課されるメンタルヘルス上の安全配慮義務の程度を定めています。
この指針によると、メンタルヘルスケアには、1.セルフケア、2.ラインケア、3.スタッフケア、そして4.専門機関によるケアの4つの段階があるとされています。
1.セルフケア
労働者が自ら行うストレスへの気づきと対処。
セルフケアの段階で使用者に求められるのは、労働者自身にセルフケアの重要性を自覚させるために、教育研修や情報提供を行うことです。
ただし、この教育研修や情報提供が、使用者側の安全配慮義務の内容にまでは、まだなっていません。
2.ラインによるケア
管理監督者が行う職場環境等の改善と相談への対応。
管理職による、部下の労働時間、労働状況、健康状況を把握し、初期症状が出てきた場合には作業量を調整することなどです。
3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
産業医等による専門的ケア。
4.事業場外資源によるケア
事業場外の専門機関によるケア。
また、平成27年12月1日から、常時使用する労働者に対して毎年1回、心理的な負担を把握するための検査を行うこと(ストレスチェック制度)が義務化されました。
※従業員数50人未満の事業場は制度の施行後、当分の間努力義務
1.ストレスチェックの実施について
 ○ストレスチェックの実施者者は、医師、保健師等となります。
 ○ストレスチェックの調査票は、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の3領域が含まれています。
2.面接指導の実施
 ○ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者のうち、高ストレス者として面接指導が必要と評価された労働者から申出があったときは、医師による面接指導を行うことが事業者の義務になります。
 ○事業者は、面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、就業上の措置を講じる必要があります。
3.集団分析の努力義務化
 ○職場の一定規模の集団(部、課など)ごとのストレス状況を分析し、その結果を踏まえて職場環境を改善する措置は努力義務になります。
4.労働者に対する不利益取扱いの防止について
 ○ストレスチェックを受けない者、事業者への結果提供に同意しない者、面接指導を申し出ない者に対する不利益取扱いや、面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等を禁止されています。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.95010

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成果型賃金制度を導入して賃金が下がる従業員がいてもいいですか。

QUESTION

成果型賃金制度を導入して賃金が下がる従業員がいてもいいですか。

ANSWER

受忍限度内の不利益であり、構いません。

解説

成果型賃金制度を導入すると、成果や能力次第では賃金が上昇する場合と逆に不利益になる場合があります。賃金の不安定性を生ずることそれ自体が不利益変更であるとみて、判例の合理的変更法理が該当すると一般には考えられています。
そのために判例理論上は、賃金についての変更は高度な必要性を求めています。
「全国信用不動産事件」では、倒産の危機に瀕しているという状況にはなかったことを高度の必要性を否定する根拠としています。高度の必要性の要件を厳格にとらえると、就業規則の変更では成果主義型の賃金体系を導入することが困難となります。
一方、「ハクスイテック事件」は、成果主義型賃金体系を導入した給与規程変更の事案について、賃金の不利益変更であると認めたうえで、その変更に合理性があると判断しています。
一般的に、労働生産性と直接結びつかない形の年功型賃金体系は合理性を失いつつあり、労働生産性を重視し、能力・成果主義に基づく賃金制度を導入することが求められており、高度の必要性の要件を緩やかに解しています。個別労働者において賃金が下がることがあっても、受忍限度内の不利益であるとしています。
労務の観点からは、変更を必要とした経営事情よりも、変更後の労働条件の内容的合理性を重視して判断すべきです。
成果型賃金制度の合理性を支えるためには、目標管理制度における目標の設定とその方法・手続、仕事の成果の評価とその方法・手続、賃金額決定の方法・手続、苦情処理制度の整備が必要であると考えられます。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92140

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労働者から退職願または退職届を撤回する旨の申し出があった場合、会社として撤回に応じる必要はあるのでしょうか。

QUESTION

労働者から退職願または退職届を撤回する旨の申し出があった場合、会社として撤回に応じる必要はあるのでしょうか。

ANSWER

会社が退職の申し入れに対して、これを認めるという正式な意思表示をしていれば、労働者の退職の申し出の撤回に応じる必要はありません。

解説

退職の申し入れを正式に認めることの基準については、社内の規程などに明示しておくべきです。
基準を明確にしておくことで、その基準を満たせば、退職の申し出の撤回に応じる必要はありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.96060

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外国人でも日本国内で就労する限り、労働基準法等の労働法の適用を受けますか。

QUESTION

外国人でも日本国内で就労する限り、労働基準法等の労働法の適用を受けますか。

ANSWER

適用を受けます。

解説

日本国内で就労する限り、日本人、外国人を問わず、原則として労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等の労働関係法令の適用があります。
また、労働基準法第3条は、労働条件面での国籍による差別を禁止しています。外国人労働者についても、法定労働時間の遵守、週休日の確保など適正な労働時間管理を行う必要があります。
外国人を雇い入れた際にも、日本人と同様に労災保険・雇用保険、健康保険・厚生年金保険に加入させなければなりません。
また、外国人労働者と労働契約を締結する際には、労働条件を明記した書面を交付してください。
たとえ不法就労であったとしても、法の扱いは原則として変わりません。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.91040

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派遣労働者の最低賃金は派遣元の基準を適用すればいいですか。

QUESTION

派遣労働者の最低賃金は派遣元の基準を適用すればいいですか。

ANSWER

派遣先の最低賃金が適用されます。

解説

最低賃金には、以下のとおり地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の2種類があります。
1.地域別最低賃金
 産業や職種にかかわりなく、都道府県内のすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47の最低賃金が定められています。
2.特定(産業別)最低賃金
 特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されており、各都道府県に全部で227(令和3年3月31日現在)の最低賃金が定められています。
なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
派遣労働者には、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣先の事業場に適用される地域別最低賃金が適用されますので、派遣会社の使用者とその労働者は、派遣先の事業場に適用される最低賃金を把握しておく必要があります。
また、派遣先の事業場に特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92110

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労働基準監督署の立ち入り調査に際して、どのようなものを事前に用意しておく必要がありますか。

QUESTION

労働基準監督署の立ち入り調査に際して、どのようなものを事前に用意しておく必要がありますか。

ANSWER

主に労働の実態の分かるものが必要となります。

解説

労働基準監督官が事業場に立入調査をすることを臨検といいます。臨検には、定期監督・申告監督・災害時監督・再監督の4種類あります。
労働安全衛生法関係の臨検は予告なしの抜き打ちが多く、労働基準法の関係は帳簿の確認や聞き取りが必要なので、大抵予告があります。
労働基準法関係で臨検において一般的に提出が求められるのは、次のものです。

  • 1.就業規則(別規程もすべて)
  • 2.労働者名簿
  • 3.時間外・休日労働に関する協定届(控)
  • 4.時間外・休日労働に関する協定書(写)
  • 5.4.のほか労働基準法に関する協定書(写)、協定届(控)
  • 6.労働時間管理の為に作成している書類(賃金台帳と突合せができるもの)
    <例>出勤簿、タイムカード、勤務表など
  • 7.賃金台帳(直近3箇月分)
  • 8.年次有給休暇管理台帳
  • 9.衛生委員会の議事録
  • 10.衛生管理体制(衛生管理者・産業医等)に関する選任報告書(控)
  • 11.健康診断の個人票
  • 12.健康診断結果報告書(控)
  • 13.労働条件の明示の為、採用時に労働者に交付しているもの
    (労働条件通知書等の)サンプル
  • 14.会社の概要の分かるもの(パンフレット等)
  • 15.会社の組織図
  • 16.給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99100

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