中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助・コロナ支援など幅広いジャンルの支援があります。
本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。
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中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助・コロナ支援など幅広いジャンルの支援があります。
本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。
解雇に関するトラブルは多く、裁判で解雇が無効(不当解雇)となるケースも少なくありません。その場合、
会社は社員に対し、解雇期間中の賃金(バックペイ)を支払う義務
を負います。通常、会社が社員を解雇した時点で労働契約は終了するので、賃金を支払い義務はなくなります。しかし、解雇が無効になると、労働契約は終了しなかったことになるため、解雇期間中(会社が社員を解雇してから、社員が職場に復帰するまで)の賃金を支払う必要が出てくるのです。解雇した時点に遡って賃金を支払うことから、「バックペイ」と呼ばれます。
解雇期間中、社員は働きません。そのため、会社は社員が働いていないのに賃金を支払わなければならず、裁判が長引けば金額も大きくなってしまいます。
逆に、バックペイのルールをしっかり理解しておけば、
「解雇が無効になったら、どのぐらいの額の支払いが必要になるのか」をシミュレートし、裁判が長引きそうな場合、和解などで解決を図る
といった対策を講じることができます。以降でポイントを確認していきましょう。
前述した通り、解雇が無効になると、会社は働いていない社員に賃金を支払う必要があります。それは、民法第536条第2項に、
債権者の責めに帰すべき事由により、債務者が債務を履行できなくなった場合、債権者は反対給付(債務者に対する給付)を拒めない
という旨の定めがあるからです。バックペイの場合、次のような関係になります。
つまり、会社が社員を不当解雇したせいで、社員が労務を提供できなくなった場合、会社は賃金の支払いを拒めないとなるわけです。ただし、社員が会社に対し、労務を提供する(債務を履行する)意思があることがこのルールの前提なので、例えば、
社員が「会社に戻るつもりはないが、解雇自体は不服だ!」といって訴訟を起こした場合などは、バックペイの支払いは不要(不当解雇に関する損害賠償などは別)
です。ちなみに、社員が解雇期間中、別の仕事に就いていた場合に、会社に復帰する意思があるといえるのかどうかがよく問題になりますが、この点については第5章で説明します。
バックペイの対象となる期間を、日給月給制(1カ月単位で賃金を計算し、働いていない時間分は控除する)の場合で考えてみます。会社が社員を解雇し、その後裁判で解雇が無効になった場合、その社員は、
となります。就労できなかったであろう期間とは、
などです。
バックペイとして支払う賃金は、原則として
社員が解雇されなかった場合、確実に支払われたであろう賃金
です。ですから、毎月、固定給として支給される基本給はもちろん、諸手当(役職手当、家族手当、住宅手当など)についても確実に支払わなければなりません。一方、過去の裁判例の中には、
賃金の一部(通勤手当、残業代、賞与など)は、バックペイに含まなくてもよい
と判断したものがあります。
通勤時の交通費を補てんするために支給される通勤手当については、
交通費の実費弁償的な性質があるので、実際に就労していなければ請求できない
と判断した裁判例(名古屋高裁昭和56年4月30日判決など)があります。
時間外勤務の実績に応じて支払われる残業代については、
時間外勤務を命じられて現実に勤務をして初めて発生するため、実際に時間外勤務をしていなければ請求できない
と判断した裁判例(東京地裁平成7年12月25日判決など)があります。ただし、固定残業代のように、残業時間に関係なく定額で支給する残業代については、バックペイの対象になります。
半年に1回など、通常の賃金とは別に支給される賞与については、
業務成績等を個別に査定した上で賞与を支給する場合、実際に査定を受けていなければ請求できない
と判断した裁判例があります(東京地裁平成18年1月23日判決)。逆に、個別の査定を行わずに賞与を支給する場合、バックペイの対象になると判断した裁判例もあります(福岡地裁平成21年6月18日判決)。
このように賃金の一部はバックペイから除外できる可能性がありますが、注意が必要なのが
バックペイの総額は、「平均賃金×60%以上×解雇期間中の所定労働日数(解雇されなかった場合、就労できたであろう日数)」を下回ってはならない
という点です。これは、労働基準法第26条の「休業手当(会社都合で社員を休業させる場合に支払う手当)」のルールをバックペイに適用したものです。平均賃金は、
解雇期間初日の直前3カ月間の賃金総額÷直前3カ月間の総日数
で計算しますが、この場合の賃金総額には、通勤手当や残業代も含まれるので要注意です(3カ月を超える期間ごとに支給する賞与は賃金総額に含めない)。
第2章で、バックペイの前提は、その社員が会社に復帰する意思があることだと説明しました。では、解雇期間中に社員が他の仕事に就いていたらどうなるのでしょうか。これについては、
解雇期間中の収入が解雇前に比べて低く、また他の仕事に就く前から一貫して解雇の無効を訴えていることなどから、復帰の意思がある
と判断した裁判例(東京高裁平成31年3月14日判決)や、
他社に就職しつつも、解雇前の会社に復帰できるよう住所を維持していたり、再就職した会社をすぐに退職することが可能と証言していたりすることから、復帰の意思がある
と判断した裁判例(東京地裁令和4年3月16日判決)などがあります。つまり、解雇期間中に他の仕事に就いていても、会社への復帰の意思が即座に否定されるわけではないとうことです。ただし、社員が
解雇期間中に収入を得ていた場合、その額をバックペイの額から控除することは可能
です。もっとも、前述した通り、バックペイの総額は「平均賃金×60%以上×解雇期間中の所定労働日数」を下回ってはいけないので、控除額には限界があります。また、仕事による収入の控除は認められますが、社員が在職中、雇用保険に加入していた場合、
雇用保険の「失業手当」などの給付額は、バックペイの額から控除できない
ので注意が必要です。
以上(2024年2月作成)
(監修 弁護士 田島直明)
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温厚だった社員が急に怒りやすくなったり、強い口調になったりして、びっくりしたことはありませんか? なかには、他の社員に暴言を吐いてパワハラになりかけたなんて事例も……。こうした事態の原因の1つかもしれないのが「更年期障害」です。
更年期障害とは、簡単に言うと
加齢により性ホルモンの分泌量が減ることで起きる、体やメンタルの不調のこと
です。症状はさまざまですが、ささいなことで反射的に怒ったり、唐突に感情が昂ぶって涙を流したりするなど、精神が不安定になるというものがあります。更年期障害の症状は、
早ければ40歳を過ぎたころから顕在化し、女性だけではなく男性もなり得る
もので、女性のピークが50代前半、男性のピークは50代後半といわれています。会社は社内の男女比率に関係なく、対策を講じる必要があるでしょう。
具体的には、
が大切です。更年期障害に詳しい現職の産業医がポイントを解説します。
前述した通り、更年期障害は加齢により性ホルモンの分泌量が減少することで発症します。女性の場合、「エストロゲン」という女性ホルモンが、閉経の前後数年間(40代~50代ごろ)に急激に減ることで症状が表れます。一方、男性の場合、「テストステロン」という男性ホルモンが、30代ごろから緩やかに減ることで症状が表れます。
性ホルモンが減少すると、「幸せホルモン」といわれるセロトニンなども不足し、精神の安定が崩れてイライラするようになります。また、メンタルだけでなく、体温が上がりやすくなり、だるさも強くなるなど、体にも不調を来します。主な症状は図表1の通りです。
性機能障害(ED)、生理不順以外の症状は男性・女性で共通する症状が多いですが、
という傾向があります。
更年期障害の疑いがあって医療機関を受診する場合、女性の場合は「婦人科」の更年期外来、男性の場合は「内科」や「泌尿器科」の男性更年期外来などが窓口になるでしょう。また、メンタルの不調が主な悩みであれば、「心療内科」や「精神科」も選択肢となり得ます。
更年期障害の治療法は、症状に応じた薬剤の投与や生活習慣の改善指導など、さまざまあります。薬物療法の場合、代表的な治療法が「ホルモン補充療法」です。女性の場合はエストロゲン、男性の場合はテストステロンを補充するというもので、通常、
という流れで治療が進みます。
個人の状況によって異なりますが、通常、検査を含む診察にかかる時間は1回の受診につき1~2時間ほど、通院頻度は月に1~2回ほどでしょう。また、治療期間については、薬剤投与を開始してから最低数カ月経過してから効果が見られ始めますが、その後も経過を見つつ、何年もかけて治療するケースがあります。
ホルモン補充療法以外には、例えば、抑うつや不眠などの症状が見られる場合に「向精神薬」や「睡眠薬」を投与する、のぼせや顔の火照り、異常な発汗などの症状が見られる場合に「漢方薬」を投与するといった対応が考えられます。個人の症状や環境に応じて最適な治療法が選ばれ、その内容に応じて通院頻度や治療期間も変わってきます。
厚生労働省が、2022年に全国の20~64歳の男女(計5000人)に対して実施したアンケート調査では、更年期障害の状況(年代別)について図表2のような結果が出ています。
女性の場合、40~49歳の3.6%、50~59歳の9.1%が「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」ことが分かります。また、40歳~49歳の28.3%、50~59歳の38.3%が「更年期障害の可能性があると考えている」となっています。更年期障害と診断されずとも、その可能性に悩まされている人はかなり多いようです。
男性の場合、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」「更年期障害の可能性があると考えている」割合は、女性に比べると全体的に低めです。しかし、実は
男性は女性に比べ、性ホルモンの減少スピードが緩やかで、更年期障害に気付きにくい
という傾向があります。本人が自覚していないだけで、実際は男性更年期障害である可能性が残されている点に留意する必要があります。
更年期障害やその疑いがある社員に対応する際、必要となる心構えやサポート体制の内容について紹介します。
社員の誰かが急に怒りやすくなったり、強い口調になったりすると、周囲はネガティブに受け取ってしまいます。しかし、こうした変化を短絡的に性格の問題にしたり、無遠慮に「更年期障害なんじゃない?」とからかったりすると、本人をさらに傷つけ、問題が複雑化します。
更年期障害になった本人は、心のゆとりを失い、人に相談できずに自分を責めるなどとてもつらい状態にありますから、社員1人1人が
「誰もが更年期障害になり得る」という意識を持ち、思いやりを持って接すること
が大切です。ただ、社員の自助努力に期待するだけでは、こうした意識はなかなか育ちません。そのため、例えば、
専門家を講師に招いて「更年期障害に関する社内セミナー」を開催し、加齢によって体やメンタルに起きる変化、更年期障害の人との向き合い方などを丁寧に指導してもらう
のがよいと思います。講師は産業医や保健師、あるいは健康経営や女性活躍の支援をしている会社などに依頼するとよいでしょう。なお、前述した通り、特に男性は「自分が更年期障害である」ということに気付きにくい傾向がありますが、こうしたセミナーはそんな社員に気付きを促し、医療機関の受診につなげる良いきっかけにもなります。
図表2で、「自分が更年期障害かもしれない」と悩んでいる人は、女性を中心に相当数いるというデータを紹介しました。こうした人たちのために、
更年期障害について相談できる窓口を設置すると、症状が軽いうちに対処できる可能性
があります。
大企業では社内に産業医が常駐しており、保健師の相談窓口も設置されているケースも多いのですが、社内にそうした医療専門職がいない中小企業でも、外部の産業医や保健師に委託し、月に数回会社に来てもらって、社員の健康相談に乗ってもらうことが可能です。
なお、社員が「自分は更年期障害である」と気付いていない場合については、経営者や上司が本人の状況(症状の内容など)を見て、相談窓口や医療機関の情報提供をすることも効果的でしょう。その際は、「君は更年期障害だろうから、相談(受診)しなよ」などと決め付けるのではなく、「もしも、この先つらい状況が続くなら、一度、相談(受診)してみてもいいかもしれないね」など、本人の意思を尊重した言い方を心掛けることが大切です。
可能な範囲で、更年期障害の社員向けの福利厚生を検討するのもよいでしょう。
例えば、分かりやすいのは、
医療機関を受診する際などに利用できる、会社独自の「特別休暇」を導入
することです。ホルモン補充療法の場合であれば、時間単位や半日単位の休暇を複数回取得できるような制度設計にしておくとよいでしょう。休暇を有給にしたり、受診費用の一部を会社が負担したりすることも併せて検討すれば、社員が更年期障害の治療により前向きになってくれる可能性もあります。
この他、
社員が福利厚生でオンライン診察を受けられる「オンライン社内診療所」を導入
するという方法もあります。サービスごとに異なりますが、症状の悩み、病歴や薬剤の服用歴歴、アレルギーの有無などを事前問診で確認し、チャットやビデオ診察の後、処方・送薬までが可能です。当社でも企業の福利厚生プランとして、更年期障害に対する漢方の処方を含むオンライン診療サービスを提供しています。
社員の中には、自分が更年期障害かもしれないと思っても「医療機関に行く時間がない」「年単位で治療を継続することに気が進まない」などと考え、通院をためらってしまう人がいますが、「いつでも・どこでも」のオンライン診療であれば、こういった課題は解決されるため、必要な医療へつながる第一歩となることを期待します。
以上(2024年2月作成)
(執筆 株式会社フェアワーク 吉田健一)
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人手不足の問題は、年々深刻化しています。株式会社帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2023年10月)」によると、正社員の人手不足を感じている企業の割合は52.1%となっており、コロナ禍以前の高水準に戻っています。
今後も労働力人口の減少が見込まれる中でいかに優秀な人材を確保するかは、企業にとって大きな課題と言えます。
本稿では、会社を存続させていく上で、とても重要な「優秀な人材の確保」について、その具体策の一つである「リファラル採用」についてご紹介してまいります。
人手不足の問題は、年々深刻化しています。株式会社帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2023年10月)」によると、正社員の人手不足を感じている企業の割合は52.1%となっており、コロナ禍以前の高水準に戻っています。
今後も労働力人口の減少が見込まれる中でいかに優秀な人材を確保するかは、企業にとって大きな課題と言えます。
本稿では、会社を存続させていく上で、とても重要な「優秀な人材の確保」について、その具体策の一つである「リファラル採用」についてご紹介してまいります。
リファラル採用とは、従業員から知人や友人の求職者を紹介してもらう採用手法のことで、多くのメリットがあります。
求人広告の掲載費や転職エージェントへの報酬は社外に出ていくコストとなりますが、従業員(紹介者)にリファラル採用によるインセンティブを与える仕組みを構築すれば、そのコストが、従業員の会社への忠誠心や帰属意識の向上を生む効果をもたらします。
「就職白書2023」(株式会社リクルートの研究機関・就職みらい研究所)によると、2024年卒の採用方法・形態において、全体の18%の企業がリファラル採用を実施しており、前年より3.0%伸びています。
また、従業員規模別では、次の通りの結果となっています。
((株)リクルート:就職みらい研究所「就職白書2023」)
上記のように採用手法として浸透しつつあるリファラル採用ですが、「紹介料(報酬)」を従業員に支払う場合には、注意が必要です。
法律では、報酬に関するルールが決められています。職業安定法30条では「有料での職業紹介」が規制されており、この法律に抵触しないようにしなければなりません。
法律に抵触しないためには、リファラル採用を社内制度として確立し、その報酬が、職業紹介における報酬とみなされないように「賃金・給与」として支払う仕組みを構築する必要があります。
賃金・給与として支払う場合は、労働基準法の定めに基づいて、就業規則にリファラル採用を業務として記載することも忘れてはいけません。
また、報酬額をあまりに高く設定してしまうと「職業紹介の報酬」とみなされるリスクが生じますので、適切な金額に設定することもポイントとなります。
今後も労働力人口が減少していくことにより、企業の人材獲得競争はより激しさを増します。近年はさまざまな新しい採用手法が登場し、会社の規模を問わず各社がその新しい採用手法を検討・導入しています。その一つであるリファラル採用は、高効率、低コスト、ミスマッチの回避等のメリットがある一方で、留意しなければならない点も多くあります。
曖昧なルールのもとで行うのではなく、法律違反等のリスクを回避し、従業員の会社への帰属意識が向上するような制度を構築することで、優秀な人材が確保でき、また定着へとつなげていけるのではないでしょうか。
※本内容は2024年1月16日時点での内容です。
(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)
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毎年恒例の年末調整。これによって会社で働く多くの人は所得税の申告が不要となり、納税も会社経由で行うことができます。しかし、
給与所得が2000万円を超えたり、副業の収入が20万円を超えたりすると確定申告が必要になる
ことをご存じですか?「あっ、自分は確定申告が必要だ」と思った方は、この記事を読み進めてください。確定申告をする場合、自分が各種の控除の対象になるか否かを確認しなければなりなせん。比較的なじみが深い以下の控除も高収入の人は対象になりません。
まずは、自分の「所得」がいくらなのか、国税庁のウェブサイトなどでチェックしてみてください。その上で、自分が対象となる控除を確認することが大切です。以降で、上の3つの控除を受けられる所得の上限と、はじめて確定申告する際の注意点を紹介するので参考にしてください。
基礎控除は、納税者が一律で差し引かれる所得控除の1つです。しかし、
納税者本人の合計所得金額が2400万円を超えたら段階的に控除額が減り、2500万円を超えると控除の対象外
となります。なお、基礎控除額は納税者本人の合計所得金額に応じて、次のようになります。
配偶者控除・配偶者特別控除は、いずれも配偶者の収入などによって控除額が変わりますが、前提として、
の場合に対象になります。しかし、いずれの控除も
納税者本人の合計所得金額が1000万円を超えると控除の対象外
となります。
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで、マイホームを購入したり、増改築したりした場合などに受けられる税額控除の1つです。しかし、
となります。
確定申告作業前に準備するものは、
です。確定申告は、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」 の流れに沿って上記で準備した資料などを基に作成していきます。なお、作成した確定申告書の提出方法には、「紙で郵送」と「電子申告(e-Tax)」の2つがあります。
マイナンバーカードを持っている場合は、スマートフォン(マイナンバーカードの読み取り対応のもの)からウェブに接続して、またはパソコンにICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み取って、e-Taxを利用します。マイナンバーカードを持っていないけれど電子申告がしたい場合は、事前に税務署からIDとパスワードを取得して準備します。取得するためには顔写真付きの本人確認書類が必要です。
確定申告は、例年2月16日~3月15日までの間に行わなければなりません。ただし、還付申告(納付ではなく還付となる申告)については、年明け1月1日から提出することができます。還付の場合は、通常申告後3週間~1カ月程度で、指定した口座に還付金が振り込まれます。
納付は、申告期限と同様で3月15日までにしなければなりません。納付が遅れると(口座の残高不足により振替できなかった場合も含む)、延滞税がかかります。延滞税は
納付すべき金額に延滞税率を乗じて、日数換算(延滞日数/365日)
で計算します。延滞税率は、
です。
申告期限内に誤りに気付いた場合、作成し直したものを期限内に提出すればおとがめなしです。しかし、申告期限を過ぎてしまうと次のようなペナルティがあります。
なお、更正の請求ができる期間は、申告期限から5年以内です。
申告期限を過ぎて行った確定申告は、期限後申告として取り扱われます。期限後申告のペナルティは、納付すべき税額に対して無申告加算税が課されることです。無申告加算税は
原則、50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセントの割合を乗じて計算
します。なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5パーセントの割合を乗じて計算した金額に軽減されます。また、確定申告の期限後、1カ月以内に自主的に確定申告をしているなど一定の場合には、無申告加算税が免除されます。
ちなみに、会社員で医療費控除がある人など、もともと確定申告の必要のない人が確定申告をして税金の還付を受ける申告を「還付申告」といいますが、この場合はその年の翌年1月1日から5年間まで提出することができます。
税理士に確定申告を依頼するメリットの1つは、手間と時間が削減できることです。また、適切な処理により節税に関するアドバイスを受けることで、必要以上に税金を支払うリスクを少なくし、合理的な税金対策が可能になります。
顧問税理士がいる場合、税務署から顧問税理士に連絡がきます。
顧問税理士がいない場合、直接納税者に連絡があります。税務調査だけでも対応してくれる税理士もいるので、税務署から連絡がきたら、できるだけ早く税理士に相談しましょう。
税務調査で必ず必要になるのは、税務署に指定された年度の確定申告書、会計帳簿(決算書や元帳)です。また確定申告書を作成する際に必要となる金額の根拠資料や、会計帳簿を作成時に作成した各種計算表や書類なども用意しておきましょう。
以上(2024年2月作成)
(執筆 南青山税理士法人 税理士 窪田博行)
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将来のための資産形成、または副業による給与以外の所得がある人は、所得税の確定申告や納税に気を付けないといけません。確定申告をすべき人が申告・納税をしていないと、いずれ税務署から調査を受けて多額の納税資金が必要になります。しかも、本来の納税額に罰金の性格を持つ税金(無申告加算税など)が追加されてしまいます。
この記事では申告をしなければならない、またはしたほうがよい主なケースを紹介しますので、まずは、自身の所得の状況(利益か損失か)を確認し、確定申告が必要なのかどうかを把握するようにしましょう。
なお、所得税の基本については、下記の記事で紹介しています。
株や投資信託をしている人で確定申告をしなければならないのは、
です。株や投資信託を売買するのに利用する口座は5種類あり、それぞれ
となります。自身が口座を開設したときにいずれの口座を選択したかを確認し、上記1.または2.に該当するかどうかを把握しておきましょう。
確定申告をしたほうがよいのは、
株や投資信託を売って損失が出ている人
です。株や投資信託にかかる損失に対しては税金がかかることはないため、確定申告は不要です。ただし、その年に他の株や投資信託で利益が出ている場合、確定申告をすることで、その損失を利益と相殺することができます。これを「損益通算」といいます。
一方、相殺するような利益がない場合でも、翌年以降に利益が出た場合に、繰り越して(最長3年間。2023年分については、2024~2026年まで)その損失と相殺することができます。
FX投資をしている人で確定申告をしなければならないのは、
会社員や年金受給者の場合には20万円超、専業主婦や学生の場合には48万円超の利益が出ている人
です。FX取引に関しては、株や投資信託の特定口座のように源泉徴収する制度がありません。そのため、FX取引によって一定の利益が出た場合(上記それぞれの金額を超える場合)には、必ず確定申告が必要です。
確定申告をしたほうがよいのは、
FX取引で損失が出ている人
です。FX取引についても、損失が出ている場合には確定申告は本来不要です。ただし、その年に他の先物取引に分類される取引(差金決済取引や商品先物など)で利益が出ている場合、確定申告をすることで損益通算ができます。なお、FX取引の損益と株や投資信託などの取引の損益を損益通算することはできません。
また、相殺するような利益がない場合(他の先物取引に分類される取引でも利益が出ていない場合)でも、翌年以降に利益が出た場合には、繰り越して(最長3年間。2023年分については、2024~2026年まで)その損失と相殺することができます。
暗号資産(仮想通貨)取引をしている人で確定申告をしなければならないのは、
会社員や年金受給者の場合には20万円超、専業主婦や学生の場合には48万円超の利益が出ている人
です。暗号資産取引の利益の計算については、売却したときだけでなく、他の暗号資産と交換したとき、暗号資産を使って商品を購入したときにも必要になるのでご注意ください。
確定申告をしたほうがよいのは、
暗号資産取引で損失が出ている人
です。暗号資産取引についても、損失が出ている場合には確定申告は本来不要です。ただし、その年に雑所得に分類される取引(他の暗号資産取引やFX取引、副業などによる所得など)で利益が出ている場合、確定申告をすることで、その損失を利益と相殺する損益通算ができます。なお、株や投資信託などの取引とは損益通算ができないのでご注意ください。
また、暗号資産取引で出た損失については、3年間の繰越控除制度はありません。
不動産オーナー人で確定申告をしなければならないのは、
マンションの一室やアパート、土地(以下「不動産」)の貸付により20万円超の利益が出ている人
です。不動産所得は、給与所得など他の種類の所得と合算した金額に税率をかける計算方式(総合課税)で所得税を計算します。そのため、後述する損失が出ている場合においても別の種類の所得と損益通算ができます(青色申告である場合に限ります)。
確定申告をしたほうがよいのは、
です。不動産所得においても、損失が出ている場合には確定申告は本来不要ですが、他の総合課税の対象である所得(給与所得や一時所得)がある場合に損益通算ができます。不動産については、定期的なメンテナンスや修理など一時的に多額の支払いが発生します。そのような年は損失も発生しやすいため、損益通算が活用できるかどうかチェックしましょう。
この項目については、給与所得から控除できる特定支出控除についての解説です。特定支出控除は、年末調整では受けることができない所得控除で、確定申告が必要になります。
確定申告をしたほうがよいのは、
業務に関連する資格の取得費や会社で補填されない通勤費など一定の支出(特定支出といいます)が、自身の給与所得控除額の50%を超えている人
です。特定通勤費は
の9種類に限定されており、会社で経費精算しているものは対象外です。また、業務を行う上で直接必要であることを会社側が認めているなどの一定の条件を満たすものに限られます。
なお、自身の給与所得控除額は源泉徴収票から簡単に計算できるので一度確認してみましょう。源泉徴収票の見方を確認したい場合は、下記のリポートをご参照ください。
以上(2024年2月作成)
(監修 税理士 石田和也)
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2023年12月13日より改正旅館業法が施行されました。大きな改正点は、
です(特定感染症については後述)。
宿泊施設の営業者は一定の場合を除いて「宿泊を拒んではならない」のが原則です(旅館業法第5条第1項)。この原則には変わりありませんが、今般の法改正で、宿泊を拒否してもよい事由が追加され、宿泊しようとする者がしつこくムリな要求をしてきた場合に、宿泊を拒否できるようになりました。
また、コロナ禍のとき、発熱があることだけでは宿泊を拒否できない、宿泊客に対して感染防止対策への実効的な協力の求めを行うことができない、という問題が露呈したことを受け、改正法では「特定感染症の患者等であるとき」と、宿泊拒否の事由が明確化されました。
今般の法改正後、いわゆる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」に当たるような行為があった場合、宿泊施設側は正々堂々と宿泊を拒否してよいわけですが、そうはいっても、
実際、どういった場合に宿泊を拒否していいのか
判断が難しい場面が出てくるのは間違いありません。また、改正法令が施行されたばかりで、宿泊施設側も、宿泊しようとする客側も何がNGなのか、よく分からないのが実情でしょう。
そこで、この記事では、改正法令や厚生労働省の検討会資料などを基に、宿泊を拒否できる具体例、留意点、宿泊施設に求められる対応策を紹介します。
特定要求行為とは、「その実施に伴う負担が過重であって他の宿泊者に対する宿泊に関するサービスの提供を著しく阻害するおそれのある要求として厚生労働省令で定めるもの」をいいます。宿泊しようとする者が従業員に対して特定要求行為を繰り返した場合、宿泊施設は宿泊を拒否できます。具体的には次のような行為が挙げられます。
7番目の「要求の内容の妥当性」については、宿泊施設が提供するサービスに瑕疵(かし)・過失が認められない場合や、要求の内容が、宿泊施設が提供するサービスの内容とは関係がない場合は、妥当性を欠くものと考えられます。
また、「当該要求を実現するための手段・態様が不相当な言動」とは、身体的な攻撃(暴行、傷害)、精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)、土下座の要求等が挙げられます。これらは、たとえ要求の内容に妥当性があったとしても不相当とされる可能性が高い(場合によっては犯罪行為)です。また、商品交換、金銭補償、謝罪(土下座を除く)の要求などは、要求の内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があります。
なお、ここでいう「宿泊しようとする者」は、これから1泊目の宿泊をしようとする者だけでなく、既に1泊以上していて2泊目以降の宿泊をしようとする者も含まれます。
特定感染症とは、感染症法における一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症(入院等の規定が準用されるものに限る)および新感染症のことをいいます。
宿泊施設の営業者は、
特定感染症が国内で発生している期間に限って、宿泊しようとする者に対し、症状の有無などに応じて、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めることができる
こととされました。宿泊拒否を巡って訴訟となった「ハンセン病元患者」や「HIV/エイズ患者」については、法改正前から宿泊拒否の対象でないことが厚生労働省の通知で示されていましたが、今般の法改正によって、宿泊拒否の対象としてはならないことが、より明確になりました。
なお、今般の法改正で、宿泊者名簿の記載事項として「職業」が削除され、代わって「連絡先」が追加されたのも、宿泊客に対し、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めるためです。
その他、法改正前と同じく、
にも宿泊を拒否できます。
都道府県によって条例で定める事由は異なりますが、例えば、「宿泊しようとする者が身体または衣服が著しく不潔であるため他の宿泊者に迷惑を及ぼすおそれがある」「宿泊しようとする者が明らかに支払能力がないと認められる」などが挙げられます。
また、宿泊しようとする者が暴力団など反社会的勢力の構成員であることが判明した場合も宿泊を拒否できると考えられます。
繰り返しになりますが、宿泊施設の営業者は一定の場合を除いて「宿泊を拒んではならない」のが原則です。宿泊しようとする者の状況等に配慮して、みだりに宿泊を拒むことがないようにするとともに、宿泊拒否の事由に当たる場合でも、客観的な事実に基づいて判断し、宿泊しようとする者からの求めに応じてその理由を丁寧に説明できるようにする必要があります。
特に留意しなければならないのは、
2024年4月から障害者差別解消法に基づく「合理的配慮」の提供が努力義務ではなくなり、義務化される
ことです。
障害者差別解消法では、障害がある人への不当な差別的取り扱いを禁じており、障害があることを理由に宿泊を拒むことはできません(障害があることは、旅館業法の宿泊拒否の事由にも当たりません)。
また、宿泊しようとする障害のある人が「合理的配慮」を求めてさまざまな要求を繰り返したとしても、それをもって宿泊を拒否してよいのかは一概には言えません。宿泊拒否の事由とされる「負担が過重」や「余裕がないとき」の解釈が宿泊施設側に委ねられている部分が大きいため判断が難しいところです。
無制限に対応を強いられたり、業務の遂行に支障を来すおそれがあったりする要求に応じる必要はありませんが、そうした要求に対しても、まずは「要求には応じられないが、宿泊自体は受け入れる」ことを説明し、それでもなお要求を繰り返す場合は、宿泊を拒むことができます。
なお、旅館業法第5条第1項各号に規定されていない宿泊拒否事由を宿泊約款に規定したとしても、無効であり、同項にない事由による宿泊拒否は、旅館業法違反となります。
旅館業法の改正によって、宿泊施設に対して、従業員への研修を行うことが努力義務化されました。障害のある人をはじめ、ハンセン病元患者やHIV/エイズ患者などに対する不当な差別的取り扱いにつながることのないようにし、宿泊者に対してその特性に応じた適切なサービスを提供できるようにすることが大切です。
厚生労働省は、旅館業法の研修ツール等を順次ウェブサイトに掲載していく予定です。ぜひ確認してみましょう。
また、生成AIを活用した教育研修ツールも登場しています。例えば、インタラクティブソリューションズの「iRolePlay」では、AIと対話形式でのロールプレイが可能で、迷惑客として理不尽な要求を繰り返すAIに対して接客するなど、さまざまな設定でトレーニングできます。
宿泊者は、旅館業法の改正で、迷惑客の宿泊を拒否できるようになったことや、宿泊者名簿に「連絡先」を記載するようになったことを認識していないかもしれません。厚生労働省は周知用ポスターを作成し、ウェブサイトで公開しているのでぜひ活用しましょう。
また、宿泊約款を改定し、特定要求行為を繰り返した場合には宿泊を拒むことがある旨などを明記しておくとよいでしょう。観光庁が「モデル宿泊約款」をウェブサイトで公開しているので参考にしましょう。
以上(2024年2月作成)
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画像:Elnur-shutterstock
ライドシェアは、配車アプリを介して乗客とドライバーをマッチングし、乗客がドライバーに対価を支払って目的地まで車で運んでもらうサービスです。米国のUberなどが有名で、現地の移動で利用したことがある人もいるのではないでしょうか。配車アプリの機能によりますが、乗客は、乗降場所の設定、料金の決済まで事前に行えるようになっています。ドライバーは、指定された場所で乗客を乗せて目的地まで運べばよく、料金を受け取り損なう心配もありません。
便利なライドシェアですが、日本では、いわゆる「白タク」行為として道路運送法によって禁止されています。その一方で、タクシーの需要に供給が追い付かない観光地や過疎地の交通インフラ問題が顕在化しています。
2023年12月には超党派の議員勉強会が、ライドシェアの導入について、2024年中にも必要な法整備を行うよう政府に求める提言を取りまとめました。その後、政府は、2024年4月から、タクシー事業者の運行管理の下でライドシェアを一部認める方針を固めました。
この記事では、注目されるライドシェアについて、道路運送法による規制の概要を押さえたうえで、規制緩和に向けた政府の方針について解説します。
道路運送法では、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業を旅客自動車運送事業と定め、国土交通大臣による許可制をとっています。
タクシーは、一般乗用旅客自動車運送事業に該当します。タクシー事業者は、運行管理者の選任をはじめとする運行管理体制の整備をしなければならず、旅客運賃・料金も国土交通大臣の認可を受けなければなりません。ドライバーは第二種運転免許の保有などの要件を満たす必要があります。
ライドシェアは、現行法では無許可で一般旅客自動車運送事業を営む「白タク」行為に該当し、一般のドライバーが自家用車を使って乗客を運び運賃・料金を得ることは禁止されています。これに違反したドライバーは、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処されます(併科あり)。なお、乗客側の罰則は定められていません。
道路運送法では、自家用車による有償運送を原則禁止しており、自家用車による有償運送が認められるのは、
市町村、NPO法人などが地域住民や観光客を対象に、国土交通大臣の登録を受けて行うとき(自家用有償旅客運送)
などに限られます。自家用有償旅客運送は、運送の対価として実費の範囲内での収受が認められています。2006年の制度創設以降、全国に広まり、2022年3月末時点で、
されています。
2023年12月20日に開かれたデジタル行財政改革会議で、政府は、
現状のタクシー事業では不足している移動の足を、地域の自家用車や一般ドライバーを活かしたライドシェアにより補う
という方針を打ち出しました。具体的には、
としています。この新制度の創設に先立ち、現行の自家用有償旅客運送についても、
など大幅に見直されます。
さらに、利便性を向上するために、
としています。
一般のドライバーは、タクシー事業者の管理下で自家用車を使って乗客を運び運賃・料金を得られるようになるわけですが、詳細は未定の部分が多く、政策の動向を継続してウォッチしていく必要があります。
例えば、タクシー事業者と一般のドライバーの関係は「安全性の確保を前提に、雇用契約に限らずに検討を進める」とされており、タクシー事業者から一般のドライバーへの業務委託契約が成り立つのか、運行の安全性をどのように確保するのか、万一事故を起こしたときの責任はどうなるのかなどの課題があります。
政府は、深刻なタクシードライバー不足を改善するため、ドライバーになるための運転免許を取得しやすい制度に改める方針も打ち出しています。具体的には、
としています。また、2024年4月以降に行う第二種免許試験について、多言語での受験を可能とし、外国人のドライバーへの積極的な採用を促す方針です。
タクシー業界のドライバー不足の背景には、高齢ドライバーの引退だけでなく、求職者が賃金の高い別の仕事を選ぶ傾向が続いていることが挙げられます。
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大期には、乗客数が激減したためにドライバーを辞めてしまうケースも相次ぎました。国土交通省によると、個人タクシーを除くタクシードライバーの数は、2020年3月末時点の26万1671人から、2022年3月末時点では22万1849人と大幅に減少しました。
そうした中、観光地や過疎地の移動手段を確保するための一策として期待を集めるライドシェア。2023年12月20日に開かれたデジタル行財政改革会議で、政府は、
タクシー事業者以外の者がライドシェア事業を行うことを位置付ける法律制度について、2024年6月に向けて議論を進めていく
と、期限を設けて言及しています。
業界団体の強い反対もある中、一足飛びに全面解禁とはいかないものの、2020年に「いわゆる『ライドシェア』は引き続き導入を認めないこと」が附帯決議として明記された(第201回国会の衆議院国土交通委員会(4月14日)、参議院国土交通委員会(5月26日))ところからは、方針が大きく転換されたといえるでしょう。今後の政策動向が注目されます。
以上(2024年2月作成)
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画像:terovesalainen-Adobe Stock
皆さん、おはようございます。今日は「目的地主義ではなく、旅の道中を楽しむ」というテーマについてお話しします。
アップルの共同創業者であるスティーブ・ジョブズのことは皆さんも知っているでしょう。そのジョブズの有名な言葉に「旅そのものが報酬だ」というものがあります。「旅は目的地に行くためにするものではない。道中のさまざまな経験こそが旅であり、かけがえのない報酬である」ということです。実際、ジョブズの旅は実にエキサイティングです。アップルを設立した後に解雇され、そして再雇用されるという経験をしつつ、革新的な製品を世に送り出し続けました。ジョブズは、そうした旅の中で、かけがえのない経験を積みながら歩んでいきました。
もう1人、ウォルト・ディズニーの言葉「夢見ることができれば、それは実現できる」も印象深いものです。一口に「夢」といっても、それにどれだけまい進できるかは人それぞれです。ディズニーは、自分の生み出すキャラクターが人々を笑顔にし続けることを夢見て、さまざまな困難を乗り越え、最高のエンターテインメントの世界を築き上げました。ディズニーの旅は、持続的な創造性と挑戦の連続ですが、私はその根底に夢に対する貪欲な姿勢があったと考えています。自分の夢に貪欲で、全力で立ち向かっていったからこそ、彼の生み出したキャラクターは、今なお世界中を魅了してやまないのです。
さて、2人の偉大な経営者と同じように、私たちも、日々、ビジネスの旅を続けています。私たちには経営計画があり、それを達成することが目下の目標になっていますが、それは札所(ふだしょ)の1つに過ぎません。私たちが掲げているミッションを達成し、あるべき理想の姿を実現することが真の目的であり、夢なのです。そういう意味では、私たちはまだまだ長い旅の途中です。
もうすぐ2024年度が始まります。私たちの旅に新たな1ページが刻み込まれるわけですが、出発の前に、皆さんに伝えたいことがあります。それは、
夢に憧れ、私たちの旅を思う存分に楽しむ
ということです。楽しくなければ夢に憧れ続けることはできないですし、長く続けることもできません。ジョブズとディズニーもそうであったはずですが、私たちも夢を追い続ける旅を大いに楽しみましょう。
皆さん、目をつぶり、私たちが夢をかなえた瞬間をイメージしてください。皆さんはどこに立っていますか、周囲には誰がいますか、どんな話をしていますか。そして何より、ワクワクしてきましたか。今、皆さんがイメージした世界を必ず成し遂げようではありませんか。2024年度、当社は新しい中期経営計画の下、これまで以上に新規事業にまい進します。皆さん一人ひとりの努力と挑戦、仲間を思うチームワーク、そして何より旅を楽しむ心を忘れずに、さぁ、出発です!
以上(2024年2月作成)
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画像:Mariko Mitsuda