パート・アルバイトに退職証明書を請求された場合、請求通り交付しなければなりませんか。

QUESTION

パート・アルバイトに退職証明書を請求された場合、請求通り交付しなければなりませんか。

ANSWER

退職の事由等についての証明書を交付しなければなりません。

解説

パート・アルバイトも労働基準法上の労働者ですから、退職する際に

  • 使用期間」
  • 「業務の種類」
  • 「その事業における地位」
  • 「賃金」
  • 「退職の事由」

についての証明書を請求された場合、事業主は遅滞なくこれらの証明書を、正社員と同様に交付しなければなりません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94050

画像:Mariko Mitsuda

傷病休職期間が満了して休職前の業務に従事できない場合、直ちに従業員を退職とすることはできますか

QUESTION

傷病休職期間が満了して休職前の業務に従事できない場合、直ちに従業員を退職とすることはできますか

ANSWER

より軽易な業務に配置可能か、検討することが必要な場合があります。

解説

労働契約で職種や業務が特定されていない場合、病気や障害などにより従前の業務を完全に遂行できないときであっても、労働者が従前と異なる労務の提供およびその申し出を行い、実際に配置可能な業務がある場合には、労務の提供があったものとみなされます(片山組事件‐最一小判平10.4.9など)。
つまり、使用者は労働者に対し、可能な限り軽減業務に就かせる配慮義務を負うのですが、この際、労働者にも診断書の提出などによって使用者に協力する義務があります。
裁判例には、診断書を提出しない労働者の解雇がやむを得ないとされたもの(大建工業事件‐大阪地決平15.4.16)や、復職可能とした主治医の診断に対して諸般の事情から会社が診断書の信用性に疑問を抱くのは合理的と判示し、退職扱いを適法としたもの(日本通運事件‐東京地判平23.2.25)など、会社側の主張が認められたものもあります。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.95070

画像:Mariko Mitsuda

物流・運送業の2024年問題とは何ですか?

QUESTION

物流・運送業の2024年問題とは何ですか?

ANSWER

2024年4月1日から、時間外労働の上限規制が自動車運転業務にも適用されるようになりました。

解説

時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年960時間(休日労働を含みません)を限度に設定(1か⽉の時間外・休⽇労働時間数、1年の時間外労働時間数)する必要があります。

・⾃動⾞運転の業務に関しては、特別条項付き協定を締結する場合の時間外労働の上限は年960時間(休日労働は含みません)となります。

・時間外労働と休日労働について「月100時間未満」「2〜6か⽉平均80時間以内」とする規制は適用されません。

・「時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6か⽉まで」の規制は適⽤されません。

さらに、トラックドライバーには、労働時間と休憩時間とを合わせた拘束時間、勤務間のインターバルである休息期間、運転時間などを規制する改善基準告示も適用されます。
【1日の拘束時間】13時間を超えないことを原則とし、最大でも15時間
【1年・1月の拘束時間】年3,300時間以内、月284時間以内
【1日の休息期間】11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
【運転時間】2日平均1日9時間以内、2週を平均して1週当たり44時間以内

<改善基準告示違反にならない例・2日平均1日9時間要件>
 10時間運転の日(A)、9時間運転の日(B・基準日)、9時間運転の日(C)の場合
  (A+B)/2=9.5時間
  (B+C)/2=9時間

<改善基準告示違反になる例・2日平均1日9時間要件>
 10時間運転の日(X)、10時間運転の日(Y・基準日)、9時間運転の日(Z)の場合
  (X+Y)/2=10時間
  (Y+Z)/2=9.5時間

<改善基準告示違反にならない例・2週平均1週44時間要件>
 1週目運転時間44時間(A)
 2週目運転時間44時間(B)
  (A+B)/2=44時間

 1週目運転時間40時間(C)
 2週目運転時間46時間(D)
  (C+D)/2=43時間

<改善基準告示違反になる例・2週平均1週44時間要件>
 1週目運転時間50時間(X)
 2週目運転時間44時間(Y)
  (X+Y)/2=47時間

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93160

画像:Mariko Mitsuda

パートタイマーにも就業規則が必要ですか?

QUESTION

パートタイマーにも就業規則が必要ですか。

ANSWER

パートタイマーにも正社員とは別の就業規則が必要です。

解説

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、届出および周知を行わなければなりません(労基法89条)。
法令では上記の規定を満たしていることが求められており、パートタイマー就業規則の作成を義務付けられているわけではありません。
しかしながら就業規則の適用対象を明確にしていないと、適用範囲が曖昧となり、本来適用対象とは考えていない規定までも適用対象となってしまうことが考えられます。
そのため、嘱託なら嘱託就業規則を、パートタイマーならパートタイマー就業規則を、それぞれの雇用形態に応じた就業規則を作成すべきです。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.94130

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パート・アルバイトの者が介護休業を申し出た場合、与えなければならないのでしょうか。

QUESTION

パート・アルバイトの者が介護休業を申し出た場合、与えなければならないのでしょうか。

ANSWER

日雇労働者を除いて、パート・アルバイトの者であっても一定の要件を満たす場合には、介護休業を与えなければなりません。

解説

育児・介護休業法改正(令和4年4月1日施行)により、有期雇用労働者の介護休業の取得要件が緩和されて、入社1年未満のパート・アルバイトの者であっても介護休業を取得することができるようになりました。その結果、法律による介護休業取得の制限は、次に該当する場合のみとなります。

介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヵ月を経過する日までに、雇用契約期間が終了しないこと。また、雇用契約が終了することが明らかでないこと。

ただし、労使協定を締結することにより、次に該当する者を対象外とすることができます。

  • 入社1年未満の従業員
  • 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.94150

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断続的に有期労働契約を結んでいる従業員がいます。最初の契約時から5年後には必ず無期契約にしなければなりませんか?

QUESTION

断続的に有期労働契約を結んでいる従業員がいます。最初の契約時から5年後には必ず無期契約にしなければなりませんか?

ANSWER

2つ以上の有期労働契約について各契約期間の間が一定以上空いていて連続性がないときは、各契約期間は通算されません。

解説

各契約期間の間が一定以上空いていて連続性がないときは、契約のない期間より前の有期労働契約は含めず、それより後の有期労働契約からカウントが再度スタートします。これをクーリングといいます。
連続性がないと認められる空白期間の長さは、厚生労働省令で定められています。

【契約期間】       【クーリング】
 2か月以下        1か月以上
 2か月超~4か月以下   2か月以上
 4か月超~6か月以下   3か月以上
 6か月超~8か月以下   4か月以上
 8か月超~10か月以下   5か月以上
 10か月超~        6か月以上

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.94180

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今まで遅刻は注意しませんでしたが、目に余る場合は懲戒処分できますか。

QUESTION

今まで遅刻は注意しませんでしたが、目に余る場合は懲戒処分できますか。

ANSWER

従来遅刻を注意しなかった場合には、目に余る場合でも懲戒処分にはできません。

解説

職場規律がルーズなのに、いきなり特定の者だけを懲戒処分にするのは、その懲戒は恣意的であり、又は他意あるものと考えられ、権利濫用等の法理により、認められません。
しかし、ルーズな職場規律を厳格にするのは、何ら問題はありません。従業員にその周知を十分行ったうえで、その違反者に対して厳格な措置を講じるようにしてください。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.96020

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有期契約の労働者については、契約期間が満了したら自由に雇止めできるのでしょうか?

QUESTION

有期契約の労働者については、契約期間が満了したら自由に雇止めできるのでしょうか?

ANSWER

過去に有期契約が反復更新された場合や、有期雇用契約更新の期待権が生じている場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは雇止めが認められません。

解説

労働契約法の改正により、これまで判例上のルールであった「雇止め法理」が法定化されました。
これにより一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになりました。

≪対象となる有期労働契約≫

  • 過去の反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
  • 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

上記のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。
この場合、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.96080

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自己退職申し出のタイミングは1ヶ月前としていいですか。

QUESTION

自己退職申し出のタイミングは1ヶ月前としていいですか。

ANSWER

1ヶ月前として構いません。

解説

実際の就業規則の条文例では、自己都合退職申出の予告期間を2週間とする会社と1ヶ月とする会社に分かれています。
民法627条1項では、期間の定めのない労働契約の解除の予告期間を2週間としています。このため、労働者が退職の意思表示をすれば2週間後に労働契約は終了すると考えられます。
しかし、同条2項では「期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。」と定められています。
したがって、月給制の場合、直近の賃金締切日で退職する場合はその賃金計算期間の前半、つまり2週間以上前でないといけない場合もでてきます。
民法の規定は強行法規ではありませんので、これと異なる規定が一切許されないわけではないとも考えられますが、このように考えたとしても、予告期間が長いために退職の自由が極度に制限される場合は、公序良俗に反し、当該規定が無効とされることになります。
1ヶ月前程度での規定であれば、労働者への制限が少なく、業務の引継ぎのための期間も必要ですので、公序良俗違反とはいえません。
民法の規定にも配慮し、「従業員が自己の都合により退職しようとするときは、原則として1ヶ月以上前、少なくとも2週間前までに退職願を提出しなければならない」と定めるのが良いでしょう。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97080

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正社員とそれ以外の社員とでは、待遇に差があります。これは問題でしょうか?

QUESTION

正社員とそれ以外の社員とでは、待遇に差があります。これは問題でしょうか?

ANSWER

合理的な理由による差であれば問題ありません。

解説

労働者が正社員でないことのみを理由として、正社員とそれ以外の社員とで待遇に不合理な格差をつけることは、パートタイム・有期雇用労働法や裁判例等で否定されています。
逆にいえば、【業務の内容】【業務に伴う責任の程度】【配置の変更の範囲】【その他の事情】等を考慮して合理的と認められる格差ならば、問題ありません。
ただし、待遇の相違が不合理と認められるか否かの判断は、個々の待遇(給与、賞与、手当、福利厚生、教育訓練など)の趣旨を個別に考慮すべきとされていますので、ご注意ください。
このように、会社は、正社員と非正規社員の労働が同じであれば同じ待遇とし、労働に違いがあれば違いに応じた待遇とする(均等・均衡待遇)ために、現状の待遇を整理・点検・検討の上、必要があれば是正しなければなりません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92080

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