現場に形式的に責任者を置いて請負を行うのは合法ですか。

QUESTION

現場に形式的に責任者を置いて請負を行うのは合法ですか。

ANSWER

違法になります。

解説

書類上、形式的には請負(委託)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを偽装請負といい、違法です。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は変わらないものも違法です。
請負とは、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法)」ですが、派遣との違いは、発注者と受託者の労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントです。自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合偽装請負である可能性が高いと言えます。
偽装請負の代表的なパターンは、「代表型」、「形式だけ責任者型」、「使用者不明型」、「一人請負型」の4つです。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じ場合は、「形式だけ責任者型」といいます。単純な業務に多いパターンです。
請負で働く場合、自分の使用者がはっきりせず、基本的な労働条件が確保されない場合には、まず都道府県労働局の需給調整事業関係業務担当窓口に相談すべきです。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94120

画像:Mariko Mitsuda

業務時間外の不祥事を理由に配置転換や解雇することはできますか。

QUESTION

業務時間外の不祥事を理由に配置転換や解雇することはできますか。

ANSWER

不祥事のみを理由に配置転換や解雇することはできませんが、業務への影響度合いによって処分できることもあります。

解説

業務時間外の不祥事だけを理由に配置転換をすることはできません。また、解雇をすることもできません。
しかし、業務時間外の不祥事が理由で業務が円滑に進まない場合は、会社にとっても損害となります。この場合は、配置転換はやむを得ないと考えられます。
例えば、バスの運転手が業務時間外に飲酒運転を行っていたことが判明した場合などです。
不祥事による業務への影響度合いを考慮して、処分の内容を決めることが必要です。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.91010

画像:Mariko Mitsuda

定年後の雇用保険の手続はどうなりますか。

QUESTION

定年後の雇用保険の手続はどうなりますか。

ANSWER

定年時の年齢や再就職意思の有無によって異なります。

解説

定年で会社を退職したときは、年齢や転職活動の状況によって、次の3つがあり、それぞれ手続きの方法が違っています。
1.60~64歳の定年で退職して、転職先を探している場合
通常の自己都合の退職者と同じ手続きになります。
ただし、自己都合退職と異なり、給付制限(基本手当が受け取れない期間)がありません。算定基礎期間(雇用保険の在籍期間)によって受給できる日数は異なります。
2.65歳以上で定年退職した場合
65歳以上の場合は、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」が、一時金として支給されます。支給額は60~64歳で退職する場合から大きく下がりますが、老齢厚生年金などとのバランスも考慮し、早期退職をするべきかどうかなど慎重に検討する必要があります。
3.定年退職後すぐに転職せず、しばらく休養する場合
雇用保険では、基本手当の受給期間は原則として、退職日の翌日から1年以内となっています。
しかし、病気などですぐに働けない人と定年退職者などについては、受給期間の延長が認められています。
ハローワークで基本手当の受け取りを、延長してもらうための手続きができます。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97050

画像:Mariko Mitsuda

同僚からのいじめで、会社を訴えることはできますか。

QUESTION

同僚からのいじめで、会社を訴えることはできますか。

ANSWER

会社を訴えることはできます。

解説

同僚が個人的感情から行ったいじめでも、労働契約に付随する職場環境配慮義務を欠いたとして、会社を訴えることができます。上司がいじめ被害の訴えを軽視し、適切な改善措置を講じなかったときは、この職場環境配慮義務を怠ったとみなされます。
セクハラが男女雇用機会均等法により明確に禁止されているのに対し、職場でのいじめについて禁止している法律はありません。
しかし、最近は人格権侵害を理由として損害賠償を裁判で求める例が増加しています。
また、平成24年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」とされています。
上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれると提言されていますので、今後会社としても対応を検討しておく必要があります。

なお、職場におけるハラスメント防止対策が強化され、パワーハラスメントが職場で起きないように事業主は防止措置を講じることが義務化されました。(大手企業:令和2年6月1日、中小企業:令和4年4月1日)
会社としてパワーハラスメントを放置することがないように対応が必要です。

《参考》訴訟に向けての準備・プロセス
 1.メモやテープに証拠を残す。
 2.上司に相談する。
 3.労働組合にいじめを訴える。
 4.弁護士を通じて会社に対策を求める内容証明書を送付する。
 5.いじめの差し止め仮処分を裁判所に申請する。
 6.損害賠償請求訴訟を起こす。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.99070

画像:Mariko Mitsuda

1日の残業手当を15分単位で計算してもいいですか。

QUESTION

1日の残業手当を15分単位で計算してもいいですか。

ANSWER

分単位で計算する必要があります。

解説

毎日の残業時間を15分単位で切り捨てることは、許されていません。
割増賃金の計算の便宜上、1ヶ月における時間外労働等の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、賃金全額払いの原則に違反しないという通達があります。
これはあくまでも1ヶ月の時間外労働を合計した場合に適用される通達ですので、毎日の時間外労働は1分単位で記録する必要があります。
例えば、月に21日勤務して毎日15分残業した場合、毎日の残業時間は切り捨てることはできませんので、この1ヶ月の残業時間は5時間15分になります。通達では、この5時間15分の内の15分を端数として切り捨てても違法ではないとしています。
逆に毎日15分未満の端数を切り上げて計算することは、労働者にとって不利にはなりませんので違法ではありません。
《参考》
端数処理について、通達では次の通り定めています。

  • 1時間当たりの賃金額、割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。
  • 1ヶ月における残業手当、休日出勤手当、深夜残業手当の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる。
  • 月給の支払い合計に100円未満の端数が生じた場合50円未満の端数を切り捨て、50円以上を100円に切り上げる。

ただし、3.の場合は、就業規則で定めることが必要とされています。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92030

画像:Mariko Mitsuda

有期契約のパートと無期契約の正社員、仕事に違いがない場合は賃金に差をつけてはいけないと聞きましたが、本当でしょうか。

QUESTION

有期契約のパートと無期契約の正社員、仕事に違いがない場合は賃金に差をつけてはいけないと聞きましたが、本当でしょうか。

ANSWER

期間の定めがあることを理由として、基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取り扱いをしてはなりません。

解説

令和2年4月1日(中小企業は令和3年4月1日)施行のパートタイム・有期雇用労働法は、第9条で「通常の労働者(正社員等)と同視すべきパート・有期雇用労働者」を対象として、差別取り扱いを禁止しています。

適用する際の考え方は、次の通りです。

  • 「職務の内容」「人材活用の仕組み(雇用関係が終了するまでのすべての期間が対象)」が通常の労働者と同一であるパート・有期雇用労働者が対象となります。
  • 対象労働者については、「基本給、賞与その他の待遇のそれぞれ」について、パート・有期雇用労働者であることを理由とする差別的取り扱いが禁止されます。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94190

画像:Mariko Mitsuda

マイカー通勤途上の事故で会社が責任を問われることがありますか。

QUESTION

マイカー通勤途上の事故で会社が責任を問われることがありますか。

ANSWER

社員が完全に自分の都合だけでマイカー通勤をしているということでなければ、会社は使用者責任や運行供用者責任を問われる可能性があります。

解説

社員が完全に自分の都合だけでマイカー通勤をしているということでなければ、会社は使用者責任や運行供用者責任を問われる可能性があります。
マイカー通勤が何らかの形で業務と関連性があり、会社の支配が及んでいると考えられるのは、次の場合です。

  • マイカーを会社業務にも使用していた場合
    この場合、通勤途中の事故についても会社が使用者責任、運行供用者責任を負います。
  • 会社がマイカー通勤を命令し、又は助長していた場合マイカー通勤を命じることや、ガソリン代や修理費等を支給してマイカー通勤を助長した場合は、会社が使用者責任、運行供用者責任を問われることになります。
  • マイカー通勤することが業務上も好都合であるために会社が承認、黙認していた場合
    この場合も、業務との関連性や会社の運行支配・運行利益が生じてくるため、会社が使用者責任、運行供用者責任を負います。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.95040

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育児介護休業法が改正されたと聞きました。3歳の子を養育する労働者にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

QUESTION

育児介護休業法が改正されたと聞きました。3歳の子を養育する労働者にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

ANSWER

柔軟な働き方を実現するための措置を講じなければなりません。

解説

令和7年10月1日より、事業主に新たな措置を講じることが求められました。

対象:3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者(労使協定を締結することで入社1年未満の労働者及び1週間の所定労働日数が2日以下の労働者からの利用申出については拒むことが可能)

内容:法令が定める次の措置の中から「2つ以上」の措置を選択して講じた上で、労働者がそのうち1つを選択して利用すること

  • 1-始業時刻変更等の措置
  • 2-在宅勤務等の措置(10日以上/月)
  • 3-保育施設の設置運営等
  • 4-就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)
  • 5-短時間勤務制度

これらの措置を選択する際は過半数労働組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。

また3歳未満の子を養育する労働者に対して、子が3歳になるまでの適切な時期に、事業主は柔軟な働き方を実現するための措置として上記で選択した制度(対象措置)に関する以下の事項の周知と制度利用の意向の確認を、個別に行わなければなりません。

意向確認については、家庭や仕事の状況が変化する場合があることを踏まえ、労働者が選択した制度が適切であるか確認すること等を目的として、上記の時期以外(育児休業後の復帰時、短時間勤務や対象措置の利用期間中など)にも定期的に面談を行うことが望ましいとされております。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93190

画像:Mariko Mitsuda

2025年4月に改正育児介護休業法が施行されたと聞きました。介護休業制度に関しては具体的にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

QUESTION

2025年4月に改正育児介護休業法が施行されたと聞きました。介護休業制度に関しては具体的にどのような措置・確認をしなければならないのでしょうか?

ANSWER

40歳等でのタイミングで介護に関する情報提供をしなければなりません。

解説

労働者が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、事業主は介護休業制度等に関す下記の事項について情報提供しなければなりません。

  • 1- 介護休業に関する制度、介護両立支援制度等の制度の内容について
  • 2- 介護休業・介護両立支援制度等の申出先
  • 3- 介護休業給付金に関すること

情報提供の方法は「面談・書面交付・FAX・電子メール等」のいずれか(FAX・電子メールは労働者が希望する場合に限る)とされております。

また、情報提供に当たっては「介護休業制度」は各種制度の趣旨・目的(介護の体制を構築するため一定期間休業する場合に対応するものなど)を踏まえて行うことや情報提供の際に、併せて介護保険制度について周知することが望ましいとされております。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93180

画像:Mariko Mitsuda

時間外労働の上限規制とはどのようなものですか?

QUESTION

時間外労働の上限規制とはどのようなものですか?

ANSWER

残業させることができる時間数の上限及び違反した場合の罰則が法律で定められています。

解説

「時間外労働の罰則付き上限規制」が平成31年4月1日(中小企業:令和2年4月1日)に施行され、1か月及び1年に残業させることができる時間数の上限と罰則が法律に規定されました。ポイントは次の通りです

1.時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えて労働させることはできません。

2.臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、以下の通りとする必要があります。

  • 時間外労働         年720時間以内
  • 時間外労働 + 休日労働  月100時間未満、2~6か月平均80時間以内

3.月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。

また、法律に違反した場合の罰則は、6箇月以下の拘禁又は30万円以下の罰金と定められています。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92000

画像:Mariko Mitsuda