たとえ善意であっても過度な叱咤激励を受けた従業員が自殺した場合に使用者責任はありますか。

QUESTION

たとえ善意であっても過度な叱咤激励を受けた社員が自殺した場合に使用者責任はありますか。

ANSWER

使用者責任を問われる可能性があります。

解説

使用者は、日頃から従業員の業務遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して心身の健康を損なうことのないように注意する義務を負っています。
思い悩んでいる部下がいて、上司が善意から叱咤激励をした場合、それが結果として労働者を追い込み、自殺してしまうケースでは、叱咤激励の方法が過度なもので相当性を欠けば、使用者の責任を問われる可能性があります(※1)。
なぜなら、部下の状態が精神的疾患に罹患したものであることを把握することや自殺について予見できる可能性が肯定されることが多いからです。
最近、このようなケースで、労災が認められる事例が発生しました。労災の給付のための費用を請求される可能性もあります。
また、令和2年6月1日(中小企業は令和4年4月1日)から労働施策総合推進法の改正により、パワーハラスメント防止措置が事業主の義務となります。
職場における「パワーハラスメント」とは職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③のすべての要素を満たすものとして定義されました。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.95020

画像:Mariko Mitsuda

試用期間中の者は厚生年金保険に加入しなくてもいいですか。

QUESTION

試用期間中の者は厚生年金保険に加入しなくてもいいですか。

ANSWER

加入しなければなりません。

解説

厚生年金保険の加入手続きは、採用の日から5日以内に被保険者資格取得届を年金事務所に提出します。
厚生年金保険に原則として加入できないのは、
1.国、地方公共団体又は法人に使用される者で、次に該当する者
  ・恩給法19条に規定する公務員及び公務員とみなされる者
  ・共済組合の組合員、私立学校教職員共済制度の加入者
2.臨時に使用される者(日々雇い入れられる者・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者)
3.所在地が一定しない事業所に使用される者
4.季節的業務(4ヶ月以内)に使用される者
5.臨時的事業(6ヶ月以内)の事業所に使用される者
6.厚生年金法による年金たる保険給付に相当する給付を行うことを目的とする外国の法令の適用を受ける者
です。
試用期間の者は含まれていません。
厚生年金保険の保険料は、労使で折半します。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.98050

画像:Mariko Mitsuda

給与計算処理の簡略化を図るため、営業社員に対してみなし残業代を支給したいのですが・・・。

QUESTION

給与計算処理の簡略化を図るため、営業社員に対してみなし残業代を支給したいのですが・・・。

ANSWER

営業手当・外勤手当等のみなし残業代を支給するには、一定の要件を満たす必要があります。

解説

みなし残業代の導入要件は以下の通りです。

  • 割増賃金相当部分とそれ以外の部分が明確に峻別できること
  • 割増賃金相当部分が労働基準法37条所定の計算方法によって算定された額を下回っていないこと
  • 賃金規程において営業手当等がみなし残業代であることが明記されていること

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.92100

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働き方改革関連法の年5日の年次有給休暇の確実な取得とはどのようなものですか?

QUESTION

働き方改革関連法の時間外労働の年5日の年次有給休暇の確実な取得とはどのようなものですか?

ANSWER

年次有給休暇が年10日以上付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。

解説

会社は、2019年4月1日から年次有給休暇が年10日以上付与される労働者(正社員やパートといった雇用区分はよる違いはありません)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、会社が時季を指定して取得させることが義務付けられました。会社は、時季指定に当たって労働者の意見を聴取し、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。
また、会社は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.93140

画像:Mariko Mitsuda

派遣期間を超えて派遣社員を利用するとどうなりますか。

QUESTION

派遣期間を超えて派遣社員を利用するとどうなりますか。

ANSWER

労働契約申込みみなし制度が適用される場合があります。

解説

労働者派遣法では、派遣元事業主が派遣労働者に就業条件等を明示する際に、派遣先が派遣期間の制限に違反して労働者派遣を受けた場合には、派遣先が労働契約の申込みをしたものとみなされることを併せて明示しなければならないとされています。(労働者派遣法第34条第3項)
労働契約申込みみなし制度の対象となる違法派遣は以下の項目になりますので注意が必要です。

  • 派遣労働者を禁止業務に従事させること
  • 無許可事業主から労働者派遣の役務の提供をうけること
  • 事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
  • 個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受けること
  • 偽装請負等

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.94080

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休職期間の延長拒否は、解雇となるのでしょうか。

QUESTION

休職期間の延長拒否は、解雇となるのでしょうか。

ANSWER

就業規則上に、休職期間の延長の対象となる場合とそうでない場合の事由や条件等を明確に規定しておけば、解雇になりません。

解説

仮に休職期間の延長の規定があっても、延長するか否かをその都度の事業主の判断によって決めていると、延長制度の運用状況にもよりますが、労働者が休職期間の延長を期待することに合理的理由があると認められる場合があります。このような場合、休職期間の延長の拒否が解雇に相当する可能性が生じます。
休職期間の延長の対象となる場合とならない場合の事由と条件等を明確に定めることで、このような問題は防止することができます。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.96050

画像:Mariko Mitsuda

解雇予告の取消しと解雇月日の変更は許されますか。

QUESTION

解雇予告の取消しと解雇月日の変更は許されますか。

ANSWER

いずれも労働者の同意が必要となります。

解説

使用者は、一度解雇の予告をした以上は事情が変更したからといって、原則としてこれを取り消すことはできません。なぜならば、使用者の単独行為である予告を一方的に取り消し得るとすると、通知を受けた労働者の法律上の地位が極めて不安定な状態になるからです。
しかし、このような状態をもたらさない取消、換言すれば労働者の同意を得て取り消すことは差し支えないと解されています。
次に、解雇予告後の解雇月日の変更についてですが、労働基準法第20条第2項の予告期間の設定は必ずしも予告した当初のみに許されると解する必要はないとして、変更を認める説もあります。
しかし一旦特定された解雇月日を変更することは、その限りにおいて解雇予告の取消しとなるため、例え変更した日数に相当する予告手当の支払いがなされても労働者の同意がない限り、解雇月日を一方的に変更することはできないと解されています。
以上のように、解雇予告の法的性格から、予告の取消し及び予告後の解雇月日の変更については、いずれも労働者の同意があってはじめて許されるものであって、使用者が一方的になし得るものではありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.99040

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試用期間中の者は、予告なく即日で解雇することができますか。

QUESTION

試用期間中の者は、予告なく即日で解雇することができますか。

ANSWER

雇い入れ後14日を超えると、予告なく即日で解雇することはできません。

解説

試用期間中であっても14日を超えて引き続き使用した場合は解雇予告が必要になります(労基法第21条)。また、試用期間中に業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する場合は、当該休業期間とその後30日間は、使用者は労働者を解雇できません(労基法第19条)。
解雇事由についても、通常の解雇よりは解雇の自由は広く認められるものの、実際に解雇するにあたっては“当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至つた場合において、そのような事実に照らしその者を引き続き当該企業に雇傭しておくのが適当でないと判断することが、上記解約権留保の趣旨、目的に徴して、客観的に相当であると認められる場合”に限られます(三菱樹脂事件‐最大判昭48.12.12)。

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No.96040

画像:Mariko Mitsuda

親を社会保険の扶養に加入させることはできますか。

QUESTION

親を社会保険の扶養に加入させることはできますか。

ANSWER

親は子の健康保険には加入することはできても、国民年金・厚生年金保険には加入することはできません。

解説

健康保険では、被保険者の直系尊属(父母、祖父母等)配偶者・子・孫・兄弟姉妹は、生計維持関係があれば被扶養者となります。
生計維持関係は、認定対象者(この場合「親」)が被保険者と同一の世帯の場合は、認定対象者の年収が130万円(60歳以上又は障害者の場合は180万円)未満、かつ、原則として被保険者の年収の2分の1未満です。

一方、認定対象者(この場合「親」)が被保険者と同一世帯に属していない場合は、認定対象者の年収が130万円(60歳以上又は障害者の場合は180万円)未満、かつ、被保険者からの援助(仕送り)による収入額より少ない場合です。

なお、令和2年4月1日より、被扶養者の認定基準に「国内に居住していること」が新たに追加されました。

また、国民年金の第3号被保険者の要件は、

  • 第2号被保険者(注:会社員や役員、公務員)の配偶者であって、
  • 主として第2号被保険者の収入により生計を維持する者(被扶養配偶者)であり、
  • 20歳以上60歳未満の者

です。
このため、国民年金では、子に扶養されている親は第3号被保険者になることはできません。

なお、厚生年金保険では、健康保険のような被扶養者の制度はありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.98010

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契約社員が期間満了によって退職する際の退職理由は「契約期間満了」か、「自己都合」のどちらになりますか。

QUESTION

契約社員が期間満了によって退職する際の退職理由は「契約期間満了」か、「自己都合」のどちらになりますか。

ANSWER

契約期間の最終日に退職する場合は、「契約期間満了」となります。契約期間の途中に本人が退職を希望した場合は、「自己都合」となります。

解説

雇用された時点から、3年未満であれば、期間の定めがある労働契約が複数回更新されていても、退職理由は「契約期間満了」となります。
ただし、失業給付上は会社から更新しなかった場合、会社都合と同等に扱われます。
また、期間の定めがある労働契約が1回以上更新され、雇用された時点から継続して3年以上引き続き雇用されている場合であり、その契約の更新をうち切る時期があらかじめ明らかにされていない場合には、離職時の具体的事情に応じて、契約期間満了でも、失業給付の受給に関しては、事業主都合による解雇と同等、自己都合による退職などとみなされます。
注)退職理由は個別の事情により異なることがあります。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99060

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