ルール違反ではないが態度が悪い社員のマネジメント

1 社員のための取り組みがかえってマイナスに……?

デジタル技術の進歩による市場環境の変化、少子高齢化から来る労働力不足など、日本国内のビジネス環境は大きく変化しています。そして、こうした変化を受け、多くの経営者が「このままではマズい。社員がもっと力を発揮できる会社にしなければ」と、働き方改革などに取り組んできました。

テレワークやフレックスタイム制で働く場所や時間を工夫し、若手にチャンスを与えるために仕事の権限を委譲し、なるべく本音で話せるようコミュニケーションにも気を使う……。ただ、残念ながら社員の中には、そんな経営者の苦労も知らず、むしろこうした取り組みをきっかけに生意気になるという、困った人がいます。イメージは、次のような社員です。

  • 働き方が自由になったら、勤務態度までルーズに。服装もマナーも悪化している
  • テレワークに慣れ、周囲に無関心に。他の人の仕事は手伝わない。挨拶もしない
  • 権限委譲した途端、自分勝手に。誰にも相談せずに仕事を進めてトラブルを起こす
  • 上司は優しくて当たり前だと勘違い。少しでも注意されると機嫌が悪くなる
  • 今以上の働きやすさをさらに会社に要求。要求が聞き入れられないとやる気を失う

経営者としては、働きやすい環境を作った以上、社員にはそれに見合う働きをしてほしいのですが、実は経営者の優しさに甘えるだけで、期待には応えてくれない社員がいるのです。社員に就業規則の懲戒事由に当たる言動(無断欠勤、命令違反など)が見られれば、懲戒処分にして反省を促すこともできますが、生意気というだけではそれも困難です。

腹が立つことこの上ないですが、もしかしたら社員が生意気になった原因は、経営者が

「何を実施するか」にとらわれ、「なぜ実施するか」をおざなりにしてしまったから

かもしれません。「なぜ働き方改革などに取り組むのか」「社員に何を期待しているのか」といった経営者の思いを明確に伝えないまま、取り組み先行で動いてしまったために、社員は会社の取り組みを表面的にしか捉えられないのです。言うなれば「仏作って魂入れず」の状態です。

この状況を打開するには、こうした経営者の思いを、いま一度社員に発信する必要があります。以降で、働き方改革などで生意気になってしまった社員に対する思いの伝え方を紹介します。

2 社員が生意気になるパターンは2つある

経営者の思いの伝え方を紹介する前に、押さえておいていただきたいことがあります。それは社員が生意気になるパターンには、次の2つがあるということです。

  • 本人なりに働き方改革などに適応しようとしているが、「ここまでなら許される」という線引きが間違っていて、結果として生意気に見えてしまっている
  • 働き方改革など環境の変化を機に、隠れていた性格などが顕在化して、本当に生意気になってしまっている

1.と2.の社員の違いを、前述した「働き方が自由になったら、勤務態度までルーズに。服装もマナーも悪化している」というケースに当てはめて考えてみましょう。

1.の社員の場合、服装やマナーが悪化しているのは、「ここまでならフランクにいっても大丈夫だろう」という線引きが誤っているだけの可能性があります。もともと働き方改革などに適応しようという気はあるので、「自分は間違っていたんだ」と気付けば考えを改めてくれることが期待できます。ですから、経営者が考えるべきは、

1.の社員に焦点を当てて、働き方改革などに関する自身の思いを積極的に発信すること

です(こちらは第3章で具体的な方法を紹介します)。

2.の社員の場合、働き方が自由になり、上司の監視の目が緩くなったことなどが原因で、もともと持っていた自分勝手な性格や怠惰な性格が顕在化してしまった可能性があります。もちろん、誰しも自分勝手な部分や怠惰な部分はありますが、もともと持っている性格というのは、経営者が思いを伝えるだけではなかなか改善されません。従って、

2.の社員については「最悪、分かり合えなくても仕方がない」とある程度割り切った上で、仕事に支障が出ない環境を整えること(上司の目の届くオフィスで仕事をさせるなど)

が必要な場合もあります。

3 大きなメッセージと小さなつぶやきを組み合わせる

経営者が自身の思いを社員に伝えたいとき、真っ先に思い浮かぶのは「朝礼」でしょう。社員が一堂に会するタイミングで、例えば次のようなメッセージを発信するイメージです。

これまで働き方改革などのため、さまざまな取り組みを実施してきました。ただ、それは「皆さんを甘やかすため」ではなく、「皆さんがもっと力を発揮できるようにするため」です。皆さんは今、本当に力を発揮できているといえますか? 会社が働きやすさを提供する代わりに、皆さんは何をしてくれますか?

もちろん、こうした問いかけをするだけでも、多くの社員は一旦、自分の言動を顧みようとするでしょう。ただ、こうしたメッセージはその場では社員の心に響いても、時間がたつと次第に印象が薄れてしまうものです。

そこでお勧めしたいのが、こうした大きなメッセージを発信するのとは別に、小さなつぶやきをこまめに発信するという方法です。イメージは、

社員全員が閲覧可能なSNSに、経営者個人のつぶやきを発信する「社長チャンネル」などを作って、経営者のうれしかったことや疑問に思ったことなどをこまめにつぶやく

というものです。例えば、

  • クライアントを訪問した際、受付の人の対応がとても心地よかった。やっぱり笑顔って大事!
  • プライベートは大事! でも、仮に3人で20分残業すれば終わる業務を、1人でやろうとしている人がいたら、自然とその人に手を差し伸べられる社員が私の理想です

など、日々の業務に関連したちょっとしたつぶやきは、社員も情景を思い浮かべやすく、納得感があります。

4 職務記述書(ジョブディスクプリション)も活用する

職務記述書(ジョブディスクリプション)とは、

社員が担当する業務内容やその難易度、必要なスキルなどの職務内容をまとめた書類

です。専門職採用や中途採用などの際に使われる書類ですが、すでに雇用している社員の職務内容が配置転換や雇用形態変更などで変わった際にも活用できます。

職務記述書は、あらかじめ特定の職務をこなせる社員を雇用する「ジョブ型雇用」の考えに基づく書類であり、

職務記述書に記載された職務をこなせることが、社員としての最低条件

になります。このことを社員に説明した上で、「経営者が社員に何を期待しているのか」をジョブディスクリプションに落とし込めば、社員を経営者の理想とする方向へと引っ張れます。具体的には職務記述書に「期待される特性」などの欄を設けることが考えられます。次の職務記述書は、アプリ開発を行う会社がシステムエンジニアを募集する場合の例です。

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以上(2025年5月更新)

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画像:metamorworks-shutterstock

【中堅社員のスピーチ例】趣味のコミュニティを大切に!

【ポイント】

  • 会社や家庭はもちろん、それ以外のコミュニティも大切にしたほうがいい
  • 普段と違うコミュニティでの出会いや経験が、会社や家での生活に変化をもたらす
  • 新しいコミュニティに入るきっかけは、どこにでもある

おはようございます。突然ですが、皆さんは会社や家庭以外のコミュニティに入っていますか? 例えば、私は学生時代の部活動でブラスバンドをやっていたのですが、昨年から社会人のブラスバンドサークルに入り、仕事が終わった後や休日に仲間と練習をしています。

以前、上司から「会社や家庭はもちろん、それ以外のコミュニティも大切にしたほうがいい」と言われたことがありますが、私も1年ほどサークル活動を続けてみてその大切さが身に染みました。特にありがたかったのは、同じ志や悩みを共有できる仲間に出会えたことです。今だから言いますが、ブラスバンドサークルに入る前、入社したばかりの私は正直、会社で心細い思いをしていました。中途採用で「同期」と呼べる存在が社内におらず、年の近い先輩もいなかったからです。

しかし、サークルに加入しブラスバンドを再開してみると、サークル内には私と年の近い人がたくさんいました。なかでも大きかったのは、最近私たちの会社に仲間として加わったAさんとの出会いです。Aさんとは、発表会後の打ち上げでたまたま向かいの席になり、仕事の話をしたのですが、ちょうど転職先も探しているところで、当社の仕事の話をしたら興味を持ってくれたのです。

そのときの私は、口下手なりに「うちの会社はここが素晴らしいんだ」とAさんにプレゼンしたのですが、自然と熱が入り、普段どんな思いで仕事をしているのか、この会社で何を実現したいのかなど、自分の思いに正面から向き合う良い機会になりました。また、年の近いAさんからは、自分と同じような仕事の悩みを抱えているという話を聞くことができ、「つらいのは自分だけではないんだ」と知って心が楽になりました。今やAさんは、仕事も趣味も一緒にこなす間柄ですが、相談したり協力したりできる仲間がいることで、今までより前向きに仕事に打ち込めるようになりました。

一歩外に出てみると、そこには予想しない出会いが待っていて、会社や家での生活に少なからず変化をもたらしてくれます。「趣味の時間が取れない」で終わらせてしまうのはもったいないです。SNSで気の合う人と話す、行きつけの飲食店の常連客と話す、地域のイベントに参加するなど、新しいコミュニティに入るきっかけはどこにでもありますから、ぜひ探してみてください。

以上(2025年5月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【賃金データ集】初任給のモデル支給額

【賃金データ集】シリーズとは?

【賃金データ集】シリーズは、基本給や諸手当など賃金の主要な構成要素ごとの近年のトレンドを、モデル支給額を中心とした関連データとともに紹介します。経営者や実務家の方々が賃金支給水準の決定や改定を行う際の参考としてご活用ください。なお、モデル支給額などのデータを紹介する際は、基本的に出所に記載されている用語を使用するものとします。また、データは公表後に修正されることがあります。

この記事で取り上げるのは「初任給」(基本給が中心)です。

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なお、以降で紹介する図表データのExcelファイルは、全てこちらからダウンロードできます。

こちらからダウンロード

1 初任給のトレンド

前年からの初任給を引き上げたと回答した企業は29.9%(前年比12.7ポイント減)となりました。

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基本給の体系によって異なるものの、一般的な賃金カーブでは、50歳頃まで賃金支給額が緩やかに増加し、その後は減少に転じます。加えて、60歳以降は定年退職する従業員もいて人数が減るため、企業の賃金負担は軽くなります(退職給付を除く)。

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現在、会社は「65歳までの雇用確保」の措置として、「定年廃止」「定年延長(65歳まで)」「継続雇用制度の導入(65歳まで)」のいずれかを実施する義務を負っています。また、70歳まで働くことを希望する社員に対し、「業務委託契約」なども含めて就業機会を与える努力義務を負っています。こうした法改正による賃金負担増を回避するためには、賃金のスタートである初任給や昇給ピッチを見直し、生涯賃金を調節するという考え方があります。

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2 厚生労働省と日本経済団体連合会の統計資料によるモデル支給額

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3 地域の状況(東京)

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4 情報インデックス(この記事で紹介したデータの出所)

この記事で紹介した統計資料は次の通りです。調査内容は個別のURLからご確認ください。なお、内容はここ数年の公表実績に基づくものであり、調査年(度)によって異なることがあります。

■新規学卒者決定初任給調査結果■
http://www.keidanren.or.jp/policy/index09.html

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■賃金構造基本統計調査■
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

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■中小企業の賃金・退職金事情
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/chingin/

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以上(2025年5月更新)

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画像:ChatGPT

円満に退職したはずの社員が豹変する理由は行動経済学で説明できる

1 人間は合理的じゃない。行動経済学で社員の行動を先読み

社員が退職するときは、退職(解雇を含む)の成立や未払い残業代の支払いなどをめぐって、何かとトラブルが起こりやすいものです。会社としては円満に社員と別れたいところですが、残念ながら落としどころが見つからず、トラブルが泥沼化するケースがあります。

落としどころが見つからない理由は、

会社は「合理的」に社員の行動を先読みしようとする一方、社員は「非合理的」に行動することが多いから

です。そこで、この記事では、

行動経済学の見地から、あえて社員の「非合理的」な行動を見据え、退職トラブルの落としどころを見つける方法

をご提案します。ちなみに、行動経済学とは、

経済学をベースにしつつ、「人間は常に合理的な思考をするわけではなく、非合理的な行動をするほうが多い」という前提に立って、人間の行動を分析する学問

です。皆さんのお役に立てると思います。

2 会社に不満がある社員と円満に別れられない

1)問題社員に無事退職してもらえたと思ったら……

ある会社に、成績や勤務態度の著しく悪い社員がいました。何度指導をしても全く改善しないため、会社は社員との面談の席で、会社にとって戦力になっていないこと、このまま退職しないで会社に在籍されても困ることを説明し、自発的に退職するよう求めました。社員は不満に思いつつもこれを承諾し、その後の退職手続きも滞りなく終わりました。

しかし、会社が無事に退職してもらえたと思った矢先、社員がSNSに会社の不満を書き込んでいることが分かりました。その結果、SNSを見た内定者が内定を辞退する、求人の応募がほとんどなくなってしまうなどのトラブルにつながりました。

2)ピークエンドの法則を用いた対応例

ピークエンドの法則とは、

人間の快楽・苦痛の記憶は、ピーク時と終了時の快楽・苦痛の度合いで決まる

というものです。こんな実験があります。

  • A:痛いほど冷たい水に60秒の間手を浸す
  • B:痛いほど冷たい水に計90秒の間手を浸す。初めの60秒の温度はAと変わらないが、次の30秒間は少しだけ温度が上がる

この2つの実験で、被験者に「もう一度同じ実験を受けるなら、どちらを選ぶか(どちらのほうが楽か)」を聞いたところ、80%以上の人が「B」を選択しました。BのほうがAよりも水に手を浸す時間は長いのに、最後に少しだけ温度が上がって苦痛が和らげられるため、「Aよりも楽」と感じた人が多かったのです。

今回の問題社員の事例も、会社が退職する社員の不満を少しでも和らげようとしていれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、

  • 問題点は指摘しつつ、「ウチの会社と合わないだけで、他社では活躍できると思う」「あなたに合う会社はたくさんあると思う」など、相性の問題にすぎないことを強調する
  • 「今まで会社で働いてくれてありがとう」「あなたのおかげで〇○の契約が取れたのは良い思い出だ」など、感謝の気持ちを述べる
  • 送別会を開いて、感謝の気持ちを示す

といった対応が考えられます。「無理やり感謝を伝えたところで、社員のほうも『本心ではない』と気付くのではないか」と思うかもしれませんが、それで構いません。意図はどうあれ、気を使って最後に言葉をかけるという行動が、相手の不満を少なからず和らげます。

3 未払い残業代について会社と社員の主張が食い違う

1)会社としては、きちんと未払い残業代を計算して支払うつもりだったが……

ある会社で、退職した社員が未払い残業代を請求してきました。しかし、会社の計算した額は130万円、社員の請求額は200万円と主張が食い違い、話が進展しません。

会社が社員に「130万円の一括払い」を提案したところ、社員が「そんな少額では話にならない」と怒り出し、訴訟に発展しました。訴訟は1年かかり、最終的に社員の主張が認められ、200万円を支払わざるを得なくなりました。

2)現在志向バイアスを用いた対応例

現在志向バイアスとは、

人間は長期的な利益よりも、目先の利益を優先しやすい

というものです。こんな実験があります。

子どもをマシュマロが1個だけ置いてある部屋に入れて、「私が帰ってくるまでにそのマシュマロを食べなければ、マシュマロを2個あげる」と告げました。その結果、ほとんどの子どもが目の前の利益を優先して、1個のマシュマロを食べてしまうという実験結果が出ました。少しの間我慢してマシュマロを2個もらったほうが得なのに、です。

今回の未払い残業代の事例も、訴訟に発展する前に、会社が未払い残業代について複数の提案をしていれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、会社が和解案として、

  • A:200万円を月20万円の10回払い
  • B:130万円の一括払い

の両方を提示します。金額だけを考えればAのほうが得ですが、多くの人はBを選んでしまいます。本当にもらえるのか不確定な200万円よりも、今確実にもらえる130万円を選ぶのです。AとBのどちらを選択するかは、社員が自分の意思で決定するので、「だまされた」「詐欺だ」などと言われてトラブルになるケースはほとんどありません。

なお、言うまでもないことですが、未払い残業代の金額について会社と社員との間で認識が一致しているのに、会社が実態よりも安い金額を提示することは許されません。

4 パワハラ、未払い残業代…複数の退職トラブルが発生

1)パワハラの問題から解決させようとしたばかりに……

ある会社で、退職した社員が会社に対し、上司のパワハラ(パワーハラスメント)に対する慰謝料と未払い残業代を請求してきました。会社が「当時の上司はパワハラを一切行っていない」として交渉を拒否したため、訴訟になりました。

しかし、訴訟は1年半かかり、最終的に上司のパワハラが一部認められました。しかも、未払い残業代の請求については、社員側の請求がほぼ通った金額で和解することとなりました。

2)テンションリダクション効果を用いた対応例

テンションリダクション効果とは、

何かの決断(購入など)をした後は緊張が緩和され、他の交渉に対する警戒心が弱くなる

というものです。こんな話があります。

靴屋で靴を選んで購入を決めた顧客に対して、「こちらの防水スプレーもいかがでしょうか」と提案をすると、本来購入する予定がないのに一緒に購入してしまうことがあります。ECサイトのカート画面に、商品購入後、最近チェックした商品やおすすめの商品を表示させるのも、購入後の追加購入を促すためです。

今回の複数のトラブルが発生した事例でも、交渉の進め方を少し変えれば、結果は違っていたかもしれません。例えば、

パワハラよりも先に、未払い残業代の問題を決着させることを優先する

という考え方があります。未払い残業代は労働時間の記録があれば論点が明確で、残業代の計算が正しいか、休憩が取れていたかなど、どこかで落としどころを見つけられるケースがほとんどです。そこで、退職した社員の代理弁護士に、「まずはパワハラの問題を脇に置いて、未払い残業代請求について交渉を先行させましょう」と提案します。弁護士も同時に交渉を進めるのは非効率である場合が多いことを知っているので、この提案に乗ってきます。

ここで大切なのは、

未払い残業代については、多少時間がかかってでも会社の譲れない部分についてははっきり主張し、場合によっては訴訟も辞さないという強気の姿勢を示すこと

です。未払い残業代の交渉のハードルが上がると、それが解決したとき相手の弁護士に少なからず安心感を与えます。そのタイミングで、「パワハラについては客観的な証拠もなく、お互いの言い分が平行線をたどるので、未払い残業代とパワハラを合わせて◯万円で解決するのはいかがでしょうか」と投げかけます。すると、弁護士も人間なのでテンションリダクション効果が働き、自分の依頼者を説得して早く合意をさせようと努力するわけです。

以上(2025年5月更新)
(執筆 杜若経営法律事務所 弁護士 向井蘭)

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画像:BBuilder-Adobe Stock

企業全体で、そして働く一人一人が価値を創造できる人になるための支援をしている高橋さんは、いわば中小企業にとっての「シェルパ(案内人)」。実業の中で一緒に試行錯誤し、面白い新商品を開発して成果を上げたなど事例も多数!/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、高橋輝行さん(KANDO(カンド)株式会社 代表取締役)です。

高橋さんが行っているのは、

企業の「価値創造の伴走支援」や「価値創造を実現する“推進役”の育成」(人材育成)

です。

日ごろの仕事の中では、顧客に対する「価値の提供」を意外と疎かにしている、むしろ忘れてしまっているのが実情かもしれません。現場の従業員が「うちの商品・サービスの価値ってなんだっけ?」となってしまったり、従業員に「うちの顧客は誰?」と尋ねても「誰……? あまり考えたことなかったです。とにかく売り上げは上がってますから」となってしまったり。実はよくあることかもしれません。

高橋さんはそうした状況に警鐘を鳴らします。そして、これからの日本のために「価値を創造する人材」を育てようとしています。

後ほど詳しく説明しますが、“推進役”とは、理想と現実の両方を見ながら、あるべき姿=価値創造を実現すべく、プロジェクトを「推進」していく役割の人です。高橋さんが10年かけて形にしたプロジェクトマネジメントメソッド「Roles®」(ロールズ)の肝ともいえます。

高橋さんは現在、中小企業やスタートアップ企業、そして中小企業などを支援する金融機関(銀行・生命保険など)向けに、「Roles®」を指導・伴走しています。金融機関と一緒に、取引先企業に対して「顧客価値創造プログラム」(塾のようなイメージ)を提供しているケースもあります。プログラムを受けて成果を上げた企業もあり、また、金融機関の中には、自ら「推進役になりたいので勉強したい」という人も出てきているそうです。

今回、高橋さんには、価値創造するための「Roles®」のポイントや、“推進役”の意義、価値創造のプロジェクトを進めるときに企業がつまずきがちな壁などを伺いました。

実際に高橋さんが伴走して成果を挙げた事例なども教えてもらいましたので(第6章)、

「新しいことにチャレンジしたいが従業員がなかなか動いてくれない」

「従業員に自ら考え提案し、行動を起こしてほしいのだが……」

と悩む中小企業経営者の方、そして、金融機関など中小企業を支援する立場の方々には、大いにヒントになるかもしれません。よろしければご一読ください。

1  KANDO(カンド)株式会社の事業内容、そして高橋さんのプロフィール

高橋さんはまず、事業について次のように話してくれました。

「価値を創造できる人材を育てる。そして、そういう人材をこれからの日本に残していかなければ。そうしないと日本に未来はない。そう考えて、我々はこの一点に集中して事業に取り組んでいます」

ひいては、「働くことに感動できる社会」を実現するのが高橋さんたちの経営理念です。

会社概要

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんはもともと、大学院までは物理学を学び、そのあと大手広告代理やベンチャー企業で仕事をし、急成長企業でいくつかのターンアラウンドを経験してきました。

その中で、10年かけて「Roles®」(ロールズ)という「価値創造プロジェクトの型」、メソッドを見出し、体系化してきました。

複数社のターンアラウンドなども含め、100社以上の価値創造を推進し、その実績から仮説検証を繰り返して編み出したメソッドなので、説得力が違います。

代表略歴

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんは、2025年4月22日に新しく書籍を出版しています。気になる方は、下記からご確認いただけます。

「伝わらない」がなくなる話し方の順番

「伝わらない」がなくなる話し方の順番

2 「Roles®」(ロールズ)の肝は“推進役” 。そして必ず「実体験」で身に付けること

高橋さんの「Roles®」(ロールズ)のキーコンセプトは、

「優れた起業家の脳みそを追体験することができる」

というものです。この追体験を、ロールプレイ型でプロジェクトとして展開できるのが  「Roles®」の仕組みです。

優れた起業家の脳みそには3つのモードがあります。「理想脳」「現実脳」「推進脳」です。それを3つの役割「理想役」「現実役」「推進役」として、自分たちの企業(伴走支援される企業)に落とし込み、それぞれの役割を明確に分担しながらプロジェクトを進めていく。これによって、顧客が感動できる価値を提供できる。そう高橋さんは語ります。

キーコンセプト

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

ここで重要になってくるのが「推進役」です。「理想と現実がぶつかる場面で、両者の解像度を引き上げつつ、価値創造するためにプロジェクトを推進していく」役割だからです。

また、高橋さんたちの行っている人材育成・伴走支援の大きな特徴は、

実業の中で実際に価値を生み出す経験をさせて「価値創造の型」を身に付けてもらう。必ずアウトプットが出る

というところです。

実際にゼロイチで新しい価値を生み出したアウトプット事例も、次のように数々あります(事例の一部は後ほど第6章で紹介します)。「提供サービス」の左端にある通り、「ガチプロジェクト事業を伸ばす/変える」を実践している高橋さんたちです。

大切にしていること

提供サービス

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

やはりポイントとなるのは推進役で、「価値創造を担う推進役の育成は急務」と考えている高橋さんは、「推進役を育てるビジネススクール」を2025年夏から秋に立ち上げる予定とのことです。

3 「Roles®」(ロールズ)の進め方と大事な「自走」

「Roles®」の進め方について、高橋さんからいくつかお話を伺いました。

まず大事なのは、「Roles®」に取り組む目的=「顧客価値の創出」を明確に設定していること。そして大前提として、ドラッカーが言った通り、「顧客は誰か」をちゃんと見る。そこから始まります。

「Roles®」では実際に、次のように進めていきます。この一連のプロセスを「型」として落とし込んでいるのが「Roles®」の核となります。

  • 取り組むテーマと課題を絞り込む
  • 答えを出せるメンバーを集める
  • 役割分担(理想役、現実役、推進役)をする
  • ディスカッションを通してアウトプットを磨き上げていく

全体像

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

高橋さんたちの伴走支援の大きなポイントは

企業が自走できるようにする

ところです。高橋さんは、

「誰が顧客なのか。そしてその人たちをどのように喜ばせるかを、自分たちで考え抜いて実行していく。これを、従業員、組織ができるようにしていくことが最も大事」

といいます。安易に外部の力に頼るのではなく、

「自分たちでやる。だからこそ感動体験につながっていく」

ということなのだと感じます(外部の力を借りるのが悪いというわけではありません。必要であれば、外部の力を借りることも大事です)。

4 新規事業などで企業がつまずきがちな6つのポイント。これを自覚するだけでも勉強になる!

これまで100社以上を伴走支援してきた中で、多くの起業がつまずくポイントは6つに集約される、と高橋さん。この「つまずきポイント6つ」について、高橋さんに解説してもらいましたので、以降でまとめます。思い当たる方も多いのではないでしょうか。

サポート

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

【高橋さん解説:新規事業などでつまずきがちな6つのポイント】

1.取り組むべきテーマの具体化

→経営者は「思い込んでいる」場合が多い

新規事業に取り組もうとする際、経営者の「やりたいこと」や「直感的な危機感」からスタートするケースが多いです。

しかし、「それが本当に今、取り組むべきテーマかどうか」は別問題です。

例えば、経営者に色々と話を聞いていくと、「今は新規事業をやるのではなくて、現業を深掘りした方が早い」となることも少なくありません。そこで、まずは経営者との壁打ちを通じて、企業の本質的な課題やテーマを抽出する必要があります。

 

2.メンバー選定と役割分担

→「使いやすい人」をアサインしてしまう

新規事業のプロジェクトなどの失敗でよくあるのが、「使いやすい人」をアサインしてしまうことです。「誰ならどういうアウトプットができそうか」「誰にどういうアウトプットしてほしいか」ことを考慮して人を選んでいないというケースです。

理想役・現実役・推進役という役割分担に基づき、アウトプットベースで、適性のある人材を割り当てることが重要です。

 

3.オリエンテーションの実施(目線合わせ)

→コミュニケーションが荒っぽい

忙しい中小企業の経営者などはどうしても、「新規事業を思いついたので、進め方をとりあえず考えといて」など、従業員に対して説明不足になりがちです。「とりあえず考えといて」とだけ言われて動ける人はあまりいないでしょう。「どのような背景で、どのような顧客がいる仮説なのか、アウトプットの期待値、そのアウトプットが出せるかどうか」などを、従業員ときちんと共有し、目線を合わせてからスタートするのが望ましいでしょう。

 

4.ディスカッションのファシリテーション

→建設的にディスカッションするのがどういうことか分かっていない

ファシリテーション、これはかなり難しいものです。単に集まってワーワーと話すだけでは話は前に進みません。

段階を経て議論を深めていく設計が必要であり、技術も経験も求められます。

 

5.アウトプットのフィードバック

→「価値を提供する先(顧客)」の視点から価値を見なければ進化はしない

社内視点での「これでいいんじゃないですか」では価値は磨かれません。価値を提供する先は顧客なので、ちゃんと顧客視点で見直してフィードバックをするという文化、習慣が必要です。

 

6.プロジェクトの推進方法

→新しいことをやるときの一つ一つの障害を根気よくつぶしていく

新しいことをやるには障害がつきものです。そこで、一つ一つ整理し、打ち返していくプロセスが必要ですが、途中で面倒になって放り出す、投げ出すことも多いです。

障害を一つ一つつぶして、乗り越えていくことが求められます。

 

この6つはどれもとても重要なことばかりですが、特に技術や経験が求められるのが「ディスカッションのファシリテーション」かもしれません。おそらく、多くの人が「ディスカッションがうまくいかない」体験があると思います。

高橋さんたちは、ファシリテーションのトレーニングを次の2つの方法で提供しているそうです。特に2つ目のトレーニングはなかなか難しそうですが、実践的で身につきやすい方法といえます。

 

【ファシリテーションのトレーニング方法】

1.問題解決のトレーニング

ディスカッションの問題集を解いてもらいます。あるいは、ディスカッションで相手が色々と発言していることを一言で要約してみる、論点をMECEで挙げてみるなど、発言の中にある課題を整理し、表現する訓練を行います。

 

2.実践とフィードバック

実際のディスカッションに入ってもらい、ファシリテーションを行ってもらいます。それを高橋さんたちが横でチェックしながらフィードバックを行います。実践なので、緊張感を持ってディスカッションを行っているようです。

 

【テーマの具体化】

初手となる「テーマの具体化」についてもかなり大事です。最初にしっかりと明確化しておかなければ、スタートラインにも立てません。

例えば、「DXをやりたい」というような漠然とした目的を、

  • 既存事業の変革か?
  • 新たな顧客への価値提供か?

などに分解し、「何のためにやるのか」を明確にする作業を行います。

また、何かを作る、売る、広げる、などのプロセスがありますが、「売れないのは売り方(営業)に課題があるのか、それとも商品そのもの(作り方)に課題があるのか」を明らかにすることも大事です。これを曖昧なまま進めてしまうと、プロジェクトは形骸化します。

だからこそ、最初の「問いの設計」が非常に重要だと高橋さんは語ります。

テーマ設定

課題設定

(出所:KANDO(カンド)株式会社 会社説明資料)

5 推進役に向く人、向かない人。事業承継など目的によって推進役に適する人は変わる

高橋さんは、「推進役には、やはり向き不向きがあり、向いていない人の例としては、自分でガンガン進めたいタイプの人です。推進役には、他人に成果を出させるマネジメント視点が必要だからです」と説明します。

高橋さんたちは、推進役の選定を次のように行っているそうです。

「私たちは、適性診断(チェックリスト)を用いて、役割のフィットを見極めています。本人の希望があれば育成は可能ですが、時間と覚悟が必要です。現場では、多くの企業の場合、現実役・理想役には立候補者がいるものの、推進役は名乗り出にくいという傾向があります。そこで、最初は私たちが役割分担を決めてスタートすることが多いです」

ちなみに、推進役候補の年齢層は主に以下の2パターンだということです。

  • 30~40代(マネジャー):プロジェクト推進を担う中堅層として育成
  • 50~60代(事業部長や経営者など):次の「理想役」(後継者)を支援する役割として事業承継の一環

特にこれからの中小企業にとって必要だと感じたのは、

事業承継の一環として、50~60代の経営者自身や事業本部長などが推進役を学ぶ

という高橋さんのお話です。

経営者の多くは理想役で、一足飛びにやりたいこと・理想の姿を実現しようとする傾向にあります。そうするとプロジェクトがうまく進まないので、推進役が理想の姿をブレイクダウンし、段階を踏んでステップワンから、というふうに進めることになります。

こうした一足飛びに進めがちな理想役である経営者が、理想役のまま、事業承継をして次の世代に継いでもうまくいかないことが多いので、

経営者自身が推進役を学び、「推進役」となって「次の理想役」を支援できるようにする

ことが必要です。これは、今後の中小企業にとても大事な考え方だと感じます。

高橋さんのお話を踏まえると、プロジェクトの推進や事業承継などの目的に応じて、推進役に適した人材像はある意味適材適所、変わってくるといえるでしょう。

6 価値創造の事例。実際に成果が上がっている事例をみてみましょう

最後に、高橋さんたちの伴走支援で価値創造した事例をいくつかご紹介します。面白い確かな成果を上げている数々の事例がありますので、「自社で取り組むとしたら」のご参考になればと思います。

1.井筒八ッ橋本舗(創業220年の京都の超老舗)

井筒八ッ橋本舗

(出所:KANDO(カンド)株式会社 資料)

井筒八ッ橋本舗

(出所:KANDO(カンド)株式会社 ホームページ)

創業220年という超老舗の八ツ橋本舗で、高橋さんがファシリテーターとして入って産学連携で価値創造に取り組み、若手の従業員が中心となって新しくて面白い商品を作り出した、という好事例です。

大阪芸術大学との産学連携で「Yatsuken(ヤツケン)」=「八ッ橋食感研究所」という新ブランドを立ち上げました。

そしてなんと2週間に1回という驚異的なスピードで、商品アイデアを試作・実験するプロジェクトを実施します。

「2週間に1回」は最初、さすがに経営者も従業員も消極的だったようです。しかし、そのうち、特に若手の従業員が積極的になってきます。バレンタイン向け【むにゅっとしょこら】という全く新しい商品を開発・販売します。

このチョコ商品は今までの八ツ橋の概念をガラッと変えるもので、八ツ橋の生地をチョコで包んでいます。今までの八ツ橋の「つつむ」を「つつまれる」に変えた新食感のチョコレートということで人気になり、完売したそうです。

高橋さんにヤツケンの取り組みについて伺ったところ、次のお話をしてくださいました。

「今回、キーになったのは製造部門の若い女性従業員です。その方が『楽しい!』となってスイッチが入り、全体的に変わって行った感があります。その従業員の方は、最初は現業も忙しかったので、『アイデアがあっても商品がつくれないかも』と消極的でした。しかし、みんなで議論して試作品をつくってみたら『楽しい』ということで、どんどん積極的に自発的に動くようになりました」

また、その女性従業員いわく、

「みんなで、どのような顧客にどのように喜んでもらうかなどを議論していて、誰に喜んでもらえるのかを考えたら、とても楽しくてスイッチが入った」

「顧客のために」「自分たちはどういう感動を提供できるか」を問いかけると、従業員の目の色が変わって自発的に考え動くようになる、と高橋さん。そうなると、従業員自身も「楽しい!」と感じて、組織の自走が進むのだと感じます。

 

2.ネイル整形サロン(学生起業)

ネイル整形サロン

(出所:KANDO(カンド)株式会社 資料)

こちらは、KANDOが出資して子会社を設立した事例です。

大阪公立大学の学生が持つ「爪を補整する技術」をビジネス化。議論と仮説検証を重ねて、大阪天王寺に一号店をオープンしました。

この学生の方は、もともと技術を持っていて何かやりたいと思ってはいたものの、不安があって踏み出すことができないでいました。

高橋さんは、「いいもの、面白いものを持っていても世に出てない人、踏み出せない人はたくさんいる。しかし、こうしてガイドしていくとちゃんと形になる」と話してくれました。

高橋さんのやっていることを山登りで例えると、一緒に山に登るシェルパ(登山ガイド、案内人)が思い浮かびます。「あそこの山の登り方を教えます」ではなくて、高橋さんたちは一緒に山に登って案内する。高橋さんの言葉を借りると、次のようなことかもしれません。

「山登りで例えるなら、『荷物が重いのなら、たまには持つよ。危険そうな場所があったら先に行ってみるよ』という感じで、一緒に解像度を上げていくことをやっています」

 

3.まんまるおにぎり(行列ができるおにぎり屋さんに)

まんまるおにぎり

(出所:KANDO(カンド)株式会社 ホームページ)

こちらはまさに新規事業、新業態を立ち上げた事例です。

もともとは工場などの社食を展開しているこの企業、コロナ禍で社食を誰も利用しなくなってしまい、会社の危機に直面します。経営者の方は、「そういうときだからこそ新しいことにチャレンジしよう!」ということで、BtoCにチャレンジしてみることになります。

経営者がご飯大好きなので「最高においしいご飯をつくろう!」ということに。高橋さんと議論を重ね、1年半かけて行列のできる人気のおにぎり屋さんにまでなりました。テレビの取材なども受けています。

「本気で顧客のことを考え続けたら、行列店にまでなれるという事例です」

と高橋さんは教えてくれました。

 

4.大同生命×KANDO「どうだい?顧客価値共創プログラム」(第2回がもうすぐ開催!)

高橋さんたちは大同生命と一緒に、「顧客価値共創プログラム」も実施しています。

これは、大同生命が運営している経営者向けメディア「どうだい?」の特別プログラムとして行っているものです。「どうだい?」による特別価格でKANDOの顧客価値を創造する4カ月間のプログラムを受けられるというもので、いわば「4カ月間の実践的なビジネス塾」です。

受講した経営者の中には、「このプログラムを受けたおかげで2000万円の売り上げがあがりました!」という方もいたそうです!

なお、この「どうだい?顧客価値共創プログラム(第2回)」は、2025年6月4日(水)からプログラムの1回目を開始する予定です。4月25日(金)より「どうだい?」内イベントページにて本プログラムの応募開始をしています(応募〆切5月下旬予定)。

https://dodai.daido-life.co.jp/event/detail/1656

どうだい?顧客価値共創プログラム

高橋さんたちのこれらの事例からも分かる通り、

顧客は誰か、そして、その顧客にどのような感動を提供できるかを問い直し、アウトプットし続ける

ことが、企業や、企業で働く個人を大きく変えるきっかけになるといえます。

高橋さん、とても勉強になる、かつ実践的なお話を有り難うございます!

以上(2025年4月作成)

指導した部下が「それ、パワハラです!」と反論してきたら?

1 部下の指導からは逃げないが、反省すべき点は反省する!

この記事では、日本ハラスメントカウンセラー協会の顧問として、数々の会社のハラスメント対策に向き合ってきた弁護士(筆者)が、

部下から「パワハラだ」と言われた上司の事例を2つ取り上げ、対応のポイントを紹介

します。まず、事例に入る前に、大前提となる「パラハラの定義」を以下に明記しておきます。上司の皆さんは、この定義を確認しつつ、第2章以降の事例で「どう対応するのが望ましいのか」をご確認ください。パワハラ(パワーハラスメント)とは、

職場の優越的な関係を背景とした、業務上必要かつ相当な範囲を超えた(行き過ぎた)言動により、就業環境が害される(仕事に支障を来す)こと

です。優越的な関係の最たるものは「上司と部下」で、次の6つが一般的なパワハラの行為類型(通称:パワハラの6類型)とされています。

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パワハラは許されない。これは大前提ですので、

上司は、「業務上必要かつ相当な範囲」を超えないように部下を指導する(人格を否定しない、プライベートには干渉しないなど)

ようにしなければなりません。一方、

上司が明らかに正当な指導をしているのに、部下が「それ、パワハラです!」と反論してくるケースなどもありますが、そうした場合は毅然とした態度で臨む

ことが必要です。部下の反論を恐れて指導できなくなってしまうのは、本末転倒でしょう。

そして、大切なのはこの2つの指導方針を両立することです。実際のビジネスでは、上司か部下の一方だけが悪いケースより、双方が悪いケースのほうが多いものです。ただ、指導の目的は「上司と部下、どちらが間違っているかを決めること」ではなく、「部下を成長させて、業務を円滑に進めること」ですので、上司は

「指導からは逃げないが、自分に反省すべき点があれば反省する!」

という姿勢を徹底することが大切です。

2 仕事の遅い部下を注意しただけなのに「パワハラだ」と言われた……

1)ケーススタディー

システム開発などの事業を行う会社に勤めるA課長は、「エンジニアの経験がある」ということで中途採用されたBさんを部下に迎えました。

あるとき、A課長は、Bさんが本来なら2日で終わるはずの業務に、1週間以上の時間をかけていることを知りました。A課長は、「いつまで時間をかけているんだ!」とBさんを叱りつつ、状況を確認して改善点を教え、「残りを明日までに終わらせるように」と指示しました。

しかし、Bさんが「無理な要求をしないでください。パワハラです」と反論してきたため、A課長は、カッとなって「パワハラとは何事だ!」と声を荒げてしまいました。ただ、会話の途中で「もし、自分の対応が本当にパワハラだとしたら、処分されるのでは……」と怖くなったA課長は、人事部に通報されては困ると思い、「もういいよ」と言って指導を切り上げました。

2)受け手が「不満に感じた」というだけでは、パワハラにはならない

マスコミなどの影響もあり、最近はハラスメントへの理解が不十分なまま、「叱る=パワハラ」「受け手がパワハラと感じたらパワハラ」などの誤った解釈を盾に、上司に反抗する人が少なくありません。

パワハラの定義は冒頭でお伝えした通りですが、上司の言動がパワハラに該当するかどうかは、「社会通念(平均的な労働者の感じ方)」を基準に判断します。つまり、

受け手の主観(感じ方)は重視しますが、客観的に見て上司が部下を指導する必要性があり、指導の内容も「平均的な労働者からすれば、別におかしくない」といえるレベルなのであれば、部下が不満に感じたとしても、パワハラにはならない

ということです。

ケーススタディーでは、Bさんが「無理な要求をされた=パワハラ」と感じてA課長に反抗しています。確かに、業務上明らかに不要なことや遂行不可能な業務を押し付けることは、冒頭で紹介したパワハラの6類型の「過大な要求」に当たります。

しかし、Bさんが命じられていた業務は、本来であれば2日で終わるレベルのものですから、それが1週間たっても終わっていないのであれば、注意を受けるのは仕方のないことでしょう。しかも、A課長は、業務の改善点も教えた上で、「明日までに終わらせるように」と指示しているので、Bさんが不満に感じたとしても、パワハラにはならない可能性が高いです。

A課長は、Bさんとの会話の途中で「人事部に通報されては困る」と思い、指導を切り上げてしまいましたが、パワハラでない以上、指導は続けるべきでした。

3)パワハラでなくても、「グレーゾーンの言動」には注意が必要

A課長の言動はパワハラにならない可能性が高いですが、ここで注意したいのが、

パワハラでなければ、何をやってもいいわけではない

ということです。「何が社会通念(平均的な労働者の感じ方)か」を判断するのは簡単ではなく、上司が「パワハラではない」と思っても、裁判では逆の判断になるケースがあるからです。

また、パワハラとまではいえない言動でも、例えば相手を下に見るような不適切な言動は、相手にストレスを与えることがあります。

パワハラとまではいえない不適切な言動を、筆者は「グレーゾーンの言動」

と呼んでいますが、グレーゾーンの言動にさらされ続けた人が、うつ病などになってしまうケースは一定数存在します。会社には社員が安全に働けるよう配慮する「安全配慮義務」があるので、上司は部下がうつ病などにならないよう配慮しなければなりません。そして、

パワハラになる言動だけでなく、グレーゾーンの言動にも安全配慮義務違反のリスク

はあるので、「パワハラでなければOK」などと短絡的に考えるのではなく、不適切な言動があれば改善することが大切です。

ケーススタディーでは、A課長がBさんの態度に声を荒らげていました。どの程度声を荒らげたかなどにもよりますが、もしかしたら不適切な言動だったかもしれません。

4)部下の言い分を聞き、自分の考えを伝える。落ち度があるときは謝罪も忘れずに!

部下から「パワハラだ」と言われたら、まずは冷静に対応することを意識してください。昨今は厚生労働省ウェブサイトでも、

「ハラスメントは、受け流しているだけでは状況は改善されません。『やめてください』『私はイヤです』と、あなたの意思を伝えましょう」

などの啓発の文言が出ていますから、指導に対して部下が反論してくるのも、ある意味無理からぬことです。「そういうものだ」と諦め、次のポイントを押さえて冷静に対処しましょう。

1.まずは部下の言い分を聞く

反論する前に「まず傾聴」という意識を持ちたいところです。これは、筆者が会社のハラスメント相談窓口の担当者にお伝えしていることですが、一般的に、

ハラスメントのような深い問題についての相談は、忍耐強く傾聴し、聞き役に徹する姿勢を持つことが効果的である

といわれています。部下から「パワハラだ」と言われたときも、即座に「違う」と反論するのではなく、まず部下の言い分を聞くのが望ましいです。A課長の場合も声を荒らげるのではなく、冷静に「なぜ、パワハラだと思うの?」などと尋ねるのがよかったかもしれません。

2.自分の考えを伝えつつ、指導をする

自分の指導が業務上の必要性などに照らしてパワハラでないと考えるのであれば、そのことを冷静に部下に説明します。例えば、

「業務上の必要性があるから指導しているのだし、言い方も社会的に許容される限度を超えたものとは思わない」

といった具合です。

その上で、改めて部下を指導しますが、その際には、

行動や内容の問題点に焦点を絞り、乱暴な言い方や、相手を軽く見るような言い方、相手の人格に踏み込むような言い方(「君ってさあ、いつもこうなの?」など)は避ける

べきです。グレーゾーンの言動であっても、言われた人の多くはストレスや不満を感じます。そのときは我慢しても、ストレスを繰り返し受けることで、時間がたってからうつ病などになったと主張する人もいるからです。

3.不適切な言動があったときは謝る

自分の言動に不適切なところがあれば、その点については素直に謝ったほうがよいでしょう。「パワハラだ」と言う部下の主張を認めるのではなく、不快に感じるような言い方があればその点についてのみ謝る、限定的な陳謝をするわけです。

また、前述したように「社会通念(平均的な労働者の感じ方)」の判断は簡単ではないため、

相手が納得しなければ、人事部門などの第三者的な者に判断してもらうことになる

という覚悟は必要です。この覚悟がないと、部下の強引な態度に押し切られてしまう恐れがあります。

3 何度指導しても改善しない部下にキレてしまったら、3年後に「パワハラだ」と言われた……

1)ケーススタディー

ある会社の企画グループで働くC課長とその部下Dさん。Dさんには、「スケジュール管理が甘い」という欠点があります。例えば、Dさんに作成を指示した役員会への提出資料が、当日になっても上がってこなかったことがありました。また、新システムの開発プロジェクトを進めていて、担当者のDさんが納期直前に「間に合わない」と言ってきたこともありました。

C課長はDさんに任せっ放しではなく、細かく進捗を確認するのですが、いつ聞いても、Dさんは「大丈夫です」の一点張り。C課長は毎回、その尻拭いをさせられ、その都度Dさんに、「できないならできないと、早めに言ってくれ!」と厳しい口調で注意するのですが、Dさんは「すみません」と謝りはするものの、一向に改善が見られません。

こうした状況が続き、我慢の限界に達したC課長はとうとうキレてしまい、あるときDさんに「君は新入社員以下だ、もう任せられないよ!」「なんで分からないの、馬鹿じゃないの!」と言ってしまいました。Dさんはいつもの通り「すみません」と謝りましたが、間もなくうつ病と診断されて会社を休職。1カ月後に復職して別部署に異動しましたが、その後もうつ病は回復せず、休職と復職を繰り返すことになりました。

そして、企画グループを離れてから3年後、Dさんはハラスメント相談窓口に「C課長からパワハラを受けてうつ病になった」と通報しました。話を聞いたC課長は、3年も前のこと故に、「いつの指導?」「なぜ、今になって通報したの?」と困惑してしまいました。

2)人格否定などに当たる発言は、1回でもパワハラになると思ったほうがいい

上司の言動がパワハラと認定されるのは、

原則として問題のある言動が「何度も、継続的」に行われた場合です。ただ、頻度や継続性に関係なく、1回の言動でパワハラ(一発アウト)になるケースも存在

します。このケーススタディーのように、「新入社員以下」「馬鹿」など、名誉・人格を著しく傷つける言動をしてしまう場合がそうです。

そもそも、このケーススタディーでは、「新入社員以下」「馬鹿」発言の前に、継続的に厳しい口調での注意が続いていました。これらの言動はパワハラにはならないものだったとしても、Dさんの中では、度重なる失敗に対する焦りや指導のプレッシャーからストレスが蓄積され、「新入社員以下」「馬鹿」発言がとどめとなり、うつ病になってしまった可能性があります。

何度指導しても改善が見られないDさんに対し、C課長が一定程度強く注意すること自体は、業務上必要なことなので問題ありません。ただ、

人格否定などの発言をしてしまった場合については、指導する業務上の必要性が認められるとしても、社会通念上相当な範囲を逸脱した言動としてパワハラになる可能性が高い

です。部下に問題があったとしても、1回でもこうした言動をしてしまえば、「上司の負け」だと思ったほうがよいでしょう。

3)時間が空いたとしても、パワハラは成立する

Dさんは、企画グループを離れてから3年後に、C課長の言動がパワハラだったと訴えています。民法上、パワハラなどの不法行為に対する損害賠償請求は、

被害または加害者を知ってから3年(身体に害を与える不法行為の場合は5年)

まで認められるので、「時間が空いたからパワハラではない」という考えは通用しません。ちなみに、C課長は「なぜ、今になって通報したの?」と困惑していますが、

ハラスメントを受けていた当時は我慢していても、その不満がだんだんと大きくなって、時間を置いて爆発するケース

は珍しくありません。「新入社員以下」「馬鹿」と言われた当時のDさんは、度重なる自分の失敗に負い目を感じていたため、C課長の発言を問題視できなかったのでしょう。ですが、その後もうつ病が回復せず、休職・復職を繰り返す中で、

次第に「私がうつ病になったのは、C課長のパワハラのせいだ」と考えるようになった

可能性があります。

4)段階を踏んだ指導をし、口頭でダメなら書面やメールなどに切り替える

まずは、「人格否定などの発言は一発アウト」ということを認識した上で、冷静な指導を心掛けましょう。基本的なポイントは第2章のケーススタディーと同じ、

  • まずは部下の言い分を聞く
  • 自分の考えを伝えつつ、指導をする
  • 不適切な言動があったときは謝る

です。

また、何度も同じような問題を起こす社員に対して、口頭での注意を繰り返すことは、場合によっては避けたほうがよいでしょう。パワハラになる・ならないの問題以前に、口頭で注意されるだけでは、自分の問題点を明確に認識できない人がいて、かえって逆効果になるケースがあるからです。

このような部下への対応は容易ではありませんが、例えば、「段階を踏んだ指導をする」という対処法があります。

  • 業務中の口頭注意で改善が見られなければ、場を改めて面談する
  • それでも改善が見られなければ、書面やメールなど形に残る方法で指導する

といった具合に、少しずつ強度を高めていけば、多くの人は、こちらの意図を理解して改善してくれます。

このような段階を踏んでも全く改善が見られない場合、上司が自分だけで対応しようとすると、上司自身が疲弊してしまいますし、C課長のようにキレてパワハラ事案に発展する事態にもなりかねません。このような場合は、上司自身の上席に相談するなどして、対応を検討したほうがよいでしょう。

以上(2025年5月作成)
(執筆 東京エクセル法律事務所 弁護士 坂東利国)

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画像:ChatGPT

経営者が知っておきたい 「褒めて伸ばす」技術

1 会社と社員の関係が変わってきた

「褒める」という行為が、改めて注目されています。見直しが進んでいるとはいえ、ほとんどの日本企業では終身雇用が根付き、家族的な雰囲気を醸し出そうとしています。家族的な関係づくりを進めるからこそ、一方では厳しさも容認され、「仕事だから経営者が社員を指導するのは当然。厳しくても、それは社員を思ってのこと」といった感覚が生まれます。

しかし、こうした感覚は通用しなくなりつつあります。厳しすぎる指導は社員を疲弊させ、なかには経営者の意図に関係なく「パワハラだ!」と言ってきたり、「この会社は自分に合わない……」と入社早々に転職を決めてしまったりする社員もいます。また、別の視点からは、不要な「圧」があると、社員は思ったことを口に出せなくなり、多様性が失われていきます。

厳しい経営環境を勝ち抜くためには、社員を萎縮させるのではなく、伸び伸びと働いてもらうことが必要です。そして、そのきっかけとなるのが「褒める」という行為です。それも、

「具体的に、タイミングよく、全力で」褒める!

というのが大切です。以降で、褒めることについて少し掘り下げて考えていきましょう。

2 具体的に褒める

まず、経営者は

社員がいなければ会社は成り立たない

ことを認識し、感謝の気持ちを社員に伝えましょう。「よく頑張っているね」「いつもありがとう」といった声掛けをするのです。会社の規模にもよりますが、社員にとって経営者は遠い存在です。経営者が思っているよりもずっとです。そのような経営者から肯定的な言葉を掛けられれば、うれしくなり、声掛けの内容が漠然としたものであっても、「褒められた、認められた」と感じるはずです。

ここから一歩進んで全力で褒めるために、自社の管理職をお手本にしてみましょう。管理職は現場で部下を指導し、細かなことも把握しています。そして、管理職は部下が自分の教えた通りに、あるいは期待を超える成果を上げたときに褒め、逆の場合は叱ります。つまり、管理職が褒めたり叱ったりすることは、社員の仕事と連動した具体的な内容になっています。

例えば、社員がプロジェクトに成功した場合、

  • 経営者は「よくやった!」と声掛けします。
  • 管理職は「君がお客様から『○○があればいいな』という一言を引き出し、それに真剣に向き合ったからだ。よくやった!」といったように具体的に褒めます。

大切なポイントは、「相手が褒めてほしい、認めてほしい」と思っている部分を的確に捉えていることなのです。

3 基準を明確にし、タイミングよく褒める

社員とのコミュニケーションを深めたとしても、経営者が全社員の仕事を細かく把握することはできません。それに、経営者が社員とのコミュニケーションばかりに時間をかけることもできません。そこで、経営者は褒める基準と叱る基準を明確にしておきましょう。

例えば、

「イエスマンは評価しません。意見や、“異見”を言ってくれる社員を評価します」

と宣言し、実際にそのようにします。こうすることで、経営者の“ご機嫌取り”をして、褒められようとする社員のムダな行動を排除することもできます。

また、褒めるタイミングも大事です。1年前の成功でも褒められればうれしいものですが、成功直後ほどの効果はありません。

仕事に成功した社員を褒めるなら、社員の気分が高揚しているときが一番よい

のです。

4 褒める組織をつくる

社員をよく褒める経営者が率いる会社では、管理職も同じように部下のことをよく褒めるようになります。また、社員は経営者の人柄をよく見ています。いくら経営者が全力で褒めたとしても、そもそも社員に尊敬されていなければ、社員の心の琴線に触れることはできません。

そのため経営者は、仕事はもちろん、公私ともに“全力”で率先垂範し、ちょっとした声掛けであっても、社員が「尊敬する経営者に声を掛けてもらえた!」と思えるほどの存在になれるよう努力しなければなりません。

以上(2025年6月更新)

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画像:kapinon-Adobe Stock

プレゼンで、三流は資料ばかり見て、二流はアイコンタクトをする。では一流は?

アイコンタクトは有効だが、ただやれば良いというものではない。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「相手を見る意味を考えましょう」と言います。本記事では、プレゼンの場を「一方的に説明する場」から「対話の場」に変えることを提案した『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。

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職場の「なぜか好かれる人」が無意識にやっている4つの習慣

「なぜか好かれる人」の多くは4つの習慣を実践している。どれも簡単にできることばかりだが、なぜ好印象を持たれるのだろうか。※本稿は、有川真由美『なぜか好かれる人の小さな習慣』(毎日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

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【やってはいけない】節税したい人必見…“相続税対策”のつもりが裏目に出る典型例

相続は誰にでも起こりうること。でも、いざ身内が亡くなると、なにから手をつけていいかわからず、慌ててしまいます。さらに、相続をきっかけに、仲が良かったはずの肉親と争いに発展してしまうことも……。そんなことにならにならないように、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)の著者で相続の相談実績4000件超の税理士が、身近な人が亡くなった後に訪れる相続のあらゆるゴチャゴチャの解決法を、手取り足取りわかりやすく解説します。

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