治療と仕事の両立支援ガイドブック(2026年5月号)

労働施策総合推進法の改正により、ことし4月から、事業場において労働者の「治療と仕事の両立」を支援するために必要な措置を講じることが努力義務となりました。人手不足対応や健康経営の要請が高まるなか、従業員が疾病を抱えながら働くケースは中小企業でも増えていますが、多くの企業では両立支援の制度設計が十分でなく、担当者が個別対応に追われがちです。そこで、厚生労働省の指針を踏まえた両立支援の制度設計をわかりやすく整理し、 実務上の留意点や就業規則への反映、 ケーススタディーを解説します。


2026年度、中小企業新事業進出補助金とものづくり補助金が1つに?

1 2つの補助金が統合、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に?

2025年度に創設された、会社の新事業展開を支える「中小企業新事業進出補助金」。そして、長年にわたり製造業の設備投資を支えてきた「ものづくり補助金」。どちらも中小企業にとって重要な意味を持つ補助金ですが、

2026年度以降は、この2つの補助金が統合され「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として生まれ変わる予定

です。

この記事では、「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」、それぞれの制度の概要や申請上の注意点を紹介した上で、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合された際、どのような変更があるのかなどをお伝えします。

なお、この記事の内容は2026年4月19日時点の公開情報に基づいており、将来変更される可能性があります。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。

2 中小企業新事業進出補助金

1)中小企業新事業進出補助金とは?

2025年度から新たにスタートした補助金で、事業再構築補助金の後継制度として創設されました。中小企業等が既存の事業の枠を超え、新市場・高付加価値事業へ進出するための設備投資等を支援します。

「新しい製品・サービスを、新しい顧客層に届ける」チャレンジを後押しすることで、企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上と賃上げにつなげることを目的としています。

■中小企業新事業進出補助金■
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/

2)申請するには?

主な要件は次の6つです。

中小企業新事業進出補助金

なかでも「1.新事業進出要件」は制度の根幹ですので、まず自社の事業計画がこの要件を満たすかを確認する必要があります。なお、1.の要件の基準となる「新事業進出指針」についてはこちらをご確認ください。また、3.と4.の要件は、目標未達の場合に補助金の返還義務が生じます。

■中小企業庁「新事業進出指針」■
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_shishin.pdf

3)受け取れる金額はいくら?

補助上限は従業員規模によって異なります。また、

  • 「賃上げ特例」(給与支給総額年平均+6.0%以上かつ事業場内最低賃金+50円以上)を適用する場合、補助上限が引上げ
  • 「地域別最低賃金引上げ特例」(2024年10月~2025年9月の間、補助事業の主たる実施場所において、「当該期間の地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上の月が3カ月以上)を適用する場合、補助率が引上げ

となります。

中小企業新事業進出補助金

補助対象経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、(検査・加工・設計等に係る)外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費です。なお、機械装置・システム構築費、建物費のいずれかは必須です。

4)スケジュールは?

2026年4月19日時点では第4回公募が実施されており、そのスケジュールは次の通りです。

  • 公募開始:2026年3月27日(金)
  • 申請受付:2026年5月19日(火)
  • 応募締切:2026年6月19日(金)18時
  • 補助金交付候補者の採択発表:2026年9月頃(予定)
  • 補助事業実施期間:交付決定日から14カ月以内、ただし採択発表日から16カ月後の日まで

3 ものづくり補助金

1)ものづくり補助金とは?

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。中小企業・小規模事業者が革新的な新製品・新サービスの開発や、海外事業を通じた国内の生産性向上に必要な設備投資等を支援します。

新事業進出補助金が「既存事業の外に出る新しい挑戦」を支援するのに対し、ものづくり補助金は「既存事業の延長線上にある革新的な開発や海外展開」を支援するイメージです。

■ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト■
https://portal.monodukuri-hojo.jp/

2)申請するには?

申請枠は次の2つです。

  • 製品・サービス 高付加価値化枠:革新的な新製品・新サービスの開発に必要な機械装置・システム導入費用を支援
  • グローバル枠:海外での需要開拓等を目的とした設備投資を支援

主な要件(基本要件)は次の4つです。

ものづくり補助金

申請者は、1.~3.の要件を全て満たす補助事業の終了後3~5年(任意で選択可)の事業計画を策定します。なお、従業員数21名以上の場合は4.の要件も満たす必要があります。また、2.と3.の要件は、目標未達の場合に補助金の返還義務が生じます。

3)受け取れる金額はいくら?

1.製品・サービス高付加価値化枠

補助上限は従業員規模によって異なります。また、

  • 「大幅賃上げ特例」(給与支給総額年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金+50円以上)を適用する場合、補助上限が引上げ
  • 「最低賃金引上げ特例」(2024年10月~2025年9月の間、補助事業の主たる実施場所において、「当該期間の地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上の月が3カ月以上)を適用する場合、補助率が引上げ(ただし、小規模事業者・再生事業者は対象外)

ものづくり補助金

となります。なお、大幅賃上げ特例と最低賃金引上げ特例の併用はできません。

補助対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費です。

2.グローバル枠

補助上限は、従業員数に関係なく一定で、特例措置の適用はありません。

ものづくり補助金

補助対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費です。

さらに、海外市場開拓(輸出)に関する事業の場合のみ、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助対象経費となります。

4)スケジュールは?

2026年4月19日時点では第23次公募が実施されており、そのスケジュールは次の通りです。

  • 公募開始:2026年2月6日(金)
  • 申請受付:2026年4月3日(金)
  • 申請締切:2026年5月8日(金)17時
  • 採択公表:2026年8月上旬頃予定
  • 補助事業実施期間:
    ・(製品・サービス高付加価値化枠)交付決定日から10カ月以内、ただし採択発表日から12カ月後の日まで
    ・(グローバル枠)交付決定日から12カ月以内、ただし採択発表日から14カ月後の日まで

4 新たに始まる「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」とは?

1)なぜ2つの補助金が統合されるのか?

中小企業新事業進出補助金とものづくり補助金については、2026年度以降、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合して公募を行うことが予定されています。

中小企業新事業進出補助金(新市場・新事業への進出)とものづくり補助金(革新的な開発)は目的こそ異なりますが、どちらも中小企業の付加価値向上と賃上げという共通の政策目標を持ちます。この2つの補助金を一体的に評価する補助金体系へ再設計することが統合の狙いです。

どちらかが廃止されるわけではなく、「成長投資支援の窓口を一本化する」という位置づけです。

2)統合後はどうなる?

中小企業庁が公表している資料によると、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、

  • 中小企業新事業進出補助金 → 新事業進出枠
  • ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠) → 革新的新製品・サービス枠
  • ものづくり補助金(グローバル枠) → グローバル枠

として再設計される予定です。

また、補助上限と補助率については、改正前後で次のように変わります。なお、補助下限についての情報は2026年4月19日時点では公表されていません。

ものづくり補助金

大きく変わるのは、グローバル枠(旧:ものづくり補助金(グローバル枠))で、補助上限が大幅に引き上げられ、最大7000万円となる見込みです。また、改正前はなかった特例の適用も受けられるようになり、その場合、金額は最大9000万円になります。

■中小企業庁「『新事業進出・ものづくり補助事業』に係る資料提供依頼・意見募集について」■
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/jizen/2025/251226.html

以上(2026年5月作成)

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画像:ChatGPT

目指せ100億!「中小企業成長加速化補助金」は最大5億の補助

1 設備投資に使える 中小企業成長加速化補助金

現在、中小企業庁では「売上高100億円」を目指す中小企業を応援する「100億企業成長ポータル」を立ち上げています。売上高100億円は、多くの経営者にとって「途方もない額」である一方、「いつの日か達成してみせる!」という野心をかき立てる数字かもしれません。とはいえ、実際に中小企業がこの目標を達成するには大規模な設備投資が不可欠で、「その資金をどう調達するの?」と聞かれると、困ってしまう経営者も多いはずです。

そこで活用したいのが、

設備投資を最大5億円まで補助する「中小企業成長加速化補助金」

です。2024年度補正予算により2025年からスタートした中小企業庁所管の補助金で、これを上手に活用すれば、自己資金の負担を抑えつつ最新設備の導入が可能になり、競争力の強化につながります。以降で、補助金の概要や申請のポイントについて解説しますので、興味のある方はぜひご確認ください。

2 中小企業成長加速化補助金とは?

1)中小企業成長加速化補助金の概要

この補助金は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業に対して補助を行うことで、工場の新設・増築や設備の導入を促進するためのものです。書類と面接の審査を経た後、交付決定された企業に対して、実績報告後に補助金が支払われます。

中小企業成長加速化補助金の概要

中小企業成長加速化補助金の活用イメージ

中小企業庁「中小企業成長加速化補助金」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/koubo/2025/250314001.html

2)中小企業成長加速化補助金の詳細な要件

1.補助上限額・補助率

補助上限額は5億円で、補助率は1/2となっています。

【計算例】補助対象経費の総額(最大10億円)×補助率1/2=補助金額(最大5億円)

2.補助事業期間・公募スケジュール

補助事業期間は24カ月となります。他の補助金に比べて長めではありますが、交付申請後にしか発注・契約できません。交付申請は採択決定日から2カ月以内が期限となります。

2次公募の申請受付はすでに終了していますが、スケジュールは次のようになっています。2次公募が終了次第、2026年夏頃を目処に3次公募が実施される予定です。

  • 2026年1月下旬:公募説明会
  • 2026年2月24日(火):申請受付開始
  • 2026年3月26日(木):申請受付締切
  • 2026年5月下旬:1次審査結果の公表
  • 2026年6月22日(月)~7月10日(金):プレゼン審査
  • 2026年7月下旬以降:採択結果の公表

工場の新設や海外から設備を船便にて輸送して設置する場合は、補助事業期間内に工場の新設が完了するか、設備の設置が完了するかを確認してください。

3.補助対象者

売上高100億円を目指す中小企業です。また、売上高10億円以上100億円未満の中小企業であることが要件ですので、全社での売上高がこの幅に入るかをチェックしてください(対象外になる場合、経済産業省から他の補助金が出ていますので、そちらの活用をご検討ください)。

なお、原則として直近決算期の売上高で判断するそうですが、何らかの事情がある場合には、直近3期分の決算に基づくそうです。事前に事務局に相談することをお勧めします。

4.補助事業の要件

要件の1つ目として、「100億宣言」を専用ポータルサイトにて行う必要があります。これは中小企業が自ら「売上高100億円」の実現に向けた取り組みを行っていくことを宣言するもので、

  • 企業概要
  • 企業理念・経営者の意気込み
  • 売上高100億円実現の目標と課題
  • 売上高100億円に向けた具体的措置(取り組み)

などを定めます。詳細は、中小企業庁ウェブサイトをご確認ください。

■中小企業庁「100億宣言」■
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/100oku/index.html

2つ目として、投資額が1億円以上であることが必要です。投資額とは建物費、機械装置費、ソフトウェア費の補助対象経費の合算金額であり、外注費、専門家経費は含みません。

3つ目として、賃上げが求められています。補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の「従業員(非常勤含む)の1人当たり給与支給総額」と比較した、基準年度の3事業年度後(最終年度)の「従業員の1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率(基準率)が、全国における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上であることが必要です。賃上げ要件を満たさなかった場合は補助金返還を求められます。

なお、当該「従業員の1人当たり給与支給総額」の基準(4.5%以上)を満たした上で、「給与支給総額」か「従業員の1人当たり給与支給総額」のどちらを目標に掲げるかは申請時に選択します。申請後の変更はできません。

(注)給料、役員報酬、賞与、各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当)等、給与所得として課税対象となる経費を指します。

補助対象経費は建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費となります。

3 補助金を活用するメリットとデメリット

1)中小企業成長加速化補助金のメリット

中小企業成長加速化補助金のメリットは、次の通りです。

1.資金調達の一環となる

この補助金は、事業計画を実現するために必要な資金を提供します。これにより、中小企業は新しい建物や設備の資金の一部を得ることができ、本来費用としてかかる金額よりも負担を減らすことができます。

2.事業成長を促進する

補助金を受けることで本来、建物や設備に投資するはずであった資金を他の経営資源に回せるようになり、企業の成長が加速し競争力が向上します。また、補助金を活用して新設の工場での増産や、設備投資による革新的な製品の製造が可能になります。

さらにこの補助金には、

補助事業の事業化により収益を得られたと認められる場合でも、収益納付を求められない

という特徴があります(他の補助金では、補助事業の事業化によって収益が出た場合に収益納付を求められることが多いです)。

2)中小企業成長加速化補助金のデメリット

中小企業成長加速化補助金のデメリットは、次の通りです。

1.交付決定まで発注や契約ができない

書類審査とプレゼン審査があり、実際に工場の建設や設備を発注・契約するまでにタイムラグが生じます。今すぐ事業を開始したい場合、他の補助金を活用することをお勧めします。

2.計画通りに事業が進まない場合に計画変更がしづらい可能性がある

計画通りに事業が進まない場合、補助金を活用して建てた工場や設備を他の用途に使う際は、事前に事務局への相談が必要となります。変更が認められないケースも想定されますので、しっかりとした計画を練ることが大切です。

4 申請のポイント

中小企業成長加速化補助金を申請する際は、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1)事業計画の明確化

申請書には、革新的な事業計画を詳細に記載する必要があります。計画の目的、具体的な内容、実施方法、期待される成果などを明確に説明しましょう。申請書類の1つに投資計画書(様式1)がありますが、これはパワーポイント形式になっているので、

書類審査後のプレゼン審査は、投資計画書を使用したものになることが想定

されます。書類審査はもちろんのこと、プレゼンしやすい書類の作成も心掛けましょう。

2)申請に必要な書類等の準備

申請は電子申請となりますので、GビズID(1つのIDで複数の行政サービスにアクセスできるサービス)のプライムアカウントを、あらかじめ準備しておきましょう。

■GビズID(gBizID)■
https://gbiz-id.go.jp/top/

申請書類は全申請者にとって必要なものと、該当者のみが必要となるものがあります。金融機関の確認書やリース料軽減計画書など、社外から入手するものは、あらかじめ対象の機関(金融機関やリース事業協会)に相談しておくとスムーズです。

3)申請期限

いつの公募も、最終日は申請が殺到し、システムの動作が重くなる可能性があります。早めの申請完了をお勧めします。

4)3次公募について

2次公募の申請受付はすでに終了していますが、2次公募が終了次第、2026年夏頃を目処に3次公募が実施される予定です。過去の公募で不採択となった場合も、2次以降の公募に申請することが可能です。

5)その他の注意点

補助対象とする事業の内容が、農作物の生産自体に関するものなど、1次産業を主たる事業としている場合は対象外となります(この場合、農林水産省関連の補助金の活用をご検討ください)。

ただし、1次産業を営む事業者であっても、補助対象とする事業の内容が2次・3次産業に関する事業である場合は、対象となり得るとのことです。

また、医療、介護、売電といった国の他の制度(公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)との重複を含む事業、及び同一または類似した内容の事業は対象外となりますのでご注意ください。

要件は多々あるものの、中小企業成長加速化補助金は補助金額が非常に大きく、事業を後押ししてくれる補助金です。該当する場合には活用をご検討されてはいかがでしょうか。

以上(2026年5月更新)

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画像:日本情報マート

【株主総会】開催当日の進行、開催後の手続き

1 議事進行シナリオを作成する

この記事で想定するのは、中小企業に多く見られる「非公開会社」で、機関設計は「取締役会・監査役設置会社」です。非公開会社とは、

全ての株式の譲渡について、会社の承認が必要となる旨を定款に定めている会社

のことです。

さて、大きな会社では定時株主総会(以下「株主総会」)をスムーズに進めるために、

株主からの質疑を想定した想定問答集の作成、議事進行のリハーサル

を行います。しかし、特に難しい議案がない限り、株主が少ない中小企業がそこまでの準備をする必要はなく、

議事進行手順などを整理した「議事進行シナリオ」を作成

しておけば十分でしょう。

株主総会の運営方式には、

  • 一括上程方式:議案を全て上程した後に質疑応答を行って採決する方式
  • 個別上程方式:議案ごとに上程、質疑応答、採決を行う方式

がありますが、一括上程方式のほうがシンプルで、運営もスムーズといえます。

2 一括上程方式の場合の議事進行シナリオの例

1)株主総会の進め方

では、具体的に当日の議事進行についてご紹介します。一括上程方式の場合の議事進行シナリオは次の通りです。中小企業の場合、ここまできっちり行う必要はないでしょうが、一つの例として参考にしていただければと思います。

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2)株主総会の議長

通常、株主総会の議事運営をする議長は定款に定められており、一般的には代表取締役が務めます。定款で定められていない場合は株主総会で選任します。

3)決議要件の確認

株主総会の決議には、普通決議、特別決議、特殊決議の3種類があり、決められる内容や必要な要件が違います。ここでは、取締役の選任などで求められる普通決議について触れます。普通決議とは、

議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席(定足数)し、出席した株主の議決権の過半数の賛成(決議要件)による決議

です。定足数については、定款に定めることで変更・排除することができます。ただし、決議要件は変更できません。

4)採決

採決の具体的な方法は法令で定められていません。また、決議の賛否が明らかになれば、賛否の具体的な数を確定する必要もありません。そのため、採決の方法などを定款に定めていないのであれば、議長の合理的な裁量に委ねます。例えば、

異議の有無を出席者全体に尋ねる、挙手、拍手、起立、記名投票など、賛否を判定できる方法であれば問題ない

といえます。

3 議事録の作成

1)記載事項

取締役は、株主総会の議事録を作成しなくてはなりません。議事録に記載する主な事項は次の通りです。

  • 株主総会の日時および場所
  • 株主総会の議事の経過の要領およびその結果
  • 株主総会において述べられた意見または発言があるときはそれらの内容の概要
  • 株主総会に出席した取締役等の氏名または名称
  • 議長がいるときは議長の氏名
  • 議事録作成者の氏名

法令では、議事録に株主総会に出席した取締役等の氏名または名称を記載することが求められています。実際は、議事録が原本であることを判別しやすくするために、出席した取締役等の署名または記名押印をする会社が多いです。

2)作成期限

議事録の作成期限は決まっていませんが、一般的に、

株主総会後、2週間以内に作成

します。これは、商業登記の添付書類として議事録が必要な場合があり、登記事項に変更があった際は2週間以内に変更の登記をしなければならないためです。

4 決議通知書などの発送

多くの場合、株主総会の後、全株主に株主総会での決議結果を知らせるための「決議通知書」や、事業報告書、配当金関係書類などを送付します。ただ、これらの書類の提供は法令で求められてはおらず、株主との良好な関係を維持・構築するための取り組みです。

5 公告の実施

株主総会の後、遅滞なく株主総会で承認を受けた計算書類を公告しなければなりません。非大会社の場合、貸借対照表を計算書類として公告します(損益計算書は不要です)。大会社とは「資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の会社」のことなので、これ以外が非大会社となります。

公告の方法は、「官報」「日刊新聞紙」「電子公告」の中から選んで定款に定めることができます。定款に定めがない場合は官報で公告します。公告方法が官報または日刊新聞紙の場合、貸借対照表の要旨を公告すれば大丈夫です。

なお、公告方法を官報または日刊新聞紙としている場合でも、決算公告のみをインターネットのホームページに掲載して対応することができます。この場合、貸借対照表などが掲載されるウェブページのURLを登記する必要があります。

6 書面などの備え置き

株主総会に関連する書面などの中には、一定期間、本店や支店に備え置かなければならないものがあります。備え置きが必要となる主な書面などは次の通りです。また、これらの書面などについては、株主などからの請求があれば開示しなければなりません。

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7 株主総会議事録の例

【第○回定時株主総会議事録】

 

○年○月○日 午前○時、住所○○○○○○○ 当社本社○階第○会議室において、第○回定時株主総会を開催した。

出席した取締役:○○○○、○○○○、○○○○

出席した監査役:○○○○

 

定刻、代表取締役社長○○○○は、定款第〇条の定めに基づき議長席に着き、開会を宣言した。引き続き、議長は出席株主数およびその議決権個数を次の通り報告し、本総会の議案の決議に必要な定足数を充足している旨を告げた。

議決権を有する株主数:○名

総株主の議決権:○個

出席株主数:○名(議決権行使書を含む)

その議決権個数:○個

 

【議事の進行方法】

議長は、本総会の議事の進め方について、監査報告、報告事項の報告、決議事項の内容の説明の後に、報告事項および決議事項に関する質疑や動議などを一括して受け付け、その後に決議事項について採決に入る旨を説明し、議場に諮ったところ、出席株主の多数の賛成により了承された。

【報告事項】

議長は、第○期事業年度(○年○月○日から○年○月○日まで)の事業報告の内容を説明し、報告を行った。

議長は、監査役に対し、事業報告、計算書類、議案の監査結果についての監査報告を求めた。監査役○○○○氏は、監査の結果は「第○回定時株主総会招集ご通知」に添付した監査報告書謄本(別添)の通りであり、特に指摘すべき事項はない旨、また、本総会の各議案に関しても法令・定款に違反する事項および不当な事項はない旨を報告した。

【決議事項】

第1号議案:第○期事業年度に係る計算書類承認の件

議長は、決議事項の議案審議に入る旨を述べ、第1号議案を上程した。議長は、第○期事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書および個別注記表)は「第○回定時株主総会招集ご通知」に添付した計算書類の通りである旨の説明を行った。

 

第2号議案:取締役3名選任の件

議長は本議案を上程し、現在の当会社取締役である○○○○氏、○○○○氏、○○○○氏の全員の任期が本総会終結のときをもって満了となるので、取締役3名の選任を行いたい旨、その候補者3名は「第○回定時株主総会招集ご通知」記載の通りである旨を述べた。

 

【質疑と説明】

議長は株主に質疑を求めたところ、株主からの次の質疑に対して議長が次の説明をした。

  • 株主番号○:(質疑内容の要点を記載)
  • 議長:(説明内容の要点を記載)

【採決】

以上をもって質疑を終わり、議案の採決に入った。

第1号議案:満場一致をもって原案の通り承認可決された。

第2号議案:満場一致をもって原案の通り承認可決された。なお、選任された各取締役は、その場で就任を承諾した。

議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を告げ、午前○時に閉会を宣した。

 

上記、議事の経過および結果を明確にするため、本議事録を作成する。

 

○年○月○日

株式会社○○○

 

議事録の作成者 代表取締役 ○○○○ 印

8 決議通知書の例

○年○月○日

株主各位

住所:○○○○○○○

社名:株式会社○○○

代表取締役 ○○○○

 

第○回 定時株主総会 決議ご通知

 

拝啓 平素は格別のご高配を承り厚く御礼申し上げます。

さて、本日開催の当社第○回定時株主総会において、下記の通り報告並びに決議がなされましたので、ご通知申し上げます。

敬具

 

報告事項

第○期(○年○月○日から○年○月○日まで)の事業報告、計算書類および監査役の監査結果報告の件

本件は、上記書類の内容を報告いたしました。

決議事項

第1号議案:第○期事業年度に係る計算書類承認の件

本件は、原案の通り承認可決されました。

第2号議案:取締役3名選任の件

本件は、原案の通り承認可決され、○○○○、○○○○、○○○○が就任いたしました。

以上

以上(2026年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 渡邉和也)

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画像:Mariko Mitsuda

手間のかかる不動産登記の取得業務を効率化する方法を解説

不動産業に従事されている方は、「登記情報提供サービス」から不動産登記を取得するケースがあると思います。しかし、不動産登記を取得するのは手間がかかるので面倒だと感じていらっしゃる方が多いでしょう。

そこで今回は、不動産登記の取得方法とその取得方法により生じる課題に触れながら、不動産登記取得業務をより効率化する方法について解説します。

不動産登記の取得方法

不動産登記の取得方法

不動産登記を取得する主な方法は以下の3つです。

  • 法務局の窓口で交付請求
  • 郵送による交付請求
  • オンラインで閲覧・取得

ここでは取得方法ごとの特徴を解説します。

法務局の窓口で交付請求

最寄りの法務局に出向けば不動産登記を取得できます。平日の午前8時30分~17時15分の間に、所定の申請書に必要事項を記入して、窓口に提出すれば取得可能です。

本人確認不要かつ事前の準備なしで不動産登記を取得できる点がメリットといえます。

ただし、開庁時間内に法務局に行って申請しなくてはならない点が手間になります。不動産業に従事されている方が業務時間中に取得に行く場合、業務が忙しくなかなか出向くこができないケースもありそうです。

郵送による交付請求

必要事項を記入した申請書を最寄りの法務局や地方法務局へ郵送して不動産登記の交付請求を行います。登記簿謄本を郵送してもらうため、切手を貼った返信用封筒を同封することも必要です。

申請書は法務局のホームページでダウンロード、収入印紙は郵便局やコンビニで購入できるため、法務局に行かずとも不動産登記を取得できます。

とはいえ、登記簿謄本が郵送されてくるまでには1週間ほどかかるため、活用するタイミングを踏まえ、計画的に申請することが必要です。すぐに営業活動に使いたい場合などには向いていません。

オンラインで閲覧・取得

「登記情報提供サービス」は、Web上で不動産登記をリアルタイムで閲覧、取得できるサービスです。

登記情報提供サービスとは

運営 ・法務局
取得できる主な情報 ・不動産登記情報の全部事項、所有者事項
・地図や地図に準じる図面の情報
・土地所在図や地積測量図、地役権図面、建物図面、各階平面図の情報
・商業・法人登記に関する情報
・動産譲渡登記事項概要ファイルの情報
・債権譲渡登記事項概要ファイルの情報
主な利用料金 ・不動産登記情報や商業・法人登記情報の全部事項:331円
・所有者事項:141円
・地図・図面:361円
・動産譲渡登記事項や債権譲渡登記事項の概要ファイル:141円
利用時間 ・平日は午前8時30分~午後11時まで
・土日祝日は午前8時30分~午後6時まで
(※地図・図面情報は平日の午前8時30分~午後9時まで)
・12月29日~1月3日までは休み

現在ではほとんどの方がこちらのサービスを利用しているのではないでしょうか。

「登記情報提供サービス」を利用すれば、法務局まで出向かなくても、不動産登記を取得できます。また、書面で取得する場合に比べて費用を抑えられることも利点です。また、住宅地図に地番の情報を重ね合わせたブルーマップを無料で利用することができます。

ただし、利用するにはIDの登録、取得が必要となります。IDを持っていない場合、申請から取得まで1か月ほどかかるケースもあります。また、不動産登記を取得する際には住居表示(住所)から地番や家屋番号を一つひとつ調べる必要があります。

「登記情報提供サービス」の課題

「登記情報提供サービス」の課題

上記で紹介した中では「登記情報提供サービス」がもっとも便利ですが、手間に感じる部分があるのも事実です。例えば、以下のような課題が挙げられます。

【登記情報提供サービスの主な課題2つ】

  • 住居表示(住所)と地番の照合は一つひとつ行わなければならず、件数が多い場合など手間がかかる
  • 取得した不動産登記はPDFのため、活用しづらい

以下で詳しく説明します。

住居表示(住所)から地番を一つひとつ調べるのが大変

不動産登記を取得するには、住居表示(住所)から地番・家屋番号を調べる必要がありますが、「登記情報提供サービス」では、住宅地図に地番の情報を重ね合わせたブルーマップを無料で利用することができます。しかし、住居表示(住所)から地番を調べる場合、一つひとつ調べる必要があり、すべてを調べるには大変な労力がかかります。

例えば、地図上で目星をつけたエリアすべてにDMを送りたい場合、該当エリアにて、ブルーマップを一つひとつクリックしていく必要があり、その件数は最大200件までとなります。

取得した不動産登記はPDFのため、活用しづらい

「登記情報提供サービス」から取得した不動産登記はPDFファイルのため、閲覧するだけなら良いのですが、DMやターゲットリストを作成する場合、手作業でExcelなどに入力する必要があります。件数が多い場合、大変な労力がかかることになります。

登記情報取得業務をより効率化するには?

登記情報取得業務をより効率化するには?

このように不動産登記の取得、活用には大変な手間と時間がかかります。これらを効率化する方法としては、「登記情報取得代行・データベース化サービス」の利用がおすすめです。

「登記情報取得代行・データベース化サービス」を活用すれば、住居表示(住所)をExcelデータなどにまとめて入稿するだけで、不動産登記の取得からデータ化までをワンストップで行ってくれるので手間が一切かかりません。

また、もし、住居表示(住所)がわからなかったとしても地図などでエリアを指定すれば、住居表示(住所)がわからなくても不動産登記の取得・データ化、活用が可能です。

さらに、「登記情報取得代行・データベース化サービス」では、一度に数千件、数万件といった大量の登記情報取得、データ化も可能です。このサービスでは、ほとんどのオペレーションをシステムが行うため、手作業による見間違い、入力ミスなどを防止でき、登記情報の取得・データ化にかかる業務時間を大幅に短縮することができます。

このように登記情報取得業務の効率化を図ることで、不動産営業に従事されている方の本来の業務、お客さまと向き合う時間を創出できます。

まとめ

不動産業に従事されている方の中には、不動産登記を営業活動の一環として活用したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。不動産登記を営業活動に活用するためには、不動産登記取得の手間の削減とデータ化が欠かせません。

インターネット上の各種サービスを活用すれば、不動産登記を取得できますが、取得するまでに多くの手間や時間がかかります。また、取得した不動産登記をデータ化するにはさらに大変な手間と労力が必要となります。

そこで登記情報の取得にかかる業務を効率化するために「登記情報取得代行・データベース化サービス」を活用してみてはいかがでしょうか。住居表示(住所)がわかれば、不動産登記の取得からデータ化までをワンストップで行ってくれますし、住居表示(住所)がわからなくても、地図などでエリアを指定すれば、不動産登記の取得・データ化、活用が可能です。

登記情報の取得・データ化業務の効率化を図ることで、不動産営業に従事されている方の本来の業務、お客さまへアプローチする時間を増やすことができ、よりよい提案ができるようになることでしょう。

煩雑な登記情報の取得業務の効率化はもちろん、効果的なアプローチを実現したいと考えているなら、ぜひ利用を検討してみてください。

サービスについて詳しくは、こちらをご覧ください。

(出典:ホームズメディア)

不動産担保評価を効率化するには|課題を踏まえてポイントと成功事例を解説

金融機関で融資業務に携わっている方にとって欠かせないのが「不動産担保評価」です。しかし、必要な情報の収集や書類作成には手間と時間がかかり、ミスが発生するリスクも避けられません。特に経験の浅い担当者にとっては、業務負担の大きさに悩まされる場面も多いのではないでしょうか。

今回は、不動産担保評価の基本から業務効率化のポイントを解説します。実際に効率化に成功した事例も紹介しているので、より短時間で正確な不動産担保評価を行いたい方はぜひ最後までご覧ください。

不動産担保評価とは

不動産担保評価とは

不動産担保評価とは、金融機関が不動産を担保として融資を行う際に、その不動産の価値を査定する業務のことです。ここでは、不動産担保評価の目的と方法を詳しく解説します。

不動産担保評価の目的と概要

不動産担保評価には、融資実行前に担保物件の価値を適切に見積もることで、融資金額に見合った担保価値が確保されているか確認し、貸し倒れリスクを抑える目的があります。評価は通常、不動産の所在地や面積、権利関係などの基本情報に加え、周辺の地価や市場動向を踏まえて行われます。

不動産担保評価の方法

次に、不動産担保評価の具体的な方法をみていきましょう。

評価に必要な基本情報の収集

不動産担保評価を行う際には、さまざまな情報を収集して所定の計算式に当てはめるのが一般的です。例えば、対象土地の路線価(国税庁が公表する基準値)や公示地価(国土交通省が公表する標準価格)を調べ、近隣の売買事例(取引事例)やその土地の用途地域(都市計画上の区分)などを確認します。

登記情報の確認と担保評価額の算出

収集した情報をもとに、登記事項証明書など登記情報から得られる土地・建物の詳細(面積や権利関係)を加味し、評価基準に従って担保評価額を算出します。通常、このような評価作業は本部の専門部署へ依頼して行うケースが多く、正式な評価結果が出るまでに数日を要することもあります。

なお、不動産担保評価には営業店で行う簡易評価と、本部の専門部署や不動産鑑定士が行う詳細評価があります。営業店で事前に概算額を把握できれば、本部への正式な評価依頼の効率化につながり、審査を迅速に進められます。

不動産担保評価における3つの課題

不動産担保評価における3つの課題

次に、金融機関の不動産担保評価業務において、課題になりやすいポイントを3つ解説します。

課題1|業務にかかる時間と手間の問題

まずあげられる課題が、業務に時間がかかることです。評価に必要な情報は多岐にわたり、それぞれ別のシステムや資料から手作業で収集する必要があります。その結果、書類作成やデータ入力に手間がかかってしまうのです。さらに担当者の知識や経験が浅い場合には不備やミスが生じるリスクも高まります。

課題2|紙ベース作業による負担

紙ベースの作業負担も大きな課題です。不動産の登記情報や評価書類を紙で管理し、手書き・手入力で作成している場合、営業店の負担は大きくなります。こうした作業に時間を取られることで本来注力すべき営業活動の時間が圧迫されるという問題もあります。

課題3|営業店と本部間の連携の煩雑さ

さらに、営業店と本部の連携の煩雑さも指摘されています。営業店で収集・作成した書類を本部の審査部署に送付し、そこでチェックや評価が行われますが、入力ミスや情報不足があると差し戻しが発生し、修正・再提出に時間を要します。このやり取りにより評価完了までに日数がかかり、案件の規模に関わらずお客さまをお待たせしてしまう状況が生じてしまうのです。特に融資を急ぐお客さまにとって、不動産担保評価に時間がかかることは大きなストレスになります。

不動産担保評価を効率化するためのポイント

不動産担保評価を効率化するためのポイント

上記の課題を解決し、不動産担保評価の効率化を進めるには、業務プロセスの見直しとデジタル技術の活用が有効です。ここでは、いくつかの具体的なポイントを紹介します。

情報収集のデジタル化を進める

各種の情報を紙ではなくデジタルデータとして入手・共有することで、情報収集の手間を削減できます。例えば、路線価や公示地価などの公的データはWeb上で公開されています。また、法務局の提供する「登記情報提供サービス」を利用すれば、不動産の登記情報(登記事項証明書)をオンラインで即座に取得することが可能です。

評価の自動化と情報共有の最適化を図る

さらには、情報収集後の評価フローの自動化と、部署間の情報共有の最適化も欠かせません。例えば、AIツールを活用すれば、不動産の基本情報をツール上で入力することで、担保評価額を瞬時に自動で算定するといったことが可能です。また、クラウドプラットフォームを使用すれば、複数の部署・担当者間で情報をリアルタイムで共有できるでしょう。

「オンライン登記情報システム」を活用する

上記を包括的に行えるのが、ホームズの「オンライン登記情報システム」です。これは、不動産の登記簿情報をオンラインで取得すると同時にAIでデータ化し、他の業務システムと連携できるようにする仕組みです。

オンライン登記情報システム」では、取得した登記情報を即座に解析・データベース化し、さらに行内で共有することで、二重取得を防ぎつつ既存の担保評価システムへ自動連携できます。従来は手動で行っていた「評価帳票への入力作業」の大幅削減につながり、登記情報の判読や担保台帳の作成もAIが自動で行うため、複雑な権利関係の読み取りミスや入力ミスの防止も期待できます。担保評価業務全体のスピードアップと精度向上に役立てられるサービスです。

不動産担保評価の効率化事例《3選》

ここでは、実際に「オンライン登記情報システム」を活用して担保評価業務を効率化した金融機関の事例を紹介します。

事例1|営業負担90%削減を実現した不動産担保評価DX

A銀行様では、従来の紙ベースによる不動産評価業務をデジタル化し、業務コスト削減を実現しました。

【導入前の課題】

  • 紙中心の評価業務による非効率性
  • 営業店での担保評価関連業務の重い負担
  • 評価結果の回答までの長時間化

【導入成果】

  • 営業店での担保評価関連業務負担を約90%削減
  • 年間1万時間相当の業務時間短縮を実現
  • 本部集中審査部署の担保評価業務効率が50%向上
  • 登記情報二重取得防止により年間335万円のコスト削減
  • 評価結果の回答時間を8営業日から最短当日中に短縮

事例2|司法書士依存からの脱却で業務スピード向上

B銀行様では、従来の司法書士への登記情報取得依頼から、自社システムによる迅速な情報収集へと、大きな転換に成功しました。

【導入前の課題】

  • 登記情報取得を司法書士依頼することによる1日以上のタイムラグ
  • 住居表示から地番を特定する作業の長時間化
  • 手入力の契約書作成による工数圧迫と入力ミス

【導入効果】

  • 担保評価業務を年間で約800時間削減(「ホームズ地図システム」を活用)
  • 契約書作成を効率化し約70%を削減(「契約書自動作成システム」を活用)
  • 司法書士手数料の削減に加え、二重取得防止機能や登記情報の全店共有により、年間経費1,500万円のコストカットに成功

事例3|多面的なシステム連携により包括的に効率化

C銀行様では、不動産評価業務における複数の課題を、統合的なシステム導入により解決しました。

【導入前の課題】

  • 登記情報の行内共有不備による二重取得の発生
  • 住居表示から地番を特定する作業における時間的ロス
  • 手入力による契約書作成の非効率性
  • 人的チェック工程の多重化

【導入効果(見込み)】

  • 登記情報取得件数を10〜15%削減できる見込み(「オンライン登記情報システム」の二重取得防止機能を活用)
  • 住所から地番を特定する作業を年間約1,000時間削減できる見込み(「ホームズ地図システム」を活用)
  • 契約書作成業務を年間約5,000時間短縮できる見込み(「契約書自動作成システム」を活用)

まとめ

不動産担保評価は金融機関の融資業務において欠かせない重要なプロセスですが、多大な手間と時間を要し、ミスが起こりがちな側面もあります。そこでオンライン登記情報システムのようなツールを導入すれば、情報収集から評価算出までのプロセスの自動化や、人手による作業を減らすことでミスの削減が見込めます。

不動産担保評価を短時間で効率的に行う鍵は、「正確な情報を迅速に入手し、システムで処理する」ことにあります。今後ますますデジタル化が進む中で、これらの手法を取り入れることで業務効率化とサービス向上の両立を目指しましょう。

(出典:ホームズメディア)

【助成金(人材育成編)】DX人材などの育成で最大1億円!

1 人材開発支援助成金を使いながら人材育成!

DX(デジタル・トランスフォーメーション)や新事業展開をもっと推し進めたい。でも、そのための人材を育てるにはお金がかかる……。こうした悩みをお持ちの経営者の方、

DX人材などを育成する一定の訓練等を実施した場合に、最大1億円が支給

されるのをご存じですか。この記事で紹介する人材開発支援助成金がそうです。ビジネス環境が複雑化し、上記のような人材の育成はますます重要になっています。以降では、人材開発支援助成金のうち主要なものを4つ取り上げ、制度概要と申請上のポイントを専門家が解説します。

なお、助成金の内容は2026年4月10日時点のもので、将来変更される可能性があります。また、申請書の書き方や添付書類については、全コースまとめてこちらに記載されていますので、ご確認ください。

厚生労働省「人材開発支援助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

2 事業展開等リスキリング支援コース(最大1億円)

1)事業展開等リスキリング支援コースとは?

新規事業の立ち上げのような事業展開等に伴い、雇用保険の被保険者である自社の社員に対し新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるための訓練等を実施した場合、助成金を受け取れるコースです。

2)助成金を受け取るには?

10時間以上のOFF-JT(会社の事業活動と区別して行われる訓練。これと反対に、事業活動と区別せずに行われる訓練がOJT)で、次のいずれかに該当する、職務に関連した訓練を実施することが必要です。

  • 会社が事業展開を行うに当たり、新たな分野で必要となる専門的な知識・技能の習得をさせるための訓練(事業展開については、訓練開始日から3年以内に実施予定、または6カ月前までに実施したものに限る)
  • 事業展開は行わないが、社内のDX化やグリーン・カーボンニュートラル化を進めるに当たり、関連業務に従事させる上で必要な専門的な知識・技能を習得させるための訓練
  • 社内の人事・人材育成に関する計画に基づき、今後従事することが予定される職務(訓練開始日から3年以内)に必要な訓練

また、実施に当たっては、まず事業展開等の内容を記載した「事業展開等実施計画(様式が決まっています)」を作成し、訓練の内容やスケジュールを記載した「職業訓練実施計画(同じく様式が決まっています)」と一緒に都道府県労働局に届け出る必要があります。

3)受け取れる金額はいくら?

図表1の額を受け取れます。

事業展開等リスキリング支援コース

要件を満たした場合、1年度につき最大1億円を受け取れる計算になります。

4)専門家のワンポイントアドバイス

職業訓練実施計画を作成した場合、必要書類とともに訓練開始日の6カ月前から1カ月前までの間に都道府県労働局に提出する必要があります。提出後、訓練を実施することになりますが、

訓練終了日の翌日から2カ月以内に支給申請をしないと、助成金が受け取れなくなる

ので注意しましょう。

なお、e-ラーニング、通信制、定額制サービスによる訓練・育児休業中の訓練については、経費助成のみとなります(定額制サービスによる訓練に対する経費助成は、1人当たり月額2万円)。

3 人材育成支援コース(最大1000万円)

1)人材育成支援コースとは?

雇用保険の被保険者である自社の社員に対し、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練等を実施した場合、助成金を受け取れるコースです。

2)助成金を受け取るには?

このコースは「人材育成訓練」「認定実習併用職業訓練」「有期実習型訓練」「中高年齢者実習型訓練」に分かれていて、いずれも事業展開等リスキリング支援コースと同じく、職業訓練実施計画の届け出が必要です。なお、「認定実習併用職業訓練」については厚生労働大臣の認定を、「有期実習型訓練」についてはキャリアコンサルタント等による面接を事前に受ける必要があります。

1.人材育成訓練

10時間以上のOFF-JT訓練が対象です。職業訓練実施計画に基づき事業内訓練を実施するか、対象者が事業外訓練を受講する必要があります。

  • 事業内訓練(会社自らが企画・主催・運営する訓練計画により行う訓練等)
  • 事業外訓練(社外の教育訓練機関等に受講料を支払い受講させる訓練等)

2.認定実習併用職業訓練

新卒者等のために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練が対象です。訓練開始日において、15歳以上45歳未満であることが条件とされています。職業訓練実施計画に基づき、OJTとOFF-JTを受講し、訓練終了後にジョブ・カードによる対象者の評価を実施する必要があります。

3.有期実習型訓練

有期雇用者等の正社員転換を目的として実施する、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練が対象です。職業訓練実施計画に基づき、OJTとOFF-JTを受講し、訓練終了後にジョブ・カードによる対象者の評価を実施し、対象者を正社員化する必要があります。

4.中高年齢者実習型訓練

45歳以上の社員を対象とした、実践的なスキルを習得させるためのOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練(2カ月以上)が対象です。職業訓練実施計画に基づき、OJTとOFF-JTを受講し、訓練終了後にジョブ・カードによる対象者の評価を実施する必要があります。

3)受け取れる金額はいくら?

訓練それぞれについて、図表2~4の額を受け取れます。

人材育成支援コース

人材育成支援コース

人材育成支援コース

要件を満たした場合、1年度につき最大1000万円を受け取れる計算になります。

4)専門家のワンポイントアドバイス

事業展開等リスキリング支援コースと同じく、支給申請のスケジュールに注意が必要です。なお、有期実習型訓練については、原則として支給申請期間(訓練終了日の翌日から2カ月以内で支給申請日まで)の間に対象者の正社員転換を果たす必要がありますが、結果的に正社員転換が実施されなかった場合も、次の要件を満たすと助成を受けられるようになっています。

  • 職業能力開発推進者を選任していること
  • 事業内職業能力開発計画を策定・周知していること
  • 定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保等について定めていること

4 人への投資促進コース(最大3500万円)

1)人への投資促進コースとは?

雇用保険の被保険者である自社の社員に対するデジタル人材・高度人材を育成する訓練、社員が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合、助成金を受け取れるコースです。

2)助成金を受け取るには?

このコースは、「高度デジタル人材訓練」「成長分野等人材訓練」「情報技術分野認定実習併用職業訓練」「定額制訓練」「自発的職業能力開発訓練」「長期教育訓練休暇等制度」に分かれています。

「高度デジタル人材訓練」「成長分野等人材訓練」「情報技術分野認定実習併用職業訓練」「定額制訓練」「自発的職業能力訓練」については、「職業訓練実施計画届(様式が決まっています)」を作成し、都道府県労働局に届け出た上で、

  • 事業内訓練(会社自らが企画・主催・運営する訓練計画により行う訓練等)
  • 事業外訓練(社外の教育訓練機関等に受講料を支払い受講させる訓練等)

のいずれかを、原則としてOFF-JTにより実施する必要があります。なお、「高度デジタル人材訓練」「情報技術分野認定実習併用職業訓練」以外は事業外訓練のみが対象です。

また、「情報技術分野認定実習併用職業訓練」に関しては、「職業実施計画届」とは別に厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。

一方、「長期教育訓練休暇等制度」については、「制度導入・適用計画届(こちらも様式が決まっています)」を作成し、都道府県労働局に届け出た上で、

  • 長期教育訓練休暇制度
  • 教育訓練短時間勤務等制度

のいずれかを新たに導入し(既に導入している場合も対象)、計画期間内に各制度に基づいた制度を一定回数適用させることが必要となります。なお、長期教育訓練休暇制度については、当該休暇を取得する社員に代わって業務を代替する者への手当支給等の取り組みや代替要員の新規採用(派遣の受け入れを含む)を実施した場合に対しても助成を受けることができます。

1.高度デジタル人材訓練

高度デジタル人材訓練は、高度デジタル人材(ITSS(ITスキル標準)・DSS-P(DX推進スキル標準)レベル3・4となる訓練または大学への入学(情報工学・情報科学)等)を育成するための訓練が対象です。

2.成長分野等人材訓練

成長分野等人材訓練は、成長分野等(デジタル、クリーンエネルギー、人工知能、量子、バイオ、宇宙等の成長が期待される分野等)に関する、海外を含む大学院での訓練が対象です。

3.情報技術分野認定実習併用職業訓練

IT分野未経験者の即戦力化のためのOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練が対象です。訓練開始日において、社員が15歳以上45歳未満であることが要件とされています。

4.定額制訓練

サブスクリプション型の研修サービスによる訓練が対象です。

5.自発的職業能力開発訓練

社員が自発的に受講した訓練で、会社が訓練費用を負担するものが対象です。

6.長期教育訓練休暇制度

働きながら訓練を受講するための長期教育訓練休暇制度や短時間勤務等制度(所定労働時間の短縮・所定外労働時間の免除)を導入し、社員がそれらを利用して訓練を受けた場合に助成を受けられます。なお、既に制度を導入している場合でも助成の対象となります。

また、長期教育訓練休暇制度については、休暇取得に伴う人員不足の補填に対する追加助成を受けることができます。

3)受け取れる金額はいくら?

図表5~7の額を受け取れます。

人への投資促進コース

人への投資促進コース

人への投資促進コース

要件を満たした場合、1年度につき最大3500万円を受け取れる計算になります。

4)専門家のワンポイントアドバイス

長期教育訓練休暇等制度を除く訓練等は、図表5、6の通り1年度当たりの受講回数が決まっています。また、賃金助成については、次のように限度時間が決められています。

  • 高度デジタル人材訓練:原則1200時間(大学院、大学、専門実践教育訓練は1600時間)
  • 情報技術分野認定実習併用職業訓練:1200時間
  • 成長分野等人材訓練:原則1200時間(大学院、大学、専門実践教育訓練は1600時間)
  • 長期教育訓練休暇等制度:1600時間(中小企業以外は1200時間)

なお、このコースでは職業訓練実施計画届や制度導入・適用計画を届け出てから訓練等を実施しますが、

計画を届け出る前に訓練を実施したり、制度を導入したりすると、助成対象外になる

ので注意が必要です。また、届け出後に計画内容に変更が生じた場合、所定期日までに変更届を提出しなければなりません。

5 教育訓練休暇等付与コース(最大36万円)

1)教育訓練休暇等付与コースとは?

有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上の取得が可能な制度)を導入し、対象者が当該休暇を取得して教育訓練等を受けた場合、助成金を受け取れるコースです。

人への投資促進コースの長期教育訓練休暇等制度は、長期の教育訓練休暇を対象としていますが、こちらは短期の教育訓練休暇を想定しています。

2)助成金を受け取るには?

人への投資促進コース(長期教育訓練休暇等制度コース)と同じく、事前に制度導入・適用計画を届け出た上で、有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上の取得が可能な制度)を導入し、対象者が実際に休暇を取得して訓練を受ける必要があります。

なお、制度を導入するだけでなく、就業規則等への規定及び監督署への届け出(10人未満の場合は、申立書の提出)が必要となります。

3)受け取れる金額はいくら?

図表8の額を受け取れます。

教育訓練休暇等付与コース

1社につき1回までの支給となりますが、要件を満たした場合、最大36万円を受け取れる計算になります。

4)専門家のワンポイントアドバイス

人への投資促進コースと同じく、制度導入・適用計画を届け出る前に制度を導入すると、助成対象外になる点に注意が必要です。

また、就業規則の届け出義務がある場合は、就業規則において規定した制度施行日までに監督署に届け出していない場合についても助成対象外となります。

なお、3年間で5日以上の休暇を取得させることが助成の要件となっているため、申請は原則として制度導入日から3年が経過した日から2カ月以内とされていますが、それを待たずに要件を満たした場合、3年が経過する前であっても申請が可能とされています。ただし、制度導入日から6カ月間は申請をすることができません。

以上(2026年5月更新)
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)

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画像:日本情報マート

【株主総会】開催までのスケジュール~コピペで使える書式付き

1 スケジュールの起点は「基準日」

この記事で想定するのは、中小企業に多く見られる「非公開会社」で、機関設計は「取締役会・監査役設置会社」です。非公開会社とは、

全ての株式の譲渡について、会社の承認が必要となる旨を定款に定めている会社

のことです。

定時株主総会(以下「株主総会」)を開催するまでのスケジュールは、会社法などの法令で細かく決まっているのですが、重要なのは「基準日」です。基準日とは、

株主が権利を行使できる日として会社が定めた特定の日のことで、多くの会社は、定款で事業年度の末日を基準日

としています。株式の譲渡などによって株主が変わる可能性があるため、その基準となる日を定める必要があるのです。

ところで、株主総会の開催日について法令の定めはありません。しかし、多くの会社は基準日(事業年度の末日)の翌日から2~3カ月以内に開催します。その理由は会社法と法人税法の2つです。

  1. 会社法:株主の権利行使は基準日から3カ月以内なので、それまでに株主総会を開催する必要がある
  2. 法人税法:法人税の申告は株主総会で承認された計算書類で行う。申告期限は決算日(事業年度の末日)の翌日から2カ月以内なので、それまでに株主総会を開催する必要がある。なお、申告の延長をしたら申告期限は決算日から3カ月以内に延びる

いかがでしょうか。最近は分散化が進んでいるとはいえ、株主総会の開催日が一定の期間にまとまるのには、こうした理由があるのです。なお、現在は金融庁において、投資家の利益を考え、有価証券報告書の提出後に株主総会が開催されるよう、開催時期の後ろ倒しを各社に推奨していこうという動きがありますので、このあたりは引き続き動向に注意しておきましょう。

2 スケジュール表を作って抜け漏れなく

株主総会を開催するに当たっては、

スケジュール表を作って抜け漏れを防止

しましょう。ここでは、基準日が3月31日で、株主総会が5月25日の場合のスケジュール例を紹介しますので参考にしてみてください。なお、このスケジュールは招集通知の発送が期限ぎりぎりとなっています。遠方に株主がいる場合は、もう少し余裕のあるスケジュールを組むとよいでしょう。

画像1

3 株主総会の開催場所

株主総会の開催場所は会社が自由に決めてよいことになっています。ただし、開催場所が従来の開催場所と著しく離れているような場合、株主からその場所にした理由の説明が求められることがあります。こうした事態が想定されるときは、

招集通知に開催場所を変更した理由を記載する

のが一般的です。また、あえて「株主が出席しにくい場所」が選択された場合、招集手続きが著しく不公正であるとして、総会決議の取り消し事由になることもあるので注意してください。

開催場所という意味では、新型コロナウイルス感染症の影響で広まったオンライン開催が注目されています。これまでは、オンラインだけの開催は認められていなかったのですが、2021年の改正「産業競争力強化法」で会社法の特例が設けられ、

いわゆる「バーチャルオンリー株主総会」が解禁

されました。これにより、株主総会の開催方法は次の3つに分類されます。

  1. リアル株主総会
  2. ハイブリッド型バーチャル株主総会
  3. バーチャルオンリー株主総会

ただし、

バーチャルオンリー株主総会を開催できるのは、所定の要件を満たした上場企業だけ

なので、この記事で対象としている中小企業は、「バーチャルオンリー株主総会」を開催することはできません。中小企業が開催できるのは、

物理的な会場を設けた上でオンラインも開催する「ハイブリッド型バーチャル株主総会」

です。ハイブリッド型バーチャル株主総会については、経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」で説明されているので参考になります。

■経済産業省「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」■

https://warp.da.ndl.go.jp/
info:ndljp/pid/12685722/www.meti.go.jp/press/2019/02/20200226001/20200226001.html

■「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集」■

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13165026/www.meti.go.jp/press/2020/02/20210203002/20210203002.html

4 招集通知やその他の書類

1)招集通知の発送期限

株主総会を開催するために、株主に招集通知を発送します。もし、株主全員が同意していれば招集通知の発送を省略できますが、書面またはメールなど(電磁的方法)で議決権行使を認める場合は省略できません。

招集通知は、書面または事前に同意を得ている株主にはメールなど(電磁的方法)で行います。発送期限は、原則として、株主総会の日の1週間前までです。ただし、書面やメールなどによる議決権行使を認める場合は少し長めの期間をとり、株主総会の日の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。

招集通知に記載すべき主な事項は次の通りです。

  • 株主総会の日時と場所
  • 株主総会の議題。定款の変更、役員の選任などの場合はその概要
  • 株主総会に出席しない株主が書面やメールなどで議決権を行使できるときは、その旨

2)招集通知と併せて添付する書類

招集通知に添付しなければならない書類はいくつかあります。

  • 計算書類:貸借対照表、損益計算書などのいわゆる決算書
  • 事業報告:事業環境の分析などをした書類
  • 監査報告書:上記の書類を監査役が監査したことを示す書類

計算書類は定量的、事業報告は定性的に会社の状況を示すもので、いずれも取締役会の承認を得ます。監査役はこれらの書類を監査し、監査報告書を作成します。

この他、議決権を行使する際の参考となる事項として、取締役が提出する議案についての提案理由などを記載した「株主総会参考書類」を添付する必要があります。

なお、2022年施行の会社法改正により導入された「株主総会資料の電子提供制度」を利用すれば、これらの資料は自社ウェブサイト等に掲載して提供することができるようになり、そのURL等を株主に知らせれば、原則として書面送付は不要になります。

5 招集通知の例 ※書面による議決権行使を認める場合

○年○月○日

株主各位

住所:○○○○○○○

社名:株式会社○○○

代表取締役 ○○○○

 

第○回 定時株主総会 招集ご通知

 

拝啓 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて、当社第○回定時株主総会を下記の通り開催いたしますので、ご出席くださいますようご通知申し上げます。

 

なお、当日ご出席いただけない場合は、書面によって議決権を行使することができますので、お手数ですが後記の株主総会参考書類をご検討いただき、同封の議決権行使書用紙に議案に対する賛否をご表示いただき、○年○月○日(○曜日)午後○時までに到着するようご返送くださいますようお願い申し上げます。

敬具

 

  1. 日時 ○年○月○日 午前○時
  2. 場所 ○○県○○市○○町○○1-1 当社本社○階第○会議室
  3. 株主総会の目的事項

報告事項

第○期(○年○月○日から○年○月○日まで)の事業報告、計算書類及び監査役の監査結果報告の件

決議事項

第1号議案 第○期事業年度に係る計算書類承認の件

第2号議案 取締役○名選任の件

以上

(お願い)

当日ご出席の際は、お手数ながら同封の議決権行使書用紙をご持参のうえ、会場受付にご提出くださいますようお願い申し上げます。

6 議決権行使書の例

議決権行使書

株式会社○○○御中

 

私は、○年○月○日開催の株式会社○○○第○回定時株主総会の各議案につき、下記(賛否を◯印で表示)の通り議決権を行使いたします。継続会または延会となった場合にも、上記により議決権を行使します。

 

画像2

(ご注意)

  1. 議案に対し賛否の表示がない場合は、弊社提出議案について賛成の表示があったものとして取り扱います。
  2. 第2号議案の一部候補について「否」とされる場合は、「賛」に○印を表示のうえ、当該候補者の番号(「招集ご通知」添付の株主総会参考書類記載の候補者番号)を但書欄にご記入ください。

 

株主番号 ○○

議決権個数 ○○個

 

(基準日現在の所有株式数 ○○株)

株主

○○○○○○○(住所)

○○○○(株主名)

(お願い)

  • 株主総会にご出席の際は、議決権行使書用紙を会場受付にご提出ください。
  • 当日ご出席願えない場合は、議決権行使書用紙に賛否をご表示のうえ、○年○月○日(○曜日)午後○時までに到着するように、返信用封筒に封入のうえご返送ください。

以上(2026年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 平田圭)

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画像:Mariko Mitsuda

残業削減の3ステップ「ターゲット決め・実態調査・目標設定」

1 足元で増加中の残業時間

厚生労働省によると、残業(所定外労働時間)の月平均は、直近5年間では10時間前後で推移しています。

1カ月当たりの実労働時間の推移

人材不足の問題もありますが、残業削減は変わらぬ経営の重要課題です。ただ、注意しなければならないのは、

業務量を調整せず、ただ「定時で帰れ」と命令しても残業は減らないし、むしろ持ち帰り残業を誘発したり、パワハラと指摘されたりするリスクがある

ということです。これを踏まえて社員が健康で働きやすい環境を整えなければなりません。

具体的に残業削減を成功させるステップは次の3つですので、この記事で紹介します。

  • (ターゲット決め) 誰の残業を削減するかを決める: 定量的な実績に基づいて決める
  • (実態調査)本当に残業するほど業務が多いのかを探る: ヒアリングして理由を聞く
  • (目標設定)目標を設定してやりきる: 中間目標と最終目標を決めフォローアップする

2 (ターゲット決め) 誰の残業を削減するかを決める

優先的に残業を削減すべき社員は、

  • 36協定の上限時間に抵触しそうな社員
  • 業務内容の割に残業が多い社員

です。

36協定の上限時間は、労働基準法の「時間外労働の上限規制」の範囲内で設定しなければなりません。時間外労働の上限規制とは、社員に時間外・休日労働を命じる際、会社が守らなければならないルールで、違反した場合、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

2024年4月1日からは、時間外労働の上限規制の適用範囲が拡大され、「新技術・新商品等の研究開発業務」を除くほぼ全ての業種・業務が対象となっています。

時間外労働の上限規制

例えば、図表2の「通常」の会社に勤める社員の場合、図表3のような働き方をしていると、時間外労働の上限規制に抵触します。

時間外労働の上限規制に抵触する働き方の例

なお、社員の残業時間を確認する際には、「そもそも労働時間を正確に管理できているのか」という点にも注意しましょう。例えば、会社から「残業が多い」と叱責されたくないために、タイムカードを定時で打刻する社員というのは少なからずいます。このあたりは、打刻後に就業している社員がいないか、上司が現場を確認するなどして対応しましょう。

3 (実態調査)本当に残業するほど業務が多いのかを探る

優先的に残業を削減すべき社員を決めたら、その社員に残業する理由を聞いてみます。最初、多くの社員は「業務量が多いから」と答えるでしょうが、その背景には、

  • 非効率な進め方をしているが、自分で気付いていない
  • 実は残業代を当てにしている

といった問題があります。この辺りを明らかにするために、事前に業務内容の詳細を報告してもらい、ある程度、会社側で当たりをつけた上で、

  • やらなくてよい業務はあるか?
  • アウトソーシングできないか?
  • やめられないが、改善できそうな業務はあるか?

と質問してみましょう。その際、対象となる社員を批判するのではなく、冷静に状況を分析・改善する姿勢を崩してはいけません。そうして場を和ませつつ、残業代を当てにしていそうな社員にはその背景を聞いてみます。

こうして質問を繰り返していくと、残業削減の方向性が見えてきます。

残業削減の方法

4 (目標設定)目標を設定してやりきる

残業削減の方法が決まったら、目標設定をしましょう。例えば、

  • 現時点の状況(○年○月○日):時間外・休日労働が月○時間
  • 中間目標1(○年○月○日):時間外・休日労働が月○時間 (○時間削減)
  • 中間目標2(○年○月○日):時間外・休日労働が月○時間(○時間削減)
  • 最終目標(○年○月○日):時間外・休日労働が月○時間(○時間削減)

といった具合に、中間目標、最終目標を設定します。中間目標を設定するのは、思ったより残業削減の効果が上がらない場合に、軌道修正を図りやすくするためです。

目標設定の後は、中間目標の達成期限ごとに残業削減の実績 (何時間削減できたか)を確認し、中間目標に届いていない場合、社員にその理由をヒアリングします。考えられる理由としては次のようなものがあります。

  • 業務配分の見直しや各部署(部門) の配置の検討が十分ではなかった
  • 社員が真剣に取り組まなかった
  • 残業削減の方法が現実的でなかった
  • 中間目標の設定後に新しい業務が割り振られた

このサイクルを繰り返しても、残業削減が想定通りに進まなければ、社員個人のレベルでは、残業削減を進めるのが難しい可能性があります。その場合、

  • 事業の一部のアウトソーシング
  • 定時以降の取引が必要なクライアントとの取引縮小
  • 新たな人員の補充

など、会社レベルでの施策の実施を検討する必要も出てくるでしょう。

以上(2026年4月更新)

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画像:naka-Adobe Stock

【規程・文例集】「36協定」のひな型

1 36協定の更新忘れにご注意を!

会社は本来、労働基準法(以下「労基法」)の法定労働時間(休憩時間を除き、原則1日8時間、1週40時間)を超えて社員を働かせることができません。これは、違反すると6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられるという罰則付きのルールですが、

会社が社員の代表と「時間外労働・休日労働に関する協定(通称「36協定」)」を締結し、会社の住所を管轄する労働基準監督署に届け出る

と罰則が適用されなくなり(免罰的効果)、時間外労働(法定労働時間を超える労働)や休日労働(法定休日の労働)を社員に命じられるようになります。なお、36協定と呼ばれる理由は、この協定が労基法第36条に基づく労使協定(過半数労働組合または過半数代表者との書面による協定)だからです。

ちなみに、

36協定の有効期間は「最長1年」で、毎年更新が必要

です。36協定を更新せずに時間外労働や休日労働を命じるのは違法ですから、有効期間は必ず確認しておきましょう。また、同じ内容の36協定を毎年使い回せばそれでいいというわけではありません。例えば、現在政府内では、労基法を改正し、

  • 13日を超える連続勤務を禁止すること
  • 勤務間インターバル制度の実施を義務化すること(休息時間は11時間を想定)
  • 法定労働時間の特例措置(週44時間)を撤廃すること

などが検討されており、こうした法改正への対応ができているかも都度チェックする必要があります。

以降で、36協定のポイントやひな型を紹介するので、確認していきましょう。

2 時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)のポイント

1)時間外労働・休日労働の時間数の上限は決まっている

会社は、社員に時間外労働や休日労働を命じる場合、次の内容を守らなければなりません。これを「時間外労働の上限規制」といい、これに違反する36協定は無効となります。

2024年4月1日からは、時間外労働の上限規制の適用範囲が拡大され、「新技術・新商品等の研究開発業務」を除くほぼ全ての業種・業務が対象となっています。

時間外労働・休日労働の時間数の上限

通常、36協定に定められる時間外労働の時間数は、どの業種・業務も原則「1カ月45時間まで、1年360時間まで」です。これを「限度時間」といい、限度時間の範囲内で時間数を定めたものを「一般条項」といいます。

ただし、臨時的な特別な事情がある場合に限り、36協定に「特別条項」を設けることで、限度時間を超える時間外労働を社員に命じることが認められます。

特別条項とは、「納期が著しく逼迫して限度を超える時間外労働をしなければ対応できない」など、特別で臨時的な事態を想定した定め

です。特別条項を設けた場合、会社は限度時間を超える時間外労働を定められますが、1カ月の限度時間(原則45時間まで)を超えられるのは、1年に6回までです(自動車運転業務、医師を除く)。また、限度時間を超える場合も、図表の「臨時的な特別な事情がある場合」の時間数を遵守しなければなりません。これに違反すると、労基法の罰則の対象になります。

2)特別条項を設ける場合、「健康確保措置」を定める必要がある

特別条項を設ける会社は、社員の健康・福祉を確保するための措置(健康確保措置)を36協定に定める必要があります。次のいずれかから措置を選択するのが望ましいとされています。

  • 医師による面接指導
  • 深夜業(原則として午後10時から午前5時までの労働)の回数制限
  • 終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)
  • 代償休日・特別な休暇の付与
  • 健康診断
  • 連続休暇の取得
  • 心とからだの相談窓口の設置
  • 配置転換
  • 産業医等による助言・指導や保健指導

なお、医師の場合は上記の健康確保措置に加え、医療法等に基づく「追加的健康確保措置」を定める必要があります。追加的健康確保措置の内容についてはこちらをご確認ください。

厚生労働省「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000677260.pdf

3)厚生労働省ウェブサイトの「36協定届」に追記して「36協定」とする

36協定は定められた様式で届け出る必要があります。限度時間の範囲内で時間外労働を命じる場合は一般条項の36協定届、限度時間を超える時間外労働を命じる場合は、特別条項付きの36協定届を使用します。次のURLからダウンロードできます。

厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudoukijunkankei.html

また、実務上はこれらの様式に必要な事項を書き加えて、36協定にするのが一般的です。次章では、必要な事項を書き加えた36協定のひな型を紹介します。

なお、36協定はあくまでも労基法上の免罰的効果があるだけなので、実際に社員に時間外労働や休日労働を命じるには、就業規則等にもその旨を定めておく必要があります。

3 時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした協定を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)のひな型】

株式会社○○○○(以下「甲」)と従業員の過半数代表者△△△△(以下「乙」)は、労働基準法第36条第1項に基づき、法定労働時間を超える勤務(以下「時間外労働」)および法定休日における勤務(以下「休日労働」)に関して下記の通り協定する。なお、甲は時間外労働および休日労働が従業員の健康状態や家庭生活に与える影響に配慮し、時間外労働および休日労働が最小限のものとなるように努めるものとする。

第1条(具体的事由)

甲が従業員に就業規則第○条の規定に基づき時間外労働および休日労働を命じることができる具体的な事由は次の通りとする。

  • 需要の増大・納期集中により、緊急増産が必要なとき。
  • 急激な販売量増加により、営業業務並びに発送業務が必要なとき。
  • 機械など製造設備が故障したとき。

第2条(時間外労働または休日労働を必要とする業務の種類および従業員数)

時間外労働および休日労働を必要とする業務の種類および従業員数は次の通りとする。

  • 製品の組み立て、検査、梱包。従業員数( 名)。
  • 販売。従業員数( 名)。
  • 製造・販売のサポート業務。従業員数( 名)。
  • 業務遂行のための企画・立案業務。従業員数( 名)。

第3条(延長することができる時間および起算日)

1)時間外労働時間の限度は次の通りとする。

  • 1日につき8時間以内。
  • 1カ月間につき45時間以内(起算日:毎月1日)。
  • 1年間につき360時間以内(起算日:4月1日)。

2)所定休日(時間外労働)および法定休日(休日労働)の労働時間の範囲は次の通りとする。ただし、業務の都合によりやむを得ない場合は午後10時00分まで延長することができる。

  • 午前8時00分から午後5時00分までの間で実働8時間以内。

3)前2項の延長時間は、時間外労働時間数の上限を示すものであり、常に当該時間まで時間外労働を命じるものではない。

第4条(休日労働の日数)

休日労働は1カ月につき4日以内とし、事前に甲および乙の協議を経た上で実施するものとする。

第5条(特別条項)

1)第3条にかかわらず、予測不能な機械等の故障、納期の著しい逼迫など臨時の必要がある場合は、甲および乙の協議を経た上で、1年につき6回を限度に時間外労働時間の限度を1カ月につき80時間(休日労働を含む)、1年につき720時間(休日労働を含まない)まで延長することができる。ただし、時間外労働および休日労働の合計時間は、2カ月から6カ月までの平均でいずれも1カ月当たり80時間を超えないものとする。

2)前項において時間外労働および休日労働を必要とする業務の種類および従業員数は次の通りとする。

  • 製品の組み立て、検査、梱包。従業員数( 名)。
  • 販売。従業員数( 名)。
  • 製造・販売のサポート業務。従業員数( 名)。
  • 業務遂行のための企画・立案業務。従業員数( 名)。

3)第1項の延長時間は、特別な事情がある場合における時間外労働時間数の上限を示すものであり、常に当該時間まで時間外労働を命じるものではない。

4)会社および従業員は、常に業務遂行に要する時間に注意を払い、1カ月当たり60時間を超える時間外労働(休日労働を含む)が生じないよう配慮する。

第6条(従業員に対する健康および福祉を確保するための措置)

前条により時間外労働の範囲を延長する場合において、甲は従業員に対する健康および福祉を確保するために次の措置を実施する。

  • 対象従業員に対する医師による面接指導。
  • 対象従業員に対する11時間の勤務間インターバルの設定。

第7条(割増賃金率)

1)時間外労働における割増賃金率は、次の各号の率とする。

  • 1カ月45時間以内の時間外労働:25%。
  • 1カ月45時間を超える時間外労働:25%。
  • 1カ月60時間を超える時間外労働:50%。

2)休日労働における割増賃金率は、一律35%とする。

第8条(有効期間)

本協定の有効期間は○年○月○日から1年間とする。

締結日 ○年○月○日

甲 株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○

乙 株式会社○○○○
従業員代表 △△△△

以上(2026年4月更新)

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画像:ESB Professional-shutterstock