「KOMATSUSHIMA INNOVATORS PORT」キックオフイベント開催!

2025年6月9日(月)に、「KOMATSUSHIMA INNOVATORS PORT」(※)キックオフイベントが開催されました。

(※)小松島市、株式会社サーキュレーション、株式会社イノベーションパートナーズ、株式会社徳島大正銀行、とくぎんトモニリンクアップ株式会社の「地域経済の好循環に向けた共創推進」を目的とした連携協定に基づき、企業版ふるさと納税を活用した新たな事業です。

本イベントは、中山市長による力強く温かな激励のメッセージで幕を開けました。
地域への想いと参加者への期待が込められた言葉は、本事業への期待感を一層高めるスタートとなりました。
本事業のシンボルとなるロゴが初めて披露され、デザインに込められた想いと未来へのビジョンが、参加者一人一人の心に深く響いた瞬間でした。(画像をクリックしていただくと、YouTubeに遷移します)


続いて、イノベーター創出プログラムの全体像や今後の展開についての説明が行われました。
担当者より、本取り組みの具体的な実施内容に加え、今後のスケジュールや参加方法についても詳しく紹介されました。(画像をクリックしていただくと、YouTubeに遷移します)


プログラム中盤では、石原佑氏(徳島大学 高等教育研究センター 特任教授)を講師としてお迎えし「小松島港と起業家~自分らしく生きるための起業~」をテーマにした講演が行われました。ご自身の豊富なご経験と深い見識に基づくお話は、参加者に新たな気づきと学びをもたらし、真剣に聞き入る姿が多く見受けられました。(画像をクリックしていただくと、YouTubeに遷移します)


そしてプログラムの締めくくりには「イノベーターにとってのPortとは?」をテーマにしたパネルディスカッションが実施されました。
様々な分野でご活躍されている登壇者の皆さまによる意見交換が行われ、それぞれの立場や経験に基づいた多様な視点が示されました。参加者にとっても思考を刺激され、新たな発想力が引き出される時間となりました。(画像をクリックしていただくと、YouTubeに遷移します)


キックオフイベントを経て、いよいよ「KOMATSUSHIMA INNOVATORS PORT」が本格始動します。
ここからどんな物語が生まれていくのか、とくさくnaviでは今後も取材を続けてまいります。どうぞ引き続きご注目ください。

また、7月28日(月)には、本事業に基づく地域事業者向けセミナーが開催されます。

以上(2025年7月作成)

万博で乾杯! 世界のお酒 飲み歩きレポート

世界中の文化が一堂に会する大阪・関西万博。今回はとくぎんサクセスクラブnavi事務局の杉が、大好きな「お酒」をテーマに各国のパビリオンを巡ってみました。世界の味と雰囲気を感じられる“グラス片手の旅”に。万博のもうひとつの楽しみ方として、ぜひご紹介したいと思います。

【オーストラリア】最初の一杯はビールから

【オーストラリア】最初の一杯はビールから

大阪・関西万博での「お酒旅」のスタートは、オーストラリアパビリオンにあるテイクアウトのお店CAFE KOKO。こちらでは、『クーパーズ パシフィック ペールエール』と『クーパーズ オーストラリアンラガー』そして人気メニューだという『オージー・ミート・パイ』を購入。フルーティーで苦味のあるペールエールと、コクと苦味のあるラガーはどちらもミートパイにとっても合いました。


【セルビア】郷土料理とのペアリング

【セルビア】郷土料理とのペアリング

続いて向かったのはセルビアパビリオン。レストランに並び、セルビア料理とともにセルビアの白ワインをいただきました。セルビアを感じられるチーズパイ『ピタ サ シロム』とセルビアのケバブ風料理の『チェヴァビ』を注文。どちらもワインによく合い、本場を旅しているような気分に。ちなみに2027年にはセルビアの首都、ベオグラードで万博が開催されます。


【チェコ】本場のピルスナーに舌鼓

【チェコ】本場のピルスナーに舌鼓

チェコといえばビール、チェコパビリオンのテイクアウトショップでは、『ピルスナーウルケル』を注文。最初に泡を注ぎ、その下に液体を注ぐ「ハラディンカ」という注ぎ方で、濃厚でクリーミーな泡が特徴です。苦味と甘みのバランスがとれた味わいで、麦芽の香ばしさも感じられました。レストランではほかにも「シュニット」「ミルコ」の注ぎ方でも楽しめます。


【トルコ】ケバブとビールでちょっとひと休み

【トルコ】ケバブとビールでちょっとひと休み

次はパビリオン、ではなく飲食ブースエリアにある、KEBAB LABへ。こちらでは、トルコの「エフェスビール」を飲むことができます。ピルスナータイプのビールで、お料理に合う味。一緒に注文した「チキントネルケバブプレート」とぴったりです。お店の壁面に描かれた気球を見ながらビールを飲んでひとやすみ。


【モナコ公国】優雅なワインバーで白ワインを飲み比べ

【モナコ公国】優雅なワインバーで白ワインを飲み比べ

次に訪れたのは、モナコ公国のパビリオンにあるワインバー。こちらでは、モナコの名門ホテル「オテル・ド・パリ・モンテカルロ」のワインセラーから選りすぐられたワインを飲むことができます。入るとまず壁面に並んだたくさんのワインが目に入り、テンションが上がりました。3種類の白ワインを飲み比べできるセットを注文。それぞれ個性があり、味の違いを楽しめました。ラグジュアリーな空間で、優雅な時間を過ごすことができます。


【チリ】こだわりの試飲体験

【チリ】こだわりの試飲体験

最後はチリパビリオン。こちらではチリワインの試飲体験ができると聞いて、チェックしていました。当日申込で試飲の予約をして、指定時間にパビリオンに向かいます。赤ワインと白ワインのどちらかを選ぶことができ、ちょっとしたおつまみもついてきてグラスが進みます。当日はライブ演奏も行われており、素敵な時間を過ごすことができました。


まだまだ万博には世界各国のお酒がたくさん。今回巡ったのはほんの一部にすぎません。グラス片手に、次はどんな国の味と出会えるのかーそんな期待を胸に、また訪れたくなる場所です。世界旅行気分を味わいたい方に、世界の美酒を楽しみたい方に、ぜひおすすめです。


徳島県は、関西広域連合が設置する「関西パビリオン」の1区画に出展しています。
徳島大正銀行は、大阪・関西万博に向けた徳島県の取組に対し協賛しており、「徳島まるごとパビリオン」プレミアムインディゴパートナーとして認定されています。
当行は、徳島と大阪を拠点としており、大阪・関西万博参加の後押しをすることが地元企業としての使命であるため、役職員に対し、万博ペアチケットを配布しました。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
会期   :2025年4月13日(日)~2025年10月13日(月) 184日間
開催地  :大阪府大阪市夢洲地区
テーマ  :いのち輝く未来のデザイン(Designing Future Society for Our lives)
サブテーマ:Saving Lives(いのちを救う)
Empowering Lives(いのちの力を与える)
Connecting Lives(いのちをつなぐ)

以上(2025年7月作成)

ダメな会議の進行役が「よかれ」と思ってやってしまっていること・ワースト3

これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。

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「もう少し落ち着いたらAIを学ぼう」と考えている人が将来的に損してしまう納得の理由

「AIがすごいのはわかる。でも、実際の仕事では使えないよね――」。そう語る人は少なくない。AIを活用するどころか、“トレンド”として消費しているだけの人も多い。その一方で、「AIを使いこなす人」と「使えない人」の間で、能力や効率の差は見えないところでどんどん広がっている…。

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高卒社員11人が「給料上がらないなら辞めます」→稲盛和夫が自宅で3日間ひざ詰めで交渉、その結果は?

京セラ、第二電電(現・KDDI)の創業者で、JALを再建した名経営者として知られる稲盛和夫さんが「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という経営理念を掲げるようになった意外なできごととは?

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【精神科医が教える】ストレスを感じなくなる「最高の呼吸法」とは?

「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。

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【中堅社員のスピーチ例】仕事の「やりがい」はどこにあるのか

【ポイント】

  • 仕事のやりがいは、誰かから与えられるものではない
  • 自分なりに工夫を重ねて成果を出すことは、仕事のやりがいの一つになる
  • 人から認められることもやりがいになるので、ぜひ自分の工夫などを発信してほしい

最近は、入社したばかりの社員が「退職代行」を利用して会社を辞めてしまう話題がよく取り上げられています。退職代行を利用する理由には、労働条件が聞いていた話と違った、希望の配属先でなかったなどさまざまですが、私が気になったのは「仕事にやりがいが持てない」ことでした。

皆さんの中にも、仕事のやりがいが分からない、あるいは分かるまでに苦労したという人もいるのではないでしょうか。それもそのはず、やりがいは人によって違うからです。例えば、お客様からの「ありがとう」がうれしい、責任ある仕事を任されることが誇らしい、チームでプロジェクトを成功させることが楽しいといった具合です。そして、こうしたやりがいは、誰かから与えられるものではなく、ある程度経験を積んで初めて見えてくるもの。だから、新入社員の段階では、仕事にやりがいが持てなくて当たり前なのです。

私の場合は、あるときから「仕事に自分のアイデアを加える」ようにしたことが、やりがいを見つけるきっかけになりました。前任の担当者や上司から任された仕事を、前例を踏襲して決まった通りに続けていくことは大切ですが、同じ仕事を繰り返すばかりで、自分自身の努力が反映されない状態になると、モチベーションが下がってしまいます。

私には毎月決まった仕事として、お客さま向けのメールマガジンを作成・配信する仕事があります。あるとき、「どうしたら、もっとお客さまがメールを見てくれるだろうか」と考え、これまでは長かった件名を短く端的に伝えるようにしたり、クリックできるリンクの色を目立たせたりしたところ、メールの開封数やリンクのクリック数がそれまでのメルマガよりも目に見えて増えました。自分なりに工夫を重ねて成果を出すことが、気づけば仕事のやりがいになっていたのです。

ちなみに、仕事でいろいろ工夫はしているものの、「この程度のことでは、認めてもらえなそう」と、周囲に発信できていない人の話をよく聞きます。ですが、仕事のやりがいは、「誰かの役に立っていると感じたとき」や「誰かに認められたとき」にこそ強く感じられます。だから「こんな工夫をしている、してみよう」という話は、積極的に誰かに話してみるのがよいと思います。

以上(2025年7月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【債権回収】これから倒産企業が増える?万一に備えて知っておくべき債権回収の流れ

1 「いざ」となってからではもう遅い?

「ない者からは回収できない」というのが債権回収の基本です。 「いざ、債権を回収しなければ!」という事態に陥ったとき、相手が債務を履行できるとは限りませんから、そうなる前の与信管理、契約書のチェック、債権管理がとても大切です。

ところで、皆さんは与信管理から債権回収に至るまでの流れを把握しているでしょうか? 債権回収は経験がないとイメージしにくいものですが、そのリスクが顕在化したときの影響は大きく、経営者なら基本を押さえておかなければなりません。

そこで、この記事では債権回収の基本的な流れを紹介します。 それぞれの詳細は別の記事で解説していますのでご確認ください。 ポイントは、

どのような相手と、どのような条件で契約し、どのような管理をしていたか

ということです。

与信管理から債権回収に至るまでの流れ

2 与信管理

多くのビジネスでは、売掛金などの売上債権が発生します。 そこで、万一の場合に備えて取引金額の上限や決済サイトを決めますし、担保の設定をすることもあります。 これらの条件は、債権回収ができないリスクと、それによって受ける被害を考慮して決定します。 つまり、相手が「信用」できるのかという点に尽きるため、「信用リスク」と呼ばれます。 そして、この条件なら“信用”して取引できると判断した場合、信用を相手に与えるのが「与信」です。

与信管理の基本、チェックリスト、リモート時に行う与信管理の基本については、次のコンテンツで紹介しています。

3 契約締結

1)必ず定めるべき4つのこと

「信用できる相手だから」といって、契約書を交わさずに取引していないですか? これはビジネスを進める上でとても危険なことです。 口約束だけの状態でお金のトラブルになってしまったら、双方が「言った、言わない」を主張してもめてしまいます。 裁判に発展した場合も、債権回収の根拠を立証するのが難しく、敗訴してしまうことさえあります。 そのため、

必ず契約書を交わす

ことが不可欠で、さらに、

  • 支払条件(弁済条件):定められた期日に確実に支払いをしてもらえるようにしておく
  • 期限の利益喪失:支払期日前でも債務履行(支払い)を促せるようにしておく
  • 約定解除:一定の事態が生じた場合に契約を解除できるようにしておく
  • 担保権:回収不能となった売掛債権を担保で回収できるようにする

の4つについて定めたいところです。

この4つを定める理由については、次のコンテンツで紹介しています。

2)公正証書にして強制執行認諾文言を定める

公正証書とは、公証役場で公証人がその権限に基づいて作成する文書(公文書)です。 単なる公正証書は私的な契約書と比べて訴訟における証明力は非常に強いですが、法的効力自体は同じです。

公正証書に私的な契約書よりも強力な効力を持たせるためには、公正証書に「強制執行認諾文言」を定める必要があります。 強制執行認諾文言とは、債務を履行しない場合は、「強制執行」を受けてもやむを得ないという条項です。 強制執行とは、判決等によって債務の履行をすべきであるにもかかわらず、相手がそれに応じない場合、裁判所に「強制執行の申立」をして、国家の強制力によって判決等で定められた内容を実現することです。 つまり、強制執行認諾文言があれば、強制的に債権回収ができるのです。

公正証書については、次のコンテンツで紹介しています。

4 債権管理

契約を締結した後も安心せず、日ごろから「債権管理」を徹底しましょう。 債権管理とは、滞りなく売掛金を回収するための業務全般のことで、具体的には「請求書の発行や入金チェック、未入金の場合は催促」などの一連の流れとなります。

債権管理の一般的な内容については、次のコンテンツで紹介しています。

5 債権保全

1)担保の設定

万一、取引先から売掛金が回収できないような場合に備えて「債権保全」を講じます。 債権保全とは、債権を確実に回収するための施策であり、基本的な方法が「担保の設定」です。 担保には物的担保や人的担保があります。

担保については、次のコンテンツで紹介しています。

2)手形に関する注意点

約束手形については、手形交換所が2022年11月に廃止され、政府は2026年をめどに全ての紙の手形や小切手を電子化する方針を示しています。 とはいえ、足元ではまだまだ使われていて、不渡りなどの問題も生じています。 「危ない手形」の典型は、

  • 借用書代わりの手形
  • 回り手形
  • 融通手形
  • 偽造手形

であり、適切な債権保全を講じなければなりません。

危ない手形の見分け方などについては、次のコンテンツで紹介しています。

6 内容証明郵便

期日が過ぎているのに売掛金を支払ってくれない取引先がある場合、状況にもよりますが、「内容証明郵便」を送り、法的手段を見据えつつプレッシャーをかけることが効果的です。 内容証明郵便とは、郵便認証司によって郵便物の内容を証明された郵便物です。

内容証明郵便を出すことで相手方が請求に応じる法的義務が生じるわけではありませんが、後に裁判になった場合に、債権について「契約の名称、契約日、品名、残金、期限などについて文書を出した」という有力な証拠となります。 それに、万一、支払いに応じていただけない場合は、訴訟等の法的措置を検討せざるを得ませんと記載することで、「こちらは訴訟も辞さないですよ!」という姿勢を示すことができます。

内容証明郵便については、次のコンテンツで紹介しています。

7 取引継続などの判断

取引先からの支払いが滞り、こちらの催促にも応じない場合、いよいよ経営が危ないかもしれないので、速やかに行動しましょう。 債権保全と回収の方法は幾つかありますが、取引先が破産や民事再生などの法的手続きを取ると、原則として個別の取り立てを行うことが禁止され、債権回収が認められなくなる場合があります。 また、取引先に債権を持つのは自社だけではないはずですから、債権回収は「早い者勝ち」ともいえます。

この段階になったら、「取引を継続するか、仮差押えをするかなどを速やかに判断し、行動に移すこと」が重要です。

取引継続などの判断については、次のコンテンツで紹介しています。

8 任意回収

取引先に債務不履行があったとき、会社が払えないなら、経営者から回収をしたいと考えます。 特に相手が中小企業だと、経営者と会社が一体と感じられるので、なおさらです。 しかし、原則として会社と経営者は別の法人格であり、会社の債務を経営者個人が負うことはありません。 ただし、経営者が連帯保証人になっている、実質的に株式会社と経営者が一体とみなされるなど、4つのケースでは経営者から債権回収ができます。

「経営者個人」から債権回収が可能となる4つのケースについては、次のコンテンツで紹介しています。

9 支払督促

内容証明郵便などで催促をしても相手が債務を弁済してくれない場合、「支払督促制度」を利用する方法もあります。 支払督促制度とは、簡易裁判所の裁判所書記官から、債務者に対して「金銭等の支払いを命じる督促状(支払督促)」を送ってもらう制度です。 内容証明郵便とは違い、裁判所からの督促となるので、相手に相当のプレッシャーをかけることができます。

支払督促制度については、次のコンテンツで紹介しています。

10 民事調停

民事調停とは、簡易裁判所が間に入り、当事者間での話し合いを試みる手続です。 相手との関係性を維持しながら、あくまでも話し合いで解決したい場合に有効です。 通常、調停は裁判官と一般市民から選ばれた調停委員とともに進められます。

調停が成立した場合、調停調書が作成されます。 作成された調書は、判決等と同じく、債務名義となります。 債務名義とは、「強制執行」をする根拠となる文書であり、「債権債務の存在を公に認めるもの」です。

民事調停については、次のコンテンツで紹介しています。

また、債務者しか申立てることができないものに、特定調停があります。 特定調停とは、債務の返済ができなくなる恐れのある債務者(特定債務者)の経済的再生を図るため、特定債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を行う手続です。 債務者である相手が特定調停を申し立てた場合、それに応じるか否かを判断する知識は必要と思います。

特定調停については、次のコンテンツで紹介しています。

11 即決和解

即決和解とは、「裁判上の和解」の一種で、当事者が民事上の争いについてある程度の合意がある場合に、裁判所へ申立てをして裁判上での和解を行う制度です。 訴訟の提起前に行われるので「裁判前の和解」とも呼ばれます。 ちなみに、示談など裁判所が関与しないものを「裁判外の和解」といいます。

即決和解については、次のコンテンツで紹介しています。

12 倒産手続

会社が債務超過に至った場合、その手続は、

  • 私的整理:裁判所を利用しない
  • 法的整理:裁判所を利用する

に大別されます。 法的整理はさらに、

  • 清算型:会社の清算を目的とする
  • 再建型:会社の再建を目的とする

に大別されます。 私的整理は当事者の話し合いです。 一方、法的整理はそれが清算型であれ、再建型であれ、取引先がこれを申立てれば、自社の債権は大きな影響を受けます。 そのため、それぞれの倒産手続の基本を押さえておく必要があります。

以上(2025年7月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

社員のミスで会社に損害が……。 本人への賠償請求は可能?

1 原則:社員に全額の損害賠償を請求することはできない

会社には、様々なバックグラウンドを持つ人間が集まっています。ですから、社員が業務中にミスをすることも当然想定されます。ただ、なかには「看過しにくい重大なミスをする社員」などもいて、そうした社員に対し、「損害賠償を請求できないか?」と考える経営者がいても不思議ではありません。

しかし、まず理解しておくべきことは、

社員に全額の賠償を請求することは原則としてできない

ということです。一口にミスといっても、同じミスを何度も繰り返しているのか、取引先の信用を失うほどのミスなのかなどによって判断が変わります。そのため、

  • 社員に対する損害賠償請求に関する基本的な考え方
  • 「こんな場合に請求できる? できない?」というケーススタディー

を学ぶ必要があります。以降で弁護士(筆者)がポイントを解説するので見ていきましょう。

2 なぜ、ミスがあっても基本は会社負担なのか?

日本の労働関係法令では、社員と会社の関係は「報償責任」の考えに基づいています。

報償責任とは、「会社は、社員が業務を遂行することで利益を得ているのだから、その過程で発生する損害について、会社が責任を負うのは当然である」という考え方

です。そのため、社員が業務中にミスをしたとしても、原則として全額の損害賠償を求めることは認められません。労働基準法でも、社員に対する不当な賠償請求を防ぐことを目的として、社員に過度な責任を問うことを避けるための規定が設けられています。こうした法律の考えから、社員のミスによる損害についても、基本的には会社が負担することになるのです。

実際に社員に対する損害賠償請求が問題になった事案もあります。有名な「茨城石炭商事事件(最高裁第一小法廷昭和51年7月8日判決)」においても、

会社が社員に対して賠償責任を問う際の基準が示されており、社員のミスによる損害が会社の業務指示の範囲内で起こった場合、その基準に基づいて妥当な範囲でのみ、社員個人に責任を追及できる

とされています 。この判例により、社員が業務上のミスを犯した場合でも、原則として会社が損害を負担するという考え方が強調されました。具体的な基準は次の通りです。

具体的な基準

3 このケースは損害賠償できる? できない?

1)発注ミスで、頼んでいない商品が大量に会社に届いてしまった……

1.ケーススタディー

卸売業の会社に勤めるAさんは、商品の発注を担当しています。あるとき、Aさんは10個発注する予定の商品を、入力を誤って100個発注してしまいました。返品も利かず、会社は大量の在庫を抱えることになってしまいました……。会社からAさんへの損害賠償請求は認められるでしょうか?

2.考え方

商品の発注、特にウェブ上で発注を行う場合、入力ミスなどによって発注内容(種類・数量など)を間違えてしまうことがあります。業務を行っていれば、通常起こり得るようなささいな不注意であり、一般的に損害賠償請求は認められにくいといえるでしょう。

Aさんが新入社員の場合などは、上司や先輩が横について発注前に画面を確認するなどの配慮が必要であり、なおさら損害賠償請求は難しくなります。

ただし、Aさんが長年経験を積んだ管理職にもかかわらず、基本的な発注手順を無視して発注ミスを犯した場合などは、Aさんの過失が重大であるとして、損害賠償請求が認められる可能性があります。

2)営業担当が勝手に納期を決めたせいで、開発部門にしわ寄せが……

1.ケーススタディー

BさんはIT企業の社員で、システム開発の営業を担当しています。ある日、Bさんは、取引先から短納期でのシステムの納入を頼まれましたが、取引先との関係を維持したいあまり、開発部門に確認もせず、納入を約束してしまいました。開発部門は無理なスケジュールでシステム開発を行いましたが、結果として納期には間に合わず、しかも納入後にシステムの不具合が発生。取引先側でもリリース延期の対応が生じてしまい、会社が取引先から「どうしてくれるんだ!」と詰められる事態に……。会社からBさんへの損害賠償請求は認められるでしょうか?

2.考え方

Bさんのケースのように、部門間で十分な連携をしないまま、取引先に無理な約束をしてトラブルになるケースは少なくありません。部門間の情報共有・連絡方法などの体制を見直すべき案件です。とはいえ、Bさんの過失は法的には軽微なものであり、損害賠償請求は認められにくいといえるでしょう。

ただし、Bさんが、事前に開発部門から「このスケジュールでは難しい」「納期を調整してくれ」と言われていたにもかかわらず、それを無視して納期を約束してしまった場合などは、損害賠償請求が認められる可能性があります。

3)コンピューターシステムの操作ミスで、大事なデータが消えてしまった……

1.ケーススタディー

Cさんはある会社のIT部門で、システムのメンテナンスを担当しています。Cさんが、夜な夜なシステムのアップデート作業を行っていた際、誤って重要なデータを削除してしまいました。その結果、会社のシステムが一時的に停止し、取引先にも影響を与えてしまいました……。会社からCさんへの損害賠償請求は認められるでしょうか?

2.考え方

パソコンで業務を行うのが当たり前の現代、システムのアップデートに限らず、作業中に保存されていたデータを誤って消してしまうというミスはどの会社でも発生し得ます。こうしたミスは、原則として損害賠償請求が認められにくい、といえるでしょう。

ただし、Cさんが、過去にも注意を受けたにもかかわらず作業手順やマニュアルを無視して、独自の方法で作業を行った場合や、夜な夜なお酒を飲みながら作業していた場合などは、過失が重大であるとして、損害賠償請求が認められる可能性があります。

4)広告に著作権違反のイラストが掲載されて、権利者から警告を受けた……

1.ケーススタディー

若手社員のDさんはマーケティング部門で、自社商品の広告を制作しています。Dさんが新商品のウェブ広告を制作した際、他社のキャラクターを参考にしたイラストが含まれてしまい、そのまま広告に掲載されてしまいました。これを見た他社の権利者から警告を受け、消費者からの信頼を失い、ブランドイメージに大きな悪影響を与える結果となりました……。会社からDさんへの損害賠償請求は認められるでしょうか?

2.考え方

広告に関するミスは、会社のイメージにも直結するため、損害が大きくなりがちです。とはいえ、イラストの著作権などについて正しく理解している社員はそう多くありませんし、Dさんの立場にもよりますが、一般的に若手社員が1人で制作した広告がそのまま採用されるケースはまれです。通常は複数の社員が広告に携わるものであるという前提に立つと、Dさんの過失は法的には軽微なものであり、損害賠償請求は認められにくいといえるでしょう。

ただし、Dさんが、本来であれば広告チェックを担う立場の社員であるにもかかわらず、楽をするために生成AIを利用した場合などは、その過失が重大であるとして、損害賠償請求が認められる可能性が高くなります。

5)消費者からのクレーム対応を誤ってしまい、消費者に損害を与えた……

1.ケーススタディー

Eさんは、一般消費者向けに化粧品を販売する会社の、カスタマーサポート部門に勤めています。ある日、Eさんは消費者からのクレームに対し、誤った情報を伝えてしまいました。そのため、顧客は化粧品の使い方を間違ったことで肌荒れになり、訴訟を起こすと言っています……。会社からEさんへの損害賠償請求は認められるでしょうか?

2.考え方

クレーム対応の際に誤った情報を伝えたことによって、顧客が損害を被ったという事例です。カスタマーサポートなどの業務では、オペレーターによる誤案内も発生しやすいミスであり、会社がマニュアルを作成したり、社内相談フローが定められたりしているケースが多いです。オペレーターによる誤案内が過失によるミスであった場合、会社がその損害を負担するのが一般的であり、Eさんの誤案内が軽度のものであれば、損害賠償請求は難しいといえるでしょう。

ただし、Eさんが過去にも、同様のクレーム対応で同じようなミスを繰り返していたり、会社が定めるマニュアルや相談フローに従わずに独自で判断したりした場合には、損害賠償請求が認められる可能性があります。

4 会社ができる対策は?

こうした社員のミスによる損害を未然に防ぐために、会社が実施すべき対策がいくつかあります。これらの対策をしっかりと整備することで、リスクを減らし、社員の負担を軽減しつつ、会社の利益を守ることができます。

1)マニュアルの整備と研修・教育

まずは会社が、業務を遂行する社員に対し、明確な指示を与えることが重要です。業務の進め方や手順について詳細なマニュアルを整備し、社員がミスをしないように配慮しましょう。

また、社員による業務上のミスを最小限に抑えるには、定期的な研修や教育が重要です。会社は、社員に対して業務に必要な知識やスキルを定期的に習得させることで、ミスを減らし、万が一ミスが発生した場合でも、迅速に対応できる体制を整えることが可能です。

2)就業規則への明文化

就業規則には、社員が業務を遂行する際に注意すべき事項や、ミスが発生した場合の対応方法、賠償責任に関する規定などを盛り込むことができます。例えば、社員が業務中に重大な過失を犯した場合の対応方法や、その責任の範囲について明記しておくことが考えられます。これによって、社員も事前に自分の責任範囲を理解し、ミスを防ぐ意識が高まります。

なお、就業規則に損害賠償規定を盛り込むことも可能ですが、過度に厳しい規定(全額の請求や損害賠償額の予定)を設けると、違法・無効となる恐れがあります。

3)保険の活用

社員のミスに対するリスクを減らすために、適切な保険に加入するのも一つの方法です。特に、社員が業務を遂行する中で生じる事故や損害をカバーする保険を活用することで、予期しないリスクに備えることができます。保険会社によって様々な内容の保険があり、契約内容によっては社員の過失による損害も対象となるものがあります。

以上(2025年7月作成)
(執筆 三浦法律事務所 弁護士 磯田翔)

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画像:rrice-Adobe Stock

【債権回収】取引先の「破産手続」申立て 債権はどうなるのか?

1 「破産手続」の位置付け

取引先が破産手続を申立てた場合、自社の債権は大きな影響を受けます。そのため、取引先の破産手続の申立てに備えて、事前に何ができるのかを知っておく必要があります。その前提となる情報として倒産処理の手続を整理します。

倒産処理の手続

会社が債務超過などで倒産した場合、その手続は、

  • 私的整理:裁判所を利用しない
  • 法的整理:裁判所を利用する

に大別されます。法的整理はさらに、

  • 清算型:会社の清算を目的とする
  • 再建型:会社の再建を目的とする

に大別されます。

破産手続とは、

会社を清算し、消滅させることを想定した制度

です。会社の全財産が債権額に応じて債権者に按分で弁済され、会社は消滅します。弁済しきれない残債務は実質的に免責されます。そのため、取引先が破産手続に進むと、

何らかの担保を設定していない限りは、全て破産手続上でしか回収できない

状態になります。また、回収できるのは、債権額の0~1%程度にとどまることも少なくないため、ほぼ回収できずに債権が消滅してしまう恐れもあります。

では、破産手続の基本的なポイントを紹介していきます。

2 破産手続における債権の分類

破産手続では、債権を5つに分類します。

破産手続における債権の分類

商取引上の債権の多くは一般破産債権です。債権額のほとんどは弁済されないことになるため、取引先が破産をしてしまうと、最終的に貸倒損失として処理をすることになります。

3 破産手続の概要

破産手続の主な流れは次の通りです。図の黒塗りの部分については以降で詳しく紹介しています。

破産手続の主な流れ

1)裁判所による包括的禁止命令・財産保全処分

裁判所は、破産手続の申立てを受けてから破産手続開始の決定があるまでの間、

全ての破産債権者に、破産債務者の財産に対する強制執行などの禁止を命ずる包括的禁止命令を出す

ことができます。包括的禁止命令が出ると、債権者は売掛金の回収や自社商品の引き揚げなどができません。

また、民事再生手続と同様、裁判所は職権で仮差押え・仮処分その他の必要な保全処分ができます。

2)破産債権の届出・調査・確定

債権者は、破産手続の開始決定後、裁判所が定める債権届出期間内に、裁判所に対して債権の内容および額などを届け出ます。この届出を怠ると、債権者は債権を失う恐れがあるため十分に注意する必要があります。

債権者からの届出を受けた裁判所は、債権の内容および額などについて調査期間を設けます。その調査期間において、破産管財人が作成した債権認否書の内容について、破産債務者が認め、かつ届出をした破産債権者の異議がなかったときは、その破産債権の内容は確定します。

3)債権者集会の決議

破産法では、破産債権者の意思を、債権者集会あるいは債権者委員会(破産債権者をもって構成する委員会)によって破産手続に反映させます。債権者集会は、破産管財人・債権者委員会・知れている破産債権者の総債権について、裁判所が評価した額の10%以上の破産債権を有する破産債権者の申立てまたは裁判所の職権で招集します。

債権者集会の決議は、債権者集会に出席または書面投票した者の議決権の総額の50%超の同意によってなされます。

債権者委員会は裁判所または破産管財人に意見を述べることができ、裁判所は債権者委員会から意見を求めることが可能です。また、破産管財人は財産の管理および処分に関して、債権者委員会の意見を聴取することとされています。

4)破産債権者に対する配当

破産管財人は、財産の換価の終了後、遅滞なく、裁判所書記官の許可を得た上で届出をした破産債権者に配当します。配当には、原則型である「最後配当」、最後配当に代わる簡便な手続である「簡易配当」と「同意配当」、換価終了前の例外的な手続である「中間配当」、最後配当の補充的な手続きである「追加配当」があります。通常、単に配当という場合は「最後配当」を指します。

破産管財人は、配当の手続に参加できる破産債権者の氏名または名称および住所、債権の額および配当できる金額を記載した「配当表」を裁判所に提出します。その後、破産管財人は遅滞なく、配当の手続に参加することができる債権の額および配当できる金額を公告、または破産債権者に通知します。

配当表に異議のある破産債権者は、破産管財人が裁判所に届出をした日から2週間以内(除斥期間)に、配当表の修正記載の基礎となる事実を提示します。破産管財人は、これを受けて配当表を更正します。さらに、配当表の記載に不服がある破産債権者は、除斥期間が経過した後1週間以内に限り、裁判所に異議を申立てることができます。

4 破産手続中の取引先から債権回収する手立て

1)債権債務の相殺

破産債権者が債務者に対して債務を有する場合、

破産手続によらずに、双方の債権債務を相殺

できます。相殺権を行使する場合、一般的に配当を受けるわけではない以上、破産債権の届出は必要ないと考えられています。

なお、破産債権者の公平・平等と相殺権行使の濫用防止の観点から、破産手続特有の相殺禁止に関する定めがあるので注意が必要です。

2)担保権の行使

破産手続開始の時点で、

債務者の財産に設定されている担保権(特別の先取特権、質権、抵当権、商事留置権)を有する者は、その目的である財産については「別除権」を有し、破産手続によらずに行使できる

とされています。そのため、上記に該当する担保権を有していれば、原則として競売などを通じて債権回収できる可能性があります。なお、担保権の実行手続を開始している場合、破産手続が開始されても影響を受けません。

以上(2025年7月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 小出雄輝)

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画像:Mariko Mitsuda