【営業最強フレーズ集】ヒアリング編4 「それはどなたのご発案なのですか?」

書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

それはどなたのご発案なのですか?

単刀直入に聞くのは難しい?

具体的な提案内容を練るためには、相手の予算やスケジュールなどを確認しなければなりません。「誰に決定権があるのか?」という意思決定者もその1つです。とはいえ、特に法人営業の場合、「意思決定者」にたどり着くのは簡単ではありません。

残念ながら、皆さんが話をしている相手は意思決定者ではないでしょう。しかし、単刀直入に、「あなたには決定権がありますか?」「意思決定者の方に会わせていただけませんか?」と尋ねるのは気が引けます。意思決定者を見つけるためには、尋ね方に工夫が必要です。

「誰が」という相手の答えから想像する

例えば、「この機能の付いた新しいツールが欲しい」「新企画を立ち上げようとしているのでアイデアを探している」など相手の課題やニーズが明らかになったとき、冒頭で紹介した営業最強フレーズを使ってみましょう。「それは面白いですね! どなたのご発案なのですか?」と言葉を増やしてもよいかもしれません。話の流れが自然になります。

相手が「発案者は社長です」「部長です」と明らかに立場の上の人を答えたとすると、その人こそが意思決定者だろうと想像できます。

また、相手が「私のアイデアです」と答えたとすると、この件はまだ「相手が頭の中で考えているだけ」なのかもしれません。その場合、「今後の進め方はどうなりますか? 上司の方と方針を詰めていくのでしょうか?」といったように尋ねてみましょう。今後の進め方をヒアリングしながら、意思決定者の存在を探る形です。

なぜ意思決定者を見つけるの?

営業において意思決定者を見つけるのは、購買決定要因をつかむためです。意思決定者は、いったいどこを重視して購入を決定するのか。それを踏まえて提案すれば、成約に一歩も二歩も近づきます。だから、意思決定者を早く“つかまえる”ことが大切なのです。

もし、話している相手に意思決定者のことを尋ねるのが難しければ、次のようなフレーズを使ってみましょう。

「この件を上司の方に伝えるとき、どこを重点的にご説明されますか?」

意思決定者を見つけられずとも、この質問で購買決定要因につながるヒントがもらえる可能性が高くなります。

“妻”の要望を早く見つけましょう

「意思決定者と購買決定要因を見つける」というと、難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。夫婦に自動車の購入を勧めるのと同じです。自動者好きの夫に詳しく説明しつつ、妻の要望も聞いて応える。これは、財布を握っているのは往々にして妻だからです。日ごろの営業活動でも、早く“妻=意思決定者”とその購買決定要因を見つけて、確度の高い提案につなげていきましょう。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

自動メールで見込み客からの引き合いを増やせる安価なツール/基礎から分かる ウェブの活用で売上アップ(3)

書いてあること

  • 主な読者:ウェブを活用して売上アップにつなげたい、製造業、建設業など向けビジネスの経営者
  • 課題:メールを活用して見込み客へのフォローを強化し、引き合いを増やしたい
  • 解決策:CRM(顧客関係性管理)ツールを活用すれば、安価かつ自動で見込み客へのフォローができる

1 机に眠る名刺の束が「見込み客」を顧客にする宝の山に!

全国の製造業者と取引するある金型製造業者は、新規顧客の開拓につなげていた展示会が相次ぎ中止になったコロナ禍で、逆に売り上げを伸ばしました。一体なぜだと思いますか?

この金型製造業者が目を付けたのは、過去の展示会で交換した名刺の束。営業担当者たちが自分のデスクに名刺をしまい込んでいたものです。その名刺を、ある便利ツールに登録して、

名刺に記載されたメールアドレスに一斉にメール配信した結果、2件の成約につながった

のです。コロナ禍がなければ「ほったらかし」のままだったはずの見込み客が、メールを配信したことで、新規顧客に変わりました。

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展示会などの集客機会で接点を持った見込み客を多くの会社がほったらかしにしているのは、買ってくれるかどうか分からない確度の低い1社1社にアプローチするのは手間が掛かるからです。逆に考えれば、ご縁のあった先に、手間さえ掛けず効率的にお役に立つ情報をお届けすることができれば、そのご縁がつながり、取引先になる可能性が高まるわけです。そのための効果的な手法が

メールマーケティング

であり、それを支える便利ツールが

CRM(Customer Relationship Management)という顧客関係性管理の仕組み

です。

2 「メールマーケティング」と「CRMツール」

1)BtoBでのコミュニケーションはメールマーケティングが有効

このシリーズの第1回でもご説明しましたが、ウェブ活用で重要なのは、「マーケティング=売れる仕組みづくり」です。それを実現するために、メールでのアプローチを活用することをメールマーケティングといいます。

対消費者向けビジネスでは、LINEなどのSNSツールでのコミュニケーションが多くなりましたが、

事業者同士のコミュニケーションツールは、まだまだメールが主流

です。

そこで、名刺交換や問い合わせなどでいただいたメールアドレスに対して、メールで情報提供を行い、フォローを継続することで、引き合いにつなげていきます。

2)高機能なCRMツールが安価に使える

メールマーケティングを効率的に実施するためのツールとして、CRMツールがあります。CRMは、顧客関係性管理と訳され、

顧客と良好な関係性を築き、継続していくための施策

をいいます。そして、顧客との関係性を構築・維持していくためのツールがCRMツールです。

CRMツールの一例としてお薦めするのが、「Zoho Campaigns(ゾーホー・キャンペーン)」です。このツールの特徴は、何と言っても1カ月当たり数百円から(メール配信数などにより変動)、メールマーケティングを実践できるというコスト面での優位さです。

■Zoho Campaigns■
https://www.zoho.com/jp/campaigns/

このツールを使えば、登録したメールアドレスに対して、ホームページのような画像付きのメール(HTML形式のメール)を配信できます。このメール内に、自社のホームページのアドレスをリンクさせることもできます。

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さらに、配信したメールの開封率はもちろん、どのメールアドレスの配信先がリンクをクリックしたかまで分かります。リンクをクリックした方は、興味・関心度が高いということですから、その方を個別にフォローして商談につなげたりできます。

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3)他にもあるCRMツール

お薦めしたZoho Campaigns以外にも、高機能で価格の比較的安いさまざまなCRMツールが販売されています。比較検討の上、ぜひご活用ください。

■配配メール■
https://www.hai2mail.jp/
■コンビーズメール■
https://www.combzmail.jp/
■ブラストメール■
https://blastmail.jp/

3 メールマーケティングの全工程を自動でやってくれる「MA」

メールマーケティングと、それを実践するためのCRMツールについてはご理解いただけたと思います。実は最近、メールマーケティングにおいて、マーケティング・オートメーションが注目されています。マーケティング・オートメーション(通称MA)とは、

顧客情報の収集と蓄積・見込み客に対する興味喚起・各種施策の結果分析などを自動化する取り組み

のことです。例えば、次のような流れで展開します。

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資料ダウンロードからメールでのフォローが全て自動化されているので、スタッフはアポイントの依頼を受け、商談をするだけ。手間を掛けずに、見込み客を商談につなげることが可能な仕組みです。

「そんな仕組みをつくるには、相当なお金が掛かるでしょ。中小企業には無理だよ」と思ったあなたに朗報です。上記で紹介したZoho CampaignsなどのCRMツールを利用すれば、1カ月当たり数百円~数千円で実行可能です。

CRMツールを活用してメールマーケティングに取り組めば、今まで眠っていた見込み客があなたのもとにやってくるでしょう。しかも、それを安価に実現できる時代がもう到来しているのです。

以上(2022年7月)

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画像:Pixel-Shot-Adobe Stock
執筆者サイト:https://glocal-marketing.jp/

【朝礼】怖さに向き合う秘訣

今日は「怖さ」について話をします。皆さんはどのようなときに「怖い」と感じるでしょうか。初対面の人と会うとき?偉い人や大先輩と話すとき?初めての仕事をするとき?飛行機に乗ることが怖いという人も多いでしょう。このようにさまざまな場面で人は「怖さ」を感じるのです。この「怖さ」は、積極的に物事に取り組むことを妨げたり、物事を実行に移すための動機をなくしたりします。つまり行動力を弱めるのです。

逆に考えれば「怖さ」を感じないようにできれば積極的になれますし、実行力も出てくるでしょう。でも、そんなことは本当にできるのでしょうか。例えば飛行機。あんな金属の塊の中で何千メートルもの高度を飛ぶことは、いざというときのことを考えれば怖くないはずがありません。それから、初対面の人と話すのは誰でも怖いし不安です。ましてや相手が著名人や大物であればなおさらです。私も経営者(ビジネスパーソン)として、何年も経験を積んでいますが、いまだ「怖いこと」は減るどころか、増えています。

そこで、こうした「怖さ」を乗り越える方法について考えてみました。実は「怖さ」を克服する方法はあるのです。

一つは「怖さ」に慣れることですが、これは簡単ではありません。

もう一つは、怖さの先にある楽しいことを想像することです。これが最も効果的な方法かもしれません。飛行機は怖いけれど、目的地に着いたら温泉がまっているとか、息苦しく怖い社長へのプレゼンテーションが終われば、今日の仕事が一息付くとかです。

大切なのは、まず「怖さ」を認めるということです。認めるということは弾き返すのとは違います。「怖さ」を感じないようにしようと、「怖さ」に対して鉄壁の防御を設けてもうまくいきません。まずは受け入れるというのが第一歩です。

この世に「怖さ」を感じない人はいないのです。世界のホームラン王である王貞治さんでも、現役選手時代には開幕が近づくにつれ、「今年はホームランを打てないのではないのか」といった考えがよぎり、怖くなったといいます。

最後にとっておきの「怖さ」に向き合う秘訣を紹介します。「怖さ」を別の表現にしてしまうのです。例えば「あの人に会うのは怖い」を「あの人に会う時は何だかドキドキする」と表現するのです。「ドキドキする」とはなんとも子供じみた表現ですが、異性とのデート、コンサートやジェットコースターなどで興奮した際の「ドキドキ」を想像してください。怖くてドキドキするのも、興奮してドキドキするのも、同じ生理現象なのです。

「怖いこと」を「ドキドキすること」と考えるようにすると、何だか期待感がわき、緊張がとれ、積極的に物事に取り組めるようになります。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

海外販路開拓の秘訣 ~成功を目指す3ステップ~

書いてあること

  • 主な読者:海外で販路開拓をしたい経営者
  • 課題:低いリスクと少ないリソースで、海外での収益を安定させたい
  • 解決策:頼れる代理店・販売店を獲得し、海外進出のステップごとに戦術を変える

1 たった1回の取引で満足してはいけない

筆者は、これまでに300社ほどの中小企業の海外進出を支援し、2万回ほどの商談をアレンジしてきました。また、筆者自身も海外でバイヤーを多数開拓してきました。その経験から申しますと、「単発の取引ができた」だけで、海外進出に成功したと満足している経営者が少なくありませんが、これはもったいないことです。

海外進出をするのであれば、海外販売で継続的に収益が増える状態、つまり「実現性、再現性、継続性、拡張性」の4点をカバーしたいものです。具体的には、

年間に十数回の取引を行い、年間売上で合計5000万~1億円

を目標として掲げ、実際にこの規模のビジネスを回すための資金や仕入れルートの確保、生産や物流体制の整備も進めることが重要になります。

この記事では、海外で販路開拓をしたい中小企業のために、

低いリスクと少ないリソースでも海外での収益を安定、成長させるためのステップ

を解説します。皆さまが海外進出する際の参考になれば幸いです。

2 ニーズが全て! マッチし続ける国・地域を探す

海外進出を成功させるには、何といってもニーズが継続的にあるマーケットを見つけることです。そのためには、以下のいずれか、または両方をするしかありません。

  • マーケットマッチしている市場を見つける
  • マーケットマッチするために変化・順応する

1.は、あらゆる国・地域に営業し、ニーズがマッチする市場を探すことです。2.は、例えば商品や商品の売り方、売る値段を変えて、販売先のニーズに合わせて自社が対応することです。イメージは下の図の通りです。

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3 ポイントは生産・物流体制、展開手法、進出形態の選択

海外進出を成功させるために重要なのが、

生産・物流体制、展開手法、進出形態

の検討と整備です。海外進出の過程ごとに、これらの組み合わせを変えていくことがポイントです。

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1)生産・物流体制

生産・物流体制とは、「どこから」「どこに送るのか」「誰が送るのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 直接貿易:メーカー(もしくは母国で仕入れた企業)が直接的に輸出する方法
  • 消費地生産:メーカーが販売先で生産して販売する方法
  • 三国間貿易:母国ではない国で生産したものを仕入れて輸出する方法

理想的なのは、関税やコストを圧迫する物流費が少ない消費地生産です。

2)展開手法

展開手法とは、「誰が誰に販売するのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 多くの企業が行っている「BtoB」といわれる代理店・販売店取引
  • 越境EC
  • 消費地で運営する自社のEC

最初からマーケティング費用の全てを負担することになる自社のECは、なかなか難しいというのが実情です。

3)進出形態

進出形態とは、「誰が役務提供者になるか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 駐在員事務所・支店
  • 現地法人
  • 日本法人

主な違いは、駐在員事務所・支店は法人口座を持たず、現地法人は法人口座を持つことです。

4 海外で売上を伸ばしていくまでのステップ

海外進出を拡張させていくための過程で、各項目のチャネルを組み合わせていく理想的なステップについて、具体的にお伝えしていきます。

1)ステップ1:少ないリソースから始める(代理店・販売店の活用)

日本企業が海外進出を行う際の大きな課題は、さまざまなリソースが限られていることです。この課題の解決は困難ですので、少ないリソースから始め、失敗した場合の影響を最小限にする必要があります。

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最もリソースが必要となるのはマーケティングです。これについては、自社で全て行おうとせず、一部の販売役務を海外企業に担ってもらいます。展開手法は現地の代理店や販売店に任せるとよいでしょう。

日本企業が海外の消費者に販売するには多くの広告費がかかりますが、広告費自体は、一定の期間と情報があれば最適化され、より低価格になっていくと思います。ですが、情報の収集も自社で対応しようとすると、相当なリソースを割かなければならず、現実的ではありません。

2)ステップ2:ターゲット国・地域に対する最適化を進める(販売を自社でフォロー)

ステップ1を複数国で展開すると、どこの国・地域で販売できるかが、ある程度分かってきます。また、海外の販売代理店からも、「なぜ売れる?」「なぜ売れない?」という情報が入ってきます。ステップ1である程度満足できる売れ行きだった国・地域に注目し、次のステップに進みます。

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理想は現地法人を設立し、現地に生産体制を確立して生産および販売やフォローを行うことですが、これには多くの費用や工数がかかります。製造プロセスを大きく変更することもリスクです。このリスクを踏まえ、筆者がお勧めするのが上のステップ2なのです。

生産・物流体制では、ターゲット国・地域の近隣に位置し、輸出入の関税が削減できそうで、日本での販売のための生産も可能そうなエリアで生産を委託します。また、進出形態では、駐在員事務所・支店を開設して、販売をフォローします。この方法だと、情報が把握でき、ある程度売れると分かっている対象国に向けて、適切に最適化していくことができます。

3)ステップ3:ターゲット国・地域に対する最適化の最終形態(事業活動の現地化)

ステップ2まで進むと、販売を増やすには「どういう消費者に」「どのようなアプローチで」「どの程度のコストをかけるべきか」が分かってきます。その上で、生産を消費地に移して物流費用を最小化させ、消費地で自社ECを展開して、オンライン上からも的確なアプローチを行えるようにします。

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ステップ1、ステップ2を通過して自社ECを展開すると、情報の質・量が格段に上がってきますので、優位にビジネスを進めることができるでしょう。また、現地法人を持つことで経営の自由度が高くなります。まさに、「海外進出が成功した」状態になったといえます。

5 まとめ:「海外の代理店・販売店探し」のための商談を

リソースが限られた中小企業が海外進出を成功させる術は、ステップごとに進化させ、リスクを管理しながら進めていくことです。

この記事を読まれた方には、まずは海外企業と多く商談し、現地で販売を担ってもらう代理店・販売店の契約を獲得していくことを強くお勧めします。海外企業と商談する方法は、多岐にわたって存在します。

弊社でも、2万回以上の商談機会を設けた「セカイコネクト」というツールを運営しておりますが、今後はインターネット上で海外企業と商談することが、より当たり前になっていくと思います。

以上(2022年7月)
(執筆 COUXU株式会社 代表取締役 大村晶彦)

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画像:Travel mania-shutterstock

男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

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男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

1 育児休業期間中の保険料免除制度など(赤線部令和4年10月1日施行)

◇社会保険料の免除【社会保険】

社会保険料の免除【社会保険】

◇育児休業給付金【雇用保険】

育児休業給付金【雇用保険】

2 両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)の概要

◇男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

◇男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

3 さいごに

大手ハウスメーカーが実施した調査によれば、就職活動中の20代男性の過半数が、男性の育児休業制度や取り組みの有無は「就職活動に影響する」と回答しているようです。このことからも男性の育児休業推進は、企業イメージの向上や人材確保にも寄与するものと期待されています。法改正への対応を契機に、助成金を活用しながら、男性従業員が育児休業を取得しやすい環境整備・風土醸成に取り組んでみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年6月13日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

事業承継で何を引き継ぐのか 中小企業の経営者が知っておくべきこと

近年、中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化がすすむなかで、事業承継は重要な経営課題になっているが、どのように準備をしたらよいのか、漠然としている部分もあるだろう。ここでは、事業承継とは何か、何を誰に引き継ぐのか等、中小企業の経営者が知っておきたい事業承継について全3回で解説していく。

(日本法令ビジネスガイドより)
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【朝礼】お客さまの数だけ“ニーズ”がある

先日、連休を使って実家に帰った際、父と母と3人で東京都八王子市にある高尾山にハイキングに行きました。今日は、その高尾山で感じたことを皆さんにお話ししたいと思います。

私が普段あまりハイキングをしないということもあるのでしょうが、高尾山の麓に到着したとき、私はまず人の多さに驚きました。最寄り駅からすでに人だかりができて、山に入るのも一苦労。登山者も、父や母よりはるかに年上の方、子連れの外国人の方、ベビーカーを押す赤ちゃん連れの夫婦などさまざまでした。

後から調べてみると、高尾山の登山者数は年間約300万人で、登山者数が世界一の山といわれているそうです。なぜ、それだけ人気があるのか。理由は色々と考えられるでしょうが、私は「人によってさまざまな楽しみ方ができる山だからではないか」と思いました。

例えば、山の麓から中腹までは、大人数乗りのケーブルカーと2人乗りのリフトが通っています。どちらも山の景色をゆっくり楽しめますが、ケーブルカーは急勾配の斜面に敷かれた線路がまるでジェットコースターのようで、小学生ぐらいの子どもが大はしゃぎしていました。一方、リフトのほうは帰りに乗りましたが、2人乗りでゆったりとくつろげるため、夫婦やカップルの人たちが多く利用していました。また、からだ全体で風を受けるのがとても心地よく、汗をかいた後で乗ったときの気分は爽快でした。

高尾山は、緑がきれいな山ですが、一方で、修験道(しゅげんどう)の山としても知られています。登山道の途中には修験道となじみの深いてんぐの像があり、外国人の方などが興味深く見ていました。また、高尾山の山頂付近には名物のとろろそばが食べられるお店があり、登頂の達成感と一緒にそばを味わうこともできました。

つまり、一言で「ハイキング」といっても、その中に景色、乗り物、歴史、グルメなどさまざまな楽しみがありました。そこで、ふと思ったのは、「私たちは、日ごろ商品やサービスを提供する際、お客さまの“ニーズ”を勝手に決めつけていないか」ということです。

通常、商品やサービスには、象徴的なユーザーである「ペルソナ」がいて、私たちはそのペルソナに商品やサービスを使ってもらえるよう工夫します。これはマーケティングの基本ですが、一方で私は最近、会社から提示されたペルソナにとらわれすぎて、自分でお客さまそれぞれのニーズを推し量ることをしていないように思います。

高尾山にさまざまな楽しみ方があるように、お客さまが商品やサービスに求めるニーズは、細かく見ていけば一人ひとり異なります。ペルソナを押さえるのは大事ですが、「この商品・サービスは○○のために使うものだ」と決めつけず、お客さまのさまざまなニーズを推量し、「あんなケースでも、こんなケースでも使える」と提案できるようになりたいと思った今日このごろです。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

AI、ドローン、売買マッチングなど「林業テック」最前線/新技術で変わる農林水産業(2)

書いてあること

  • 主な読者:業務の効率化や人手不足の解消を図りたい林業経営者
  • 課題:業務の効率化、人手不足などを解消するための新規事業を行いたい
  • 解決策:事例を参考に、AIやドローンなどを業務に取り入れる

1 テクノロジーで林業の課題を解決「林業テック」

近年、農林水産業を営む企業で、人工知能(AI)やドローンなどのテクノロジーを取り入れる動きが出てきています。体力勝負のこまめな管理や、自然環境の影響を大きく受けるこれらの業界では、次のような課題が挙げられています。

  • 高齢化による人手不足、ノウハウの継承
  • 変化する自然環境への対応
  • 効率的、持続的な生産・収穫・漁獲体制の確立

このシリーズでは、農林水産業を営む企業が直面する課題を解決するための最新テクノロジーの動向と、その活用事例を紹介します。

第2回の今回のテーマは、林業が直面する課題を解決するための「林業テック」です。具体的には、

  • ドローンを使った森林の資源量調査
  • 地理情報システムを基にAIが分析する、森林の成長予測
  • VR(仮想現実)を取り入れた労働災害シミュレーション
  • 製材所とユーザー間で木材の売買を行うプラットフォームの運営

といった取り組みを紹介します。

2 「林業テック」取り組み事例

今回登場するのは、ドローンや地理情報システムを用いて森林の調査や成長を予測するもの、伐採時に木材を自動計測してより分けるものなどです。

これまでは、山深い森林に人が立ち入り、人力で伐採や運搬などの重労働をしていましたが、こうしたテクノロジーを導入することで、次のような変化を起こすことができます。

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1)ドローン×森林調査

従来の森林調査では、調査対象の山に人が入って、樹木の本数や大きさなどを計測していました。この方法では、労働力や時間がかかるだけでなく、整備されていない斜面を移動することで滑落や遭難などのリスクもあります。また、調査員や山の所有者の高齢化に伴い、調査が行えずに山が荒れ放題になるという課題もあります。ドローンを飛ばすことで、こうした労力、時間、リスクなどを低下させることができます。

位置情報などを利用したITサービスを提供するジオサーフ(東京都)は、林業関連の商社の竹谷商事(大阪府)と共に、AIによって自律飛行が可能なドローンを用いた森林調査(境界線、樹種、大きさなどを計測する調査)のサービスを提供しています。

空間認識能力に優れ、狭い箇所での点検などに適したドローン「SkydioJ2」を用いることで、樹木が密集した山中でも、障害物を自動で回避し、画像による森林調査を行うことができます。調査で得られた画像データは、三次元モデルとして出力でき、計測誤差も公共測量の規定内に収まったといいます。

2)地理情報システム(GIS)×AIで森林を予測

「森林大国」ともいわれ、森林が国土の70%以上を占めるフィンランドでは、AIを用いて森林の成長予測を行うサービスが登場しています。CollectiveCrunch(コレクティブ・クランチ、フィンランド)は、地理情報システム(コンピュータ上でさまざまな地理空間情報を重ね合わせて表示するためのシステム)を基に、長期的に蓄積され日々更新している衛星画像や地形データ、気象データなどを取得。それをAIが解析し、対象エリアの森林資源の質や量を予測します。

この「Linda Forest(リンダフォレスト)」というサービスは、対象の森林がどのくらいの二酸化炭素(CO2)を吸収しているかも測定できるため、排出権取引にも効果的なサービスとされています。さらに、高解像度の画像から土壌の水分量や温度などを分析することで、潜在的な災害リスクを把握することもできます。

現時点で、同社のサービスは日本では提供されていませんが、他のヨーロッパ諸国との取引もあるようです。フィンランドと同様に国土の多くを森林が占める日本でも、同様のサービスの登場が期待されます。

3)ドローン×木材の運搬

ドローンの活用は、木材(苗木)の運搬でも導入が始まっています。これまでは重い苗木を担いで山に登っていた造林作業の効率化や、運搬者が腰を痛めるなどのリスクを抑えることができます。

住友林業(東京都)は、産業用ドローンの製造・販売などを行うマゼックス(大阪府)と共同で、林業に特化した苗木の運搬ドローン「森飛(morito)」を開発しました。15キログラムまでの重量を持ち上げ、目的地まで最短で飛行できるため、従来の人力で運ぶ場合と比べた作業効率は8倍になるといいます。視界の悪い山中で飛行させるため、高精度のGPSを搭載。飛行ルートの設定や、ルートに沿った自動飛行も可能です。

同様の実証実験を林野庁も行っており、1万1920本の苗木の運搬から植栽までにかかった工数は、ドローンの場合が58.5人日、人力の場合が74.5人日と、16人日程度の省力化が実証されました。

今後の課題としては、運搬できる重量の増加や、重い苗木を持ち上げたまま機体を制御する技術の向上などが挙げられます。

4)高性能林業機械×木材データの見える化

建設機械メーカーは、伐採した木材の品質や寸歩などを自動的にデータ化し、業務の効率化につなげる性能を持たせたハーベスタ(伐採から集積まで行う機械)などの「高性能林業機械」を販売しています。こうしたデータをサプライ・チェーン全体で共有することで、森林資源の調査から需給のマッチングの円滑化などが期待できます。

小松製作所(東京都)が開発した造材用のハーベスタ「C93」は、造材時の木材のデータ(長さ、グレードなど)を集計。データはクラウドサービスLandlog(ランドログ)を利用して「見える化」しています。日々の造材データを収集することで、作業の進捗確認や、従来は現地で人力で行っていた木材の検木が省力化されます。

住友建機(東京都)が提携するKESLA社(フィンランド)のハーベスタにも、ICT機能が搭載されています。このハーベスタでは、あらかじめ切断する長さや直径、価格も設定できます。造材後は、樹種や寸法、用途などまでデータ保存できます。

5)VR×木材運搬

従来、木材を積み込むクレーン操作は、クレーンに外付けされているシート(トップシート)で作業していました。野外での長時間の作業となることや、クレーンと運搬車両の移動時に転落するなどの事故が課題となっています。

この課題を解決するのが、フィンランドのHIAB(ヒアブ)が開発したVR(仮想現実)ゴーグルを導入した木材運搬用のクレーン「HiVision」です。木材輸送用のトラックに乗ったまま、周囲270度の視界を持つVRゴーグルで周囲を確認しながら、手元の操作スティックでクレーンを操作して木材の積み込みができます。

6)ウェブサイト×売買マッチング

木材を販売する分野にも林業テックは広まり始めています。国産の木材を用いた製品の製造販売などを行うフロンティアジャパン(東京都)は、製材会社と買い手をマッチングさせるウェブサイト「KIBA.com(キバドットコム)」を運営しています。

同社は、林業事業者の課題の一つに、売り手と買い手の情報不足があると考えました。売買双方が情報交換でき、開かれた取引を実現できる業界初といわれるプラットフォームを作ることで、業界の活性化を狙っています。

ウェブサイトでは、全国の製材会社が原木や板材、内装材などを販売し、個人を除く木材のユーザーが購入できます。また、購入後、希望の寸法に製材や乾燥などの処理を依頼することも可能です。

7)VR×安全教育

自然環境に関するコンサルティングを行う森林環境リアライズ(北海道)は、VRを使って、林業で発生する労働災害をシミュレーションし、安全教習に役立てる「林業労働災害VR体験シミュレーター」を提供しています。

林業に従事する際の、伐倒方向未確認、幹割れなど代表的な8つの労働災害の事例をVR映像で体験することができます。また、トレーニングモードも収録されているため、安全な作業手順を確認しながら安全教習を行うことができます。

3 林業テック関連のデータ:ニーズと課題、需給など

これまで見てきたように、さまざまなシーンで「林業テック」導入の動きが始まっています。林野庁の資料から、求められているニーズや課題、需給などの状況を見てみましょう。

1)林業テックのニーズと課題

林野庁では、最新技術を導入した林業「スマート林業」を進めるため、全国の森林事業者などに対してマッチミーティングを行っています。そのマッチミーティングの参加者に対して行ったアンケートによると、スマート林業で今後取り組みたい分野や、スマート林業を実施する際の課題には次のようなものが挙げられています。

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この調査によると、今後取り組みたい分野として、「森林情報の高度化・共有化」が32%、「施業集約化の効率化・省力化」が26%と回答の上位を占めています。これは、ドローンやレーザーを利用して資源量を調査し、それの共有や、森林の性質や目的ごとに区分けするゾーニングなどに活用したいという意向がうかがえます。

また、実施する際の課題として、「関係者間の合意形成」が79%、「関係者の連携体制の構築」が71%、「人材育成」が63%と過半数を超えています。自社以外に関係する企業、機関と共にスマート林業を進めながら、自社内でも最新技術を使いこなせる人材の育成が課題と考えているといえそうです。

2)令和2年木材需給表

農林水産省「令和2年木材需給表」によると、木材需給の推移は次の通りです。

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この統計によると、2020年は国内消費(需要)が約7143万立方メートル、輸出(需要)が約301万立方メートルで推移しています。一方、国内生産(供給)は約3115万立方メートル、輸入(供給)は4329万立方メートルとなっています。

国内消費が約7000万立方メートル前後で推移している一方、輸入していた外国産の木材が減少しています。その減少分を埋めるように国内生産がここ10年で約1.6倍に増加しています。

また、供給量は少ないものの、輸出の需要が約1.9倍に増加しており、国内外で日本産の木材のニーズが高まっているといえそうです。

3)森林・林業統計要覧2021

林野庁「森林・林業統計要覧2021」によると、林業機械の所有状況および高性能林業機械の普及状況は次の通りです。

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この統計によると、林業機械は、9年の間にほぼ半減しています。一方、高性能林業機械の所有台数は、ハーベスタやフォワーダなどが右肩上がりで増加していますが、タワーヤーダ、スキッダは横ばいや減少しています。

これまでの主流だった人力による林業機械が徐々に減少し、より効率的に作業を行うことができる高性能林業機械へのシフトが進んでいるといえそうです。

以上(2022年7月)

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画像:Milan-Adobe Stock

時代に合わせ、三度の業種・業態変更で成長。ミモザ藤田社長に聞く、変化を生み出しチャレンジし続ける秘訣。

藤田淳一(ふじた じゅんいち)

プロフィール
株式会社ミモザホールディングス代表取締役社長。インターネットショップ運営などを手がける株式会社ミモザ情報システム、株式会社ベクルックスの代表も務める。

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常に次を見据えて事業を拡大

―― 本日はよろしくお願いします。はじめに改めて事業内容を教えてください。

インターネットを使ったビジネスをしています。ホールディングス化していて、ミモザ情報システムでは対企業、ベクルックスでは対個人と、お客様によって会社を分けています。

事業としてはインターネットショップの運営が中心です。ソフトウェア系と事務系に分けて、13ショップを運営しています。特徴は、「1メーカー1ショップ」にしていること。運営側としては、さまざまなメーカーの商品と取り扱う総合ショップの方が運営しやすいのですが、お客様からすると分かりにくい。そのためショップを分けて、お客様の使いやすさにこだわっています。加えて強みをつくるために、大手ネットショップではなかなか手が届かない、商品知識や業務知識など、専門性の高い発信を強化しています。

加えて、対企業においてはネットショップをご利用いただいている全国のお客様から、システム案件も受注しています。商材である財務会計や給与計算のソフトの導入や、バージョンアップのお手伝いなどです。顧客リストは全国14万社。中小企業を中心に、多業種にサービスを展開しています。

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―― 今の事業に到るまで、業種や業態を変えてきたと伺っています。創業からこれまでの沿革を教えてください。

創業は29年前、ちょうどWindows95が出た頃のことです。データ入力とパソコンの訪問販売の事業から始まりました。私は大学卒業後企業に入社し、データ入力などの仕事をしていましたが、自分でやりたいという思いがあり独立したのです。

しかし、しばらくやってみると、データ入力とパソコンの訪問販売は人海戦術となる上に単価が安く、継続が厳しいと感じました。
目をつけたのは財務会計や給与計算などの業務ソフト。業務ソフトであればさまざまなジャンルがあり、導入する際に業務知識も必要なので、サポートが必要とされるだろうと考えたのです。これが当たって、売り上げが伸びました。その段階で社員を採用し、徐々に組織ができました。

ただ業界が伸びると競合他社も爆増。次の事業を作る必要を感じていました。さまざまな事業を試してみる中で、現在のネットショップ事業にたどり着いたのです。ミモザは常に変化してきた会社と言えるのではないかと思います。

現状維持=右肩下がり。ルールの範囲で常にチャレンジを

―― ミモザグループでも、「変化する社会の動きを的確に捉え、求められるサービスを創造する」ことを経営理念に置かれていますよね。積極的にチャレンジし変化することに対して、どんな思いをお持ちですか?

現状維持=右肩下がりでしかないという怖さがあります。もっと会社を大きくしたいと考えているので、現状に満足していません。

例えば同時期に起業した人が成功しているのを見れば、「なんで彼にできて俺にできないんだろう」と思う。負けん気ですよね。上には上がいますし、相手は勝負している気なんてないでしょう。自分で勝手に勝負をしているだけですが、常に上を目指しています。

―― チャレンジに対する怖さはありませんか?

チャレンジのほとんどは失敗しますよ。ただ怖さはありません。今も昔も変わらず、失敗しても元に戻れるならやろうと考えているのです。例えば、1,000万投資して売り上げがゼロでも、始める前のかたちに戻れるならやろう、と。

―― チャレンジのルールを決めていらっしゃるのですね。

そうです。思いついたらある程度検討して、まずやってみます。他に大事にしているのは撤退ラインを決めることです。始める前に、いつまでにどれくらいの成果が出なかったらやめる、と決めています。

それから、思いつけばなんでもいいというわけではなく、これまで成功してきた「インターネット」「中小企業」というキーワードの中で事業をすることにしています。今の事業に全く関係のない飛び地での事業はリスクが大きい。今後を見据え、地続きの領域で事業を展開したいと考えています。

ビジネス・リポートONLINEで事業検討と社員教育

―― 日経トップリーダー経営者クラブでは、サービスの一環として豊富なビジネス情報を蓄積した「ビジネス・リポートONLINE」をご提供しています。藤田さんは「ビジネス・リポートONLINE」のヘビーユーザーのようですが、どのようにご活用いただいていますか?

まず、自分自身の勉強のために見ています。例えば、税制や社会保険制度の改正などがあった際、ビジネス・リポートONLINEにはポイントをまとめた記事がアップされます。それを読んで、自分が得ている情報に漏れがないか確認するようにしています。新聞の見出しのように記事のタイトルを見て情報を把握し、漏れがあった場合は記事を詳しく読み、自分でも追加で調べるようにしています。新しいことを常に考えているので、新規事業のタネになるかなど、さまざまな視点で幅広い分野の記事を読みますね。

あとは、記事をダウンロードして社員に毎日配信しています。例えば、会計・税務分野の記事を経理担当の社員に「この部分を詳しく理解してほしい」と個別に伝えることもあります。社員も読んでくれているようで、前後編に分かれている記事が出た際は、社員から「後編の配信はまだですか?」と聞かれることもありました。経営者仲間にも勧めています。

新入社員向けの記事はよくありますが、中堅、役員などそれ以外の年代や、担当業務別の情報があるとさらに嬉しいです。

社員の想いから変化が生まれる組織に

―― ありがとうございます。営業など業務別の記事の配信を増やしていく予定なので、ぜひご確認ください。最後に、今後の展望について教えてください。

今後は、事業拡大が目標ですね。今はありがたいことに経営が安定し、チャレンジできる幅が広がりました。大きく売上を上げられるような新規事業を作りたいと考えています。ただ、ホームランは狙って打てるものではありません。ヒットをコツコツ積み重ねる中から、ホームランが生まれればいいと思っています。

課題は、ヒト・モノ・カネとそれぞれありますが、中でも特に人です。20代〜40代まで多様な年代の社員がいる中で、一人ひとりの考え方はもちろん違いますし、ジェネレーションギャップもあります。それをどう乗り越えて会社を運営していくかが難しいところです。自分の根底にある、変化を好む、チャレンジをしていく想いは変えるつもりはありません。でも、変化量やチャレンジ幅は人に合わせて調整しなければならないと感じています。

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今は全てトップダウンで決定しており、それも悪くないとは思っています。ただ、もっといろいろな部署からさまざまな想いが上がってきて、新しい変化を生み出せるようになるとより良いですね。今は、社員が一生懸命やっていることが褒められるのが一番嬉しいです。仕事とプライベートの区別はつけながら、透明性を保って会社としてチャレンジしていきたいです。

以上(2022年6月)

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