【朝礼】愚痴の後にはこの一言

皆さんは、愚痴を言ったことがありますか。広辞苑によると、愚痴には「仏教用語で理非の区別のつかないおろかさ」と、「言っても仕方のないことを言って嘆くこと」という意味があります。私たちが普段、口から出る愚痴はもちろん後者です。

「愚痴なんか一度も言ったことはありません」という人は、恐らくいないでしょう。私も時々、愚痴を言います。

どれほど親しい人でも、天職と思えるような大好きな仕事であっても、何一つ不満がないということはないでしょう。そのため、意識するとか、しないとかにかかわらず、つい愚痴の一つも出てしまうのです。むしろ、愚痴を言ったことはないというほうが不自然かもしれません。ですから、私は決して愚痴を言ってはいけないというつもりはありません。

ただし、愚痴を言っているときや愚痴を言いたくなったときに思い出してほしいことがあります。それは、人や仕事など愚痴の対象となっているものの多くは、自分にとって身近に存在しているものであり、大切にしなければならないものであるということです。

愚痴は、自分と異なる考え方や行動などを、不本意ながらも受け入れなければならない、もっと簡単にいうと、自分の思い通りにならないことに対する不満の表れです。

自分の愚痴を思い出してみてください。上司や同僚に関するものであれば、「私がやりたいように仕事をさせてくれない」「人の意見を何一つ聞き入れず、勝手に仕事を進めてしまう」などといったものではありませんか。こうした自分の思い通りにならない場面というのは、相手と接する機会が多い、すなわち身近に存在するものほど多くなりますから、必然的に身近な人やものへの愚痴も多くなります。

逆に、道ですれ違っただけの見ず知らずの人に対して愚痴を言うことは、ほとんどないはずです。それは、その人と接する機会がほとんどないから、愚痴を言う原因がないためです。

ですから、自分の身近にあるもの、本来は大切にしなければならないものほど、愚痴の対象となりやすいのです。では、もっとも愚痴の対象になる人は誰かを考えてみましょう。それは自分自身です。私は自分に対する愚痴が多く、「あのとき、すぐにやっていれば」「また同じ失敗をした。駄目だな~」「なんでこんなことが分からなかったのだろう」など、そのほとんどが後悔です。 

ビジネスでも、日常生活でも、愚痴をこぼさなければ、ストレスがたまる一方です。しかし、愚痴ばかり言っているようではいけません。愚痴を聞いている相手もいやになります。

愚痴を言うときは、愚痴の対象となっている人やものは、常に自分の身近にあり、自分にとって大切なものであるということを思い出してください。

そして、愚痴の後には、次のいずれかの一言を口に出して言いましょう。気持ちが前向きになります。

「よし、気持ちを切り替えよう」

「次はあの人も分かってくれるはすだ」

「分かってもらえるように説明しよう」

「次は必ずうまくいく」

        

以上(2022年7月)

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【営業最強フレーズ集】ヒアリング編3 「これ以上は検討も難しい、という金額はどのくらいですか?」

書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

これ以上は検討も難しい、という金額はどのくらいですか?

「予算」のことは聞きにくい?

営業担当者なら、こんな経験があると思います。オンライン終了後、会談内容を上司に報告。すると、上司から「で、先方の予算は?」と質問されました。相手に予算を確認していなかったので、冷や汗をかきながら上司に「確認していません」と答えるしかなく……。

上司からは「え、なんで予算を確認しないの? それが今日一番知りたいことでしょ」と指摘されるも、「そうは言ってもお金のことは聞きづらいんだよな、どうすればいいんだろう」と思ってしまいます。

営業では、予算などお金の話はとても大事です。購入の決定打になることもあるので、ある意味、一番肝心と言ってもいいでしょう。「お金の話ができない営業(担当者)は営業じゃない」と言う人もいるくらいです。にもかかわらず、お金の話をヒアリングできない営業担当者は少なくありません。「聞いてもはっきり答えてくれないのではないか」と思って二の足を踏むからです。

はっきり答えてくれない相手には……

「できるだけ確度の高い金額を提示して成約に結び付けたい。だから予算が知りたい」と考えるのが営業担当者です。

それに対して相手は、「具体的に予算が決まっているわけじゃない。まず、どの程度なのか、提示された金額を見てから考えたい」と思うものです。そのため、はっきりと答えてくれなかったりするのです。

そんなとき、ぜひ試したいのが冒頭で紹介した営業最強フレーズです。

この質問には大きく2つの意味があります。1つ目は、相手の予算感を確認するためです。多くの場合、相手は、「これ以上言ったら無理」という金額よりも少し下を答えるものです。そのため、相手の答えで、ある程度予算感がつかめます。

どうやったら相手は答えやすいのか

2つ目は、相手が答えやすくするためです。商談の初めの段階では、予算は決まっておらず、相手も答えようがありません。そこで「これ以上は」という“絞り込む”言葉を添えてみるのです。

「先日購入したとおっしゃっていた電気自動車の値段より下ですか?」など相手と自分との間で共通認識のある金額や、一般的に金額の相場が浸透しているものを例にしてもよいでしょう。

次の質問にもつなげやすくなる

予算を尋ねる質問は、相手の答え次第で次の質問もしやすくなります。例えば「1000万円くらい」と相手が答えたら、その金額はどこから出てきたのかを聞きましょう。例えば、同業他社から同じような提案を受けていて、その金額なのかもしれません。

繰り返しになりますが、お金のことは、営業担当者にとって最重要事項の1つです。相手が「答えやすいように」という点を考慮して質問を工夫してみましょう。ただし、相手との関係性や話の流れによっては、回りくどく質問するより、「今回、予算はどのくらいですか?」と率直に尋ねるほうがいい場合もあります。

以上(2022年7月)

pj70069
画像:Mariko Mitsuda

【営業最強フレーズ集】ヒアリング編4 「それはどなたのご発案なのですか?」

書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

それはどなたのご発案なのですか?

単刀直入に聞くのは難しい?

具体的な提案内容を練るためには、相手の予算やスケジュールなどを確認しなければなりません。「誰に決定権があるのか?」という意思決定者もその1つです。とはいえ、特に法人営業の場合、「意思決定者」にたどり着くのは簡単ではありません。

残念ながら、皆さんが話をしている相手は意思決定者ではないでしょう。しかし、単刀直入に、「あなたには決定権がありますか?」「意思決定者の方に会わせていただけませんか?」と尋ねるのは気が引けます。意思決定者を見つけるためには、尋ね方に工夫が必要です。

「誰が」という相手の答えから想像する

例えば、「この機能の付いた新しいツールが欲しい」「新企画を立ち上げようとしているのでアイデアを探している」など相手の課題やニーズが明らかになったとき、冒頭で紹介した営業最強フレーズを使ってみましょう。「それは面白いですね! どなたのご発案なのですか?」と言葉を増やしてもよいかもしれません。話の流れが自然になります。

相手が「発案者は社長です」「部長です」と明らかに立場の上の人を答えたとすると、その人こそが意思決定者だろうと想像できます。

また、相手が「私のアイデアです」と答えたとすると、この件はまだ「相手が頭の中で考えているだけ」なのかもしれません。その場合、「今後の進め方はどうなりますか? 上司の方と方針を詰めていくのでしょうか?」といったように尋ねてみましょう。今後の進め方をヒアリングしながら、意思決定者の存在を探る形です。

なぜ意思決定者を見つけるの?

営業において意思決定者を見つけるのは、購買決定要因をつかむためです。意思決定者は、いったいどこを重視して購入を決定するのか。それを踏まえて提案すれば、成約に一歩も二歩も近づきます。だから、意思決定者を早く“つかまえる”ことが大切なのです。

もし、話している相手に意思決定者のことを尋ねるのが難しければ、次のようなフレーズを使ってみましょう。

「この件を上司の方に伝えるとき、どこを重点的にご説明されますか?」

意思決定者を見つけられずとも、この質問で購買決定要因につながるヒントがもらえる可能性が高くなります。

“妻”の要望を早く見つけましょう

「意思決定者と購買決定要因を見つける」というと、難しく聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。夫婦に自動車の購入を勧めるのと同じです。自動者好きの夫に詳しく説明しつつ、妻の要望も聞いて応える。これは、財布を握っているのは往々にして妻だからです。日ごろの営業活動でも、早く“妻=意思決定者”とその購買決定要因を見つけて、確度の高い提案につなげていきましょう。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

自動メールで見込み客からの引き合いを増やせる安価なツール/基礎から分かる ウェブの活用で売上アップ(3)

書いてあること

  • 主な読者:ウェブを活用して売上アップにつなげたい、製造業、建設業など向けビジネスの経営者
  • 課題:メールを活用して見込み客へのフォローを強化し、引き合いを増やしたい
  • 解決策:CRM(顧客関係性管理)ツールを活用すれば、安価かつ自動で見込み客へのフォローができる

1 机に眠る名刺の束が「見込み客」を顧客にする宝の山に!

全国の製造業者と取引するある金型製造業者は、新規顧客の開拓につなげていた展示会が相次ぎ中止になったコロナ禍で、逆に売り上げを伸ばしました。一体なぜだと思いますか?

この金型製造業者が目を付けたのは、過去の展示会で交換した名刺の束。営業担当者たちが自分のデスクに名刺をしまい込んでいたものです。その名刺を、ある便利ツールに登録して、

名刺に記載されたメールアドレスに一斉にメール配信した結果、2件の成約につながった

のです。コロナ禍がなければ「ほったらかし」のままだったはずの見込み客が、メールを配信したことで、新規顧客に変わりました。

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展示会などの集客機会で接点を持った見込み客を多くの会社がほったらかしにしているのは、買ってくれるかどうか分からない確度の低い1社1社にアプローチするのは手間が掛かるからです。逆に考えれば、ご縁のあった先に、手間さえ掛けず効率的にお役に立つ情報をお届けすることができれば、そのご縁がつながり、取引先になる可能性が高まるわけです。そのための効果的な手法が

メールマーケティング

であり、それを支える便利ツールが

CRM(Customer Relationship Management)という顧客関係性管理の仕組み

です。

2 「メールマーケティング」と「CRMツール」

1)BtoBでのコミュニケーションはメールマーケティングが有効

このシリーズの第1回でもご説明しましたが、ウェブ活用で重要なのは、「マーケティング=売れる仕組みづくり」です。それを実現するために、メールでのアプローチを活用することをメールマーケティングといいます。

対消費者向けビジネスでは、LINEなどのSNSツールでのコミュニケーションが多くなりましたが、

事業者同士のコミュニケーションツールは、まだまだメールが主流

です。

そこで、名刺交換や問い合わせなどでいただいたメールアドレスに対して、メールで情報提供を行い、フォローを継続することで、引き合いにつなげていきます。

2)高機能なCRMツールが安価に使える

メールマーケティングを効率的に実施するためのツールとして、CRMツールがあります。CRMは、顧客関係性管理と訳され、

顧客と良好な関係性を築き、継続していくための施策

をいいます。そして、顧客との関係性を構築・維持していくためのツールがCRMツールです。

CRMツールの一例としてお薦めするのが、「Zoho Campaigns(ゾーホー・キャンペーン)」です。このツールの特徴は、何と言っても1カ月当たり数百円から(メール配信数などにより変動)、メールマーケティングを実践できるというコスト面での優位さです。

■Zoho Campaigns■
https://www.zoho.com/jp/campaigns/

このツールを使えば、登録したメールアドレスに対して、ホームページのような画像付きのメール(HTML形式のメール)を配信できます。このメール内に、自社のホームページのアドレスをリンクさせることもできます。

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さらに、配信したメールの開封率はもちろん、どのメールアドレスの配信先がリンクをクリックしたかまで分かります。リンクをクリックした方は、興味・関心度が高いということですから、その方を個別にフォローして商談につなげたりできます。

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3)他にもあるCRMツール

お薦めしたZoho Campaigns以外にも、高機能で価格の比較的安いさまざまなCRMツールが販売されています。比較検討の上、ぜひご活用ください。

■配配メール■
https://www.hai2mail.jp/
■コンビーズメール■
https://www.combzmail.jp/
■ブラストメール■
https://blastmail.jp/

3 メールマーケティングの全工程を自動でやってくれる「MA」

メールマーケティングと、それを実践するためのCRMツールについてはご理解いただけたと思います。実は最近、メールマーケティングにおいて、マーケティング・オートメーションが注目されています。マーケティング・オートメーション(通称MA)とは、

顧客情報の収集と蓄積・見込み客に対する興味喚起・各種施策の結果分析などを自動化する取り組み

のことです。例えば、次のような流れで展開します。

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資料ダウンロードからメールでのフォローが全て自動化されているので、スタッフはアポイントの依頼を受け、商談をするだけ。手間を掛けずに、見込み客を商談につなげることが可能な仕組みです。

「そんな仕組みをつくるには、相当なお金が掛かるでしょ。中小企業には無理だよ」と思ったあなたに朗報です。上記で紹介したZoho CampaignsなどのCRMツールを利用すれば、1カ月当たり数百円~数千円で実行可能です。

CRMツールを活用してメールマーケティングに取り組めば、今まで眠っていた見込み客があなたのもとにやってくるでしょう。しかも、それを安価に実現できる時代がもう到来しているのです。

以上(2022年7月)

pj70112
画像:Pixel-Shot-Adobe Stock
執筆者サイト:https://glocal-marketing.jp/

【朝礼】怖さに向き合う秘訣

今日は「怖さ」について話をします。皆さんはどのようなときに「怖い」と感じるでしょうか。初対面の人と会うとき?偉い人や大先輩と話すとき?初めての仕事をするとき?飛行機に乗ることが怖いという人も多いでしょう。このようにさまざまな場面で人は「怖さ」を感じるのです。この「怖さ」は、積極的に物事に取り組むことを妨げたり、物事を実行に移すための動機をなくしたりします。つまり行動力を弱めるのです。

逆に考えれば「怖さ」を感じないようにできれば積極的になれますし、実行力も出てくるでしょう。でも、そんなことは本当にできるのでしょうか。例えば飛行機。あんな金属の塊の中で何千メートルもの高度を飛ぶことは、いざというときのことを考えれば怖くないはずがありません。それから、初対面の人と話すのは誰でも怖いし不安です。ましてや相手が著名人や大物であればなおさらです。私も経営者(ビジネスパーソン)として、何年も経験を積んでいますが、いまだ「怖いこと」は減るどころか、増えています。

そこで、こうした「怖さ」を乗り越える方法について考えてみました。実は「怖さ」を克服する方法はあるのです。

一つは「怖さ」に慣れることですが、これは簡単ではありません。

もう一つは、怖さの先にある楽しいことを想像することです。これが最も効果的な方法かもしれません。飛行機は怖いけれど、目的地に着いたら温泉がまっているとか、息苦しく怖い社長へのプレゼンテーションが終われば、今日の仕事が一息付くとかです。

大切なのは、まず「怖さ」を認めるということです。認めるということは弾き返すのとは違います。「怖さ」を感じないようにしようと、「怖さ」に対して鉄壁の防御を設けてもうまくいきません。まずは受け入れるというのが第一歩です。

この世に「怖さ」を感じない人はいないのです。世界のホームラン王である王貞治さんでも、現役選手時代には開幕が近づくにつれ、「今年はホームランを打てないのではないのか」といった考えがよぎり、怖くなったといいます。

最後にとっておきの「怖さ」に向き合う秘訣を紹介します。「怖さ」を別の表現にしてしまうのです。例えば「あの人に会うのは怖い」を「あの人に会う時は何だかドキドキする」と表現するのです。「ドキドキする」とはなんとも子供じみた表現ですが、異性とのデート、コンサートやジェットコースターなどで興奮した際の「ドキドキ」を想像してください。怖くてドキドキするのも、興奮してドキドキするのも、同じ生理現象なのです。

「怖いこと」を「ドキドキすること」と考えるようにすると、何だか期待感がわき、緊張がとれ、積極的に物事に取り組めるようになります。

以上(2022年7月)

op16455
画像:Mariko Mitsuda

海外販路開拓の秘訣 ~成功を目指す3ステップ~

書いてあること

  • 主な読者:海外で販路開拓をしたい経営者
  • 課題:低いリスクと少ないリソースで、海外での収益を安定させたい
  • 解決策:頼れる代理店・販売店を獲得し、海外進出のステップごとに戦術を変える

1 たった1回の取引で満足してはいけない

筆者は、これまでに300社ほどの中小企業の海外進出を支援し、2万回ほどの商談をアレンジしてきました。また、筆者自身も海外でバイヤーを多数開拓してきました。その経験から申しますと、「単発の取引ができた」だけで、海外進出に成功したと満足している経営者が少なくありませんが、これはもったいないことです。

海外進出をするのであれば、海外販売で継続的に収益が増える状態、つまり「実現性、再現性、継続性、拡張性」の4点をカバーしたいものです。具体的には、

年間に十数回の取引を行い、年間売上で合計5000万~1億円

を目標として掲げ、実際にこの規模のビジネスを回すための資金や仕入れルートの確保、生産や物流体制の整備も進めることが重要になります。

この記事では、海外で販路開拓をしたい中小企業のために、

低いリスクと少ないリソースでも海外での収益を安定、成長させるためのステップ

を解説します。皆さまが海外進出する際の参考になれば幸いです。

2 ニーズが全て! マッチし続ける国・地域を探す

海外進出を成功させるには、何といってもニーズが継続的にあるマーケットを見つけることです。そのためには、以下のいずれか、または両方をするしかありません。

  • マーケットマッチしている市場を見つける
  • マーケットマッチするために変化・順応する

1.は、あらゆる国・地域に営業し、ニーズがマッチする市場を探すことです。2.は、例えば商品や商品の売り方、売る値段を変えて、販売先のニーズに合わせて自社が対応することです。イメージは下の図の通りです。

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3 ポイントは生産・物流体制、展開手法、進出形態の選択

海外進出を成功させるために重要なのが、

生産・物流体制、展開手法、進出形態

の検討と整備です。海外進出の過程ごとに、これらの組み合わせを変えていくことがポイントです。

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1)生産・物流体制

生産・物流体制とは、「どこから」「どこに送るのか」「誰が送るのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 直接貿易:メーカー(もしくは母国で仕入れた企業)が直接的に輸出する方法
  • 消費地生産:メーカーが販売先で生産して販売する方法
  • 三国間貿易:母国ではない国で生産したものを仕入れて輸出する方法

理想的なのは、関税やコストを圧迫する物流費が少ない消費地生産です。

2)展開手法

展開手法とは、「誰が誰に販売するのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 多くの企業が行っている「BtoB」といわれる代理店・販売店取引
  • 越境EC
  • 消費地で運営する自社のEC

最初からマーケティング費用の全てを負担することになる自社のECは、なかなか難しいというのが実情です。

3)進出形態

進出形態とは、「誰が役務提供者になるか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 駐在員事務所・支店
  • 現地法人
  • 日本法人

主な違いは、駐在員事務所・支店は法人口座を持たず、現地法人は法人口座を持つことです。

4 海外で売上を伸ばしていくまでのステップ

海外進出を拡張させていくための過程で、各項目のチャネルを組み合わせていく理想的なステップについて、具体的にお伝えしていきます。

1)ステップ1:少ないリソースから始める(代理店・販売店の活用)

日本企業が海外進出を行う際の大きな課題は、さまざまなリソースが限られていることです。この課題の解決は困難ですので、少ないリソースから始め、失敗した場合の影響を最小限にする必要があります。

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最もリソースが必要となるのはマーケティングです。これについては、自社で全て行おうとせず、一部の販売役務を海外企業に担ってもらいます。展開手法は現地の代理店や販売店に任せるとよいでしょう。

日本企業が海外の消費者に販売するには多くの広告費がかかりますが、広告費自体は、一定の期間と情報があれば最適化され、より低価格になっていくと思います。ですが、情報の収集も自社で対応しようとすると、相当なリソースを割かなければならず、現実的ではありません。

2)ステップ2:ターゲット国・地域に対する最適化を進める(販売を自社でフォロー)

ステップ1を複数国で展開すると、どこの国・地域で販売できるかが、ある程度分かってきます。また、海外の販売代理店からも、「なぜ売れる?」「なぜ売れない?」という情報が入ってきます。ステップ1である程度満足できる売れ行きだった国・地域に注目し、次のステップに進みます。

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理想は現地法人を設立し、現地に生産体制を確立して生産および販売やフォローを行うことですが、これには多くの費用や工数がかかります。製造プロセスを大きく変更することもリスクです。このリスクを踏まえ、筆者がお勧めするのが上のステップ2なのです。

生産・物流体制では、ターゲット国・地域の近隣に位置し、輸出入の関税が削減できそうで、日本での販売のための生産も可能そうなエリアで生産を委託します。また、進出形態では、駐在員事務所・支店を開設して、販売をフォローします。この方法だと、情報が把握でき、ある程度売れると分かっている対象国に向けて、適切に最適化していくことができます。

3)ステップ3:ターゲット国・地域に対する最適化の最終形態(事業活動の現地化)

ステップ2まで進むと、販売を増やすには「どういう消費者に」「どのようなアプローチで」「どの程度のコストをかけるべきか」が分かってきます。その上で、生産を消費地に移して物流費用を最小化させ、消費地で自社ECを展開して、オンライン上からも的確なアプローチを行えるようにします。

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ステップ1、ステップ2を通過して自社ECを展開すると、情報の質・量が格段に上がってきますので、優位にビジネスを進めることができるでしょう。また、現地法人を持つことで経営の自由度が高くなります。まさに、「海外進出が成功した」状態になったといえます。

5 まとめ:「海外の代理店・販売店探し」のための商談を

リソースが限られた中小企業が海外進出を成功させる術は、ステップごとに進化させ、リスクを管理しながら進めていくことです。

この記事を読まれた方には、まずは海外企業と多く商談し、現地で販売を担ってもらう代理店・販売店の契約を獲得していくことを強くお勧めします。海外企業と商談する方法は、多岐にわたって存在します。

弊社でも、2万回以上の商談機会を設けた「セカイコネクト」というツールを運営しておりますが、今後はインターネット上で海外企業と商談することが、より当たり前になっていくと思います。

以上(2022年7月)
(執筆 COUXU株式会社 代表取締役 大村晶彦)

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画像:Travel mania-shutterstock

男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

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男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

1 育児休業期間中の保険料免除制度など(赤線部令和4年10月1日施行)

◇社会保険料の免除【社会保険】

社会保険料の免除【社会保険】

◇育児休業給付金【雇用保険】

育児休業給付金【雇用保険】

2 両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)の概要

◇男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

◇男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

3 さいごに

大手ハウスメーカーが実施した調査によれば、就職活動中の20代男性の過半数が、男性の育児休業制度や取り組みの有無は「就職活動に影響する」と回答しているようです。このことからも男性の育児休業推進は、企業イメージの向上や人材確保にも寄与するものと期待されています。法改正への対応を契機に、助成金を活用しながら、男性従業員が育児休業を取得しやすい環境整備・風土醸成に取り組んでみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年6月13日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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事業承継で何を引き継ぐのか 中小企業の経営者が知っておくべきこと

近年、中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化がすすむなかで、事業承継は重要な経営課題になっているが、どのように準備をしたらよいのか、漠然としている部分もあるだろう。ここでは、事業承継とは何か、何を誰に引き継ぐのか等、中小企業の経営者が知っておきたい事業承継について全3回で解説していく。

(日本法令ビジネスガイドより)
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【朝礼】お客さまの数だけ“ニーズ”がある

先日、連休を使って実家に帰った際、父と母と3人で東京都八王子市にある高尾山にハイキングに行きました。今日は、その高尾山で感じたことを皆さんにお話ししたいと思います。

私が普段あまりハイキングをしないということもあるのでしょうが、高尾山の麓に到着したとき、私はまず人の多さに驚きました。最寄り駅からすでに人だかりができて、山に入るのも一苦労。登山者も、父や母よりはるかに年上の方、子連れの外国人の方、ベビーカーを押す赤ちゃん連れの夫婦などさまざまでした。

後から調べてみると、高尾山の登山者数は年間約300万人で、登山者数が世界一の山といわれているそうです。なぜ、それだけ人気があるのか。理由は色々と考えられるでしょうが、私は「人によってさまざまな楽しみ方ができる山だからではないか」と思いました。

例えば、山の麓から中腹までは、大人数乗りのケーブルカーと2人乗りのリフトが通っています。どちらも山の景色をゆっくり楽しめますが、ケーブルカーは急勾配の斜面に敷かれた線路がまるでジェットコースターのようで、小学生ぐらいの子どもが大はしゃぎしていました。一方、リフトのほうは帰りに乗りましたが、2人乗りでゆったりとくつろげるため、夫婦やカップルの人たちが多く利用していました。また、からだ全体で風を受けるのがとても心地よく、汗をかいた後で乗ったときの気分は爽快でした。

高尾山は、緑がきれいな山ですが、一方で、修験道(しゅげんどう)の山としても知られています。登山道の途中には修験道となじみの深いてんぐの像があり、外国人の方などが興味深く見ていました。また、高尾山の山頂付近には名物のとろろそばが食べられるお店があり、登頂の達成感と一緒にそばを味わうこともできました。

つまり、一言で「ハイキング」といっても、その中に景色、乗り物、歴史、グルメなどさまざまな楽しみがありました。そこで、ふと思ったのは、「私たちは、日ごろ商品やサービスを提供する際、お客さまの“ニーズ”を勝手に決めつけていないか」ということです。

通常、商品やサービスには、象徴的なユーザーである「ペルソナ」がいて、私たちはそのペルソナに商品やサービスを使ってもらえるよう工夫します。これはマーケティングの基本ですが、一方で私は最近、会社から提示されたペルソナにとらわれすぎて、自分でお客さまそれぞれのニーズを推し量ることをしていないように思います。

高尾山にさまざまな楽しみ方があるように、お客さまが商品やサービスに求めるニーズは、細かく見ていけば一人ひとり異なります。ペルソナを押さえるのは大事ですが、「この商品・サービスは○○のために使うものだ」と決めつけず、お客さまのさまざまなニーズを推量し、「あんなケースでも、こんなケースでも使える」と提案できるようになりたいと思った今日このごろです。

以上(2022年7月)

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