【朝礼】自分に足りない部分を見つけたら胸を張って語れ

先日行った業務改善のための社内会議は、とても有意義でした。皆さん一人ひとりが、自分の業務に関して感じているさまざまな課題について話してくれました。私は皆さんが自分の業務について真剣に考えてくれていて、本当にうれしかったです。一方で、一つ気になったことがありました。それは、自分に足りない部分があることを、恥ずかしそうに語っていた人がいたことです。私はむしろ、胸を張って語るべきだと思っています。けさは、私がそう思う理由をお話しします。

まずお伝えしておきたいのは、皆さんの中には営業、生産、経理、総務など、さまざまな業務の人がいますが、どの業務にも「もうここまでで十分」という“動かぬゴール”は、永遠にないということです。

皆さんには、常に現状より望ましい「理想の形」を目指すことが求められます。この「理想の形」の追求に終わりはありません。人は、何かの理想を達成するために、努力を重ねます。すると、理想を達成する頃には、それまでの努力の積み重ねによって、かつては見えなかった別の理想が見えてきます。いわば“動くゴール”です。

私がうれしいのは、業務も経験も違う皆さん全員が、自分の業務についての課題や、自分に足りない部分を認識してくれていたことです。皆さんが自分の業務に関して、常に理想の形を思い描いているからこそ、そこに及ばない部分を挙げてくれたのだと思います。

次に皆さんにお伝えしたいのは、「ベストを尽くしたのに理想の形に届いていない」ことは、決して恥ずかしいことではなく、むしろ胸を張っていいということです。

自分に足りない部分を語れるということは、自分の中できちんとPDCAサイクルを回せているということです。すなわち、理想の形を描くという「計画」、それに向けてベストを尽くすという「実行」、自分に足りない部分を見つけるという「評価」、そして足りない部分を補うためにさらにベストを尽くす「改善」です。PDCAサイクルを回しながらベストを尽くしている人は、理想の形に向かって、常に「自己ベスト」を更新しているわけですから、何ら恥じることはありません。

もし恥ずかしそうに語る必要があるとすれば、自分に足りないと感じている部分についてではなく、ベストを尽くしていないことについてではないでしょうか。

ただし、私はベストを尽くすといっても、いたずらに業務時間を延ばすなどの無理をしろと言っているわけではありません。時間的、予算的な制約もあるでしょうし、ほとんどの業務は社内外の相手あってのものですので、自分の力だけではどうにもならないことも理解しています。自分に足りない部分を語ってくれた人は、その制約や不可抗力すら言い訳にせず、「もっと自分にできたことはなかったのか」と考えてくれているわけですから、やはり胸を張るべきです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】「管理職の朝礼」で分かる会社のレベル

今朝は管理職の皆さんに集まってもらいました。少々厳しい話となりますが、とても大切なことなので、しっかりと聞いてください。

皆さんは、今の私と同じように、部下の前に立ってお話をする立場です。朝礼などを利用して部下に会社が大切にしている理念や価値観を伝え、実践させることが皆さんの仕事です。しかし、私から見ると、皆さんは朝礼がうまくありません。声のトーンや話すスピードなどプレゼンテーションのテクニックがマズイと言っているわけではありません。皆さんがどこからか“拝借”してきたような表層的な内容を、格好をつけて話していることが問題なのです。

我が社のように、朝礼を習慣にしている会社の管理職は、次の朝礼で何を話そうかと考え、“朝礼のネタ探し”をします。そのためにウェブサイトを見たり、書籍を読んだりするでしょう。

情報のインプットは大切ですが、そこで得られるネタは、管理職が自分の思いを分かりやすく伝えるための“切り口”にすぎません。しかし、管理職の中には、ネタをそのままスピーチの内容にしてしまう人がいます。例えば、年始の朝礼ではえとを話材にすることが多いのですが、一般的にいわれているその干支の年生まれの特徴などを紹介し、最後に「今年も頑張りましょう」で締めくくるだけのパターンです。ウェブサイトの記事を、ほぼそのまま話してしまう管理職もいます。

なぜ、このようになってしまうのか。それは、管理職が部下に伝えたいことを持っていないからです。あるいは、伝えたいことはあるけれど、話す内容に自信が持てないので、借りてきた言葉ばかり並べて格好をつけているというケースもあります。

両方とも、管理職としての役割をもう一度考えてもらわなければなりません。「朝礼ができない管理職」の問題は我が社に限ったことではありませんが、これは皆さんが考えている以上に深刻な問題です。会社が長く続き、大きくなっていく過程で生じる問題の一つは、意図せずに起こってしまう“理念や価値観の希釈”です。起業したてであれば、会社が本当に大切にしている理念や価値観は数人で共有すればよく、それらは議論の中で濃くしていくことができます。

しかし、組織が大きくなると理念や価値観を隅々まで伝えることが難しくなってきます。本来、そうした“理念や価値観の希釈”を抑える役割の一部を担うのは管理職です。にもかかわらず、年始のとても大切な朝礼の場で借りてきた話しかできないようでは、我が社のレベルは低いと言わざるを得ないでしょう。

管理職の皆さん、我が社の理念や価値観をもう一度、確認してください。そして、何度もそしゃくし、皆さんの言葉で部下に伝える努力をしてください。ぎこちなくてもいいのです。大切なのは、スピーチに込められた皆さんの思いです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

ネットショップはキラリと光る商品づくりが命/基礎から分かる ウェブの活用で売上アップ(1)

書いてあること

  • 主な読者:ウェブを活用して売上アップにつなげたい物販事業の経営者
  • 課題:ネットショップを開設し売上アップを図りたいが、どうすれば成功するか分からない
  • 解決策:キラリと光る商品づくりが重要で、ウェブの知識は専門家を使えば済む。「何を売るか」「誰に売るか」「どのように売るか」をしっかり設計すれば、商圏が広がる

1 町の布団屋さんに全国から注文が舞い込む「ウェブの力」

コロナ禍で減少した売り上げが戻らず、お悩みの経営者の皆さま。ここで劣勢を挽回するための一手を打たれてはいかがでしょうか? お薦めは、ウェブを活用した手法の導入です。自社ネットショップ、SNS、メールマーケティングなどのウェブツールを活用することで、「商圏」を確実に広げることができます。

このシリーズでは、ウェブを活用して売り上げをアップさせるための方法を、3回にわたってご紹介します。インターネットに不慣れな方でも分かりやすいように、基本的な仕組みやビジネスを行う上での考え方を中心にご説明いたします。

第1回目にご紹介するのは、店舗などで物販事業を行っている経営者の方にお薦めしたい、

自社ネットショップの開設

です。実際に、

町の布団屋さんに全国各地から注文が舞い込むようになった

酒屋さんの地ビールの品ぞろえが評判となり、遠方からの再購入が増えた

というケースもあります。

「そうはいっても、ウェブの知識がないので…」との心配はご無用。専門家との連携でカバーできます。それよりも重要なのは、従来の販売手法とは異なる、ネットショップならではの

売れる仕組みづくり

です。かく言う当社も、ネットショップではありませんが、コロナ禍に商圏を拡大することができました。コロナ前は本社のある新潟県とその隣県のお客さまへの個別支援が中心でしたが、コロナ後は全国のお客さまにオンラインでのセミナーやコンサルティングでご支援させていただいています。今回は、当社がアドバイスをさせていただいている、ネットショップを成功させるための手法をご紹介いたします。

2 「キラリと光る商品」がネットショップ成功のキーワード

1)ウェブの活用による販売機会の増大

今まで地域密着で商売をしてきた店舗・企業がウェブを活用することで、商圏を全国、全世界に広げることが可能となっています。

町の布団屋さんが自社ネットショップを開設した結果、全国に商圏を広げることに成功したのは冒頭の通りです。

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2)ウェブの活用による脅威

ウェブを活用することで商圏を広げられるということは、一方で脅威でもあります。逆に考えれば、既存の商圏内には、ネットショップを通じて、全国そして全世界から今まで以上に競合が攻めてくるということです。「うちは地域密着だから…」と油断していると、全国の競合からあっという間にお客さまを取られてしまう可能性もあります。

3)町の布団屋さんを全国クラスに押し上げた、オーダーメードのお昼寝布団

このような状況下で生き残り、売り上げを伸ばしていくためのキーワードは、ズバリ「キラリと光る商品・サービス」です。

ウェブの活用が進む世界では、競合は全国・全世界

です。そこで通用する「キラリと光る商品・サービス」があれば、それをウェブツールに乗せて、いくらでも売り上げを伸ばすことができるでしょう。

一方で、商品・サービスに魅力がなく、差異化要素がなければ、競争に負けて顧客を奪われてしまいます。

例えば、冒頭の布団屋さんの「キラリと光る商品・サービス」は、「オーダーメードのお昼寝布団」です。子育て経験のある方はご存じの通り、子供を保育園などに預ける際に、子供を寝かしつけるためのお昼寝布団を用意する必要があります。そのお昼寝布団を、オーダーメードで作るサービスが店舗で大人気でした。

そこに目を付け、店舗で人気のお昼寝布団という「キラリと光る商品・サービス」を自社のネットショップを開設して発信したところ、全国から注文が舞い込みました。そして、全国のお客さまからお喜びの声をたくさんいただきました。

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余談ですが、このお布団屋さんでは、商圏を広げたことでスタッフさんの士気が向上しました。「自分たちの商品・サービスは全国に通用することが分かった」「全国のお客さまとつながっている感じがしてうれしい」と、自店の商品・サービスに対して自信を深め、誇りを持てるようになったそうです。

3 ネットショップで商圏を拡大する3つのステップ

自社でもネットショップで商圏を広げて、全国に販路を開拓したいと思った方は、次の3つのステップで、具体的にご検討ください。

1)STEP1:キラリと光る商品を見つける

どこでも買える、どこにでもある商品であれば、ECモールと呼ばれる巨大なネットショップ群であるAmazonや楽天で、既に誰かが売っているでしょう。そうなると、価格勝負の世界になってしまいます。

まずは、自社や自店で既存のお客さまから喜んでいただいている、評判のよい商品・サービス、他社に負けない商品・サービスは何かを分析してみましょう。

ある酒屋さんは、珍しい「地ビールの品ぞろえ」が評判で、お客さまからよく「初めて出合う全国の地ビールがあって楽しい」との声をいただいていました。そこで、「出合ったことのない全国の地ビール」を売りにネットショップを展開することにしました。

2)STEP2:理想のお客さまを明確にする

「何を売るか」を考えた次は、「誰に売るか」、つまりターゲットを考えます。ターゲットというと難しそうですが、どんな方に買ってもらいたいか、「理想のお客さま像」を膨らませてください。

先ほどの酒屋さんは、理想のお客さまを、「遠方から店舗に来てくれたお客さま」に設定しました。このお店では、評判を聞いて店舗のある市内だけでなく、県内居住者や観光客など遠方からも店舗にお客さまがいらっしゃいます。遠方のお客さまは、どうしても来店頻度は下がってしまいます。観光客となれば、再度の来店は難しいかもしれません。しかし、ネットショップがあれば、遠方のお客さまでも来店せずに、ネットショップから再購入していただくことが可能です。

3)STEP3:アプローチ手法を設計する

「何を売るか」「誰に売るか」を考えたら、最後に「どのように売るか」というアプローチ手法を考えます。

最近では、特別な知識がなくてもネットショップを作って運営することができるようになりました。BASE(ベイス)、STORES(ストアーズ)など、簡単にネットショップを作れ、初期費用や月額費用が抑えられるネットショップ構築・運営サービスが多く出ています。お付き合いのあるホームページ制作会社に相談してみるのもよいでしょう。

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とはいえ、ただネットショップを作っただけでは、砂漠の真ん中にお店を出すのと同じことです。重要なのは、その

ネットショップをどうやって知ってもらい、どうやって訪れてもらうのかを設計すること

です。

事例でご紹介している酒屋さんは、理想のお客さまは「遠方から店舗に来てくれたお客さま」ですので、次のような施策を設計して、ネットショップに誘導することを考えました。

  • 来店時に顧客にショップカードを渡してネットショップを告知する
  • LINEへの登録を促し、LINEで定期的にネットショップ限定商品の案内を送る

4 重要なのは、ツールの知識よりも「売れる仕組みづくり」

お伝えした3つのステップ「何を売るか」「誰に売るか」「どのように売るか」という3要素を設計して、売れる仕組みをつくっていく活動を「マーケティング」といいます。

ウェブ活用で重要なことは、ネットショップやSNSなどウェブツールの使い方の前に、この「マーケティング=売れる仕組みづくり」を考えることです。いくら優れたウェブツールを使っても、商品・サービスに魅力がなかったり、お客さま像が不明確だったりすれば、売ることは難しいですよね。

ウェブやデジタルが苦手な方も多いかもしれませんが、そんな方でも大丈夫。ウェブツールの活用は専門家と連携して進めればよいでしょう。大切なのは、売れる仕組みの設計力です。まずは、今回お伝えした自社・自店の「キラリと光る商品・サービス」を探し、それを誰に、どのようにして届けていくか、その構想を練ってみてください。

以上(2022年5月)

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執筆者サイト:https://glocal-marketing.jp/

【中小企業のためのM&A】専門的な知識と経験でM&Aを支援してくれる「七人の専門家」

書いてあること

  • 主な読者:M&Aを検討しているが、誰に相談すればよいのか迷っている経営者
  • 課題:M&Aではさまざまな専門家が担当すると聞くが、具体的な分野が分からない
  • 解決策:全体のスケジュール管理を行う専門家、法務や財務の専門家が基本

1 M&Aでは専門家の支援が不可欠

M&Aの交渉では、次のような調査や検討が必要になるので、専門的な視点から支援してくれる専門家の存在が不可欠です。

  • M&Aの対象となる事業・会社の探索・選定
  • 法律、会計、税務等の専門的事項に関する整理
  • 買収資金の調達
  • 取得する資産の価値、不適合の有無 など

M&Aにおける専門家の役割は基本的に分業体制ですが、

全体のスケジュール管理を行う専門家、法務や財務の専門家が基本

になるといえるでしょう。この記事では、中小企業のM&Aでよく登場する主要な専門家とその役割を説明します。

なお、中小企業庁では、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するために、2021年8月からM&A支援機関に係る登録制度を開始しました。M&A支援機関には、これから紹介するフィナンシャル・アドバイザー(FA)やM&A仲介会社などが該当します。中小企業にとってのメリットは、

登録を受けたM&A支援機関を利用すると、必要な手数料の一部が補助され、金銭的な負担が軽減される

ことです。

■M&A支援機関に係る登録制度■
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2021/211007m_and_a.html

2 中小企業のM&Aを支援してくれる「七人の専門家」

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1)フィナンシャル・アドバイザー(FA)

フィナンシャル・アドバイザー(FA)は、M&Aの初期段階からクロージングまで案件全体のスケジュールを設定・管理する水先案内人のような役割を果たします。具体的には、

買い手か売り手の一方に対して、M&Aの対象事業や対象会社の探索に始まり、スキームの提案や契約交渉の助言・支援の他、M&Aに関する各種専門家の紹介、簡易な企業価値の算定など

を行います。ただし、FAの業務内容は会社の方針や個別ケースによって大きく違うので、個別に確認したほうが無難です。

中小企業のM&Aでは、銀行がFAを担当するケースが比較的多く、その他だと証券会社などとなります。また、顧問税理士を通じてM&Aが実現する場合だと、税理士がFAのような役割を果たすこともあります。

2)M&A仲介会社

M&A仲介会社は、M&Aの買い手と売り手をつなぐマッチングの役割を担います。具体的には、

買い手と売り手の間に立って、M&Aの初期段階からクロージングまで案件全体のスケジュールの設定・管理など

を行います。

支援内容はFAと似ていますが、利益が相反しがちな買い手と売り手の間に立って、中立的に業務を行うところに一方サイドに立つFAと大きく違う点があります。難しい立場でM&Aの実現を導くことになるため、双方が考える落としどころをうまく調整して話をまとめられるような経験と能力が必要です。

3)弁護士

弁護士は、M&Aを実現する際に必要な法的な問題点の洗い出し(法務デューディリジェンス)や、M&A全体の手続きのコーディネートなどを行います。具体的には、

M&Aの対象事業や対象会社についてのデューディリジェンス、実行するM&Aのスキームの検討、M&Aの条件交渉、それを取りまとめる基本合意書・最終契約書の作成など

を行います。

4)司法書士

司法書士は、買い手または売り手の登記やその関連業務などを行います。具体的には、

議事録の作成、会社分割等の組織再編スキームを用いてM&Aを行う場合やM&Aに伴って会社組織等を変更する場合の登記(取締役会設置会社を非設置会社にする、株券不発行会社にするなど)、現役員が退任する場合の登記、新役員の選任等の登記など

を行います。なお、これらの業務を社内で全て行う場合は、司法書士は担当しません。

5)弁理士

弁理士は、特に買い手側の立場から、M&Aの対象事業や対象会社の知的財産権に関する調査などを支援します。具体的には、

知的財産権の権利範囲、ライセンス契約や職務発明規程はどのように整備・管理されているかなどの知的財産権の価値評価や、登録されている知的財産権について必要な変更手続きなど

を行います。なお、知的財産権の価値評価については、弁護士が担当することもあります。

6)公認会計士

公認会計士は、特に買い手側の立場から、財務デューディリジェンスなどを行います。具体的には、

企業価値の算定、財務的観点からの問題点の洗い出し、M&A後の収益見込みなどをシミュレーションした上での事業計画の作成支援など

を行います。

7)税理士

税理士は、特に買い手側の立場から、M&Aによって懸念される税務リスクの洗い出しなどを行います。具体的には、

将来発生するものも含めて法人税等のタックスプランニングなど

を行います。M&Aの規模が大きくなればなるほど、取引金額も相応になりますので、税務上のインパクトを勘案しておく必要があります。

8)その他

前述した専門家の他に、次のような専門家の支援が必要になることもあります。

  • 社会保険労務士:人事労務問題への対応
  • 行政書士:行政上の許認可関係の手続き
  • 不動産鑑定士や汚染調査会社:不動産の価値・土壌汚染の有無の調査など
  • ITコンサルタント会社:対象事業・対象会社のシステムの情報漏洩や情報セキュリティー上の欠陥の有無、システム統合をする上での課題の洗い出しなど
  • 中小企業診断士:M&A後を見据えた経営課題全般の助言

以上(2022年5月)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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【朝礼】「お客さまのお客さま」を見よ

先日、ある優秀なマーケターだった方のお話を聞く機会がありました。その方は、お客さまのニーズを知るために、営業担当者以上にお客さまを訪問していたという、とても仕事熱心な人です。これだけでも素晴らしいことですが、私が特に感銘を受けたのは、その方がお客さまのお客さま、つまりお客さまの取引先にまで足を運び、話を聞くようにしていたという点です。これはとても重要なことであり、まさに私が理想としている姿勢なので、ぜひ皆さんにも参考にしてもらいたいと思います。

「お客さまがそう望まれたから」というのは、一面では正しいことなのですが、私には「お客さまの声に甘えている」ようにも思えます。なぜなら、それが本当にお客さまのためになっているのかどうかを、その人たちの声を通じてしか判断しようとしていないからです。

確かに、お客さまのご要望を満たすことは最も基本的なことですし、そのために声を聞くことは大切です。ですが、それだけで終わってしまうなら、競合他社と何も変わりません。そして何より、それではお客さまの想定内のサービスしかご提供することができません。つまり、どんなに頑張っても100%のサービスしかご提供できないということです。

「それではダメなの?」と思った人がいるかもしれません。ダメではないのですが、私は皆さんに、それ以上のことを期待したいのです。

もし、「お客さまのお客さま」のニーズを知ることができれば、お客さまに対して、「御社の取引先が望んでいるのはこれです。ですから、このようなサービスを始められてはいかがでしょうか? 弊社もお手伝いさせていただきます」といった提案ができるようになります。つまり、お客さまが望むことの120%、場合によっては150%のサービスをご提供できる可能性があるわけです。もし、これができるようになれば、我が社はお客さまにとって、競合他社とは全く違う存在になれるはずです。

「お客さまのお客さま」を見るというのは、社内の業務にも置き換えられます。「次工程はお客さま」という言葉がありますが、皆さんには、次工程の担当者が業務をしやすくなるよう、お客さまに対するのと同じくらい丁寧に業務を行ってもらいたいと思っています。そのために、「次工程の次工程」まで意識するように心掛けてみてください。

例えば経費を請求する場合、会計処理という工程だけでなく、その先にある決算資料の作成や、税務署への書類の提出のことまで意識してみてください。「経費請求書は迅速かつ正確に作成しよう」という気持ちが強くなるはずです。また、社内向けの企画書を作成する場合、それを基にした営業資料で営業をする人のことを考えてみてください。「社内向けだから、これでいいや」という気持ちにはならないはずです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】会社は舞台、管理職は役者

この朝礼もそうですが、私には皆さんの前でお話しする機会がたくさんあります。また、多いときは月に10回くらい、社外の方々の前でスピーチや講演をさせていただいています。

そのため皆さんの中には、私のことを「人前で話すのが得意で、根っからの出たがり」と思っている人も多いようですが、私は若い頃、全くそうではなかったのです。社内外を問わず人前で話すことにとてもプレッシャーを感じ、逃げ出したくなるほどでした。緊張のあまり頭が真っ白になり、しどろもどろになってプレゼンに失敗したことも一度や二度ではありません。

このことに悩んでいた私は、初めて管理職になったときに気持ちを切り替え、「人前で話すのがとても得意で、常に自信を持ち堂々と話す人」を「演じる」ことにしたのです。

演じることは、皆さんにもあてはまります。むしろそれは、皆さんの仕事でもあるのです。特にそれが求められるのは管理職です。日本電産の創業者である永守重信氏は、「経営者や管理職はどのような状況にあっても『アイ・アム・ファイン=私は元気です』と言えなければならない」という趣旨のことを言っていますが、これこそ管理職が実践すべき重要な「演技」ともいえるでしょう。

例えば、管理職は、組織が「元気がないな」と思ったときこそ率先して声を出し、前向きな管理職の姿を演じることで、組織をポジティブな方向に持っていかなければなりません。

また、トラブルが起きたときも同じです。たとえ心の中では激しく動揺したとしても、管理職は右往左往したり弱気な態度を見せたりしてはなりません。状況にもよりますが、そうしたときこそ冷静に指示を出し、組織を動かして対応する役割を演じる必要があります。

とはいえ、演じるのは簡単ではありません。また、どのように演じたらよいか分からない管理職も多いでしょう。そこで私がお勧めしたいのは、まず、手本となる人を見つけ、その人をまねるという演技をすることです。管理職の皆さんは社内外の多くの人と接し、ネットワークを広げ、手本を見つけてください。そしてどうしても見つからなければ、私を手本にしてください。私自身も大いに迷い悩みながら、諸先輩方を手本に、管理職、そして経営者を演じ続けてきているからです。

私は特に人前で話をすることが大の苦手でしたが、「得意な人を演じる」と決めてから、人前に出るときに「演じるスイッチ」が入るようになりました。自分の感情やモチベーションとは一切関係なく、「人前で堂々と自信を持って話す人」の演技ができるようになったのです。

それは、人の上に立つ者として、人前で堂々と話をする人であることが私の重要な仕事だと認識したからです。管理職も同じです。管理職という役を演じるのは皆さんの重要な仕事なのです。

会社は舞台、管理職の皆さんは役者です。私と一緒に素晴らしい舞台をつくりましょう。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

日本人が最も使っているSNSは? ターゲット別に考える効果の高いSNSはこれだ!

書いてあること

  • 主な読者:SNSを利用して効果を上げたい中小企業・ベンチャー企業の経営者
  • 課題:SNSを利用して認知度を上げたいが、運用工数に制限もあり、どのSNSから取り掛かっていいのかが分からない
  • 解決策:商品やサービスに合うSNSがベストですが、自分が慣れているSNSからまずはやることをお勧めする

1 日本でユーザー数が一番多いSNSはLINE

各SNSの公式発表では、

日本で最もユーザー数が多いSNSは、LINEで9000万人

になります。各SNSのユーザー数ー数と利用率の比較は次の通りです。

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ユーザー数だけを見るとLINEをやるのがいいように思えますが、SNSによっては利用者数が多い世代があったり、手軽さが違っていたり、画像や動画などでアプローチするのに適していたりするものもあります。それぞれのSNSの特徴を把握して、自社の商品やサービスの特性と掛け合わせて、合うもので行うのが一番いいやり方です。

難しい場合は、

普段、皆さんが利用しているSNSから始めること

をお勧めしています。使い慣れていますので、あまり悩むことはなく発信できます。

この記事では、SNSの特徴やどのSNSが合っているかのヒントを解説していきます。最近は、FacebookやTwitterといったテキストが主体のSNSや、Instagramなど画像が主体のSNSでも、TikTokのような短い動画(ショート動画、ショートムービー)が投稿できるなど機能が似てきている面もありますが、向いているターゲット層が違うなどの特徴があります。ぜひご参考になれば幸いです。

2 SNSの特徴を押さえましょう

ご飯を食べに行くときに、

40代は食べログ、30代はGoogle検索、20代はTwitterやInstagramでお店を探す傾向が高い

です。このように検索をひとつとっても、世代によって調べ方が違います。実は、SNSも世代によって使用方法が変わってきます。ここでは、SNSの特徴を説明していきます。

1)Facebookは経営者アプローチやBtoBビジネスに向いています

Facebookはユーザー数が減少傾向ですが、世界最大のユーザー数は見逃せません。海外展開を狙っている商品は、Facebookでの発信をお勧めします。また、30代以上のユーザーは活発に投稿していますし、ビジネス目的で利用するユーザーも多いです。30~50代の利用方法としまして、経営者と名刺交換をした後に、よりつながりを持つためにFacebookで友達登録をしている人もよく見られます。そのため、

経営者にアプローチしたい場合やBtoBビジネスでの関係構築で有効に活用

できます。

実名登録が必須となっていますので、登録されている個人情報はしっかりしています。Facebookで属性を絞って広告を出す場合の効果は大きいです。なお、実名登録が影響しているせいか、Facebookでの炎上事例はあまり見当たりません。

デメリットは、10代や20代の若いユーザーのアクティブ率が低くなっています。そのため、

若年層をターゲットにした商品告知での利用は向かない

でしょう。また、Facebookページから発信された投稿のオーガニックリーチ(ユーザーに情報が届くこと)は大幅に減少しているので、広告の併用が必要となっています。

2)Twitterは即時性と拡散性が高く、イベント告知やキャンペーンに向いています

Twitterは最も即時性と拡散性に優れたSNSです。「こんなお得な情報を見つけた」「こんな面白い情報を見つけた」という感覚でリツイートされることで、どんどんと拡散されていきます。フォロワーが少なくても、リツイートによって大きな表示回数を獲得することもあります。そのため、

イベントの告知やキャンペーンをすることで認知を上げたい

場合は向いています。ユーザー層としては、10代後半から20代までの若年層が厚いですが、ユーザー数の母数も多いので、40代以上のユーザーも一定数存在しています。また、BtoB、BtoCの両方に向いています。さらに、ユーザーの本音が拾いやすいです。今までアンケートなどで行っていた商品の評判の収集を、エゴサーチすることもできます。

なお、企業がSNSに取り組む際に、最も懸念すべきことが「炎上」です。

Twitterは実名登録が必須ではないので、発信が自身の日常生活に影響がないこともあり、誹謗(ひぼう)中傷が発生しやすい

です。炎上は、思いもかけないところが発信となります。Twitterにアカウントを持っていると、炎上対策が講じられますが、アカウントを持っていないと対策もできません。そういう意味でもTwitterでアカウントを持つ必要はあるのではと考えます。

デメリットは、Twitterは利用者数が多いことも影響していて、発信が届かないことがあります。他のSNSと比べても投稿頻度を多く確保する(運用工数をかける)必要があります。

3)LINEは幅広い年代層で利用されています。高い世代への訴求にも適しています

LINEは9000万人のユーザーと日本で一番利用されています。幅広い層に利用されていて、40代から60代の利用率も高いです。メッセージを送るツールとして利用されていることもあり、アクティブ率も高く、

企業がビジネスシーンで活用するケース

も増えています。性別を問わず全ての世代に効果があります。また、台湾やタイ、インドネシアにもユーザーが多く、アジア圏において展開する商品がある場合は有効に活用できます。

企業で利用する場合、ビジネス利用に特化したLINE公式アカウントを開設します。以前は高額な予算が必要でしたが、現在は無料で開設が可能です。リアル店舗やECサイトの運営など用途はさまざまです。メッセージやクーポン、アンケートなどを送信できます。

デメリットは、友だちとしてつながったユーザーに対して発信できるクローズドなSNSですので、FacebookやTwitterのように、誰にでも見てもらうことができるオープンなSNSとは違います。まずは、友だちとしてつながらなければなりません。

4)Instagramは画像や動画などビジュアルでアプローチする商品・サービスに向いています

Instagramはユーザー数やアクティブ率が上昇過程にあるSNSのひとつです。画像や動画といったビジュアルでの訴求に適していますので、

コスメ系やファッション系の商品やサービスでの活用

をお勧めします。テキストでの訴求には向いていません。当初は、若い女性を中心に利用されていたメディアでしたが、今は幅広い層に利用されています。

デメリットは、Facebookにはシェアを拡散する機能、Twitterにはリツイート機能がありますが、Instagramにはありません。

5)YouTubeは動画で幅広い年代層に訴求できます

YouTubeは日本で6500万人、世界で20億人のユーザー数です。インターネットユーザーの3分の1が利用する巨大プラットフォームに成長しています。そのため、

動画素材をコンスタントに更新できるならば、幅広い層に対して、世界にもアプローチ

できます。チャンネル登録したユーザーに最新動画の更新を通知できたり、関連動画を表示することで、ユーザーの滞在時間を長くすることができたりします。

デメリットは、動画素材を用意しなければならないことです。内製化できればいいのですが、外注すると費用がかかります。更新頻度もある程度担保しなければなりません。お気に入りのチャンネルが1本か2本しか動画がなかったり、最新の更新が1カ月前だったりすると、熱が冷めてきてファン離れすることもあります。ただし、スマートフォンで撮影・投稿ができるショート動画機能もリリースされているので、それを上手に利用すれば更新負担を軽減できるかもしれません。

6)TikTokは若年層対象の商品・サービスに向いています

TikTokは日本では950万人ですが、若年層に爆発的な広がりを見せています。まだユーザーが増えている段階ですので、先行者メリットを得られます。そのため、

若年層を対象にしたエンターテインメント・教育・How Toなど生活に役に立つコンテンツの投稿

が増えています。最近ですと、不動産賃貸で成果を上げ始めているところもあります。

スマートフォンを利用して、簡単に自分自身で1分以内の短い映像を撮影・編集し、投稿することができます。BGMもあらかじめ用意されているリストから組み合わせることも可能です。全て感覚的に扱えるUIになっているので、難しい操作もありません。

デメリットは、「広告以外」の商業利用ができないことです。クーポンを送ってサイトや店舗に流入してもらうとか、商品の直接的な宣伝を投稿するなどはふさわしくありません。

7)LinkedInも経営者にアプローチするには有力なSNSです

LinkedInはビジネスで活用できるSNSです。ちょっと前までは転職や採用を促進するという使われ方をしていました。そのため、

SNSの中で一番経営層にアプローチしやすい

という特徴があります。

世界規模では8億1000万人のユーザーがおり、海外ではLinkedInのアカウントを名刺代わりに交換されています。海外展開も視野に入れている商品・サービスを展開するときには、絶好のSNSともいえます。

デメリットは、日本でのユーザー数が200万人以上と、やや物足りないことです。ただ、利用している人数が少ないがゆえに、経営者とつながりやすい利点があります。自社のビジネス情報を発信し、顧客やビジネスパートナーとつながっている事例もあります。

3 企業がSNS運用で失敗してしまう例

1)目標の設定を間違っている/SNSについて理解を得ていない

SNSはファンづくりですので時間がかかり、ちょっと投稿すれば、すぐに成果が出るものではありません。最終的には成果を目標にするべきですが、開始3カ月後に問い合わせ〇件などは非常に難しいです。1年後に成果が出るよう、段階的に目標を設定します。時間がかかってしまう状況を上長に理解してもらうようにしましょう。

また、SNSを始める前に、

「なんのためにSNSをやるのかという目的」はきちんと固めておく

ことが大切です。目的はその後修正してもいいのですが、目的からずれそうになったときには、振り返ることは重要です。

始めて1カ月後に成果が出ないと上長に詰められて、モチベーションが下がってしまうということがよくあります。成果が出ないと、きちんと組み立てて進めていた投稿内容にまで口を挟まれて、さらにモチベーションが下がってしまうこともよくあります。

広告はすぐに効果が出ますが、SNSは気長に育てるものです。結果は時間とともに付いてきます。

2)ただの告知だけになっている/更新頻度が担保できない

もし、気に入ったSNSがあっても“最新の更新は3週間前かぁ”と、更新が全然されていないことで、ユーザーの熱が冷めてくることがあります。興味を持ってもらったのに、チャンスを逃してしまう瞬間です。定期的に会社の思いや人となりを発信することで、興味を持ってもらうようにしましょう。更新頻度は、まずは週に3回(Twitterは1日5投稿)を目安にしてください。

コーポレートサイトのお知らせをそのままSNSに転載しているだけということがあります。更新はしていても、SNSを見に来る方は、企業のお知らせを見たいわけではありません。もちろん、告知も大事ですが、情報が多すぎてしまうのもいけません。

3)体制の不整備によるトラブル発生と悪化

炎上の事例です。フォロワー数も順調に伸びて、影響力が出始めた企業アカウントがあります。ある投稿をしたところ、表現が一定数のユーザーによって批判を浴びました。担当者は焦って、自分の独断で投稿を削除してしまいました。今度は、削除前にスクリーンショットを撮影していたユーザーが、その画像を上げました。結果的に、削除前とは比較にならないほど大規模な拡散が行われ、炎上案件になってしまいました。

この場合、削除をしないことが大切です。また、担当者以外に対応を判断する責任者を決めておきましょう。他にも、「批判的な書き込みにはどう対応するか」「炎上した場合のフロー」「災害時に投稿をどうするか」など、前もって決めておいたほうが安心できます。

以上(2022年5月)

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画像:Julien Eichinger-Adobe Stock
執筆者サイト:https://yoshikazunomori.com/

組織のモチベーションを高めるために2つのセオリーを意識して実践しよう

書いてあること

  • 主な読者:部下のモチベーションを高めたい上司
  • 課題:各人によってモチベーションの要因が異なる
  • 解決策:2要因理論と欲求段階説を意識して意見を出させる環境づくりや、普段のコミュニケーションを充実させるなどを、いま一度見直す

1 モチベーションは人それぞれ。理論で考え多数派を取る

いつの時代も、社員のやる気を引き出すのは難しい問題です。一昔前なら臨時ボーナスやインセンティブの提供、新しいポストへの抜てきなどがモチベーションにつながりましたが、今は必ずしもそうではありません。「自身の成長」や「ワークライフバランスの重視」など、給与や昇進とはまた違うものをモチベーションにしている人も多いです。

問題は、価値観が多様化しすぎて、社員一人一人の異なる欲求を全部満たすことはできないという点です。だからこそ、この記事では、

人間の欲求を理論で考え、多数派の欲求を押さえること

をご提案します。具体的には、人間の欲求に関する理論として有名な、

  • 2要因理論:職場での特定の要素によって社員が不満や満足感を持つ
  • 欲求段階説:人間はより高い次元の欲求の達成に向けて行動する

の2つのセオリーと、これらのセオリーを実際の職場で活かしていくポイントをご紹介します。

2 給与は実はモチベーションにつながりにくい?

1)まずは2つのセオリーを押さえよう

1.ハーズバーグの「2要因理論」

心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した、仕事に対する不満の要因となる「衛生要因」と、満足をもたらす「動機付け要因」に注目する理論です。

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衛生要因には、満たされないと不満につながるが、満たされても満足しにくいという特徴があり、動機付け要因には、満たされると満足しやすくなるが、満たされなくても不満にはつながりにくいという特徴があります。

2.マズローの「欲求段階説」

アブラハム・マズローが提唱した、人間の持つ内面的欲求を5段階に分けて考える理論です。

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第1段階「生理的欲求」が最も低位、第5段階「自己実現の欲求」が最も高位で、人間は低位の欲求が満たされると、より高位の欲求が生じるようになるという考え方に立っています。

2)給与を上げるだけでは限界がある

この2つのセオリーを通して、まず皆さんにお伝えしたいのは、

給与は、意外とモチベーションにつながりにくい

ということです。

2要因理論で考えると、給与は「衛生要因」に当たります。衛生要因には前述した通り、満たされないと不満につながるものの、満たされても満足しにくいという特徴があります。つまり、

不満が出ないレベルの給与は払わないといけないが、多く払ったからといって、モチベーションにつながるわけでもない

ということです。

また、欲求段階説に立った場合、給与は主に第1段階から第3段階までの欲求を満たすことはできますが、第4段階や第5段階の欲求とは直接の関わりを持ちません。

3)結論:達成感や承認欲求に着目する

給与がモチベーションにつながりにくい一方、

達成感や承認欲求が満たされる組織風土は、モチベーションにつながりやすい傾向

があります。2要因理論でいえば「動機付け要因」、欲求段階説でいえば第4段階「尊厳の欲求」や第5段階「自己実現の欲求」といった高位の欲求です。

動機付け要因は、前述した通り満たされると満足しやすくなるが、満たされなくても不満にはつながりにくいという特徴があります。また、欲求段階説で、高位の欲求が満たされる状態というのも満足感が高い状態です。

ですから、会社は、

  • 社員の人間的成長や満足の向上など、強い動機付け要因を満たすこと
  • より高位の欲求である第4段階「尊厳の欲求」や第5段階「自己実現の欲求」を、普段の仕事の中で満たす方策を考えること

です。以降で、そのための方策を紹介します。

3 達成感や承認欲求が満たされる組織にするには?

1)動機付けはまず「意見を出せる」環境づくりから

組織のモチベーションを高めるには、まず仕事に関する意見を自由に言える環境を整えましょう。「風通しの良い環境」は前向きになりやすく、一丸となって目標に向かおうという雰囲気が生まれます。管理者(経営者や管理職)に求められる役割は次の通りです。

1.普段のコミュニケーションを充実させる

管理者から元気にあいさつをするのはもちろん、毎日、社員に何気なく声を掛けるようにしましょう。話題は、堅苦しくないカジュアルなもので、社員が答えやすいものにします。コンサートに行った、飲み会があったなど前日の社員の予定を聞いておけば、「楽しかった?」というように気軽に声が掛けられます。

また、会話の“蚊帳の外”にいる社員に気を配るのも大切です。特定の社員同士がいつも盛り上がっていて、他の社員があまりよく思っていないようなときは、話を少し抑えます。また、できればよく思っていない社員も、話の輪に入れるように管理者が導くことも大切です。

2.社員に意見を出させる

管理者は、会議はもちろん、ちょっとした打ち合わせでも、できるだけ多くの社員に意見を出してもらうようにしましょう。ほとんど意見を出さない社員には、直接問い掛けます。その際は、次のような工夫をしましょう。

  • いきなり具体的な案を求めるのではなく、先に出ている意見をどう思うかなど、答えやすい質問から誘導する
  • 社員が出した意見は聞き流すことなく、まず肯定的に受け止める

2)挑戦しやすい環境をつくる

モチベーションが高い社員には、希望する仕事や新しい仕事にどんどん挑戦してもらいましょう。もちろん、投げっ放しではなく、必要に応じて管理者が仕事の方向性を示したり、相談に乗ったりします。

また、挑戦させた仕事が成功したら、きちんとその社員を褒め、その成功を喜び合いましょう。逆に失敗しても決して頭ごなしに怒鳴ったりせず、共に失敗した原因や対策を考えましょう。組織全体に仕事に対する挑戦意欲が広がれば、モチベーションも高まります。

3)組織の目標・行動指針の明確化と落とし込み

組織の雰囲気が良くなってきたら、組織の向かうべき方向性(組織の目標、目標達成のための行動指針)を提示して、全体の意識を統一していきます。これをはっきり提示しないと、社員が組織の方向性からずれた努力をしてしまう恐れがあります。せっかく組織のために頑張っても評価されなければ、達成感は満たされず、モチベーションの向上も見込めません。

ですから、管理者は組織の方向性をいかに分かりやすく伝えるかが重要です。目標や行動指針が抽象的な場合、具体的な数値を使って「見える化」するなどの工夫をしてみましょう。

4)組織の役割と責任範囲の明確化

前向きで積極的な組織には仕事が集まります。ただ、仕事が集まりすぎる状態が長く続くと、社員の間に、「なぜ私たちがここまでしなければならないんだ」という不満が広がります。

こうならないよう、管理者は組織の役割と責任範囲を明確にします。決められた範囲を超える仕事が他の組織から集まってきて負荷が掛かりすぎるようなら、他の管理者とも相談して、仕事の量を調整しましょう。

5)必要な権限の付与

組織の役割と責任範囲を決めたら、次は組織(実際は社員ベース)に対して権限を委譲します。権限の委譲は信頼と期待の証し、組織のモチベーションを高めるきっかけになります。

一方、権限の委譲はプレッシャーになることもあります。そのため、権限を委譲するのは、その職務を遂行する能力があり、それを任せても業務過多にならない社員ということになります。

6)組織間の良好な関係の構築によるモチベーション低下の防止

権限の範囲内の行動であっても、例えば一方の組織がもう一方の組織に無理をさせ続けると、無理をさせられた組織に不満がたまります。典型的なのは、営業と現場(製造あるいはサービス提供部門)の対立です。

営業担当者が顧客からの急な依頼を受け、現場に短い納期で製造を依頼することはよくありますが、現場にとっては負担です。モチベーションが高い現場でも、急な依頼が続く場合や、営業担当者が「顧客からの依頼なのだからやってもらわないと困る!」といった態度を取ると、組織間でギクシャクした雰囲気になります。

別の組織に負荷を掛ける場合は、無理をお願いしていることを忘れず、負荷を掛けることになった経緯と理由をしっかりと説明しなければなりません。さらに、組織間で普段から互いに労をねぎらう、コミュニケーションを取るなどして良好な関係を保っておくことが必要です。

このように、小さな配慮を積み重ね、関連する組織同士が良好な関係を保っておくことで、それぞれの組織は気持ち良く仕事ができます。管理者は、他の管理者と良い関係を築くのはもちろん、大きな仕事がひと山越えたときには、関連する組織の社員の労をねぎらったり、組織間で社員同士が交流する場を設けたりするとよいでしょう。

以上(2022年5月)

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画像:Studio Romantic-Adobe Stock

【管理会計】売上がどこまで減ったら、赤字になるか分かりますか?

書いてあること

  • 主な読者:感覚だけでなく、定量的な基準や根拠を持ってビジネスの判断をしたい人
  • 課題:売上がどこまでになったら、利益が0になるか分からない
  • 解決策:自社の利益体質を知りつつ、損益分岐点分析で利益が0になる売上高を確認する

1 質問:売上がどこまで減ったら、赤字になるか分かりますか?

業績の悪化が見込まれる際、対策を考える前に知らなければならないのが、利益を確保するためにはいくらの売上高が必要なのかということです。そのためには、利益が0になるときの売上高を計算します。

この利益が0になるときの売上高を「損益分岐点売上高」といい、この分析のことを損益分岐点分析(CVP分析)

といいます。「CVP分析」のCVPとは、それぞれC(コスト:Cost)、V(販売量:Volume)、P(利益:Profit)の頭文字であり、コスト・販売量に基づく利益を分析する手法です。

CVP分析は、

  • コストの構造を踏まえた自社の利益体質を理解することができる
  • 会社全体だけでなく、事業別・商品別などに細分化して集計することで、区分ごとの収益性が把握できる
  • 新規参入を検討している新規事業や、既存事業の評価に活用できる

など、経営管理上さまざまな使い道があります。まずは、基本的な計算方法と分析に必要な指標を押さえましょう。早速、次の簡易的な管理会計の損益計算書から損益分岐点売上高を計算してみましょう。

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2 損益分岐点売上高を計算しよう

損益分岐点売上高は、営業利益が0になる売上高です。営業利益の計算式から損益分岐点売上高の算式を考えます。

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算式に上記の事例の数値を当てはめると、

売上高=3500千円/(1-0.6)=8750千円

になります。

3 CVP分析に使う主な指標「安全余裕率」と「損益分岐点比率」

CVP分析では、上記で計算した損益分岐点売上高を使用して、

  • 安全余裕率:損益分岐点売上高に対する安全余裕額(実際の売上高と損益分岐点売上高の差)の割合
  • 損益分岐点比率:実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合

といった指標を使います。2つは表裏一体なので、いずれか1つで大丈夫なのですが、念のため、両方の計算式を紹介しておきます。

安全余裕率は、

(実際の売上高-損益分岐点売上高)/実際の売上高

で計算されます。今回の事例の数値を当てはめると、

安全余裕率=(9000千円-8750千円)/9000千円≒2.8%

になります。安全余裕率は、現在の売上高が何%減少すると、赤字になるかを示しており、高いほど業績が良いことを表しています。

安全余裕率と表裏一体となる損益分岐点比率は、

損益分岐点売上高/実際の売上高

で計算されます。今回の事例の数値を当てはめると、

損益分岐点比率=8750千円/9000千円≒97.2%

になります。損益分岐点比率は、低いほど業績が良いことを表しており、業種によって異なるものの、一般的に80%以下が好ましいといわれています。

CVP分析により、自社の利益体質がどのような状況なのかをチェックしてみましょう。そして、数値は推移で見るようにしてください。単年度の数値を見ただけでは、状況は分かりませんが、年度ごとの推移で見ることで、体質の変化が分かるようになってきます。

以上(2022年5月)
(執筆 管理会計ラボ株式会社 取締役・公認会計士 福原俊)

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画像:apinan-Adobe Stock

【経営者アンケート】経営者が部門長に求める素養を偉人で例えたら、人事部門のトップはあの「先生」だった!

書いてあること

  • 主な読者:各部門のトップにふさわしいのは、どのような人材なのかを検討している経営者
  • 課題:自分の考えはもちろん、他の経営者がどう考えているのかも知ってみたい
  • 解決策:歴史上の偉人に例えて、各部門のトップの素養についてイメージを固める

1 経営者が考える部門長の素養

各部門のトップにふさわしいのは、どのような人物なのか。他の経営者の意見を聞いてみたいと思いませんか?

経営者111人を対象に、2022年3月にインターネットを通じてアンケートをしてみました。「総務・労務、企画・開発、人事、法務、財務、営業、DX」の7部門のトップとしてふさわしいのは誰なのか。各部門5~6人の偉人を例示した上で、「その他」も含む1人を選んでもらいました。

アンケート結果を2本に分けて紹介します。

  • 00630 【経営者アンケート】経営者が部門長に求める素養を偉人で例えたら、人事部門のトップはあの「先生」だった! (この記事)

2 総務・労務部門は武田信玄

1)戦国最強軍団の陰に、トップの気使い・人使いあり(16人、14.4%)

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戦国最強軍団のトップに君臨した「甲斐の虎」ですが、「人は城、人は石垣、人は堀……」の言葉で知られるように、部下との信頼関係の構築に腐心し、多様な人材を上手に活用した“気使い・人使いの人”という側面もあります。

その人間力を評価する声が多く、トップでなくナンバー2としての活躍も期待できそうです。

  • 人使いが上手そう(60代男性)
  • 人の使い方を教わりたい(60代男性)
  • 旗振りが上手そう(50代男性)
  • 気配りができる(50代男性)
  • 戦略にたけ、部下からの信頼度が高い(60代男性)
  • 視野の広さ(50代男性)
  • 総務・労務は何でも屋(60代男性)
  • 情に厚い(70代男性)
  • 人材登用、人を見る目がある(40代男性)

2)第2位:豊臣秀長(15人、13.5%)、目立たず支えるナンバー2は若手層にも人気

  • Mr.ナンバー2(40代男性)
  • 陰の立役者(50代男性)
  • トップを目立たずに支える(50代男性)
  • 陰で支えるような人(50代男性)
  • 裏方に徹する(40代男性)
  • 上を立ててくれる(40代男性)
  • バランス感覚に優れる(70代男性)
  • 常におごることをしない(60代男性)

3)第2位:勝海舟(15人、13.5%)、上司でも部下でも結果を出せるオールラウンダー

  • 清濁併せのむことができそう(60代男性)
  • 森も木も見て最善の判断をしてくれそう(50代男性)
  • 人を動かす力がある(60代男性)
  • 組織をボトムアップに支えてくれそう(40代男性)
  • 強い相手にも対等に渡り合う交渉術が素晴らしい(60代男性)
  • 個々の能力を高め、適材適所に人を配置するようなきめ細かさ(70代男性)
  • 地味な役回りだが、人的な損害を最小限に抑えた手腕はすごい。人の間に立って、妥協点を見つけられる(60代男性)
  • いついかなるときにも冷静沈着に判断するとともに、江戸城無血開城のように、自身の功名よりも民の日常を守ろうとする意識は望ましい(60代男性)

4)第4位:直江兼続(8人、7.2%)、しっかりと筋を通す「愛」の人

  • 筋を通す人でないと務まらない(50代男性)
  • 自ら率先して陣頭に立つことができる行動力と、出金・入金の把握をした上で立つことができる(60代男性)
  • 真面目そう(50代男性)
  • 単純に人物が好き(40代男性)

5)第5位:北条義時(7人、6.3%)、「旬な人」の評価はさまざま

  • 気配り上手(80代男性)
  • 調整力(60代男性)
  • 頭が良い(50代男性)

6)第6位:春日局(4人、3.6%)、大奥を取り仕切った凄腕をマニアが評価

  • 仕切りのうまさが抜群(80代男性)
  • 上層部から部下(他部署の部下も)まで、しっかりとコントロールできる方かなと思います(50代男性)
  • 組織の裏も表も知り尽くした上で戦略的に組織運営してくれそう(60代男性)

3 企画・開発部門は黒田官兵衛

1)天下を取らなかった能力抜群の名軍師(34人、30.6%)

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「豊臣秀吉の軍功の陰にこの人あり」といわれ、秀吉の天下統一を支えた名軍師です。その一方で秀吉は官兵衛の能力を恐れて、広い領地を与えなかったともいわれています。

軍師としての能力に対する評価が圧倒的でしたが、中には「天下を取らなかった」ことを評価する声も聞かれました。

  • 縁の下の力持ち。表舞台に出ず、主君を支える。現在でもこのような方々によって繁栄している企業は多いと思う。ただしトップが聞く耳を持つか否かだが(70代男性)
  • 最も戦略と戦術を上手に使い分けることができる人のような気がする(50代男性)
  • 必要性を理解して、実行に移すことができる行動力(60代男性)
  • 自分にはない、「知」がありそう(60代男性)
  • 周りも見ながら新しい物事を進めていけそうに感じる(60代男性)
  • 広範囲な知識をもって、時節に合った的確な判断ができる(60代男性)
  • 自分がトップに立つことなく能力を発揮してくれそう(50代男性)
  • 下剋上は求めていない(50代男性)

2)第2位:織田信長(12人、10.8%)、とがったキャラの突破力に期待

  • 異常なくらい新しがり屋(80代男性)
  • マーケティングの能力が高そう(50代女性)
  • 戦略に優れているし、決断力もある(80代男性)
  • 発想が優れている(60代男性)
  • 固定観念にとらわれない提案がありそう(40代男性)
  • 未来を見て、切り開く能力にたけている(70代男性)
  • 元気そう(60代男性)

3)第2位:徳川家康(12人、10.8%)、信長と真逆の安定志向派が支持

  • 常に計算高く、ばくちなど冒険はせず、安定した精査が得意(60代男性)
  • 安定性(70代男性)
  • 企画開発は冒険も無理強いも要らない。鳴くまで待つ戦略(60代男性)
  • この人に、自社の経営戦略を聞いてみたい(60代男性)
  • 思考が柔軟(80代男性)
  • 頭脳的な戦略を持っていそう(50代男性)

4)第4位:西郷隆盛(10人、9.0%)、人望や人間性を評価

  • 人徳があり人脈を武器として部下も大事に戦い続けてくれそう(50代男性)
  • 人望と行動力のバランスが良いと感じる(40代男性)
  • 私利私欲より全体のことを考えている(80代男性)
  • 裏も表も知り尽くしている(60代男性)
  • 諦めない心(50代男性)

5)第5位:北条政子(2人、1.8%)、鎌倉幕府を支えた「尼将軍」の評価はイマイチ

  • 戦国の荒武者たちをまとめ上げる力がある(60代男性)

4 人事部門は吉田松陰

1)高杉晋作など多士済々の志士を輩出した情熱と感化力(28人、25.2%)

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わずか29年の生涯でしたが、主宰した松下村塾からは、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など維新・明治期に活躍した偉人を多数輩出しました。

ペリーの黒船に乗り込んで海外留学を試みる情熱と行動力に加え、獄中で罪人たちを学問に目覚めさせる「感化力」も持ち合わせた幕末の先駆的な思想家でした。

  • 抜群の人材育成の成果がある(40代男性)
  • 自分の後に続く人材を育てた(80代男性)
  • 部下の教育にたけている(60代男性)
  • 先を見据えた教育、必要な人材の育成ができると思える(60代男性)
  • 学問だけではなく、熱意も波及させたところ(40代男性)
  • この人の教育に対する思いを聞いてみたい(60代男性)
  • 改革の人だから(60代男性)
  • 最近、夢を持たない若者が多いから(50代男性)
  • 確固たる思想を持っている(40代男性)
  • 人を掌握する力を感じる(60代男性)
  • 俯瞰(ふかん)できる(80代男性)

2)第2位:津田梅子(15人、13.5%)、女子教育の発展に尽力した米国育ちの先駆者

  • 時代を大きく変える教育を行った(50代女性)
  • ジェンダーフリーに対応した教育をしてくれそう(60代男性)
  • 部下の教育にたけている(60代男性)
  • 人材を育ててくれそう(60代男性)
  • これから何が必要になるか先読みできる(60代男性)
  • 既成概念にとらわれない発想(60代男性)
  • 先進性(80代男性)
  • 困難に立ち向かう強さを感じる(50代男性)

3)第3位:島津斉彬(10人、9.0%)、進取の精神で西郷隆盛も発掘した幕末の名君

  • 人を見いだす目は一番ありそう。教育なら他の方かもしれないが、会社で(社会に出て)学び成長するのは本人の義務なので、社内教育の優先順位は低め(50代男性)
  • 人材発掘をやってくれそう(60代男性)
  • 自身の鍛錬を怠らず教育してくれそう(50代男性)
  • 先見性を持った采配ができそう(40代男性)
  • 地道に活躍する方は尊敬したい(70代男性)

4)第4位:山内一豊の妻(千代)(4人、3.6%)、「内助の功」も“今は昔”?

  • ワンマンにならないために必要な人(50代男性)

5)第5位:緒方洪庵(3人、2.7%)、適塾が輩出した偉人は多彩さでは松陰以上?

  • 福沢諭吉などを育てた(60代男性)
  • 多くの偉人を育てている(50代男性)

5 法務部門は大岡越前

1)「大岡裁き」に注目集まるも、実は有能な為政者としての実績あり(25人、22.5%)

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テレビドラマでおなじみの大岡忠相です。江戸中期に旗本の四男に生まれ、8代将軍徳川吉宗によって江戸の南町奉行に抜擢されました。伊勢に赴任時、隣国である吉宗の紀州藩におもねらない公平な裁き(いわゆる「大岡裁き」)を行ったことが評価されたともいわれています。

江戸では、消防団に近い「町火消」を編成した他、貧しい人などを無料で治療する医療施設「小石川養生所」を設置するなどの施策で吉宗の享保の改革を支え、1万石の大名にまで引き立てられました。

  • 真面目で、規律正しい(60代男性)
  • 素晴らしい裁きをする(50代男性)
  • 血の通った法律運用術(70代男性)
  • 情の深い、庶民目線の裁きが好き(60代男性)
  • 問題が起きたときに頼りになる(60代男性)
  • コンプラに関しては大岡裁きは要らないが(60代男性)
  • 数々のドラマ通りなら…(70代男性)
  • 人情(20代男性)

2)第2位:廐戸皇子(聖徳太子)(9人、8.1%)、十七条憲法でも知られる伝説的人物

  • 前例のない時代にあれだけのものを作った実績がある(40代男性)
  • 法の先駆者(60代男性)
  • ルール作りに向いてそう(60代男性)

3)第3位:遠山左衛門尉(遠山の金さん)(8人、7.2%)、桜吹雪はドラマだけ?

  • 平等に、人情もある(60代男性)
  • 名奉行(60代男性)
  • 法律に詳しい(60代男性)

4)第4位:板倉勝重(6人、5.4%)、江戸初期の名奉行は「三方一両損」のモデルとも

  • 法律に詳しいだけでなく、多くの人にいい形で運用できるのは、この方が一番。法を作るよりも、運用のほうが大事(50代男性)
  • 戦うことばかりが法務の仕事ではないが、機転を利かせて丸く収めることができる発想力を評価して(60代男性)
  • さまざまな立場の人たちをうまくまとめられそう(40代男性)

5)第5位:北条泰時(4人、3.6%)、北条義時の長男で御成敗式目を定めた第3代執権

  • 御成敗式目を作ったから(50代男性)
  • 法令遵守を実行してくれそう(60代男性)

いかがでしたか? 財務、営業、DXの結果もお楽しみください。

以上(2022年5月)

pj00630
画像:Mariko Mitsuda