1 2つの補助金が統合、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に?
2025年度に創設された、会社の新事業展開を支える「中小企業新事業進出補助金」。そして、長年にわたり製造業の設備投資を支えてきた「ものづくり補助金」。どちらも中小企業にとって重要な意味を持つ補助金ですが、
2026年度以降は、この2つの補助金が統合され「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として生まれ変わる予定
です。
この記事では、「新事業進出補助金」と「ものづくり補助金」、それぞれの制度の概要や申請上の注意点を紹介した上で、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合された際、どのような変更があるのかなどをお伝えします。
なお、この記事の内容は2026年4月19日時点の公開情報に基づいており、将来変更される可能性があります。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。
2 中小企業新事業進出補助金
1)中小企業新事業進出補助金とは?
2025年度から新たにスタートした補助金で、事業再構築補助金の後継制度として創設されました。中小企業等が既存の事業の枠を超え、新市場・高付加価値事業へ進出するための設備投資等を支援します。
「新しい製品・サービスを、新しい顧客層に届ける」チャレンジを後押しすることで、企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上と賃上げにつなげることを目的としています。
■中小企業新事業進出補助金■
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
2)申請するには?
主な要件は次の6つです。

なかでも「1.新事業進出要件」は制度の根幹ですので、まず自社の事業計画がこの要件を満たすかを確認する必要があります。なお、1.の要件の基準となる「新事業進出指針」についてはこちらをご確認ください。また、3.と4.の要件は、目標未達の場合に補助金の返還義務が生じます。
■中小企業庁「新事業進出指針」■
https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_shishin.pdf
3)受け取れる金額はいくら?
補助上限は従業員規模によって異なります。また、
- 「賃上げ特例」(給与支給総額年平均+6.0%以上かつ事業場内最低賃金+50円以上)を適用する場合、補助上限が引上げ
- 「地域別最低賃金引上げ特例」(2024年10月~2025年9月の間、補助事業の主たる実施場所において、「当該期間の地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上の月が3カ月以上)を適用する場合、補助率が引上げ
となります。

補助対象経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、(検査・加工・設計等に係る)外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費です。なお、機械装置・システム構築費、建物費のいずれかは必須です。
4)スケジュールは?
2026年4月19日時点では第4回公募が実施されており、そのスケジュールは次の通りです。
- 公募開始:2026年3月27日(金)
- 申請受付:2026年5月19日(火)
- 応募締切:2026年6月19日(金)18時
- 補助金交付候補者の採択発表:2026年9月頃(予定)
- 補助事業実施期間:交付決定日から14カ月以内、ただし採択発表日から16カ月後の日まで
3 ものづくり補助金
1)ものづくり補助金とは?
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。中小企業・小規模事業者が革新的な新製品・新サービスの開発や、海外事業を通じた国内の生産性向上に必要な設備投資等を支援します。
新事業進出補助金が「既存事業の外に出る新しい挑戦」を支援するのに対し、ものづくり補助金は「既存事業の延長線上にある革新的な開発や海外展開」を支援するイメージです。
■ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト■
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
2)申請するには?
申請枠は次の2つです。
- 製品・サービス 高付加価値化枠:革新的な新製品・新サービスの開発に必要な機械装置・システム導入費用を支援
- グローバル枠:海外での需要開拓等を目的とした設備投資を支援
主な要件(基本要件)は次の4つです。

申請者は、1.~3.の要件を全て満たす補助事業の終了後3~5年(任意で選択可)の事業計画を策定します。なお、従業員数21名以上の場合は4.の要件も満たす必要があります。また、2.と3.の要件は、目標未達の場合に補助金の返還義務が生じます。
3)受け取れる金額はいくら?
1.製品・サービス高付加価値化枠
補助上限は従業員規模によって異なります。また、
- 「大幅賃上げ特例」(給与支給総額年平均+6.0%以上かつ事業所内最低賃金+50円以上)を適用する場合、補助上限が引上げ
- 「最低賃金引上げ特例」(2024年10月~2025年9月の間、補助事業の主たる実施場所において、「当該期間の地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上の月が3カ月以上)を適用する場合、補助率が引上げ(ただし、小規模事業者・再生事業者は対象外)

となります。なお、大幅賃上げ特例と最低賃金引上げ特例の併用はできません。
補助対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費です。
2.グローバル枠
補助上限は、従業員数に関係なく一定で、特例措置の適用はありません。

補助対象経費は、機械装置・システム構築費(必須)、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費です。
さらに、海外市場開拓(輸出)に関する事業の場合のみ、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助対象経費となります。
4)スケジュールは?
2026年4月19日時点では第23次公募が実施されており、そのスケジュールは次の通りです。
- 公募開始:2026年2月6日(金)
- 申請受付:2026年4月3日(金)
- 申請締切:2026年5月8日(金)17時
- 採択公表:2026年8月上旬頃予定
- 補助事業実施期間:
・(製品・サービス高付加価値化枠)交付決定日から10カ月以内、ただし採択発表日から12カ月後の日まで
・(グローバル枠)交付決定日から12カ月以内、ただし採択発表日から14カ月後の日まで
4 新たに始まる「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」とは?
1)なぜ2つの補助金が統合されるのか?
中小企業新事業進出補助金とものづくり補助金については、2026年度以降、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合して公募を行うことが予定されています。
中小企業新事業進出補助金(新市場・新事業への進出)とものづくり補助金(革新的な開発)は目的こそ異なりますが、どちらも中小企業の付加価値向上と賃上げという共通の政策目標を持ちます。この2つの補助金を一体的に評価する補助金体系へ再設計することが統合の狙いです。
どちらかが廃止されるわけではなく、「成長投資支援の窓口を一本化する」という位置づけです。
2)統合後はどうなる?
中小企業庁が公表している資料によると、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、
- 中小企業新事業進出補助金 → 新事業進出枠
- ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠) → 革新的新製品・サービス枠
- ものづくり補助金(グローバル枠) → グローバル枠
として再設計される予定です。
また、補助上限と補助率については、改正前後で次のように変わります。なお、補助下限についての情報は2026年4月19日時点では公表されていません。

大きく変わるのは、グローバル枠(旧:ものづくり補助金(グローバル枠))で、補助上限が大幅に引き上げられ、最大7000万円となる見込みです。また、改正前はなかった特例の適用も受けられるようになり、その場合、金額は最大9000万円になります。
■中小企業庁「『新事業進出・ものづくり補助事業』に係る資料提供依頼・意見募集について」■
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/jizen/2025/251226.html
以上(2026年5月作成)
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画像:ChatGPT

























