「ゾーン30」「ゾーン30プラス」(2022/01号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

警察庁の統計によると、交通事故における歩行者や自転車の死者数の約半数は、自宅付近で発生した事故によるものです。また歩行者と車両の事故では、時速30kmを超えると歩行者の致死率が高くなります。

このため生活道路の交通安全対策として「ゾーン30」「ゾーン30プラス」が進められています。これら生活道路の交通安全対策を理解し、歩行者や自転車を保護する運転を心がけましょう!

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※出典:国土交通省ウェブサイト、「ゾーン30プラス」に関する2021年8月26日報道発表の別添資料を当社加工
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001419903.pdf

1.「ゾーン30」とは

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  • 「ゾーン30」とは、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保するため、生活道路を含む定められたエリアで最高速度が30km/hの速度規制を実施するエリアです。
  • エリア内では走行速度を規制するだけでなく、抜け道としての通行を抑制・排除する交通安全対策が行われています。
  • スクールゾーン(時間通行禁止)と組み合わせることもあります。

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2.「ゾーン30プラス」とは

「ゾーン30プラス」とは、交通規制(ゾーン30)に物理的デバイスを加え、歩行者や自転車を守ろうとしているエリアです。

警察と道路管理者が緊密に連携し、地域住民等の合意形成を図りながら、生活道路における人優先の安全・安心な通行空間の整備・拡充を順次進めています。

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※出典:国土交通省ウェブサイト、「ゾーン30プラス」に関する2021年8月26日報道発表の別添資料を当社加工(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001419903.pdf

「ゾーン30」や「ゾーン30プラス」は、歩行者や自転車にとって危険があり、運転者から見ても、子供の飛び出しなど予測できないような行動により、重大な交通事故につながりやすい場所に設けられています。

ドライバーの皆さんは、「ゾーン30」や「ゾーン30プラス」の交通安全対策を理解し、歩行者や自転車の安全に配慮した思いやりの運転を心がけましょう。

以上(2022年1月)

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画像:amanaimages

【朝礼】2022年、皆さんにやってほしいたった一つのこと

あけましておめでとうございます! さて、迎えた2022年に、私は皆さん一人ひとりに、ぜひやってほしいことがあります。それは、

「私はこれを一年間続けた」と言えるものをつくる

ことです。分かりやすい例えで言うと、毎朝ジョギングをする、週に1度は本を読む、月に1度は異業種の人と交流するなどです。あれもこれもと欲張らず、何か一つでいいのですが、1点だけ条件があります。「続けることが、自分のこれからにとってプラスになる」と、皆さん自身がワクワクできるものにしてください。

私が皆さんに、この「一年間続けたプラスになるもの」をつくることをお願いするのには、2つ理由があります。まず1つ目は、よく「継続は力なり」と言いますが、「継続は自信になる」からです。2022年を振り返ったとき、一年間続けたものがあれば、それは皆さん一人ひとりに自信や誇りをもたらしてくれるでしょう。何かあったときに、よりどころになるかもしれません。

2つ目の理由は、「自分の未来を考える」という視点を持ってほしいからです。この一年間で続けるプラスのことは、例えば健康に良いかもしれませんし、新しい知識や気付きを与えてくれるかもしれません。きっと、皆さんのこれからの人生をより豊かにしてくれます。つまり、費やした一年間の時間と労力は、未来の自分に向けての投資、贈り物ともいえるでしょう。

忙しいときというのは、どうしても目の前の仕事に追われて近視眼的になりがちです。皆さんも恐らくそうだと思います。ですので、「プラスになるものを一年間続ける」ことを通じて、少しでも未来を考える機会をつくってほしいのです。「物事を長期スパンで考えろ」なんて難しいことは言いません。「自分の未来にとってプラスになりそうなことを、取りあえず一年間やってみる」。これなら実践できそうな気がしませんか?

もし既に何か続けていることがある人は、それを変わらず続けてもいいですし、内容をバージョンアップしてもいいでしょう。

ちなみに私は、週に1度は、自分と違う若い世代かつ社外の人の話を聞き、学ばせていただくことを続けると決めています。私は50代ですので、20代で起業している人などを想定しています。刺激になり、私自身をバージョンアップできそうだからです。ただし、そういう人たちと話すには、まずその機会を自分でつくりにいかなければなりませんし、知識や柔軟な発想、年齢などの属性にとらわれないフラットな思考も求められます。

さて、皆さんは何を一年間続けるでしょうか。イタリアでは、「100年先ではまだ短い。300年先においしいワインにすることを考えてワインづくりをしている」と聞いたことがあります。これはなかなか持てない視点です。300年とは言わないまでも、今年は皆さんも、未来を考える視点を持って前に進みましょう!

以上(2022年1月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】今年は「応援される人」になろう

新しい年に入り、皆さんは気持ちも新たに仕事をしていることでしょう。これから先、皆さんがさらに成長していくために、私から一つ課題を出します。それは、皆さんが「応援される人」になることです。今でも家族や友人、同僚は皆さんを応援しているでしょう。私が求めるのは、社外の人、それも自分よりも年上や年下の人から応援される人になるということです。なぜなら、応援される人には、それだけの魅力があり、それこそがビジネスパーソンとして成長するための大切な要素だといえるからです。

私には、50歳になってから畑違いの部門に異動になった知人がいます。そこはテクノロジーを使った新規事業の開発部門で、それまで彼が所属していた管理部門とは業務の性質が全く違います。右も左も分からずに困り果てた彼は、30歳近くも年が離れた若手に頭を下げて教えを請い、一生懸命に勉強しました。

それだけではなく、誰よりも積極的に社内外の人と交流し、勉強会にも参加しました。そうした活動を継続すると、知識が少しずつ蓄えられていき、人脈も広がっていきます。そして、ついに合同プロジェクトを立ち上げ、成功させることができたのです。異動から7年目の出来事でした。私が成功の要因を尋ねると、彼は笑顔で言いました。「社内外を問わず、たくさんの人が私に力を貸してくれたからこそ成功することができた。私一人では何もできなかった。周囲に恵まれたのだ」

皆さんは、どのような人なら応援したいと思うでしょうか。私は、応援される人には4つの要素があると考えています。

1つ目は、自分が成し遂げるべきことを知り、実際にそれを成し遂げるという強い信念を持っていることです。私の知人は畑違いの部門に異動になっても“腐る”ことはありませんでした。新規事業を立ち上げることを目標とし、それを成し遂げるために困難に立ち向かったのです。

2つ目は、継続した努力ができることです。彼は新規事業を成功させるまでに、7年もの間、諦めずに取り組み続けました。これは「私はこの仕事をしている」と胸を張って他人に言えるレベルであり、その人を象徴する魅力となります。

3つ目は、年齢に関係なく、他人の言葉に素直に耳を傾けられる柔軟さです。50歳ともなればそれなりに経験があるものですが、彼はそれに固執せず、若手の意見も十分に聞きました。

4つ目は、成功してもおごらず、他人への感謝の気持ちを忘れないことです。一番苦労したのは彼でしょう。しかし彼は、つらいときでも笑顔を絶やさず感謝の気持ちを伝え、むしろ率先して周囲の人を応援していたのです。

どうでしょう。応援される人に共通する4つの要素のうち、皆さんは幾つ当てはまりましたか。応援される立場になれば、大きな力と可能性を手に入れることができます。皆さん、今日から応援される人を目指して活動してください。

以上(2022年1月)

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画像:Mariko Mitsuda

伊藤博文/経営のヒントとなる言葉

「人は人に使われることを知って、而(しか)して後に人を使うようにならなければならぬ」(*)

出所:「伊藤博文直話 暗殺直前まで語り下ろした幕末明治回顧録」(新人物往来社)

冒頭の言葉は、

  • 「たとえ誰かの下でどのような仕事を行っているときであっても、常に全力を尽くさなくてはならない。そうすれば、いつか自分が人の上に立ったときに、その経験が必ず役に立つ」

ということを表しています。

1853年、米国から黒船が来航し、幕府に開国を迫りました。これに対する幕府の弱腰の対応によって国内では攘夷(外国人や外国文化を排斥すること)運動が盛んになり、幕府に対する反発が強まりました。

こうした中、伊藤氏は、吉田松陰(よしだしょういん)が教える松下村塾(しょうかそんじゅく)で勉学に励み、後に高杉晋作(たかすぎしんさく)をはじめとする塾生たちとともに攘夷運動に加わることとなります。しかし、伊藤氏は単純な攘夷主義者ではなく、「西洋の技術を取り入れて日本の軍事力を強化し、日本の独立を守る」という考えを持っていました。そのため、1863年に同志の井上馨(いのうえかおる)氏たちとともに、海外の情勢を探り、技術を学ぶために英国へ留学しました。そして、産業や工業、軍事などの西洋文明を目の当たりにして、「日本は開国して商工業を発展させ、国力を高めなくてはならない」という考えを強めました。

その後、長州藩は1864年に禁門の変(蛤御門(はまぐりごもん)の変)で敗北して朝敵となり、第一次長州征討を受けて幕府に降伏しました。しかし、幕府への降伏に反対する高杉晋作がわずかな人数で決起し、たちどころに藩内の保守勢力を一掃して倒幕を目指す政権を立ち上げました。この際、伊藤氏は高杉晋作の命を受け、藩内の各方面に対して粘り強く交渉を重ねました。

その後、1866年の第二次長州征討では、幕府軍は長州軍に大敗を喫しました。このことにより、幕府の権威は大きく失墜し、1867年の大政奉還によって江戸幕府は終焉(しゅうえん)を迎えました。そして、王政復古の大号令によって明治政府が成立し、以降、日本は近代国家としての道を歩み始めることとなります。

伊藤氏は、明治新政府において大久保利通(おおくぼとしみち)氏や木戸孝允(きどたかよし)氏などの薩長閥の長を支えて活躍しました。その後、「明治十四年の政変」で大隈重信(おおくましげのぶ)氏が失脚した後は、政府において中心的な役割を担うこととなり、1885年に内閣制度が設置されると、初代内閣総理大臣に就任しました。

こうして、伊藤氏は、最終的には内閣総理大臣という、多くの人の上に立つ立場となりました。伊藤氏は、仕事ということについて次のように述べています。

「およそ人は、その従事するところのことに忠実ならざるべからず」(*)
(人間は、自分が就く仕事を忠実に行わなくてはならない)

伊藤氏は、自身が人の下で働く際には、忠実にそれを行い、ときには命がけで取り組みました。こうした経験が、後に人の上に立つ立場になった際に十分に生きることとなりました。どのような仕事であっても、必ず後の自分自身にとって役に立ちます。そうした仕事の中にやりがいを見つけ出すことこそが、人の上に立つことを志す上で重要となるのです。

【参考文献】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。

【経歴】
いとうひろぶみ(1841〜1909)。周防国(現山口県)生まれ。吉田松陰の松下村塾で学ぶ。高杉晋作や久坂玄瑞(くさかげんずい)などとともに倒幕運動に参加するなど、明治維新の立役者として大きな役割を果たす。1885年、初代内閣総理大臣就任。

【参考文献】
(*)「伊藤博文直話 暗殺直前まで語り下ろした幕末明治回顧録」
(新人物往来社(編)、新人物往来社、2010年4月)

以上(2021年10月)

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画像:pixta

【朝礼】来年は「任され、任せる人」になります

早いもので、今年もあとわずかで終わりです。せっかくなので、けさはこの場を借りて、私の1年間の仕事を振り返ってみたいと思います。

いきなりネガティブな出だしで申し訳ないのですが、私が今年を振り返って最初に出てくる感想は「しんどかった」です。私たちのチームにとってこの1年間は、昨年から始まったリモートワークにも慣れ、いよいよ新しいサービスに本腰を入れていこうというタイミングでした。しかし、同じタイミングでメンバーの離職が続き、少ない人数で仕事を回すことを余儀なくされました。

「この難局を乗り越えるには、今まで以上にチームが結束しなければならない」。そう思って私が意識的に行ったことは、仕事が多そうなメンバーに自分から声を掛け、細かい業務を引き取ることでした。積極的にサポートに入ることでチーム内の仕事はスムーズに回り、サポートに入った相手からは感謝され、距離感も一層近くなりました。

しかし、やがて問題が起きました。私自身の本来の仕事が、今までよりも高いレベルを求められるようになってきたのです。上司から求められるレベルをなかなかクリアできず、しかも他のメンバーへのサポートは継続して行っていたので、私が仕事に割く時間は増え、反対にプライベートに割ける時間は少なくなっていきました。そのため、イライラすることが増え、せっかく距離感が近くなった他のメンバーに対しても、話しかけにくい雰囲気をつくってしまうようになりました。

しかし先日、見かねた上司が、私を食事に誘って話を聞いてくれました。私がイライラしている理由を聞いた上司は、こう言いました。「他のメンバーの仕事を積極的に手伝ってくれることには感謝している。だが、君はもう新入社員ではなく中堅社員だ。仕事を任されるだけでなく、任せることもできるようにならなければいけないよ」

私はハッとしました。私はこれまで「チームの人数が少ないから、きっと同僚や後輩も忙しいに違いない」と、彼らに仕事を振ることをせず、自分1人でこなすことばかりを考えていました。しかし、上司との会話の中でそれが誤りであることを知りました。同僚や後輩は忙しいものの、チームのサポートに入れないほどの仕事量ではありませんでした。それどころか、私が1人で仕事を引き取ることで、私自身の本来の仕事が遅れ、それを確認する上司に迷惑が掛かっていたのです。私はチームを気遣っているようで、実はチームのことが全く見えていませんでした。

ですから、来年は、仕事が多くて困っているメンバーがいたら、単に自分が引き取るのではなく、同僚や後輩も含め、誰がサポート役として適任なのかを考えられる社員になります。それには、メンバーが抱えている仕事の内容や量を正確に把握することが大前提になります。私は来年、皆さんの仕事を注意深く観察していきます。そして、中堅社員としてレベルを1段階上げ、仕事を「任され、任せる人」になります。

以上(2021年12月)

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画像:Mariko Mitsuda

18分で社員のアイデアが108も集まるすごい会議法! 全員が当事者になる「BBHメソッド」

書いてあること

  • 主な読者:現状の手詰まりの状態を打破したい経営者
  • 課題:現状を打破できるすごいアイデアが思いつかない
  • 解決策:発想・収束・評価までを60分で実施できるBBHメソッドでアイデアを生み出す

1 使えるアイデアは「300分の1」。だからこそスピード重視を

現代のビジネスではスピードが重視され、短時間で大量のアイデアを出すことが求められます。私は「300分の1法則」と呼んでいますが、

アイデアを300出しても、そのうちのせいぜい1つくらいしか世の中では通じない

ということです。ですから、本当にすごいアイデアを出したいのなら、衆知を集めて大量のアイデアを出さなければなりません。

そこで、この記事で紹介するのが、「BBHメソッド」です。BBHメソッドは、

アイデアの発想・収束・評価を、わずか60分で実施する方法

です。具体的には、次の3つの技法を活用します。

  • 発想:アイデアを出す「ブレインライティング(BW)」
  • 収束:発想をまとめる「ブロック法(BL)」
  • 評価:優秀なアイデアを選ぶ「持ち点法(Holding Point Method、HP)」

BBHメソッドは、3つの技法の頭文字をとって私がネーミングした方法です。わずか60分で実施できる優れものですので、ぜひあなたの会社でもご活用ください。

2 ブレインライティング(BW)は沈黙のスピード発想法

ここでは、私がブレインライティングを改良した「カードブレインライティング法(以下「BW」)」を紹介します。従来のブレインライティングでは、アイデアを整理し分類する際に、アイデアをカードに再度転記しなければなりませんでした。そこで、図表1のようなBWシートを考えました。アイデアをカードに記入すれば自由に動かせるので、再度転記する必要がありません。

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1)事前の準備

1.テーマを決める

まずテーマを決めます。テーマは、できるだけ具体的なものにします。

2.メンバーを選ぶ

テーマに関連のない人でも、解決力のある人は積極的にメンバーに加えましょう。メンバー数は6人が原則ですが、BWは何百人でも実施できます。

3.リーダーを決める

リーダーを1人選びます。リーダーの役割は、進行と時間チェックです。

4.机を四角型にする

机を2卓付けて四角型にし、全員がお互いの顔が見えるように座ります。

5.各メンバーにBWシートの材料を渡す

A4用紙1枚と、黄色の付箋紙(2.5㎝×7.5㎝、以下「カード」)を20枚渡します。各メンバーは、図表1のように配られたA4用紙を横長にし、最上部にテーマを書き、下にカードを貼ります。これがBWシートです。

2)リーダーの説明

ここで紹介している内容ですので、省略します。

3)会議の本番(各ラウンドを3分で実施する例)

1.リーダーがタイマーを3分にセットする

各メンバーはBWシート(図表1)を用意します。

2.第1ラウンド

各メンバーはBWシートの1列目に3つアイデアを記入します。基本的には文章にして記入し、主語・述語を入れるようにします。

3.BWシートを渡す

3分たったら各メンバーはBWシートを左隣の人に渡します。3つ書けなくても、時間になったら渡さなければなりません。

4.第2ラウンド

第2ラウンドも3分です。渡されたBWシートの2列目に自分のアイデアを記入します。1列目のアイデアと無関係なものでも、1列目をヒントに考えても構いません。ただし、1列目のアイデアと全く同じものはいけません。

5.BWシートを渡す

第2ラウンドが終了したら、速やかにシートを左隣の人に渡します。

6.第3ラウンドから第6ラウンドまで

第3ラウンド以降は、同様の作業を繰り返します。もし、時間内に3つアイデアを記入し、手元シートで上のほうに空欄があれば、そこにもアイデアを記入します。

BWはこのように進めていきます。1ラウンドが3分で6ラウンドですから、計18分。こんな短時間でも全員が全欄を記入すれば、6人×3アイデア×6ラウンド=108アイデア。たった18分で108ものアイデアが出る技法です。

3 BWのカードを一挙にまとめるブロック法(BL)

次は、BWをスピーディーにまとめる技法である「ブロック法(以下「BL」)」を活用します。これは、「KJ法」からヒントを得て私が考案した方法です。

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1)事前の準備

1.メンバーとリーダーを決める

メンバーとリーダーは、BWを実施したときと同じにします。

2.項目名を記入するカードを用意する

机はBWのときと同様に四角型にし、中央にA3用紙5枚を重ならないように敷きます。続いて項目名を記入するためのピンク色のカードを30枚用意します。

3.BWシートを配布する

各メンバーに、本人がアイデアを記載していないBWシートと、B4用紙1枚を渡します。

2)リーダーの説明

ここで紹介している内容ですので、省略します。

3)会議の本番

1.内容が似たアイデアを集めてカード群をつくる

各メンバーは、手元のBWシートに貼られたカードの中から、内容が似たもの同士を集めてカード群を幾つかつくり、手持ちのB4用紙に貼ります。ただし、1つのカード群のカードは5枚以内とします。

2.カード群の1つを中央のA3用紙に貼る

リーダーの右隣の人が、自分がまとめたカード群の中から1つを選んで読み上げ、机上の中央に敷いたA3用紙に貼ります。

3.他のメンバーが似た内容のカードを加える

出されたカード群に内容が似たカードを持っているメンバーは、そのカードを机上の中央のA3用紙に貼ったカード群に加えます。

4.カード群の項目名を付ける

メンバー全員でカード群の項目名(グループ名)を考え、ピンク色のカードに書いて貼ります。

5.次のメンバーがカード群の1つを中央のA3用紙に貼る

2番目の人が手持ちカード群の中から1つ選んで読み上げ、机上の中央に敷いたA3用紙に貼ります。以降、1回目と同様に他のメンバーが内容の似たカードを加え、項目名を考えます。

その後も同じ手順を繰り返し、全てカードを出しきるまで続けます。その際の注意点は、次の3点です。

  • まとめきれないカードは、「その他」としてまとめます。
  • 新たに思いついたアイデアがあれば、黄色のカードに記入して出します。
  • カード群のカードが多すぎるとまとまりがなくなるので、基本的に1群のカード数は10枚以内とします。

4 優秀なアイデアを一挙に評価する持ち点法(HP)

最後は、アイデアを評価する技法である「持ち点法(以下「HP」)」を活用します。通常、評価は話し合いで行うことが多いのですが、評価対象が何百もあると、とても時間がかかってしまいます。そこで私は、評価者全員が同じ持ち点を持ち、平等に評価するHPを考えました。HPなら、全員が同じ持ち点を一斉に配分するので、全員が平等に評価でき、ムダな討議時間が減ります。

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1)事前の準備

特にありません。BLから引き続いて行います。

2)リーダーの説明

ここで紹介している内容ですので、省略します。

3)会議の本番

1.評価するカードに点数を記入する

各メンバーがそれぞれ3つのアイデアに投票する場合、各メンバーは全カードの中からカードを選び、カードに1位なら3(3点)、2位なら2(2点)と数字を記入します。

2.カードに合計得点を記入する

全員の記入が終了したら、各カードに赤字でそのカードの合計得点を記入します。

3.得点が入ったカードだけ貼り出す

得点が入ったカードだけ、他の用紙に貼り出します。

4.話し合いで優秀なアイデアを選ぶ

合計得点の高いアイデアを中心に、全メンバーで話し合って優秀なアイデアを選びます。

5 BBHメソッドは簡単でスピーディー。ぜひご活用ください

アイデア会議をこのBBHメソッドで実施すれば、60分(BWに20分、BLに20分、HPに10分、アイデア選択に10分)で完了することが可能です。

私が代表を務める株式会社創造開発研究所では、ネーミングや商品企画の会議でこのBBHメソッドをよく使います。ネーミングの発想では500ものアイデアを出すことも珍しくありません。200くらいの発想数なら、BBHメソッドを活用し、3時間程度で実施することも可能です。

BW自体は、ドイツのホリゲル(Holiger)氏が開発したアイデア会議の技法です。ホリゲル氏はドイツの形態分析法の研究者で、経営コンサルタントでもあります。アイデア会議の代表技法である「ブレインストーミング」の欠点である、発言する人と発言しない人とが極端に分かれ、沈黙して考えることができないことを改良して、BWを考案しました。日本人には、「人前で積極的に意見を言うのが得意ではない」という人が多いので、このBWはとても日本人に向いた会議法だと思います。

まとめにはKJ法がよく使われますが、KJ法はメンバー全員の話し合いによって全カードをまとめる作業を行うので、大変時間がかかります。しかし、BLならまとめる作業を分担して行うので、大幅に時間が短縮されます。そしてHPも時間短縮が可能な評価法です。

ぜひ、皆さまの会社でも、さまざまな場面でこのBBHメソッドを活用してみてください。

以上(2021年12月)
(執筆 株式会社創造開発研究所代表 高橋誠)

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画像:Monet-Adobe Stock

【朝礼】年末の挨拶で分かる会社のレベル

早いもので2021年も今月で終わります。我が社のような3月決算の会社の場合、この時期には2つの節目を迎えます。1つは新年を迎えること、もう1つはその3カ月後に新年度を迎えることです。会社全体としては今の経営計画の総決算となりますし、並行して新しい年度の戦略も描くことになります。

この時期は、個人ベースでもけじめをつけるのに絶好のタイミングです。積み残していた仕事を片づけたり、新しい年や年度にチャレンジすることを決めたりします。そして、何か新しいことを始めるということは、別の何かを捨てるということでもあります。
さて、皆さんはお客様や取引先に年末の挨拶をすると思いますが、それはどのような内容のものでしょうか。ここがとても大切だと私は思うのです。相手によって挨拶の内容は変わってくるものですが、「今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします」と伝えるだけでは、不十分です。

年末のご挨拶は、相手に対する提案だと思ってください。相手は、新しいビジネスの取捨選択をしています。そこに、新しいビジネスのアイデアがあったらどうでしょうか。もし、その内容が魅力的なものであれば、新年早々に会ってもっと詳しく話を聞きたいと思うはずです。また、的を射たものでなかったとしても、提案をしてくれる相手との関係をなくそうとは思わないでしょう。

私のところにも、毎年、たくさんの年末の挨拶状が届きます。もちろん、全てに目を通し、返信もしますが、「今年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします」といった定型的なものには、やはり「こちらこそ、ありがとうございました」と、定型文で返すだけです。正直なところ、印象に残りません。

皆さんは、相手の印象に残り、次のビジネスにつながる年末の挨拶をしなければなりません。そのためには、新しい提案を盛り込むことの他に、これから話す2つの要素も加えるようにしてください。

1つは、今年、その相手と取り組んだビジネスを振り返ることです。「今年は、一緒に新しいビジネスを企画して営業しました」といった具合ですが、そのとき、その商談における象徴的な会話など、相手と自分しか知らないことを盛り込むと、相手はこちらに親近感を抱きます。

もう1つは、年明けの具体的な行動を示すことです。「1月の第3週目にお会いしましょう」といったように、次の具体的な行動を示すことで、年明け早々から新しいビジネスの可能性を模索できるようになるのです。

定型的な挨拶やカレンダーの配布だけでは自社を印象づけるのが難しい時代になりました。私たちは、今のこの時期を生かして次のビジネスの可能性を見いだしていきましょう。それは、たった1つの年末の挨拶から始まるのです。

以上(2021年12月)

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画像:Mariko Mitsuda

すっきり分かる自社株の3つの評価方法

書いてあること

  • 主な読者:自社株の評価方法が知りたい経営者
  • 課題:評価方法の種類、自社が採用すべき方法が分からない
  • 解決策:評価方法は会社の規模に応じて「類似業種比準方式」「純資産価額方式」「併用方式」に分かれる

1 自社株の評価方法は規模区分で決まる

事業承継対策では、会社の株式(以下「自社株」)がどのように後継者に移すかが重要なポイントであり、特に自社株の評価額は、事業承継に必要な資金額に直結します。

税務上、取引相場のない株式の価額は、評価しようとするその株式の発行会社(以下「評価会社」)が大会社、中会社または小会社のいずれに該当するかに応じて評価します(財産評価基本通達178)。まずは、自社の規模区分を確認してみましょう。

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規模区分(大会社、中会社、小会社)に応じて自社株の評価方法は次のように異なります(財産評価基本通達179)。

  • 大会社:類似業種比準価額方式で評価。納税義務者の選択により純資産価額方式によって評価することも可能
  • 中会社:類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式によって評価。納税義務者の選択によって純資産価額方式で評価することも可能
  • 小会社:純資産価額方式によって評価。納税義務者の選択により、類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式によって評価することも可能

2 類似業種比準価額方式

類似業種比準価額方式は、大会社の株式を評価する際に用いる方法です。大会社は事業規模が上場会社に準ずる会社とみなし、評価する会社の事業内容が類似している上場会社の株価に比準して株式の評価額を求めます。

具体的には、評価する会社と業種が類似している上場会社の株価を基に、1株当たりの配当金額、年利益金額、純資産価額を勘案して、次の算式によって株価を算出します(財産評価基本通達180)。

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3 純資産価額方式

純資産価額方式は、主に小会社の株式を評価する際に用いる方法です。小会社の株式は、個人企業財産の評価とのバランスを考慮し、原則として1株当たり純資産価額によって評価します。純資産価額方式の計算方法は次の通りです(財産評価基本通達185)。

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評価差額は資産の含み益ですが、これに37%を乗じて評価差額に対する法人税等に相当する金額を算出します(財産評価基本通達186-2)。

4 併用方式

併用方式は、主に中会社の株式を評価する際に用いる方法です。併用方式は次式で算出します(財産評価基本通達179)。

類似業種比準価額×L+1株当たり純資産価額×(1-L)

Lの割合は次の通りです。企業規模が大きいほうがLの割合が高くなるため、その分、類似業種比準価額の割合が高くなります。

  • 中会社で大会社に近いもの:0.90
  • 中会社で中間のもの:0.75
  • 中会社で小会社に近いもの:0.60
  • 小会社:0.50

5 その他の留意点

1)株式保有特定会社の株式の評価

評価した価額の合計額に占める株式、出資および新株予約権付社債の価額の合計額が50%以上である評価会社の株式の価額は、純資産価額方式により評価します。なお、納税義務者の選択により、他の一定の方法により評価することもできます(財産評価基本通達189-3)。

2)土地保有特定会社または開業後3年未満の会社等の株式の評価

大会社に区分される会社で土地保有割合が70%以上である会社の株式は、純資産価額方式により評価します。同じく、中会社に区分される会社で土地保有割合が90%以上である会社の株式は、純資産価額方式により評価します。ここでいう大会社及び中会社には一定の小会社も含みます(財産評価基本通達189-4)。

開業後3年未満の会社等の株式は、純資産価額方式により評価します(財産評価基本通達189-4)。

3)配当還元方式(特例的評価方式)による株式の評価

同族株主以外および同族株主等であっても持ち株数が少ない一定の株主が取得した株式については、発行会社の規模にかかわらず、特例的評価方式である配当還元方式によって評価します。なお、その金額が原則的評価方式(類似業種比準価額方式、純資産価額方式、併用方式)により計算した金額を超える場合には、原則的評価方式により評価します(財産評価基本通達188-2)。

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以上(2021年12月)
(監修 税理士法人アイ・タックス 税理士 山田誠一朗)

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画像:pixabay

大隈重信/経営のヒントとなる言葉

「失敗はわが師なり。失敗はわが大なる進歩の一部なり」(*)

出所:「日本のリーダー名語録 優れた指導者に学ぶ決断力 明治・大正・昭和」(PHP研究所)

冒頭の言葉は、

  • 「たとえ失敗をしても、そこで諦めてはいけない。失敗を次のステップに向けたバネとすることで、その先に大きく進むことができる」

ということを表しています。

1868年、明治新政府が成立すると、大隈氏は財政や外交分野の才能を認められ、政府の要職を歴任しました。そして、薩長派の巨頭である木戸孝允(きどたかよし)氏や大久保利通(おおくぼとしみち)氏が逝去すると、大隈氏は筆頭参議(政府の重職)として、実質的に明治政府を運営することとなりました。

当時、世間では国会開催や憲法制定を求める自由民権運動が高まりをみせていました。こうした動向に対し、伊藤博文(いとうひろぶみ)氏をはじめとする多くの参議は、「国会開催や憲法制定は漸進的に進めるべきである」という考えを持っていました。これに対し、かねてより英国の議会政治を日本でも実現しなくてはならないと考えていた大隈氏は、国会開催や憲法制定に関して急進的かつ具体的な考えを持っていました。

このため、大隈氏と伊藤氏たちの間で対立が深まることとなります。そして、1881年、伊藤氏ら反大隈派の巻き返しを受け、政争に敗れた大隈氏は、政治の舞台から去ることを余儀なくされました。

しかし、こうした逆境にあっても、大隈氏は希望を捨てませんでした。1882年、大隈氏は立憲改進党を結成しました。そして、「日本の近代化を推進するためには、立憲政治の指導者たる人材の育成が不可欠である」と考え、さらに同年、東京専門学校(現早稲田大学)を創立しました。

その後、1890年、日本において初めての国会(帝国議会)が開催されましたが、以降も藩閥体制に変化はなく、明治維新の主導的存在であった薩摩藩と長州藩の出身者が交互に総理大臣を務めるという状態が続きました。

こうした状況を改革するべく、1898年、大隈氏は自由党総理の板垣退助氏(いたがきたいすけ)と協力し、憲政党を結成しました。こうして、大隈氏が総理大臣の座に就き、日本初の政党内閣が誕生することとなりました。

晩年、大隈氏は往時を振り返り、次のように述べています。

「道が窮(きわま)ったかのようで他に道があるのは世の常である。時のある限り、人のある限り、道が窮(きわま)るという理由はないのである」(**)

この言葉は、「たとえ進むべき道がなくなってしまったかのように思えても、どこかに必ず道は開けている」ということを表しています。

大隈氏が創立した早稲田大学では、建学以来「在野精神」という理念が掲げられてきました。大隈氏は、政治家であった時代の多くを在野で過ごしながらも、常に志を高く持ち続けました。

失敗は、人生における一場面での結果にすぎません。大切なのは、「失敗をどのようにとらえ、そこからどのようにして立ち上がるか」ということです。諦めることなく、失敗をバネとしてそこから立ち上がってこそ、大きな進歩を遂げることができるのです。

【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。

【経歴】
おおくましげのぶ(1838〜1922)。肥前国(現佐賀県)生まれ。蘭学および英学(オランダ語および英語を通じて得られる西洋の学問)を学ぶ。1868年、明治政府の外国事務局判事就任。1898年、板垣退助氏とともに憲政党結党。

【参考文献】
(*)「日本のリーダー名語録 優れた指導者に学ぶ決断力 明治・大正・昭和」(武田鏡村、PHP研究所、2007年4月)
(**)「次代への名言 政治家篇」(関厚夫、藤原書店、2011年1月)
「大隈重信」(中村尚美、吉川弘文館、1986年1月)

以上(2021年5月)

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社員の意識が変われば会社は立て直せる/千葉ロッテを黒字転換させた前球団社長の組織再建術(後)

書いてあること

  • 主な読者:会社の再建を成功させたい経営者
  • 課題:資金も戦力もないところから、どのように立て直せばよいのか分からない
  • 解決策:社員とのコミュニケーションを一番大切にし、社員が楽しく働ける環境を作って意識改革を促す

この記事は、千葉ロッテマリーンズ(以下「千葉ロッテ」)の前球団社長・山室晋也氏へのインタビューの「後編」です(前編は下記)。前編に続き、後編は山室氏が、社員の意識や人事制度を大きく変えていったお話をお伺いしています。経営者の皆さまの会社再建、組織再建の参考になれば幸いです。

1 社長はオーケストラの指揮者たるべし

当たり前のことですが、社長1人で会社の業績を上げることはできません。社長というのは、プロフェッショナルである社員たちをうまく機能させる、オーケストラの指揮者のような存在であるべきだと思っています。

会社を再建するには、社員一人ひとりの意識を変えて、業績を上げてもらうしかありません。ですが、形骸化した理念やビジョンを押し付けても社員の意識は変わりません。社員が働きやすい環境を作る、つまり、社員が楽しみながら仕事ができるような状況を作ることが必要です。そのためには、1人の人間として社員の気持ちを考え、1人の人間として当たり前の対応をすることが大切だと思っています。

2 成功体験で承認欲求が満たされれば、楽しみながら仕事ができるようになる

社員が楽しみながら仕事ができるようにするには、次の3つのサイクルが機能することだと思っています。

  • 自分(社員)がやりたいことを提案し、採用される
  • 自らの提案を実現させ、成功体験を得る
  • 会社の利益になることで周囲から評価され、承認欲求が満たされる

社員一人ひとり、社員としてその会社に勤めているからには、何かしらやってみたい「夢」があるはずです。社員にとっては、自分がやりたいと思っているアイデアを提案し、組織や上司を動かし、あの手この手を使ってそのアイデアを実現(クリア)していくことは、夢の実現とともに、ゲーム感覚的な楽しさが味わえます。

そして、第1ステージをクリアした後は、さらに困難で大きな課題を提案しようという気持ちになるでしょう。このサイクルが機能すると、組織は大きく動き出します。社長の役目はそれを後押しし、サポートすることですが、さまざまなことに気を使わなければなりません。

また、楽しんで仕事をするといっても、会社全体の利益にならなければ、ただの自己満足になってしまいます。それを明確に区別するためには、周囲からの評価と、その評価を適正に反映させた人事が必要になります。

3 まずは社員に提案してもらう

以前にも話しましたが(前編を参照)、会社の再建のための提案は、できれば社長からではなく、社員から提案してほしいと思っています。ですから、社員には「もっと言ってほしい」という思いがありました。そこで、社員からアイデアを引き出すために、まず社長は社員が提案をしやすい環境を作る必要があります。

1)全社員へのヒアリングと部署ごとの頻繁なショートミーティング

私が社長に就任して最初に行ったのが、全社員へのヒアリングです。また、部署ごとのショートミーティングも1、2週間に1回程度のペースで頻繁に行いました。社内の課題を把握することも大きな目的ですが、社員が目指す夢や社員像はどのようなもので、会社についてどのように考え、どのように改善したいと思っているかを知ることが重要なポイントです。

また、部署ごとのショートミーティングは15分程度の短いもので、基本的に楽しく、雑談だけで終わることもあります。誰かを責めるような形にしないことも重要です。千葉ロッテでは、ショートミーティングの中からアイデアが飛び出してくることが多かったと思います。

こうしたことにはかなりの時間が取られますが、全社員の話を均等に聞く機会を設け、本音で話してくれるような関係を築くのに必要な時間です。

中にはいきなり主張してくれる社員もいますが、多くの社員は、新社長に対してすぐには本音を出しにくかったと思います。私もどちらかというと口下手なほうなので、1回のショートミーティングではなかなか本音は聞けないものです。ですが、少なくともトップが聞く姿勢を持っているということを示すことはできます。

2)本音を引き出す関係作りは日ごろのコミュニケーションが大切

お互いの気心が知れるようになるには、日ごろのちょっとした会話の積み重ねだと思いますので、社員とのコミュニケーションには気を使いました。事あるごとに、「昨日はご苦労さま」とか、「あれ、良かったよ」「この間の件、おめでとう」といった声をかけることで、社員に「とんでもないことを言っても、この人は怒らない」「失敗しても怒られない」ということが浸透していきました。それで人間としての信頼感のようなものを得ていき、次第にやりたいことなどを話してくれるようになりました。

社員にとっては社長との会話は緊張するかもしれないので、会話の中では緊張をほぐすようなこともしています。半分冗談、どこまで本気か分からないほうが、楽しいと思っています。ビジネスの世界はロジカルで厳格なものですが、人間ですので、それだけだと息が詰まってしまいます。ところどころにユーモアや遊びというものがあったほうがいいと思います。人間というのは、伸び伸びしているほうが力を発揮できるという面がありますので。

社員数が50~60人くらいであれば、一人ひとりの社員に目が届くと思います。千葉ロッテ時代は正社員で60~70人程度の規模でした。社長室に閉じこもっていると何も情報が入ってきませんが、オープンな席で仕事をしていましたので、情報は集めやすかったと思います。「隅っこのほうで何か笑い声が聞こえる」「バタバタと電話がかかってきて、おわびをしている」といった状況は、何となく見えます。そこは常にアンテナを張っておいて、「どうしたの?」と声をかけに行くようにしました。

問題が起きたときも、失敗を責めるようなことはしませんでした。もちろん、失敗の原因となった行為や考え方は注意しますが、反省をしている人に追い打ちをかけてもマイナス効果しかありません。またチャレンジしようと思えるように誘導することが大切だと思います。

3)社長が社員の好き嫌いを見せるのは厳禁

社員とのコミュニケーションを重視するのと矛盾するかもしれませんが、私は一緒に飲みに行くなど、社員と社外で付き合うことはしないようにしています。特定の社員と仲良くしていると、入ってくる情報が偏ってしまうからです。

特に中小企業では、固定したメンバーで業務をするので、好き嫌いというものはどうしても出てしまいます。ですが、社長は社員の好き嫌いは絶対に表に出さないよう、ものすごく意識しないといけないと思います。それを表に出してしまうと、固定した人からのフィルターのかかった意見しか入ってこなくなってしまいます。大きな会社であれば人の入れ替わりもありますし、さまざまなルートから情報が入ってきますが、中小企業のオーナー社長はかなり強力な権限を持っていますので、ただでさえ限られたルートでしか情報が入ってきません。

社員同士の間でも、「この人は社長のお気に入りだ」「この人は社長から疎んじられている」といったバイアスが加わると、無用な派閥ができたり、社員の関係がギスギスしたりしてしまいます。

私自身の反省も含めてなのですが、社長は社員の評価に関することをオープンな場で話すのは避けるべきです。ただでさえ社員は、他の社員の評価に関する情報に聞き耳を立てています。社員の評価に関する話は、第三者に聞かれないように注意しなければいけないと思います。

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4 提案に真摯に耳を傾け、なるべく実現させる

1)「社員の提案の95%は検討する価値がある」と思い、詳しく聞く

社員から出される提案の中には、単なる思い付きだけの浅いものや、まだモヤモヤしたものもあります。ですが、社員の提案の95%は検討する価値があると思っています。もちろん、95%を採用するということではありません。

少なくとも提案をするからには、その社員が提案する何らかの背景があるわけです。最初は突飛(とっぴ)に思える提案であっても、まずは提案の背景と、どうすれば提案が実現できると思っているのかを聞いてみることが大切です。

中には、私が「それはどういうこと? 非常に面白いけどお金がかかるから、普通に考えたらできないけど」と聞くと、「実はお金をかけなくてもできる方法があるんです」と話してくれる社員や、「こうすれば、もしかしたらできるのではないかと思うのですが、具体的にはちょっとまだ思い浮かばないんです」と打ち明けてくれる社員もいます。実現方法を考えていないような社員には、「それはアイデアじゃなくて、思い付きだろ」と指摘します。

提案の背景と実現性を確認した上で、採用できない理由を説明すれば、提案した社員も納得はできると思います。そして、「確かに、やるとなるとものすごく大変だ。ちょっと自分でやれる自信はないな」という気付きを得て、少なくとも当事者意識を持ってくれるようになります。

2)採用したら、まずは提案者にやらせてみる

採用できそうな提案に対しては、基本は「では、君やってみて」という形で、提案者に任せることにします。ただし、途中で難しいように見えた場合は、サポートを付けたり、上司などが引き取ったりすることがあります。

これまでほとんど提案をしてこなかった人が提案をした場合などは、少し厳しそうだけどやらせてみよう、ということもあります。もちろん、小さなところから始めていくのですが、まず成功体験を積ませてみよう、ということで採用したこともあります。

社長に就任してすぐに採用したのが、ファンサービス担当の社員がヒアリングシートに記入した、「ファン感謝祭で選手とファンと千葉ロッテの社員で一緒にダンスを踊りたい」という提案でした。私の見たことのないダンスでしたが、とても楽しそうに踊っていたので採用を即決しました。即採用されたことにはその社員も呆気(あっけ)に取られたようでしたが、この企画は動画サイトでも拡散されるほどの大成功を収めました。この成功体験をきっかけに、千葉ロッテでは数多くの話題を呼ぶファンサービスが生まれることになりました。

また、「どうせ無理だけど、東京ドームでできたらいいのにな~」という社員のつぶやきが発端で、2016年7月に東京ドームでの初の主催試合を開催しました。東京ドームやフランチャイズ権を持つチームからの許可などに1年半をかけて実現に至りましたが、結果として満員御礼となり、1試合での集客と収益としては球団史上最高を記録しました。

3)数多くのアイデアが社員からの提案で実現

その他、ここでは社員からの提案で実現した代表的なものを紹介します。特にファンサービスの面では、社員の豊富なアイデアに助けられました。実は、これらの中の多くのアイデアが、私の社長就任前にも提案されたものの、ほぼ門前払いで却下されていたようです。

また、私の社長就任前までは年1回程度、形式的に行われていた選手会と社員とのミーティングを原則毎月開催するようにして、選手と社員との相互理解と協力体制ができたことで実現した提案もあります。

  • 「謎の魚」という公式キャラクター
  • 毎月行うファン感謝試合「マリンフェスタ」
  • ビールの売り子がアイドル活動を行う「マリーンズカンパイガールズ」と売り子選手権
  • ヒーローインタビュー表彰
  • 勝利後の選手とファンとのコール「WE ARE!」
  • ユニホームの名前と場内アナウンスのコールをニックネームにした試合の開催

5 能力と実績に応じた公平な人事評価・人事制度に改革

1)有名無実化していた「人事評価制度」を大きく変えた

これも当たり前ですが、社員が楽しく仕事をするには、社員の能力と実績に報い、周囲からの納得感も得られる人事評価と人事が必要です。

実は私が社長に就任する前の千葉ロッテには、人事制度があってないようなものでした。しっかりとした評価制度がなく、年功序列的な形になっていました。また、社内にはロッテHDからの出向者、球団独自の採用者、業務委託契約者など、さまざまな属性の人が集まっていて、そこの垣根もありました。会社再建のためには、その部分を変えることが必要でした。

私が採用した人事評価制度は、簡単に言うと年齢や勤務年数、属性などの違いを全てフラットに評価するというものでした。とはいえ大半の業務は数値化できないので、360度評価のように、上司や部下、関係部署などから広く意見を聞いて、なるべく合議制の形で評価をするようにしました。それほど社員の数も多くないので、周りから見ていても、誰が仕事ができるのか、というのは分かってくるもので、大きく評価がずれることはないと思います。

人事に関しても、色を付けずに純粋に能力に応じたポジションを充てる、ということを行いました。頑張れば、能力があれば昇進・昇格・昇給するという、普通の会社にとって当たり前のことをしただけです。

2)ビールの売り子が部長に

能力と実績に応じた人事に改めて、「大抜てき」に見える人事も行われるようになりました。例えば、ビールの売り子のアルバイトだった人が、契約社員、正社員となり、部長に昇進したケースもあります。また、契約社員から本部長になった人も3人います。

私としては、さまざまな人の意見を聞きながら、マネジャーとしての見識や能力など総合的に判断して、あるべきポジションに収めた、という感覚でいます。特段、むちゃくちゃに抜てきしたという気持ちもありません。ステップを踏んで徐々に昇進していますし、周囲の評価と照らしても、納得感がある人事だったと思います。

一番大事な評価のポイントは、アイデアを出して、それをきちんと実行できることです。プロジェクトマネジャーとして、きちんとプロセス管理ができる人を一番評価します。

中小企業の場合、社長の目が全社員に届きやすいので、社員はプレーヤーに徹することが多いのではないでしょうか。千葉ロッテの場合もプレーヤーばかりで、もう少しマネジメントをやってほしいという気持ちがありました。

自分は一歩下がって部下たちの力が発揮できるようにするとか、他部署との調整をするとか、どこにターゲットを絞って攻めるべきかを考えられるような人材です。千葉ロッテでは、自分の仕事だけをすればいいという傾向がありましたので、自分最適ではなく、会社の全体最適化を考えられるプレーヤーの育成に努めました。

そのために、個別にかなり密にコミュニケーションを取るようにしました。「それでは他部署との連携がうまくいかない」「こうすれば収益が2倍になる」「その情報は自分だけでなく、社内で共有したほうが大きな反響を得られる」といったことを、オンザジョブで指摘していきました。

3)小さな表彰制度を活用

2:6:2の法則というか、組織としてやはりどうしても2割か3割の人が大半の仕事を行う、という状況になってしまいます。ただ、残りの8割なり、下位の2~3割の人を放置しておくというのは、非常にもったいない話です。

そういった人たちのモチベーションが上がるための制度が、表彰制度です。「その人のポジションや能力からすると、ちょっとチャレンジしたね」という場合に、表彰によってスポットを当てることをしました。これは、組織全体の活性化に大きく役立ったと思います。

表彰は、日ごろ目立たない部門なども含めて、全社員に公正に行き届くことが大切です。例えば、難しい案件を早く上司に回して決裁をした人に「上司への書類キラーパス賞」、スマホアプリなどの集客企画を実施してファンをスマホ依存症にした人に「スマホ依存賞」など、型にはまらずに表彰しました。賞品は500円程度の図書カードなどの安価なものですが、皆の前で表彰されて、拍手をされながら受け取ることに意味があります。

こうした表彰は非正規社員やアルバイトも対象にしました。それによって、警備員が愛想良く誘導するようになり、清掃のアルバイトが来場者に笑顔で挨拶をするようになるといった効果がありました。

さらに、上司にとっては毎月の表彰者探しが義務となりましたので、部下の良いところを探すために部下に関心を持つようになる、という意義も大きかったと思います。

4)中小企業に特有の「役職インフレ」

年齢や勤続年数と人事の逆転現象は生じてしまいます。逆転された人も腐ってしまわないようにするには、基本的なことですが、コミュニケーションを取ることを心掛けました。

それから、現実的な対応として、肩書を与えてモチベーションアップを図ることもしました。恐らくどこの中小企業もそうだと思うのですが、「役職インフレ」になっているのではないでしょうか。給料ではなかなか報いることができないので、何で報いるか、ということを考えると、肩書で報いるということになってしまいがちです。

特にプロスポーツ事業会社の場合、管理職が4割くらいになってしまっています。千葉ロッテの場合も、そこら中に本部長、部長、課長がいて、課長の下にはほとんど誰もいないような部署が多くありました。

本来は大企業のような三角形の組織体を目指したいので、この問題ではいろいろと考えたのですが、日本人の感覚として肩書を重んじる文化があるので、ある程度は肩書で報いるものとして割り切ることにしました。理想と現実のギャップができるのは仕方ないと思っています。

6 指揮者であっても自分の背中を見せて社員を引っ張る

1)「ここ一番」では絶対に逃げない

社長はオーケストラの指揮者であるべきだと言いましたが、そうは言ってもやはり中小企業の場合、社長が率先垂範しないと誰も付いてきてくれません。立派なロジックであったり夢であったり理想だったりを語っているだけでは、社員の心に響きません。

中小企業の場合、社長にもプレイングマネジャー的な役割が求められると思います。しかし、やりすぎてしまうと、時間も限られていますし、部下が育ちません。毎回社長が出ていくと、全部「社長お願いします」となってしまいます。ちょっと背中を見せるというか、「ここ一番」というときに出ていくのが理想だと思います。ただし、その「ここ一番」というところでは、絶対に逃げずに必ず出ていくということが大事です。

私はシーズンの開幕・閉幕の際に、球団を代表してファンに向けたメッセージを必ず公表するようにしていましたが、チームの成績が悪かったときは、逃げ出したい気持ちを抑えてメッセージを伝えていました。

2)ホームグラウンドでの試合の開門時にハイタッチで出迎え

私が社長就任期間を通じて欠かさなかったことに、「開門時のハイタッチ」があります。これは、ホームグラウンドでの試合の日の開門時に、入場ゲートの前でマスコットや社員とともに来場者をハイタッチで出迎えるというものです。

「千葉ロッテは、ファンが早くから来場することを社長がこんなに喜び、歓迎する球団だ」ということを、ファンや社員に伝えるために始めました。「どうせ長続きしないだろう」といった冷ややかな声もありましたが、社長として「お客さま第一主義」を掲げた以上、信念を貫き、方針に沿った行動を続けることが、社長としての責任の取り方だと考えて続けました。

ハイタッチを続ける私の信念は、ファンだけでなく、多くの人に共感していただくことができました。私の姿勢を評価してくれたスポンサーから協賛金を増額してもらったり、地元の千葉市の担当者が私の意見を尊重してくれるようになったり、選手がハイタッチなどのファンサービスに不満を言わなくなったり、という影響があったと思っています。

また、ファンの方に私の顔を覚えていただき、来場者から直接クレームなどのご意見をいただけるようになったことも、良い効果だったと思います。

7 社員の意識さえ変われば、結果はついてくる

実は、開門時のハイタッチは、業務を発注している別会社の若い男性社員の発案でした。彼は、社長に就任して間もない、会社を変えようと張り切っている私と雑談をしていた際に、「いつも社長なんて、そうやって変えると言うだけで、結局変わらないんですよ」と言ってきた人物です。私としては、「俺は絶対変えてやるから見ててくれ」と返答したものの、つらくもありましたし、「現場の人たちは、私の意気込みをその程度にしか捉えていないのだろう。むしろ『迷惑だな』と思っている人もいるだろう」という気付きを与えてくれもしました。

そんな彼の遠慮のない提案を聞いて、私は彼を球場のホスピタリティ改善の実質的な責任者に任命しました。その後、彼は多くの提案をしてくれましたし、もともと彼は決して愛想が良いほうではなかったのですが、率先して笑顔でファンを出迎える役割を果たしてくれました。

最初に直言されてから2、3年たって、彼から「会社がすげー変わって、本当に良かったです。こんなに変わると思っていなかったし、僕自身も変わりました。ありがとうございました」と言われました。私が千葉ロッテの社長になって、一番うれしかった言葉でした。

本来、「できない社員」というのはいません。意識さえ変われば社員は大きく成長しますし、収益を出そうと一生懸命やってくれます。そうなればおのずと結果がついてきて、会社は立ち直るのだと思います。

【参考文献】
「経営の正解はすべて社員が知っている」(山室晋也、ポプラ社、2021年2月)

山室晋也(やまむろ しんや)
1960年1月25日、三重県生まれ。エスパルス代表取締役社長。
1982年に立教大学経済学部卒業後、大手銀行に入行。4店の支店長を経て、2011年4月から執行役員。2013年4月、銀行子会社の代表取締役社長に就任。
2013年11月に千葉ロッテマリーンズ顧問に就任し、2014年1月から取締役社長。2019年12月、退任。
2020年1月、清水エスパルスを運営するエスパルス代表取締役社長に就任し、現在に至る。
著書に「経営の正解はすべて社員が知っている」(ポプラ社、2021年2月)。

以上(2021年12月)

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画像:千葉県