【朝礼】学歴にも会社の知名度にも頼らない君たちこそ、誇れる社員だ

けさは、私の古くからの友人の息子さんの話をしたいと思います。

その友人とは、家族ぐるみの付き合いで、息子さんのことも小さい頃からよく知っていました。もう10年以上前の話になりますが、息子さんが就職活動をしていたときに、実は我が社に入らないかと誘ったことがあったのです。

ですが、息子さんは学業が優秀で、名前の知られた大学を卒業し、上場会社に就職しました。私はそのとき、我が社に入社してもらえなかったことは残念でしたが、心から「就職おめでとう」と、友人と息子さんを祝福したことを覚えています。友人も息子さんも、「これで将来は安泰だ」と喜ばれていました。特に友人は私に、「一流会社に就職してくれるなんて、さすが自慢の息子だ」と誇らしげに語っていたものです。

ところが少し前に、息子さんが勤めている会社が、事業の一部を売却したというニュースを見ました。心配になって友人に連絡したところ、息子さんは売却された事業とともに、転籍しなければならなくなったとのことでした。友人は、「こんなことになるなんて思ってもみなかった。息子の将来が心配で仕方ない」と、ため息をついていました。

私は友人と息子さんに同情するとともに、改めて、「学歴があって、一流会社の社員になったからといって、将来まで安泰だとは限らない」ということを実感しました。

最近、息子さんと会う機会があったのですが、「転籍して、給料が大きく減りました。転職したいけれど、改めて考えてみると、自分には学歴くらいしか誇れるものがない」と話していました。もしかしたら、息子さんは一流会社に入ったことで安心しきってしまい、入社後、自分から主体的に何かに取り組んだり、技術を身に付けたりしてこなかったのかもしれません。彼の言葉を聞いて、私は「就職活動のとき、もっと強く我が社に誘っていればよかった」と後悔しました。

皆さんに改めてお話ししたいのですが、ビジネスパーソンとしての価値は、学歴や所属する会社の知名度で決まるものではありません。業務でどんな結果を出しているのか、業務に関して、どのような知見やスキルを持っているのかで決まります。

我が社は、世間的に名の知れた会社というわけではありませんが、それでも1つ、大いに誇れることがあります。それは、私が常日ごろから口酸っぱく言ってきた、「業務に関する知見やスキルを磨くように」という言葉を、皆さんが忠実に実践してきてくれたことです。自分を磨き続け、会社とともに成長してきてくれた皆さんは、我が社にとって誇るべき財産です。今、我が社は苦しいときではありますが、皆さんのような財産に恵まれた我が社であれば、必ず乗り越えられるはずです。全員で一緒に苦境を乗り越え、さらに会社を成長させていきましょう。

以上(2023年1月)

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【朝礼】伝える力は「理由」と「数字」と「話し合い」

今日は、ビジネスをスムーズに進めるために重要な「伝える力」についてお話しします。

ビジネスにおいて「伝える力」とは、自分の考えを相手に伝え、理解・納得してもらうことです。これがなければ、共通の目的と具体的なイメージを持って協力して仕事を進めることはできません。

皆さんが仕事を進める際に、会議や商談など実際に会って話をするだけではなく、電話やメールでも頻繁に連絡を取り合うのは、繰り返し相手に自分の考えを伝え、意思の疎通を図るためです。

物事の伝え方は人それぞれですが、誰でも「自分にとっても相手にとっても利益が見込める話」は自信を持って伝えられるものです。話の内容もより具体的になるでしょう。「この提案が実現すれば、年間売り上げは1億円が見込める」といったようにです。

一方で、相手が損失を被る場合はどうでしょう。例えば、仕入先に30%という大幅な値下げをお願いするシーンをイメージしてみてください。「相手に申し訳ないな」という気持ちから、「ご無理は承知ですが、値下げを検討していただけないでしょうか」などと曖昧(あいまい)な表現でお茶を濁してしまいがちです。このような表現では、相手に自分の真意はしっかりと伝わりません。例えば、私がこのような言い方で値下げのお願いをされたら、それほど深刻な値下げ要求ではないと判断し、「十分に検討しましたが、値下げは難しい」と答えるでしょう。

しかし、この場合、相手にとっては30%という大幅な値下げは業務命令であるため、「会社として30%のコスト削減を図っております。仕入価格が現状のままだと、契約解除を検討しなければなりません」と2度目の値下げ要求をすることになります。

私ならばこう言われたときに、「そんなことだったら、最初からはっきりと言ってくれればよかったのに」と不愉快な気持ちになります。

言いにくいことを相手に伝えるのは誰でも苦痛なものです。このようなときこそ、「理由」と「数字」をはっきり伝えなければなりません。理由を伝えれば、相手はこちらの言葉が根拠のあるものであることを理解することができます。数字を伝えれば、検討の基準を持つことができます。

  

ビジネスでは、自分や相手にとって良い話も悪い話もあります。良い話は、多少、内容が曖昧(あいまい)でも問題になることはありません。むしろ悪い話をするときこそ、丁寧に、正確に自分の考えを伝えなければなりません。そして、相手から質問が出たら、それにしっかりと答える姿勢が信頼につながります。

以前、テレビで移植手術の世界的権威の医師のドキュメンタリー番組を見たことがあります。この医師が行う手術は患者の生命にかかわる困難なものばかりです。だからこそ、医師は手術のリスクや術後の患者の生活について、包み隠すことなく、また、患者が理解できるように伝えます。そして、患者が納得する、具体的には患者から質問が出なくなるまで話し合うそうです。

私たちの仕事においては、たとえどれほど悪い話であっても、この医師のように命にかかわるものではありません。

悪い話を伝えるときは表現を曖昧(あいまい)にしがちです。しかし、そのようなときこそ、「理由」と「数字」を明らかにして、相手が理解・納得できるまで話し合いましょう。

以上(2023年1月)

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【中堅社員のスピーチ例】長篠の戦いに学ぶ「常識」の怖さ

皆さんもご存じの通り、私は日本の歴史、特に戦国時代が好きで、関連する書籍やテレビ番組をよく見ています。今年の大河ドラマ「どうする家康」も、毎週楽しみにしています。主人公である徳川家康は、さまざまな強敵を相手にしましたが、中でも武田家との戦いは、非常に大きな試練だったと思います。ですから、織田信長と家康の連合軍が、1575年に武田勝頼を破った「長篠(ながしの)の戦い」は、私にとって非常に興味深い戦いです。そこで今日は、この長篠の戦いについて、「常識」というテーマで話をしたいと思います。

長篠の戦いは、鉄砲が日本で初めて、本格的に戦いの場に投入された出来事として有名です。戦国最強といわれた武田軍の騎馬隊に対し、織田・徳川連合軍は3000丁の鉄砲を準備して対抗しました。当時の鉄砲は、弾を込めて撃つまでに数十秒かかるため、猛スピードで突進してくる騎馬隊には対抗できないと思われましたが、織田・徳川連合軍は、鉄砲隊を前段・中段・後段に分け、時間差で砲撃を仕掛ける「3段撃ち」という戦術によって、鉄砲の弱点を克服し、武田軍の騎馬隊を打ち破ったと伝えられています。

このエピソードは、当時の戦いの「常識」だった騎馬中心の個人戦を、鉄砲隊を中心とする集団戦に移行させた画期的な出来事だといわれています。それによって、鉄砲や火薬を入手するための経済力の重要性が高まり、城の立地や構造にも影響を与えたとされています。

長篠の戦いでは、織田・徳川連合軍の鉄砲隊の砲火を浴びた武田軍が、かたくなに騎馬隊を突撃させる戦術にこだわったために大敗しました。そして、有能な重臣を数多く失ったことで、後の武田家の滅亡につながったといわれています。勝頼は、「武田軍の騎馬隊が突撃すれば敵を蹴散らせる」という、従来の「常識」に凝り固まり、目の前の新しい現実に対応できずに、滅びていったわけです。

ここから、私たちも、「常識は、塗り替えられる」ということを教訓にすべきだと思います。私たちも日々、業界や会社の中で「当たり前」とされる、さまざまな常識の中で仕事をしていますが、仮にその常識を塗り替えるほどの革新的な考え方や技術が出てきたら、あっという間に周囲に置いていかれてしまいます。あるいは、今まで「常識だ」と信じていたことに間違いや問題点があり、非効率なことを続けているかもしれません。

常識を知らずに仕事をすることはできませんが、同時に「常識通りに行動すれば失敗しない」という、一種の思考停止に陥ることがないよう、気を付けて業務にまい進したいと思います。

ちなみに、長篠の戦いで「織田・徳川連合軍は鉄砲の3段撃ちによって、武田軍に勝利した」という「常識」も、実は裏付けとなる史料の信ぴょう性に欠け、誤っている可能性があるそうです。従来の「常識」に凝り固まって勝頼を不当に低く評価しないよう、気を付けたいと思います。

以上(2023年1月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】多面的に見ると、本質が見えてきます

皆さんは、タイトルを見て面白そうと思って買った本や、おいしそうな名前だったので注文したメニューが、期待はずれであったという経験はありませんか。これは、目立つキャッチコピーに目を奪われて、内容をしっかりと確認しなかったことが原因です。

プライベートの話であれば良い経験の一つですが、ビジネスの場で同じ失敗をしてはいけません。外側だけを一瞥(いちべつ)して、内容をしっかりと確認しなければ、本質を捉(とら)えきれずに大きな過ちを招いてしまうことがあります。

今日は印象にとらわれずに物事の本質を見抜くためのポイントについて話をします。例えば、薄味の料理に味の濃いタレを一滴垂らしたときのことを想像してください。その料理はそのタレの味になります。また、淡い色のスーツに目が覚めるような赤色のネクタイを締めたときを想像してください。赤いネクタイは非常に目立ち、会う人に強烈な印象を与えます。このように、味や色の濃いものは、それがわずかな量であったとしても人の興味や注意をひきつけ、全体を印象付けるほどの影響力を持ちます。

このことは私たちのビジネスの世界でも同じです。例えば、真新しい情報や、画期的とされる新製品は私たちの目を引き寄せ、強烈な印象を与えてくれますが、一方でその強烈な印象は、その情報が確かなものであるのか、その製品が本当に利用価値があるものなのかどうか、を判断する目を曇らせてしまいます。私たち人間は、どうしても真新しいもの、刺激の強いもの、色の濃いものに注目する性質があります。

つまり、私たちは、印象の強さに意識を奪われて、物事の本質を見ていないのです。

確かに、目や耳に飛び込んでくるものを見るな、聞くな、気にするなというのは無理な話です。手品などはこのような人間の習性をうまく利用しています。手品であれば素直に騙(だま)されて楽しめますが、ビジネスの場ではそうはいきません。

そこで、まず自分が見ているものは物事の最も目立つ部分であるということ、そしてそれは物事の一部分にすぎないのだと自覚してください。その上で、物事を多角的に見るように努力してみましょう。

例えば、取引先との商談の場に際して、あらかじめ取引先の業績を調べておく、業界全体の動向や取引先の競合先についても調べておく、というようにです。商品パンフレットでも、裏から見たり、小さな文字から読んでみたり、色の薄い部分にあえて注目してみるのもよいでしょう。また、モノであれば前からだけでなく後ろ側、裏側、真上、斜めなどいつもと異なる角度から見てみましょう。インターネットで検索するときも、検索結果の後ろの方のページから見たり、いつもと違う検索エンジンを使ってみましょう。そうすれば、今まで見えなかったことが、次々と見えるようになってくるはずです。

本質を見抜くのは簡単ではありません。ビジネスで本質を見抜きたければ、前後左右、表裏から見るのはもちろん、近くから見る、遠くから見る、時間をおいてもう一度見る、そして、複数の人の意見をきくということも必要です。今日から試してください。

以上(2023年1月)

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【朝礼】「人の褌で相撲を取る」のもう一つの意味

今年度も残り2カ月程度となりました。年度始めに立てた目標は、どれだけ達成できましたか。1年間の活動を振り返ってみれば、数多くの課題が見つかるはずです。そして、特に管理職以上の人は、自分一人の努力だけでは解決できない課題が増えたことを痛感するでしょう。

組織や自分自身の成長に応じて、ビジネスは難しくなっていきます。新しいことにチャレンジしたり、これまでよりもレベルの高い人の信頼を獲得したりする必要があるからです。そして、これらの課題は、孤軍奮闘するだけでは、うまく解決できない場合があります。

例えば、新しいことにチャレンジする場合です。私たちにとっては未知の領域でも、他の誰かにとっては“土地勘のある”ビジネスであるというのが通常です。それならば、“土地勘のある”人のアドバイスを得たほうが課題を解決しやすくなります。そうした人と親しくなれば、人脈や販路を紹介してくれる可能性もあるでしょう。

これは「人の褌(ふんどし)で相撲を取る」ことでもあります。この言葉は良い意味で使われないこともありますが、私の考え方は少し違います。確かに、他人の権勢を利用する、「虎の威を借る狐(きつね)」のような振る舞いは好ましくありません。しかし、相手との信頼関係を築いた上で、相手の同意を得て褌を借りるのであれば、何の問題もありません。それに他人から褌を借りるというのは、相当に難しいことでもあるのです。

一つ、私の経験談をお話ししましょう。私には懇意にさせてもらっている10歳以上年上の大学教授がいます。彼はベンチャー企業を経営した経験があり、ビジネスをよく知っています。そして、折に触れて私に言ってくれます。「私の人脈を全部紹介してあげるよ。きっかけは会食でもゴルフでもいいんだから、もっと私を利用しなさい」

その大学教授は、知識だけではなく、リアルなビジネスを知っているからこそ、人の“パワー”を借りる、つまり人の褌で相撲を取ることの大切さを痛感しているのでしょう。

実際、私はその大学教授の“パワー”を借りてビジネスをすることもありますが、なぜ、ここまで私に良くしてくれるのでしょうか。大学教授に尋ねてみると、答えは「信用しているからだよ」というシンプルなものでした。信用をもう少し分解すると、「礼儀正しく約束を破らない」「相手のメリットをよく考えられる」「自分にないものを持っている」ということでした。

大学教授の言葉から、真摯にビジネスと向き合い、社外で通用する絶対的な強みがなければ、他人から褌は貸してもらえないことが分かるでしょう。あえて言います。人の褌で、正々堂々と相撲が取れる人になってください。言葉を変えれば、相手が大切な褌を貸してもいいと思えるくらい信用される人になってください。そのためには、皆さんは何を磨くべきでしょうか。来年度の皆さんの課題が見えてきたはずです。

以上(2023年1月)

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画像:Mariko Mitsuda

下り坂の安全運転(2023/1号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

2022年10月に静岡県の山間部で観光バスの横転事故が発生しました。下り坂でフットブレーキを使い過ぎてフェード現象が生じたことが事故の原因と言われています。

下り坂の運転では一般道路と比べて危険が多く潜んでおり、より慎重な運転操作が求められます。

そこで、今回は下り坂の安全運転について考えます。

下り坂の安全運転

1.下り坂での事故の危険性

令和3年の交通事故統計によると、交通事故全体のうち下り坂で発生した事故が占める割合は約4.8%です。これに対して交通死亡事故全体のうち下り坂で発生した死亡事故が占める割合は約11%であり、2倍以上高くなっています。

令和3年の交通事故統計

出典:公益社団法人交通事故分析センター令和3年版「交通事故統計年報」より弊社作成

よって下り坂での事故は、重大事故につながる可能性が高いと考えられます。

<下り坂の危険>

  • 勾配の急な下り坂や長い下り坂では加速するため、停止距離が長くなるとともに事故の衝撃力も大きくなります。
  • またカーブを曲がるときや狭い道で対向車とすれ違うときに十分に減速していないと事故を起こす危険があります。
  • 長い下り坂でフットブレーキを頻繁に踏んだり、長く踏み続けたりすると「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が起きる可能性があるので大変危険です。

「フェード現象」

フットブレーキを使い過ぎることで、ブレーキパッドが過熱して摩擦面にガスが発生します。ガスが摩擦面に発生すると、摩擦力が低下するため、ブレーキの効きが悪くなります。(ディスクブレーキの場合)

※ドラムブレーキの場合はブレーキシューが過熱し、ブレーキの効きが悪くなります。

「ベーパーロック現象」

フットブレーキを使い過ぎることで、ブレーキオイルが沸騰してブレーキ配管内に気泡が発生します。気泡が発生すると、ブレーキペダルを踏んだときの油圧が伝わりにくくなるため、ブレーキの効きが悪くなります。

2.下り坂の安全な運転

下り坂を安全に運転するため、以下の点に留意しましょう。

◆こまめに速度を確認し、速度超過にならないよう注意する

長い下り坂では加速がつくため、速度超過になりがちです。また急な下り坂の勾配が緩やかになると上り坂だと錯覚してアクセルを踏んでしまうことがあります。下り坂ではこまめに速度を確認し、スピードをコントロールしましょう。

◆車間距離を長めに確保する

下り坂は加速がつくため、停止距離が長くなります。また前走車が車間距離を調整するために急に減速や停止をすることもあります。下り坂では坂の勾配に応じて車間距離を長めに確保する必要があります。

車間距離を長めに確保

◆狭い道では上りの車に道を譲る

狭い下り坂で対向車とすれ違うときは、下りの車が一時停止して上りの車に道を譲りましょう。ただし、上りの側に待避所があるときは、上りの車が待避所に入り、下りの車の通過を待ちます。

◆エンジンブレーキを活用する

長い下り坂ではフットブレーキを使い過ぎないよう低速ギアにシフトしてエンジンブレーキ※を活用しましょう。バスやトラックなど大型車の場合は補助ブレーキを効果的に活用することが大切です。

ブレーキの効きが悪くなったら安全な場所に車を止めてブレーキの温度を下げましょう。

※EVは回生ブレーキがエンジンブレーキの役割を果たします。

エンジンブレーキを活用

3.坂道運転への備え

万が一、下り坂でブレーキの異常が起きると重大事故につながる可能性があります。日ごろからブレーキオイルやブレーキパッドなどを点検し、適切にメンテナンスしておくことが重要です。

坂道運転への備え

冬の坂道でのスリップ事故や立ち往生を防ぐため万全の準備をしましょう。

  • 積雪・凍結路では、必ず適切な冬用タイヤの装着
  • 運行前に冬用タイヤの溝深さが新品時の50%以上残っていることを確認
  • チェーンの携行、立ち往生する前の早めの装着

以上(2023年1月)

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【朝礼】努力を語れ。努力を見せろ

先日、知人のご子息がある資格試験に合格しました。彼に「合格おめでとう。相当勉強したのだろう。頑張ったね」と言ったところ、彼は「そんなにたいしたことはやってません」と答えました。実際のところは分かりませんが、努力について褒められると、謙遜して隠そうとする人は、彼に限らず、少なくありません。

例えば、皆さんの学生時代を思い出してみてください。いつも試験で良い成績を取る人がいたでしょう。成績が良いのは、しっかりと勉強した成果の証(あかし)です。でも、その人は、人前ではさほど勉強しているふうには見せないようにしていました。

人は努力を隠そうとします。これには二つの理由があります。一つは、努力して結果が出なかったときのことを恐れているからです。周りの人から「あれだけやっていたのに、ダメだな」と冷ややかな目で見られるとしたら嫌ですし、それを避けようとするわけです。もう一つは、努力して結果が出たとしても「あれだけ準備すれば、当たり前だ」と言われることがあるからです。一生懸命に勉強したのに、そのために周囲からの評価が下がってしまうようなら、努力したことは隠しておこうと考えるのです。

皆さん、思春期の頃を思い出してください。勉強、スポーツ、芸術に懸命に取り組んでいる者を、冷やかす者がいたはずです。

実社会はそうではありません。努力する君やあなたのことを、周りは敬うのです。努力とは「目標実現のために心身を労して努めること」です。実社会には、努力する人を笑う人はいません。成功を収めるには、努力するより方法がないことを成功した人は知っているからです。

また、懸命に努力をしたからといって、目標実現が成るとは限りません。このことも、成功した人は知っています。しかし、努力なしでは何も起こりませんし、努力することが大切なのです。

努力はもちろん自分のためです。しかし、私は、個人の努力がもっと大きな力になると思っています。それは、努力した人が、自分の努力を語ったり、努力している姿を見せることで、周りを動かせるようになるということです。そのためにも、皆さんには、自分がどこまで努力してきたのかを、堂々と語ってほしいと思います。また、一生懸命に努力する姿を見せてください。そうすれば、それを聞いた人や見た人は、必ず前向きになります。「よーし、私もやるか」という熱い気持ちになるのです。

資格試験に合格した知人のご子息は、仕事をしながら1年間毎日3時間勉強し、休日には専門学校に通っていたそうです。やはり相当の努力をしていたのです。

私は、子供の頃、部屋に巨人軍の王貞治選手の色紙を飾っていました。色紙には「努力」と揮(き)ごうされていました。王選手ほどの偉大な選手でも、努力に勝るものはないと考えていたのです。また、努力を語ったり、見せたりするのは気恥ずかしいことではなく、自身の努力がチームメイトを巻き込み、熱くさせ、チームを盛り上げる大きな力となることを分かっていたのでしょう。だから、色紙にも「努力」という分かりやすい言葉を記したに違いありません。

私からのお願いです。皆さんには、努力で周りを熱くさせる人になって欲しいと思います。

以上(2023年1月)

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画像:Mariko Mitsuda

外国人雇用の労務リスク~特定技能制度と外国人技能実習制度~

厚生労働省が毎年とりまとめを公表している「外国人雇用状況の届出状況のまとめ」によると、令和3年10月末現在、1,727,221人の外国人が日本で雇用されています。そのうち約2割を占める在留資格「技能実習」、そして平成31年4月に創設された在留資格「特定技能」、この2つの在留資格については、令和4年11月に両制度の見直しに向けた有識者会議が政府内に立ち上がり、今後の行方が注目されているところです。

ただ、この2つの在留資格制度、とりわけ「技能実習制度」には、実務上多くのリスクが存在するため、様々な対応が求められます。ここでは両制度の概要や、様々なリスクについてご説明します。

1 はじめに~「技能実習制度」と「特定技能制度」の概要~

(1)外国人技能実習制度

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的として創設されました。

技能実習には受け入れ機関別に2つの型があり、実習実施者(受け入れ企業)の外国にある事業所など、一定の事業上の関係を有する機関から技能実習生を受け入れて技能実習を行わせる「企業単独型」と、事業協同組合や商工会などの営利を目的としない監理団体が、外国の送出機関から技能実習生を受け入れたうえで、実習実施者に対して指導監督をしながら技能実習を行わせる「団体監理型」があります。

そして各々の型において、技能、技術等の習得段階によって「技能実習1号」(1年目)、「技能実習2号」(2年目~3年目)、そして「技能実習3号」(4年目~5年目)の区分に分かれて在留資格が存在します。なお、「技能実習3号」は一定の基準を満たす「優良な監理団体」かつ「優良な実習実施者」でのみ実施することができるとされています。

また、技能実習1号から技能実習2号に移行することができる対象職種・作業は86職種・158作業に限定されていますが(令和4年4月25日現在)、制度の見直しも検討されており、今後も業界団体からの要望に応えるべく増加していくと言われています。

(2)特定技能制度

特定技能制度とは、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。特に、国内で充分な人材が確保できない12分野を「特定産業分野」と位置づけ、特定産業分野に限って外国人が現場作業等で就労できるようになりました。

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2023年度税制改正大綱のポイント~変わる相続税対策の常識。NISA拡充・資産移転促進・防衛増税を整理~

(要旨)

  • 2023年度税制改正大綱が与党にて決定。今回改正の目玉はNISA拡充。①毎年の非課税枠の拡充、②非課税期間の無期限化、③制度の恒久化の3点で改正が行われる。NISA制度の魅力を大きく高めるものであり、個人の投資需要の受け皿となることが期待される。施行は2024年から。
  • NISAの陰に隠れているが、相続税・贈与税でも大きな改正が行われる。資産移転時期の中立化のため、既存の相続時精算課税制度にも暦年課税と同様に申告不要の非課税枠を設ける。一方で、暦年課税時の相続時の持ち戻し期間を延長。改正後(2024年~)は相続時精算課税を選んだ方が非課税枠の面では魅力的な状態となるため、精算課税を選択する人が増える可能性が高い。
  • 精算課税選択者は、基本的に生前贈与でも死後の相続でも税負担が変わらない状態になる。暦年課税の場合には高額の生前贈与を行うと相続税よりも高い贈与税が課されるため、これが生前贈与の妨げとなっていた。精算課税の利用が広がれば生前贈与が増え、より若い世代に資産移転が進むことが期待される。
  • 防衛増税は実施時期の記載が見送られたが、大綱で内容に関しては具体的な記載がなされており、増税実施は既定路線と考えられる。大綱方針通り、法人税・所得税の付加税とたばこ税の増税が2024年以降に実施されることになりそうだ。

NISA、相続&贈与税、防衛増税に注目

12月に政府は令和5年度税制改正大綱を閣議決定した。改正の内容は多岐にわたるが、マクロ経済への影響という観点で大きなトピックとして①NISA拡充、②相続&贈与税における資産課税見直し、③防衛増税、の3点について詳説する。NISAの拡充に耳目が集まっているが、資産課税の見直しも従来の相続税対策の常識を変えるインパクトのある改正となっており、改正の目的でもある資産移転(生前贈与)の促進効果も期待できる内容となっている。

NISAは大規模拡充、名実ともにイギリスISAに匹敵する規模に

今回大綱で大きな改正となったのがNISAの改正だ1。岸田首相は「資産所得倍増」を掲げてNISA制度の拡充を進める旨をかねてから示していた。改正の概要を資料1にまとめた。①毎年の非課税で投資できる金額が増える、②NISAを用いて購入した金融資産については非課税期間が無期限になる、③NISA制度自体が恒久制度になる、という3つの面で制度の拡充が行われる。

NISAは英国のISA(Individual Saving Account)を参考に2014年から開始された制度だが、従来のNISAは非課税期間が無期限かつ恒久的な制度であるISAと比べて見劣りする制度ではあった。今回の改正で英国のISAに名実ともに比類するものになる。

NISA改正の概要

これにより、①制度の魅力が高まったことで新しくNISAを利用して投資を始める、②既にNISAを利用している人が非課税枠の拡大に合わせて投資額を増やす、という二面で個人の投資を拡大する効果が見込めそうだ。現状、コロナ禍における株価の大幅な変動を経て、個人の投資意欲は高まっている。NISA口座数は足元つみたてNISA口座をけん引役に増加傾向にある(資料2)。また、確定拠出年金の運用商品シェアをみると、外国株式型やバランス型を中心にシェアが上昇しており、リスク性資産へのシフトがみられる(資料3)。NISA制度の大幅拡充は、こうした個人の投資に対する需要を受け止める受け皿としての役割を果たすことが期待される。

NISA総口座数の推移

確定拠出年金(企業型+個人型)における運用商品タイプのシェア


1 なお、2020年度の税制改正大綱において、NISA制度は2024年からつみたてNISA利用者でないと一般NISAを利用できない「2階建て」の制度に移行することが示されていたが、今回の税制改正決定に伴い、これは行われないことになる。

相続時精算課税制度の利用は拡大する可能性が高い、生前贈与拡大にも期待

NISAの陰に隠れているが、今回のもう一つの大きな改正が資産課税(相続税・贈与税)だ。改正目的は資産移転時期の中立化。相続税と贈与税で税負担が異なることなどから、資産移転の時期(生前・死後)によって税負担が変わってしまう状態の是正が、過去の税制改正大綱でも課題として掲げられてきた。改正に当たっては、高齢者への資産偏在や超高齢化に伴う老老相続(高齢者から高齢者への相続)を是正するために生前贈与を促すべき、との方向性が示される一方で、それは格差の継承、固定化を促すものにもなりかねないとの議論が税制調査会等でなされており、長年改正実施まで踏み込まれずにいた。

資産課税の移転時期中立化を図った制度は2003年に創設された「相続時精算課税制度」が既にある。この制度は概して、制度選択後の生前贈与をすべて「相続税」の対象とするものである(通常は贈与税が暦年課税される。暦年課税と相続時精算課税のいずれかを選択する形)。精算課税選択後の生前贈与にかかる贈与税には2,500万円の非課税枠があり、これを超えた部分の税率は一律20%となる。贈与時の贈与税負担を減らす一方で、相続発生時には「制度選択から相続までに生前贈与した資産すべて」を相続資産に加算して計算された相続税を課す。この際、制度選択後に支払った贈与税は控除され、相続税と贈与税の二重課税が回避される。制度選択後の贈与税は相続発生時までの“預け金”のような役割になる2。生前贈与と死後の相続、ともに相続税を課すことで資産移転時期に対して課税が中立化されることになる。

しかし、この相続時精算課税制度は①暦年課税の場合には毎年110万円の贈与税の非課税枠があるにもかかわらず、相続時精算課税を選択すると非課税枠がなくなる、②暦年課税の場合には非課税枠内での贈与は申告不要だが、相続時精算課税を選択すると少額でも申告が必要になる、という節税面、手続き面で明確なデメリットがあった3。このため、2020年に申告のあった人員ベースでみると暦年課税で贈与を受けた人が36.4万人、相続時精算課税で贈与を受けた人が4.0万人と全体の10分の1程度となっている(国税庁「統計年報」)。非課税枠内での申告不要の贈与も含めれば、贈与全体に相続時精算課税が占めるシェアは一層少数といえ、制度の利用は広がっていないのが現状だ。

相続税の負担を抑えるオーソドックスな手段の一つとして、「相続税精算課税は選ばずに、暦年課税の非課税枠110万円の範囲内で家族等に非課税で生前贈与を複数回行って相続資産を減らし、相続税負担を抑える」という方法がある。この方法を採用すると暦年課税を選択することになるので、非課税枠以上の贈与に関しては贈与税負担が生じてしまう。ただ、高額の資産移転を行う場合、控除が多く税率も相対的に低い相続税を支払う(生前贈与せずに亡くなるまで資産を持ち続ける)方が負担の少なくなるケースが主だ4。暦年課税を選択すると、非課税枠以上の生前贈与には踏み込みづらい。

こうした中で、資料4の改正が2024年から行われることとなった。特に①と②が重要な改正であり、相続税対策の“常識”を変えるインパクトがあるものとなっている。①は相続税精算課税を使った場合でも暦年課税と同様に毎年110万円については非課税かつ申告不要とする。上で述べた相続時精算課税の主要なデメリットがなくなることになる。②は暦年課税を選択した場合の相続税の持ち戻し期間を3年から7年に延長するというもの。相続直前の「駆け込み贈与」を防ぐ観点などから、相続から一定期間に法定相続人に生前贈与された資産については、贈与税ではなく相続税を課すこととするルールがある。この一定期間が3年から7年に延長される。

資産移転時期の中立化にかかる改正(2024年~)

これらの改正により、改正前後の生前贈与による贈与税の非課税枠は資料5の通りとなる。改正前は暦年贈与の場合には毎年110万円の非課税枠があるが、相続前3年分の贈与は持ち戻しルールによって相続税が適用される。相続時精算課税を選択すると非課税枠がないのは上で説明した通りである。そして、改正後は暦年課税の場合には相続前7年分まで贈与税の非課税枠がなくなる一方、相続時精算課税の場合には相続年も含めて110万円の非課税枠が得られることになる。

このため、少額贈与を繰り返して相続税のかかる資産を減らす、という方法をとる場合、非課税枠の観点から判断すれば、持ち戻しが発生せず、相続直前まで非課税枠が使える相続時精算課税のほうが有利といえそうである(資料5)。個別には資産額などによって暦年課税・相続時精算課税の選択は左右されると考えられるが、今回改正は概して暦年課税から精算課税へのシフトを促すこととなろう。改正後には相続時精算課税を選択する人が増加する可能性が高いと考えられる。

生前贈与時期ごとの非課税枠の有無(改正前後、暦年課税/相続時精算課税選択時の違い)


2 詳細は国税庁HP等。https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm

3 このほか、相続税の土地評価額を最大8割減額できる「小規模宅地等の特例」が精算課税選択時に使えなくなる、というデメリットもしばしば指摘される。

4 相続税が高率となる富裕層の場合には、非課税枠を超える場合でも相続税より低率の範囲内で生前贈与を繰り返すことで節税になるケースも存在する。

経済活性化につながるか

今回改正の重要な点は、多くの人が税負担を抑える観点で相続時精算課税を選択すれば、非課税枠以上の生前贈与を行うハードルも下がることにある。暦年課税を選択すると、贈与税負担が大きい高額の生前贈与は行いづらかった。相続時精算課税選択者は基本的に「生前贈与でも相続でも最終的には同額の相続税」を支払うことになり、資産移転時期に中立な状態となる5。実際に生前贈与を行うかの選択にあたっては自らの老後の生活なども加味する必要があり、資産移転時期に対して中立であることが生前贈与を行う決定的要因にはならない。しかし、少なくとも税負担を理由に大きな額の生前贈与を避けていた人たちにとっては、生前贈与を行う追い風になるだろう。

高齢者からの資産移転は資産の高齢者偏在が深まる日本経済にとっても重要な論点である。家計金融資産は高齢化の進む中で、6割超を60歳以上世帯が保有していると推計される。高齢者が眠らせていた資産を若年・壮年層へ資産移転させることで、消費や投資の増加を通じて経済の活性化にも資することが期待される。

生前贈与の拡大は今回改正の目玉であるNISA改正、資産所得倍増とも親和的だ。老後資金を「貯める」フェーズから「使う」フェーズに移行している高齢者は、資産保全を重視せざるを得ず、リスク性資産への投資は行いづらく、若い世代に比べて長期投資による恩恵も受けにくい。実際に現状のNISA口座開設者のボリュームゾーンは30代・40代であり、年齢を重ねると口座保有者数も減っていく傾向がみられる(日本証券業協会・2022年6月末時点)。より若い世代への資産移転が促されれば、そのお金のリスク性資産への配分も行いやすい。資産移転が進めば、NISAとの相乗効果も生まれよう。


5 相続時精算課税では贈与時の価額で相続税が計算されるため、贈与時・相続時で資産価格が変わる等で税額が変わるケースはある。

防衛増税:実施は既定路線か

昨今大きな話題となった防衛費増額にあたっての増税についても、今回大綱に盛り込まれた。自民党内でも増税の実施を巡って議論が紛糾し、大綱には施行時期について「令和6年以降の適切な時期」と開始時期を定めない記載となった。増税実施時期の決定を留保した形だ。

一部にはこのまま増税を決定できない状態が続くのでは、との懸念もあるが、大綱を眺めると「令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施」「令和9年度において1兆円強を確保」と具体的な増税内容まで踏み込んだものとなっており、増税はほぼ固まっているように映る。増税開始時期の判断は留保されており、来年度も増税実施を巡って議論が交わされることになろうが、開始時期の前後はあっても増税実施の方向性は変わらなさそうだ。

増税の中心となるのは法人税で、国税の法人税額に4~4.5%を乗じた付加税を課す。震災時の復興特別法人税に倣った形となる。課税標準となる法人税額には500万円の控除を設け、中小法人の負担増に配慮する。このほか所得税額×1%の付加税を課す一方、同等のスキームで徴収されている復興特別所得税の税率を1%引き下げる。復興特別所得税は2037年まで課される予定だが、復興財源に空く穴はこの課税期間を延長することで対応する。岸田首相は10日の会見で「個人の所得税の負担が増加するような措置は行わない」と説明していた。確かに税率が上がるわけではないのだが、増税の期間が延びる。税率引き上げではなく増税の延長、という整理のようである。法人税・所得税にたばこ税の増税を加えた3税で、合計1兆円強を確保する方針だ。

大綱に明記された防衛財源の内訳(【】内は毎年の増税規模)

参考資料.2023年度税制改正大綱:主な改正の概要

2023年度税制改正大綱:主な改正の概要

以上(2022年12月)
(執筆 第一生命経済研究所 経済調査部)

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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

古代ローマの指導者、ユリウス・カエサル。彼の一言に登場する「名誉」と「必要」の言葉の真意とは?

名誉な事柄は最も強いものに譲るべきであるが必要な事柄は最も弱いものに譲るべきだ

ユリウス・カエサルは、古代ローマの共和政末期に政治家・軍人として指導的な役割を果たし、暗殺される前は終身独裁官として絶大な権力を得た人物です。「ガリア戦記」などの著作や、「賽(さい)は投げられた」「来た、見た、勝った」などのさまざまな名言を残した人でもあります。英語読みの「ジュリアス・シーザー」の名前で記憶している人もいるでしょう。

カエサルはあるとき、供の人たちと移動している途中で、嵐に遭いました。カエサル一行がようやく1人しか入れない狭い小屋を見つけたときに発したのが、冒頭の言葉です。カエサルは同行していた体の弱い部下に小屋を譲り、自らは軒下で他の部下たちと一緒に眠ったといいます。

カエサルは、休む場所が最も「必要」なのは体の弱い部下であり、自分が一晩、寝床を我慢しなければならないとしても、部下のためになるのであれば、それは「名誉」な行いであると考えたのでしょう。そして、小屋を譲ってもらった部下は、その後もカエサルの右腕として活躍し、カエサルの死後も後継者であるオクタビアヌス(後の初代ローマ皇帝)を支えました。

カエサルが率いる軍隊は、どんな窮地に陥っても規律を守り、勇敢に戦って勝利をつかみ、カエサルを権力者にまで押し上げました。部下の一人ひとりが人間としてのカエサルを敬愛していたからでしょう。数えきれないほどの「名誉」な行いを積み重ねることによって、カエサルは「最も強いもの」になれたということです。

カエサルの姿勢は、企業経営にも通じるところがあります。どの企業にも、事業を通して社会のために目指す夢・ビジョンがありますが、それを実現するには、企業が営利を追求し、存続しなければなりません。そして、普段は夢・ビジョンの実現と営利追求の両方を考えて事業を行いますが、経営が苦しいときなどは、往々にして足元の営利追求にばかり目が行きがちです。

大切なのは、そうした苦しいときに「必要」な事柄を最も弱いものに譲る「名誉」ある選択をできるかです。例えば、今、企業が「必要」としているのが営利であっても、それを追求するために従業員が体調を崩してしまっては意味がありません。状況を見て彼らに休息を与えることも「必要」です。また、企業の所属する地域で、何か課題があった際、助けを「必要」としている人のために、営利とは別の観点から地域社会に協力すべきときもあるでしょう。

そして、こうした誰かのための「名誉」ある行いを積み重ねていけば、さまざまなステークホルダーから敬愛される企業になり、協力してくれる人たちが増えます。それは「強さ」となり、企業の目指す夢・ビジョンの実現につながります。自分たち以外の人たちが何を必要としているのか、どうすれば彼らの力になれるのか、新年の初めに改めて考えてみてはいかがでしょうか。

出典:「プルターク英雄伝(九)」(プルターク著、河野与一訳、岩波書店、1956年5月)

以上(2023年1月)

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