【朝礼】整理整頓ができなければ、思い切って捨ててしまえ

オフィスを見回すと、デスクの上が片付いている人、片付いていない人がいます。デスクが雑然としていると、必要なときに探し物が見つからず、仕事の効率が悪くなります。中には「片付けなくても、私はどこに何があるか分かっている」という人がいるかもしれません。そういう人に聞いてみましょう。「デスクの上や引き出しの中には何があるのかすべて覚えていますか? 必要なものをすぐに取り出せますか?」。どうですか? すべてを把握している人はいないでしょう。

仕事を効率的に進めるためにも不要なものを整理し、使い勝手よく整頓することは欠かせませんが、整理整頓が苦手な人もいるようです。私がみたところ、そんな人の多くは不要なものを捨てることができていないようです。そういう人は「不要なものを保管しておくのは、収納スペースがもったいない、探し物をする時間と労力がもったいない」と、視点を変えて整理整頓に取り組んでみてはどうでしょうか。

ここで、私が実際に整理整頓を実践する際の秘訣を紹介したいと思います。整理整頓は、まず不要なものを捨てることからスタートしますが、人によって要不要の判断基準は異なると思います。私はまず、それがすぐに使うものかどうかという点でそれを判断します。例えば、毎日使うカレンダーをデスクにしまい込む必要はありませんが、3カ月に一度しか使わない画びょうをデスクの上に出したままにしておくのはおかしいですね。

もし、すぐに使うかどうか判断に迷う場合は、しばらく置いておくのもよいでしょう。その場合もただ置いておくのではなく、判断に迷うものを入れる箱を用意して、そこに入れて1週間たっても使わないようなら片付けるか、捨ててしまいます。

また、資料などであれば、すぐに手に入るか否かで判断します。インターネットで簡単に入手できる資料を印刷して保存するのは無駄ですが、図書館に行かなければ手に入らないものはファイリングして保存しておく必要があります。

このほか、なくしてしまいがちで、整理が面倒なメモ書きなどはバラバラに保管したり、ノートに内容を書き写したりするよりも、スキャナでパソコンに取り込んだり、ノートにまとめて張り付けてしまうのもよいでしょう。

不要なものをためこんでしまうから、デスクは雑然としてしまい、肝心なときに必要なものを見つけられなくなってしまいます。要不要を判断して、不要なものは思い切って捨ててしまうことです。そして、要不要の基準は、頻繁に使うものか、再度入手することが容易なものかです。さらに、バラバラなものはとにかくまとめてしまう。これが、私の整理整頓の秘訣です。

デスクやオフィスの収納スペースには限りがあります。もったいないと思わず、思い切って捨ててしまいましょう。今日紹介した要不要の判断基準や、自分なりの判断基準を基に整理整頓に努めて、仕事の効率化につなげていただきたいと思います。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【特別企画】Z世代起業家がZ世代の学生に向けて「起業」を語る講座/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回ご紹介するのは、
特別企画、埼玉大学で行われた講座「実践ベンチャー論:Z世代スタートアップ実践の実情を聞く」(2022/6/24開催)です。

この講座は、「Z世代に向けて、Z世代起業家がスタートアップの実情を語る」内容で、他では聞くことのできない、志も高く実績もある起業家4名による講義です。事業や起業の実情を詳しく語った4名の起業家。そして、真剣に耳を傾け、時間が足りなくなるほど質問もたくさんしてくれていた埼玉大学の学生などの聴講生。講義後、「起業の志が固まりました!」と決意も新たに顔つきがすっかり変わった聴講生もいたほどです。
本当に大げさでなく、聴講生たち(年齢問わず)の今後の人生に影響を与えたであろう、かけがえのない暑いアツい夏の一日が凝縮されていました。この記事では、講義の中で4名のZ世代起業家がお話してくださった内容を一部ご紹介します(とても伝えきれない、盛りだくさんで素晴らしい内容と熱量!)。なお、起業家4名の中には、かつてこの「岡目八目シリーズ」でご紹介した方々もおられます。後ほどそれぞれの岡目八目シリーズ記事へのリンクもご案内しますので、ぜひ覗いてみてください。

●登壇 Z世代起業家
後藤 学氏 :株式会社Helte 代表取締役
福田 駿氏 :株式会社Diary 代表取締役、就活YouTuber
西側 愛弓氏:株式会社COXCO 代表取締役
大槻 祐依氏:株式会社FinT  代表取締役

●モデレート
杉浦 佳浩氏:代表世話人株式会社 代表取締役

1 どのような事業をしているか?

まずは自己紹介を兼ねて、「どのような事業をやっているか」「なぜその事業をやっているか」といったことを最初にそれぞれお話してくださいました。そこからしてもう、面白くて勉強になる情報が満載です。お話してくださった順番にご紹介します。

1)大槻さん 株式会社FinT

大槻さんの株式会社FinTでは、主に、メルカリなどの企業のSNSマーケティング支援や運用、ライブ配信、メディア運用などを行っています。とにかく勉強家で実績もあり、突破力も実行力もハンパない大槻さん。ビジコンで優勝したこともある大学時代には、インターンながら一事業部を担当し、力強く仕事をして社員のマネジメントもしていたそうです。
 ビジコン優勝特典でシリコンバレーに行ったり、シンガポールに1年間留学したり、大学3年のうちに起業したりとさまざまな経験をしてきた大槻さん。聴講生向けにさっそく「私自身、たくさんチャレンジしてたくさん失敗してきました。皆さんも多くのチャレンジと失敗をしてください。今私たちの会社は、インターン生20人くらい社員40人くらいで、インターン生もすごく活躍していて年齢は関係ないなと感じてます。ぜひ頑張ってください」と激励を。場作り、リーダーシップも素晴らしいと感じました。
 会社としてのパーパスを変えたという大槻さん。その思いを次のように話していました。
「今のパーパスは“みんなの強みを活かして、日本を世界を前向きに”です。日本を、世界を前向きにしたい、それが今一番やりたいこと。日本の技術など日本の『何か』を使ってグローバルスタンダードをつくっていけるようにしようとしています」

●株式会社FinTのウェブサイトはこちら

大槻さんの画像です

2)後藤さん 株式会社Helte

後藤さんの株式会社Helteでは、日本のアクティブシニア層と海外の人たちがオンライン上で、“日本語で”交流できるプラットフォーム「Sail」を開発展開しています。「Sail」はまさに、すぐに海外とつながれる、自分の世界を広げる窓。参加国は実に154カ国、総利用者数は26,000人以上(2022年9月時点)とすごい数です。海外の人たちを集めるために、コネ無し知り合い無しの状態でタイなどの海外を“飛び込み”で回った泥臭いガッツの後藤さん。その様子を、まるで当たり前のように飄々と語る感じがまた、聴講生を惹きつけていました。
「Sail」を使って交流した後の分析にハマっているという後藤さん、そうした中で海外の人が日本で就職する際の支援のようなこともやっているそうです。
また、東京大学と一緒に、「Sail」を使ったことによる人の行動変容(ICTの理解度が上がった、海外の人に対する偏見が減ったなど)の分析なども行っており、これに関心を持った自治体などとも連携が実現。これからもどんどん全国各地、そして世界に拡がっていきそうです。
 海外の人たちが参加した日本語スピーチコンテストを実施した後藤さん。こう語ります。
 「今回は、全世界80カ国を超える1500人が参加、日本語でビジコン的にプレゼンしてもらいました。彼らの大きな夢を日本語で聞いて本当に感動した。これからの日本を支えるのはきっと彼らのような海外の人たち。ぜひ一緒に色々な事業ができたらと思います」

●株式会社Helteのウェブサイトはこちら

後藤さんの画像です

3)福田さん 株式会社Diary、就活YouTuber

福田さんは株式会社Diaryの代表かつ、就活生向けのYouTubeチャンネル「しゅんダイアリー」を持つ就活YouTuberでもあります。YouTubeで11万人、TikTokで9.7万人の登録者がいて(2022年9月時点)、そこを軸に就活サービスを展開。また、企業の採用広報も手掛けています。
YouTuberとして、日頃から色々な人にインタビューもしている福田さん、今回の講義でも自分の話をしつつも聴講生に「しゅんダイアリーって聞いたことある人、手を挙げてもらっていいですか?」とインタラクティブに展開。
続けて「僕は石川県金沢市出身で金沢大学に行っていて、留学もインターンもしたことなかったんです。でもどうしても東京の大学に来たかったし、東京で仕事したかった」「埼玉大学と金沢大学はなんか雰囲気が似ていてめちゃめちゃ親近感あります」「中学生のころから起業を考えていたけれど、自分は何者でもないし何もできないので、とりあえずYouTubeで結果を残したいと思った」「最初は旅行系の動画とか配信してまったくうまくいかず、『自分の言いたくないことを言おう』と仮面浪人に失敗した体験談をアップしたら初めて10万回再生」「仮面浪人人口は2万人しかいないと気づいて、大学3年の就活タイミングで就活系に切り替えて、毎週東京に行って東京の会社で自分がガチで面接を受ける様子を動画にしたらちょっとずつウケて今につながる」などなど、聴講生から見るととても分かりやすく親近感がわく、そしてぐんぐん引き込まれるストーリー。聴かせます。福田さんは目指す未来もしっかり語ります。
 「僕は中学生のころから世界と戦いたいと思ってきた。時価総額という会社の『企業価値』というものがありますが、時価総額10兆円の会社にすることが今の目標であり課題です」

●株式会社Diaryのウェブサイトはこちら

福田さんの画像です

4)西側さん 株式会社COXCO

今回、西側さんはなんと、フィリピンからのオンライン参加でした。こういうスタイルも、聴講生にとってはとても良い刺激になります。
西側さんが展開するのは社会課題と向き合うアパレルブランドです。西側さんは「服の形をしたメディア」とも表現しています。「大学時代にバックパッカーをした経験から、貧困問題などさまざまな社会課題を肌で感じた」という西側さん、ファッションを通して社会にとっていいことをしたいと考えるようになったそうです。例えば、不要になった繊維(洋服)からつくられた再生ポリエステルを使って、できるだけ長く愛されるデザインの服を仕立てる、しかも受注生産で気に入ってくれた人にだけ提供するなどを行っています。
そして今は、「フィリピンでファッションスクールをつくる」というチャレンジもしているそうです。
フィリピンではファッションショーも開催している西側さん、その思いを語ります。
 「2015年から、フィリピンで暮らす子どもたちが思い出になる場所をつくろうと、ファッションショーをやっています。今回で8回目になります。ファッションを通してみんなで夢を描く、みんなで胸を張って生きていこうという体験をつくりたいです」

●株式会社COXCOのウェブサイトはこちら

西側さんの画像です

「挑戦」。4名の自己紹介含めた事業の話からまず感じるのはこの言葉です。グローバルな目線を持っている、そもそも生き方が枠にとらわれていない。そして難しいこと、でもやりたいことに果敢に挑み続けていることがうかがえます。

2 なぜ、どうやって起業したか? 起業ストーリー

起業の理由、起業ストーリーも各者各様で、特に今回は起業を志す聴講生も多かったため、かなり聞き応えがあったのではないでしょうか。「海外留学」「バックパッカー」といった、世界に触れられる環境も起業要因の一つと思いますが、そうした環境以上に「これをやりたい、やってみる。やり切ってみる」という志、そして行動することがとても大事だと感じました。ここでは、それぞれが講義で語っていた濃い起業ストーリーの特徴的な点をご紹介します。

●大槻さん

  • 起業した理由は、広く言うと「自分が生まれてきた意味を持ちたい、私が生まれたから世界が良くなったという風にしたい」から
  • シンガポール留学時代から「金融課題を解決するサービスをやろう」と一緒に練っていた仲間と大学3年のときに起業。後にサービスは変化
  • 起業当初は両親が大反対。起業して、オフィスに寝泊まりするくらいずっと仕事漬けで必死だったがうまく行かず。お金もなくなり。仲間とは解散したり。そうした過酷な毎日でも、1人でやり切ると頑張っているうちに親の見る目が変わってきた
  • 今では、税理士事務所で働く母が経理担当として会社をとても支えてくれている

●後藤さん

  • 誰もが知る大企業に就職するも1年で辞めて起業。泥船でもいいから早く出航したかった
  • 大学時代にシアトルに留学、インドにも行き、その他にも色々とバックパッカーで世界を放浪する日々。それが後に「海外の仕事に貢献したい」につながって、その気持ちが爆発
  • 起業していく中でさまざまな人のご縁を感じる。フランス人の事業家が最初に出資してくれたり、中国人の投資家がいてくれたり
  • 事業がしんどい局面は何度もあったが、ふと誰かが助けてくれたり、そういうご縁の中で「生かされている」と感じる。感謝の気持ち、恩返しをしたい気持ちがとてもある

●福田さん

  • 金沢の大学で就活生をしているときは「大企業に行っている人が勝ち組」と思っていた
  • サイバーエージェントやDeNAのインターンに参加してショックを受ける。東京の大学生は1年次からインターンやってるとか起業しているとかいう人がゴロゴロ
  • 東京と地方では、大学生が使っている言語、見ている景色、情報がまったく違うと、大きな格差を感じる。そうした格差をなくしたいと、就活チャンネルを立ち上げ起業した
  • お金はクラウドファンディングなどで120万円、商工会議所で一人1万円ずつなど人力で180万円くらい集めて、300万円くらい集まったタイミングで東京に引っ越してきた
  • 親を説得する自信はなかったので、起業については事後報告

●西側さん

  • 起業した理由は「(ファッションという)好きなことができたから」
  • 起業する前はサイバーエージェントに就職し、2年ほど働いた
  • 大学3年のとき、現在フィリピンで活動している団体を立ち上げた。そこから、ファッションスクールをつくろうと頑張ってきている
  • ファッションスクールをつくるなら、卒業生の将来を考える必要があると思い、起業した
  • 社会課題解決のためにアパレルブランドを立ち上げたが、「会社」という体がないと話を聞いてもらえない、契約してもらえないという観点からも起業した

3 キラキラばかりではない。課題、失敗の連続。それでもその先を考える

インターン、海外留学、バックパッカー、起業、スタートアップなどのキーワードから、何も知らないとキラキラしたイメージを持ちそうですが、それだけではありません。というより、そうではありません。課題も失敗もたくさんあります。それが実情です。この4名のZ世代起業家もそうです。そして、課題や失敗がどれほどあろうとも、今後の展開を考え続け、前に進み続けます。それぞれの課題感、そして今後について印象的な点をご紹介します。

●大槻さん

「課題はたくさんあります。常にあります。起業をしていてとても面白いと感じるのは、目の前に毎回、壁が出てくること。例えば、組織がよくない感じになっているという壁があったとして、やっとその壁をよじ登って超えたと思ったら、また別の壁が出てくる。それが病みつきになります。これをずっと繰り返す、成長ってそういうもんだなあと楽しくて、社長やっててよかった、起業してよかったと思います」
「今後3〜4年後には海外展開というか、日本のものを海外に出していく軸もつくりたいです」

●後藤さん

「日々の仕事に追われてインプットが難しいときがあるのが課題。余白が生まれたほうが新しいチャレンジやコミュニケーションの方法などが分かってきて、それが事業につながると思うので、そういう余白があるようにしたい」
「今後はグローバル展開のギアを上げていきたい。今年に入ってから、積極的に英語やフランス語でプレゼンするようにしている」
「会社も、インド人やフランス人など色々な人がいるようになってきたので、そういう色々な考え方をまとめて編集して力を付けていく、これも課題」

●福田さん

「僕らの一番の課題は採用。自分たちよりも優秀で素直な人を仲間にしていくのが課題。凡人が後天的に努力していく、そういう仲間。自分たちもそうありたい」
「採用するときは一緒に山に登る。山登りは苦しいから本音が見える。スマホも使えないので、みっちり話ができる」
「採用するときは、親にも会いに行って、娘さんおよび息子さんを私にください、一緒に社会をよくする会社をつくっていくと伝える」
「今後は、世の中の人に行動してもらえるようにWeb3の領域で事業展開も考えている。試験的にやっていることもある」

●西側さん

「起業するとお金周りも課題になると思う。お金を借りるとなると大きな責任も負うし、本当に大変」
「起業はキラキラしたイメージかもしれないが、実際に人に見せないところで起業家は皆大変だし、根気がいること」

4 講座の最後。途切れない質疑応答

もっともっと話を聞いていたいところでしたが、最後の質疑応答へ。4名のZ世代起業家の話に、質問したい聴講生がたくさん。もしかしたら、今までにない質問の多さだったかもしれません。中には、4名の会社でインターンをしてみたいという聴講生もいました。
 聴講生からの質問は、例えば次のようなものでした。登壇してくださったZ世代起業家、熱心に参加されていたZ世代が中心の聴講生。本当にアツくて濃い時間、有り難うございました!

●聴講生からの質問例

  • 海外とビジネスをやっていく中で、どうやって海外の方とつながったのか?
  • 就活サービスについて、他のナビサイトとどうやって差異化を図っていくのか?
  • パーパスが変わったことで、社員の行動変容、変わったアクションはあったか?
  • どうやって自分のビジョンに合う人(仲間)を見つけてきたのか?
  • VCからの資金調達を考えているか?

集合写真です

以上(2022年10月作成)

【朝礼】趣味がないなら、ボランティアをやってみなさい

私は日ごろから皆さんに、「仕事以外の趣味に費やす時間を大切にしてほしい」と伝えています。それは、没頭できる趣味というのは人生を豊かにするし、職場以外の場所で得た経験というのは、仕事に活かせることも多いからです。

けれど、残念ながら当社には、「趣味は特にありません」という社員が少なくありません。そんな人にお勧めしたいのが、ボランティアです。

知っている人もいると思いますが、私はここ数年、休日を利用して地元の老人ホームで、「傾聴ボランティア」というものをやっています。75~90歳の幅広い年齢の方々から、これまでの体験や日々思っていることを伺うのです。

老人ホームの方々はご高齢なので、聞き取りが難しく、普段の会話よりも時間がかかります。けれど、戦中戦後の体験や私が生まれる前の地元の話を伺うと、驚きや感動があります。

また、老人ホーム内の恋の話を聞くと、いつになっても恋は人を元気にさせるものだなと感心するとともに、「老人ホームの方々に比べたら、私は若輩者。もっと若い気持ちでいなければ」と励まされることがあります。

歌が好きでいきなり歌い出す方や、お手玉が得意で80歳を過ぎて4つ、5つ投げられる方もいて、ヒヤヒヤしつつ、楽しく充実した時間を過ごせます。最後には皆さんからとても感謝されますので、うれしさと満足感を覚えて、気分もリフレッシュします。

そして、最初にお話ししたように、ボランティアは単に人生を豊かにするだけでなく、仕事に活かせることもたくさんあります。

老人ホームでの体験談は、誰もが関心を持って聞いてくれるので、仕事の打ち合わせの際のアイスブレークとして非常に役立っています。また、人生の先輩方のお話から、新しいビジネスのヒントを得ることもあります。

例えば、指が震えてスマホの画面を上手にタップできないとか、箸でうまく食べ物が持てないといった話を聞くと、手入力ではなく音声入力の精度を高めるスマホや、ピンセットのようなバネ付きの箸があるといいなとか、思いますよね。目の前で困っていることがあると、解決してあげたいと思うのが人情で、そういう目線で見ると、高齢者というのはアイデアの宝庫ともいえます。すでに商品化されているものも多いですが、このように、ボランティアの最中にビジネスに関するアイデアがひらめくことがよくあります。さらに、同じボランティア仲間を通じた人脈づくりも進んでいます。

どうでしょう? ボランティアは皆さん自身にとっても、会社にとっても、メリットがあると思いませんか? 社内で学んだことができるようになるだけでは、会社にとって新たな力にはなりません。けれど、皆さんが社外で学んだことを社内に持ち込んでくれれば、会社は新しい力を得ることができ、もっと成長するはずです。 

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】あなたの仕事力を決めるのは「段取り力」です

皆さんは「段取り7分・仕事3分」という言葉を知っていますか。これは仕事のできる大工さんの条件で、「腕の良い大工は、段取り7分・仕事3分」といわれるそうです。能率的で、良い仕事をするためには、事前の段取りが大切であり、段取りをしっかり組める人こそが、腕の良い大工さんであるということです。確かに、大工さんに限らず、仕事ができる人というのは、仕事前のちょっとした時間を使ってうまく段取りを組んでいるものです。段取りが上手な人と一緒に仕事をすると、自分もテキパキと動くことができ、大変だと思われた仕事もあっという間に片付いてしまったという経験はみなさんもあるのではないでしょうか。

段取りを上手に組める能力を「段取り力」といいます。皆さんにも段取り力を上げていただいて、こうした「段取り上手な人」になってもらいたいと思っています。そこで、今日は、私なりの段取り力向上のためのコツをお伝えしようと思います。簡単なことですので、ぜひ、参考にしてみてください。

それは、「常に逆算して段取りを組む」ということです。仕事には必ず「いつまでに終わらせなければならない」という期限があります。ですから、期限から逆算して、それぞれの仕事をいつスタートすれば間に合うかを判断した上で、それらを整理しながら段取りを組むのです。

「そんなの、当たり前のことじゃないか」と思うかもしれません。確かに、これは社会人としてのイロハのイです。しかし、肝心なのは、ただ「逆算して段取りを組む」ことではありません。これが「常にできる」ことこそがこのコツの要点となる部分です。毎日の仕事は、上司からの指示、お客様からのクレームへの対応など、急な用件が次々と入ってきます。このように、あわただしく仕事をしているときにこそ、皆さんの段取り力の真価が問われます。

段取り力の足りない人は、急な仕事が重なると、余裕を失って「逆算して段取りを組む」ことができなくなってしまいます。そして、気持ちばかりが焦って、「とにかく仕事を片付けなければ」とバタバタと目の前の仕事から片付けようとするでしょう。しかし、段取りを忘れたこんな仕事の進め方は、思うようにはかどらない上にミスも発生して、能率が悪いことこの上ありません。

一方、段取り力の高い人は、どんな状況でも焦らず「逆算して段取りを組む」ことを忘れません。ですから、忙しいときでも、次から次へと着実に仕事をこなしていくのです。

「私は、バタバタしがちだな」。そう思う人は、忙しいときに、仕事から離れて5分程度の短い休憩を取るようにしてください。すると、焦っていた気持ちが落ちつくはずです。そうしたら、「常に逆算して段取りを組む」ということを思い出して、冷静な頭で仕事の段取りを組んでみましょう。

すると、その仕事がどんなに大変であったとしても、今まで以上に能率的にこなせるようになるはずです。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

居眠り運転防止に向けて(2022/10号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

秋の行楽シーズンを迎え、長時間の運転も増えるのではないでしょうか。そこで気を付けたいのが居眠り運転です。運転中に眠気を経験したドライバーも多いと思いますが、運転中の居眠りは重大な事故を招きかねず大変危険です。

今回は、居眠り運転の原因と防止策について取り上げます。

居眠り運転防止に向けて

1.居眠り運転の原因

居眠り運転は、危険への注意や回避ができず、死亡事故など重大事故につながる可能性があります。では、なぜ居眠り運転をしてしまうのか、主な原因を考えてみましょう。

(原因1)睡眠不足

まず最初に睡眠不足があげられます。睡眠は7時間程度が理想と言われています。睡眠時間が短くなるほど事故発生率が高まります。 (図1)

また、睡眠不足が続くと、疲労が蓄積し、居眠り運転や漫然運転を誘発し、信号の見落としや追突事故などを起こしかねません。

睡眠時間による事故発生率

出典:米高速道路交通安全局と全米自動車協会交通安全財団の調査データから当社作成

(原因2) 眠気のリズム

人には12時間周期の眠気のリズムがあり、2~4時と14~16時(起床から8時間後)は眠気が強くなる時間帯です。また、人の生体リズムにより夜半~早朝は眠くなる時間帯です。居眠り運転での死亡事故は
これらの時間帯に多く発生しています。(図2)

なお、これらの時間帯は交通量が比較的少なくなるため、ドライバーは単調な運転になりがちです。

居眠り運転死亡事故の発生時間帯

出典: (警察庁委託調査研究)「睡眠障害と安全運転に関する調査研究報告書」(平成19年3月)から当社作成

(原因3)道路状況

人は単調な環境のもとでは2時間ごとに眠気を感じると言われています。居眠り運転は、空いている道路や直線道路で多く発生しています。(図3)

高速道路などを長時間運転する場合は、居眠り運転に十分注意する必要があります。

居眠り運転発生時の道路状況

出典:公益財団法人 高速道路調査会 平成27年3月「高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究報告書」

2.居眠り運転の防止策

居眠り運転を防ぐには、日頃から適度な睡眠を確保することが大事です。

規則正しい生活を送ることで質の良い睡眠を取ることができます。また、睡眠不足で蓄積した疲労は、睡眠をまとめて取得しても解消しにくいと言われています。

日頃から生活のリズムを意識して、睡眠を7時間程度取得するようにしましょう。

睡眠を確保

運転中に眠気が生じた場合は、以下のような対策をお薦めします。

・仮眠(15分程度)を取得

運転中の眠気の解消には15分程度の仮眠の取得が効果的です。

仮眠が30分以上になると深い眠りに入り、逆効果になりますので注意しましょう。

仮眠を取得

・カフェイン(コーヒーなど)を摂取

カフェインには疲労回復、集中力向上、眠気抑制などの効果があると言われています。ただし、効果が現れるまでに15分程度かかります。

仮眠の前にカフェインを摂取するのもよいでしょう。

カフェインを摂取

・ガムを噛むなど五感を刺激

ガムを噛むと脳の血行が良くなり、眠気を抑えられます。目薬をさす、水を飲む、ストレッチをする、声を発するなど五感を刺激することで眠気を抑えられます。

・長時間運転する場合は、こまめに休憩

長時間の運転では、2時間ごとに眠気が生じやすくなります。この生体リズムを意識して、無理をせず、こまめに休憩するようにしましょう。

3.睡眠時無呼吸症候群

眠気対策をいろいろ試しても、日中に強い眠気を感じる場合、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がれ、いびきや無呼吸を繰り返す症状があり、その影響で日中に強い眠気を感じ、居眠り運転が発生しやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に症状が現れるため、本人では気づきにくい病気と言われています。家族からいびきを指摘されたり、日中に強い眠気を感じるようになった場合は、早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。

早期発見で適切に治療をすれば、症状の改善が期待できます。

【参考】

公益財団法人 国際交通安全学会のビデオアーカイブのサイト内にある以下の動画をご紹介します。

  • 「睡眠時無呼吸症候群運転絵巻」
  • 「睡眠時無呼吸症候群と交通事故」

https://www.iatss.or.jp/movie/

以上(2022年10月)

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画像:amanaimages

女性活躍の実態と情報公表などの義務化

厚生労働省は今年7月、「令和3年度雇用均等基本調査」の結果を取りまとめ、公表しました。この「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に、毎年実施されている調査となります。
本稿では、公表された「令和3年度雇用均等基本調査」の概要を紹介するとともに、関連して「改正女性活躍推進法」に基づき義務化される情報公表などの内容をお伝えします。

1 令和3年度雇用均等基本調査

令和3年度は、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や、育児休業制度の利用状況などについて、10月1日時点での状況が調査されました。実施された調査結果の一部を次にご紹介します。

〇【企業調査】正社員・正職員の採用状況

令和3年春卒業の新規学卒者を採用した企業割合は 21.3%と、前回調査(令和2年度20.6%)に比べ 0.7ポイント上昇しました。採用した企業について採用区分ごとにみると、総合職については「男女とも採用」した企業の割合が 45.2%と最も高く、次いで「男性のみ採用」が 41.8%となっています。限定総合職では「男性のみ採用」が 49.6%と最も高く、「男女とも採用」は 25.6%、「女性のみ採用」は 24.8%となっています。一方、一般職では「男性のみ採用」が 35.2%、「女性のみ採用」が 32.7%となっており、採用状況にあまり差はみられませんでした。

〇【企業調査】管理職に占める女性の割合

管理職に占める女性の割合は、部長相当職では 7.8%(令和2年度 8.4%)、課長相当職では 10.7%(同 10.8%)、係長相当職では 18.8%(同 18.7%)となりました。規模別にみると、いずれの管理職割合においても 10~29人規模が最も高く、部長相当職の女性管理職割合が 14.0%、課長相当職が 18.2%、係長相当職が 23.8%となっています

〇【事業所調査】育児休業取得者の割合

育児休業取得者の割合は、女性が85.1%(令和2年度81.6%)、男性が13.97%(同12.65%)となっています

2 女性の活躍に関する情報公表の義務化

今年の4月から「改正女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画の策定・届出と情報公表が、101人以上300人以下の企業にも義務化されました。
前項のような自社の女性の活躍に関する状況について、以下の項目から1項目以上選択し、求職者等が簡単に閲覧できるように情報公表することが必要とされています。詳細は厚生労働省のHPなどでご確認ください。

女性の活躍に関する情報公表

厚生労働省リーフレット「令和4年4月1日から女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・
届出、情報公表が101人以上300人以下の中小企業にも義務化されます」(令和4年1月)

3 さいごに

義務化された企業規模は101人以上とされていますが、100人以下の企業でも、女性活躍・両立支援に積極的に取り組み、ポジティブな結果を得ている企業もあります。厚生労働省が紹介している好事例集によると、ガスサービス業の会社において、男性中心の営業部門に女性を積極的に配置することで女性従業員の業務の幅を拡大させ、また昼休みを含め3時間まで中抜けできる中抜け休憩制度や子どもを連れた出勤を可能にすることで、職場の雰囲気が変わり、従業員の満足度が向上し、また女性の新卒応募者も増加する効果が得られたと紹介されています。人手不足が深刻化する中、女性が活躍できる職場への改善取組は、人材の確保・活用の観点で、社内外から高い評価を受けることが期待できますので、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年9月9日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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女性活躍の実態と情報公表などの義務化

厚生労働省は今年7月、「令和3年度雇用均等基本調査」の結果を取りまとめ、公表しました。この「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に、毎年実施されている調査となります。
本稿では、公表された「令和3年度雇用均等基本調査」の概要を紹介するとともに、関連して「改正女性活躍推進法」に基づき義務化される情報公表などの内容をお伝えします。

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【朝礼】習慣を変えて、柔軟な視点を持とう

みなさんは、仕事や普段の生活のなかで「なんとなく行き詰まってしまった」と感じることはありませんか? 仮に、行き詰まりとまではいかなくても、ワンパターンの行動が毎日続き、「自分はいつも同じようなことを繰り返している」と思っている人はいるでしょう。そして、なんとなく毎日の仕事や生活に充実感が感じられないという人もいるのではないかと思います。

そんなときは、考え方が硬直して広い視野でものを見られていない可能性が高いように思えます。

人間は習慣の動物です。ある程度行動を習慣化してしまえば、精神的にも肉体的にも慣れてしまうため、その方が心理的にも楽だからです。運動や勉強など、よいことは習慣づけるべきだといわれるのも、そうすることで楽に続けることができるからでしょう。しかし、こうした人間の心理にこそ、大きな落とし穴があるのです。

実は、仕事にせよ、生活にせよ、あまりにも習慣化が過ぎると、周りで起こる出来事を固定観念でしか解釈できなくなるという弊害が起こってしまいます。先ほど、人間は硬直した考え方にとらわれがちであるといいましたが、言い換えれば、普段の習慣からくる思い込みが考え方の幅を狭め、それが仕事や生活での行き詰まり感や充実感の喪失につながっていくのです。

ここで、みなさんに心がけていただきたいことがあります。それは、自分の固定観念にとらわれずに、柔軟な視点を持とう、ということです。

柔軟な視点を持つといっても、簡単にできるものではないように思えるかもしれません。確かに、それはある意味で人間の心理に逆らうということですから、決してやさしいことではないでしょう。

そこで、私から一つ提案があります。それは、「自分のこれまでの生活習慣を少しだけ変えてみませんか」ということです。例えば、朝少しだけ早く起きて、いつもとは違うニュース番組を見るのもよいでしょうし、通勤のときに通る道を、時々変えてみるのもよいかもしれません。きっと、何か新しい発見があるでしょう。環境が許す方ならば、犬を飼えば、散歩などで以前とは行動範囲が変わってきますし、それまでは気付かなかったペット商品に注意がいくようになるかもしれません。

習慣を変えるのは仕事のときでも構いません。これまで、週ごとにまとめてやっていた伝票処理を毎日行ったり、午後に訪問することが多かったお客様を午前中に訪問してみるなど、お客様や仕事の効率に支障が出ない限り、ちょっとした習慣を変えることで、新しい何かが見えてくると思います。

有名な画家のピカソは、一生の間に何回か作風を大きく変えています。彼は、初期に高い評価を受ける作風を完成させたにもかかわらず、ある段階でそれまでの自分の作風を壊して、全く新しい作風を再構築しました。

これは、固定観念を捨てて柔軟な視点を持てた人の一例だと思います。私たち普通の人であっても、こうした変化を求める意識を少しでも持つことで、新しいものが生み出せるのだと、私は信じています。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】豊臣秀長に学ぶ「支えてくれる人のありがたみ」

今日は、部下を持つ管理職の方々に集まってもらいました。本題に入る前に、まず皆さんにはお礼を言います。皆さんは日ごろ、自分が持っている業務で多忙な中、時間の合間を縫って部下の面倒をよく見てくれています。彼らがしっかりと仕事をこなせているのは、皆さんのおかげです。

ここから本題になりますが、一方で、皆さんに考えてほしいことがあります。それは、皆さんが部下を支えているだけでなく、皆さんも部下から支えられていることを意識してほしいのです。今日はそれを考えてもらうために、戦国時代の武将、豊臣秀長(とよとみひでなが)の話をします。

秀長は、天下を統一した豊臣秀吉の実の弟です。秀吉と同じく農民の出身だったといわれていますが、農民から織田家の家臣になった秀吉にスカウトされ、彼の下で働きます。秀長は、秀吉が明智光秀に勝利した山崎の戦いなど、負けられない重要な戦いに数多く関わっていて、そのたびに与えられた役割を着実にこなし、兄の勝利に貢献してきました。

秀長は秀吉をサポートする補佐役に徹していたため、兄に比べると目立ちませんでしたが、その温和な人柄で多くの人に好かれていて、諸大名と秀吉の間を取り持つ仲裁としての役割、秀吉が行き過ぎた際にいさめるストッパーとしての役割など、彼にしか果たせない仕事を数多くこなしていたようです。だからこそ、秀長が病死した後、豊臣家の雲行きは怪しくなっていきます。

秀長というストッパーを失った後の秀吉は、家臣に理不尽な切腹を命じる、中国侵攻をもくろんで諸大名に朝鮮出兵を命じるなどの失策が目立っていきます。もし秀長の死後に、秀長に代わる人材がいれば、豊臣家が徳川家康に天下を奪われることはなかったかもしれません。

私は、秀吉は秀長に対して、「弟だから支えて当たり前」という甘えもあったのではないかと推測します。もし秀吉が秀長の役割を、一人の部下として評価していたら、秀長亡き後に「第二の秀長」を育てようとしたのではないかと思います。

さて、仕事の話に戻りますが、改めて管理職の皆さんに考えてほしいのは、部下に対して「面倒を見てやっている」「何かをしてやっている」という思いばかりが先行し、彼らへの感謝を忘れてはいないか、ということです。皆さんがいてくれるから部下は仕事をこなせますが、部下の人たちも、ただ与えられた仕事だけをしているわけではありません。彼らもまた、皆さんの指示をさらにかみ砕いて、自分より若手の社員に伝えたり、目に見えないところで皆さんの雑務を引き受けてくれたりしています。そうした1つ1つの働きによって、会社は回っているのです。

私にとって管理職の皆さんはなくてはならない存在であるように、皆さんにとっても部下はかけがえのない存在なのです。私も含め、自分を支えてくれる人のありがたみをかみ締めて、改めて業務にまい進していきましょう。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

外国人観光客が感染・病気・けがをしたら、どう対応する?

書いてあること

  • 主な読者:外国人観光客に感染症の陽性反応が出たときや、その他の病気やけがをしたときの対応に不安のある宿泊施設運営者
  • 課題:事前の準備は何をすべきか、実際に発症したらどう対応すればよいのか分からない
  • 解決策:症状に応じて外国人対応が可能な医療機関や薬局を紹介するなどの対応を行う。感染症の疑いがある場合は同行者も含め客室内に待機してもらい、相談窓口に伝える

1 外国人観光客の感染・傷病の備えをしておこう

新型コロナ感染症対策のために制限されてきた外国人観光客の入国が、2022年10月11日から全面解禁となりました。今後、外国人観光客を受け入れる宿泊施設にとって課題になるのが、「外国人観光客が感染症や病気・けがに見舞われること」です。

外国人観光客を受け入れている宿泊施設は、症状の確認や、医療機関の紹介などの対応が求められますが、まず直面する課題は、

  • 外国人対応ができる医療機関が分からない(旅行業者)
  • 会話対応・通訳が十分できない(宿泊施設)
  • 施設現場に医療的な専門知識を有する人材がいない(宿泊施設)

ことです。

そこでこの記事では、こうした課題を解決するために、押さえておくべき宿泊施設の準備態勢と、実際に発症者が出た際の対応方法を紹介します。

2 事前準備と対応方法

外国人観光客の病気・けがに対する準備と対応について、フローチャートで紹介します。

外国人観光客の病気・けがに対する準備と対応のフロー

感染症の対応のフロー

以降では、外国人観光客の「受け入れ前の準備」「受け入れ時の対応(病気・けがをする前)」「実際に病気・けがをした場合の対応」の3つのシーンに分けて紹介します。

3 受け入れ前の準備

1)外国人対応可能な医療機関や薬局などを調べる

日本政府観光局(JNTO)のウェブサイト「日本を安心して旅していただくために 具合が悪くなったとき」では、新型コロナに対する相談窓口や医療機関の検索、医療機関のかかり方などが、日本語、英語、韓国語、中国語(繁体中文、簡体中文)で公表しています。

事前に近隣の医療機関を検索し、

かかりつけとなる医療機関の連絡先を2~3カ所程度確認

しましょう。医療機関名・連絡先・所在地の他、タクシーを使った場合の所要時間などについても調べ、「連絡先一覧」としてまとめておきます。

■日本政府観光局(JNTO)「日本を安心して旅していただくために 具合が悪くなったとき」■
https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/mi_guide.html

薬局については医療機関と違って、積極的に外国語対応ができることを公表していないことが多いようです。一般社団法人「くすりの適正使用協議会」では、患者に分かりやすい表現で要約した薬情報サイト「くすりのしおり」(英語版)と、市販薬を検索できる「おくすり検索」(英語版)を公開しています。

■「くすりのしおり」(英語版)■
https://www.rad-ar.or.jp/siori/english/index.html
■「おくすり検索」(英語版)■
https://search.jsm-db.info/sp_en/index.php

2)外国人対応のコールセンターを控える

医療機関の情報提供や電話医療通訳(医療機関専用)を無料で提供しているAMDA国際医療情報センター、外国人旅行者向けコールセンター「Japan Visitor Hotline」が利用できます。連絡先を受付に用意する他、ポスターやチラシを施設内に貼ったり、プリントアウトして外国人旅行者に配布したりといった準備も大切です。

■AMDA国際医療情報センター 東京オフィス■
https://www.amdamedicalcenter.com/
■外国人旅行者向けコールセンター「Japan Visitor Hotline」■
https://jsto.or.jp/news/info-190304/

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の竹村奉文氏は、コールセンターとの連携を深めることが大切だと言います。

「まずは外国人旅行客―宿泊施設―コールセンター―医療機関の連携を進めていくことが必要です。医療は専門用語が多いし、宿泊施設のスタッフの多くは、病気の判断をできる能力をもっていません。現場で勝手な判断ができないのだから、すぐに保健所や医療機関、医療サービス会社などへ相談すべきです」

3)各種コミュニケーションツールの準備

1.救急車利用ガイド

スタッフに周知し、フロントの目のつく場所に掲示しておきます。消防庁では、16言語の「訪日外国人のための救急車利用ガイド」を作成しているので、用意しておきましょう。

■訪日外国人のための救急車利用ガイド■
https://www.fdma.go.jp/publication/portal/post1.html

また、「救急車を呼んだほうがよいか」、「今すぐ医療機関に行ったほうがよいか」など、判断に迷ったときは、

「#7119」(または地域ごとに定められた電話番号)に電話する

と、救急電話相談を受けられます。医師、看護師、トレーニングを受けた相談員などが電話口で傷病者の状況を聞き取り、「緊急性のある症状なのか」や「すぐに医療機関を受診する必要性があるか」などを判断します。

2.指さしシート

実際に外国人観光客が病気・けがに見舞われた場合、「救急車を呼ぶか」「どの診療科を紹介するか」などを判断するために、「指さしシート」を用意しておきましょう。

日本政府観光局のウェブサイト「具合が悪くなったときに役立つガイドブック」には、「症状・病状説明のための指さしシート」が収録されているので活用できます。

参考:日本政府観光局の指さしシート

■具合が悪くなったときに役立つガイドブック■
https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/support.html

3.ヒアリングシート

外国人旅行者から体調不良について相談を受けたら、症状・状況を可能な範囲で聴き出して、ヒアリングシートに記入します。救急車を要請するときや医療機関を受診するときは、ヒアリングシートに基づいて必要な情報を提出してください。

4)多言語音声翻訳システム導入の検討

多言語音の音声翻訳ができるツールを利用するのもお勧めです。ツールの一例を紹介します。

1.「VoiceTra(ボイストラ)」:情報通信研究機構

話しかけると外国語に翻訳してくれる無料の音声翻訳アプリです。翻訳できる言語は31言語ですが、声で入力できる(20言語対応)、何語かを自動判別もできる(10言語対応)、音声が出力される(18言語対応)など、機能によって対応できる言語の数が異なります。

2.「VoiceBiz(ボイスビズ)」:凸版印刷

スマートフォンやタブレット用の専用アプリとクラウドサーバ上の翻訳エンジンが連動し、多言語音声翻訳サービスを提供します。自治体窓口、学校、観光といった、訪日外国人の受け入れや在留外国人の対応で多く使われる業界用語、定型文を標準搭載しています。

3.「POCKETALK(ポケトーク)」ポケトーク

70言語間では音声とテキストによる通訳機能が使え、12言語では音声で入力した翻訳結果のテキスト表示が可能な翻訳機です。複数の端末がありますが、翻訳はインターネット上のAIが行うので、どの端末でも同レベルの翻訳結果が得られます。

5)スタッフへの研修・教育

各種ツールを用意するだけでは、いざというときに対応できません。実際の対応を想定して、スタッフへの研修・教育を実施しましょう。とはいえ、病気・けがを治療するのは医療機関なので、複雑な対応を考える必要はありません。

基本的には、「緊急性の有無」によって、「どのような対応をするか(救急車を呼ぶ・医療機関を紹介する・薬局を紹介する)」「対応の責任者や、対応した情報の共有」などを確認しておきます。

6)補足:地元自治体の医療ガイドラインも確認してみる

前出の竹村氏は、自治体により地域性や人口規模に違いがあるため、都道府県が医療ガイドラインを独自に作っていることも多いとして、次のように話しています。

「地域の事情や地元自治体の医療ガイドラインに沿って、宿泊施設ごとに対応していく必要があります。まずは地元の保健所や消防署に確認してください。また、東京都などはファストドクターと連携しています。このように自治体側も外国人への対応を進めているので、自治体の動向をチェックしておくのも重要です」

ファストドクターは24時間365日体制で活動している、全国の医療機関から構成された総合窓口です。症状に応じて救急医療機関案内や夜間休日往診、オンライン診療なども行っています。

4 受け入れ時の対応(病気・けがをする前)

1)旅行保険加入の有無の確認

宿泊する外国人観光客には、旅行保険加入の有無を確認しておきましょう。旅行保険に加入していれば、日本入国後にした病気やけがの治療費を補償してくれます。他にもコールセンターに電話をすると、適切な医療機関の紹介を受けることができますし、提携医療機関を受診した場合には、保険会社が直接医療機関に治療費を支払いますので、キャッシュレス診療を受けることができます。

宿泊施設側が外国人観光客に対して、訪日外国人向け旅行保険をセットにした宿泊プランを販売するケースもあります。こうした保険に加入しておけば、宿泊施設の手間を減らせるメリットがあります。

2)「コールカード」「ガイドブック」などの配布

宿泊する外国人観光客には、「コールカード」を配布しましょう。これは「救急車を呼んでください」などの内容が、複数の言語で記載されている名刺サイズのカードです。参考に三重県志摩市消防本部のコールカードを紹介します。

参考:コールカード

また、氏名・連絡先・性別・言語といった基本情報や、既往歴、服薬中の薬などの情報を書き込んでもらう「ガイドブック」も配布するとよいでしょう。日本政府観光局のウェブサイトでは、基本情報や既往歴などが書き込めるものがアップされています。

■日本政府観光局「具合が悪くなったときに役立つガイドブック」■
https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/support.html

5 実際に病気・けがをした場合の対応

1)症状と本人の意向を確認

翻訳ツールやヒアリングシートを利用してみましょう。ヒアリングが難しい場合は、できるところまで確認し、保健所やコールセンター、かかりつけ医などに連絡しましょう。

1.救急車を呼ぶ

119番しましょう。ヒアリングができた場合は、その情報を基に救急隊員に伝えましょう。前述したとおり、「救急車を呼んだほうがよいか」、「今すぐ医療機関に行ったほうがよいか」など、判断に迷ったときは「#7119」(または地域ごとに定められた電話番号)に電話しましょう。

2.医療機関を紹介する

医療保険の有無を確認し、事前に決めた医療機関の「連絡先一覧」に沿って医療機関に連絡しましょう。受診の際には、パスポートと旅行保険証書を持参するように伝えてください。

3.薬局を紹介する

薬を買いたいという本人の意思がはっきりしている場合は、営業中の薬局・ドラッグストアを探しましょう。

2)外国人観光客の症状、医療機関・薬局などの対応を確認し、自施設内で情報共有

医療機関などを紹介した後は、宿泊施設などが積極的に準備・対応することはありません。ただ、紹介した医療機関・薬局などがどのような対応をしたか確認しておき、同様の対応が必要になった外国人観光客に紹介する際の参考にしましょう。

6 外国人観光客からコロナの陽性反応が出たら?

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会・日本旅館協会・全日本ホテル連盟は、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第2版)」を2021年11月22日に示しています(下記参照)。外国人に限ったことではありませんが、指標として確認しておきましょう。

滞在客に新型コロナ陽性の疑いが発生した場合の対応

  • 利用者から発熱や体調不良の申し出があった時にすぐに案内できるよう、最寄りの医療機関または保健所や受診・相談センターの連絡先が事務所内やフロントデスクなどですぐに見られるようにしておく
  • 利用者または従業員の感染が判明した場合、保健所の積極的疫学調査に協力できるよう、過去1カ月以内の利用者(代表者)のすぐに連絡がつく携帯電話等の緊急連絡先を記録・保存しておく
  • 発熱や呼吸困難、けん怠感など、感染の疑われる宿泊客がいる場合、客室内で待機し、マスク着用及び客室外に出ないように依頼する(同行者も同様)
  • 事前に待機する部屋等を決めておく
  • 食事も部屋に届けるなど、他者との接触を極力避け、対応するスタッフも限定する。対応時にはマスク及びフェイスシールド、ゴーグル等を着用
  • 近隣の医療機関や受診・相談センターに連絡し、感染の疑いのある宿泊客の状況や症状を伝え、その後は保健所からの指示に従う
  • 当日の宿泊者名簿を確認し、保健所への提出に備える
  • 館内の他の宿泊客への情報提供は、保健所の指示に従う

なお、観光庁は「外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン」を2022年9月に改定しています。外国人観光客の全面受け入れにより、ガイドラインも改定されるとみられます。最新情報をチェックしつつ、外国人観光客の対応をしていきましょう。

以上(2022年10月)

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画像:unsplash