有期契約のパートから次回の契約から無期契約にしたいと言われましたが、必ず無期契約にしなければならないでしょうか。

QUESTION

有期契約のパートから次回の契約から無期契約にしたいと言われましたが、必ず無期契約にしなければならないでしょうか。

ANSWER

有期契約が通算して5年を超えている場合は、無期契約への転換が必要です。

解説

労働契約法が改正され、同一の使用者との間で有期労働契約の通算契約期間が5年を超えたときは、労働者は、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)への転換を申込むことができるようになりました。
なお、通算契約期間のカウントについては、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となります。
(平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、通算契約期間に含めません。)
平成27年4月1日から無期転換の特例として①高度専門労働者、②定年後引き続いて雇用される者は一定の要件を満たせば通算契約期間のカウントの対象外となります。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94170

画像:Mariko Mitsuda

従業員が10人しかいない小さな会社ですが、所定外労働の免除や介護休暇を従業員に認める必要がありますか?

QUESTION

育児介護休業法が改正されたと聞きました。従業員が10人しかいない小さな会社ですが、所定外労働の免除や介護休暇を従業員に認める必要がありますか.

ANSWER

認める必要があります。

解説

改正育児介護休業法は平成22年6月30日から施行されました。

【改正育児介護休業法の概要】

①子育て期間中の働き方の見直し

  • 3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とし、労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する。
  • 子の看護等休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上であれば年10日)。

②父親も子育てができる働き方の実現

  • 父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)。
  • 配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。

③仕事と介護の両立支援

  • 介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が、1人であれば年5日、2人以上であれば年10日)。

④実効性の確保

  • 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する。
  • 勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対する過料を創設する。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99150

画像:Mariko Mitsuda

私傷病休職規程は、一般的にはどのように定めればいいですか。

QUESTION

私傷病休職規程は、一般的にはどのように定めればいいですか。

ANSWER

以下のとおりです。

解説

私傷病での休職は、欠勤が長期に渡り一定の期間を超えた場合に、勤続年数および疾病により3ヶ月から2~3年、事故休職では1ヶ月から3ヶ月の期間を定めている企業が多くなっています。
また、休職として取り扱うまでの欠勤期間は、欠勤期間が長引くかどうかの判断基準として1ヶ月から3ヶ月の期間を定めるのが一般的です。
休職期間の延長規定を設ける企業も、少数ですがあります。この場合は、「会社が特に必要と認めた場合には」等と限定することが望ましいです。
休職期間を勤続年数に算入するか否かは、休職事由ごとに決めておきます。私傷病休職の場合は、一般に算入しません。
賃金その他(社会保険料等)について、一般と異なる取扱いをする場合は、賃金規程等の別規程に整理しておきます。
私傷病休職期間については、一般的には無給とする会社が多くなっています。社会保険料の労働者分も、本人に負担させています。
復職については、医師の診断書および復職願を提出させる会社が一般的です。そして、「同じ事由でさらに休職した場合、休職した期間は中断しない」との規定も有効です。
そして、「休職期間が満了した時点で休職事由が存続しているときは、退職とする」という規定も必要です。

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No.95060

画像:Mariko Mitsuda

障害者雇用率を下回る場合、納付金の徴収があると聞きましたが。

QUESTION

障害者雇用率を下回る場合、納付金の徴収があると聞きましたが。

ANSWER

法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき原則月額5万円の障害者雇用納付金を納付しなければなりません。

解説

障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図るとともに、全体としての障害者の雇用水準を引き上げることを目的に、雇用率未達成企業(常用労働者100人超)から不足する障害者数(障害者法定雇用率2.3%(令和3年3月以降)(令和3年3月前は2.2%)に基づく人数)に応じて1人につき月額5万円の障害者雇用納付金を徴収しています。
一方、常時雇用している労働者数が100人を超える事業主で障害者雇用率を超えて障害者を雇用している場合は、その超えて雇用している障害者数に応じて1人につき月額2万7千円の障害者雇用調整金が支給されます。常用労働者100名以下で雇用障害者数が一定数を超えている(いわゆる“障害者多数雇用中小事業主”である)場合は、その一定数を超えて雇用している障害者の人数に21,000円を乗じて得た額の報奨金が支給されます。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
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No.99170

画像:Mariko Mitsuda

賃金の過払いを翌月に清算してもいいですか。

QUESTION

賃金の過払いを翌月に清算してもいいですか。

ANSWER

翌月に清算することは可能です。

解説

行政解釈は、前月分の過払賃金を翌月分で清算する程度は賃金それ自体の計算に関するものであるから、労働基準法24条(賃金の全額払の原則)の違反とは認められないとしています。
また最高裁判例においても過払賃金の清算は、合理的理由があり、労働基準法24条(賃金の全額払の原則)に反しないとしています。
ただし、判例では、清算の時期は過払い後2~3ヶ月程度の期間内、清算金額は賃金水準の高低等によりケース・バイ・ケースであり、事前に労働者に予告したうえ、労働者の経済生活の安定を脅かすおそれのない場合について事後の賃金との相殺による清算が許されるとしています。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
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   社会保険労務士法人中企団総研

No.92050

画像:Mariko Mitsuda

賞与支給日直後に退職したいとの申し出を拒否できますか。

QUESTION

賞与支給日直後に退職したいとの申し出を拒否できますか。

ANSWER

拒否できません。

解説

労働者が一方的に使用者に通告して退職する場合は、通告の翌日から起算して2週間たつと使用者の承諾がなくても効力が発生します。このように労働者には退職の自由が認められていますので、賞与支給日直後に退職したいとの申し出も拒否することはできません。
民法627条1項によれば、期間の定めのない契約はいつでも解約の申入れをすることができ、2週間経過すると効力が発生すると定めているからです。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.97090

画像:Mariko Mitsuda

営業秘密の漏洩を防ぐためにライバル会社への転職対策を講じることができますか。

QUESTION

営業秘密の漏洩を防ぐためにライバル会社への転職対策を講じることができますか。

ANSWER

講じることができます。

解説

まず、就業規則や雇用契約書の中に、社員が会社の営業秘密について、秘密保持義務を負うことを明記します。
次に、制裁に関する規定および競業避止に関する契約書を準備します。

  • 1.在職中に営業秘密を漏洩した場合は、それを理由として懲戒解雇できるとする。
  • 2.在職中に営業秘密を漏洩した場合は、雇用契約上の債務不履行を理由として、その社員に対し損害賠償請求もできるとする。
  • 3.「退職後に同業他社に就職したときは、退職金の半額を返金する」と退職金規程に盛り込む。
  • 4.営業秘密を管理する立場にある幹部社員または取締役との間で退職後も2年間は、競合他社で就業(役員就任を含む)しないという特別の契約を結ぶ。

その際、以下の妥当性を判断し適正でないものは裁判上無効となることもあるので注意が必要です。
 (a)競業避止義務の対象職種・制限期間・地域範囲の妥当性
 (b)退職者の在職者の地位・職種の妥当性
 (c)労働者の競業行為の背信性の程度
 (d)代償措置が設けられているか
《参考》三晃社事件(最高裁判例昭和52年8月9日判決)
中小の広告代理業で、従業員と顧客との個人的なつながりが強く、その従業員が同業他社に移ることによって、営業上の不利益が生じる場合には、退職後一定期間内に競合他社に就職したときに、退職金を減額支給するとの扱いを合法としました。

※本内容は2026年2月28日時点での内容です。
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No.99110

画像:Mariko Mitsuda

年俸制適用者にも残業代を支払わなければなりませんか。

QUESTION

年俸制適用者にも残業代を支払わなければなりませんか。

ANSWER

年俸制でも、管理監督者に該当しない限り、労働時間を管理し、残業代を支払う義務があります。

解説

年俸制の労働者であっても管理監督者に該当する場合を除き、残業時間に応じた割増賃金の支払いが必要です。使用者は、この場合も始業・終業時刻の把握をしなければなりません。
通達では、

  • 年俸に時間外労働等の割増賃金等が含まれていることが労働契約の内容であることが明らかであって、
  • 割増賃金相当部分と通常の労働時間に対応する賃金部分とに区分することができ、かつ、
  • 割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上支払われている

場合は、労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)に違反しないと解されるとしています。

また、あらかじめ、年間の割増賃金相当額を各月均等に支払うこととしている場合において、各月ごとに支払われている割増賃金相当額が、各月の時間外労働等の時間数に基づいて計算した割増賃金額に満たない場合も、労働基準法第37条に違反するとしています。

つまり、割増賃金を含めて年俸を決めていても、各自の各月の残業時間をきちんと把握する必要があります。

たとえ、管理監督者であっても、深夜の時間帯(午後10時から午前5時)に労働させる場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければなりません。

なお、「時間外労働の罰則付き上限規制」が平成31年4月1日施行(中小企業:令和2年4月1日施行)され、1か月及び1年に残業させることができる時間数の上限と罰則が法律に規定されました。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.92020

画像:Mariko Mitsuda

自転車の青切符制度導入と運転の心がけ(2026/3号)【交通安全ニュース】

※ボタンを押すとSOMPOリスクマネジメント(株)のサイトへ移動します。

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

自転車は、エコで健康増進にもつながる身近な移動ツールです。しかし、令和6年の自転車乗用中の死亡・重傷事故件数は7000件を超えており、自転車運転者のルール違反も社会的な問題となっています。

令和8年4月から自転車運転者を対象に「青切符」が導入されることから、今月は、導入の背景、違反例、そして交通安全に向けた取り組みについて解説します。

自転車の青切符制度導入と運転の心がけ

青切符導入の背景

令和6年に発生した自転車乗用中の死亡・重傷事故のうち、約75%は自転車側に法令違反があります(図1) 。過去10年間の自転車違反の検挙数は増えていますが(図2) 、従来の制度では違反しても不起訴となることが多く、責任追及が不十分でした。

「青切符」制度の導入によって検挙後の手続きが変わり、違反者に対する実効性のある責任追及が可能となります。

図1.自転車乗用中の死亡・重傷事故(令和6年)における自転車による法令違反の有無

図1.

出典:警察庁「自転車ルールブック」より当社作成

図2.自転車違反取締検挙推移

図2.

出典:警察庁「自転車の交通指導取締り状況」より当社作成

交通反則通告制度(青切符)とは

青切符対象となる違反例

令和8年4月から導入される青切符制度で対象となる主な交通違反は、次の通りです。

対象は16歳以上の運転者です。

青切符対象となる違反例

青切符対象となる違反例

警察庁は、制度改正の趣旨や安全・安心な自転車の利用に役立ててもらうことを目的として、「自転車を安全・安心に利用するために-自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入-(自転車ルールブック)」を公開しています。

https://www.npa.go.jp/news/release/2025/20250902001.html

自転車事故をなくそう

青切符制度は、自転車の交通ルールの遵守を促し、事故を減らすための重要な一歩です。

一人一人が交通ルールを守り、安全運転を心がけることが自転車事故をなくす取り組みとなります。

自転車を運転する際の心がけ

車両の運転者であるという意識を持ち、基本ルール「自転車安全利用五則」を心がけましょう。

  • 「車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先」
  • 「交差点では信号と一時停止を守って、安全確認」
  • 「夜間はライトを点灯」
  • 「飲酒運転は禁止」
  • 「ヘルメットを着用」

自動車を運転する際に特に注意する時間帯・場所

【時間帯】朝夕の通勤・通学時間帯、 日没前後の薄暗い時間帯
【場 所】自転車関連事故が実際に発生している、または発生が懸念される地区や路線

以上(2026年3月)

sj09170
画像:amanaimages

※ボタンを押すとSOMPOリスクマネジメント(株)のサイトへ移動します。

カスハラ防止措置が2026年10月1日から義務化! 悪質クレームを退ける4つのポイント

1 2026年10月1日から「カスハラ」の防止措置が義務化!

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、

顧客などが、社員に悪質な嫌がらせ(土下座の強要など)をすること

です。「お客様は神様です」などというように、日本の会社は昔から、顧客を大切にする傾向がありますが、一方で「土下座などを強要されそれに応じることが、本当に顧客を大切にすることなの?」という当然の疑問があり、実際にカスハラが社会問題化している現実があります。

こうした状況から、改正労働施策総合推進法により、

「1.カスハラの定義」が明確化され、さらに2026年10月1日から「2.一定のカスハラ防止措置の実施」が会社に義務付けられる

ことになりました。

1.カスハラの定義

次の3つを全て満たす場合、カスハラになることが定められました。

  • 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う
  • 社会通念上許容される範囲を超えた言動により、
  • 社員の就業環境を害すること

2.一定のカスハラ防止措置の実施

通常のパワハラやセクハラと同様に、カスハラについても次のような防止措置が義務付けられることになりました。

  • カスハラを許さない旨の方針等の明確化、周知・啓発
  • カスハラに関する社員からの相談体制の整備・周知
  • カスハラ事案が発生した後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置
■厚生労働省「カスタマーハラスメント及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務となります!」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
 

国が法律による規制に踏み切ったことで、会社においてもこれまで以上のカスハラ対策が求められることになるでしょう。大切なのは、

正当なクレームには真摯に、理不尽なカスハラには毅然と対応すること

です。

この記事では、厚生労働省が公表している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」をもとに、カスハラ対応のポイントとして、

  • どのような言動がカスハラになるのかを押さえる
  • 類型別に大まかな対応方針を決める
  • 社員は事実を正確に会社に報告する
  • 上司または経営者が具体的な対応を決める

の4つを紹介します。

■厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」■
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

2 どのような言動がカスハラになるのかを押さえる

厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、

顧客などからのクレームのうち、要求の内容が妥当でない、または要求の実現方法が社会通念上相当でない言動で、就業の妨げになるものがカスハラになり得る

とされています。

同マニュアルによると、カスハラになる可能性がある言動の例は次の通りです。

カスハラになる可能性がある言動の例

法的には、カスハラは

民法の「不法行為」(故意・過失によって他人の権利や法律上の利益を侵害する行為)

に該当する可能性があります。また、言動の内容によっては、刑法(傷害罪、脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪、不退去罪など)や軽犯罪法が適用されることもあります。逆に図表1のような言動に当たらない(要求の内容・実現方法に問題がない)場合、カスハラではなく正当なクレームということになります。より詳細なカスハラの具体例を知りたい場合、こちらもご参照ください。

■厚生労働省「第9回雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」(参考資料1「カスタマーハラスメント事例集」を参照)■
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40906.html

3 類型別に大まかな対応方針を決める

正当なクレームならば誠実に対応を検討する必要がありますが、カスハラの場合、要求には応じず、法的措置なども含めて厳正に対処します。前述した通り、カスハラは幾つかの類型に分類できるので、大まかな対応方針は事前に決めておくことができます。

カスハラの類型に応じた対応方針の例は次の通りです。

対応方針

これらは大枠の方針なので、実際にどのように対応すべきかは、

  • カスハラが初めて行われたのか、繰り返し行われているのか(初めての場合、内容によっては注意だけで済ませることも検討)
  • 対応した社員に落ち度はなかったのか(正当なクレームだったのに、社員の対応不十分でカスハラに発展した場合、社員の対応については謝罪が必要)

なども考慮して慎重に判断します。そのためには、カスハラ対応における社内の役割分担を明確にする必要があります。次章以降で見ていきましょう。

4 社員は事実を正確に会社に報告する

顧客などから電話や対面などで会社に対してクレームがあった場合、まずは窓口の社員が初期対応に当たります。ここで社員に求められるのは、

顧客などを不用意に刺激しないよう注意しつつ、会社が顧客などへの対応を検討するために必要な情報を集めること

です。ポイントは次の2つです。

  • 限定的な謝罪:不快感を与えたことについてだけ謝罪する
  • 事実の把握:顧客などの要求の内容や問題が発生した経緯を正確に把握する

1.では、顧客などに対し、「このたびは不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありません」など、不快感を与えたことだけを謝ります。正確に状況が把握できていない段階では、不用意に会社の非を認めたり、相手の要求に応じたりするべきではありません。

2.では、顧客などの住所・名前・連絡先などを確認した上で、話を一通り聞き、要求の内容や問題が発生した経緯を確認します。事実を正確に把握するため、必要に応じて会話を録音するなどして証拠に残します。また、現場対応は1人で行わず、可能な限り複数名で対応するのがよいでしょう。

1.と2.が完了したら、社員は顧客などから確認した情報を上司に報告し、今後の対応について相談します。ただし、身体的な攻撃や性的な言動を受けたなど緊急性が高いときは、1.と2.の状況に関係なく、即座に上司に報告します。

5 上司または経営者が具体的な対応を決める

カスハラに関する社内対応の流れは次の通りです。

社内対応の流れ

上司は社員から、顧客などの要求の内容や問題が発生した経緯について話を聞き、

カスハラであれば、その内容に基づいて顧客などへの具体的な対応を決定

します。ただし、

  • 顧客などが重要な取引先である
  • 弁護士、警察などに相談すべき案件である(訴訟手続が必要、犯罪行為に当たるなど)

などといった場合は、必要に応じて経営者が判断します。詳細が決まったら、状況に応じて適切な人が対応します。顧客などが取引先(会社)の場合は、社内にハラスメント相談窓口があるでしょうから、必要に応じて窓口担当者とも連携しましょう。

なお、社員がすでにカスハラによって精神的ショックを受けている場合、顧客などから引き離す、医師による面談を実施するといった措置も併せて検討します。

この他、上司または経営者が具体的な対応を決定したり、社員が前述の初期対応を行ったりする上で支障がないよう、定期的に社内で対応ルールの教育・研修を実施するとよいでしょう。

以上(2026年2月更新)

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画像:Maki_Japan-Adobe Stock