退職後に懲戒解雇に該当する事実が発覚した場合、退職金を返還させることは可能ですか。

QUESTION

退職後に懲戒解雇に該当する事実が発覚した場合、退職金を返還させることは可能ですか。

ANSWER

既に退職している場合は、退職金の返還を求めることができない恐れがあります。

解説

既に退職している場合は、労働契約関係が終了しているので懲戒解雇することは不可能なので、退職金の返還を求めることは原則できません。
しかし、退職金規程の中に、在職中に懲戒解雇に該当する事実があった場合は、退職金の不支給や退職金の返還を求めるという旨の規定を入れておくことで、リスクは軽減できると考えられます。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.96070

画像:Mariko Mitsuda

労働条件の明示事項が変更になったと聞きましたが、具体的にどう変更されたのでしょうか?

QUESTION

労働条件の明示事項が変更になったと聞きましたが、具体的にどう変更されたのでしょうか。

ANSWER

2024年4月1日以降、労働条件の明示事項が追加されました。

解説

追加事項は下記の通りです。

①全ての労働契約の締結時と有期労働契約の更新時に、就業場所・業務の変更の範囲を明示
②有期労働契約の締結時と更新時に、更新上限( 通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容(併せて、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合は、その理由を労働者にあらかじめ説明すること)
③無期転換申込権が発生する契約の更新時に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件を明示

無期労働契約を締結する場合は①を、
有期労働契約を締結する場合は①~③の明示が必要です。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.91050

画像:Mariko Mitsuda

定期昇給の廃止など、賃金体系を変更する際に従業員との話し合いは必要ですか。

QUESTION

定期昇給の廃止など、賃金体系を変更する際に従業員との話し合いは必要ですか。

ANSWER

合理性があれば、個々の労働者の同意は不要です。ただし、実際には労使で時間をかけて話し合うべきであり、慎重な取り扱いが求められます。

解説

賃金額は労働条件のひとつであり、これを引き下げるには、原則として、個々の労働者の同意が必要です。
個々の労働者の同意を得ないで定期昇給の廃止などを行うには、合理性の認められる範囲で就業規則の不利益変更をすることになります。
就業規則の不利益変更で労働条件を引き下げようとするときは、次のことが必要です。
 1.その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること。
  ・労働者の受ける不利益の程度
  ・労働条件の変更の必要性
  ・変更後の就業規則の内容の相当性
  ・労働組合等との交渉の状況
 2.労働者に変更後の就業規則を周知させること。
定期昇給を廃止することは、労働上の不利益変更を伴うため、合理性の認められる範囲であったとしても、従来の人事・賃金制度全体の抜本的な見直しを前提にして、労使で時間をかけて話し合うべきです。経営環境や新人事制度の基本的な考え方を労使で共有し、賃金体系や賃金水準について順次検討して合意を得ていくべきです。
性急な定昇廃止措置は、社員や労働組合の反発を買い、会社を内紛状態に陥れかねません。まして、長期にわたる裁判を経て仮に合理性を認められたとしても、経営的には大きなマイナスであり賢明な労務管理とはいえません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92130

画像:Mariko Mitsuda

懲戒解雇された者に対する退職金を減額・不支給としていいですか。

QUESTION

懲戒解雇された者に対する退職金を減額・不支給としていいですか。

ANSWER

退職金規程に不支給規定があれば、重大な非違行為がある場合に限り、就業規則に基づく退職金の減額又は不支給は認められます。

解説

退職金に関する規程が労働契約・就業規則にない場合は、使用者は当然に退職金の支払義務を負うわけではありません。この場合の退職金は、労働基準法上の賃金ではなく単なる恩恵的給付であり、減額・不支給も自由にできます。
一方、退職金に関する規程が労働契約・就業規則にある場合は、労働基準法上の賃金となります。
労働基準法上の賃金としての退職金は、功労褒賞的性格と賃金の後払い的性格を持ちます。したがって、懲戒解雇に関する規定に退職金の減額および不支給の規定があるだけでは、当然には退職金を不支給とすることはできませんが、重大な非違行為がある場合に限り、就業規則に基づく退職金の減額又は不支給は認められます。
懲戒解雇事由があっても退職金減額又は不支給の規定がなければ減額・不支給とすることはできませんので、トラブルを予防するためには、退職金規程に、「円満退職でない場合」「懲戒解雇相当事由が判明した場合」には退職金を支給しない(もしくは減額する)と明記しておくべきです。
《参考》トヨタ工業事件(東京地裁平成6年6月28日判決)
退職金を全額不支給とすることができるのは、それまでの功労を抹消してしまうほどの重大な行為、たとえば多額の横領といったことがあった場合に限られるとしました。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97070

画像:Mariko Mitsuda

パートタイム労働者に係る事項について就業規則の作成又は変更に当たっては、労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければなりませんか。

QUESTION

パートタイム労働者に係る事項について就業規則の作成又は変更に当たっては、労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければなりませんか。

ANSWER

事業場の全労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければなりません。

解説

就業規則の作成又は変更に当たっては、労働基準法第90条により、労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければならないとされています。
パートタイム労働者に適用される就業規則も事業場の就業規則ですので、その作成又は変更に当たっては、当該事業場の全労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければなりません。
それに加え、パートタイム・有期雇用労働法第7条により、パートタイム労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くことが努力義務とされています。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94140

画像:Mariko Mitsuda

先日会社を退職された方を今度は派遣労働者として受け入れたいと思いますが、問題ないでしょうか。

QUESTION

先日会社を退職された方を今度は派遣労働者として受け入れたいと思いますが、問題ないでしょうか。

ANSWER

離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することは禁止されています。

解説

平成24年10月の労働者派遣法の改正により、派遣会社が離職後1年以内の人と労働契約を結び、元の勤務先に派遣することが禁止となりました。
これは、本来直接雇用とすべき労働者を派遣労働者に置き換えることで、労働条件が切り下げられることを防止することを目的としたものです。(元の勤務先が該当者を受け入れることも禁止されています。)ただし、一律に禁止されているものではなく、例外的に60歳以上の定年退職者については、元の勤務先への派遣が認められています。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94200

画像:Mariko Mitsuda

採用内定取消しは採用前ならいつでも自由にできますか。

QUESTION

採用内定取消しは採用前ならいつでも自由にできますか。

ANSWER

自由にはできません。解雇をする場合と同様の配慮が必要です。

解説

採用内定は、始期付きの、解約権留保付労働契約とされており、採用内定者の地位は、一定の試用期間を付して雇用関係に入った者の試用期間中の地位と基本的に異なるところはありません。
採用内定を取り消すことができる事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られると解するのが相当とされており、これに該当しない場合には解雇権の濫用として判断される可能性があります。
例えば、提出書類への虚偽記載があったとしても、その虚偽記載により内定者の資質や能力への誤認したり、詐称が判明した経緯などから企業内に留めておくことができないほどの不信義性が認められる場合でなければ、内定取消しが無効とされるおそれがあります。
また、内定取消しの経緯や状況によっては、内定者から債務不履行(誠実義務違反)や不法行為(期待権侵害)に基づく損害賠償請求がなされ、裁判で認容される可能性もあります。
さらに、内定取消しがやむを得ないとされる場合でも、内定からその取消しに至る過程で信義則上必要な配慮に欠けていたことを理由に損害賠償責任が課せられた裁判例もあります(パソナ(ヨドバシカメラ)事件‐大阪地判平16・6・9)。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.91020

画像:Mariko Mitsuda

解雇予告後に業務上災害が発生した場合、解雇の効力はどうなるのでしょうか。

QUESTION

解雇予告後に業務上災害が発生した場合、解雇の効力はどうなるのでしょうか。

ANSWER

当初の解雇予定日は、解雇制限期間が終了するまで延期になります。

解説

解雇予告期間満了の直前にその労働者が業務上負傷し又は疾病にかかり療養のために休業を要する以上は、たとえ1日ないし2日の軽度の負傷又は疾病であっても労働基準法第19条の適用があることになります。しかし、負傷し又は疾病にかかり休業したことによって、前の解雇予告の効力の発生は停止されるだけです。
よって、その休業期間が長期にわたり解雇予告としての効力を失うものと認められる場合を除き、治癒した日に改めて解雇予告する必要はありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99020

画像:Mariko Mitsuda

派遣労働者が派遣先の社員と同じ仕事をしているのですが、派遣従業員の賃金額は派遣元が自由に決めて良いですよね。

QUESTION

派遣労働者が派遣先の社員と同じ仕事をしているのですが、派遣従業員の賃金額は派遣元が自由に決めて良いですよね。

ANSWER

派遣労働者と派遣先の従業員の賃金額は、仕事内容や責任の程度が同じであれば同じに、仕事内容や責任が違えば違うなりの賃金にしなければなりません。

解説

労働者派遣法は、令和2年4月1日(中小企業も令和2年4月1日)に改正し、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働差者)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消することを目指し、「派遣労働者の同一労働同一賃金」を実現することを目的としています。

主な改正点は次の3点になります。

  • 1.不合理な待遇差をなくすための規定の整備
    派遣先均等・均衡方式または労使協定方式から待遇方式を決定し公正な待遇を確保しなければなりません。
  • 2.派遣労働者の待遇に関する説明義務の強化
    雇入れ時、派遣時、派遣労働者の求めに応じて待遇についての説明が必要です。
  • 3.裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の規定の整備
    派遣労働者と派遣元または派遣先との間で、トラブルとなった場合には、都道府県労働局長による助言・指導・勧告や紛争調停委員会による調停を求めることができます。また、これらを求めたことを理由として、派遣元および派遣先は派遣労働者に対して不利益な取り扱いをしてはならないこととされています。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94070

画像:Mariko Mitsuda

有給休暇の繰り越し分と新規発生分はどちらを先に消化すればいいでしょうか。

QUESTION

有給休暇の繰り越し分と新規発生分はどちらを先に消化すればいいでしょうか。

ANSWER

法律上の具体的な定めはありませんが、不利益変更のリスクがあるため繰り越し分から消化するのが良いです。

解説

年次有給休暇の時効は2年となっています。その年に与えられた年次有給休暇は翌年まで使えるということになります。
その年に使われた年次有給休暇がその年に発生した分なのか、前年に発生した分なのかということについては労働基準法上の決まりはありません。
従ってどちらの方法で年次有給休暇を消化しても法的には問題ありません。
ただし、トラブル防止の観点から、就業規則で、どちらを先に消化するかの基準を明記すべきです。
仮に就業規則に定めをせずに運営した場合、その年に発生した分から消化していくと前年に発生した分が消化できずに時効を迎える可能性があります。
その結果、労働者が取得できる年次有給休暇の日数は、前年に発生した分から消化した場合と比べて少なくなるため、労働者にとって不利益変更となります。
このことから年次有給休暇については、繰り越し分から消化していくのが良いでしょう。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93050

画像:Mariko Mitsuda