【朝礼】正しい言葉遣い

先日、インターネットでグラスを購入したのですが、私の注文したものと異なる商品が手元に届きました。そこで、販売会社に商品交換の連絡をしました。先方の電話口に出た人は若い男性だったのですが、その人の言葉遣いが気になりました。例えば、用件の確認をする際に「商品の交換ということでよろしかったでしょうか?」など、いわゆるファミレス用語を使っていたのです。彼なりに「失礼の無いように」と一生懸命に話しているのは伝わるのですが、やはり間違った言葉遣いは「いただけないなぁ」と感じました。私は間違った言葉遣いをしている本人だけではなく、その販売会社に対してもあまりよい印象が持てなくなりました。

逆に印象のよい言葉遣いに出合った経験もあります。私が新人だったころ、取引先の会社に訪問したときのことです。取引先の担当者は、私より随分年上にもかかわらず、私に丁寧な言葉遣いで接してくれました。

私はその対応に、自分が一人前のビジネスパーソンとして扱ってもらっていると感じ、「きちんとした仕事をしなければ」と思いました。同時に、先方の担当者に対しても、「この人であれば仕事を任せても安心だ」と信頼を寄せるようになりました。

言葉遣いについて、なぜ私がこれほどうるさくいうのかといえば、正しい言葉遣いはビジネスパーソンとして、身に付けておくべきスキルだからです。

正しい言葉遣いで話すことは相手への敬意を目に見える形にするという意味を持っています。間違った言葉遣いでは、いくら相手に敬意を持って接していても、その気持ちが十分に伝わりません。人によっては、間違った言葉遣いをとても失礼な対応だと感じる人がいるでしょう。

また、正しい言葉遣いには説得力があります。大切な業務でミスをしてしまい、謝罪する場面を考えてみてください。間違った言葉遣いで謝罪をするのに比べて、正しい言葉遣いで謝罪をするほうが説得力は増すのではないでしょうか。

このように、言葉遣いはビジネスのあらゆるシーンで必要とされるスキルですから、ぜひとも身に付けておくべきなのです。

ついつい使ってしまう間違った言葉や言い回しは、誰にでもあると思います。そして、そういった癖は、自分自身では意識することが難しいものです。もし、間違った言葉遣いをしている人がいれば、周囲の人たちがそれを注意してあげてください。皆で気を付け、間違った言葉遣いを無くしていきましょう。

以上(2022年11月)

op16457
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】マネジメントに必要な“調整力”

私が主任として制作現場のマネジメントを任されて、半年余りがたちました。そこで、この半年余りを振り返って、自分がやってしまった失敗と、失敗から得た私なりの改善点をお話しします。皆さんも参考にしてください。

まず学んだのは、相手の立場を理解して、尊重することの大切さです。主任だから何でも指示を出せば従ってもらえるわけではなく、相手の立場を踏まえてお願いすべきだと感じました。

具体的には、部長から、1週間以内にサンプルを3パターン提出するように言われたときのことです。取引先からどうしても急いでほしいと頼まれたとのことでしたので、私は現場の人に、最優先でサンプルを作ってもらうようにお願いをしました。ところが、現場では作業が立て込んでいて、「1週間でサンプルを3パターン作るのは難しい」との苦情が出たのです。

私は、現場の人の気持ちを考えず、取引先からの特別な依頼だということを金科玉条(きんかぎょくじょう)にして、一方的に仕事を押し付けようとしていた自分を、とても恥ずかしく思いました。現場でサンプル作りをしていた頃の私でしたら、部長に言われた時点で、この業務が難しいことを伝え、もう少し時間的な猶予をいただけないか相談していたはずです。

次に学んだのは、マネジメントの仕事は、ただ単に上司と現場の声を伝えるだけでなく、自分で考えて調整を行うことが重要だということです。

先ほどの話の続きですが、現場の人の声を踏まえて、部長に納期を1週間遅らせてもらうようにお願いをしたのですが、部長から、「なぜ1週間も必要なのか」を聞かれたときに、私は明確な根拠を示すことができませんでした。ただ「1週間はほしい」という現場の声を伝えていただけだったのです。

その後、課長のアドバイスもあって、改めて現場の作業日程を確認したところ、自分が関わっていない別の業務の納期に若干の余裕があることが分かりました。また、営業担当の同僚に相談したところ、他の取引先の案件の納期を少し遅らせてもらえることになりました。このため、結果的に3パターンのサンプルは、2日の遅れだけで納品することができました。

今お話しした一件から、私は、マネジメントに必要なことは“調整力”なのだと肝に銘じました。調整するためには、常に全体を見ておき、たとえ自分が関わっていない業務であっても、現場の全ての工程と、社内での優先事項という両方の状況を把握しておくことが大事なのだと感じました。そして、ただ状況を把握するだけでなく、その状況にいる人たちが、どんな思いを持っているのかも理解する必要があるのだと思いました。

これらを全て一気にできるようになるのは難しいですが、一歩一歩、前に進んでいきたいと思いますので、これからもご指導、ご鞭撻(べんたつ)のほど、よろしくお願い致します。

以上(2022年11月)

pj17127
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】壁を乗り越えろ

一心不乱に一つのことに取り組んでいたら、いつのまにか難しい課題もクリアできていたという経験をしたことはありませんか?今日は、がむしゃらに取り組むことの大切さを改めて皆さんに考えてほしいと思います。

例えば、スポーツが上達する上で、継続した練習が欠かせないのはご存じの通りです。かつての練習は根性論が主流でしたが、最近では科学を取り入れた理論的な裏づけに基づく練習が盛んです。運動生理学に基づく練習プログラムを計画通りにこなし、かつ、実践を数多く経験することで、スポーツの技量は向上します。

皆さんの場合であれば、ビジネス理論を学び、ノウハウやスキルを身に付けて、さまざまな実務経験を積むことで、順調に成果を上げるというものです。スポーツ選手もビジネスパーソンもこうなれば、まさに理想的な成長プロセスを歩んでいると言えるでしょう。

しかし、現実はそうではありません。何をやってもうまくいかない、つまり、結果がともなわないときがやってきます。結果がともなわないと、これまでの取り組み方法が間違っていたのではないかと、不安になります。こうした状態が続くと、自信をなくし、やる気さえ失いかけます。これが、壁とかスランプとか言われるものかもしれません。この壁やスランプは誰にでも起こるものです。私にもそうした時期は何度もありました。

人は壁やスランプの状態に陥ると、「私にはできない。この取り組みで結果を出すのは私の能力を超えている。そもそも無理なことだった。だからできなくても仕方ない」というように、言い訳やあきらめが口に 出るようになります。これこそ、脳が自らの限界を設定した瞬間です。しかし、これを乗り越えなければ、ビジネスパーソンとしても、人としての成長もありません。

では、どうすればよいかが問題です。「初心に戻り、改めて計画的に取り組む」ことができればよいのですが、そんな気持ちになれないのが人間です。

そこで、私がお勧めするのは「1週間だけ“がむしゃら”に行動する」ことです。例えば、「目に付いた本を片端から乱読する」「アイデアをすべて企画書にする」「映画を見続ける」「毎日ハードなトレーニングをする」など、言葉通りに我を忘れてやってみることです。考えるのではなく行動することがポイントです。こうすることで、皆さんが自ら設定している身体的な限界や心理的限界は突破できるのです。

幸いにも、これまで大きな壁やスランプを知らないという人は、自ら限界を作らないタイプの人でしょう。今後も限界を作らないようにしてください。

最後に、私が「もう限界かな」と思うようなときは、東京六大学野球で成績が振るわない東大野球部の元主将の言葉を思い出し、自分を鼓舞します。

彼の言葉は「勉強は簡単だ。勉強では戦う相手は自分だけだから限界を設けなくてよい。しかし、野球の場合は相手がいる。自分たちがいくら頑張っても相手が強いと試合は負けてしまう。ここで大切なのは、勝つことを目標に、自分たちが頑張り続けることだ。さあ、練習しよう」です。勉強で限界を設けない姿勢と、負け続ける野球においても勝つことを目標に練習する姿は素晴らしいでしょう。

以上(2022年11月)

op16462
画像:Mariko Mitsuda

紅葉のふしぎ

1 紅葉のメカニズム

1)3つの紅葉

紅葉とは葉が落ちる前に黄や橙(だいだい)、赤などに色づくことをいいます。細かく分類すると、次のように分けられます。

  • 狭義の紅葉:赤や橙に色づくこと
  • 黄葉:黄色に色づくこと
  • 褐葉:褐色に色づくこと(褐色に色づくのが早いこと)

ただし、厳密にこれらを分けることは困難であるため、まとめて「紅葉」といわれる場合がほとんどです。

紅葉

2)葉の色づき方

緑色にみえる葉には、クロロフィルという緑色の色素とカロテノイドという黄色の色素の2種類が含まれます。紅葉するときには、これらの色素に変化が現れます。

  • 黄色く色づく場合
    黄色くなる黄葉は、秋になると緑の色素であるクロロフィルが先に分解されるため、黄色くみえるようになります。

  • 赤く色づく場合
    紅葉は、葉のクロロフィルが分解され、アントシアンという赤色の色素に変わることで起きます。クロロフィルがすべて分解されてしまう前にアントシアンができ始めるため、紫色に近い紅葉がみられます。その後、クロロフィルがアントシアンに完全に変わることで赤く色づきます。これが狭義の紅葉です。

紅葉するまでのイメージ

2 紅葉と気温・標高の関係

1)気温との関係

紅葉が始まる主な条件は次の通りです。

  • 紅葉が始まるのに適した気温
  • 適度な湿度
  • 十分な光

この中で最も重要な条件なのが気温です。一般的に最低気温が8度以下で色づき始め、5~6度になると一気に色づきます。また、昼夜の寒暖差が大きいときれいに色づきます。一般的に都心部よりも山岳地のほうが紅葉が美しいといわれるのはこのような理由からです。

2)標高との関係

紅葉は標高の高いところから始まり、徐々に低地に向かっていきます。

  • 高地の紅葉
    北海道では主に標高500メートル以上の山でみられますが、本州では日本アルプスや東北地方の一部の、標高1500メートル以上の山でみられるといわれます。気温差が大きく、紫外線が強いため、非常に鮮やかな紅葉がみられます。常緑針葉樹も少なくないので、紅葉の時期には、ナナカマドやタカネザクラなどの赤色、ミネカエデなどの黄色とのコントラストが鮮やかです。

  • 山地の紅葉
    北海道から九州までの雪が積もるような寒い地域でみられる紅葉です。落葉広葉樹林が広がる地域で、さまざまな種類の樹木による紅葉がみられます。そのため、紅葉の名所と呼ばれる場所が多いのが特徴です。代表的な樹木としては赤色がカエデ類やヤマウルシ、ヤマブドウ、黄色はブナやカラマツなどがあります。

  • 低地の紅葉
    特に関東以西の暖地でみられる紅葉です。寒暖の差が小さいため、鮮やかに色づくものは限られますが、常緑樹とのコントラストが美しいものが多くなっています。代表的な樹木としては、赤色がイロハモミジやケヤキ、ツツジ類などで、黄色はイチョウなどがあります。

3 主な紅葉の紹介(赤色に色づくもの)

紅葉する樹木にはさまざまなものがあります。以降では、その中でも代表的な種を紹介します。

1)高山などでみられるもの

  • ナナカマド(バラ科)
    ナナカマドは、北海道や東北では街路などにも植えられています。小さな真っ赤な葉が羽のように並び、一つの大きな葉を形成する独特の形をしています。小さな赤い実がつくのも特徴で、葉が落ちた後も枝に残っています。

2)山地、低地でみられるもの

  • カシワ(ブナ科)
    カシワは、日本全国の山地を中心に、庭木としても植えられる樹木です。鮮やかな橙に色づきますが、条件が良いと濃い赤になります。

  • ケヤキ(ニレ科)
    ケヤキは、木によって、赤や橙、黄など異なる色になるのが特徴の木です。しかし褐色になるのが早く、落ち葉もすぐにくすんでしまうため、いわゆる「褐葉」の代表格でもあります。本州から九州までの山地や低地に広く分布しており、公園の樹木や街路樹としても植えられています。

3)低地でみられるもの

  • イロハモミジ(ムクロジ科/旧カエデ科)
    イロハモミジは、低地でみられる赤い紅葉の代表格です。日陰では黄色くなるものの、全体的に鮮やかな赤に色づきます。低地での紅葉の名所ではよく植えられている種です。

  • ヤマザクラ、ソメイヨシノ(バラ科)
    ヤマザクラおよびソメイヨシノは、低地に植えられるサクラの代表格です。ヤマザクラは主に林や低地に植えられ、橙や赤に色づきます。ソメイヨシノは街路や公園によく植えられ、ヤマザクラより濃い赤や橙に色づくのが特徴です。どちらも日照によって色づきに差が出てしまい、葉によっては赤く色づく部分と黄色の色づきのどちらも現れるものが出るほどです。

  • ツタ(ブドウ科)
    ツタは、木の幹をはじめとして、建物の壁や塀をびっしりと覆うことが多いツル植物です。若い枝は丸い葉が多く、成長していくにつれ葉に切れ込みが入るようになります。成長した葉には強い光沢があり、全体的に赤くなりますが、中には紫に近い色のものもあります。童謡「まっかな秋」に歌われていることでも知られています。

4 主な紅葉の紹介(黄色に色づくもの)

1)山地などでみられるもの

  • ブナ(ブナ科)
    ブナは、寒い地方の森林や全国各地の山林でよくみかける木です。紅葉し始めた当初は黄色ですが、紅葉が進むにつれ橙から赤茶色に変化していきます。しかし、鮮やかな色は長続きせずに葉が落ちるころには褐色になってしまいます。

  • カラマツ(マツ科)
    カラマツは寒冷地を中心に山地でよくみられる木で、日本原産の針葉樹の中で唯一の落葉樹です。ごく短い枝に、多数の細長い葉がついている独特の姿が特徴です。紅葉すると色鮮やかな黄色に色づき、秋が深まると黄土色に変わっていきます。

2)山地、低地でみられるもの

  • コナラ(ブナ科)
    コナラは、低地や山地などを中心に、よくみかける木の一つです。特によくみられるのは身近な雑木林です。初めは黄色ですが、紅葉が進むにつれ橙から赤茶色に変化します。

  • イタヤカエデ(ムクロジ科/旧カエデ科)
    旧カエデ科の仲間は赤く色づくものが多いですが、中には黄色く色づくものもあります。黄色く色づくものの代表格がイタヤカエデで、特に山地で多くみられます。なお、若木は橙や淡い赤に色づくこともあり、成長した木に比べ葉の形に深い切れ込みが入るのが特徴です。

3)低地でみられるもの

  • イチョウ(イチョウ科)
    イチョウは黄色に色づく木の中でも代表的なものの一つで、全国各地に植えられています。見ごろの時期になると、低地でも鮮やかな黄色をみることができます。全体的に高木になるのが特徴です。

  • エノキ(ニレ科)
    エノキは都市部を中心に、公園や寺社など身近でみられる樹木の代表格です。葉の色は濃い黄色で、全体的によく色づくのが特徴です。

以上(2022年11月更新)

pj96800
画像:maruboland-Adobe Stock
画像:pixabay

【規程・文例集】「私有スマートデバイス取扱規程」のひな型

1 BYODを活用するための環境整備

従業員が私有スマートデバイス(ノートPC、スマートフォン、タブレット端末など)を業務に使うことを、

BYOD(Bring Your Own Device)

といいます。

業務に使うスマートデバイスを全て会社が用意すれば包括的に管理でき、セキュリティのリスクも低減されます。しかし、スマートデバイスの導入費用は小さなものではないですし、従業員も使い慣れたスマートデバイスのほうが業務を効率的に進められます。そうした中で、

従業員にBYODを認めることが現実的

という判断が出てきているのです。

BYODの最大の課題はセキュリティです。スマートデバイスの紛失による情報漏洩、業務外の経路からウイルスに感染するなどのリスクがある以上、従業員の私物でも管理しなければなりません。

BYODのセキュリティ対策の手始めは、取扱規程を策定して従業員に周知徹底することです。この記事では、私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する際の取り扱いと情報管理について定めた規程を、ソフトウェア協会「私有スマートデバイス取扱規程サンプル」を基に紹介します。

2 「私有スマートデバイス取扱規程」のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【私有スマートデバイス取扱規程のひな型】

第1条(目的)
本規程は、私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する際の取り扱いと情報管理について定めるとともに、私有スマートデバイスの紛失による情報漏洩、盗難、外部侵入などの危機に際しての行動指針を定め、会社の情報セキュリティの維持・向上並びに業務効率の向上を通じて、顧客の信頼を確保することを目的とする。

第2条(適用範囲)
1)本規程は、役員および従業員(以下「従業員等」)に適用されるものとする。
2)会社の業務委託を受けて、会社の情報システムに接続する委託事業者および派遣社員等が、私有スマートデバイスから会社の情報システムへ接続することは原則禁止とする。

第3条(用語の定義)
スマートデバイスとは、スマートフォン、タブレット端末等の携行可能な情報通信機器もしくは会社が判断した機器をいう。

第4条(利用許可)
1)利用許可を得た従業員等に限り、会社の許可条件に従い、私有スマートデバイスで、会社の電子メール、業務で使用する情報資産、顧客情報、業務アプリケーションの使用等、もしくはVPN、有線LAN、無線LAN等へ接続、使用することができる。なお、利用許可の範囲は、会社が認めた所定の範囲とする。
2)従業員等は、業務遂行において私有スマートデバイスを利用しようとする場合、所定の「私有スマートデバイス利用許可申請【新規】」(略)を提出し、承認を得なければならない。
3)会社は、利用状況等に鑑み、いつでも前項に規定する利用許可を解除することができる。
4)会社は、第2項に規定する利用許可に当たり、許可申請のあった私有スマートデバイスに会社の機密情報であって、持ち出し・複製・第三者への開示が禁止された情報が含まれている場合には、従業員等に当該情報を消去させることができる。
5)従業員等は、会社が定めた私有スマートデバイス利用許可申請に記載されている内容および本規程の全てを遵守しなければならない。
6)従業員等は、会社が実施する私有スマートデバイスに関する教育プログラムを受講し、受講報告書を提出しなければならない。
7)従業員等は、業務遂行において私有スマートデバイスを追加する場合、所定の「私有スマートデバイス利用許可申請【機器追加】」(略)を提出し、承認を得なければならない。
8)従業員等は、退職や業務遂行において私有スマートデバイスを利用する必要がなくなった場合、所定の「私有スマートデバイス利用解除申請」(略)を提出し、承認を得なければならない。なお、従業員等は利用解除に当たり、事前に利用していた私有スマートデバイスにある会社業務に関する全ての情報を消去するものとする。
9)従業員等は、機種変更などの事由により業務遂行において私有スマートデバイスを変更する場合、初めに「私有スマートデバイス利用解除申請」(略)を提出した後、改めて「私有スマートデバイス利用許可申請【新規】」(略)を提出し、承認を得なければならない。
10)利用許可を得ていない従業員等は、私有スマートデバイスによる会社の電子メール、業務で使用する情報資産、顧客情報、業務アプリケーションの使用等、もしくはVPN、有線LAN、無線LAN等への接続、使用を一切禁止する。

第5条(費用負担)
1)会社は、従業員等が利用する私有スマートデバイスの通信費用、保守費用、データバックアップ費用、紛失等での再取得費用等を原則として一切負担しない。
2)私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する従業員等は、業務で使用した分の通話費用を明確にした請求書を作成し、部門長、総務部門を経由して経理部門に届け出るものとする。その場合、加入電話会社が提供する通話記録の明細書を添付しなければならない。
3)第2項の請求分は毎賃金計算期間の末日に締め切り、別途「賃金規程」(略)に定める賃金支払日に支給する。

第6条(善管注意義務)
1)私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する従業員等は、個人情報保護、不正競争防止、情報管理における一般的な知識の下、法令を遵守し、善良なる管理者の注意をもって私有スマートデバイスを管理、運用しなければならない。
2)従業員等は、本規程、その他情報セキュリティに関連する全ての規定等(以下「情報セキュリティ等の規定等」)の改定、変更に注意を払い、常に最新の情報セキュリティ等の規定等を十分に理解するよう努めなければならない。
3)従業員等は、私有スマートデバイスの管理、運用に当たり、業務で利用する情報と私用で利用する情報を、明確に分けておかなければならない。
4)従業員等は、私有スマートデバイスを紛失し、もしくは盗難に遭った場合、またはコンピューターウイルスに感染し、もしくはその恐れがあると判断した場合には直ちに上長等に報告しなければならない。

第7条(監査)
1)私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する従業員等は、会社の求めに応じて、情報セキュリティ等の規定等に関する適用状況について、監査を受けなければならない。
2)私有スマートデバイスで会社の情報システムに接続する従業員等は、監査において、デバイスの安全性や設定状態、業務情報の保存状態の開示、これらを確認するための操作に協力しなければならない。

第8条(緊急措置)
1)会社は、会社のデータやプログラム、もしくは情報システム、または顧客のデータ(以下「データ等」)の保護のため必要と判断される場合、従業員等の私有スマートデバイスによる会社の情報システムへの接続を解除することができる。
2)従業員等は、本規程に違反し、もしくはその恐れがあると判断された場合、速やかに私有スマートデバイスの利用を中止し、上長等に報告するとともに、本規程で定められた手順、もしくは上長等の指示にのっとり、私有スマートデバイスにあるデータ等の消去など、適切な処置を講じなければならない。
3)第2項の私有スマートデバイスにあるデータ等の消去には、状況に応じて私有スマートデバイスに保存された私用で利用する情報が含まれる場合がある。
4)上長等は第1項および第2項に規定する措置を実施するに際し、合理的かつ有効な措置を従業員等とともに講じなければならない。
5)従業員等が第2項にあるデータ等の消去などを速やかに行わない、もしくはそれらの措置を講じることが困難な場合、会社は強制的にデータ等の消去などを行える権利を有するものとする。

第9条(免責)
従業員等は、業務遂行において私有スマートデバイスを利用するに当たって生じるリスクについて、全ての責任を負うものとし、会社は一切責任を負わないものとする。これには、会社が第8条第3項にある私有スマートデバイスに保存された私用で利用する情報などを消去した場合を含む。

第10条(賠償)
従業員等が本規程に違反し会社に損害を与えた場合、会社は当該従業員等に対して相当分の賠償を求めることがある。

第11条(罰則)
従業員等が故意または重大な過失により、本規程に違反した場合、就業規則に照らして処分を決定する。

第12条(改廃)
本規程の改廃は、取締役会において行うものとする。

附則
本規程は、○年○月○日より実施する。

3 参考

会社が認めた業務に限ってBYODを活用するためには、あらかじめ利用目的と業務範囲を明確にし、申請と承認の仕組みを作ることが大切です。

次のウェブサイトやガイドラインなどを参考に、自社の状況に合わせたルール・社内規程の整備を検討してみてはいかがでしょうか。

■ソフトウェア協会「『BYOD』導入検討企業向け情報提供ページ」■
https://www.saj.or.jp/activity/support/sample/byod.html
■総務省「テレワークセキュリティガイドライン第5版・中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)第3版」■
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/telework/
■経済産業省「テレワーク時における秘密情報管理のポイント」■
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/teleworkqa_20200507.pdf
■情報処理推進機構(IPA)「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」■
https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/
■情報処理推進機構(IPA)「サイバーセキュリティ経営可視化ツール」■
https://www.ipa.go.jp/security/economics/checktool/

以上(2022年11月)

pj60236
画像:ESB Professional-shutterstock

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正に伴う労災認定の変化

脳・心臓疾患の労災認定基準が昨年9月に改正されました。それに伴って、改正以前の労災についても、労災認定される事例が出てきています。
本稿では、脳・心臓疾患の労災認定の改正内容をなぞりながら、近時の労災認定事例についてご紹介いたします。

1 労災認定基準の改正

脳・心臓疾患の労災認定基準が以下の通り改正されました。

脳・心臓疾患の労災認定基準(改正)

2 労災認定の事例

前項の認定基準の変更に伴って、本年労災認定された事例には、以下のようなものがあります。いずれの事例も以前の認定基準では否定されてきた事由となっています。

労災認定された事例

3 さいごに

厚生労働省では、11月に「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を行います。そのなかで「長時間労働が行われていると考えられる事業場等に対する重点監督」を実施し、法違反への是正指導を行うとともに、重大・悪質な法違反の場合には、送検し公表するとしています。しかしながら、厚生労働省の取り組み以前に、不幸な事故を未然に防止するということは、事業主の安全配慮義務として当然にして取り組むべきことでしょう。

労働時間ならタイムカード等により適切な管理を行っていれば、数字として問題を把握することが可能です。しかし、心理的、身体的な負荷についての把握となると、機械的に確認することは困難です。連続勤務を含めた労働時間管理を適切に行うのはもちろんのこと、コミュニケーションを密にしながら、労働者の負荷要因を減らすべく取り組みを進めることが肝要です。

※本内容は2022年10月12日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

sj09051
画像:photo-ac

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正に伴う労災認定の変化

脳・心臓疾患の労災認定基準が昨年9月に改正されました。それに伴って、改正以前の労災についても、労災認定される事例が出てきています。
本稿では、脳・心臓疾患の労災認定の改正内容をなぞりながら、近時の労災認定事例についてご紹介いたします。

この記事は、こちらからお読みいただけます。pdf

オンラインで「労働条件の不利益変更」を行う場合のポイント

1 オンラインの「労働条件の不利益変更」は慎重に

「業績が悪化したので、基本給を引き下げる」「ジョブ型の人事制度にするので、仕事との関係性が薄い手当(住宅手当など)を廃止する」。会社には十分な理由があってのことでも、

社員から見ると損をするような労働条件の変更を「労働条件の不利益変更」

と呼びます。労働条件の不利益変更には、

  • 個々の社員の同意を得た上で、「就業規則」や「労働契約」を変更するのが原則
  • 就業規則については、合理的な変更であれば、個々の社員の同意を得なくても変更可

というルールがあります。労働組合がある会社の場合、「労働協約」の変更で対応することもできますが、中小企業で労働組合が組織されているケースは少ないため、ここでは割愛します。

特に注意すべきは「リモートワークをしている会社」です。オンラインで就業規則や労働契約の変更手続きを進める場合、

  • 通信環境が悪く、肝心の変更箇所がうまく社員に伝わらない
  • Web会議ツールの仕様で、労働条件について質問をしたがっている社員が見えにくい

といった理由から会社と社員の意思疎通がうまくいかないケースがあります。以降で、オンラインでの変更手続きのポイントを紹介しますので、確認していきましょう。

2 オンラインでの変更手続きのポイント

1)Web会議ツールを使って社員説明会を行う

オンラインで就業規則や労働契約を変更する場合、Web会議ツールなどを使って社員説明会を開催し、変更箇所やその理由の説明、質疑応答を行います。通信環境の問題などで内容がうまく社員に伝わらないことがあるので、

  • 事前に新旧対照表などのデータを配布し、社員説明会ではそれを「画面共有」しながら説明する
  • 社員が質問のタイミングをつかめないと困るので、質疑応答の時間を設ける(「チャット」の機能を使うのもよい)
  • 通信環境の都合で社員がツールから「落ちる(離脱する)」ことがあるため、社員説明会の内容を「レコーディング」して、後から内容を確認できるようにする

などして対応します。

また、質疑応答で反対意見や批判的な意見が出た場合、「なぜ、就業規則や労働契約の変更が必要なのか」を改めて丁寧に説明します。必要に応じて、個別の説明も行いますが、その場合、1対1ではなく、会社側から複数人が参加して「言った/言わない」の問題が生じるのを防ぎます。

2)電子契約書ソフトを使って社員の同意を得る

就業規則の不利益変更を行う場合、可能であれば「就業規則変更に関する同意書」を会社側が用意し、社員に署名捺印してもらって個別の同意を得ます。しかし、リモートワークをしている場合、書面で同意を得るのが手間です。

こうした場合、電子契約書ソフトで電子署名をしてもらうのが現実的です。一般的には、

  • 会社は、同意書などをPDFにして電子契約書ソフトにアップロードし、電子署名をする欄を設けた上で、各社員のメールアドレス宛てに送信する
  • 社員は、電子契約書ソフトからメールが届いたら、メールに記されたURLから同意書にアクセスして電子署名をする

という流れになります。

電子署名がされた書面は電子契約書ソフト内に保管されます。なお、電子契約書ソフトは、書面を用意する会社側のPCでのみ導入すればよく、社員側は特段の手続きは必要ありません。

3)e-Govを使って変更後の就業規則を電子申請で届け出る

就業規則を変更した場合、変更後の就業規則に就業規則(変更)届出書、過半数代表の意見書(社員の過半数で組織する労働組合がない場合)を添えて、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。

これらの書面は、「電子政府の総合窓口(e-Gov)」を使用できる環境にあれば、直接所轄労働基準監督署に行かなくても、電子申請で届け出ることができます。電子申請の手続きで使用できるアカウントは、次のいずれかです。

  • e-Govアカウント(e-Govのウェブサイト上で取得できるアカウント)
  • GビズID(行政サービス全般にログインできるアカウント)
  • Microsoftアカウント

なお、e-Govから電子申請を行う場合、手続きの内容によっては、会社の電子署名と電子証明書(所定の認定局に申請)が必要になるケースがありますが、

2021年4月1日以降、就業規則の届け出については電子署名と電子証明書が不要

となっています。

4)電子契約書ソフトを使って雇用契約書を再締結する

雇用契約書の再締結も、電子契約書ソフトを使います。雇用契約書は「労使の合意」という形を取りますので、会社側、社員側双方が電子契約書ソフトを経由して署名捺印をします。

雇用契約書を再締結する際は、従前の契約書が変更されたことが明確になるよう、

「従前の雇用契約書を合意解約し、〇年〇月〇日以降の労働条件は本雇用契約書による」

などの文言を、備考欄に必ず入れましょう。

なお、雇用契約書は必ずしも書面で保管する義務はありません。しかし、労使間でトラブルが発生した場合に雇用契約書は重要な証拠書類となるので、

電子契約書ソフト内の他、経営者や人事部だけがアクセスできるクラウドストレージなどにもバックアップ

しておきましょう。

以上(2022年10月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

pj00419
画像:pixabay

町中華の経済学 多品種、丼勘定は本当か?

1 丼勘定は本当か?

「安い・うまい・早い」の三拍子そろった町中華。どこの街にでもありますが、長く続く秘訣は何でしょうか? 低価格で、客数はさほど多くもなさそう。でも潰れない。

町中華探検隊として町中華を食べ歩くライターの北尾トロ氏は、町中華を「昭和以前から営業し、1000円以内で満腹になれる庶民的な中華店。単品料理主体や、ラーメンなどに特化した専門店と異なり、麺類、飯類、定食など多彩な味を提供する。カレーやカツ丼、オムライスを備える店も。大規模チェーン店と違ってマニュアルは存在せず、店主の人柄や味の傾向もはっきりあらわれる」と定義づけています(「町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう」北尾トロ、下関マグロ、竜超著、KADOKAWA、2018年9月)。

丼勘定のイメージがありますが、本当にそうでしょうか? 町中華がいかにして生き残っているのかを探り、他の飲食店や小売業などの経営者が、管理会計で押さえるべきポイントを紹介します。

2 町中華が強い3つの秘訣

1)多品種に対応できる使い回しが利く仕入れ

町中華の特徴は豊富なメニューです。しかし、原材料となる食材は実は共通の食材が多いのです。町中華によくあるメニューと食材の例を挙げました。

町中華のメニュー例と主な原材料

こうして見ると、豚バラ肉など汎用性の高い食材が多く使われていることが分かります。仕入れや在庫管理の工夫はあるのでしょうか。公認会計士・税理士で、自身も青森県八戸市でラーメン店を経営し、『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』(日本実業出版社)の著書もある石動龍氏は次のように教えてくれました。

「お客さんへ魅力を感じてもらえるよう、豊富なメニューを用意するとしても、食材のロスのないよう、メニュー構成や、原材料の仕入れ、管理を工夫する必要があります。例えばレバニラ炒めにしか使わないレバーを大量に仕入れるわけにはいかないでしょう。共通の食材で、いかに幅広いメニューを用意するか。食材のロスがないように仕入れ、管理するか。品質を保ちながら冷凍保存するのも一案でしょう」

2)適正な利益を確保できる価格設定

価格帯が異なるメニューが共存できるのも町中華の強みであると、石動氏は指摘します。中華料理には、北京ダックやフカヒレスープ、つばめの巣といった高級メニューがあります。町中華でもエビチリくらいはラインアップとしてあるところも少なくないでしょう。町中華でチャーハンが750円でエビチリが1500円で販売されていても違和感はありませんよね。一方、よほどのマーケティング的な狙いがない限り、価格帯の大きく異なるメニューを並べるのは、ラーメン屋やファストフード店では難しいでしょう。1杯750円が相場のラーメン屋に、1500円のラーメンがあったら違和感を覚えますよね。つまり、

町中華は適正な利益を確保できる価格設定がしやすい業態

ともいえるわけです。

3)居心地の良さが利益を生む

町中華に行くと、おつまみを数品頼んでお酒を飲んでいるお客さんを見かけます。この点も町中華の強みであると、石動氏は自著で述べています。つまり

長居をしてもらって、原価率が低いおつまみやお酒を頼んでもらうことで利益を確保

しているのです。例えば800円の炒め物が原価率30%だとして(粗利560円)、加えておつまみとお酒を2000円分オーダーし、その原価率が10%だったとします(粗利1800円)。そうすると、客1人当たりの限界利益は2360円になります。

町中華の店主がそのように狙っているかは分かりませんが、町中華には手軽な「居酒屋」という側面もあります。ファストフード店などが努力して取り込もうとしている居酒屋需要が町中華にはあるのです。

3 ココだけは押さえたい管理会計のポイント

1)FLR比率に注目する

本当に丼勘定でやっていると、自分の店が苦戦している理由として、固定費が高いのか、原材料費が高いのかすら分からなくなります。一般的に、飲食店経営で大切な指標といえばFLRコストです。それぞれ、

  • F(Food):食材費
  • L(Labor):人件費
  • R(Rent):賃料

を指しています。店の状況によってさまざまですが、一般的に、

F比率は30%程度、FL比率は60%程度、FLR比率は70%程度

に抑えるのが理想とされています。

FLR比率=(食材費+人件費+賃料)÷売上

とはいえ、R(Rent/賃料)は、都市部と地方とで大きな差があります。都市部の好立地では、賃料は高くなりますが、それに見合う人通りもあります。ちなみに、昔ながらの商店街で数十年と続いている町中華がありますが、

「そのような店の多くは、持ち物件で営まれているのかもしれませんね。さらにもし家族経営だったとすれば、それだけで固定費の大半がカットできます。コストはほぼ食材のみとなり、あとは利益となるのです」(石動氏)

2)固定費と変動費に分ける

コストには、売上高に関係なく発生する固定費と、売上高に応じて発生する変動費があります。FLRコストに注目すると、

  • 固定費:人件費、賃料
  • 変動費:食材費

となります。これを軸に考えると、

月の売上高から食材費を引いたものを「限界利益」と呼び、この限界利益で人件費や賃料を賄えるか否か

が重要となります。これは、一般的な損益分岐点の考え方です。

3)利益構造を把握する

石動氏によると、押さえておきたいポイントは、

  • 客単価
  • 来客人数
  • コスト:固定費(主に人件費、賃料)
  • コスト:変動費(主に食材費)

です。客単価をベースとして、何人の来客数があれば、コストがどれくらいかかり、どれくらいの利益が残るのかという利益構造を把握していれば、食材費などが高騰したときも、どこに影響が出て、どこをやりくりすれば賄えるのかという打ち手がイメージできるようになります。

例えば、麺の仕入れ価格が、1玉当たり5円値上がりしたとすると、

5円×月の来客数=月の原材料コストがいくら上がるか

がすぐに分かり、ダメージの小さいうちに対処することができるのです。町中華の店主は、このあたりの計数感覚を自然と身に付けているのかもしれません。

以上のようなポイントを押さえ、管理会計を経営に活かしましょう。

以上(2022年10月)

pj50519
画像:和久 澤田-Adobe Stock

【朝礼】よい結果を出すために、気持ちを共有しよう

「皆さんにお願いがあります。明日の午後3時までに、皆さんが日々行っている業務内容を箇条書きにした資料を上長に提出してください」

ではもう一つ、「皆さんにお願いがあります。皆さんが日々行っている業務を整理し、業務の効率化につなげたいと考えています。本人以外が知らない細かな作業を、簡単なことでも把握したいと思います。そこで、明日の午後3時までに、皆さんの業務内容を箇条書きにした資料を上長に提出してください」

どうでしょう。前者と後者、どちらの方が、より正確な資料を作ることができそうですか? もちろん後者です。

前者では、私は単に必要な項目を提示しただけであり、それが何のために必要なのか、何に使うものなのかについて一切言っていません。これでは、資料を作る皆さんはきっと「これから一体何が起こるのか」と不安に思うでしょう。

vビジネスで頻繁に話題となる「見える化」というテーマは、簡単にいうと「現場における目に見えない活動の様子を目に見える形にしようとする取り組み」です。スタートからゴールに至るまでの過程を明らかにすることで、よりよい結果を出そうとする試みでもあります。

例えば、上司が部下に対して「新商品についてまとめたプレゼン資料を作っておくように」などといったように、作成すべきものだけを指示したとしましょう。部下は上司に指示された通りの資料を作成するわけですが、用途や目的が分からないままなので、部下は「これでよいのだろうか?」という疑問を抱くでしょう。自分なりの創意工夫や提案を盛り込むことにもちゅうちょしてしまうかもしれません。これでは上司が満足する資料ができない可能性があるだけでなく、部下にとっても経験・成長する機会にならず、お互いにとってよい仕事ができません。

そこで、上司が「来週、取引先を訪問する際に新商品を案内したい。新商品の概要をまとめたプレゼン資料を作ってほしい。特に機能面をアピールしたい」と伝えればどうでしょう。これなら部下は上司の意図や目的を理解できますから、それに沿うように自分で考え、調べ、工夫するでしょう。結果として、期待以上の資料が完成する可能性も高くなります。

このように、スタートからゴールに至るまでの過程を明らかにし、周囲の人と共有することは、自分以外の人に対して自分の考えを説明・説得するときにとても大切なことです。

人の気持ちや考えは当人にしか分かりません。他人が皆さんの頭や心をのぞくことはできないのです。ですから、皆さんが誰かに何か指示や依頼をするときは、相手がその意図を理解し、理由について納得できる話をするように努めましょう。過程とゴールを相手と共有できれば、必ずよい結果が出るはずです。

以上(2022年10月)

op16566
画像:Mariko Mitsuda