【朝礼】新年度に持っていくこと、捨てること

4月は年度が替わる節目の月です。これは、古いものを捨て、新しいものを取る「取捨選択」の月でもあります。新年度、私はこの取捨選択を徹底的に行っていきます。日立でラストマンといわれた川村隆氏の言葉に、その理由が示されているので紹介します。

「英国の軍艦の興味深い話があります。軍艦をそのまま放っておくと、毎年1インチずつ喫水が下がり、船の航行速度が落ちて、最後には使い物にならなくなるそうです。さびて浸水したり、貝殻が付着したりというようなことではなく、船の重量が毎年少しずつ増えていくのが原因です」

皆さんは、船の機能が奪われていく理由は何であると思いますか。川村氏の言葉は次のように続きます。

「なぜか。乗組員が勤務に慣れてくるに従って、自分のベッドや個室に本などの私物を持ち込み、それが全体ではバカにならない重量になるというのです」

日々、私たちが行う仕事には、各人の“想い”が込められています。“想い”がなければ良い仕事はできません。また、仕事に慣れてくれば、効率化が図れます。しかし一方で、知らないうちにそれらが独りよがりのものとなり、他人の意見や指摘を聞き入れる心の余裕を失ったり、世の中の変化に置き去りにされて “ガラパゴス化”した仕事の進め方になってしまったりすることがあります。これはとても怖いことです。

昨年の大掃除は、乱れたものをあるべき場所に戻したり、順番通りに並べたりするだけの「整える掃除」ではありませんでした。明らかに不要なものはもちろんですが、それ以外にも「もしかするとこれから使うかもしれない」と思って保管してきたものも一気に処分する「捨てる掃除」をしました。いわば物質の取捨選択です。そして、キャビネットの台数を減らした代わりに、新しくミーティングスペースを作りました。リモートでは難しい、オフィスに出社するからこそできる活気ある議論や、仲間とのつながりを感じられる場を作りたいと思ったからです。

 

また、昨年末から年始にかけて、私は皆さんに繰り返し伝えました。「来年度に、何を持っていき、何を捨て、そして新たに何を獲得するのかをじっくり考えてほしい」と。その答えを行動で示すときが、いよいよやってきたことを皆さんは分かっているでしょうか。

当社は小さいながらも、長い歴史があります。とても誇らしいことですが、冒頭で紹介した英国の軍艦のようになったら、あっという間に沈んでしまいます。小さな会社だからこそ、スピードと柔軟さという武器を失ってはいけないのです。

新年度、我が社は新規事業にチャレンジします。そのためには、物質だけではなく、これまでの積み重ねの中にも捨てなければならないものがあります。決して過去をないがしろにするわけではありません。新しいスタートを切るための儀式のようなものなのです。皆さん、気持ちをリフレッシュしてください。そして、勢いよく新年度のスタートを切りましょう。

以上(2022年3月)

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【損金】認められた効果は絶大? 「損金算入できる評価損」の条件

書いてあること

  • 主な読者:決算のとき、評価損が計上できそうな商品や固定資産を有する会社の経営者
  • 課題:評価損を損金に算入できるか否かの判断は難しく、税務調査でも指摘を受けやすい
  • 解決策:棚卸資産と固定資産の評価損を損金算入するには証拠やデータが必要

1 ほとんど損金に算入できない「評価損」

決算が近づくと、資産の「評価」という普段とは違う会計処理をします。評価とは、

資産の一定時点における価値を認識し、帳簿上の価額を修正すること

です。財務上は、評価時点の価値(時価)が、帳簿の価額を下回る場合は「評価損」(上回る場合は「評価益」)を計上します。一方、税務上は、

原則的に評価損は損金に算入できないが、特定の事情に該当する場合は例外

ということになっています。

この例外を知ることは、税金対策の基本になるので、フローを使いながら説明していきます。ただ、評価損の判断は難しく、影響する金額も大きくなりがちです、ミスをして税務調査で指摘されると、追加で多額の税金を納めなければならないこともあります。そのため、税理士などの専門家に相談しながら進めるのが無難です。

2 棚卸資産に関する評価損

棚卸資産の評価損が損金に算入できるかどうかは、次のフローで判断します。

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「経済的な環境変化による著しい陳腐化」とは、資産自体に欠陥が生じたわけではないが、経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、今後回復しないと認められる状態にあることをいいます。

例えば、

アパレル商品などの季節商品で、将来的に通常価額で販売できないことが例年の取引などから明らかな場合

は、損金に算入できる可能性があります。この場合、バーゲンでも売れ残ったなど、通常価額では販売できない客観的な実績を記録しておきます。過去の実績も記録しておきましょう。

また、

パソコンのモデルチェンジのように、用途はほぼ同じだが、形式・性能・品質が大きく異なる新モデルが発表された影響で、今後通常の方法で販売することができない場合

も、損金に算入できる可能性があります。パソコンなどは新モデルの販売前に見切り販売することがあります。見切り販売が習慣化している場合、過去事例や他社事例など、慣例となっていることが証明できるようにしておきましょう。

3 固定資産に関する評価損

固定資産の評価損が損金に算入できるかどうかは、次のフローで判断します。

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「所在場所が著しく変化した」とは、地盤沈下で地価が下落した場合などを指し、バブル経済の崩壊やリーマンショックのような経済環境の悪化による変化は含まれません。

また、以下の固定資産の評価損は損金に算入できません。

  • 過度の使用や修理が不十分なために、著しく損耗している固定資産
  • 償却を行わなかったため、償却不足額が生じている固定資産
  • 取得価額が取得時の事情で、同種の資産よりも高くなっている固定資産
  • 機械及び装置が、製造方法の急速な進歩により旧式化している固定資産

なお、モデルチェンジなどで既存の製造用機械装置の価値が著しく低下したとしても、その評価損は損金に算入できません。棚卸資産と異なるのは、固定資産は減価償却によって毎事業年度に費用計上されていて、価値の低下は減価償却の範囲内で行うことになっているからです。その代わり、耐用年数の短縮(税務署の承認が必要)により、その事業年度に損金に算入できる減価償却費の額を増やす方法があります。

最後に、財務上の減損損失との関係を整理しておきます。財務上の減損損失がされても、税務上は損金に算入できません。いずれも資産の帳簿価額を減額する処理ですが、

  • 財務上の減損損失(減損会計)は、将来の収益性(その固定資産を使っていくら稼げるか)の低下や、経営環境の悪化(材料価格の高騰)など経済的な要因で計上
  • 税務上の評価損は、その資産の物理的な損傷などに限って計上

されます。ただし、財務上の減損の対象となった固定資産の中には、税務上の評価損を損金に算入できるものも含まれている可能性があるので、精査する必要があります。

以上(2022年3月)
(監修 南青山税理士法人 税理士 窪田博行)

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「Z世代」について企業が理解しておくべきこと

1 世界の人口の約3割を占めるZ世代

私の息子は1996年生まれです。まさにZ世代の初めの世代。少なくとも息子の人生初めてのお絵かきの道具は「クレヨン」ではありませんでした。クレヨンを買い与える前に勝手に「マウス」を触ってお絵描きをした世代です。なぜなら我が家には“Windows95”があったからです。生まれた時から両親がパソコンを立ち上げる姿をその目に映しながら人生のスタートをきった世代がZ世代です。

「今どきの若い者は…」などという、いつの世代も繰り返されてきたような、世代を一括りにするような言い方はあまり好きではありませんが、20歳までの多感な時期をどのような時代背景で育まれてきたのかは、ある程度その世代の文化をつくると感じます。

マーケティングの世界において、すでに世界の人口の約32%を占めるといわれるZ世代の消費行動に対応できなければ、この世代を顧客化し、次代に生き残る企業とはなり得ません。日本においては少子高齢化の影響もあり、Z世代の人口割合は約半分、15%程度に過ぎませんが、これからの日本を支えていくのは間違いなく彼らの世代です。

そもそも近年はVUCAの時代といわれてきました。VUCAは、次の4つの単語の頭文字をとった造語です。

V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

そして、ここにコロナ禍という想定外が重なりました。Z世代はこのタイミングで入社や就活を経験した世代ともいえます。限られた誌面ではありますが、この時代背景におけるいわゆるZ世代への対応を通じて、これからの人事・労務担当者のあり方を一緒に考えていきましょう。

(日本法令ビジネスガイドより)

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【朝礼】私は童心に帰ります!

早いもので、2021年度も今月で終わりです。今年度の自分を振り返ってみると、恥ずかしながら、与えられた仕事をこなすだけの1年で終わってしまいました。新年度は、もっとエネルギッシュに仕事に取り組みたいと思います。そのために決めた新年度の私の仕事のテーマは、「童心に帰る」です。どういう意味かを説明する前に、まずはこのテーマを考えるきっかけをくれた、私の甥(おい)っ子の話をしたいと思います。

甥っ子は現在4歳で、電車やバスなどの乗り物が大好きです。普段は遠方に住んでいますが、先日、私の弟が彼を連れて遊びに来たので、私は2人を近所にある鉄道の博物館に連れていきました。この博物館には、人が乗れる大きさの電車があります。もちろん、ただの展示物なので動きませんが、車両の中には運転席があります。それを見た甥っ子は運転士になりきり、私や弟を乗客に見立てて「ごっこ遊び」を始めました。

そこからが大変です。甥っ子は「お客さん、早く乗ってください」「お客さん、終点です」と言っては、私と弟を車両に乗り降りさせるだけの遊びを、延々と繰り返しました。私が「そろそろ他のコーナーに行かない?」と言っても運転席を離れようとせず、なんとか説得して家に帰った後も、運転士ごっこは続きました。甥っ子が寝る頃には、私はクタクタに疲れてしまい、「4歳の小さな体のどこにそんなスタミナがあるのか」と驚かされるばかりでした。

諸説あるそうですが、小さい子どもが並外れたスタミナを持っているのには、大人に比べて筋肉が疲れにくい、疲労から回復する能力が高いといった身体的な理由の他に、「ワクワク」や「ドキドキ」をたくさん感じているからだという精神的な理由もあるそうです。まだ幼く、見るもの触れるもの全てが新鮮な甥っ子にとって、電車の運転席に座るというのは、それほど心が躍る体験だったのだと思います。

自分の話に戻りますが、最近の私が、与えられた仕事をこなすだけの毎日になってしまっているのは、仕事を楽しんでいないからだと思います。新入社員のときに感じていた「ワクワク」や「ドキドキ」といった感情をどこかに忘れ、“心のスタミナ”が続かなくなっているのでしょう。だから、新年度は甥っ子を見習い、童心に帰ろうと思います。

童心に帰る、というのは「何事にも純粋無垢(むく)な気持ちで取り組む」ということです。事前にある程度の結果を想定してしまうと、想定内に収めるだけの作業になってしまいそうなので、結果を気にせず、ただ自分が「面白そう」と思ったことに全力で挑戦します。今のところ、話しづらいお客さまとの会話が弾むネタを探す、新しいツールを試す、読んだことのない分野の本を読むなどに取り組みたいと思っています。童心に帰った新年度に自分がどんなことをするのか、今から「ワクワク」「ドキドキ」しています。

以上(2022年3月)

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【朝礼】画竜点睛を欠くべからず

昨日、我が社の社員から、「ビジネスで一番大切なプロセスはどこですか?」との質問を受けました。ビジネスの本質を突いた良い質問なので、今朝はこのテーマでお話しします。

例えば、新規営業のプロセスは「開拓、訪問、商談、契約」といったところですが、これらのプロセスの中でどこを最も重視すべきなのか。それは、ビジネスの目的と状況によって変わってきます。1つの例を紹介します。

先月、当社の業務にも関係する大きなイベントがありました。当社からは私の他、役員を含め数人が見学に行きました。私たちは全員別々に行ったので、同じ相手と個別に名刺交換をしていることもありました。

後日、私たちが名刺交換をしたA社から商談の申し入れがあったので、会うことになりました。迎えた当日。A社の営業担当者は、「たくさん名刺交換をしていただき、ありがとうございます」と言いながら、名刺交換をした相手のリストを見せてくれました。驚いたことに、そこには関係のない他社の社員も載っていました。

もう1つ驚いたのは、当社の社員名のところに、社長である私の名前がなかったことです。意思決定権者である私を押さえていないなんて、詰めの甘い話です。話を聞いてみると、イベントの最終日に、スタッフ総出で一気に名刺を整理したそうです。そのような混乱した状況の中で、私の名刺を紛失してしまったのでしょう。

A社の目的は新規営業です。先に話したプロセスの通りなら、「開拓、訪問、商談、契約」といった流れで進めることになります。最初は開拓のプロセスが大事になりますが、A社はさまざまな方法の中からイベントへの出展を選択し、多くの人と名刺交換をしました。成功です。

次のプロセスは訪問なので、訪問候補のリスト作成と、アポイント取りをしなければなりません。では、リスト作成で大事なことは何でしょうか。地域や業種ごとにきれいに並べることではありません。この時点では、情報の紛失や漏洩がないように、慎重に取り扱うことが最も重要です。もし、個人情報の漏洩などを起こして問題になったら、会社に大きな損失を与えます。A社はこのあたりの認識が甘かったのかもしれません。

ビジネスは「最初が肝心、終わり良ければ全て良し」というものではなく、始まりから終わりまでの全プロセスが重要です。まずは足元で携わっているプロセスに注力してください。その際、どのように注力するかというのも、状況によって変わってくることを覚えておいてください。A社の例でいえば、訪問の準備の際に最も注力することは、情報の取り扱いだったわけです。

「ビジネスで一番大切なプロセスはどこか」。それは、現にその仕事をしている皆さん自身が決めることです。迷ってしまったときは、もう一度、仕事の目的と状況を確認してください。大切なポイントが見えてくるはずです。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda

【損金】「債権放棄も寄附金になる」特殊な寄附金課税を理解する

書いてあること

  • 主な読者:税務調査などで指摘されないように適切に税金対策をしたい経営者
  • 課題:税務上の寄附金の範囲は広く、意図せず間違った処理をすることがある
  • 解決策:債権放棄や無利息貸付などは相手に経済的利益が生じ、寄附金となることがある

1 税務上の曲者「寄附金」

税務上の寄附金の範囲は一般的なイメージよりも広く、次のようになります。

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税務上の寄附金の範囲は広く、また判断も複雑なため、本来は寄附金として処理すべき取引を別の項目(勘定科目)で処理してしまうケースがあります。問題は、

寄附金で一定の金額を超える部分は損金に算入できない

ことです。法人税の申告の際に、適切に寄附金を処理していないと税金計算に誤りが生じるなどの問題が出てきます。

2 寄附金課税の仕組み

1)寄附金課税とは

まず、寄附金課税の仕組みを確認しましょう。寄附金課税とは、

財務上は寄附金(費用)として処理された取引について、税務上の調整により、一部に課税すること

です。具体的には、一定の金額(以下「損金算入限度額」)を超える部分については課税所得に加算されます。

寄附金課税のイメージは次の通りです。

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2)寄附金の損金不算入の概要

寄附金の損金算入限度額は、どのよう先への支出なのかによって違います。

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国、地方公共団体への寄附金、財務大臣の指定した寄附金および特定公益増進法人等への寄附金を損金に算入するには、

確定申告書に寄附金の額を記載して、寄附金の明細書(法人税の別表)を添付するとともに、領収書など寄附金に該当することを証する書類を会社側においても保存

する必要があります。また、債権放棄や無利息貸付など後述する要注意の取引については、「一般の寄附金」に区分されることが想定されます。

仮に、資本金等の額が1億円、所得の金額が1000万円の普通法人の一般の寄附金に係る損金算入限度額は次の通りです。この場合、年間の寄附金の額が12.5万円を超える部分は、課税所得に加算されます。

(1億円×12/12×2.5/1000+1000万円×2.5/100)×1/4=12.5万円

3 要注意の取引

1)債権放棄

債権放棄とは、

売掛金や貸付金などの債権の回収を放棄すること

です。債権放棄のうち、「取引先が民事再生法や会社更生法の手続きを申し立て、その規定により金銭債権が切り捨てられた場合」など、一定の条件を満たした部分は貸倒損失として損金に算入できます。

逆に、これらの基準を満たしていない場合は寄附金として取り扱われます。これは、

本来回収することができる権利を放棄することで、債務者に経済的利益が生じたとして、寄附金として取り扱う

という考え方です。債権放棄について寄附金とされる金額は、権利を放棄した債権の額となります。

2)無利息貸付または低利息貸付

無利息貸付または低利息貸付をした場合、

本来なら受け取れる利息を受け取らないことで、相手に経済的利益が生じたとして、寄附金として取り扱う

ことになります。寄附金とされる金額は、

  • 無利息貸付:本来受け取るべき利息の額
  • 低利息貸付:本来受け取るべき利息の額と、実際受け取っている利息の額との差額

になります。なお、本来受け取るべき利息の額に規定はなく、会社の事情や日ごろの取引状況などの観点から個別に判断します。

3)低額譲渡または低額供与

低額譲渡または低額供与とは、

その譲渡や供与が行われたときの時価に対し、実際の取引金額が低い場合の取引

です。この場合、

時価とかけ離れた取引は、その差額分、相手側に経済的利益が生じたとして、寄附金として取り扱う

ことになります。寄附金とされる金額は、

その譲渡または供与時の時価と実際の取引金額との差額のうち、実質的に贈与や無償の供与をしたと認められる金額

です。また、取引金額が低額なだけで必ず寄附金となるわけではなく、その取引の理由や背景に、贈与や無償の供与の意図があるかないかなどを考慮するケースもあります。

4)関係会社間の取引

関係会社間の取引は、利害関係が相反する第三者との取引に比べ、価格などが自由に設定できるので、税務調査などで重点的に調査されます。したがって、完全支配関係がある会社(100%親子会社など)以外の関係会社間の取引については、前述した支出や取引に該当しないよう、また税務上の寄附にならないように一層注意が必要になります。

以上(2022年3月)
(監修 税理士 石田一也)

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【朝礼】早く、遠くまで、みんなで行くための6つのお願い

おはようございます。皆さんは、「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」という言葉をご存知でしょうか。一説には海外のことわざと言われているもので、一人であれば早く目的を達成できるかもしれないが、仲間と一緒なら、より大きなことを成し遂げられるという意味があります。

説得力のあるいい言葉だと思いますが、我が社が目指すのは、早く行くだけでも、遠くまで行くだけでもありません。早く、かつ遠くまで行くこと、つまり「会社を早く成長させ、長く持続させる」ことを目指します。どうすれば、これを成し遂げられるのか。そこでポイントになるのが、個人と集団の「いいとこ取り」です。

冒頭で紹介した言葉をもう少し掘り下げてみましょう。一人で進むと早く行けるのは、進む道を自分だけで決め、自分のペースで進み、自分が全責任を持って進むからです。逆に、人数が多いと、意見が対立して進む道を決めるのが遅れ、進み方が遅い人に合わせる必要があり、一生懸命歩かない人が出ることで、進みが遅れることになります。

みんなで進むと遠くまで行けるのは、知恵を出し合ってベストな道を選び、それぞれが得意なことを分担し、互いに助け合いながら進むからです。逆に、一人で進むと、道を誤りやすく、進むための作業を全て自分で行わなければならず、自分の都合が悪いときに誰も助けてくれないため、遠くまで行くのが難しくなります。

以上のことを踏まえると、早く、かつ遠くまで行くためには、次のようなことが大切になります。まず、進む道を決めるときは、みんなで知恵を出し合ってベストな道を選びます。そして一度道を決めたら、全員が決定に従います。進むペースには個人差がありますが、進むペースが速い人が遅い人に対して、速く進むコツを教えてあげれば、全体のペースアップにつながります。そして、力の強い人が荷物を多めに持ったり、速く進める人が先遣隊として偵察したりと、各自が得意分野を担当すれば、一人のときより早く行くことができます。誰かが困っているときには、積極的に助け合うことも大切です。こうしたことができるためには、一人ひとりが責任を持ち、集団の課題を自分事として捉えることが大切です。

これは、我が社が早く成長し、長く持続していくために必要なことにも当てはまると思います。すなわち、私は皆さんに、次の6つのことをお願いしたいと思います。それは、

皆で積極的に意見を出し合う

一度決まったことは、全員で守る

成功や失敗の情報を共有する

自分の得意分野を伸ばして会社に貢献する

困ったときは、皆で助け合う

一人ひとりが会社の課題を自分事として捉え、責任を持つ

の6つです。新年度は、ぜひこの6つのお願いを心掛けていただきたいと思います。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】人との出会いがビジネスを広げる。ただしご用心

先日、イベントで“面白い人”と出会いました。ここではA氏と呼びましょう。A氏は非常に勢いのある人で、出会った瞬間に両手で握手を求めてきました。ビジネスでも素晴らしい実績を上げているようですが、本の出版など客観的に確認できること以外は、具体的に何をしているのかよく分かりません。その点を尋ねてみると、「日本のスタートアップ企業を支援するために、幅広く活動している」ということでした。幾つかの顧問先を持っているようですが、その日は名刺を1枚も持っていませんでした。

私の常識に照らすと危うさを感じるA氏。私はA氏と少し距離を置いて付き合うことにしました。「君子危うきに近寄らず」といいます。社長である私にはいろいろな人が近づいてくるのですが、中には自分が得することしか考えていない人や、法的に“グレー”な領域でのビジネスに誘ってくる人もいます。そうした人と関わり、万一トラブルに巻き込まれたときに大きな損害を被る恐れがあるので、会社を守るために人付き合いには慎重にならざるを得ないのです。

しばらくして、A氏から連絡があり、2人でミーティングをすることになりました。私は、隙を見せないようにと少々構えて臨んだのですが、意図せずA氏に助けられることになります。私は、A氏と出会ったイベントで知り合ったB氏と、次の週にミーティングをする予定だったので、そのことをA氏に何気なく話しました。

すると、A氏は少し迷った素振りを見せた後、「いない人のことを悪く言いたくはないのですが……。B氏と2人で会うのはやめたほうがいいですよ」と言うのです。理由を聞くと、B氏はビジネスの進め方が強引で、過去にこの業界で大きなトラブルを起こしたことがあり、今も評判が悪いというのです。私が抱いていた印象と違い、A氏は信用第一でビジネスをする当社のことを思い、わざわざ忠告してくれたわけです。

B氏は、弁護士から起業家に転身しており、イベントで出会ったとき、A氏とは対照的に非常に落ち着いた雰囲気を醸し出していました。私は経歴や雰囲気からB氏のことをすっかり信頼し、しっかりした人であると思い込んでいたのです。

「人を見る目」を養うことは、本当に難しいものです。A氏との一件で、そのことを痛感しました。しかし一方で、人と会うことを恐れていては、ビジネスの可能性を失います。ですから私は、A氏との出来事を反面教師にしつつ、皆さんがますます多くの人とつながることを望みます。人と会うことによって、私たちは自分の常識や当たり前を見直す機会を得ることができ、そこから新たな発想が生まれるからです。

ただし、リスクを回避する“嗅覚”は不可欠です。少しでも「違和感がある」と思ったときには、必ず上司や同僚に相談してください。また、特に最初は、1対1ではなく、複数人で会うようにすることも大切です。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda

【文例付き】オンラインでも伝わる経営者のメッセージ

書いてあること

  • 主な読者:「会社の未来」「仕事の進め方」など、社員に思いを伝えたい経営者
  • 課題:なかなか社員に思いが伝わらない。オンラインだとなおさら難しい
  • 解決策:名言+自分の言葉で思いを乗せる

1 「名言」に経営者の思いを乗せる

経営者と社員とでは物事の捉え方や視点の高さが大きく違います。経営者が「何度言っても伝わらないな」と感じるのは、そもそもの【考え方の形】が違うからです。それに、今はオンラインでミーティングするのが当たり前なので、「伝える」ことが一層難しくなってきました。

そこでお勧めしたいのが、著名な経営者やアスリートなどの名言を使うことです。著名人の名言はインパクトがありますし、書籍やテレビなどで知られている人物は社員もイメージしやすいからです。ただし、

名言を使うだけでは、逆に薄っぺらになるので、経営者の思いをうまく名言に乗せる

ことが大切です。そのポイントは次の通りです。

  • 「時期」を考慮する
  • 「話題性」を考慮する
  • 具体的なエピソードを添える
  • 経営者の本気を込める

2 「時期」を考慮する

例えば、新年度がスタートするときは、社員がこれから意欲的に仕事に取り組めるよう、前向きな内容にします。経営者が、「新年度のスタートである」「一人ひとりが新たな節目を迎えている」と宣言すれば、社員は身が引き締まることでしょう。

また、「特に誰に伝えたいか」を意識することも一策です。新年度には、新しく会社やチームに加わった社員や立場の変わった社員もいます。こうした新しい環境を迎えた社員に対して改めて経営者の思いを伝え、気持ちを鼓舞してもよいでしょう。

なお、考え方はそれぞれですが、新年度には、多くの社員の心に残るよう、広く一般的に「著名人」として知られている人の名言を選ぶのがよいかもしれません。例えば、松下幸之助氏、本田宗一郎氏、歴史上の人物などがそれに当てはまるでしょう。

【文例:メッセージの冒頭】

  • 新年度のスタートです。皆さんは、どのような年度にしていきたいですか。
  • 今日は特に、新しく管理職になった皆さんにお伝えしたいことがあります。

3 「話題性」を考慮する

「今、話題になっている人」を選ぶのも一策です。話題性ばかりを追うわけではありませんが、より多くの社員に印象付けるには有効かもしれません。例えば、2022年の北京冬季オリンピックで4回転半ジャンプが認定された羽生結弦選手の会見での言葉などは分かりやすいでしょう。

【文例:羽生結弦選手の言葉を使ったメッセージ】
2022年の北京冬季オリンピックで4回転半ジャンプへの挑戦を貫いた羽生結弦選手。順位こそ4位でメダルを逃しましたが、4回転半という記録は認められ、その後の記者会見での発言も大いに注目されたところです。「羽生選手にとって『挑戦』とは何か?」と聞かれ、羽生選手は、「自分だけが特別なわけではなく、皆、生活の中で何かしらの挑戦をしている。それが大きかったり、目に見えることだったりという違い」といったような話をしていました。

日本人は、他人がやっていることを「すごい!」と感じる一方で、自分がやっていることをあまり評価しない傾向にあります。しかし、羽生選手が言うように、私たちは常に何かに挑戦しているのです。そして挑戦は、何も新しいことに取り組むことだけではありません。現状を維持するための挑戦、何かを守るための挑戦もあるのです。皆さん、どうか日々の自分の挑戦に誇りを持ってください。そして、一緒に成長していきましょう!

4 具体的なエピソードを添える

「分かりやすさ」を高めるには、名言に具体的なエピソードを添えるとよいでしょう。自分の友人や家族、尊敬する経営者仲間といった身近な人のエピソードと名言を併せると、より効果的です。

【文例:佐々木常夫氏の名言、具体的なエピソード、提案のあるメッセージ】
私の友人である経営者の話です。彼は今、40代後半ですが、これまで一度も海外に行ったことも、英会話を習ったこともありません。それでも、仕事で外国人向けのイベントを主催し、流ちょうな英語のジョークで皆を笑わせています。

彼は20代の頃から「海外に行く費用は工面できないが、英語は日本でも学べる」と英語を学び始め、それから20年以上、一日も欠かさず独学で勉強し続けています。今では、現地の人と変わらないくらいネイティブな英語を話しているのです。

彼の姿から「良い習慣は才能を超える」(*)という佐々木常夫氏の言葉を思い出します。才能が足りなくても、良い習慣を毎日続けていれば成長し、才能のある人を超えられるという趣旨の言葉ですが、まさに、彼はそれに当てはまると思います。

しかし、私の友人が特別なわけではありません。皆さんも同じです。財務諸表を読む訓練をする、お客様に1件でも多く連絡するなど、毎日続けることで、必ず皆さんの力になります。皆さん、今日から継続して努力することを決めてみてください。

【参考文献】
(*)「ビジネスマンのための論語」(佐々木常夫オフィシャルWEBサイト、2017年1月)

5 経営者の本気を込める

名言を使ったメッセージは効果的ですが、あくまでも「経営者の思い」を分かりやすく社員に伝える表現方法の一つにすぎません。名言をそのまま使うのではなく、経営者が自分なりの解釈を加えて説明するといったように、工夫するのも一策です。

また、言葉や表現などを工夫して思いを強調するのもよいでしょう。その際のポイントは「語り掛ける」ようにすることです。「皆と一緒に」「自分(経営者)も皆と同じように改めて考える」といった内容にすると、経営者の本気度が伝わりやすくなります。結局は、経営者が「どれだけ本気を込められるか」が勝負なのです。

【文例:思いが伝わりやすくなるメッセージの締めの言葉】

  • 私も皆さんと一緒に、新しい挑戦をし続けることを約束します。
  • 会社を変えていくのは皆さん一人ひとりです。一緒に、前に進みましょう。

以上(2022年3月)

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