【朝礼】新入社員の皆さんに目指してほしい「成長の証し」

新入社員の皆さん、当社に入社してくれてありがとうございます! 皆さんを迎えた私たちは、新しい未来に大いに胸を膨らませています。ぜひ、一緒に前に進みましょう。今日はそのために、皆さんに心掛けてほしいことをお伝えします。

皆さんはこれから当社で働き、お給料をもらいます。このお給料について、「どこから来るものか」を考えたことがあるでしょうか?

こう尋ねると皆さんは、「私たちのお給料はお客様が支払ってくださっています。お客様への感謝の気持ちを忘れず、常にお客様のことを考えるようにします」と答えるかもしれません。それはそれで合っていますが、それだけでは不十分です。

皆さんのお給料の原資となるお金は、確かにお客様からいただいています。ただし、お客様が当社にお金を支払ってくださるのは、皆さんの上司や先輩方の頑張りがあるからです。上司や先輩方が、日ごろからお客様に喜んでいただける商品やサービスを一生懸命考えたり、お客様に採用していただけるよう営業活動をしたりしているからこそ、皆さんのお給料があるのだということを忘れてはなりません。

皆さん自身が担当する1つ1つの仕事も、上司や先輩方が指導して、初めて無事に進められるものでしょう。そうした意味では、厳しい言い方をすれば、皆さんはまだ「上司や先輩方に養ってもらっている」状態です。一日も早くこの状態から脱するよう成長しなければなりません。

そのために、皆さんに心掛けてほしいことが2つあります。1つ目は、目の前にある1つ1つの仕事に全力を尽くすことです。元帝国ホテルの社長、犬丸徹三氏が残した言葉に、「どんな小さな仕事でも、ぴかぴかに輝くくらいに仕上げるのである」というものがあります。コック希望の犬丸氏は、若い頃、窓ガラス拭きの仕事を与えられたことが大いに不満でした。しかし、窓ガラス拭きに誇りを持って取り組む同僚の話を聞き、「たとえつまらなく思える仕事であっても、その仕事のやりがいを自分で見つけ出して一生懸命に取り組むことが大切」だと考えを改めたといいます。

皆さんも同じです。まずは、与えられた1つ1つの仕事を「ぴかぴかに」仕上げるよう取り組んでみてください。その積み重ねこそが皆さんを成長させ、飛躍させることでしょう。

そして2つ目は、素直に人の話を聞くことです。どれだけ素直に人の話を聞き、実践するかで、その後成長できるかどうかが変わってくると私は考えています。入社したばかりの皆さんは、「自分以外の人は全て先生」くらいの気持ちで素直に人の話を聞きましょう。

この2つを心掛けていれば、日ごろ一緒に仕事をしている身近な上司や先輩から、「ありがとう。君がいてくれてよかった」と認めてもらえるようになります。新入社員の皆さん、一番身近な人から「ありがとう」をもらうことを目指してください。それこそが、あなたの成長の証しです。

以上(2022年4月)

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画像:Mariko Mitsuda

派遣社員に退職金は必要? 同一労働同一賃金の「労使協定方式」と賃金の最低水準

書いてあること

  • 主な読者:派遣社員の同一労働同一賃金について知りたい派遣元(派遣会社)の経営者
  • 課題:どうやって派遣社員の賃金が決まるの? 退職金は必ず支給しなければならない?
  • 解決策:「労使協定方式」で決めるのが主流。「基本給・賞与・手当等」「通勤手当」「退職金」の3項目については、賃金の最低水準があるので注意

1 「労使協定方式」が主流。ただし賃金の最低水準に注意

「同一労働同一賃金」とは簡単に言うと、

仕事の内容などが同じなのに、パートや派遣社員であるという理由だけで、正社員などよりも低い待遇にすることはできない

という考え方です。パートも派遣社員も基本は同じですが、派遣社員特有のルールが1つあります。それが「待遇の決め方」です。労働者派遣法により、派遣元には、

  • 労使協定で派遣社員の待遇を決める「労使協定方式」
  • 派遣先に応じて、派遣社員の待遇を決める「派遣先均等・均衡方式」

のいずれかによって、同一労働同一賃金を実現することが義務付けられています。どちらを選択するかは派遣元の自由ですが、「派遣先が変わっても逐一全ての待遇を見直す必要はなく、派遣社員の収入も安定しやすい」という理由から、1.の労使協定方式が主流のようです。

ただし、労使協定方式には注意点があります。それは、

職種や地域などに応じて、賃金(退職金を含む)の最低水準が決められていること

です。詳細は後述しますが、通勤手当や退職金の支給額が最低水準に達していない場合、支給額の引き上げを検討しないといけません。

派遣社員の同一労働同一賃金は2020年4月1日から施行済みですが、今の賃金状況に問題がないか、いま一度チェックしてみるとよいでしょう。この記事では、労使協定方式における賃金の最低水準の考え方を紹介していますので、参考にしてください。

また、同一労働同一賃金の基本や、労使協定方式と派遣先均等・均衡方式の概要などを知りたい人は、次の記事をご確認ください。

2 賃金の最低水準のルールは3項目に分かれている

労使協定方式では、「基本給・賞与・手当等」「通勤手当」「退職金」の3項目について最低水準のルールが設けられています。ちなみに、基本給・賞与・手当等とは、賃金全体から通勤手当、退職金、残業代(時間外・休日・深夜労働に対して支払うもの)を除いた金額のことです。

1)基本給・賞与・手当等

基本給・賞与・手当等の最低水準は、次の計算式で算出した金額(時給換算)です。計算の結果、1円未満の端数が生じた場合は「切り上げ」になります。

画像1

各基準値・指数の具体的な数字は、厚生労働省ウェブサイトから確認できます。

■厚生労働省「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)『同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準』について」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

2)通勤手当

通勤手当の最低水準は、次のいずれかの金額です。どちらを適用するかは労使で選択することとされ、派遣社員によって1.と2.を使い分けるよう労使協定で定めることもできます。

  • 通勤費の実費相当額(定期代など)
  • 厚生労働省が定める金額(2021年度は74円、2022年度は71円、どちらも時給換算)

ただし、通勤手当の支給額に上限を設けている場合は注意する必要があります。通勤手当の支給額が1.の実費相当額を下回る派遣社員については、必ず2.の最低水準が適用されるからです。ちなみに、通勤手当の支給額が2.の最低水準に達しているかどうかは、通勤手当を時給換算した金額で判断します。例えば、通勤手当が毎月支給されている場合、

毎月の通勤手当の支給額÷(1日の所定労働日数×1カ月の所定労働日数)≧74円(71円)

となっていれば、最低水準に達していることになります。

3)退職金

退職金の最低水準は、次のいずれかの金額です。どちらを適用するかは労使で選択することとされ、派遣社員によって1.と2.を使い分けるよう労使協定で定めることもできます。

  • 厚生労働省が認める統計調査(賃金構造基本統計調査など、「1)基本給・賞与・手当等」のURLを参照)を基にした金額
  • 基本給・賞与・手当等の最低水準×6%(時給換算、1円未満の端数は「切り上げ」)

ただし、中小企業退職金共済制度等(中小企業退職金共済制度、商工会議所の特定退職金共済制度、中小事業主掛金納付制度(iDeCo+)、企業型の確定拠出年金など)に加入する場合は、必ず2.が適用されます。なお、拠出金は会社が拠出するもののみが対象で、派遣社員(加入者)本人が拠出金を上乗せする、いわゆる「マッチング拠出」は対象外です。

3 派遣社員の賃金の見直しは必要? シミュレートしてみよう

次に、派遣社員の賃金について見直しが必要かどうかシミュレートしてみましょう。ここでは、職種が「一般事務員」の派遣社員を例に、シミュレーションのイメージを紹介します。

まずは、前提条件を次のように設定します。

画像2

次に、賃金の最低水準の金額を計算します。厚生労働省の基準値・指数などについては、「2022年度」のものを使用した場合、最低水準の合計金額は次のようになります。

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この賃金の最低水準の合計金額と、図表2の現在の賃金とを比較すると、次のようになります。

  • 賃金の最低水準の合計金額:1万4224円(8時間換算、1778円×8時間)
  • 現在の賃金:1万1531円(8時間換算)
  • 差額:2693円(8時間換算、1万4224円-1万1531円)

この場合、賃金が最低水準に達していないため、支給額を引き上げなければなりません。仮に派遣社員の1日の所定労働時間を8時間、1カ月の所定労働日数を20日とした場合、

通勤手当や退職金込みで、1カ月当たり5万3860円(2693円×20日)の引き上げ

が必要になります。

4 労働条件の不利益変更に注意

第3章では、派遣社員の賃金が最低水準に達していないケースを取り上げましたが、逆に現在の賃金が最低水準を上回っていて、経営者が「これまで賃金を払いすぎていたのでは……」と見直しを検討するケースも考えられます。

しかし、賃金の引き下げは「労働条件の不利益変更」に当たるため、実施するには、

  • 労働組合の同意を得て、労働協約を変更する
  • 合理的な内容であることを前提に、就業規則を変更する
  • 個々の派遣社員の同意を得て、労働契約を変更する

のいずれかの手続きが必要です。なお、「合理的な内容であることを前提に、就業規則を変更する」場合、派遣社員が被る不利益の大きさや労働条件変更の必要性、変更内容の相当性や労働組合等との交渉状況その他の事情等を考慮して合理性が判断されることになります。

基本的に、最低水準だけを理由にして賃金を引き下げるのは合理的とはいえませんが、経営上の高度の必要性があり、代償措置の存在等の相当性が認められる事情があれば、その合理性が認められる余地が出てくるでしょう。とはいえ、トラブル防止の観点から考えると、可能な限り個々の派遣社員の自由な意思に基づく合意を得た上で就業規則を変更するのが望ましいです。

以上(2022年3月)
(監修 弁護士 八幡優里)

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画像:tiquitaca-Adobe Stock

【朝礼】社内の評価より社外の評価を誇れ

突然ですが、私は新年度から、皆さんの評価の方法を見直すつもりです。そのきっかけになったのは、A君に対する評価について、私に至らない部分があったからです。これからその経緯について話しますが、皆さんの仕事の取り組み方にも関係することなので、しっかりと聞いてください。

皆さんもご存じのように、A君は若手から中堅社員になりつつあり、これからの成長が期待される一人です。私を含めたA君の上司たちは、A君に対してそれなりに評価しているつもりでした。

ところが最近、ある取引先の幹部の方と話をしたときにA君の話題になり、取引先の方々は私が想像していた以上に、A君を高く評価していることを知りました。

確かにA君は人当たりが良く、私も取引先から好まれる人物だとは思っていました。その一方で、取引先との交渉の進め方が遅いという難点があるとも感じていました。ところが、取引先の幹部の方は、A君は綿密に連絡を取り、こちらの事情も踏まえて行動してくれると感謝していたのです。しかも、取引先におもねって言い分をそのままのむのではなく、我が社の立場もしっかりと説明した上で、両社の折り合いがつくような提案をしてくれているそうです。

私がこの話を踏まえ、A君から取引先を引き継いだ若手のB君に話を聞いてみたところ、A君が築いた取引先との良好な関係のおかげで、取引先の我が社に対する信頼も厚いとのことです。

こうした話を聞いて、私はA君に対してとても感謝し、これまで社外での評価を考慮せずに低く評価していた自分自身の、人を見る目のなさを反省しました。

私がA君の交渉の進め方が遅いと思っていたのは、「我が社の都合」で見ていたからでした。A君は、たとえ進め方が遅いという社内の評価を受けてでも、取引先から感謝され、結果的に我が社が取引先と長くWIN-WINの関係を続けられることを優先してくれていたのです。

この反省を踏まえて、私は新年度から、皆さんを評価するために、取引先を含めたいろいろな人の意見を聞くようにします。そして、皆さんにもお願いがあります。それは、社内での、特に上司からの目先の評価だけを気にして仕事をしないでもらいたい、ということです。もちろん、私の顔色を見ながら仕事をする必要もありません。

皆さんは、取引の現場の最前線に立つ者として、我が社のことだけでなく、取引先にとって何がベストなのかも考えて行動するようにしてください。取引先のために最大限の努力をすれば、取引先は必ず評価してくれます。取引先との最前線に立つ皆さんが評価されるということは、我が社の評価が上がるということでもあります。もし私や上司が現場の事情を知らずに、取引先からの評価が下がるような要求をしていると感じたら、遠慮なく反論してください。私は新年度から、それができる社員も、高く評価します。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】新年度に持っていくこと、捨てること

4月は年度が替わる節目の月です。これは、古いものを捨て、新しいものを取る「取捨選択」の月でもあります。新年度、私はこの取捨選択を徹底的に行っていきます。日立でラストマンといわれた川村隆氏の言葉に、その理由が示されているので紹介します。

「英国の軍艦の興味深い話があります。軍艦をそのまま放っておくと、毎年1インチずつ喫水が下がり、船の航行速度が落ちて、最後には使い物にならなくなるそうです。さびて浸水したり、貝殻が付着したりというようなことではなく、船の重量が毎年少しずつ増えていくのが原因です」

皆さんは、船の機能が奪われていく理由は何であると思いますか。川村氏の言葉は次のように続きます。

「なぜか。乗組員が勤務に慣れてくるに従って、自分のベッドや個室に本などの私物を持ち込み、それが全体ではバカにならない重量になるというのです」

日々、私たちが行う仕事には、各人の“想い”が込められています。“想い”がなければ良い仕事はできません。また、仕事に慣れてくれば、効率化が図れます。しかし一方で、知らないうちにそれらが独りよがりのものとなり、他人の意見や指摘を聞き入れる心の余裕を失ったり、世の中の変化に置き去りにされて “ガラパゴス化”した仕事の進め方になってしまったりすることがあります。これはとても怖いことです。

昨年の大掃除は、乱れたものをあるべき場所に戻したり、順番通りに並べたりするだけの「整える掃除」ではありませんでした。明らかに不要なものはもちろんですが、それ以外にも「もしかするとこれから使うかもしれない」と思って保管してきたものも一気に処分する「捨てる掃除」をしました。いわば物質の取捨選択です。そして、キャビネットの台数を減らした代わりに、新しくミーティングスペースを作りました。リモートでは難しい、オフィスに出社するからこそできる活気ある議論や、仲間とのつながりを感じられる場を作りたいと思ったからです。

 

また、昨年末から年始にかけて、私は皆さんに繰り返し伝えました。「来年度に、何を持っていき、何を捨て、そして新たに何を獲得するのかをじっくり考えてほしい」と。その答えを行動で示すときが、いよいよやってきたことを皆さんは分かっているでしょうか。

当社は小さいながらも、長い歴史があります。とても誇らしいことですが、冒頭で紹介した英国の軍艦のようになったら、あっという間に沈んでしまいます。小さな会社だからこそ、スピードと柔軟さという武器を失ってはいけないのです。

新年度、我が社は新規事業にチャレンジします。そのためには、物質だけではなく、これまでの積み重ねの中にも捨てなければならないものがあります。決して過去をないがしろにするわけではありません。新しいスタートを切るための儀式のようなものなのです。皆さん、気持ちをリフレッシュしてください。そして、勢いよく新年度のスタートを切りましょう。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda

「Z世代」について企業が理解しておくべきこと

1 世界の人口の約3割を占めるZ世代

私の息子は1996年生まれです。まさにZ世代の初めの世代。少なくとも息子の人生初めてのお絵かきの道具は「クレヨン」ではありませんでした。クレヨンを買い与える前に勝手に「マウス」を触ってお絵描きをした世代です。なぜなら我が家には“Windows95”があったからです。生まれた時から両親がパソコンを立ち上げる姿をその目に映しながら人生のスタートをきった世代がZ世代です。

「今どきの若い者は…」などという、いつの世代も繰り返されてきたような、世代を一括りにするような言い方はあまり好きではありませんが、20歳までの多感な時期をどのような時代背景で育まれてきたのかは、ある程度その世代の文化をつくると感じます。

マーケティングの世界において、すでに世界の人口の約32%を占めるといわれるZ世代の消費行動に対応できなければ、この世代を顧客化し、次代に生き残る企業とはなり得ません。日本においては少子高齢化の影響もあり、Z世代の人口割合は約半分、15%程度に過ぎませんが、これからの日本を支えていくのは間違いなく彼らの世代です。

そもそも近年はVUCAの時代といわれてきました。VUCAは、次の4つの単語の頭文字をとった造語です。

V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

そして、ここにコロナ禍という想定外が重なりました。Z世代はこのタイミングで入社や就活を経験した世代ともいえます。限られた誌面ではありますが、この時代背景におけるいわゆるZ世代への対応を通じて、これからの人事・労務担当者のあり方を一緒に考えていきましょう。

(日本法令ビジネスガイドより)

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【朝礼】私は童心に帰ります!

早いもので、2021年度も今月で終わりです。今年度の自分を振り返ってみると、恥ずかしながら、与えられた仕事をこなすだけの1年で終わってしまいました。新年度は、もっとエネルギッシュに仕事に取り組みたいと思います。そのために決めた新年度の私の仕事のテーマは、「童心に帰る」です。どういう意味かを説明する前に、まずはこのテーマを考えるきっかけをくれた、私の甥(おい)っ子の話をしたいと思います。

甥っ子は現在4歳で、電車やバスなどの乗り物が大好きです。普段は遠方に住んでいますが、先日、私の弟が彼を連れて遊びに来たので、私は2人を近所にある鉄道の博物館に連れていきました。この博物館には、人が乗れる大きさの電車があります。もちろん、ただの展示物なので動きませんが、車両の中には運転席があります。それを見た甥っ子は運転士になりきり、私や弟を乗客に見立てて「ごっこ遊び」を始めました。

そこからが大変です。甥っ子は「お客さん、早く乗ってください」「お客さん、終点です」と言っては、私と弟を車両に乗り降りさせるだけの遊びを、延々と繰り返しました。私が「そろそろ他のコーナーに行かない?」と言っても運転席を離れようとせず、なんとか説得して家に帰った後も、運転士ごっこは続きました。甥っ子が寝る頃には、私はクタクタに疲れてしまい、「4歳の小さな体のどこにそんなスタミナがあるのか」と驚かされるばかりでした。

諸説あるそうですが、小さい子どもが並外れたスタミナを持っているのには、大人に比べて筋肉が疲れにくい、疲労から回復する能力が高いといった身体的な理由の他に、「ワクワク」や「ドキドキ」をたくさん感じているからだという精神的な理由もあるそうです。まだ幼く、見るもの触れるもの全てが新鮮な甥っ子にとって、電車の運転席に座るというのは、それほど心が躍る体験だったのだと思います。

自分の話に戻りますが、最近の私が、与えられた仕事をこなすだけの毎日になってしまっているのは、仕事を楽しんでいないからだと思います。新入社員のときに感じていた「ワクワク」や「ドキドキ」といった感情をどこかに忘れ、“心のスタミナ”が続かなくなっているのでしょう。だから、新年度は甥っ子を見習い、童心に帰ろうと思います。

童心に帰る、というのは「何事にも純粋無垢(むく)な気持ちで取り組む」ということです。事前にある程度の結果を想定してしまうと、想定内に収めるだけの作業になってしまいそうなので、結果を気にせず、ただ自分が「面白そう」と思ったことに全力で挑戦します。今のところ、話しづらいお客さまとの会話が弾むネタを探す、新しいツールを試す、読んだことのない分野の本を読むなどに取り組みたいと思っています。童心に帰った新年度に自分がどんなことをするのか、今から「ワクワク」「ドキドキ」しています。

以上(2022年3月)

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【朝礼】画竜点睛を欠くべからず

昨日、我が社の社員から、「ビジネスで一番大切なプロセスはどこですか?」との質問を受けました。ビジネスの本質を突いた良い質問なので、今朝はこのテーマでお話しします。

例えば、新規営業のプロセスは「開拓、訪問、商談、契約」といったところですが、これらのプロセスの中でどこを最も重視すべきなのか。それは、ビジネスの目的と状況によって変わってきます。1つの例を紹介します。

先月、当社の業務にも関係する大きなイベントがありました。当社からは私の他、役員を含め数人が見学に行きました。私たちは全員別々に行ったので、同じ相手と個別に名刺交換をしていることもありました。

後日、私たちが名刺交換をしたA社から商談の申し入れがあったので、会うことになりました。迎えた当日。A社の営業担当者は、「たくさん名刺交換をしていただき、ありがとうございます」と言いながら、名刺交換をした相手のリストを見せてくれました。驚いたことに、そこには関係のない他社の社員も載っていました。

もう1つ驚いたのは、当社の社員名のところに、社長である私の名前がなかったことです。意思決定権者である私を押さえていないなんて、詰めの甘い話です。話を聞いてみると、イベントの最終日に、スタッフ総出で一気に名刺を整理したそうです。そのような混乱した状況の中で、私の名刺を紛失してしまったのでしょう。

A社の目的は新規営業です。先に話したプロセスの通りなら、「開拓、訪問、商談、契約」といった流れで進めることになります。最初は開拓のプロセスが大事になりますが、A社はさまざまな方法の中からイベントへの出展を選択し、多くの人と名刺交換をしました。成功です。

次のプロセスは訪問なので、訪問候補のリスト作成と、アポイント取りをしなければなりません。では、リスト作成で大事なことは何でしょうか。地域や業種ごとにきれいに並べることではありません。この時点では、情報の紛失や漏洩がないように、慎重に取り扱うことが最も重要です。もし、個人情報の漏洩などを起こして問題になったら、会社に大きな損失を与えます。A社はこのあたりの認識が甘かったのかもしれません。

ビジネスは「最初が肝心、終わり良ければ全て良し」というものではなく、始まりから終わりまでの全プロセスが重要です。まずは足元で携わっているプロセスに注力してください。その際、どのように注力するかというのも、状況によって変わってくることを覚えておいてください。A社の例でいえば、訪問の準備の際に最も注力することは、情報の取り扱いだったわけです。

「ビジネスで一番大切なプロセスはどこか」。それは、現にその仕事をしている皆さん自身が決めることです。迷ってしまったときは、もう一度、仕事の目的と状況を確認してください。大切なポイントが見えてくるはずです。

以上(2022年3月)

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【朝礼】早く、遠くまで、みんなで行くための6つのお願い

おはようございます。皆さんは、「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」という言葉をご存知でしょうか。一説には海外のことわざと言われているもので、一人であれば早く目的を達成できるかもしれないが、仲間と一緒なら、より大きなことを成し遂げられるという意味があります。

説得力のあるいい言葉だと思いますが、我が社が目指すのは、早く行くだけでも、遠くまで行くだけでもありません。早く、かつ遠くまで行くこと、つまり「会社を早く成長させ、長く持続させる」ことを目指します。どうすれば、これを成し遂げられるのか。そこでポイントになるのが、個人と集団の「いいとこ取り」です。

冒頭で紹介した言葉をもう少し掘り下げてみましょう。一人で進むと早く行けるのは、進む道を自分だけで決め、自分のペースで進み、自分が全責任を持って進むからです。逆に、人数が多いと、意見が対立して進む道を決めるのが遅れ、進み方が遅い人に合わせる必要があり、一生懸命歩かない人が出ることで、進みが遅れることになります。

みんなで進むと遠くまで行けるのは、知恵を出し合ってベストな道を選び、それぞれが得意なことを分担し、互いに助け合いながら進むからです。逆に、一人で進むと、道を誤りやすく、進むための作業を全て自分で行わなければならず、自分の都合が悪いときに誰も助けてくれないため、遠くまで行くのが難しくなります。

以上のことを踏まえると、早く、かつ遠くまで行くためには、次のようなことが大切になります。まず、進む道を決めるときは、みんなで知恵を出し合ってベストな道を選びます。そして一度道を決めたら、全員が決定に従います。進むペースには個人差がありますが、進むペースが速い人が遅い人に対して、速く進むコツを教えてあげれば、全体のペースアップにつながります。そして、力の強い人が荷物を多めに持ったり、速く進める人が先遣隊として偵察したりと、各自が得意分野を担当すれば、一人のときより早く行くことができます。誰かが困っているときには、積極的に助け合うことも大切です。こうしたことができるためには、一人ひとりが責任を持ち、集団の課題を自分事として捉えることが大切です。

これは、我が社が早く成長し、長く持続していくために必要なことにも当てはまると思います。すなわち、私は皆さんに、次の6つのことをお願いしたいと思います。それは、

皆で積極的に意見を出し合う

一度決まったことは、全員で守る

成功や失敗の情報を共有する

自分の得意分野を伸ばして会社に貢献する

困ったときは、皆で助け合う

一人ひとりが会社の課題を自分事として捉え、責任を持つ

の6つです。新年度は、ぜひこの6つのお願いを心掛けていただきたいと思います。

以上(2022年3月)

pj17093
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【朝礼】人との出会いがビジネスを広げる。ただしご用心

先日、イベントで“面白い人”と出会いました。ここではA氏と呼びましょう。A氏は非常に勢いのある人で、出会った瞬間に両手で握手を求めてきました。ビジネスでも素晴らしい実績を上げているようですが、本の出版など客観的に確認できること以外は、具体的に何をしているのかよく分かりません。その点を尋ねてみると、「日本のスタートアップ企業を支援するために、幅広く活動している」ということでした。幾つかの顧問先を持っているようですが、その日は名刺を1枚も持っていませんでした。

私の常識に照らすと危うさを感じるA氏。私はA氏と少し距離を置いて付き合うことにしました。「君子危うきに近寄らず」といいます。社長である私にはいろいろな人が近づいてくるのですが、中には自分が得することしか考えていない人や、法的に“グレー”な領域でのビジネスに誘ってくる人もいます。そうした人と関わり、万一トラブルに巻き込まれたときに大きな損害を被る恐れがあるので、会社を守るために人付き合いには慎重にならざるを得ないのです。

しばらくして、A氏から連絡があり、2人でミーティングをすることになりました。私は、隙を見せないようにと少々構えて臨んだのですが、意図せずA氏に助けられることになります。私は、A氏と出会ったイベントで知り合ったB氏と、次の週にミーティングをする予定だったので、そのことをA氏に何気なく話しました。

すると、A氏は少し迷った素振りを見せた後、「いない人のことを悪く言いたくはないのですが……。B氏と2人で会うのはやめたほうがいいですよ」と言うのです。理由を聞くと、B氏はビジネスの進め方が強引で、過去にこの業界で大きなトラブルを起こしたことがあり、今も評判が悪いというのです。私が抱いていた印象と違い、A氏は信用第一でビジネスをする当社のことを思い、わざわざ忠告してくれたわけです。

B氏は、弁護士から起業家に転身しており、イベントで出会ったとき、A氏とは対照的に非常に落ち着いた雰囲気を醸し出していました。私は経歴や雰囲気からB氏のことをすっかり信頼し、しっかりした人であると思い込んでいたのです。

「人を見る目」を養うことは、本当に難しいものです。A氏との一件で、そのことを痛感しました。しかし一方で、人と会うことを恐れていては、ビジネスの可能性を失います。ですから私は、A氏との出来事を反面教師にしつつ、皆さんがますます多くの人とつながることを望みます。人と会うことによって、私たちは自分の常識や当たり前を見直す機会を得ることができ、そこから新たな発想が生まれるからです。

ただし、リスクを回避する“嗅覚”は不可欠です。少しでも「違和感がある」と思ったときには、必ず上司や同僚に相談してください。また、特に最初は、1対1ではなく、複数人で会うようにすることも大切です。

以上(2022年3月)

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画像:Mariko Mitsuda