時代に合わせ、三度の業種・業態変更で成長。ミモザ藤田社長に聞く、変化を生み出しチャレンジし続ける秘訣。

藤田淳一(ふじた じゅんいち)

プロフィール
株式会社ミモザホールディングス代表取締役社長。インターネットショップ運営などを手がける株式会社ミモザ情報システム、株式会社ベクルックスの代表も務める。

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常に次を見据えて事業を拡大

―― 本日はよろしくお願いします。はじめに改めて事業内容を教えてください。

インターネットを使ったビジネスをしています。ホールディングス化していて、ミモザ情報システムでは対企業、ベクルックスでは対個人と、お客様によって会社を分けています。

事業としてはインターネットショップの運営が中心です。ソフトウェア系と事務系に分けて、13ショップを運営しています。特徴は、「1メーカー1ショップ」にしていること。運営側としては、さまざまなメーカーの商品と取り扱う総合ショップの方が運営しやすいのですが、お客様からすると分かりにくい。そのためショップを分けて、お客様の使いやすさにこだわっています。加えて強みをつくるために、大手ネットショップではなかなか手が届かない、商品知識や業務知識など、専門性の高い発信を強化しています。

加えて、対企業においてはネットショップをご利用いただいている全国のお客様から、システム案件も受注しています。商材である財務会計や給与計算のソフトの導入や、バージョンアップのお手伝いなどです。顧客リストは全国14万社。中小企業を中心に、多業種にサービスを展開しています。

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―― 今の事業に到るまで、業種や業態を変えてきたと伺っています。創業からこれまでの沿革を教えてください。

創業は29年前、ちょうどWindows95が出た頃のことです。データ入力とパソコンの訪問販売の事業から始まりました。私は大学卒業後企業に入社し、データ入力などの仕事をしていましたが、自分でやりたいという思いがあり独立したのです。

しかし、しばらくやってみると、データ入力とパソコンの訪問販売は人海戦術となる上に単価が安く、継続が厳しいと感じました。
目をつけたのは財務会計や給与計算などの業務ソフト。業務ソフトであればさまざまなジャンルがあり、導入する際に業務知識も必要なので、サポートが必要とされるだろうと考えたのです。これが当たって、売り上げが伸びました。その段階で社員を採用し、徐々に組織ができました。

ただ業界が伸びると競合他社も爆増。次の事業を作る必要を感じていました。さまざまな事業を試してみる中で、現在のネットショップ事業にたどり着いたのです。ミモザは常に変化してきた会社と言えるのではないかと思います。

現状維持=右肩下がり。ルールの範囲で常にチャレンジを

―― ミモザグループでも、「変化する社会の動きを的確に捉え、求められるサービスを創造する」ことを経営理念に置かれていますよね。積極的にチャレンジし変化することに対して、どんな思いをお持ちですか?

現状維持=右肩下がりでしかないという怖さがあります。もっと会社を大きくしたいと考えているので、現状に満足していません。

例えば同時期に起業した人が成功しているのを見れば、「なんで彼にできて俺にできないんだろう」と思う。負けん気ですよね。上には上がいますし、相手は勝負している気なんてないでしょう。自分で勝手に勝負をしているだけですが、常に上を目指しています。

―― チャレンジに対する怖さはありませんか?

チャレンジのほとんどは失敗しますよ。ただ怖さはありません。今も昔も変わらず、失敗しても元に戻れるならやろうと考えているのです。例えば、1,000万投資して売り上げがゼロでも、始める前のかたちに戻れるならやろう、と。

―― チャレンジのルールを決めていらっしゃるのですね。

そうです。思いついたらある程度検討して、まずやってみます。他に大事にしているのは撤退ラインを決めることです。始める前に、いつまでにどれくらいの成果が出なかったらやめる、と決めています。

それから、思いつけばなんでもいいというわけではなく、これまで成功してきた「インターネット」「中小企業」というキーワードの中で事業をすることにしています。今の事業に全く関係のない飛び地での事業はリスクが大きい。今後を見据え、地続きの領域で事業を展開したいと考えています。

ビジネス・リポートONLINEで事業検討と社員教育

―― 日経トップリーダー経営者クラブでは、サービスの一環として豊富なビジネス情報を蓄積した「ビジネス・リポートONLINE」をご提供しています。藤田さんは「ビジネス・リポートONLINE」のヘビーユーザーのようですが、どのようにご活用いただいていますか?

まず、自分自身の勉強のために見ています。例えば、税制や社会保険制度の改正などがあった際、ビジネス・リポートONLINEにはポイントをまとめた記事がアップされます。それを読んで、自分が得ている情報に漏れがないか確認するようにしています。新聞の見出しのように記事のタイトルを見て情報を把握し、漏れがあった場合は記事を詳しく読み、自分でも追加で調べるようにしています。新しいことを常に考えているので、新規事業のタネになるかなど、さまざまな視点で幅広い分野の記事を読みますね。

あとは、記事をダウンロードして社員に毎日配信しています。例えば、会計・税務分野の記事を経理担当の社員に「この部分を詳しく理解してほしい」と個別に伝えることもあります。社員も読んでくれているようで、前後編に分かれている記事が出た際は、社員から「後編の配信はまだですか?」と聞かれることもありました。経営者仲間にも勧めています。

新入社員向けの記事はよくありますが、中堅、役員などそれ以外の年代や、担当業務別の情報があるとさらに嬉しいです。

社員の想いから変化が生まれる組織に

―― ありがとうございます。営業など業務別の記事の配信を増やしていく予定なので、ぜひご確認ください。最後に、今後の展望について教えてください。

今後は、事業拡大が目標ですね。今はありがたいことに経営が安定し、チャレンジできる幅が広がりました。大きく売上を上げられるような新規事業を作りたいと考えています。ただ、ホームランは狙って打てるものではありません。ヒットをコツコツ積み重ねる中から、ホームランが生まれればいいと思っています。

課題は、ヒト・モノ・カネとそれぞれありますが、中でも特に人です。20代〜40代まで多様な年代の社員がいる中で、一人ひとりの考え方はもちろん違いますし、ジェネレーションギャップもあります。それをどう乗り越えて会社を運営していくかが難しいところです。自分の根底にある、変化を好む、チャレンジをしていく想いは変えるつもりはありません。でも、変化量やチャレンジ幅は人に合わせて調整しなければならないと感じています。

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今は全てトップダウンで決定しており、それも悪くないとは思っています。ただ、もっといろいろな部署からさまざまな想いが上がってきて、新しい変化を生み出せるようになるとより良いですね。今は、社員が一生懸命やっていることが褒められるのが一番嬉しいです。仕事とプライベートの区別はつけながら、透明性を保って会社としてチャレンジしていきたいです。

以上(2022年6月)

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【営業最強フレーズ集】ヒアリング編1「同業他社から○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?」

同業他社から○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?

相手のニーズは、相手も分からない

営業活動で最も大切で、最も難しいのは「相手のニーズを知る」ことです。そもそも相手が自身のニーズに気付いていないことも多く、特に営業の初回では、相手は警戒もしています。そこで初回のヒアリングでどのように質問するかがとても重要になってきます。

相手が初めての営業を受ける目的は、大きく分けて次の4つになります。

  • 本当に導入を検討している
  • 情報を収集しておきたい
  • つながりだけを持っておきたい
  • 時間潰し

相手の目的が1.であれば、アプローチの段階である程度提案の道筋が見えているため、問題ありませんが、こうしたケースはまれです。営業担当としては、上の2.~4.を目的としている相手と信頼関係を築く必要があり、ここが腕の見せ所です。

「相談される人」を目指す

初回は、相手にとってのあなたは、「飛び込み営業に来たうちの1人」にすぎません。そこから、「何かあったときに相談したい特別な人」にレベルアップすることで、ニーズが顕在化したときに、「あの営業担当者に頼んでみよう」となる可能性があります。

そうした関係構築に効果的なのが、今回の営業最強フレーズです。

「同業他社から最近こういう課題を聞いた」など、相手にとっての競合や顧客など「ビジネスにつながる情報」を提供することで、相手に「この営業担当者は業界全体や同業他社、顧客の動向に明るい『事情通』だ。つながっておく価値がある」と認識してもらうのです。

「もしかしたら感」を感じてもらう

今回の営業フレーズには、「相手にニーズを気付かせる」という意味もあります。

最初は、相手はそもそも自身のニーズに気付いていないことがほとんどです。同業他社や相手にとっての顧客の事例がヒントとなって、「うちも何かしたほうがよいのでは?」と感じてもらえれば、そこからニーズが顕在化していくことも珍しくありません。

相手がヒントと感じやすいテーマは、「競合他社との差異化・同質化」「相手にとっての顧客のニーズや変化」「売り上げ増、利益増」「リスク回避」「コスト削減、効率化」などとなるので、事例として話せるように常に情報収集し、整理するなど準備をしておきましょう。

アイスブレイクも忘れず、初回は素直に。

ヒアリングで同業他社や顧客の事例を出すときは、「この事例が御社の今後の参考になる。なぜなら……」という理由もきちんと説明しましょう。

ただし、こうした話をしたところで、相手がすぐにあなたのことを信頼し、ニーズを教えてくれるわけではありません。初回は「入り口」です。「売り上げ! 成約!」とがっつかず、アイスブレイクや笑顔も交えて和やかな雰囲気をつくり、腰を据えて相手との関係を構築することを心掛けましょう。

また、こちらが準備した「同業他社や相手にとっての顧客の事例(課題)」が、的外れな場合もあります。相手がピンと来ていなさそうだったら、

「勉強不足で申し訳ありません、後学のため、どのあたりがズレていたか教えていただけますでしょうか?」

と素直に質問し、正しい情報を教えてもらいましょう。知ったかぶりや独りよがりは厳禁。相手の反応をよく見ながら話を進めるのが大事です。これはオンラインの際も同じで、相手がカメラオフになっていた場合は、こまめに「いかがでしょうか?」と質問を投げ掛けるのも一策です。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【営業最強フレーズ集】ヒアリング編2 「○○について、理想的なのはどのようなものですか?」

○○について、理想的なのはどのようなものですか?

営業担当は「質問」が苦手

営業は相手と会話をしながら進めていくものです。相手に質問したり、逆に相手からの質問に答えたり、提案内容を説明したり、意見交換したり。しかし、営業経験が長くても、会話に苦手意識を持つ人は意外と少なくありません。特に、「相手にうまく質問できない」人は多いのではないでしょうか。

試しに、営業セミナーや社内研修で、相手に質問してニーズを明らかにしていくロールプレイングをやってみてください。自分が、いかに相手に質問できていないか、相手のニーズを聞き出せないかが分かります。

「質問」しているようで決めつけてしまいがち

ニーズをヒアリングするとき、相手にいきなり「ニーズはなんですか?」と聞いても、おそらく答えてもらえません。

そこで、【営業最強フレーズ集】ヒアリング編1で紹介したように、「同業他社からは、○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?」などのように質問していきますが、ここに「決めつけ」という落とし穴があるので要注意です。

ニーズヒアリングのとき、話の入り口として同業他社や相手にとっての顧客の事例を出したり、ニーズを想像しておいてから質問したり、というのはとても有効です。

けれど、それだけでは相手のニーズをきちんと聞き出せないときもあります。

「旅行」に望むものは……

例えば「社員研修を提案する」で考えてみましょう。

「御社の同業他社からは、新入社員研修として、オンラインでの商談マナーが人気でした。御社もいかがですか?」「当社のセミナーランキング1位は管理職向け財務研修です。御社の管理職向けにも合うと思いますが、どうですか?」

相手に響くこともあるかもしれませんが、こうした聞き方を続けていると、相手から「どれも興味ないからいいや」と言われかねません。一見、質問しているようでいて、実は相手のニーズを「決めつけ」て、それに対して「Yesか、Noか」を聞いているだけだからです。

そこで、冒頭で紹介した営業最強フレーズの出番です。「社員研修するとしたら、理想的なのはどのような研修ですか?」相手が「若手向けかな、実務に活かせる感じの」と答えたら、

「もう少し具体的に言うとどうですか? 例えばどういう分野でしょうか?」

と重ねて質問します。こうしていけば、相手の考えを掘り下げていけます。また、相手自身の中でも、モヤモヤしたものが形になるでしょう。

「質問」するのは怖い?

なぜ、営業担当者は、つい「決めつけ」て質問してしまうのか? それは、おそらく質問するのが怖いからです。相手が答えにくいのではないか。答えてもらえなかったらどうしよう。そんな思いが怖さにつながります。

質問は営業の基本です。相手の考えを聞かなければ営業は前に進めません。もっと言えば、営業以前に、相手との関係性を築く上で「相手のことを知るために質問する」のが必須です。ヒアリング編1と2のフレーズを上手に組み合わせて、しっかり相手のことを聞きましょう。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】販促費・広告宣伝費ゼロを目指せ

おはようございます。皆さん、今回の販促キャンペーンでは、お疲れさまでした。皆さんの頑張りによって、最高の結果とはいかなかったものの、一定の成果を得ることができました。

そんな中で、あえて皆さんにお伝えしたいことがあります。実は、私は「将来的には販促キャンペーンをなくしたい」と考えています。こんな話をするのは、決して私が皆さんの頑張りを認めていないからではありません。仕事に対して取り組む際の参考にしてもらいたいためです。

私が考える理想の状態は、販促費も広告宣伝費もゼロにすることです。そもそも、販促費や広告宣伝費が必要になるのは、お客さまと当社との間にギャップがあるからです。ギャップといっても内容はさまざまですが、簡単に言うと、私たちがお客さまにお伝えしていることが、お客さまにご理解いただけていないということです。例えば、「商品の存在」「商品の魅力」「商品価格の相場」「当社の信用度」などです。こうしたものが理解されていないから、コストを掛けてお客さまに何度もお伝えし、お客さまと当社との間のギャップを埋める必要が出てくるわけです。また、商品価格については、お客さまが許容していただける価格と当社の希望価格との間のギャップを、販促費で埋めているという側面もあるかもしれません。

逆に考えれば、競合他社もお客さまとのギャップがあるからこそ、当社が販促や広告宣伝を行う効果もあるのだともいえます。

お客さまと当社との間にギャップがあることは、お客さまにとっても、当社にとっても、幸せなことではありません。販促費や広告宣伝費は、当社の利益を押し下げるか、販売価格に転嫁することになります。販促費や広告宣伝費がなくても購入していただけるのなら、それだけ当社の利益は増えますし、価格も抑えてご提供できます。販促キャンペーンのための人的な負担も軽減できます。実際に国内外のスーパーマーケットでは、「EDLP(エブリデーロープライス)」を売りにして、特売チラシやプロモーションを廃止しても売り上げを伸ばしている会社があります。

何より言えるのは、お客さまが事前に当社や当社の商品を熟知してくだされば、安心して商品を購入でき、購入後に後悔されることもなく、取引は永続的なものになっていくということです。

ですから皆さんは、日ごろからお客さまとのギャップが埋まるように、当社のことや当社の商品について、お客さまに対して包み隠さず正直にお伝えして、しっかりとご理解いただくことを意識してください。せっかくの販促キャンペーンが一時的な効果しか得られないのであれば、いつまでたっても私の理想の状態にはたどり着きません。

もちろん私は、今の当社の実力では、まだ販促費や広告宣伝費をゼロにはできないことも分かっています。ですが、その理想に向かって、一歩一歩登っていきましょう。目指す山は高いですが、登れば登るほど視界は開けるはずです。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】自信は実力の裏付け、不安は成長の機会

皆さんに、「能力」と「自信」ということについてお話をしたいと思います。

皆さんはよく、「あの人は能力がある」というような言い方をすると思います。それでは、この能力というのがどういうものなのかと考えたことがありますか。

学生時代には、例えばテストの点数や順位、体力測定の数字といったように、能力を分かりやすく表現する基準があったかと思います。「彼の成績はクラスで1番」「彼は学校で一番足が速い」というのは、とてもはっきりとした能力の基準です。また、数字で表現はできなくても、例えば「部活で県大会に出場した」なども分かりやすい能力の証明です。

これが社会人になると、とたんに能力の基準というのが分かりにくくなります。社会人として求められる能力は、記憶力や読解力だけではなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、場合によっては身なりや態度までも含まれるわけですから、学生時代のように「テストで100点取れたから能力がある」といった単純なものではなくなってしまうわけです。

社会人の能力というのは、こうしたさまざまな力を合わせた総合力で評価されます。それだけに、社会人になるとたとえ優秀な人であっても、「自分は果たして能力があるのか」と、自身の能力に対して不安を抱いてしまう人も多いようです。自分自身で自分の総合力を評価するというのはとても難しいことですから、それもやむを得ないことかもしれません。

私は、社会人が自分自身の能力を確認するための方法は「自信」の有無ではないかと思います。例えば、仕事をするとき、過去に取り組んで成功してきた仕事であれば自信が持てるはずです。逆に、初めて取り組む仕事や、これまで取引がなかった会社に初めて訪問するときなどは、心のどこかに不安を持っていると思います。自信を持ってできる仕事が自分の能力の範囲というわけです。

ここで一つ、見方を変えてみてください。仮に、常に自分が自信のある仕事だけをしていたとしたらどうでしょう。自信が持てる仕事とは、つまり自分がこれまでこなしてきた仕事です。言い方を換えれば、自分自身の幅を広げる新しい仕事に取り組んでいないということです。

仕事の幅を広げて、自分自身の能力を高めたいと思ったら、新しい仕事に取り組んでいかなくてはなりません。たとえ初めは自信がなくても、未経験の仕事に取り組んでそれを克服したとき、新しい自信が自分の中に生まれていることでしょう。そのときこそ、自分自身の能力が一つステージを上ったことが実感できるでしょう。

社会人は自分の能力に対して不安になることもあるはずです。けれども、それは決して恥ずかしいことではありません。仕事を通して不安を乗り越えることで、不安は自信へと変わります。そして、その自信は自分に力がついた証しでもあるのです。皆さん、新しい仕事には積極的にチャレンジしましょう。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

なぜ、「焼き芋」が東南アジアでバカ売れするのか? 農林水産物の輸出1兆円を支える“売り方”の新発想

1 冬の風物詩の「焼き芋」が常夏の東南アジアで人気?

2021年の日本の農林水産物・食品輸出額が、長年の悲願だった1兆円に到達しました。けん引したのは酒類、牛肉、ホタテ貝など一部の品目です。だからといって、「我が社が取り扱う品目は、輸出とは関係ない」と考えている農林水産物や加工食品の製造・販売事業者の皆さん、そう決めつけるのは早計です。今、海外で、輸出額を急速に伸ばしている品目があります。それは、

東南アジア向けのさつまいも

です。いったいなぜだと思いますか?

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東南アジアへ輸出されたさつまいもの多くは、現地で焼き芋などとして消費されているとみられます。「冬の風物詩である焼き芋が常夏の東南アジアで売れるわけないでしょ?」と思われるかもしれません。実は、そこに“商機”があったのです。

東南アジアでは、蒸したさつまいもが、おやつとして一年中食べられています。今から10年以上前にそこに目を付け、日本の焼き芋が受け入れられる可能性を探った事業者がいました。そして発見した、現地の人たちに受け入れられるカギとなったのが、

日本では廃棄されるような、小ぶりのサイズのものを輸出すること

でした。

「日本人の好みはこうだから」という固定観念から抜け出し、異なる食文化を持つ人たちの目線に合わせる発想に改めれば、「海外では売れない」と思い込んでいた品目でも、輸出して販路を拡大できる可能性があります。

この記事では、さつまいもの輸出に取り組む事例を、関係者へのヒアリングに基づいて紹介します。

政府は農林水産物・食品の輸出額を、2025年までに2兆円、2030年までに5兆円という目標を掲げ、輸出を後押ししています。皆さんがこのビジネスチャンスを捉え、国内向けに製造・販売している農林水産物や加工食品の輸出を検討するヒントになれば幸いです。

2 日本の焼き芋はこうして東南アジアに受け入れられていった

1)小ぶりのサイズのさつまいもで輸出シェア3割に

「うちの会社の今があるのは、小ぶりのサイズのさつまいもの出荷を始めたから」

そう話すのは、宮崎県串間市の「くしまアオイファーム」の海外担当、堀内翔斗副社長です。同社は地元のさつまいも農家出身の池田誠会長が、海外などへの出荷を推進するために2013年に法人化。それから10年とかからずに、国内から輸出されるさつまいもの3割近くのシェアを占めるようになりました。

池田会長は今から10年以上前、中華系の人たちがおやつとして、さつまいもを蒸して食べることを知り、実際に香港や東南アジアに赴いて現地のニーズを確認したといいます。

日本で焼き芋向けのさつまいもといえば、200グラム程度が通常で、それより大きなサイズも人気があります。一方で200グラムを下回る小さなサイズには人気がなく、低価格でしか販売できない上に、廃棄されることもあったそうです。

ですが、香港や東南アジアの人たちは小ぶりのサイズのさつまいもを食べていたことから、池田会長は150グラム未満の小ぶりのさつまいもの輸出に力を入れることにしました。そのために、あえて小ぶりのサイズのさつまいもを栽培する農法も開発しました。その戦略が奏功し、国内から輸出されるさつまいもの3割近くのシェアを占めるまでになったといいます。

堀内副社長によると、現在の輸出先の8割は、香港、シンガポール、タイとのことです。3つの国・地域に重点を置いている理由として、次の3点を挙げています。

  • もともと、さつまいもを蒸すなどして食べる習慣があった
  • 「メード・イン・ジャパン」に良いイメージを持っている地域である
  • 腐らないうちに船で大量輸送できる距離にある

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2)さつまいも産地も輸出を後押し

鹿児島県と並び、さつまいもの二大生産地である茨城県。同県農産物輸出促進チームでは、5年ほど前からさつまいもの輸出を積極的に支援するようになりました。

同県の担当者は、「常夏の東南アジアで焼き芋がこれほど売れるとは思わなかった。日系スーパーの焼き芋機に行列ができるほど売れているのを目の当たりにして、輸出の可能性を感じ力を入れることにした」と言います。

現在は焼き芋ブームで、国内でのさつまいも需要が旺盛であるものの、今後の人口減を見据え、「10年、20年先の将来を考えると、成長している東南アジアを始め世界中の潜在的なマーケットを開拓しておくことは大切」と、輸出を支援しています。

輸出支援に当たって同県が最も力を入れているのは、現地での試食販売の実施です。担当者は、「現地で生産されるさつまいもと比べて、日本産の販売価格は3倍ほどだが、甘さでは圧倒している。まず食べてもらって、なぜ高いのかを理解してもらうことが大事」と話します。

試食をしてもらうことで、「焼く」という、これまで現地にはなかった食べ方の提案も行っています。「さつまいもは焼くことによって、水分が飛んで甘みが凝縮され、香ばしさも出る。現地の蒸したさつまいもとは別の食べ物だという認識をしてもらっている」と言います。

こうした取り組みにより、2018年から2020年までの間に、茨城県産のさつまいもの輸出量は2倍ほどに増えたといいます。

3)さらなる輸出拡大へ、「冷凍焼き芋」という新たな提案

前述のくしまアオイファームをはじめ、さつまいも業界が今後の輸出拡大に向けて期待を寄せているのが、国内で焼いたさつまいもを冷凍して輸出する「冷凍焼き芋」です。

冷凍焼き芋が注目される理由の1つは、輸送の問題です。くしまアオイファームの堀内副社長は、「さつまいもの輸出は、腐敗との戦い」と語ります。さつまいもは船便で輸出を行うのが通常ですが、常温で2、3週間すると腐ってしまうさつまいもが増え、ロス率が高まります。冷凍焼き芋であれば、輸送時のロス率はほぼゼロになります。

ただし、低温での輸送や、国内でさつまいもを焼く工程が加わるため、その分のコストが販売価格に上乗せされます。堀内副社長は、「東南アジアであれば冷凍しないほうがコストに見合うが、今後は欧州、北米、南米、アフリカなどへの輸出も考えており、その場合は冷凍焼き芋になる」と話します。

冷凍焼き芋が注目されるもう1つの理由は、「冷やし焼き芋」という新たな食べ方の提案をすることです。国内ではここ数年、夏にも食べられるスイーツとして、冷やした焼き芋が販売されるようになってきています。冷凍焼き芋であれば、現地の販売店は完全に解凍・加熱しないことで、容易に冷やし焼き芋として販売することができます。

茨城県かすみがうら市の「ポテトかいつか」は、2021年12月からシンガポールで冷やし焼き芋のテスト販売を始めました。くしまアオイファームの堀内副社長も、「冷たい焼き芋というのは、日本でもまだ始まったばかりだが、新しい食べ方の提案になる」と期待を寄せています。

3 参考:農林水産物・食品の輸出に関するデータ

最後に、2021年に1兆円を達成した日本の農林水産物・食品の輸出に関するデータを紹介します。輸出する商品や輸出先を検討する際の参考にしてみてください。

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以上(2022年6月)

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画像:ソース

【朝礼】君たちは「餌が食べられないカマス」のままでいいのか?

皆さんは「カマス」という魚を知っていますか。暖かい海に生息し、干物や塩焼きにするとおいしい魚です。今日は、このカマスを使った有名な実験についてお話しします。

この実験ではまず、大きな水槽を透明な壁で仕切り、一方の水槽にカマスの群れ、もう一方の水槽にカマスの餌になる小魚を放します。すると、カマスたちは餌を食べようと、壁に体当たりを始めます。しかし、何度体当たりをしても壁の向こう側に行けないことが分かると、そのうち諦めておとなしくなってしまいます。次に、水槽の中の透明な壁を取り除きます。すると、カマスたちは一斉に餌のほうに向かっていく……と思いきや、全く動こうとしません。目の前を小魚が泳いでも反応せず、そのまま餓死してしまうそうです。

では、どうすればこのカマスたちは餌を食べるようになるのか。答えは簡単。「新しいカマスを水槽に入れる」のです。新しいカマスは、もともと水槽に壁があったことは知りませんから、喜んで小魚のいるところに行きます。すると、「餌は食べられない」と諦めていた“古い”カマスたちも、新しいカマスに釣られ餌を食べ始めるのです。

ビジネスに置き換えるなら、餌は「達成すべき目的」、透明な壁は「目的の達成を妨げる障害」、古いカマスは「目的をなかなか達成できず、チャレンジに消極的になってしまった社員」、新しいカマスは「怖いもの知らずのチャレンジ精神旺盛な新入社員」といったところです。

この実験の話は、「停滞している組織に新しい風を吹き込めば、組織は活性化する」という例えとしてよく使われます。ですが、私は皆さんに、外部から新しい風が吹き込むまで待ってもらいたくありません。ビジネスでは、組織が停滞しているときに、都合良く優秀な新入社員が入ってくるとは限りません。それを待っていては、古いカマスたちのように餓死してしまいかねません。新しいカマスがいなくても、餌を食べられるようになるためのポイントは2つです。

1つは「壁をよく観察すること」です。古いカマスたちは、透明な壁があることに気付かず、何度も体当たりを繰り返していましたが、もしかしたら壁の表面をゆっくりなぞっていくと、実は抜け穴があったかもしれません。仮に抜け穴がなくても、日ごろから壁を観察していれば、その壁がなくなったときに、すぐに気付くことができます。つまり、「目的の達成を妨げる障害」が何なのかを正しく認識・分析するということです。

もう1つは「壁を突破するという気持ちを持ち続けること」です。カマスは成長すると50センチ、種類によっては2メートルにもなる魚です。からだが小さいうちは破れなかった壁も、成長するにつれて突破できるようになるかもしれません。単なる根性論と思う人もいるでしょうが、「何度障害にぶつかっても、諦めずに自分を磨き続ければ、いつかは目的を達成できる」ということです。

以上(2022年6月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】ビジネスでは格好つけるな!

先日、知り合いの社長と食事に行ったときの話です。私たちのテーブルから2つ離れたテーブルでは男女2人ずつの4人グループが食事をしていました。ほどなくして、私たちとその4人グループの間のテーブルに家族連れが案内されました。

家族連れは、4人グループのテーブルのそばを通ってそのテーブルに着こうとしました。そのとき、4人グループの1人が通路に放っていたリュックを子供が踏んでしまいました。「ごめんなさい」と子供が謝ると、4人グループの1人は、「気にしなくていい」といったそぶりで無言のまま片手を上げました。恐らく、自分の寛大さを仲間やその家族連れにアピールして、格好をつけたつもりなのでしょう。しかし、私も知り合いの社長も強い違和感を覚えました。

考えてみてください。子供はリュックが通路にはみ出していたから踏んでしまったのです。つまり、そこに放っておいたその人がよくないのです。また、これは「ヒヤリハット」です。この後子供がトイレに行くときに、今度はリュックにつまずいてテーブルの角に顔でもぶつけてしまったら、大きな事故になる恐れがあります。これくらいのことがイメージできないのは短慮です。加えて、子供が謝罪しているのに、大人が声も出さずに片手を上げて応えるだけとは常識がありません。

この場合の格好いい対応とは、「子供のほうを向いてしっかりと謝罪し、速やかにリュックを引っ込めること」なのです。

誰でも格好よくありたいと思っています。しかし、格好いいの基準は人それぞれですし、TPOもあるので、普遍的ではありません。

ただし、1つ言えるのは、「自分をよく見せよう」としてうわべだけをとりつくろったりするのは、とても「格好悪い」ということです。

ビジネスでは、「トラブルなく仕事をして自分をよく見せたい」という思いから周囲との衝突を避け、当たり障りのない意見ばかりを言う人がいます。本人は格好よくスマートに立ち回っているつもりかもしれませんが、私から見れば、自分の得点を下げないことで精一杯のように思えます。衝突を恐れずに自分の意見を正しく主張するほうが、よほど格好いいと私は思います。

同様に、「部下にチャンスを与える!」など部下育成の姿勢を見せていても、実際は自分から一切動かず、リスクをとらないというのは、部下思いではなく、自分思いなだけだと私は思います。部下にチャンスを与えるために、自分は上役から叱られるかもしれないけれど、リスクをとって部下にチャレンジさせたり、自分がチャレンジする姿を部下に見せるほうが、よほど頼もしいです。

うわべだけ格好をつけても、上司や部下、同僚、取引先などからすぐに本質を見抜かれてしまいます。リアルなビジネスは泥臭いもので、ぶざまでも一歩一歩進むしかありません。その泥臭さこそ、本当に「格好いい」姿といえるのではないでしょうか。

以上(2022年6月)

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画像:Mariko Mitsuda

【広告】熱中症の応急処置と熱中症予防に有効なIoT/AI管理ツール

書いてあること

  • 主な読者:建設・土木業、製造業、運送・物流業、警備業、商業、農業等の会社経営者および役員、管理職、人事・労務担当者
  • 課題:熱中症は、症例によっては急速に進行し、重症化することがあります。従って、作業者の体調不良を早期に把握し、適切な処置を施すことが必要であり、管理者や作業者全員が日頃から正しい応急処置方法を身につけておくことが重要です。
  • 解決策:重症の場合は救急車を呼ぶことはもとより、現場ですぐに体を冷やし始めることが必要です。また、熱中症の発症は個人差が大きく、自覚症状が出たときには手遅れになりやすいため、作業者の体調不良を早期に把握することが重要です。そのためには、人による労務管理だけではなく、IoTウェアラブルデバイスによる管理ツールを導入することも有効です。

1 作業者の体調不良を示す「危険信号」を見落とさない!

近年の夏の暑さは当たり前を通り越して、“猛暑が普通”と思われるような気候となってきています。とくに、今夏(6~8月)は、「太平洋高気圧(夏の高気圧)の北側への張り出しが強い」とみられており、暑さは厳しく、そして長い期間、猛暑になる可能性が高いと予報されています。

そのような猛暑において気を付けなければならないのが、熱中症。軽症のうちは体温が上がらないことがあるため、熱中症に気付きにくく、そのまま放置している間に重症化して、死に至ることもあります。軽症の段階で早期に対応することが重要です。
作業者の体調をよく観察し、不調のサインを見落とさないことが大切です。

<こんな症状がでたら危険信号です!>

  • めまい・立ちくらみや失神(熱失神)

熱中症の代表的な初期症状です。暑さによって上昇した体温を下げようとして血管が拡がるため、血圧が下がり、脳への血液の量が減少します。そのため、顔面から血の気が失せて、めまいや立ちくらみ、場合によっては、一時的に失神することがあります。このような症状は、単独で発症することは少なく、多くは頭痛や吐き気・嘔吐、全身の倦怠感等を伴います。
めまいや立ちくらみ等の軽症の段階で熱中症を疑い、水分補給や休憩するなどの対応を行いましょう。

  • 筋肉痛や筋肉の硬直・けいれん(熱けいれん)

「手足のしびれ」や「足がつる(こむら返り)」、「足がぴくぴくする」などの症状がある場合は、熱けいれんを疑いましょう。意識ははっきりしていることが多く、必ずしも体温上昇を伴うわけではありません。

  • 大量の発汗、逆にまったく汗をかかない

熱中症の初期は、体温を下げるために汗をかきますが、体内の水分が失われると、それ以上汗をかくことができなくなります。汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている可能性があります。

  • 高い体温

汗をかかなくなると、体温が上昇します。熱中症が重症化すると、40℃超の高熱が見られることがあり、「熱射病」と呼ばれる状態に陥ることがあります。

  • 意識障害(応答が異常である、呼びかけに反応がない等)

おかしな応答や声を掛けても反応しない。また、歩行できないなどの異常がみられる場合は、重度の熱中症にかかっています。躊躇なく救急車を呼ぶことが必要です。

  • 水分補給ができない

自分で水分補給できない場合は、危険な状態です。無理に水分を口から飲ませることはやめて、すぐに医療機関を受診しましょう。

2 熱中症疑い時の応急処置

熱中症は「非労作性熱中症」と「労作性熱中症」 に大別できます。これらの基本的な症状は同じですが、発症環境と症状の進行時間に大きな違いがあります。

工事現場や製造現場等で労働されている作業者が発症する熱中症は「労作性熱中症」に該当し、「非労作性熱中症」に比べて、その症状の進行時間は早く、数時間のうちに悪化するため、身体に大きな異変が起きてから気付くことも多く、救命のためにも適切な対処方法を身に付けておくことが重要です。

  • 非労作性熱中症:

基本的に気温の高い室内などの暑い環境で長時間生活していると発症し、症状は数日間かけてゆっくりと進行します。

  • 労作性熱中症:

暑い環境に加えて、過度な作業や運動に伴うもので、作業をしている労働者に多く発症しています。

「熱中症疑い時の応急処置」を次図に示していますので、参考にしてください。

重症の場合は、救急車を待たずに現場ですぐに体を冷やし始める

熱中症による重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。何らかの意識障害が認められるような場合は、救急車を要請することが必要ですが、その到着前から、冷却を開始することが必要です。

体温が高く、意識障害が認められるような場合は、全身を氷水(冷水)に浸ける「氷水浴/冷水浴法」が最も体温の低下効果が高く、救命につながることが知られていますが、医師の管理下において、直腸温を継続的にモニターできる人的・物的環境が整った状況で実施する必要があります。そのような環境でない場合には、水道につないだホースで全身に水をかけ続ける「水道水散布法」が推奨されます。

どこを冷やすのが効果的か?

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体表近くに太い静脈がある場所は、大量の血液がゆっくり体内に戻っていく場所のため、その箇所を冷やすのが最も効果的です。
具体的には、頚部の両側、腋の下、足の付け根の前面(鼠径部)等です。そこに保冷剤や氷枕(なければ自販機で買った冷えたペットボトルやかち割り氷)をタオルでくるんで当て、皮膚を通して静脈血を冷やし、結果として体内を冷やすことができます。冷やした水分(経口補水液)を摂らせることは、体内から体を冷やすとともに水分補給にもなります。
また、濡れタオルを体にあて、扇風機やうちわ等で風を当て、水を蒸発させて体を冷やす方法もあります。

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3 IoTデバイスを活用した熱中症予防の管理ツール

前項のとおり、熱中症を予防するためには、作業者の体調不良を早期に察知して、適切な対応を図ることが大切ですが、単独での作業や逆に作業者が多い作業場等では、作業者の体調を観察することにも限界があります。そこで今回は、IoTデバイスを活用した熱中症予防に有効な管理ツールとして多くの企業で採用されている「みまもりふくろう」をご紹介します。

【労務/熱中症管理サービス】 みまもりふくろう

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リストバンド型デバイスにより作業者の脈拍と位置情報をリアルタイムに計測し、企業の労務管理と熱中症対策をサポートするウェアラブルIoTサービスです。

Webサイト:https://www.sompo-rc.co.jp/services/view/184

熱中症の発症は深部体温(直腸温)との相関が高いことが一般的に知られていますが、専門家によれば、その深部体温と脈拍との間にも相関性があるとされています。

「みまもりふくろう」はこの原理を利用して、脈拍を計測することで、着用者の熱中症を予防する管理ツールです。作業者の脈拍をリアルタイムに計測し、熱ストレスによる危険度が高まると、作業者本人や管理者にアラートメールを通知するため、新たな熱中症予防の管理ツールとして大きな注目を集めており、管理者にとっての労務管理支援ツールとしても魅力的と考えられます。

この「みまもりふくろう」の特長は以下のとおりです。

「みまもりふくろう」の5つの特長

  • 個々の体調を考慮したアラート

危険度が高まるとアラート通知されるため、客観的なデータを元に休憩が必要なタイミングを把握できる。

  • アラート基準値はAIが自動設定

AIが学習し、個人に最適な値へと自動修正するため、使うことで精度が向上する。

  • GPS機能で位置情報の把握が可能

夜間や1人作業中に異常が発生しても早期に発見し、作業員を守ることができる。

  • 多彩なダッシュボード機能で現場管理を支援

取得したデータを元に、様々なレポート抽出が可能。とくに危険度が高い作業者や作業内容を把握し、職場内での相互理解を深めることができる。

  • 低価格で導入しやすい

デバイス1個あたり13,000 円(税別)、月額料金2,000円(税別)から利用できる。ただし、デバイス10個以下の場合の月額料金は20,000円(税別)。最低利用期間は3ヵ月。

とくに導入費用に関しては、デバイス費用以外のシステム構築費用等が不要なため、低価格でのサービス提供を実現しているほか、夏場の3か月間だけというような期間利用も可能なため、導入しやすいサービスとなっています。

作業員が高齢化するなど、労働安全管理がより難しくなる中、管理者の責任は年々増え、安全配慮義務違反を問われる事例も増加してきています。このような状況下で、作業者だけでなく、管理者を守ることを目的としたサービスは、今後ますます重要視されていくものと考えられます。

新時代の熱中症対策、また労務管理ツールとして、作業者の個人差を踏まえて熱中症管理ができる他にない機能を有した「みまもりふくろう」の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

詳細なサービス内容や料金等は上記のWebサイトから確認可能です。

【参考文献】

  • 気象庁「暖候期予報(令和4年2月25日発表)の解説」
  • 厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」
  • 環境省「熱中症環境保健マニュアル 2022」(令和4年3月改訂)
  • 前田俊輔・伊達豊他「暑熱環境下における漸増負荷運動時の深部体温と生理情報との関連」日本生理人類学会誌 Vol.23,No.4  2018, 11

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画像:作成者-Adobe Stock

以上(2022年6月)

【朝礼】「タネもしかけも」ございます

今日は、成功の裏には必ず「タネもしかけもある」という話をします。

例えば、俳優やタレントさんなどが、「その美貌、体形維持のため、日ごろ、どのようなケアをしているのですか?」と聞かれて、「特別なことは何もしていません」と答えることがあります。しかし、よくよく聞いてみると、食べ物に気を付けていたり、毎朝トレーニングをしていたり、ちゃんと「タネもしかけもある」ことが分かります。

また、「偏差値30からスタートして現役で東大に合格した」という人が、雑誌やメディアなどのインタビューで、「特別なことは何もしていません。必死で1年半勉強しただけです」と話していることもあります。ただ、これもよくよく調べてみると、「東大に合格した10人から聞いた勉強法を忠実に実践した」「家族や友人など周りが勉強しやすい環境づくりに協力し、食事にも気を使い、ずっと励まし続けてくれた」など、何かしらの「タネもしかけもある」ことが分かります。

何かを成し遂げた人が、そのための「特別なことは何もしていません」と話す背景には、本人の謙遜や、聞き手の共感を損なわないようにとの意図もあるでしょう。ですが、私は、「本人が、本当に特別なことは何もしていないと思っている」場合も少なくないと考えています。例えば、その俳優やタレントさんにとって、体に良い食事やトレーニングは当然のことで、特別なことだとは認識していない、ということです。

東大合格にしても同じです。「東大に合格したいなら、合格するための最適な方法を考え、工夫するのは当たり前」で、本人や家族は何ら特別なことをしている感覚がないのかもしれません。

こうした話から私が皆さんに伝えたいのは、まず、部下や後輩にも成功してもらいたいと思っている上司や先輩は、自分が意識していない「タネやしかけ」を見つけて言語化し、伝えてほしいということです。逆に若手社員の皆さんは、上司や先輩の「タネやしかけ」を貪欲に吸収するように頑張ってください。

例えば、社内の営業成績トップのメンバーに成約が取れる秘訣を聞いてみると、「特別なことをしているわけではない。相手にとって本当に必要なこと、ためになることは何か、それだけをずっと考え続けてご案内しているだけ」と言います。「相手に必要なことだけを考え続ける」というのは、ビジネスではなかなかできることではありません。本人にとっては当たり前でも、私に言わせると、それこそが「タネやしかけ」なのです。

私の経験から言うと、こうした「タネやしかけ」ができるまでには、「圧倒的な努力の積み重ね」や「試行錯誤」をしているはずです。こうした裏打ちがあるからこそ、会社にとって貴重な財産になり、競合他社には見破れない我が社の「強み」になるのです。

さあ、皆さんの持っている「タネやしかけ」は、どのようなものでしょうか?

以上(2022年6月)

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画像:Mariko Mitsuda