売買契約/改正民法が分かる(6)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像が知りたい
  • 解決策:売買契約のポイントを紹介(シリーズの他のコンテンツもあります)

1 契約不適合責任の新設

改正民法では、「瑕疵(かし)担保責任」が廃止され、「契約不適合責任」となりました。これに伴い、目的物が契約内容から乖離(かいり)している場合、買主に認められる請求の内容が増えました。売主にとっては負担が大きくなる改正です。そこで、本稿では、売主の視点から売買契約を締結する際に注意すべき点をまとめます。なお、契約不適合責任などの考え方については、次の記事をご参照ください。

1)責任が生じる場合の判断が変わり得る

契約不適合責任においては、合意の内容や契約書の記載だけでなく、契約を締結した目的や、締結に至る経緯など一切の事情が考慮されます(具体的な解釈はこれから積み上げられていきます)。なお、契約不適合を知らないことに関する無過失要件(「隠れている」要件)は不要です。

実務上、この点を踏まえて、売主は契約をした動機・目的・契約締結に至る経緯を明確にすることが重要になります。そこで、例えば、契約書の第1条で記載することが多い「契約の目的」の箇所に契約の動機などを記載することが考えられます(これはあくまで例示です)。

第1条(契約の目的)
本契約は、乙が顧客からの依頼を受け、サッカー選手○○、○○、○○全員のサインが入ったユニホームの購入を望んでいたところ、甲がその条件を満たすユニホームを保有していたことから、本売買契約の締結に至ったものである。

買主の動機などに沿わない(可能性のある)事項については、売主はその内容を特記することが望ましいでしょう。

第1条(契約の目的)
本契約は、乙が江戸時代に○○の手により制作された茶器の購入を望んでいたところ、甲がその条件を満たす茶器(以下、「本物件」という。)を保有していたことから、本売買契約の締結に至った。本物件は、○○の蔵に所蔵されており、本物件が入っていた箱には○○の銘があり、△△氏による鑑定書が付されている。ただし、同鑑定書には、○○の弟子である□□の手による作である可能性があると指摘されている。乙はかかる事情を承知した上で、本物件の購入を望むものである。

不具合などによる代金減額があればそれも明記すると望ましいでしょう。後で、その不具合を理由に、買主から売買価格が不合理だと主張された際の説明にもなります。

第○条(支払い)
本契約の売買代金は、○○円とする。本物件(*家)には、2階南側の部屋に南東の角からの雨漏りがあるが、乙はこの修繕を自身で選定した業者に依頼することを望んだため、本来の価格から乙の申告した工事代金相当額70万円を減額して、上記金額で合意したものである。

2)「瑕疵」という用語を使わない

細かい点ですが、契約書の中で「瑕疵」という用語を使わないことが望ましいでしょう。瑕疵を使う場合は、定義条項を置くようにしましょう。例えば、「本契約において『瑕疵』とは、種類または品質に関して契約の内容に適合しない状態をいう」といった文言が考えられます。

3)契約不適合責任を負わないという特約を検討する

買主が契約不適合であることを知っていたものについては、売主が責任を負わない旨の特約や、そもそも契約不適合責任を負わない旨の特約を検討します。

ただし、他の法令との整合性には留意が必要です。例えば、消費者との契約では消費者契約法が問題になります。消費者契約法第8条で、消費者契約に該当する場合、事業者の責任を全部免除するような条項などは無効となります。

また、不動産売買の場合は、宅地建物取引業法(宅建業法)や住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に反する定めは無効となるので、慎重な検討が必要です。

宅建業法第40条で、宅建業者が売主となる場合、民法(改正民法では第566条、旧民法では第570条において準用する第566条第3項)で定める責任期間を2年以上とする特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利になる特約は無効となります。

品確法第95条では、新築住宅の売買の場合、構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分の瑕疵担保責任について(1)修補請求を認め、(2)瑕疵担保責任期間を10年間とされ、(3)(1)、(2)と異なる買主に不利な特約は無効となります。

【追完の内容を買主が指定できる場合】

第○条(目的物の不具合)
1)乙(*買主)は、本物件に何らかの不具合(物件自体の機能、品質、性能などの不具合のみならず、第1条に定めた契約の目的に適合しない場合を含む。)がある場合、自ら指定した方法による追完請求をすることができる。
2)乙は、本物件の不具合が是正不能と考える場合には、前項の追完請求を行うことなく、自らの選択により、売買代金の減額の請求または本契約の解除を行うことができる。

4)追完請求の内容を検討する

追完請求については、何が追完の内容になるかで解釈が分かれることがあるため、特約を検討する際には注意が必要です。

例えば、売った土地に土壌汚染があり、契約に適合していなかった場合、土壌汚染への対応(工事)を求めることができるようになります。ただし、何が「追完」になるかが難しい問題です。盛り土をすれば追完となるのか、汚染土壌を掘削除去して完全に汚染除去することが必要となるのか、紛争になる恐れがあります。

そのため、売主は契約書において、追完方法をあらかじめ具体的に規定しておく、買主(売主)が追完内容を指定できるように規定しておく、修補に過大の費用(○○円以上、売買代金の○%以上)を要する場合には修補を行わないと明記するなどの対応を検討すべきでしょう。

なお、追完方法を選択するのは、原則として買主ですが、例外的に「買主に不相当な負担を課するものでないとき」には、買主の選択した追完方法と異なる方法での履行の追完が認められています(改正民法第562条)。

5)権利行使の期間が変更されたことに留意

旧民法では、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は瑕疵を知ってから1年以内に行わなければなりませんでした(旧民法第566条第3項等)。これに対して改正民法では、種類または品質に関する契約不適合を理由とする権利行使については、不適合の事実を知ってから1年以内に通知すればよく(改正民法第566条)、1年以内の権利行使は不要となりました。

そのため、種類または品質に関する契約不適合を理由とする権利行使については、通知さえしておけば、不適合の事実を知ってから5年以内、または不適合の事実があったときから10年以内という時効期間内に買主は権利行使をすればよいこととなりました(改正民法第166条)。

これにより、次のような違いが生じます。

旧民法では、買主は1年以内に権利行使することが必要でした。最高裁の判例で、具体的な不適合の内容、それに基づく損害賠償請求をする意思表明、請求する金額と根拠を示す必要があるとされていました(最判平成4年10月20日)。例えば、「購入した動産に○○という瑕疵があり、その修繕に少なくとも30万円かかるので、損害賠償として30万円を請求します」ということを、瑕疵を知ってから1年以内に示さなければなりませんでした。

これに対し、改正民法では、種類または品質に関する契約不適合を理由とする権利行使については、1年以内に契約不適合の通知だけをすればよくなりました。例えば、「購入した動産に○○という点で契約と異なる不備がありました」とだけ伝えておけば、知ってから5年以内であればいつでも買主は権利行使できます。

買主にとっては、1年以内の権利行使が必須でなくなるため、負担軽減となります。しかし、売主にとってはその間法的安定性が得られず、負担が重くなります。

当初は契約不適合の通知だけしかなかったとしても、買主からあらためて損害賠償などを権利行使される可能性が残っているということを売主は認識しておかなければなりません。

売主がこうしたリスクを低減するためには、契約書において権利行使の期間を制限することを検討すべきでしょう。

2 危険負担についての改正

改正民法では、危険負担における債権者主義(旧民法第534条)が廃止され、債務者主義に統一されました。改正前より、契約締結後引渡前の滅失・損傷について、契約で特約を定めることは、通常よく行われていることでしたが、ビジネスリスクを取引の実情に合わせて当事者間で調整する必要がある場合には、自社の契約書に、例えば次のような条項を設けておくことがよいでしょう。

第○条(所有権の移転)
○○(*売買目的物)の所有権は、第○条(代金の支払い)に定める代金のうち、○○年○月○日までに支払うべき分割金が支払われたときに甲(*売主)から乙(*買主)へ移転する。

第○条(危険負担)
1)乙(*買主)は、○○(*物件)の引渡までに、両当事者の責めに帰することのできない事由により○○が滅失、毀損した場合には、その限度で代金支払義務を免れる。
2)○○の所有権の移転後、甲(*売主)の責めに帰すべからざる事由により○○が滅失、毀損した場合、甲(*売主)は売買代金請求権を失わない。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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債務の履行/改正民法が分かる(5)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像が知りたい
  • 解決策:契約不適合責任や危険負担など債務の履行のポイントを紹介(シリーズの他のコンテンツもあります)

1 契約不適合責任の新設

1)契約不適合責任とは

改正民法では、「瑕疵(かし)担保責任」が廃止され、「契約不適合責任」が新設されました。契約不適合責任とは、特定物(取引の目的物として当事者が物の個性に着目した物)の売買(例えば、中古カメラ)か、不特定物(例えば、新品のカメラ)で分けることなく、目的物が契約内容から乖離(かいり)していることに対する責任です。

この改正により、買主が請求できる内容が増えました。旧民法では、目的物の欠陥に関する買主の救済手段は損害賠償請求と解除の2種類でしたが、これらに加えて、追完請求権や代金減額請求が可能となりました。

追完請求権とは、「代替物を引き渡せ」「不足分を引き渡せ」「目的物を修補せよ」といった債務の完全履行を請求する権利です(改正民法第562条第1項)。改正民法では、売主が契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、追完が不能であったり、不相当な負担が生じたりするときを除き、買主には追完請求権が認められました(買主の追完請求に対する売主の責任は無過失責任)。

また、売主が契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、買主の責めに帰すべき場合を除き、新たに代金減額請求権が認められました(改正民法第563条第1項、第2項)。代金減額請求権は、基本的には履行の追完がなされないときの二次的な救済策との位置付けです。

なお、追完請求権または代金減額請求権を行使しても、損害賠償の請求および解除権を行使することはできます(改正民法第564条)。

2)実務上の留意点

売主は、買主に追完請求を許すことで、場合によっては大きな負担となったり、対応が煩雑になったりすることがあります。そこで、売買契約において、買主が契約不適合であることを知っていた場合(例えば、売買契約上は、商品は仕様書に基づくと定められているものの、複雑な仕様のため、実際には仕様書と異なる点があることを売主は知らず、買主だけがそれを認識していたような場合等)について、一定の場合には責任を負わない特約を置いたり、契約不適合責任そのものを排除する特約を置いたりすることが考えられます。

また、追完請求権そのものを排除しないとしても、追完請求権の内容を特定することも考えられます。例えば、デザイナーの装飾を付したカメラを販売した場合、代替物を用意するが、同水準の別のデザイナーの装飾となるなどです。他には、追完請求権は排除しないが、補修に過大の費用(○円以上、売買代金の○%以上)を要する場合には、補修を行わないと明記することも考えられます。

また、売主としては、契約の交渉経緯や契約の動機を証拠に残すことが必要です。買主は契約に適合しないと主張して責任を請求してきますが、「契約に適合するかどうか」の解釈は、合意の内容や契約書の記載内容だけでなく、契約の性質(有償か無償かを含む)、当事者が契約をした目的、契約締結に至る経緯をはじめ、一切の事情を考慮して評価・判断されると考えられます。そのため、契約過程でどのようなやり取りをしたかを記録しておくことや、契約書に契約締結過程について記載しておくことが重要です。

なお、細かい点ですが、瑕疵担保責任は廃止されたので、契約書の中では「瑕疵」という用語を使わないことが望ましく、従前のひな型を使いたいなどの理由により、「瑕疵」という用語を残す場合は、定義条項を置きましょう。例えば、「本契約において『瑕疵』とは、種類または品質に関して契約の内容に適合しない状態をいう」といった文言が考えられます。

2 危険負担における債権者主義の廃止

1)危険負担とは

危険負担とは、債務者の責めに帰することができない事由により、目的物が滅失・損傷などによって履行不能となった場合、その危険(リスク)を誰が負担するのかという問題を指します。旧民法では、債権者がその危険を負担することとなっていました(特定物に関する物権の設定または移転を目的とする双務契約における場合)。

例えば、売買契約の締結後に、売主が買主に建物を引き渡す前に、火災などにより当該建物が滅失したとします。このとき、建物は引き渡せないため売主の建物引渡義務は消滅しますが、債権者である買主の代金支払義務は消滅しませんでした(いわゆる債権者主義)。

改正民法では、この第534条を削除しました。前述の例でいうと、買主は、そのまま代金を支払わないか、契約を解除することができるようになりました。

2)実務上の留意点

改正によって条文などは大きく変わりました。しかし、旧民法の結論(債権者主義)は、通常の意思に反し合理性に欠けることから、以前から、契約締結後引渡前の滅失・損傷について旧民法第534条の適用を回避するために、契約で特約を定めることが一般的でした。そのため、実務への影響は実質的にはあまり大きくはないと思われます。

まずは、自社が標準的に使用している契約書などにおいて、そのような特約が盛り込まれているかを確認しましょう。

3 危険負担における債務者主義についての改正

特定物に関する物権の設定または移転を目的とする双務契約については、債権者主義が適用されます。それ以外の契約については、債務者主義が採用されており、それ自体は変わりません。債務者主義とは、当事者双方の責めに帰することができない事由により一方の債務の履行が不能となったときは、他方の反対給付債務も消滅するというものです。例えば、ある建物の補修について契約を締結したものの、工事前に不可抗力で建物が全壊してしまい、補修工事ができなくなった場合、債権者である建物オーナーの工事代金支払債務も消滅します。

この点について、旧民法では、自動的に債務が消滅していたのに対し、改正により、債権者が反対給付債務の履行を拒むことができると定めるにとどめ、自動的に債務が消滅しないこととなりました。ただし、債権者は、債務の履行が不能である場合は、債務者の帰責事由を問うことなく、契約解除をすることができ、これにより自己の反対給付債務を消滅させることが可能となります。

例えば、建物が全壊して補修工事ができなくなった場合、旧民法では、債務が自動的に消滅するので、債権者は特段の手続きは必要ありませんでした。これに対し、改正民法では債務は自動的に消滅しないため、自己の反対給付を拒むだけではなく、消滅させるには契約解除の手続きが必要となります。

なお、本稿で紹介した契約不適合責任や危険負担についての改正を踏まえた売買契約のポイントについては、次のコンテンツが参考になります。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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画像:pexels

債権者代位権、詐害行為取消権、債権譲渡/改正民法が分かる(4)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像が知りたい
  • 解決策:債権者代位権、詐害行為取消権、債権譲渡のポイントを紹介(シリーズの他のコンテンツもあります)

1 債権者代位権

1)債権者代位権とは

「債権者代位権」とは、債権者が自己の債権について十分な弁済を受けるために、債務者が他人に対して持つ権利を代わって行使する権利であり、債権回収策の1つとして利用されます。

例えば、債権者(A)が債務者(B)に債権を持ち、債務者(B)がBの取引相手(C)に唯一の財産である債権(売掛金300万円)を有する場合、民法上の要件を満たせば、債権者(A)は債務者(B)に対する債権を回収するため、債務者(B)に代わってBの取引相手(C)に対する権利を行使できます。

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(注)同じ者でも「債権者」や「債務者」など、立場によって異なる場合がありますが、便宜上、以降では、「債権者(A)」など、図表の表記に基づいて記載しています。

このとき、債権者(A)がBの取引相手(C)から受領した金銭などは、自己の財産とはならず、債務者(B)に返還しなければなりません。ただし、この返還すべき債務と、自身の債務者(B)に対する債権を相殺することができます。これにより、債権者(A)は、事実上、他の債務者に優先して債権を回収することができます。これを「事実上の優先弁済機能」といいます。

なお、改正民法では、債権者代位権が行使された場合、債務者(B)の処分権限は制限されないものと規定されました(改正民法第423条の5)。つまり、当該債権については、Bの取引相手(C)が債権者(B)に対してのみ、支払いをすればよいこととなり、債権者(A)から見ると、事実上の優先弁済機能が制限されます。

2)債務者(B)の取引相手(C)に対する権利を差押さえる

旧民法では、債権者(A)は、債権者代位権の行使に着手し、債務者(B)に対し、その旨を内容証明郵便などで通知するだけで、債務者(B)の処分権限を失わせることができました。

しかし、改正民法では債務者(B)の処分権限は制限されません。そのため、内容証明郵便などで通知するだけでは、債務者(B)とBの取引相手(C)との間で債権債務が処分されてしまう恐れがあります。そこで、債権者(A)の立場であれば、債権者代位権行使を確実にするため、債務者(B)の取引相手(C)に対する債権の仮差押さえを検討する必要が生じる場合もあるでしょう。

改正民法施行日前に、債務者に属する被代位権利が生じた場合に係る債権者代位については、旧民法が適用されます(附則第18条第1項)。前述の例でいうと、(B)(C)間の権利発生が2020年3月以前であれば旧民法が、2020年4月以降であれば改正民法が適用されます。

2 詐害行為取消権

1)詐害行為取消権とは

「詐害行為取消権」とは、債権者が債務者の行為を一定の要件の下、取消すことができる権利です。詐害行為取消権を行使するためには、裁判所に取消しの訴えを提起する必要があります。この詐害行為取消権も、債権回収策の1つです。

例えば、債権者(A)が債務者(B)に債権を有し、債務者(B)が唯一の財産である不動産を受益者(C)に無償で譲渡(贈与)した場合、民法上の要件を満たせば、債権者(A)は債務者(B)への債権を回収するため、債務者(B)が行った受益者(C)に対する贈与行為を取消すことができます。

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2)詐害行為取消権の要件と効果

1.詐害行為取消権の要件(改正民法第424条~第424条の5)

詐害行為取消権は、典型的には、債務者が債権者への債務弁済ができなくなるような財産処分(財産減少行為)を行った場合に、当該財産処分行為を取消して、債務者のもとに当該財産を取り戻す権利として認められています。

改正民法においては、前述の場合の他、破産法における否認権の行使に関する規定を参考に、一見すると、債権者への債務弁済ができなくなるような財産処分行為とはいえないものの、実質的にみて、その恐れがある場合を類型化して、一定の要件のもと、詐害行為取消権を認めています。具体的には、以下のような場合になります。

  • a.相当の対価を得て財産を処分した場合(例:不動産を市場価格で売却し、現金化する場合)
  • b.特定の債権者に対して担保の供与などを行った場合(例:特定の債権者に対して、事後的に債務者が有する不動産に抵当権を設定する場合)
  • c.過大な代物弁済を行った場合(例:1000万円の金銭債権しか有しない債権者に対して、1500万円の価値がある不動産を代物弁済する場合)

また、転得者(例えば、債務者(B)が受益者(C)に対して不動産を贈与した場合、その不動産をさらに受益者(C)から譲り受けた転得者(D)や、転得者(D)からさらに譲り受けた者)に対する詐害行為取消権が認められるための要件が明確になりました。

さらに、受益者および転得者のうち1人でも善意の者がいれば、債権者は詐害行為取消権を行使できないこととされました。これにより、詐害行為取消権を行使する際は、財産を保有している転得者だけでなく、その前者(例えば、転得者(D)に不動産を贈与した受益者(C))の全員が詐害行為について悪意であることを確認する必要があります。

ただし、転得者(D)は自ら悪意だと認めることはないでしょうから、この点が訴訟でどう判断されるかがポイントとなります。そのため、行為の態様、財産状況、債務者と受益者との関係(いくらで譲渡したか、譲渡を受けたシチュエーションは自然なものか、同居の親族など事情をよく知っている人ではないか)などを確認し、訴訟(詐害行為取消訴訟)でどう判断される見込みなのかを弁護士と協議した上で進めることになるでしょう。

2.詐害行為取消権の行使の方法および範囲(改正民法第424条の6~9)とその効果(改正民法第425条~第425条の4)

改正民法では、受益者(C)または転得者(D)を被告として訴訟を提起すると、その判決の効力が債務者(B)に及ぶこととされ(改正民法第425条)、その前提として債権者(A)から債務者(B)に対して訴訟告知することが必要とされました(改正民法第424条の7第2項)。

実務上、訴訟において債務者(B)への訴訟告知を忘れないように注意しましょう。また、債務者(B)が所在不明の場合などは、住民票の調査や、住民票上の住所の現地調査などによる所在調査をする必要があり、債務者(B)への送達が速やかにできなければ、その分訴訟に時間がかかってしまいます。

3.詐害行為取消権の期間の制限(改正民法第426条)

改正民法では、詐害行為取消訴訟を提起する期間の制限が変更されました。出訴期間(提訴手続きを取ることのできる期間)は「債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年」および「行為の時から10年」です。

旧民法では内容証明郵便で請求をするだけで、6カ月間時効完成を防ぐことができましたが、改正民法では期間内に提訴手続きを取らなければならないため、十分注意しましょう。

3 債権譲渡

1)債権譲渡とは

「債権譲渡」とは、債権者が保有する債権を第三者に譲渡することをいいます。債権譲渡も、債権回収の方策の1つとして利用されています。

例えば、債権者(A)が債務者(B)に債権を持ち、債権者(A)がこの回収をしたいと考えたとします。しかし、「支払期限が到来していない」「債務者(B)の資力が不十分で支払ってくれない」といった場合に、債権者(A)は債権を第三者の(C)に譲渡して債権譲渡対価を得て、回収を図ることがあります。

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2)債務者(B)の立場は要注意

前述のケースにおいて、債務者(B)としては、譲渡制限があることを理由に譲受人(C)への支払いを拒絶し、譲渡人(A)への支払いをすることも考えられます。しかし、譲渡制限の意思表示がなされたことについて譲受人(C)の悪意または重過失がなければ、支払拒絶は認められず、譲受人(C)に対して支払うこととなります。とはいえ、債務者(B)の立場から、譲受人(C)に悪意または重過失があるか否かを判断するのは容易ではありません。

また、債務者(B)が譲受人(C)に支払うべき債権金額を譲渡人(A)に支払った場合、間違った者に対する弁済となってしまい、譲受人(C)からの当該債権に関する支払いを拒むことができません。その結果、既に債権者ではない譲渡人(A)に支払い、現時点での債権者である譲受人(C)にも支払うという二重払いのリスクが顕在化します。この場合、債務者(B)は、譲渡人(A)に対して、「理由のない支払いだから金銭を返還せよ」と請求するでしょうが、譲渡人(A)が無資力の場合、債権の回収は困難となります。

そのため、誰に支払うべきかを安易に判断して弁済するのではなく、改正民法第466条の2に基づき、供託という手段を取るほうが賢明な場合もあるでしょう。

また、譲受人(C)は、譲渡人(A)に破産手続開始決定があったとき、債務者(B)が本来弁済を受けることができない譲渡人(A)に弁済をしてしまうと、債権回収が不能になるなどの無用な争いに巻き込まれる恐れがあることから、改正民法においては、譲受人(C)が債務者(B)に対して、債権全額に相当する金銭を供託するよう求めることができる規定が新設されました(改正民法第466条の3)。そのため、譲受人(C)は、かかる制度を利用して、確実に債権回収ができるように策を講じることも一つでしょう。

債務者(B)の立場で、譲受人(C)から供託請求があった場合、たとえ譲渡人(A)に裁判所の選任した破産管財人から債権金額を支払うよう請求があったとしても、その支払請求に応じてはならず、譲受人(C)の請求通り供託しなければなりません。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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【朝礼】結局、他人のせいにしていませんか?

最近、「心理的安全性」「エンゲージメント」などの言葉をよく聞きます。社員が安心して発言できる雰囲気づくりや、会社への愛着心を高めてもらう施策が、これからの組織運営上、重要なテーマになると私も認識しています。

だからこそ、今朝はあえて皆さんに苦言を呈したいと思います。

当社の行動指針に「少しのムダと思いやり」というものがあります。困っている同僚がいたら、率先してサポートできる組織でありたい。また、忙しいときに手を差し伸べられた人は、「自分でやったほうが早い」などと言って相手の厚意を台なしにせず、自分の仕事を説明し、一緒に仕事をしてもらいたい。説明などで多少のムダが出て通常より時間がかかってもいい。互いを思いやる気持ちを持った組織こそ、私が求める理想の姿です。そして、この考えを定着させるために、組織への貢献を把握し、賞与査定に反映しているのです。

ここで考えたいのは、同僚をサポートするときの皆さんの気持ちです。「賞与が上がるぞ!」と期待していますか。あるいは、「大して賞与に反映されない」と不満ですか。それとも、元来の優しい性格で、リターンなどは求めていませんか。

この手の話をするとき、よく取り上げられるのが「コブラ効果」です。19世紀、イギリスはインドを支配していました。当時のインドにはコブラが多く生息していて危険だったので、イギリス政府はコブラ退治に報奨金を出しました。

すると市民は率先してコブラを退治し、その数は順調に減っていきました。ところが、もっと報奨金をもらいたいと考えた市民は、なんと自分たちでコブラを飼育し始めたのです。それを知り憤慨したイギリス政府は、報奨金を廃止します。すると市民は、無価値となったコブラを野に放ってしまいます。その結果、皮肉にも、コブラの数が以前よりも増えてしまいました。

行動の対価としてリターンを求め、リターンがなくなれば態度が変わることを私は否定しません。むしろ、人間として自然です。ただ、忘れてならないのは、「相手も、こちらにリターンを求めていることがある」という事実です。

話を戻しますが、会社が心理的安全性などを確保しようと取り組むのはなぜなのか、皆さんは少しでも考えたことがありますか。

それは、皆さんに「当たり前のことが、当たり前のようにできる戦力になってほしい」と期待しているからです。会社から見ると、会議で一言も発言しないとか、十分な顧客対応ができない社員は戦力外です。そして、皆さんがそれをできない理由が、心理的安全性にあると聞けば、会社は本気で心理的安全性を確保しようとするわけです。

皆さんが会社にリターンを求めるように、会社も皆さんに求めています。心理的安全性もエンゲージメントも、会社の努力だけでは決して高まりません。会社と皆さんの相互理解、そしてたゆまぬ努力が不可欠なのです。

以上(2020年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

続・用語が分かれば理解しやすい! 民法改正を読み解く用語集

書いてあること

  • 主な読者:分かるようで分からない民法の用語を正しく理解したいビジネスパーソン
  • 課題:日常で使用している用語と意味が違ったり、聞き慣れなかったりする用語が多い
  • 解決策:弁護士がピックアップした、要注意な用語から押さえる

このシリーズでは、民法で頻出する次の用語の意味を、前後編に分けてご紹介しています。

  • 前編で紹介している用語
    法律全般(内容証明郵便、公正証書、供託、確定期限、条件付法律行為(停止条件・解除条件)、信義則、権利の濫用、善意、悪意、権限、権原、重過失、錯誤、心裡留保、取消し、無効、地位の移転、地位の留保、特定物・不特定物)、時効(時効、時効期間、時効の完成、時効の完成猶予と更新)、保証(保証、根保証、極度額、個人貸金等根保証契約)
  • 後編で紹介している用語
    債権総論(債権者代位権、詐害行為取消権(債権者取消権))、取引総論(無過失責任、契約不適合責任、危険負担、不可抗力、反対給付)、契約各論(双務契約、要物契約、有名契約(典型契約)、無名契約(非典型契約)、定型約款、消費貸借契約、委任契約、請負契約)、執行・保全(仮差押え、差押え)
本稿は後編です。
前編については、次のコンテンツに記載されています。合わせてお読みください。

1 債権総論

1)債権者代位権

債権者代位権とは、債権者が自己の債権について十分な弁済を受けるために、債務者が他人に対して持つ権利(被代位権利)を代わって行使する権利のことをいいます。例えば、債権者が債務者に債権を有し、債務者が取引相手に唯一の財産である債権を有する場合、民法上の要件を満たせば、債権者は債務者に対する債権を回収するため、債務者に代わって取引相手に対する権利を行使できます。これにより、事実上他の債権者よりも優先して弁済を受けられるようになります(事実上の優先弁済機能)。

2)詐害行為取消権(債権者取消権)

詐害行為取消権とは、債権者が債務者の行為を一定の要件の下、取消すことができる権利です。詐害行為取消権を行使するためには、裁判所に取消しの訴えを提起する必要があります。典型的には、債務者が債権者への債務弁済ができなくなるような財産処分(財産減少行為)を行った場合に、当該財産処分行為を取り消して、債務者の元に当該財産を取り戻す権利として認められています。

2 取引総論

1)無過失責任

損害の発生について故意・過失がなくても損害賠償の責任を負うことをいいます。民法上の原則は、損害賠償責任を負うのは故意・過失がある場合と考えられているため、無過失責任は例外的な場合といえるでしょう。

2)契約不適合責任

契約不適合責任とは、例えば、商品に品質不良や品物違い、数量不足などの契約内容に適合しない不備があった場合に、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。契約不適合がある場合、買主は売主に対して追完(目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡し)を請求でき、これにもかかわらず追完がなされないときは、不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができるとされました。

3)危険負担

危険負担とは、売買等の双務契約が成立した後に、一方の債務が債務者の責めに帰することができない事由で履行ができなくなってしまった場合に、そのリスクを当事者のいずれが負担するかという問題をいいます。改正民法においては、債務者主義が原則となり、債務の履行不能についてのリスクは債務者が負担しなければならないことになりました。例えば、ある商品の引渡し前に震災により商品が滅失してしまい、買主(債権者)は商品を受け取れなくなった場合、売主(債務者)への支払義務がなくなります。

4)不可抗力

不可抗力とは、外部から発生した事実で、通常要求される注意や予防を講じても、損害を防止できない力や事態をいいます。

5)反対給付

例えば、売買契約において、買主の金銭給付(代金支払い)に対し売主が売買目的物を買主に交付する給付のことを反対給付といいます。

3 契約各論

1)双務契約

契約の当事者の双方が、互いに対価的な債務を負担する契約をいいます。

2)要物契約

契約を締結する当事者の合意の他に、目的物の引渡しが契約を有効に成立させるための要件となっている契約をいいます。

3)有名契約(典型契約)

売買契約、賃貸借契約等の、法律に名称や内容が規定されている契約類型をいいます。

4)無名契約(非典型契約)

有名契約以外の契約類型をいいます。契約自由の原則の下、当事者間に合意があれば、基本的にはどのような内容の契約も有効と考えられています。

5)定型約款

ある特定の者が、不特定多数を相手方とし、取引内容の全部または一部が画一的であることが双方にとって合理的な取引において、取引契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体を定型約款といいます。鉄道・バス・航空機などの旅客運送で定められている運送約款や電気の供給取引などにおいて定められている電気供給約款などがこれに該当します。

6)消費貸借契約

消費貸借契約とは、借りた物と同じ物を、同じ数量を返却することを約束して、物や金銭を貸借する契約をいいます。

旧民法において、消費貸借契約は、要物契約であるとされていました。しかし、実務上、判例で無名契約としての諾成的消費貸借契約が認められていたこともあり、改正民法では、書面または電磁的記録による諾成的消費貸借の規定が設けられました。

7)委任契約

委任契約とは、一定の法律行為としての事務を行うことを委託する契約をいいます。報酬は原則無償となりますが、契約内容で報酬について特約がある場合は、それに応じて報酬を支払うことになります。

8)請負契約

請負契約とは、仕事を完成する契約をいいます。請負人は、業務を行うだけではなく、発注側が求めた仕事を完成させて、納品する必要があります。

4 執行・保全

1)仮差押え

訴訟を提起して判決を得る前に、あらかじめ相手方の財産を保全しておくために暫定的に行う差押えを仮差押えといいます。これにより債務者は、仮差押えの対象となった財産の処分を禁止されます。仮差押えが認められると債務者が観念して任意の弁済に応じることも少なくなく、それゆえ、仮差押えは、債権回収の有効な手段の1つと考えられています。

2)差押え

法律に基づく強制力をともなった債権回収方法で、債務者が有する特定の有体物または権利について、事実上・法律上の処分を禁止し、回収することをいいます。

「信義則」「時効期間」などは次のコンテンツに記載されています。合わせてお読みください。

以上(2020年11月)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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法定利率/改正民法が分かる(3)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像が知りたい
  • 解決策:法定利率のポイントを紹介(シリーズの他のコンテンツもあります)

1 法定利率の改正

1)法定利率とは

法定利率とは、利息の発生に関する当事者の合意があるものの、利率が合意によって定められていない場合や、法律の規定により利息が発生する場合に適用される利率です。旧民法では年5分(5%)でしたが、改正民法では変更されました。

簡単にまとめると、「当初の法定利率を年3%とする。その後、市場金利の過去5年間の平均値が、前回法定利率を見直したときより1%以上変動したら、その分だけ法定利率を加減する」となります。より厳密には、次の通りです。

  • 改正民法施行後、法定利率は(まず)年3%とする。
  • その後、3年を1期として、1期ごとに法定利率を見直す。
  • 各期の法定利率は、「法定利率に変更があった期のうち直近のものの基準割合」と、「当期の基準割合」との差に相当する割合(その割合に1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる)を、直近変動期の法定利率に加算・減算した割合とする。
  • この基準割合は、短期貸付けの平均利率の過去5年間(厳密には「各期の初日の属する年の6年前の年の1月から前々年の12月まで」)の平均値とする(法務大臣が告示する)。

債権の利率は、別段の意思表示がない限り、その利息が生じた最初の時点の法定利率で固定し、その後は変動しません(改正民法第404条第1項)。また、民法の改正に伴い、商法で定められていた、いわゆる商事法定利率・年6%は廃止されました。

2)契約で利率、遅延損害金を定める

法定利率は1期(3年)ごとに見直されるので、取引相手との合意によって利率を定めておかなければ、たとえ同じ取引先・同じ取引内容であっても債権ごとに利率が異なる可能性があります。

実務上、契約書では、約定利率、遅延損害金利率を定めていることが一般的です。しかし、注文書と受注書だけで取引をしている場合や、契約書締結の負担感を下げるため、あえて簡便な契約書を用いているような場合、利率、遅延損害金の定めがないこともあります。注文書などの書面を確認し、約定利率、遅延損害金利率を定めるようにしましょう。

2020年4月1日より前に利息が生じた場合、旧民法の法定利率、2020年4月1日以降に利息が生じた場合、改正民法の法定利率の規定が適用されます。

2 中間利息の控除の改正

中間利息の控除の計算において、損害賠償の請求権が生じた時点の法定利率が適用されることになりました(改正民法第417条の2)。中間利息の控除の概念に関する詳細は割愛しますが、これは逸失利益の請求額などに大きく影響します。

交通事故の逸失利益の場合で考えてみましょう。被害者が将来30年間にわたり得るはずだった収入を年3%の場合の現在価値に割り引くと、年収約19.6年分となります。利率年5%で計算した場合は年収約15.4年分であり、約4.2年分も賠償額が大きくなります(19.6年-15.4年)。年収500万円の方を前提とすれば、単純計算で、賠償額が2100万円近く変わることになります。これは、労災事故が起きたといった場合に会社が負うべき賠償額についても同じです。

このような賠償義務のリスクを軽減するため、損害保険への加入や、すでに加入している場合は補償内容の見直しの検討も必要かもしれません。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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時効/改正民法が分かる(2)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像を知りたい
  • 解決策:時効のポイントを紹介(シリーズの他のコンテンツもあります)

1 原則的な消滅時効期間と起算点の改正

1)消滅時効とは

消滅時効とは、一定期間行使されない権利を消滅させることです。改正民法第166条第1項では、次のいずれか早い時点で消滅時効が完成すると定められました。

  • 旧民法と同じく、権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年間の時効期間
  • 権利を行使することができることを知った時(例えば、代金などを請求することができることを知った時。債権者の主観を基準とするので、主観的起算点という)から、「5年」が経過した場合

まず、確定期限の定めのある債権です。これは、合意内容として弁済期が○年○月○日と定まっている場合であり、債権者は具体的な弁済期を認識しています。弁済期に支払いがなければ、即座に債務者に対して支払いを命じることができます。つまり、「権利を行使することができることを知った時」が、弁済期(厳密には弁済期が経過した翌日)であり、この日から5年間で消滅時効が完成します。

次に、不確定期限の定めのある債権や条件の定めのある債権です。例えば、Aさん(債務者)が新しい車を買ったら、Bさん(債権者)に古い車をあげるという約束をしたとします。Bさん(債権者)は、Aさん(債務者)から車を買ったと聞いて初めて、条件の成就を知ります。この場合、「債務者が車を購入したときから10年間」「債務者が車を購入したことを知ったときから5年間」のいずれか早いタイミングで消滅時効が完成します。

最後に、期限の定めのない債権です。例えば、代金について、いつでも請求されたら支払うと合意した場合です。この場合、原則としていつでも権利を行使でき、債権者もそのことを合意時から知っているので、合意時から5年間で消滅時効が完成します。

2)実務上の留意点

時効期間と起算点の判断は複雑ですが、債権者は「これまでの消滅時効期間に加えて、『知った時から5年』という消滅時効期間が追加された。これによって消滅時効の完成が早くなることがある」ことを押さえておきましょう。また、条件が成就した場合や期間の定めがない場合、この事実を債権者に知らせることで、そこから5年で消滅時効が完成するという点も重要です。

補足ですが、改正民法では商行為によって生じた債権についての規定は削除され、同債権についても改正民法第166条第1項が適用されます。

3)経過措置

2020年4月1日より前に債権が生じた場合またはその発生原因である法律行為が既に行われている場合、その債権の消滅時効の期間については、旧民法が適用されます(附則第10条第4項、第1項)。

2 職業別の短期消滅時効の廃止

旧民法で定められていた、職業別の短期消滅時効については廃止され、前述した「1 原則的な消滅時効期間と起算点の改正」の内容に統一されました。職業別の短期消滅時効とは、「医師の診療報酬債権や工事に関する債権は3年間、生産者や卸売商人・小売商人が売却した代金債権などは2年間、旅館や飲食店の宿泊料や飲食料については1年間」とされていた消滅時効のことです。

3 生命・身体侵害による損害賠償請求の消滅時効の改正

改正民法では、人の生命または身体の侵害による(債務不履行を理由とする)損害賠償請求権の消滅時効は、「主観的起算点から5年間、権利を行使することができる時から20年間」とされました(改正民法第167条)。生命・身体という法益の重要性を考慮し、これらの侵害による損害賠償請求権の行使については長い消滅時効期間が定められました。

また、人の生命または身体を害する「不法行為を理由とする」損害賠償請求権についても、「1.被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から5年間」「2.不法行為の時から20年間」の、いずれか早い時点という時効期間が設けられています(改正民法第724条の2および改正民法第724条)。旧民法より時効期間が長くなり、被害者救済の余地が広がりました。

なお、改正民法第724条の2の規定については、経過措置に注意しましょう。旧民法の3年の短期消滅時効が改正民法の施行日(2020年4月1日)時点で完成していない場合、時効期間は5年間になります(改正民法が適用されます)。

4 協議を行う旨の合意による時効の完成猶予の新設

改正民法では、協議が行われている場合に、時効が完成しないよう猶予する制度が新設されました(改正民法第151条)。この制度を利用する場合、「協議を行う旨の合意が存在すること」および「その合意が書面でされること」が必要です(合意は電磁的記録によるものも含みます(改正民法第151条第4項))。この合意があれば、次のいずれか早い時まで時効は完成しません。

  • その合意があった時から1年を経過した時(改正民法第151条第1項第1号)
  • 合意において当事者が協議を行う期間(1年に満たないものに限る)を定めたときは、その期間を経過した時(改正民法第151条第1項第2号)
  • 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から6カ月を経過した時(改正民法第151条第1項第3号)

なお、この制度を利用して書面で合意したものの協議が整わず、さらに協議を続けたい場合は、猶予期間中に再度書面による合意をすることで、猶予期間をさらに延長することができます。延長は通算して5年間までです(改正民法第151条第2項)。

時効完成が迫っているが協議が継続している場合、これまでのように訴訟提起をするのではなく、協議の合意書面を作成します。合意書面の例は次の通りです。

【協議合意書(例)】

甲および乙は、甲が乙に対して主張する○○に係る○○請求権(以下「本件請求権」という。)につき協議が続いているところ、本件請求権の時効の完成猶予のため、本件請求権の存否、内容、履行条件などについて協議を行う旨を以下の通り合意する。

第1条
甲および乙は、本件請求権について協議を行う旨相互に確認する。

第2条
甲および乙は、本合意書締結日から10カ月が経過するまで(【○年○月○日まで】)または協議が成立するまでのいずれか短い期間、前条の協議を行う。

第3条
甲および乙は、乙が、本合意により、本請求権につき何らの承認をしたものでもなく、消滅時効の援用権を放棄したものでもないことを確認する。

本合意書の締結を証するため本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上各自1通を保有する。

○年○月○日
  甲・・・
  乙・・・

なお、この規定は、改正民法の施行日前に権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされた場合は適用されません(附則第10条第3項)。

5 天災などによる時効の完成猶予の改正

時効期間の満了前に、天災その他避けることができない事変のために時効中断手続きを行うことができないときは、その障害が消滅した時から一定期間が過ぎるまで、時効は完成しません。改正民法では、この時効完成猶予期間を、「その障害が消滅した時から3カ月を経過するまでの間」としました(改正民法第161条)。実務上も、その障害が消滅したときから3カ月以内に、時効中断のための対応を行う必要があります。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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保証、定型約款、錯誤/改正民法が分かる(1)

書いてあること

  • 主な読者:2020年4月に改正された民法のポイントを知りたい経営者
  • 課題:改正の断片的な情報しか把握していないので、全体像を知りたい
  • 解決策:保証、定型約款、錯誤のポイントを紹介(シリーズの他コンテンツもあります)

1 保証の改正

1)個人根保証契約とは

保証契約とは、主債務者がその債務の支払をしない場合に,主債務者に代わって支払をする義務を負うことを約束する契約です。保証契約にはいくつか種類があり、その中でも根保証契約とは、一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約をいいます。個人根保証契約とは、個人(保証人が法人ではないもの)の根保証契約のことです。根保証とは、継続的な取引から生じる不特定の債務(保証の対象となる債務、主債務のこと)を保証するものです。

旧民法第465条の2では、根保証契約のうち、個人貸金等根保証契約についてのみ、極度額を付す必要がありました。個人貸金等根保証契約とは、貸金等債務(金銭の貸し渡しまたは手形割引を受けることによって負担する債務)について個人が根保証するものです。改正民法では、これに限らず、全ての個人根保証契約で極度額を定めなければならず、これがなければ、保証の効力は生じません(改正民法第465条の2第2項)。

例えば、不動産賃貸借契約、継続的取引契約における代金支払債務などでは、個人が根保証しているケースが多いので、極度額の設定が必要になります。ただし、極度額があまりに高額だと公序良俗違反(改正民法第90条)として無効になる恐れがあるので、弁護士などの専門家のアドバイスを受けるとよいでしょう。

なお、2020年3月以前に締結された契約は旧民法が適用されますが、更新または再契約の場合は留意が必要です。このタイミングで新たな根保証契約が締結されたものと評価されるのであれば、保証の効果が失われないように極度額を定める必要があるからです。

2)事業資金の個人保証における公正証書の作成

事業のために負担した貸金等債務を個人保証する場合や、主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる個人根保証をする場合、原則として、契約締結日前1カ月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ、保証契約の効力は生じません。

この改正は、保証人の保護のために行われました。事業資金の貸付金の保証や、事業のための債務の根保証は金額が大きくなりがちですが、それを十分に認識しないまま保証を行った結果、生活の破綻を余儀なくされるケースがあります。そこで、保証債務履行の意思を厳格な手続きで確認することになったのです。

ただし、例外があります。いわゆる「経営者およびこれに準ずるもの(主債務者が法人の場合における理事や取締役等、主債務者が個人の場合における共同事業者等)」が保証人となる場合は、公正証書を作成しなくても保証契約を締結できます(経営者保証等の例外・改正民法第465条の9の各号)。

3)主債務者の情報提供

改正民法では、主債務者は、事業のために負担する債務について保証人になることを委託する場合は、相手(個人のみ)に、財産・収支・負債の状況などの事項に関する情報を提供する義務が定められました(改正民法第465条の10第1項)。提供すべき情報は次の通りです。

  • 財産および収支の状況
  • 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額および履行状況
  • 主たる債務の担保として他に提供し、または提供しようとするものがあるときはその旨およびその内容

主債務者が情報提供をしなかったり、事実と異なる情報を提供したりしたために、委託を受けた保証人がその事項について誤認をし、それによって保証契約を締結したとします。この場合、債権者が、主債務者の情報不提供や不実情報提供の事実を知りまたは知ることができたときは、保証人による保証契約を取り消すことができます(改正民法第465条の10第2項)。

このような理由による取消しの主張を防ぐため、保証契約締結の際の手続きに注意しましょう。同時に、保証契約書の中で係る義務が履行されたことを確認する文言を入れ、手続きが正しく履行された旨を書面に残すといった対応を検討するべきでしょう。

2 定型約款の新設

1)定型約款とは

大量の定型的な取引を迅速かつ効率的に行うため、一方の契約当事者があらかじめ一定の契約条項を定めた約款を用いる取引が広く行われています。しかし、旧民法には、約款に関する規定がなく、法的拘束力を認める根拠が明らかではありませんでした。

そこで、改正民法では、一定の要件を満たす約款を「定型約款」とし、法的拘束力を認めることとしました(改正民法第548条の2ないし第548条の4)。定型約款とは、次の要件に該当するものをいいます(改正民法第548条の2第1項柱書)。

  • ある特定の者が、不特定多数を相手方とし、
  • 取引内容の全部または一部が画一的であることが双方にとって合理的な取引において
  • 取引契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体

具体的な取引類型としては、鉄道・バス・航空機などの旅客運送、電気・ガス・水道の供給取引、保険取引、預金取引が挙げられる他、旅行、宿泊、ソフトウエア購入ライセンス、上記1、2を満たすインターネット経由の取引なども考えられます。

2)みなし合意の要件と不当条項

上記1)の1、2を満たす「定型取引」を交わすことに合意した者は、次のいずれかの要件を満たすことで、定型約款の各条項について合意があったとみなされます。

  • 定型約款を契約の内容とする旨の合意をした場合(改正民法第548条の2第1項第1号)
  • 定型約款を準備した者が、あらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していた場合(同項第2号)

1、2のいずれかの場合は、当事者が定型約款の個別の条項を把握していなくても、定型約款の各条項について合意したものとみなされます(「みなし合意」。改正民法第548条の2)。ただし、定型約款に不当な条項があると衡平の観点から問題が生じます。そこで、改正民法では、定型約款に不当条項が含まれている場合、その条項に対するみなし合意は成立しないこととしています。具体的には、次を満たすものが不当条項に当たります(改正民法第548条の2第2項)。

  • 相手方の権利を制限し、または相手方の義務を加重する条項であって、
  • その定型取引の態様およびその実情並びに取引上の社会通念に照らして、
  • 民法第1条第2項に規定する基本原則(信義誠実の原則)に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるもの

なお、本条と似た規制が消費者契約法第10条にもありますが、判断基準が異なります。消費者契約法では、「民法、商法、その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合と比べて」不当性が判断されますが、定型約款については上記2の通り、「その定型取引の態様およびその実情並びに取引上の社会通念に照らして」不当性が判断されます。消費者取引に約款を用いる企業としては、消費者契約法と改正民法の両方を確認する必要があります。

3)実務上の留意点

契約書と別に約款を用いている場合、約款が定型約款の要件を満たしているかを確認しましょう。定型約款に当たる場合、みなし合意の成立要件を満たしているか確認します。例えば、定型約款を契約の内容とすることをあらかじめ示しているかなど、契約手続き・手順を見直します。

具体的には、契約書に「本契約には、契約締結時点の定型約款『○○』が適用されます」という文言があるかを確認します。また、インターネット上で契約をする場合は、合意画面までの画面遷移の中で、「本契約には、契約締結時点の定型約款『○○』が適用されます」という表示をしているか確認する必要があります。約款を表示して、同意のチェックボックスのクリックを求めるほうが確実です。

4)経過措置

定型約款については、経過措置があります。附則第33条第1項により、改正民法第548条の2から4までの規定は、2020年3月以前に締結された定型取引に係る契約についても適用するとされています。ただし、例外として、契約の一方当事者により反対の意思表示が、改正民法施行日前までに書面または電磁的記録でされた場合は、改正民法は適用されません(附則第33条第2項、第3項)。

定型約款を用いる企業は、相手方の同意なく定型約款の変更ができる(改正民法第548条の4)ため、当該変更を予期していなかった相手方を保護するための決まりです。顧客から改正民法施行日前までに約款の適用反対通知が届いた場合(メールも含む)は、当該顧客との関係では改正民法が適用されず、定型約款の効力を巡って争いが生じ得る旨を認識しておきましょう。

3 錯誤(意思表示の瑕疵)の改正

改正民法では、意思表示の規定(旧民法第93条~第98条の2、心裡留保、錯誤、詐欺、強迫、遠隔者に対する意思表示)についても改正されました。「錯誤」については、法的効果が改められており、実務上影響があるので簡単に触れます。

錯誤とは、意思表示の主体が、内心と意思表示との不一致を知らない場合や、法律行為の基礎とした事情についてその認識が真実に反する場合をいいます。商品Aを買おうと思っているのに、「Bを下さい」と言ってしまう場合や、ある目的を達成するために商品Aを購入しようとしているが、実際はAの機能を全く誤解していた場合です。

このような場合、旧民法では意思表示自体が、原則「無効」とされています(旧民法第95条)。しかし、改正民法では、錯誤による意思表示の効果が、「無効」から「取消し」となりました。「無効」は、何らの行為等がなくても当然に意思表示の効力が発生しません。「取消し」は、取消しの意思表示を行うことで初めて当該意思表示の効力を否定することができます。また、取消権は期間制限(追認することができるときから5年間。改正民法第126条前段)を受けます。

以上(2020年11月)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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用語が分かれば理解しやすい! 民法改正を読み解く用語集

書いてあること

  • 主な読者:分かるようで分からない民法の用語を正しく理解したいビジネスパーソン
  • 課題:日常で使用している用語と意味が違ったり、聞き慣れなかったりする用語が多い
  • 解決策:弁護士がピックアップした、要注意な用語から押さえる

このシリーズでは、民法で頻出する次の用語の意味を、前後編に分けてご紹介しています。

  • 前編で紹介している用語
    法律全般(内容証明郵便、公正証書、供託、確定期限、条件付法律行為(停止条件・解除条件)、信義則、権利の濫用、善意、悪意、権限、権原、重過失、錯誤、心裡留保、取消し、無効、地位の移転、地位の留保、特定物・不特定物)、時効(時効、時効期間、時効の完成、時効の完成猶予と更新)、保証(保証、根保証、極度額、個人貸金等根保証契約)
  • 後編で紹介している用語
    債権総論(債権者代位権、詐害行為取消権(債権者取消権))、取引総論(無過失責任、契約不適合責任、危険負担、不可抗力、反対給付)、契約各論(双務契約、要物契約、有名契約(典型契約)、無名契約(非典型契約)、定型約款、消費貸借契約、委任契約、請負契約)、執行・保全(仮差押え、差押え)
本稿は前編です。
後編については、次のコンテンツに記載されています。合わせてお読みください。

1 法律全般

1)内容証明郵便

内容証明郵便とは、郵便局が、1.いつ、2.誰に対して、3.どのような内容の郵便を発送したかを証明してくれるサービスです。なお、通常は内容証明郵便を発送する際、書留郵便として、配達証明を付けます。そうすると、4.相手にそれがいつ届いたのかも明らかになるため、契約解除や金銭請求、時効に関する通知などについて、裁判を見据えた効果的な証拠として発送することができます。

2)公正証書

公正証書とは、公証人がその権限に基づいて作成する文書です。公証人は、裁判官、検察官、弁護士あるいは法務局長や司法書士など長年法律関係の仕事をしていた人の中から法務大臣が任命します。公正証書は、改ざんや変造の心配がなく、また、内容によっては裁判を経ずに強制執行が可能となることから、金銭消費貸借や債務弁済、遺言、離婚などの場面において作成されることがよくあります。

3)供託

供託とは、金銭・有価証券などを供託所に提出して、その管理を委ね、最終的には供託所がその財産をある人に取得させることによって、一定の法律上の目的を達成するための制度です。例えば、賃借人が、賃貸人から賃料の受領を拒否されたり、賃貸人が行方不明になったり、誰が賃貸人か分からなくなったような場合に、供託をすると賃料債務を履行したことと同じ効果が生じます。

4)確定期限

確定期限とは、到来する期日が確定している期限をいいます。

5)条件付法律行為(停止条件・解除条件)

条件付法律行為とは、条件の成否が確定すると、効力が確定する法律行為をいいます。条件には大きく停止条件と解除条件があります。

  • 停止条件
    法律行為の効力の「発生」が将来の不確実な事実にかかっている場合を停止条件といいます。
  • 解除条件
    法律行為の効力の「消滅」が将来の不確実な事実にかかっている場合を解除条件といいます。

6)信義則

信義則とは、信義誠実の原則のことを指し、具体的には、契約関係等にある当事者は、「相互に相手から期待される合理的な行動を取るべきであり、相手方の信頼を不当に害さないようにしましょう」といった行動準則のことをいいます。法律では十分に具体化されていない点を補うための法理として使用されることがあります。

7)権利の濫用

権利の濫用とは、信義則と同様、人々の行動準則になるもので、外見上は単純な権利の行使のように見えるものの、実際には権利の行使として認めることが社会的に妥当とはいえないため、権利行使を認めるべきではないような場合に当該権利行使を禁止する法理として用いられます。信義則と同様、法律では十分に具体化されていない点を補うための法理として使用されます。

8)善意

法律効果に一定の影響を及ぼす可能性のある事実等を知らないことをいいます。一般的な場面では他人のためを思う親切心など道徳的な評価の意味合いで使用されますが、法律用語として使用する場合は、単に「知っているか/知らないか」という意味になります。

9)悪意

前述した善意の反対の意味で、法律効果に一定の影響を及ぼす可能性のある事実等を知っていることをいいます(善意の用語解説もご参照いただければと思います)。

10)権限

契約や法律等に基づいて、他人に対して行うことができる権利・権力のことをいいます。

11)権原

ある特定のことを行うことができる、法律上の原因、法的根拠をいいます。

12)重過失

法律上、契約上の義務違反や不注意の程度が大きい場合をいいます。どのような場合に重過失となるかを一般的に説明することは難しいのですが、容易に結果を予見できる(予見すべき)危険な事象や契約違反を漫然と見過ごして(もしくは予見しておきながら)、そのような結果が生じないように結果を回避することを怠った場合(ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態)といえるでしょう。

13)錯誤

1.Aを購入しようとして、誤ってBを購入してしまったように、何らかの意思表示をした人が意思表示に対応する意思を欠いていたり、2.Aには特別な機能が付いていると考えて購入したものの、実際には特別な機能が付いていなかったりした場合のように、法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反するような場合、一定の要件の下、錯誤に基づく法律行為があったとして、当該法律行為を取り消すことができます。

14)心裡留保

売買契約をするつもりがないのに、冗談で「君と契約をしてあげるよ」などと述べる場合のように、意思表示を行う者が、自己の真意と意思表示の内容が食い違っていることを知りながら意思表示を行うことを心裡留保といいます。このような意思表示も原則として有効ですが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、または知ることができたときは、その意思表示は無効とされています。

15)取消し

いったん有効に効果が生じた法律行為を、一定の事由が生じたことを理由に、取消権者の意思表示によって遡及的に無効とすることを「取消し」といいます。後述する無効と異なり、いったん有効に効果が生じているため、取消権を放棄して効果を確定的なものにすることもできます。これを「追認」といいます。

16)無効

法律行為や意思表示があったものの、そもそも法律効果が発生するための要件を満たさないため、最初から効果が生じないことを「無効」といいます。取消しと異なり、無効事由は、当初から問題があって法律効果が発生していないため、追認をしても有効にはなりません。もっとも、その追認があったときに、あらたな行為をしたものと見なして、その行為が有効に成立することはあります。

17)地位の移転

契約に基づいて、当事者間に発生する全ての権利・義務関係を、包括的に第三者に移転し、契約当事者を実質的に交代することをいいます。契約上の地位の移転には、原則として契約の相手方の承諾を要します。ただし、不動産賃貸借契約における賃貸人たる地位の移転については、一般的に賃借人が不利益を被ることはないと考えられていることから賃借人の承諾は不要とされています。

18)地位の留保

民法改正により、不動産賃貸借の場面において、賃貸人の地位の留保という規定が新設されました。これは、賃貸不動産の売買取引がなされる場合において、旧所有者と新所有者との間で、賃貸人たる地位を留保する旨の合意に加えて新所有者を賃貸人、旧所有者を賃借人とする賃貸借契約を締結した場合、賃貸人たる地位は譲受人に移転することなく譲渡人に留保されることになります。これが地位の留保になります。

19)特定物・不特定物

特定物とは、当事者が物の個性(同じ物がなく、代替できないなど)に着目して取引した物をいいます。

不特定物とは、当事者が種類、数量、品質などにのみ着目し、物の個性には着目せずに取引した物をいいます。

2 時効

1)時効

時効とは、一定の事実状態が一定期間継続することにより、権利を取得するあるいは消滅させる制度のことです。

時効には、一定の要件の下、他人の物を一定期間占有することによって権利を取得する「取得時効」と権利を行使しないまま一定期間が経過した場合にその権利を消滅させる「消滅時効」があります。なお、民法改正によって、これまで存在していた職業別の短期消滅時効が廃止されるなど、時効制度の見直しがありました。

2)時効期間

取得時効については、これまでと同様、20年間所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有した場合、または10年間所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有した者でその占有の始めに善意かつ無過失であれば認められることになります。

一方、消滅時効については、民法改正によって、次のいずれか早い時点で消滅時効が完成することになりました。

  • 権利を行使することができるとき(客観的起算点)から10年間の時効期間
  • 権利を行使することができることを知ったとき(例えば、代金などを請求することができることを知ったとき。債権者の主観を基準とするので、主観的起算点という)から、5年が経過した場合

3)時効の完成

時効の完成とは、時効により権利を取得する、あるいは消滅させるために必要な一定の期間が経過することをいいます。なお、時効の完成によって当然に権利を取得したり消滅したりするわけではなく、時効を援用する必要があります。

4)時効の完成猶予と更新

分かりづらかった時効の中断や停止という概念で説明されていたことが、民法改正によって時効の完成猶予と更新という概念に整理されました。すなわち、時効期間が形式的に経過しても時効が完成したことにはならない場合を「時効の完成猶予」(例:催告、天災によって権利行使に障害が発生する場合など)、時効期間がリセットされ、改めてゼロから時効期間を起算する場合を「時効の更新」(例:承認など)といいます。

3 保証

1)保証

保証とは、債務者が債務を履行しない場合に、債務者に代わってその債務を履行するよう約束することをいいます。保証債務には次の3つの性質があります。

  • 主債務が存在しないときは、保証債務も存在しないという附従性
  • 主債務者が債務を履行しないときに初めてその債務を履行する責任を負うという補充性
  • 主債務が譲渡されるなどして債権者が変更となる場合、保証債務の債権者も変更になるという随伴性

2)根保証

根保証とは、継続的な取引から生じる不特定の債務(保証の対象となる債務、主債務のこと)を保証することをいいます。改正民法では、個人が根保証契約を締結する全ての場合において、極度額を定めなければならず、これがなければ、保証の効力は生じないことになりました。

3)極度額

極度額とは、保証人が保証すべき債務の限度額をいいます。

4)個人貸金等根保証契約

貸金等債務(金銭の貸し渡しまたは手形割引を受けることによって負担する債務)について個人が根保証するものをいいます。

「債権者代位権」「無過失責任」などは次のコンテンツに記載されています。合わせてお読みください。

以上(2020年11月)
(執筆 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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画像:photo-ac

顧客層の拡大で急成長する プロテイン・高たんぱく食品市場

書いてあること

  • 主な読者:新商品の投入や新たな客層の獲得を目指す食品事業の経営者
  • 課題:自社の新商品開発や新たな客層の獲得は、どうすれば成功するのか
  • 解決策:市場が拡大するプロテインの傾向、事例を把握し、顧客獲得の参考にする

1 コンビニでもプロテインがたくさん

最近、コンビニエンスストアの棚にもプロテインや高たんぱくをアピールする商品を目にする機会が増えてきました。

プロテインを製造、販売する明治の資料(詳細は後述)によると、国内の市場は2015年~2019年で2倍以上に拡大しているようです。

直近では、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛期間中に、改めて人々の健康への意識が高まり、体に必要な栄養素の一つとしてプロテインやサプリメントなどが注目されています。

本稿では、プロテインや高たんぱく食品(以下、「プロテイン」)の普及の背景や、どんな層が市場をけん引しているのかをまとめています。

人々のライフスタイルが大きく変わっている今、こうした変化に対応した商品の開発によってビジネスチャンスをつかんでいる事例は、他の業種の経営者にとっても参考になるのではないでしょうか。

2 プロテインの消費者の広まり

1)健康意識の高まりが追い風に

プロテインは、もはや「筋肉ムキムキのマッチョだけのもの」ではなくなっています。プロテインの消費者は、スポーツを日常的に行ったり、ジムを定期的に利用したりする若者、歩行機能の維持に取り組む高齢者などにも拡大しています。

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2)ライト層(一般的なジム利用者、健康意識の高い若者)の認識

アサヒグループ食品が健康意識の高い女性に対して行った調査によると、プロテインを飲んでいる人は、プロテインのイメージとして「筋肉が増加しそう」(69.4%)「栄養補給ができる」(52.4%)「健康に良い」(28.5%)などが回答の上位を占めています。

その一方、プロテインを飲んでいない人は、「筋肉が増加しそう」(77.5%)「栄養補給ができる」(39.2%)に加え、「お金がかかる」(29.5%)「美味しくない」(27.4%)「男性が飲むイメージ」(25.4%)「筋肉隆々の人が飲む」(22.1%)などのイメージがあり、こうした見方がプロテインの敬遠につながっているようです。

3)ライト層確保には「お手軽さ」がポイント ~消費者の声~

では実際に、ライト層の消費者は、どのような理由でプロテインを飲んでいるのでしょうか。普段からジムに通い、プロテインを飲んでいる女性などによると、以下のような意見が聞かれました。こうした意見は、ライト層を獲得する際の「ストーリーマーケティング」(例:粉末からドリンクへのシフト)の参考になるでしょう。

  • 飲むきっかけ:
    運動不足解消やダイエットを目的にジムに通い始めた。基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼しやすい体を作る上でたんぱく質が必要と知り、プロテイン(粉末)を飲み始めた
  • 飲んで気づいたこと(飲む前~飲んだ後):
    プロテイン(粉末)は、大きな袋や缶に入っており、飲むたびに計量カップで計測し、専用のシェーカーに入れて混ぜる必要がある。空気が入りうまく溶け切らないこともある。飲み終わったシェーカーの洗浄も面倒で、中身が溶け切らずにシェーカーにこびり付き、なかなか取れないこともある
  • 飲んで気づいたこと(保存):
    トレーニングができずに日数がたつと、プロテイン(粉末)は湿気を吸収し、飲めなくなることもある。また、キッチンや冷蔵庫の中でスペースを占めるため、継続的に消費する必要がある

こうしたライト層の認識や実際の声を考慮すると、以下のような工夫は、ライト層の取り込みに効果的といえるのではないでしょうか。

  • 女性向けを意識し、脂肪ゼロのアピールや、カラフルなパッケージを提案する
  • 大容量の缶やパックでなく、容量を減らして価格を抑え、消費しやすくする
  • 普段の食生活に無理なく取り入れられるよう、お菓子やヨーグルトなどで販売する

3 客層の拡大とともに広がるプロテインの主な商品群

ライト層が加わることでプロテインの裾野が広がる中、実際に各社から新たなニーズに対応したさまざまな商品が発売されています。従来のプロテイン(粉末)だけでなく、そこから派生して、オフィスで間食として食べられるバーや、朝食に向いた消化の良いヨーグルトなどもあります。

裾野が広がったプロテインの特徴をまとめると、以下のようなものとなります。図表内のオレンジ色の網掛けの従来の商品から、青の網掛けの新興の商品が派生しています。

こうして見ると、一部のコアな層向けだったプロテインが、さまざまな層向けの幅広い商品群となって活躍しているのが分かります。

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1)プロテイン(粉末)

プロテイン(粉末)は、既に広く普及している商品です。従来、ボディービルダーやアスリートなどが筋肉の増強を目的に飲んできました。近年ではライト層にも普及しており、それに合わせて、飲みやすいようにヨーグルト味や各種のフルーツ味などが登場したり、筋肉の増強よりも体の引き締めを主な目的とした商品などが登場したりしています。国内では、1980年に発売された明治の「ザバス」シリーズが大きなシェアを占めています。

■明治 ザバス■
https://www.meiji.co.jp/sports/savas/

2)サプリメント

サプリメントは、筋肉の増強に不可欠なたんぱく質を構成するアミノ酸を効率的に摂取できます。既にたんぱく質よりも細かな単位まで分解されているため、プロテインよりも早く体内に吸収されます。アミノ酸には、体内で生成が可能なグルタミン酸やグリシンなどの「非必須アミノ酸」と、食物などから摂取する必要があるバリンやロイシンなどの「必須アミノ酸」があります。多くのサプリメントは、両者が最適なバランスで配合されています。

DNSなどの、プロテインを主な商品として製造、販売する企業が比較的多くのラインアップを取りそろえています。

■DNS■
https://www.dnszone.jp/index.php

3)プロテイン(ドリンク、お菓子など)

従来のプロテイン(粉末)にありがちなイメージ、「作る手間が面倒」「粉っぽくてまずい」「気軽に買えない」などの弱点を克服するような商品として、近年急速に普及しているタイプです。また、パッケージもカジュアルなものが多く、ドリンク以外にも朝食や間食にできるヨーグルトやシリアルバーなども販売されています。

多くの商品が、たんぱく質を5~15グラム程度含んでいるため、普段の食事で不足するたんぱく質をカバーすることができます。この商品群には、明治などのプロテインを長年製造、販売してきた企業だけでなく、食品メーカーや製菓メーカーなども数多く参入しています。

■明治 ザバス MILK PROTEIN■
https://www.meiji.co.jp/dairies/milk_drink/savas-milk/#top
■アサヒグループ食品 1本満足バーシリーズ■
https://www.asahi-fh.com/products/balanced-food/1pon-manzoku/#protein

4)機能性表示食品

プロテインや高たんぱく質の商品の中には、機能性表示食品をアピールするものも登場しています。機能性表示食品とは、事業者の責任で、科学的根拠に基づいた機能を表示した食品で、販売前に食品の安全性や機能性に関する情報を消費者庁長官へ届け出る必要があります。

マツモトキヨシは、プライベートブランド「matsukiyo LAB」から、日本初とされる機能性表示食品のプロテインバーを2020年9月から販売しています。このプロテインバーは、肥満度を表す指標であるBMI(ボディ・マス指数)の数値を下げる効果があるローズヒップ由来のティリロサイド(ポリフェノールの一種)を含んでいます。

■マツモトキヨシ matsukiyo LAB■
https://www.matsukiyo.co.jp/mkc/matsukiyolab/index.html

5)高たんぱく 調味料

普段の食事に加えることで、たんぱく質を効率的に取ることができる調味料も販売されています。この調味料は、さまざまな料理に応用することができます。

例えば、美容や健康に対する意識の高い消費者向けに植物由来のプロテインなどを販売するソライナは、えんどう豆から抽出した「えんどう豆プロテイン」をふりかけとして販売しています。「納豆風味」「味噌風味」「カレー風味」の3種類があり、米に不足する必須アミノ酸のリジンを摂取することができます。

また、UHA味覚糖も、糖質を抑えたノンオイルの高たんぱくドレッシング「プロドレ」を販売しています。

■ソライナ■
https://solaina.jp/
■UHA味覚糖 プロドレ■
http://prodre.com/

6)高たんぱく 食品

近年のプロテインブームを背景に、日本人になじみのある食品が、高たんぱく質食品としてのイメージを打ち出しています。コンビニで販売されている「サラダチキン」が、高たんぱく食品として注目を集め、健康意識の高いサラリーマンなどのランチとして販売されています。

また、一昔前までは、つまみのイメージがあったサバ缶や魚肉ソーセージなどにも注目が集まっています。魚介類が原料のため、たんぱく質やカルシウム、DHAなどの栄養が豊富に含まれています。

例えば、吉永鰹節店(高知県)は、カツオを使った生節「超鰹力」(ちょうかつりょく)を販売しています。従来の生節と異なり、若者に受け入れられやすいイラストを採用し、高たんぱくや低脂肪、DHA含有などをアピールしています。

■吉永鰹節店(ウェブサイト「土佐のかつお屋」で販売)■
https://www.tosano-katsuoya.co.jp/

4 プロテイン市場の拡大要因

最後に、プロテイン市場の拡大要因を整理し、グラフで市場規模を確認してみましょう。

1)さまざまな要因で市場拡大

プロテイン市場拡大の背景には、フィットネスブームや健康意識・環境意識の高まり、プロテインの品質向上など、さまざまな要因があります。

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2)「コンビニプロテイン」が市場をけん引

日本国内のプロテインの市場規模は、各市場調査会社によりばらつきがあるものの、数百億円規模といわれています。

明治のプレスリリースによると、日本国内のプロテインの市場規模は次の通りです。なお、同社の資料では、プロテインの区分が明示されていないため、本稿で紹介する商品が含まれていない可能性があります。

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同社は、2019年の市場規模を555億円と推計しています。特に、2015年以降は拡大が急ピッチに進んでいることが分かります。2015年は、同社がそれまで販売してきたプロテイン「ザバス」シリーズ初となるプロテインドリンク「ザバス MILK PROTEIN」が市場に投入されました。

この商品は、1本当たり15グラムのたんぱく質を含んだプロテイン(ドリンク)で、プロテイン(粉末)の「袋から粉末をカップで計量し、容器に入れて水と混ぜる」手間をなくすことができました。さらに、コンビニなどの一般消費者の目に付く店舗で販売をしたことで、ライト層の認知度が高まり、急速に広まりました。

同社によると、2019年のザバス MILK PROTEINなどの「ザバスミルク」の売上高は134億円に達しています。ザバスミルクのみで、プロテインの市場全体の約24%を占めていることになります。

明治の動向から、ザバスミルクのような「コンビニプロテイン」が市場の中で大きなシェアを占めてきているといえるでしょう。

以上(2020年11月)

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画像:pexels