「デジタル」でシニアの生活を変革 “高齢者テック”最新事情

書いてあること

  • 主な読者:高齢者向けの新サービスを展開したい経営者
  • 課題:高齢者の悩みに応えるサービスを知りたい
  • 解決策:国内外の事例を参考にし、他社にないサービス展開の参考とする

1 高齢社会の課題をテクノロジーで解決

スマートフォン(スマホ)、テレビを使って高齢者向けのサービスが続々と登場しています。国内では、離れた土地に住む子供や孫とリアルタイムに会話ができるサービスや、長年の仕事の経験を活かせる仕事のマッチングサービスなどが注目されています。

また、海外のスタートアップからは、クレジットカードの詐欺を防止するデビットカードを提供するサービスや、子供の独り立ち後の空き部屋をレンタルできるサービスなどが登場し、「高齢大国ニッポン」が直面する課題を解決できそうなものもあります。

この記事では、続々登場している高齢者向けのデジタル技術「高齢者テック」の動向を追います。

2 国内外で登場した最新の高齢者テック

今回紹介する「高齢者テック」の特徴を、「人や社会との関わりをもつ」「健康や安全な生活を送る」「仕事や資産形成に役立てる」「余暇や趣味を楽しむ」で分類してみると次のようになります。

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1)孫の様子をスマホで確認「まごチャンネル」

動画配信サービスを手掛けるスタートアップのチカクは、スマホのアプリで撮影した孫の動画を、祖父母のいる実家のテレビに送信し、テレビで孫の様子を楽しめる「まごチャンネル」を提供しています。

核家族化が進み、子供を連れて実家に帰省する回数も限られる現代、親世代は手軽にスマホで子供の動画を記録・視聴できるようになった一方、スマホに不慣れな祖父母世代は引き続きテレビが主な視聴デバイスとなっています。同社はこの世代間のギャップを「まごチャンネル」で埋めることに成功しました。

実家のテレビに専用の受信ボックスを接続し、テレビリモコンで「まごチャンネル」に合わせるだけで、送られてきた動画を視聴できることから、スマホやアプリに不慣れな高齢者でも簡単に操作できます。送信されてきた動画を視聴すること自体はスマホでも可能ですが、老眼で小さいものが見づらい高齢者も多く、大きな画面のテレビで見る臨場感が好評なようです。

2)孤独解消にご近所さんをマッチング「Buddy Hub(バディーハブ)」

Buddy Hubは、英国で高齢者向けの多世代間コミュニティーサービスを提供しています。Buddy Hubに登録すると、家の近隣に暮らす、共通の関心事や経験を持つ異なる世代の3人のユーザーとマッチングしてもらえます。ユーザーには、高齢者と3週間に1度は会うことが推奨され、スケジュールが合わない場合は他のユーザーが穴埋めをすることになります。

英国では、65歳以上の高齢者のうち約150万人が日ごろから孤独を感じており、慢性的な孤独が早死にするリスクを高めるともいわれています。こうした中で、同社のサービスにより、高齢者とその他の世代間のコミュニティーづくりを活性化させ、より良い社会の実現につながると期待されています。

なお、マッチングには性格やコミュニケーションスキル、好みなどに加え、犯罪歴の有無なども審査されます。これには、サービス内容には買い物や料金の支払いの援助なども含まれ、高齢者の中には介護などの支援が必要とされる場合もあるといった理由があります。

3)デジタルスキルを学び直し「MENTER(メンター)」&「複業留学」

エクセルやデータ分析、情報セキュリティー知識などのデジタルスキルの学習サービスを提供するWHITEは、ベンチャー企業での副業を支援するエンファクトリーとともに、シニア人材のデジタルスキル学習支援「MENTER」と、企業への人材マッチング「複業留学」を複合させたサービスを開始しました。

両社の共同事業の背景として、新型コロナの影響を受けてリモートワークの広まり・デジタル人材の需要が高まったこと、シニア人材にもデジタルスキルの学習を支援することで、新たなキャリア構築の支援を行うためとしています。

70歳までの就業機会の確保が企業に求められていく中で、これまでの社会人経験を活かしつつ、時代に合ったスキルを身に付けたシニア人材をベンチャー企業に供給していく仕組みです。スキルアップのためのオンラインでの学習プログラムをMENTERが、本業に影響が出ない範囲での実際の就業機会を複業留学がそれぞれ提供します。就業の際は、報酬型の「複業タイプ」、研修形式の「研修タイプ」のどちらかを選択できます。

4)ベテラン社員のノウハウを企業とマッチング「inow(イノウ)」

転職サイトなどを運営するアトラエは、ベテラン人材と、彼らの豊富な経験を業務に活かしたい企業をマッチングさせるプラットフォーム「inow」を、2021年5月から提供しています。

inowでは、ユーザー(ベテラン人材)の経験や人脈、自身の興味のある分野などを登録し、関連する求人を掲載している企業とマッチングすることができます。企業側が掲載する求人は、ベテラン社員のノウハウや顧問としての意見を求めるようなものを想定しています。inowの特徴として挙げられるのは、単なる求人マッチングだけでなく、週1日の業務委託や長期の顧問契約なども柔軟に決められることです。

マッチングの肝となる人材と案件の検索は機械学習を用いて、ユーザーの経験と企業の人材ニーズのマッチングの精度を高めています。さらに、ユーザーの興味や関心を機械学習することで、ユーザーが想定していないマッチング候補の提案も行えるようです。

副業や人材の流動化が進み、高齢者雇用安定法により高齢者の雇用がこれまで以上に求められる中で、ベテラン人材のノウハウの活用は、ユーザーと企業の双方にとって今後も要注目といえそうです。

5)使わなくなった空き部屋を貸し出す「Homesharing(ホームシェアリング)」

米国のSilvernestは、高齢者の住む家や空き部屋を若者とシェアする「Homesharing」を提供しています。これは、自宅をシェアするルームメイトをマッチングさせる高齢者のためのプラットフォームです。一般的な賃貸と異なり、自身は家に住みながら、使わなくなった空き部屋を貸し出し、リビングなどを共有します。こうすることで、貸し手である高齢者は、使わない部屋を収益化でき、同時に審査を通過した同居人と時間をシェアすることが可能です。同居人となるユーザーとしても、通常の部屋を借りるよりも安価に住まいを確保できるメリットがあります。

同居人の候補とのマッチングには、貸し手のプロフィールや質問事項への回答内容、部屋の詳細などを基に候補者とのマッチング度がランク付けされます。また、家賃を安定的に確保するために、同社ではリース契約や家賃の自動引き落としなどにも対応しています。

6)単身高齢者向け見守りサービス「ドシテル」

日立グループの日立グローバルライフソリューションズは、高齢の親の生活をセンサーで検知し、スマホで様子を見守るサービス「ドシテル」を提供しています。

これは、高齢の親のリビングなどにセンサーを設置し、日々の動きを「活動量」として検知し、活動量の程度に応じてユーザーのスマホにアニメーションとして表示されます。こうすることで、親の在宅・不在や、活動量の増減が把握できます。日々のデータも蓄積されることから、「起床時間になっても冷蔵庫を開けていない」「夜になっても外出から戻っていない」などの、いつもと異なる行動もプッシュ通知で設定できることから、万が一のときの備えにもなります。

活動量を計測するセンサーには、監視するカメラなどはついていないため、親のプライバシーを守ることもできます。親の様子はアニメーションで表示されるので、ユーザー側も「監視している」感覚を最低限に抑えることができます。

7)認知症を事前に検知し、脳トレで予防「Neurotrack(ニューロトラック)」

米国のシリコンバレー発のスタートアップNeurotrackは、スマホで認知機能のテストを行い、アルツハイマーなどの認知症の早期発見と脳機能の維持・改善を行うアプリを提供しています。

記憶や脳機能が徐々に失われるアルツハイマーなどの進行を止めたり、予防したりする薬は開発段階です。また、認知症は実際に目に見える症状が現れる10年以上も前から徐々に進行しており、症状が現れたときにはもう手遅れともいわれます。

Neurotrackは、こうした予兆をアプリで把握し、症状が現れる前に脳のトレーニングを行うことで、予防・改善を目指しています。臨床的に実証されている同社の認知機能のテストでは、スマホやパソコンのカメラで、ユーザーの視線を解析し、処理速度や注意力などの異常を検知します。そして、認知機能の改善に効果的とされる生活習慣の改善プログラムを提案し、テストを繰り返すことで認知機能の改善・向上を図ります。

同社は既に日本企業とも業務提携を始めており、第一生命ホールディングスやSOMPOホールディングスに認知機能に関するアプリの提供を行っています。

8)クレジットカードや銀行口座を管理する「True Link(トゥルーリンク)」

米国のTrue Linkは、高齢者や障害者など、自身でクレジットカードや銀行口座の管理が難しい人を対象とした、利用制限付きのプリペイドカードを提供しています。同社の「The True Link Visa Prepaid Card」は、カードが使える商品や店舗、金額などを本人以外がコントロールすることができます。

そうすることで、例えば、オンラインショッピングで高額商品を買うのを家族がブロックしたり、健康を損なう恐れのあるお酒やタバコの購入を制限したりできます。また、物忘れのために「頼んでもいないのに注文してしまった」というようなアクシデントも防げます。利用履歴はオンライン上で見られ、不正利用や使いすぎなども確認できます。

日本では、高齢者を狙った架空請求詐欺や振り込め詐欺が後を絶たない状況で、こうしたサービスへの期待が今後高まってくる可能性があります。一方で、高齢者のお金の使い道を制限することにもなり、導入するには丁寧な説明が必要になりそうです。

3 高齢者テック関連データ

前述の通り、高齢者向けのさまざまなサービスが世の中に登場しています。こうしたサービスのユーザーである高齢者の、インターネットの利用や日常生活の動向を見てみましょう。

1)総務省「令和2年通信利用動向調査」:年齢層別のインターネット利用機器

総務省「令和2年通信利用動向調査」によると、年齢層別のインターネット利用機器の状況は次の通りです。

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この調査結果から、60歳未満の層ではスマホの利用が高く(おおむね80%以上)、パソコンの利用率も20~59歳では60%を超えています。一方、60~80歳以上の層を見ると、年齢層とともにスマホやパソコンなどの利用率は減少するものの、「スマホとパソコンの利用率の差(緑の丸枠)」が縮小しています。高齢者向けのデジタルサービスを提案するには、画面が大きく、現役時代に操作することのあったパソコンでの利用を考慮した仕様にする必要があるかもしれません。

2)東京都「令和2年度東京都福祉保健基礎調査」:日常生活に必要なサービス

東京都では、65歳以上を対象とした高齢者の生活実態に関する調査を実施しています。それによると、回答者の57.2%が、身の回りの世話などの「日常生活支援サービス」の利用意向があると回答しています。

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同調査では、「生きがいを感じるとき」についても調査しており、回答者の40%以上が、「趣味やスポーツに熱中しているとき」「夫婦や孫など家族との団らんのとき」「友人や知人と交流しているとき」「テレビを見たり、ラジオを聴いたりしているとき」と回答しています。

同調査から、「ちょっとした家のお手伝い」や「気軽な話し相手」など、「人とのつながりを得るためのサービス」へのニーズがあることが伺えます。

前述の「まごチャンネル」や「Buddy Hub」のようなサービスは、今後のさらなる成長が期待できそうです。

以上(2021年8月)

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座学だけでなく実践を! 「70:20:10」の法則で部下を育てる

書いてあること

  • 主な読者:入社3〜5年目でさらに成長したい中堅社員と、それを見守る経営者
  • 課題:一生懸命に勉強しているのに、なかなか実際のビジネスに活かせない
  • 解決策:座学だけではなく、実際に「経験」できる機会をどんどん与える

1 部下が育たない……

「あぁ~、もう! 何度言ったら分かるの!! ビジネスは相手の立場も考慮しながら進めないとトラブルになるよ。社内も社外も同じ。『次工程はお客様』って言うでしょ」。こう語気を強めているのは、営業を担当する中堅社員のAさん。

Aさんは、日々、部下に営業の姿勢を指導していますが、なかなか成果があがりません。そこでAさんは、上司であるB本部長に相談しました。「部下がなかなか育ちません。本を読ませたり、セミナーに行かせたりしているのに……。今のままではとても現場に出すことは難しいです」。するとB本部長は、次のように返しました。

「Aさんが教育熱心なのは分かっているよ。部下もそれを分かっているから、Aさんが厳しくてもついてくるんだよ。でもね、Aさん。人は受け身の座学だけでは成長できないんだよ」

2 「70:20:10」の法則

社員教育の現場でしばしば話題に上る、「70:20:10」の法則というものがあります。これは、

人の成長に影響を与えるのは、70%の経験、20%の教え(上司などからの)、10%の座学(研修など)である

ことを示しています。

教えや座学も大事だけれど、実際に自分で経験してみなければ身に付かないことが多いというのは感覚で分かります。特に、失敗は貴重な経験で、次の挑戦に生かすことができます。ところが、部下の教育に熱心な上司ほど“30%の壁”にぶつかります。「まずは基礎固めから」「失敗しないように慎重に」などの思いから、20%の教えと10%の座学という、足して30%の教育(教えと座学に偏った教育)ばかりを実行してしまうのです。

その理由は、

実は教えと座学に偏った教育は、上司にとっては達成感がある

からです。そもそも座学の機会を与えているのは自分(上司)です。同様に、自分の指示に従っている部下を見ることで、自分の教えが浸透していると誤解します。しかし実際は、上司の言葉の字面しか理解していない部下は少なくないものです。

足して30%の教育で成長できるのは、自ら率先して行動できる人だけです。そうでなければ、「頭ではある程度理解しているが、経験が浅いため現場に出ると何をしてよいのか分からずに動けない」ことにあります。冒頭のAさんが直面しているのは、まさに“30%の壁”です。自分(上司)としては十二分に教えているのに、いつまでたっても部下が現場で通用するほどには育たない。そんな困った状況にあるわけです。

3 もう少し問題を掘り下げる

足して30%の教育がもたらす問題をもう少し掘り下げてみましょう。部下は上司の下で成長できないばかりか、将来に向かって「勇気(ゆうき)」「当事者意識(とうじしゃいしき)」「やる気(やるき)」という、ビジネスで大切な3つの“き”を失います。

まず、経験がなければ、現場で一歩を踏み出す勇気が湧いてきません。そうしたときに、上司が常にフォローしていれば当事者意識をなくします。そして最後は、「どうせ自分は仕事ができない」とやる気を失うのです。

こうした状況が長く続くほど、事態は深刻になります。そして、上司は簡単な仕事さえ任せることができなくなり、本来は上司がやるべきではない仕事をいつまでも引き受けることになります。上司が上司としての仕事をしなければ、組織は停滞します。

4 経験しながら学ぶ機会が大事

「70:20:10」の法則を考慮すれば、部下の成長を促すためには経験が大切です。そこで、部下には小さな経験からしてもらい、上司は少しずつ難しい局面を設定するようにします。例えば、最初は上司が同行している商談の場でサービスの提案をさせ、その後に価格交渉など利害が衝突しやすい局面を経験させます。

難しいのは、冒頭のAさんが遭遇したような、「相手のことを考えて行動する」といった類いのつかみどころのない内容です。これは個人によって考え方が異なるもので、世代によっても“常識”が違います。個人の考え方を教えるのは難しく、それが良いともいえません。また、仮に上司の考えを隅々まで教えられたとしても、同じような考え方をするメンバーが多い組織に多様性はありません。

そこで、上司のほうが部下の多様な考え方を受け入れるという発想の転換が必要かもしれません。もちろん、守らなければならない接客の基準などがあって、その部分については議論の余地はないわけですから、徹底的に教え、経験させましょう。

以上(2021年8月)

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画像:fizkes-Adobe Stock

【朝礼】残念な「時間の感覚」を改善する2つのコツ

つい先日、社外の人とオンライン会議の日程調整をしているときに、「マナーがなっていない」と感じることがありました。初めてお会いする相手だったので、私も気を使い、候補日を3つ提示しました。各日それぞれ3時間の範囲から選んでもらう想定でしたので、合計9時間です。相手の日程調整がなかなか進まず、結局、1週間もかかりました。しかも決まったのは、最初の候補日の前日ギリギリです。その間、私は仮予定として9時間をブロックされたままです。こういう時間の感覚は本当に良くないと改めて思った次第です。

今挙げた例は極端ですが、「自分のところで仕事を止めてしまい次工程が遅れる」「リアクションが遅く相手を待たせてしまう」なども同様に良くない時間の感覚です。これでは物事が停滞し、前に進められないからです。

どうですか。皆さんもやりがちなことではないですか?

特に、リモートワークをしている当社では時間の感覚がとても重要です。この感覚が適切でないと大きなミスにつながりますし、全体的に緩い雰囲気となれば、組織の成長の妨げにもなります。これまでも繰り返してきましたが、改めて言います。皆さん、時間の感覚をバージョンアップさせてください。そのためのコツが2つあります。

1つ目は「早く返す」ことです。メールの他、チャットやSNSツールなど、リモートワークではさまざまな形でメッセージが届きます。

いずれの場合も、まずは早くリアクションしてください。特別な理由がなければ、長くても、待って1日です。すぐに答えられなくても、「確認が必要なので明日の17時までに回答します」と返すことはできるでしょう。特にチャットの場合、半日過ぎたら遅いくらいです。立て込んでいる場合は、「本日は16時ごろまで他案件で立て込んでおりリアクションできません。それ以降に確認します」と返しておけばいいのです。相手を「どうなっているか分からない状態のまま待たせる」のは、相手の時間を奪っているものと認識してください。

2つ目は「早く放出する」ことです。これは、60%でいいのでとにかく早く相手に出す、見せることです。「自分の中でメドがついてから」「完璧にしてから」と考えてため込んでいると物事は停滞します。相手も状況が分かりません。リモートワークにある意味慣れてきた皆さんの中には、「まだメドがついていないし、催促されていないから黙っていよう」という人が出てきています。これは大きな間違いです。催促されないことほど怖いことはありません。社内外問わず、「この人のところで仕事が止まる」というレッテルを貼られている可能性のあることを自覚してください。

時間の感覚のバージョンアップは、組織のバージョンアップにつながります。むしろ、そうしていかなければ、皆さん自身も、当社も生き残れません。ぜひ、今日から実践してください。

以上(2021年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】人を動かすために知っておくべき、たった1つのこと

今朝は管理職の方に集まってもらいました。日ごろ皆さんと話をしていると、思うように部下とコミュニケーションが取れないという相談をよく受けるので、その点をテーマに取り上げたいと思います。

皆さんが部下を褒めたり叱ったりするのは、部下に何かを伝えるためです。こうした行為を一般的にコミュニケーションと呼びますが、コミュニケーションと伝えることは同じではありません。ビジネスにおけるコミュニケーションの目的は、相手に動いてもらうことであり、伝えることの一歩先になります。部下とのコミュニケーションを良くするための方法として、伝える言葉を吟味して、伝える回数を増やし、伝えるシーンにもこだわることを推奨する書籍があります。これらは大切なことですが、表面上のテクニックとして実践するだけでは、部下は動いてくれないでしょう。

まず、部下を動かすためには、教えることと促すことが必要だと理解してください。教えることとは、AがAであることを部下のレベルや成長度合いに応じて効率的に教え、理解してもらうことです。一方、促すこととは、Aをしなければならない理由、あるいはAをしてはいけない理由を伝え、実際にそう動いてもらうことです。

正しい知識を教え、そこから派生する問題を部下の“自分事”として伝えて行動を促せば、部下は動いてくれるでしょう。これが上司と部下の理想的なコミュニケーションです。

こうしたコミュニケーションができるか否かで大きな差がつきます。

今、我が社は「自己啓発」を重視しています。部下に自己啓発の大切さを教え、実際に取り組むように促すのは上司の役割ですが、上司によって部下の行動に大きな違いが生じています。ある上司の部下は積極的に自己啓発に励み、別の上司の部下は全く自己啓発に取り組もうとしません。

個々の部下の姿勢による違いはあります。しかし、それを凌駕するようなコミュニケーションを上司が取れていないということでもあります。

大切なのは、促す力です。なぜなら、ここで教えるのは「どうして、会社が自己啓発を求めているのか」「会社の方針に合った自己啓発はなにか」といったことであり、誰が説明をしてもそれほど大きな違いはないからです。

上司は部下と真正面から向き合い、本気で自己啓発に取り組んだ場合に、部下の活動フィールドがどのように広がっていくのかを伝えなければなりません。部下の行動を促すには、部下が理想とする具体的なキャリアと、その実現に自己啓発が不可欠であることを伝える必要があります。これは、日ごろから部下のことを真剣に考えている上司でなければ分からないことです。

部下とのコミュニケーションは、時間をかけて良くなっていくものです。日ごろから良い関係づくりを心掛けつつ、教え、促してください。

以上(2021年8月)

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画像:Mariko Mitsuda

従業員を海外赴任させるときの源泉税・住民税の取り扱いは?

書いてあること

  • 主な読者:従業員の海外赴任を検討している中小企業の税務担当者
  • 課題:海外進出を検討する際の税務上の問題点を把握したい
  • 解決策:従業員の源泉所得税・住民税の取り扱いに注意が必要

1 海外赴任と税金

コロナ禍により、一時的に海外往来はストップしているものの、近年は大企業だけでなく中小企業においても、海外進出が増えており、海外赴任をする従業員も珍しくない時代です。本記事では、従業員を海外に赴任させる際におけるその従業員に関する税金の取り扱いを解説していきます。

なお、本稿における海外赴任とは、企業等に属する個人が辞令等により日本国外の関係会社もしくは支店等に1年以上の長期にわたり勤務する行為をいい、短期の出張等に関しては海外赴任に含めないものとします。

2 海外赴任に関連する国内の主な税金

1)所得税

所得税法では、1年以上日本国内に住所等(住民票の有無にかかわらず、居所や生活の本拠地等実情に基づいて総合的に判断)を有しない者を「非居住者」といい、居住者(永住者、日本国内に住所等を有する者)と比べて、所得税の課税範囲が異なります。

居住者に対する所得税の課税範囲が、全世界所得(国内源泉所得+国外源泉所得)であるのに対して、非居住者に対する課税範囲は、国内源泉所得に限定されます。

なお、国内源泉所得とは、国内で生じた所得(収入)をいい、具体的には国内勤務の対価として支払われる給与や国内に所在する不動産から生じた賃貸料収入、国内の銀行から受ける利息や国内の企業から受ける配当などがあります。

2)住民税

住民税はその年の1月1日時点で日本国内に住所等を有する場合に課税されます。そのため、12月31日に海外赴任により出国した場合には翌年の住民税について課税は生じませんが、1月1日に出国した場合は課税関係が生じることになります。なお、普通徴収の未納分(あるいは特別徴収未済分)については、海外赴任をしても納税が免除されるわけではないので、出国前に全て納付するなどの留意が必要です。

3)国外転出時課税制度

海外赴任者が、出国時に多額の金融資産(株式などで時価が1億円以上)を所有している場合は、「国外転出時課税制度」が適用されることがあります。そのため、多額の金融資産を有する同族会社のオーナー一族の人などが海外赴任をする際には留意が必要です。なお、国外転出時課税の申告が必要な海外赴任者が、国外転出のときまでに一定の手続きを行った場合には、国外転出の日から5年間(延長の届出により最長10年間)納税が猶予されます。

(注)「国外転出時課税制度」とは、1億円以上の金融資産を保有している者が国外に転出する場合に、その金融資産の未実現利益(含み益)に対して課税を行う制度です。

3 赴任先における税金負担(所得税)

送り出し企業が海外赴任者に対して留守宅手当等の名目で支給する給与については、原則的には国外源泉所得として日本での課税が生じない代わりに、通常は赴任先の国等において課税が生じることになります。ただし、赴任者が従業員でなく「役員」である場合には、留守宅手当等の名目で送り出し企業が支給しているものであっても、国内源泉所得として源泉徴収が必要になるので注意が必要です。なお、国外支店等において役員としてではなく「使用人」として赴任する場合は、通常の従業員と同様にその給与は国外源泉所得として日本では課税されません。

また、赴任先における課税範囲や課税方法は各国等の税法等により異なるため、どのような税負担や申告、納税方法を採用しているか確認し、赴任後に思いがけない課税等が生じることのないよう、事前の対応が必要です。

各国等における代表的な課税範囲の取り扱いを例示すると、赴任先での業務に係る給与の全て(現地払い分+現地以外(日本)払い分+経済的利益)を対象としていることが多く、この場合、現地払い給与のみを申告している際などは特に留意しなければなりません。実際、適切な申告をせずペナルティーが科せられる事例や、国等によっては未納等がある場合には出国(帰任)できないなどの事例もあるようです。

このように税金の取り扱いについては、国等によってさまざまであるため、実際の対応については、海外進出支援を行っている税理士などの専門家に相談するようにしましょう。

4 海外赴任者に係る税務手続きに関する留意点

1)海外赴任前の国内の給与所得等に関する留意点(所得税の精算)

海外赴任者が1カ所の給与所得のみで、その収入総額が2000万円以下の場合は、送り出し企業はその者の出国時までに、年末調整により所得税を精算する必要があります。なお、出国前までの期間(国内勤務期間)に相当する賞与を「出国後に支給」した場合は、国内勤務期間に相当する部分の金額は、非居住者に対する国内源泉所得として通常の給与(居住者時代の給与)とは異なる税率で源泉徴収が必要になります。このような複雑な実務を回避する方法として、出国までに賞与を支給し、出国時に年末調整を実施することなどが考えられます。

また、2カ所以上からの給与や不動産所得など、給与所得以外の国内源泉所得を有する海外赴任者は、出国時までに納税管理人を選定し、所轄の税務署および住所のある市町村に届け出ます。納税管理人は法人・個人いずれでも届け出ることができ、海外赴任者の代理人として確定申告をすることになります。なお、納税管理人を選定しない場合は、出国時までに自分自身で確定申告をしなければなりません。

その他、参考として、海外赴任者がNISA口座を保有している場合の留意点を紹介します。以前は、非居住者(国内に恒久的施設を有しないもの)はNISA口座を保有できないこととなっていたため、赴任前に証券会社にて出国に係る諸手続きを経てNISA口座を廃止し、お金を払いだす必要がありました。しかし、2019年度税制改正に伴い、NISA口座については、証券会社にて一定の手続きを取ることにより、継続保有が可能となっています。ただし、非居住者については証券口座自体の保有を認めていない証券会社もあり、これらの取扱いは各証券会社で異なるため、各自で事前に確認する等の留意が必要となります。

2)非居住者に係る源泉所得税の納付書に関する留意点

非居住者に対して支給する役員報酬や、出国後に支給される出国前の国内勤務期間に係る賞与等は国内源泉所得に該当するため、20.42%の源泉所得税の徴収が必要です。また、この際の納付書は通常の給与に係る納付書と様式が異なります。

3)非居住者の確定申告(納税管理人の届出有り)に関する留意点

前述した一定の国内源泉所得を有する非居住者で、納税管理人の届出書を提出した場合は、申告期限(原則3月15日)までに、納税管理人を通じて確定申告書を提出し納税します。当該確定申告に係る課税範囲は国内源泉所得に限られ、また適用される所得控除は、基礎控除、寄附金控除及び雑損控除(国内資産から生じたもの)に限られます。

4)帰任時の留意点

赴任者が帰任(一時的なものを除く)した場合には、帰国した日の翌日から居住者となり、通常の従業員と同様の方法で、給与に対する源泉徴収が必要になります。また、帰任後に現地勤務に起因する給与や賞与が支給された場合においても、日本の課税対象となりますので、現地勤務に起因する給与等は帰国前にすべて支給し、現地で納税を済ませることで二重課税を避けるといった工夫が必要です。なお、二重課税が生じた場合も、確定申告で外国税額控除(詳細な説明は省略)を適用することにより、一定の額について二重課税を排除することが可能となる場合があります。

その他、納税管理人を選定している場合は、納税管理人の解任手続きが必要です。また、国外転出時課税制度の納税猶予を届け出ている場合には、課税の取り消しや更正の請求手続き等に留意が必要です。

なお、2019年度税制改正により、5年以内の海外転勤であればNISA口座の継続利用が可能になったため、出国の段階で証券会社に「継続適用届出書」を提出していた場合には、帰国後に「帰国届出書」を提出する必要があります。

5 【参考】短期滞在者免税(租税条約)

海外赴任ではなく、自社の業務等で海外に出張したときにも、その出張先の国等によっては、現地で課税が生じることがあります。この場合、同じ所得に対して、日本と出張先の国等の双方で課税関係が生じることになります(二重課税)。この二重課税の排除を目的として租税条約において「短期滞在者免税」という規定があります。この短期滞在者免税の要件を満たす場合は、現地での課税が免除されます。そのため、日本と出張先の国等との間に租税条約が締結されているかどうかや、その免除条件を確認することも重要です。

以上(2021年7月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森 浩之)

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画像:photo-ac

【朝礼】イメージトレーニングを実践してみよう

いよいよ4年に1度のスポーツの「熱き祭典」が始まりました。新型コロナウィルス感染症などさまざまな課題はあるものの、世界のトップアスリートたちを、是非、応援したいものです。

さて、トップアスリートと呼ばれる人のほとんどが「イメージトレーニング」を取り入れているそうです。トップアスリートたちは、自分がこれからする競技を頭の中で思い浮かべて成功をイメージし、本番ではそのイメージを持って競技に挑むのだといいます。

例えば、マラソン競技ならばコースの風景や上り下りの傾斜をイメージしながら頭の中でレースを進め、スパートをかける勝負どころはどこなのかをあらかじめイメージしてレースに向かうのだそうです。また、「自分が先頭でゴールテープを切る姿」を思い浮かべて、成功をイメージすることも大切なイメージトレーニングだといいます。

イメージトレーニングが効果的なのはスポーツだけに限るものではありません。私たちが仕事に取り組む上でも、イメージトレーニングはとても大切です。仕事に取り組むときには、どのような手順で仕事を進めるのか、そのためには事前の準備として何をすればいいのか、そして最終的なゴールはいつ、どのようなものになるのかを事前にイメージしておきましょう。

例えば今日、お客様を訪問する予定があれば、お客様の顔を思い浮かべながら伝えなければいけないことや聞きたい話を整理し、お客様がどのような質問をしてくるか、どう説明すれば成功に結びつくかをイメージしておくとよいでしょう。

ひとは誰でもよい仕事をしたいし、よい結果を残したいと思っているはずです。けれども、ただ漠然と成功したいと考えているだけではそれはうまくいかないかもしれません。

自分がなすべきこととそこに至る道筋をあらかじめ頭の中でまとめて、なすべきことと成功へのイメージを作っておけば、目の前の仕事に追われてしまって右往左往してしまうことも少なくなります。

アスリートたちの勝負は、競技が始まるずいぶん前に、イメージの中で始まっています。同じように、私たちの仕事も本当は事前にイメージすることから始めてみてはどうでしょう。仕事に取り掛かる前には、自分のやるべきことをできるだけはっきりと具体的にイメージしておくのです。頭の中でのイメージを具現化するように仕事に取り組むことで、段取りよく無駄のない仕事ができるようになります。また、イメージした通りに仕事が進んだり、商談が成立すれば、成功体験を2回することができ、仕事に対する自信にもつながります。

以上(2021年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】身近にあるワクワクや感謝に気付ける人になる

先日、取引を始めたばかりのクライアントから、Z世代向けのマーケティングについて相談を受けました。Z世代とは、1990年代後半から2012年ごろに生まれた世代で、当社がターゲットとする顧客層とは大きく異なります。この話を断ることもできましたが、「打席に立つ」のが私のモットーですし、こうした機会でもなければ接することのない分野だと思ったので、少し調べてみることにしました。

Z世代について書かれた書籍を読み、Z世代が好むとされる音楽を聴いてみました。知り合いにも相談してみました。すると、想定していなかった新しい発見がたくさんあったのです。

例えば、Z世代向けの書籍を読んだことで、軟らかい文章を書く際のヒントがつかめました。最新の音楽を聴き、新鮮な気持ちで「かっこいい!」と感じてリフレッシュできました。それに、この件で相談した知り合いと、ビジネス以外の「趣味の話」をすることができ、これまで以上に仲良くなれました。

とてもワクワクする楽しい経験をしたわけですが、ここで私はふと、気付いたのです。「この経験は、当社に所属していなければできなかったかもしれない」ということに。そして、この経験のきっかけとなったクライアントとの取引は、ここにいる皆さんが1年以上もかけて努力し続けてきた成果であることに。改めて、私は皆さんとクライアントに「ありがとう」と思ったのです。

このエピソードを通じて、私が皆さんに伝えたいのは、

私たちの周りにはワクワクすることや、感謝の気持ちを抱かせるようなことであふれている

ということです。しかし残念なことに、それに気付いていない人があまりにも多くいます。

最近、「好きな仕事だけをすればいい」「我慢する必要はない」といった風潮があります。そして、右へ左へと気軽に動くことを「流動化」として推奨しているようにさえ感じます。しかし、「この仕事はつまらない。私には合わない」と凝り固まった考え方をし、簡単に会社を辞めたり、諦めてしまったりしている人がいるとすれば、それは大きな間違いと言わざるを得ません。

そうした人が「青い鳥」を探しに行ったとしても、きっと見つからないと思うからです。今、自分がいる場所で、身近にあるワクワクや感謝にさえ気付けないのですから、よそに行っても見つかるはずがありません。

仕事が自分に向いているか否か、仕事が楽しいか否かを決めるのは、その仕事の内容だけではありません。皆さんがその仕事とどう向き合うのか、そしてワクワクや感謝に気付くことができるかが大切なのです。どうか、気付くための感性を養ってください。そして、ワクワクや感謝などの

「気付き」に気付ける人

になってください。それだけで皆さんのビジネスパーソンとしての世界が豊かになります。

以上(2021年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

ストップ!「ながら運転」(2021/07号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

運転中の携帯・スマホの使用やカーナビの画面注視など携帯電話使用等(いわゆる「ながら運転」)に起因する交通事故件数(令和2年)は、道路交通法の改正(厳罰化)等の効果もあり、前年より大幅に減少しました。
その一方で、ながら運転による交通事故は、ながら運転以外の場合と比べ、死亡事故の比率が約1.9倍であり、重大事故となる可能性が高い傾向があります。
ながら運転を絶対にしないように心がけ、常に運転に集中しましょう。

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※ 警察庁Webサイト 「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html(2021.6.17閲覧)

1.ながら運転の罰則等

ながら運転とは、運転中の携帯・スマホによる通話、操作および画面注視、ならびにカーナビの画面注視などの行為を言います。携帯電話使用等によるながら運転は、その危険性から厳しい罰則等(下表)が課せられます。交通事故の発生や重大な事故につながる危険な運転により交通の危険を生じさせた場合は、罰則等が重くなります。

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2.“ちょっと”が危険を招く

スマホをちょっと確認するだけでも、また運転に集中するまでに2秒程度を要します。
一方、スマホやカーナビを2秒以上注視するとドライバーが危険を感じる状態になると言われます。
車は2秒間で思った以上に移動します。その間、周囲の交通情報が遮断されると、対向車、停止車両、歩行者等に気づくのが遅れ、ブレーキ操作等が間に合わず、衝突、追突もしくは歩行者等をはねるリスクが高まります。

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<ながら運転の事故発生場所の特徴>
ながら運転による交通事故は、比較的見晴らしがよい直線道路で多いという特徴があります。
これは、安全と思われる場所が、“ちょっと”の油断を招くからだと推察されます。

※ 公益財団法人 交通事故総合分析センター「携帯電話等の使用が要因となる事故の分析」
https://www.itarda.or.jp/presentation/18/show_lecture_file.pdf?lecture_id=95&type=file_jp
(2021.6.17閲覧)

3.ながら運転対策

厳罰化から1年半が経過しましたが、ちょっとの油断も生じさせないためには、“ながら運転は絶対にしない”という強い意識を持ち続けることが大切です。
ながら運転の危険性をいまいちど認識し、安全運転を心がけましょう。

1.ながらスマホ対策

  • 着信で注意を奪われないよう、運転前に電源を切ったりドライブモードに設定したりする。
  • スマホを操作するときは、安全な場所に停車してから行う。
  • ハンズフリー通話は、会話に気を取られて安全不確認や漫然運転といった安全運転義務違反につながる可能性があることを十分に意識する。
  • <職場での取り組み>
  • ながら運転の撲滅に向け、油断が生じないよう、定期的に安全運転教育を行う。

2.カーナビ注視対策

  • 時間に余裕を持った行動(目的地への道程の事前確認、早めの出発)をする。
    道に迷ってもあわてず、車を安全な場所に駐車して地図を確認しましょう。

以上(2021年7月)

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画像:amanaimages

悪魔にも天使にもなる!? 固定費とうまく付き合おう/経営者のためのファイナンス講座(5)

書いてあること

  • 主な読者:将来の意思決定に役立つファイナンス思考を身に付けたい経営者
  • 課題:売上が減少傾向にある場合などにおいて、コスト削減の考え方を知りたい
  • 解決策:固定費の特性を正しく理解し、できる範囲で固定費を増やさないように工夫することで、業績への影響をコントロールしやすくなる

1 コロナ禍だけではない、オフィス移転の理由

街を歩いていると、空き店舗を見かけることが多くなった気がします。度重なる緊急事態宣言により、東京では飲食業を中心に厳しい状況が続いています。

会社のオフィスについても、一部スペースを返したり、面積が小さな場所に移転したり、なかにはオフィスを閉鎖する会社もあったりするなど、不動産にも大きな影響を与えています。確かに、リモートワークが進んだことから、以前のように出社して執務するスペースが要らないという理由もよく分かります。

加えて、オフィス移転などをする会社が多いのは、コロナ禍だからではなく、実はオフィスを借りるための費用が固定費だからという理由があるのです。

2 固定費は売上ダウン時の負担が大きい

固定費という言葉は聞いたことがある方も多いでしょう。固定費とは、売上が変動しても金額が変わらない費用のことです。ちなみに、これとは反対に、売上に比例して増減する費用を変動費と呼びます。

コロナ禍においては、売上が激減する一方で、固定費が重くのしかかって、経営不振に苦しんでいる会社が数多くあります。まさに定義の通り、固定費は売上が減ったとしても、かかり続けます。経営悪化時の業績への影響はとても大きいのです。

3 削減努力の効果が高いのは、固定費

その一方で、固定費には削減効果が続きやすいという性質があります。例えば、先ほどの狭いオフィス移転の例で考えてみると、引っ越しなど移転の際、一時の手間やコストはかかりますが、いったん移転してしまえば家賃の削減効果は半永久的に続きます

変動費ではこうはいきません。会社は業績が厳しくなると、交際費や交通費などの変動費を抑えることがしばしばです。しかし、その努力を継続するのはなかなか大変です。つまり、固定費に比べて変動費の削減効果を継続するのは大変ということです。

雑誌などでファイナンシャルプランナーが、家計の改善のための助言を行う記事を見かけますが、よく取り上げられているのは、家賃と保険料と携帯電話などの通信料、子どものお稽古の月謝です。これらに共通するのは、固定費ということです。この家計の例から見ても、せっかく努力するのであれば、固定費に着手した方が「コスパがいい」というのがお分かりいただけると思います。

4 人件費も、固定費

このように、足元の業績を改善し、将来の利益を稼ぎやすくするためにも、固定費の削減は役に立ちます。

家賃に加えて、代表的な固定費として、人件費が挙げられます。シリーズ第3回(「人」と「コスト」のファイナンス的考え方/中小企業経営者のためのファイナンス講座(3))で、「人件費はコスパを考えるべき」という話をしましたが、その理由の1つに、人件費も固定費だからといえます。

業績が悪くなると、以前からリストラをする会社が見られましたが、これはまさに、足元と将来の業績という2つの目的のために行われるのです。

5 固定費=悪者ということではない

ここまでの話を聞いて、固定費は悪者だと感じた方もいるかもしれません。しかし、そうではなく、固定費の性質を正しく理解することが大事です。

固定費がいいか変動費がいいかという議論は、飲食店で食べ放題がいいかアラカルトがいいかということに似ています。たくさん食べる方には食べ放題がお得ですし、小食ならアラカルトの方が実際に食べた分だけの請求なので無駄がありません。つまり、どちらが合っているかは、人それぞれで、万人に共通する答えはありません。同様に、固定費がいいか変動費がいいかを判断するには、自社の業種を踏まえる必要があるのです。

というのも、業種によっては、比較的大きな固定費の負担が不可避という場合も多いのです。例えば、飲食業や小売業など個人のお客さん相手の事業は、やはり立地が大事です。従って高額な家賃が必要です。

しかし、最近はその中でも、デリバリーやオンライン販売など新たな形態に注力する動きも見られます。もちろん、厳しい環境下で生き延びるために考え出される取り組みですが、結果的には固定費が減って、利益が出やすい体質になる効果もあるのです。

6 固定費が減ると、業績好転時の影響も大きい

また、売上が伸びるなど、業績が好転した際には、固定費はうれしい効果があります。

例えば、業績好調のWeb関係の会社では、営業利益率70%といった数字を見かけることがあります。流通業など利益率が低いことが多い業種からすると、驚きです。まさにこれも、固定費のなせる業なのです。

自社でソフトウエアを開発し、その利用料を得る事業では、開発時には人件費が膨大にかかりますが、一度開発に成功してしまえば、後は保守運用するための人件費や、サーバー費用くらいしかかからない場合もあります。

そのため、売上が成長すると、これらの固定費の金額が相対的には小さくなるため、驚くような利益率につながります。

このような固定費の存在により、売上伸長時に利益が大きく増える現象は、固定費のレバレッジ(「てこ」のこと)効果と呼ばれます。

7 最近は固定費を変動費化できることも多い

とはいえ、事業の形態を追加したり変えたりするには、時間も手間もかかります。そこで、固定費を減らすもう少し取り組みやすい方法として、固定費の変動費化があります。

例えば、いきなりオフィスをなくす代わりに、従量制のシェアオフィスを利用するのも1つです。また、営業車をリースする代わりに、カーシェアを利用することもできるかもしれません。

シリーズ第2回(ファイナンス特有の「見えないコスト」の考え方/中小企業経営者のためのファイナンス講座(2))の中で管理コストがかからないよう、これらのサービスを使って中小企業は「持たざる経営」をという話をしました。その理由は、固定費による業績圧迫を避けるためでもあるのです。

以上(2021年7月)

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画像:pixta

“渋谷駅半径2キロ圏内だけに留まらない”エクイティを活用した伴走支援。ガッツリ内部に入り込み事業を成長させる分厚いサポートには、「日本の未来を変えたい」スペシャリストたちの思いが込められていた!/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、山田 一慶さんと小野 敬明さん(ともにBlueCircleの共同代表パートナー)です。

「エクイティ活用によるスタートアップ支援」というと、「東京、都心部、ITの会社」といったキーワードを連想するかもしれません。しかし、BlueCircle(ブルーサークル)さんが考えているのは、日本全国、むしろ地方で、そしてソーシャル領域などIT関係ではない会社にもスタートアップ的な経営ノウハウを伝え、経営を変えていくことです。
以降では、山田さんと小野さんがなぜそう考えているのか、そして具体的にどのようにスタートアップ支援をされているのかをご紹介していきます。お二人のお話を聞いているだけで、なにか自分自身の考え方がバージョンアップされていくのを感じます。経営者の皆さまにとって今後の事業成長のヒントになることも多いと思いますので、ぜひご一読ください。

1 ポイントは「経営の伴走支援」

まず、BlueCircleさんがやっておられることをご紹介します。同社ウェブサイトトップページには、BlueCircleさんを表す言葉として次のように記載されています。

BlueCircleのビジョンを示す言葉の画像です

(出所:BlueCircleウェブサイト公開資料)

BlueCircleさんはスタートアップのエクイティ活用支援が得意ではありますが、ポイントは「伴走支援」のところです。BlueCircleさんは、スタートアップの経営者と毎週のように顔を突き合わせ、どんなプロダクトを作るか、どうやってマーケティングや資金調達を進めるか、といったスタートアップ経営の根幹を継続的に議論し、意思決定を支援しており、1社1社にかなり深く入り込んで、まさに「経営の伴走支援」を行っておられます。

よくある一般論に終始するコンサルティングや、「お金が必要なら調達してきましょう」というブローカー的なものでは全くなく、資金調達も含めて、

会社の成長の鳥瞰図を経営者と一緒に作っている

イメージです。

スタートアップやベンチャー、創業間もない会社の場合、「経営のことを考えるのが経営者一人しかいない」状況が多いかと思いますが、そうすると、経営者一人では解決できない、先に進めないことも出てきます。そうしたときにレイターステージのスタートアップで経営層を経験した、実際にスタートアップの資金調達などの経験もありスタートアップが成長した後の経営についても分かっている、そして「経営者と同じ目線に立ってくれる」スペシャリストに相談できるのは、経営者としてかなり心強いのではないでしょうか。BlueCircleさんは、まさに、「経営者の頼れる伴走者」で、こうした伴走者はなかなか探しても見つからない、言われてみれば絶対に必要なのに、今まで無かった新しい存在です。

2 これまでのご経歴も信頼のベース

BlueCircleさんはご支援する会社から見れば外部の人ということになりますが、やっておられることは

「外部だけど内部」

と言えるほど深く入り込んでいます。こうしたことができるのは、BlueCircleの方々のご経験もあって、お客さま(会社さん)から信頼されているからだと感じます。

山田さんと小野さんのご経歴をいくつかご紹介しますと、ソフトバンクでロボット事業(Pepper)立ち上げの財務責任者としてフランスの会社を買収、スタートアップで30億円の資金調達を実現(山田さん)。経済産業省・防衛省・東京都などの政策を立案、外資系IT大手のマーケティングを経験した後、複数のスタートアップでCMO・事業責任者を歴任(小野さん)。お二人のご経歴は同社ウェブサイトで公開されていますので、お読みいただくと、第一線でご活躍されてきたスペシャリストだということがよく分かると思います!

https://www.bluecircle.co.jp/team

BlueCircle山田一慶氏、小野敬明氏の経歴を示す画像画像です

(出所:BlueCircleウェブサイト公開資料)

山田さんはBlueCircleを立ち上げる前、ライフエンディングのマーケットを中心としたスタートアップ「よりそう」のCFOをやっておられました。そこで30億円の資金調達を実現されたわけですが、CFO在籍4年間で月商を3000万円から数億円にまで成長させたそうです。山田さんがこうした成長を実現できた背景には、ある先輩スタートアップのCFOと出会いがあるそうです。その方から、経営戦略から資金調達まで具体的なノウハウを手取り足取り教えて頂けたことで、ひよっこCFOからプロCFOへと成長することが出来た。だから、同じように困っているスタートアップ経営者を支援する事ができないか、という発想が今のBlueCircleにつながっていると山田さん。

また、小野さんはマーケティングや事業コンサルティングなど山田さんとは違った分野のスペシャリストです。小野さんいわく、山田さんとお二人がそろうと「財務からマーケティングまで幅広いビジネス戦略の全部含めてご支援できる」という思いでBlueCircleを立ち上げたそうです。本当に心強いお二人ですね!

その他にも、SaaSプロダクト開発企業のCOOをやっていた方やさまざまなスタートアップ でCMO、マーケティングの責任者をやっていた方、反対にVCサイド(外資系のベンチャーキャピタル)にいた方もいらっしゃるとのこと。こうしたメンバーで「レイターステージの経験を持っている人が、ゴールから逆算していかにゴールでたどり着くかを支援している」のだそうです。まさに、スタートアップを成長させる&成長させた後の出口までの支援を実現するスペシャリストの軍団です。「スタートアップ的な経営」ノウハウも、かなりお持ちなのだと思います。

3 BlueCircleさんの「外部だけど内部」なご支援事例

1)他に聞かない「モックレベル」のご支援

BlueCircleさんのスタートアップ支援は「外部だけど内部」という言葉でも分かる通り、ご支援先の会社さんのかなり現場のところも一緒に考え、動きます。例えば、2021年6月30日に第三者割当を通じて、約2億円の資金調達が完了したヴァルトジャパン株式会社をご支援した場合もそうです。

●ヴァルトジャパンさんの資金調達に関するプレスリリースはこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000013618.html

ヴァルトジャパンさんは、障がい者就労施設の支援をされているソーシャル領域の会社です。これまで障がい者就労施設に提供されていた仕事は、箱詰めなど、単純作業が中心でした。そこを、ヴァルトジャパンさんは、IT系の作業など「今まで障がい者就労には無かったような仕事」を獲得してきて作業として分解したり、取り組みやすい形に加工・分配して、障がい者の方々がやり遂げられるような体制を作られています。これにより、課題とされている障がい者の方々の低賃金を改善し、障がい者の方々が高単価な仕事に就けるようにしています。ヴァルトジャパンさんも、素晴らしいことを実現されている会社さんですね。

BlueCircleさんは、このヴァルトジャパンさんを2020年3月ごろからご支援されておられます。今後さらに事業を拡大していきたいという気持ちだったヴァルトジャパンさんに対して、BlueCircleさんが行ったご支援は、「じゃあすぐに資金調達しましょう」というものでは全くありませんでした。

「ビジネスの基本を建て付けていくこと」からスタートしていった

のです。資金調達をするためには投資対象として魅力的であることが重要なので、ビジネスが強くなるように「一緒に作り上げていった」のだそうです。BlueCircleさんがヴァルトジャパンさんへのご支援でやっておられることの例は次の通りです。資金調達に入る前に、経営を整えるところから入っておられるのが分かります。

  • 資金繰りのマネジメント
  • 注力する事業分野の決定
  • 戦略的な商品化と営業体制づくり(営業戦略の策定)
  • 上記をベースに資金調達に向けた成長ストーリー立案、戦略の立案
  • 成長ストーリー、戦略の立案に基づく数字や計画への落とし込み
  • 資金調達準備の際の売上拡大に向けた営業サポート
  • 資金調達後のITプロダクトの企画、設計
    (“モックレベル”までご支援!)

まさに「外部だけど内部」です! まるで中の人のように一緒にプロジェクトを進めている感覚です。特に注目したいのは「資金調達後」もしっかりと事業のお手伝いをされているところです。「資金調達後のITプロダクトの企画」をお手伝いする際は、なんと「あとはエンジニアがコードを書けばいい」というモックレベルまで(!)お手伝いされるそう。他ではあまり聞いたことがないレベル感のご支援で、驚きました。

こうしたご支援について山田さん、小野さんにお伺いしたところ、次のように語ってくださいました。ご支援するヴァルトジャパンさんの「思い」「志」に共感しているというところが、深い深いご支援につながっているのだと思います。胸が熱くなるお話です。

    ●山田さんと小野さんに伺った深いレベルのご支援について

    ヴァルトジャパンさんの思い、BPOの事業自体は僕たちも共感するところが多くて、社会的な価値に貢献できるような投資が日本に増えたらいいなと思っています。
    民間の、さらにベンチャーキャピタルのようなところが社会性の高い事業に出資して、支援するのが当たり前の世の中になったらいいなと思って支援しています。

    ただ、そういったスタートアップとか、VCファンダブルな事業を作っていく経験は、やはりみんなが持っているわけではないですよね。僕たちはこれまでの経験を生かして(ITプロダクトについて)、ユーザーのペインなども定義した上で投資価値のある事業戦略を描き、プロダクトの企画の詳細を落とし込んでエンジニアがコードを書くだけというモックのレベルまで昇華させていくところまで一気通貫で支援をしています。資金調達の支援というよりは経営のリソースや手段、施策みたいなところのレベルで我々はいつも伴走しているのです。

2)すでにある程度の規模で事業されている会社さんへのご支援も

また、起業直後のスタートアップに限らず、すでに年商10億円規模の本業をやっておられる中小企業のご支援などもされているそうです。
その会社さんは新たにスタートアップを作ろうとしており、「業界を変えるようなITプロダクトを作りたい」というご要望だったそうです。もともとIT系ではないためノウハウも知見もなし。そこで、BlueCircleさんは、最近のスタートアップやITビジネスの手法に関する情報をシェアしながら、事業計画・事業戦略を一緒に組み立てているとのことです。本業をすでにやっておられる会社さんがスタートアップを立ち上げる前の「かなり初期の段階」からご支援されているということなので、BlueCircleさんは、会社の第二創業や、中小企業が事業承継をした後、後継者が新しく事業をされる際のご支援なども得意なのではないかと思います。

4 BlueCircleさんとして実現したい世界

突っ込み度合いが、一般的なコンサルティングなどとは明らかに全く異なるBlueCircleさん。山田さんや小野さんがこうした伴走支援を実践されているのはなぜなのか、その思いをお伺いしてみました。すると、「日本の未来」を見据え、その未来を変えたいからという思いから、非常に深く考えられていらっしゃることが分かりました。

高度経済成長時代の経済成長が止まり、国の経済の基礎である人口も今後急速に減っていくことが予想されている今の日本。「間接金融で設備投資をして、人を大量に採用して、大量に売る。これで成長できていた」のが、叶わなくなったことで、今までの経済成長モデルが機能しなくなっています。こうした日本の状況を捉え、

「そうした中で日本の経済水準を維持していくには、急激に減る人口を上回る非線形の成長が必要です。この、今後求められる「非線形の成長」を唯一実現している経済モデルが、シリコンバレーが発明したITとエクイティを活用したスタートアップ経済なのです。」

と山田さん。

経営モデルを全体的に見直していかなくてはいけない中で、スタートアップやベンチャー的な経営の手法論は日本でも徐々に体系化されてきたそうですが、実践しているのは東京のIT系ベンチャーを中心とした一部のスタートアップやベンチャーだけ。

「日本の電機企業の多くが大阪発祥だったように、日本には新しい発想を持った起業家が全国各地に居る。しかし、エクイティは東京に集まっている。この偏在性は解決しなくてはいけない。スタートアップという新しい経営手法を、触れる機会のない経営者に伝えることで、日本はもっと成長できるはず。」

というのが、BlueCircleさんが伴走支援をされている大きな理由です。

    ●山田さんと小野さんのお話

    (スタートアップ、ベンチャー的な経営は)東京の渋谷区、新宿区、品川区、港区だけではなくて、当然地方にもあってしかるべきだし、IT業界出身者だけではなくてソーシャルの会社や飲食店、いろいろな業界の出身者が居ていいと思っています。

    ただ、そこにはエクイティとか、そういった成長を実現するためのモデルが、どう実現できるのかというノウハウがないだけ。実は体系化されている成功体験や手法があるのに、ノウハウと人材が最適にアロケーションされていないというのが現状だと思います。

    それを解決したいというのが大前提にあって、BlueCircleをやっています。

こうしたお話をお伺いしていると、自分自身も考え方が非常にバージョンアップしていく感じがします。
また、小野さんがお話ししてくださった次の例も、とても大事なことだと感じました。「スタートアップ」「エクイティ」「IT」といった言葉や概念の難しさがハードルになって、新しい経営手法が広まる壁になっている状況が伝わってきます。

    ●小野さんに伺った「エクイティという言葉を知らなかった起業家の話」

    先日新しい発想の事業を立ち上げて軌道に乗せようとされている起業家の方とお会いしたのですが、「エクイティ」という言葉自体を知らず、ベンチャーキャピタルからの資金調達という選択肢がある事自体を知らなかった、と言われていました。

    言葉として知らないということは、その言葉を使った経営術も当然知らないわけで、とてもポテンシャルがある方でもその方向性を知らない、考えてもいなかったという事実があります。
    エクイティを活用した経営が広まっていない事が、日本経済の成長性のボトルネックになっている現場に触れた思いがしました。

今まで知らなかったスタートアップ的な経営を「知る」ことで、今後の事業の可能性や選択肢は大きく広がっていくのではないでしょうか。

最後に、山田さん小野さんは、米国の投資家ピーター・ティール氏の言葉

「空飛ぶ車が欲しかったのに、僕らが手に入れたのは140字だけだった」

を例に、BlueCircledさんとしてどのような世界を実現したいかをお話しくださいました。

    ●山田さん小野さんによる「BlueCircleが実現したい世界」

    ピーター・ティール氏の言葉で、「空飛ぶ車が欲しかったのに、僕らが手に入れたのは140字だけだった」というものがあるのです。
    要は、21世紀には車が空を飛ぶ、ドラえもんや鉄腕アトムができているのだと誰もが思っていて、スタートアップの期待される役割もそこなのだと誰もが思っていた。
    IT技術は予想以上に発展しているし、コミュニケーションは140字以内でできるようになっていて、いずれも素晴らしいことなのだけど、「それだけでよかったのだろうか」と問題提起をするような時代に入ってきている。

    そういう意味では、日本にはもっといろんなスタートアップがあって良い。
    今は比較的ITやエンタメにかたよっていて、もっと他のジャンルが増えても良かったのではないかと思っているのです。

    僕ら(BlueCircle)が特にご支援しようとしているのは、地方やソーシャルなど中小企業の現場の方で、そういう方々がもっとスタートアップ的な方法論を使って、成長戦略を作って、世の中に価値を生み出していくようなことがもっともっとたくさん起きて良いはずで、そこの差分が埋められたらいいなと考えています。

確かに、一般的に多くの経営者は、無意識に「スタートアップやベンチャーは東京の一部のこと」と考えがちかもしれません。しかし、未来に向けて成長するためには、「今まで聞いたことのない言葉、手法」も学び、実践していくことが必要です。そういう「今までにないこと」「やったことのない方法」を、日本全国の志ある会社さんに伝え、ご支援されたいと語る山田さんと小野さん。BlueCircleさんの語ってくださった「実現したい世界、未来」に大きく心を揺さぶられ、深く考えさせられました。そして、未来に向けて行動しなければならない!とも思いました。BlueCircleさんの「伴走支援」が広まっていくよう心から応援しています!

以上(2021年7月作成)