【朝礼】まだ50歳か、もう50歳か?

先日、50歳で動物病院を起業した人と話す機会がありました。そのときの話があまりにも素晴らしかったので、皆さんにもお伝えします。テーマは、「捉え方次第で行動が変わる」です。

その起業家は、業界平均の数倍の件数をこなせるように、動物病院のオペレーションを改善したり、特殊なトリミング技術でファンを獲得したりしているとのことでした。素晴らしい経営努力ですが、私が強く引き込まれたのは、その起業家のあふれるバイタリティーでした。

どんな技術を持っていても、50歳という年齢で起業するのは簡単ではありません。しかし、その起業家は「自分はまだ50歳。これからだ!」と考えて起業を決断しました。その決断の土台となっているのは、20代の頃から持ち続けている「グローバルに通用する経営者になりたい!」という夢だそうです。私がさらに驚いたのは、海外展開を見据え、既に英語が話せる社員を雇っていることです。その起業家はその社員を、海外第1号拠点の院長にする予定だと言っていました。

私は、これからの事業展開を楽しそうに話す起業家の姿を見て、この人は必ず海外展開を成し遂げるだろうと確信すると同時に、ぜひ、応援したい気持ちでいっぱいになりました。

人はいつでも新しいチャレンジをすることができます。しかし実際に行動する人としない人がいて、その違いは「まだ」と「もう」のような物事の捉え方の違いなのだと、改めて気付きました。

もし皆さんが、「もうダメだ」「もういっぱいいっぱいだ」「もう十分だ」など、後ろ向きの言葉をよく使うようだったら注意してください。行動も後ろ向きになってしまいます。仮に先の起業家が、「もう自分は50歳になってしまった……」と考えていたら、起業などしなかったでしょう。

別の角度から話をしましょう。いまだによく聞くフレーズに、「コロナの影響なので、仕方がないです」というものがあります。しかし、私の周囲に限っていえば、このように言う人のほとんどは大してコロナの影響を受けていません。彼らは、「コロナのせいで、得意先とコミュニケーションが取れない」と言っておけば、周りは「仕方がないね」と許してくれると決め込んでいるのです。

緊急事態宣言が発令された頃は、本当に「仕方がない状況」でした。しかし、多くの人はすぐに努力と工夫でビジネスを動かし始めました。状況は大きく変わったのです。

わずか数カ月で差が広がります。何年も「もう」と言い訳をしていたら、どれだけの可能性を潰してしまうのか、恐ろしくなります。しかし大丈夫です。新しいチャレンジは、いつだって始めることができます。この朝礼をきっかけに、「まだ」マインドの人はますます熱く、「もう」マインドの人は「まだ」への切り替えを進めることを期待します。完璧を求める必要も、失敗を恐れる必要もありません。チャレンジし続ける限り失敗ではなく、応援してくれる人も現れます。

以上(2020年9月)

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画像:Mariko Mitsuda

社名変更を行う時に考えること

書いてあること

  • 主な読者:社名の変更を検討している企業の経営者
  • 課題:社名変更に際しての留意点を押さえておきたい
  • 解決策:必要な手続きを理解するとともに、他社の変更事例を参考にする

1 社名変更の意義と気を付けるべきこと

1)企業のブランドイメージ構築や方向性を左右する社名変更

企業は、合併やブランドイメージの構築などに際して、社名を変更することがあります。社名は、企業のブランドイメージや目指す方向性に関わる大切なものであるため、慎重に決定しなければなりません。

2)何のための社名変更か

社名変更には必ず理由があります。例えば、次に挙げるようなものがあります。こうした理由は1つではなく、いくつか重なっているケースもあります。

  • 企業合併、経営統合の一環
  • 経営者交代による旧来の企業イメージの一掃
  • 社名と事業の実態の一致
  • ブランドイメージの一新や向上

社名変更の理由はさまざまですが、重要なことは「社名変更は企業刷新のために実施する」ということです。一方で、社名変更を企業刷新の出発点とするはずが、「社名を変更する」という作業がゴールになってしまうケースもあります。このような社名変更はその後の具体的な行動と結びつきにくくなってしまいます。

3)社名変更の取り組みに当たって

社名変更に当たっては、「刷新すべき点」「刷新すべきでない点」を明確にする必要があります。この区分が十分ではない場合、社名変更前に持っていた良さを失ってしまう恐れがあります。これは、社名変更によって社員の意識が改革された際、残しておくべき企業の良い点が捨てられてしまう可能性があるためです。

例えば、手厚いアフターケアが売りの訪問販売を手掛けていた企業が、独自のアイデアをアピールしようと「企画」を含む社名に変更した結果、次に挙げるような状況に陥ってしまうことも考えられるのです。

  • 役職員が新規顧客獲得のための企画に集中
  • 既存顧客へのアフターケアに力を注がなくなる
  • 結果としてブランドイメージが落ちる

このような状況を避けるため、社名変更に際しては、「何を刷新し、何を残すのか」について明確にした上で、企業刷新を進めていく必要があります。

具体的なポイントとしては、次のような点が挙げられます。

  • 社名変更に合わせて経営理念や行動指針などを見直し、何を変えるのか明確にする
  • 社名変更の後も残すべき点についても明確にする
  • 社名変更によって刷新する点、残す点を全役職員で共有する

2 社名変更の手続き上の留意点

1)変更後の社名を決める際の基本的な留意点

社名変更の取り組みを開始して変更後の社名を検討する際、次に挙げる点に留意する必要があります。

  • 同一所在地に、変更後の商号(社名)と同じ商号の企業がないか確認する
    (例:会社所在地に「○◆企画」という商号の企業が既にある場合、「○◆企画」では登記できない。ただし、「株式会社○◆企画」と「○◆企画株式会社」、「○◆企画株式会社」と「○◆企画合資会社」は同一の商号には当たらない)
  • 株式会社など会社の種類を社名に含める
  • 法令によって制限されている名称、およびそれに類似する名称は使用しない
    (例:銀行、信用金庫、信用組合など)

2)社名に使用できる字

登記する社名については、通常の日本語である日本文字以外に、次の字が使用できます。

  • ローマ字(大文字および小文字)
  • アラビア数字
  • 字句を区切る際の符号(「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点))。ただし、社名の先頭や末尾に用いることはできない
  • 空白(スペース)。ただし、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を区切るために使用できる

社名を変更するに当たっては、司法書士などの専門家に相談する、登記所(法務局・地方法務局・その支局および出張所の総称)に直接問い合わせるなどして、細部まで確認しましょう。

3)社名(商号)変更の手続き上の留意点

社名は定款に必ず記載しなければならない事項です。そのため、社名変更に当たっては、株主総会の特別決議を経て、定款の社名に関わる箇所を変更する必要があります。

定款の変更後、必ず管轄の登記所に社名(商号)を変更した旨の登記(変更登記)を申請する必要があります。登記期間は、登記の事由が発生したときから2週間以内です。

管轄の登記所や申請の詳細については、法務局のウェブサイトで確認できます。

■法務局■
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/

3 社名変更により発生する主な手続きのチェックリスト

変更登記の申請手続き以外にも、社名変更によって生じる手続きは少なくありません。そのため、実際の変更に際しては、変更手続きチェックリストを作成し、確実に社名変更に関わる手続きを行えるようにします。

また、金融機関などに社名変更を届け出るに当たっては、登記簿・履歴事項全部証明書など、社名変更を証明する書類の提出を求められる場合があります。提出する必要がある手続きを事前に確認し、必要な部数をまとめて取得するようにしましょう。

社名変更により発生する手続きの項目(例)は次の通りです。

1.社外的な手続き

  • 印鑑登録の変更
  • 社会保険、労働保険に関する必要な届け出
  • 税務署、都道府県税事務所への届け出
  • 郵便局、電話(固定電話、携帯電話、インターネットプロバイダーなど)、水、ガス、電気などの変更通知
  • 不動産や社有車などの動産の名義変更(自社保有の場合)、貸し主への連絡・契約書の変更手続き(賃貸している場合)
  • 得意先への挨拶
  • 取引金融機関への挨拶、届け出
  • 仕入先への挨拶
  • 契約保険会社などへの届け出
  • クレジットカード会社、ETCなどの届け出
  • 各種加盟団体への届け出
  • 自社の社名を端的にあらわした、ホームページのドメインの再取得

2.社内的な手続き

  • 看板、広告塔などの変更
  • 名刺、社章などの変更
  • 社用箋や封筒の変更
  • 納品書、請求書、見積書、領収書などの伝票の変更
  • 会社案内の変更
  • 自社ウェブサイトの社名表記変更
  • 商品カタログ、販売促進ツールなどの変更

これらの手続き以外にも、都道府県や市区町村に社名変更を届け出るなど、自社が行っている事業などによっては社名変更に伴う手続きが生じる場合があります。そのため、司法書士や社会保険労務士などの専門家に相談して、漏れがないようにすることが望ましいでしょう。

4 社名変更をした企業の事例

1)認知度の高いブランド名に統一

石油元売りなどエネルギー関連を手掛けるJXTGホールディングス(当時)は2020年6月25日に、社名を「ENEOSホールディングス」に変更しました。同時に傘下の「JXTGエネルギー」の社名も「ENEOS」に変更しています。

同社は石油元売り業界による再編に伴い、最終的にかつての共同石油、日本鉱業、日本石油、三菱石油、九州石油、ゼネラル石油、東燃、三井石油、エッソ石油、モービル石油(いずれも旧社名)などが合流して誕生した経緯があり、再編の過程で社名がJXTGホールディングスとなりました。

ただ、同社が展開するサービスステーションは、2001年から「ENEOS」のブランド名を使用しています。社名とブランド名を統一することにより、「『ENEOS』の高い知名度を活用した成長事業の育成・新規事業の創出を推進するとともに、長期ビジョンで掲げる『アジアを代表するエネルギー・素材企業』の実現に向けたグローバルブランドへの飛躍」(同社プレスリリース)を目指すとしています。

2)発祥時のDNAを社名に込める

機械メーカーの東芝機械(当時)は2020年4月1日に、社名を「芝浦機械」に変更しました。社名変更のきっかけは、2017年3月に東芝グループから離脱したことです。同社の発祥は「芝浦製作所」であり、古くから「SHIBAURA」ブランドを使用していることから、新社名にしました。新社名には、「『ものづくり』を通じて社会に貢献することで進化を続けてきた、このDNAを忘れることなく、今後も、『お客様と共に更なる進化を遂げていく』との思いを込めて」(同社プレスリリース)います。

3)海外展開を見据えた社名に

ねじ商社の小林産業(当時)は2020年4月1日に、社名を「トルク」に変更しました。さらなる事業領域の拡大や、これからの海外展開を見据えて、変更を決めました。新社名は「駆動力」を意味する「Torque」に由来しており、「業界の基軸として力を発揮する存在になりたい」(同社ウェブサイト)、「世界に通用する存在になりたい」(同)との思いを込めています。

以上(2020年9月)

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画像:photo-ac

玄米粉および米ぬか粉の市場動向

書いてあること

  • 主な読者:玄米粉および米ぬか粉の新たな活用に関心のある、食品メーカーや飲食店などの経営者
  • 課題:市場規模や市場動向が分からない
  • 解決策:米粉全体の市場規模および市場動向や、市場関係者のコメントなどの定性的な面から、市場動向を把握する

1 玄米粉および米ぬか粉の市場動向

1)玄米粉および米ぬか粉とは

米を細かく砕いて粉状にしたものが米粉です。このうち、精米前の状態の米(玄米)を粉状にしたものが玄米粉です。また、玄米を精米する際に発生する米ぬかを、微細な粉状にしたものが米ぬか粉です。

米ぬかは食物繊維に加えてビタミンB1、ビタミンE、ナイアシンなどのビタミン類や、抗酸化物質であるフェルラ酸、フィチン酸、γ-オリザノール、血糖値の上昇を抑制するGABAなどの機能性成分を含んでいます。玄米粉は米ぬかを含んでおり、米ぬか粉は米ぬかそのものであるため、栄養価の高い食材として評価されています。

2)米粉の市場規模

玄米粉や米ぬか粉に関する市場規模を示した公的機関による資料は確認できませんでした。このため、玄米粉や米ぬか粉も含む米粉(新規需要分)全体の市場規模を基に、玄米粉や米ぬか粉の市場規模を推計します。

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2019年度の米粉の需要量は3万6000トンとなっています。近年では小麦粉の代替素材としてパンやパスタなどに使用されるケースが増えているようです。一方、新規需要米用としての米粉用米の生産量は2万8000トンしかありません。ここ数年、米粉用米は供給不足の状況にあります。

次に、玄米粉の需要量について推計します。一般の主食用の米の場合、全体に占める玄米の流通量の割合は3%程度ともいわれているようです。同じ3%を米粉の中の玄米粉にも当てはめてみると、年間の需要量は1000トン程度となります。米粉製造業者の中には、「製造している米粉のうち、玄米粉は1割弱程度」(大手米粉メーカー)の業者もある一方、「スポット的に売れる印象」(米粉メーカー)と話す業者もいます。

全体としては「米粉は白米の粉が多く、玄米粉の割合は3%もないのでは」(農林水産省穀物課)とみられます。さらに米ぬか粉については「玄米粉より、さらに少ないのでは」(同)と推測されます。

3)米粉(玄米粉・米ぬか粉)の需要の動向

近年、米粉が供給不足の状況にある背景について、日本米粉協会へのヒアリングによると、次のような事情があるようです。

  • 米粉に関しては2009年ごろに1回目のブームとなり、大手広告代理店なども入って大々的な宣伝を行った経緯がある。
  • しかし、当時は技術的に未熟であり、消費者の心を掴むような商品に育たなかった
  • このため、大量の米粉の在庫が発生し、2015年ごろまで、在庫調整に苦しむ事業者もあった。
  • 現在は米粉の製造技術なども進歩し、小麦粉の代替となる商品力がついている。
  • 欧米を中心としたグルテンフリー商品(後述)への需要の高まりにも適した商品であり、近年は需要が増している。
  • 一方で事業者は在庫調整に苦しんだ経験から、生産の拡大に踏み切れていない面がある。

また、同協会は、玄米粉や米ぬか粉の需要の動向については、次のような見方をしています。

  • 玄米や米ぬか自体は健康によいと脚光を浴びてはいるが、現状は精米による米粉が注目され、需要が伸びているところである。

玄米粉の需要動向について複数の米粉メーカーにヒアリングしたところ、次のようなコメントがありました。

  • 流通量は少ないが、健康面でのイメージはよいので、今後もニーズはあると思う。
  • 癖のない精米による米粉と比べて、玄米粉には玄米特有の独特な匂いがあるので、通常の小麦粉の代替としては使われにくい面がある。玄米粉は焙煎して、玄米独特の香ばしさを活かした商品が多い。
  • 玄米粉は、どら焼きや麺類にアクセントをつけるために、数%入れている。玄米は雑味が多いので、焙煎して雑味を取り、香りを引き立てている。

また、米ぬか粉の需要動向について複数の米粉メーカーにヒアリングしたところ、次のようなコメントがありました。

  • 米卸最大手の神明ホールディングス傘下の「神明きっちん」が2018年9月に発売した「飲める米糠」をテレビ広告などでも宣伝したことで、認知度も上がり、米ぬか粉の需要は増えている。それまでは米ぬか粉を製造しているのは一部の小規模の事業者だけだった。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店での需要が落ち込んでいるが、栄養価の高さと、玄米粉と違って糖質も少ないことで、注目度は高まっている。ベジタリアンレストランでの需要は増えている。

4)米粉用米の供給の動向

需要の伸びに対し、米粉用米の供給量も、徐々に増えているようです。農林水産省では、2030年度までに米粉用米の生産量および需要量を13万トンへと拡大させることを基本方針として掲げていて、2020年度予算に各種の支援策を盛り込んでいます。背景には、米の需要拡大や、食料自給率、需要が減少している主食用米生産者の事業転換の支援などがあります。主な支援策は次の通りです。

生産者(米粉用米)に対する支援

  • 戦略作物助成
    水田活用の直接支払交付金として、米粉用米の水田に対して、収量に応じて10アール当たり5万5000円~10万5000円を交付
  • 産地交付金(地域の裁量で活用が可能)
    米粉用米の3年以上の複数年契約をした水田に対して、10アール当たり1万2000円を交付

生産者、加工事業者(米粉製造業者)に対する支援

  • 農業生産機械の導入、加工施設の整備、集出荷貯蔵施設の整備などに対する交付金の交付や、低利での融資を実施

5)グルテンフリーの需要増への対応

農林水産省「米粉をめぐる状況について」によると、世界のグルテンフリー市場は、2019年の66億7260万ドルから、2024年には104億1940万ドルへと、1.5倍以上に成長するとの予測もあります。

国内では、日本米粉協会が2018年6月から、ノングルテン米粉の認証制度を開始しました。サンプル検査でグルテンの含有率が1ppm(0.0001%)以下であることなどの条件をクリアした製品に対し、同協会が認証を行うものです。欧米のグルテンフリー表示の基準が20ppm程度であるのと比べ、厳格な基準を採用しています。2019年9月からは、ノングルテン米粉を使用した加工食品を登録し、ノングルテン米粉使用マークを付与する制度も開始しています。

また、同協会や日本貿易振興機構(ジェトロ)では、米粉製品の海外輸出に無得たPR活動などにも取り組んでいます。

2 玄米粉および米ぬか粉の主要なメーカー

1)米粉の主要メーカー

玄米粉および米ぬか粉に関する売り上げを示した公的機関による資料は確認できませんでした。日本米粉協会へのヒアリングによると、米粉の主要なメーカーは、次の通りです。

■みたけ食品工業■
http://official.mitake-shokuhin.co.jp/
■新潟製粉■
http://www.niigata-seifun.jp/
■波里■
http://www.namisato.co.jp/
■日の本穀粉■
https://www.hi-kokufun.com/
■大潟村あきたこまち生産者協会■
https://akitakomachi.co.jp/
■熊本製粉■
https://www.bears-k.co.jp/

同協会によると、「全体では300~400社程度あるが、規模の小さな業者が多い。大手業者で生産量の6割程度を占め、さらに10社程度が加わると全体の8割程度のシェアを占めるのでは」とのことでした。

この他、一部の農協でも玄米粉を製造しているところがあるようです。

2)米粉の製造事業者数

前述のように、日本米粉協会へのヒアリングでは、米粉の製造業者は300~400社程度とみられるとのことですが、業者数を公表している公的機関の資料は確認できませんでした。農林水産省のウェブサイト「米粉の状況」上に掲載されている「米粉販売事業者一覧」には、70社が掲載されています。掲載されている70社の中には、玄米粉を製造している業者も含まれています。

■農林水産省ウェブサイト「米粉の状況」■
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/

3)米ぬか粉のメーカー

米ぬか粉は、小麦粉の代替などとして、パンやパスタなどの材料として用いられることの多い米粉とは異なり、サプリメントや栄養機能食品として、味噌汁やヨーグルトなどに混ぜて食べられることが多いようです。

このため、米粉製造業者よりも、農家を母体とする事業者や、健康食品を取り扱う事業者などが携わるケースもみられます。インターネットによる検索で確認された、米ぬか粉を製造販売しているメーカーは次の通りです。

■ジョイントファーム■
https://www.gensenmai.net/
■三和油脂■
https://sanwa-yushi.co.jp/
■ニチエー■
https://nichie-inc.co.jp/
■健幸一番楽らく農園■
https://rakuraku-nouen.com/
■インターウィンドウ■
https://www.uonuma-oryza.jp/

4)米ぬかの代表的な加工メーカーおよび加工技術

米ぬかの多くは、多くがたい肥や飼料、米油の原料として使われる他、漬け物の「ぬか床」や化粧品としても利用されます。米ぬかは劣化が早いという特徴があるため、米ぬかの加工に関しては、精米事業者(米卸業者)を中心に、米油メーカーなどが加工を行っているようです。代表的な米ぬか加工メーカーを紹介します。

1.木徳神糧

自社精米工場で発生した米ぬかを脱脂糠に加工し、飼料用などに販売しています。

■木徳神糧「事業案内」■
https://www.kitoku-shinryo.co.jp/html/business/

2.神明ホールディングス

精米直後の米ぬかをすぐに圧搾する「ナチュラル・プレス製法」の開発により、「薬剤不使用・長期保存可能な『食用脱脂米糠』の製造」(2018年9月のニュースリリース)を可能にしたといいます。

■神明ホールディングス「2018年度お知らせ」■
https://www.akafuji.co.jp/news/2018/

3.築野食品工業

米ぬかから機能性成分を抽出精製し、医薬品原料、化粧品原料、食品添加物、飼料添加物、工業用薬品を製造しています。

■築野食品工業「米ぬか加工原料」■
https://www.tsuno.co.jp/products/fine-chemicals/

4.まつや

玄米と米ぬかを配合し、手軽に扱える高度アルファ化粉(一度加熱した後に粉にしたもの)を開発しました。

■まつや「ニュース」■
https://www.niigata-matsuya.co.jp/news/

5.ジョイントファーム

米ぬかを180度の高温でアルファ化して細菌と水分を処理し、米ぬか粉を製造しています。

■ジョイントファーム「米ぬか粉の簡単ご利用方法」■
https://www.gensenmai.net/komenukako.html

3 玄米粉および米ぬか粉を使用した加工品

玄米粉および米ぬか粉を使用した加工品の市場規模に関する、公的機関による資料は確認できませんでした。ここでは、玄米粉および米ぬか粉を使用した加工品の一例を紹介します。

1)玄米粉を使用した加工品の一例

1.みたけ食品工業

米粉製造大手のみたけ食品工業は、自社の玄米粉を使用した玄米パンを販売しています。

■みたけ食品工業「玄米パン」■
https://mitake-shokuhin.co.jp/products/detail.php?product_id=253

2.マイセン

マイセンはパン、うどん、ラーメン、パスタの他、ドーナッツやクッキーなどを製造販売しています。

■マイセン■
https://www.maisen.co.jp/shopping/

3. 隆祥房

餃子の皮を製造販売している隆祥房は、米粉や玄米粉を使ったグルテンフリーの餃子の皮を製造販売しています。

■隆祥房「玄米粉入り米粉餃子皮」■
https://www.ryushobo.com/product/home/komeko_gyoza.htm

4.オーサワジャパン

「マクロビオティック」食品を取り扱うオーサワジャパンは、玄米粉を含有したパンやラーメン、やきそば、カレーやシチューのルー、クッキーやかりんとうなどを販売しています。

■オーサワジャパン■
https://www.ohsawa-japan.co.jp/

5. 常陸屋本舗

麦茶や麩などを製造販売している常陸屋本舗は、玄米粉入りの麩を製造販売しています。

■常陸屋本舗「玄米粉入り京小町麩」■
http://www.hitachiya-honpo.co.jp/html/YK_sai7.html

6.あぐりこまち

おかゆを始めとするレトルト介護食などを製造販売しているあぐりこまちは、玄米粉を使ったフルーツかゆを製造販売しています。

■あぐりこまち「玄米粉フルーツかゆ」(介護食)■
http://okayu.shop-pro.jp/?pid=127078221

2)米ぬか粉を使用した加工品

前述のように、米ぬか粉は加工品の素材としてでなく、サプリメントとして、粉末状のまま他の食品に混ぜる形で摂取する形が多いようです。神明きっちんの「飲める米糠」は、ココナッツシュガーやはちみつなどの味付けをした商品をラインアップに加えています。

■神明きっちん「飲める米糠」■
https://06ricebranoil.com/product_komenuka/

4 玄米粉および米ぬか粉市場の分析

これまで紹介してきた市場動向に関する情報を基に、玄米粉および米ぬか粉市場を取り巻く環境と成長要因について、ビジネスフレームワークのPEST分析を使ってまとめます。

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玄米粉および米ぬか粉市場は、米粉の市場拡大を奨励する政府などの後押しを背景に、小麦粉の代替としての米粉全体の需要の高まりや、玄米および米ぬかに含まれる高い栄養価への評価の高まりとともに、今後も成長していくとみられます。

5 玄米粉および米ぬか粉の残留農薬基準

稲作で用いられた農薬は、米の表皮の部分、つまり米ぬかの部分に多く残るとされています。このため、特に米ぬかに対しては、一部に残留農薬に対する懸念の声も聞かれます。

残留農薬については、食品衛生法に基づき、厚生労働省が販売や輸入が認められる基準値を定めています。玄米粉および米ぬか粉に関しては、米(玄米)と米ぬかに、それぞれ基準が定められています。残留農薬基準に関してはポジティブリスト制度が採用されており、基準が定められている成分に関しては基準値を下回ること、基準が定められていない成分に関しては、人の健康を損なう恐れのない成分を除いて全て一定水準(0.01ppm)を超えないことが決められています。

日本食品化学研究振興財団「残留農薬基準検索システム」によると、米(玄米)については317種類の成分に関する基準が定められています。一方、米ぬかに関しては、カルバリル(50ppm、2021年7月までは170ppm)、フルトラニル(10ppm)の2種類のみが定められており、残りの成分は一定水準を超えないことが義務付けられています。

■日本食品化学研究振興財団「残留農薬基準値検索システム」■
https://db.ffcr.or.jp/

以上(2020年8月)

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オンラインコミュニケーションの【落とし穴】をChatwork山口副社長に教わる〜時間軸を縦から横へ、生産性向上にビジネスチャットの【今】を聞く〜/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、山口 勝幸さん(
Chatwork株式会社
 取締役副社長COO)です。

●会社HP
https://corp.chatwork.com/ja/

●製品サイト
https://go.chatwork.com/ja/

新型コロナウィルス感染症の発生から半年が経過、まだまだ長続きと言いますか、後戻りのない世界へ新しいワークスタイルの創出へと世界が変化しています。そんな中、ビジネスにおける流儀もこの半年で様々なシーンが一気に変化してきました。多種多様なオンラインツールの導入も加速度的に増えたという話を聞きます。私自身もオンラインコミュニケーションが、場所と時間を超越する便利ツールとして日常化して利用、活用し恩恵を被っていることは間違いありません。しかしながら、先日、山口さんのインタビューで得た気付き、オンラインツールが万能ではないこと、加えて自社製品ツールである【Chatwork】をも至上主義ではないことを話されていました。このあたりにフォーカスし、【Chatwork】をどんな風に使うことに意味があるのか、山口さん流の表現である時間軸を縦から横にしていくこととはどういうことなのか?生産性向上にビジネスチャットがどの様に活用されているかについて話を聞きました。

1 Chatwork社のここ最近の現況について

1)半年前のインタビュー記事からも成長を続けるChatwork

私自身、Chatwork株式会社の前進である、EC studio社時代からお世話になって12、3年が経過しているのですが、ここ数年特に昨年の株式上場以後は目覚ましい成長を遂げていらっしゃいます。嬉しい限りです。その成長の軌跡、概要をまとめていますのが、私が不定期で書かせていいただいている新幹線の雑誌【Wedge】のweb版のコーナー(オモロイ社長、オモロイ会社)で今年の1月7日に同社について文字数多く書かせていただいています。その記事はこちらです。この時は社長の山本さんにインタビューをさせていただきました。今回は副社長の山口さんにインタビューの機会をいただきました。

現在、Chatworkの導入企業社数は27.7万社以上(2020年7月末日時点)となります。私が前回インタビューさせていただいた時で、24.6万社(2019年12月末日時点)、たった半年ちょっとで3.1万社の増加、単月ベースで4000社以上が毎月増加していることになります。登録ID数は327.9万人(2020年3月末日時点)(前回は308万人(2019年12月末日時点)で、これも約20万人近くが増加しています)この数字に、山口さんはまだまだ白地(ユーザー増加の可能性がある)の多い環境だと話します。

2)ビジネスチャット市場の推移について

ビジネスチャット市場の推移の画像です

※同社資料より

2018年出典の上記資料で、2020年には112億円を突破する見込みとなっています。コロナ禍の影響を加味していないことからして今年はさらに市場の拡大は必至だと感じます。山口さんから、ご自分の肌感覚という前置きがありながら、日本におけるビジネスチャット浸透度はまだ20%程度ではないか? と話されていました。私も同感、都心の一部の企業で当たり前化しているとは思いますが、全産業、全業態におけるビジネスチャットの常時利用はまだまだと感じます。いまだに、FAXが全盛の場面、電話マストの場面を見かけることもあります。たまに驚くこともあります。この状況からもまだ始まったばかり、特に中小企業、非ITにはビジネスチャットの市場は大きく控えているのが現況と感じます。

3)最近金融機関との取組で気付くことも

オンラインカンファレンス開催案内の画像です

今年の7月21日に朝9時45分スタート、19時15分終了のオンラインカンファレンスが開催されました。当日の概要はこちらです。主催はChatwork社。オープニングとクロージングのトークが山口さん。錚々(そうそう)たる企業が登壇されています。総務省の方まで【テレワークの最新状況と総務省の取組】というタイトルで話されています。
このカンファレンスの申し込み者数は1,000名以上だったそうで、テレワークに対する企業側の関心の高さ、その熱量の大きさをも表していると思います。
山口さんは、ここ最近、金融機関との取組、特に地方銀行さんと連携したテレワークに関したオンラインセミナーへの参加社数が、昨年とは違い、明らかに増えたと話します。この参加者数の増加が前述のマーケットはまだまだあるということにもつながると思います。

2 コロナ禍におけるトピックスも伺いました

1)Chatworkを活用し、非対面で注文住宅が販売できる

人生の中で一番高い買い物と言えば、【住宅】。その住宅、特に注文住宅といえば、理想のイメージは? 予算はどのくらい? 設計事務所は? どこで建てるか? 建物の具体的な概要はどうするか?等々最終的に入居するまで1年ほどはかかると言われています。その間に何度も何度も繰り広げられるのが、【打ち合わせ】。休日に時間を創って、お互い調整しての面談が繰り返されて入居まで打ち合わせの【継続開催】が続きます。それがある注文住宅の工務店で行われたのが、【打ち合わせ】は全てChatwork上で行い、リアル面談をすることなく、お互い時間調整も不要の中で数千万円の住宅が販売されているという事実。工務店側も休日に集中的に打ち合わせに出向いていたことからも解放され、施主側も訪問時間に家族一同が待ち受けることから解放され、聞きたいことがあればチャットで質問、回答もチャットで。コロナ禍で自宅にいる施主さんも多く、余計に自宅についての関心、考えることも増え、工務店側も販売環境は普段より改善し、売り上げもコロナ前よりもChatworkを活用することで増加しているそうです。既成概念を超えチャットで住宅が売れる、買える時代となったこと、大きな変化に感じます。

2)コロナ初期 リモートワークでChatworkが大活躍(GMOインターネット株式会社)

今年の1月27日にリモートワークの意思決定をされたのが、GMOインターネット株式会社さん。社員約4000名が一斉にリモートワークに移行、社員数の多さも含めて、これは簡単なことではないと思いますね。

GMOインターネット株式会社のリモートワーク対応をまとめた画像です

※同社HP掲載記事から抜粋。

この短期間での決断から運用についての詳細はこちらをご覧ください。

私がこの記事から大切に感じましたことを2点ほど抜粋しました。

  • 同僚への気軽な呼びかけ”の役割をChatworkが担う
    Chatworkを通してのコミュニケーション頻度は以前より上がっています。やはり、会社に出勤していたときとは環境が大きく違い、在宅勤務では隣にいる人に「ちょっと」と気軽に話しかけることはできません。そうした気軽な呼びかけの役割をChatworkが担ってくれるようになっているのです。
    機能でいうと、リアクション機能がメンバー間でとても好評です。文字だけでは伝わらないニュアンスが表現できて、よりリアルでの会話に近い雰囲気がチャットで再現できます。既読の確認にも使えるのが便利ですね。以前は読んだことを伝えるのに「了解です」という一言がずらっと並ぶようなこともあり、投稿に「了解は不要です」とつけたりしていました(笑)。リアクション機能でそれもなくなり、より会話がスムーズになったと思います。

→私もリアクション機能をよく使っています。これで既読、理解したのかどうかがスムーズに理解、伝わると思います。この気遣いがリモートワークで大切と感じますね。

  • 私自身は在宅勤務に移行してもそれほど仕事の環境が変わったと感じませんでした。その理由は、以前からChatworkを使っていたからだと思います。ただ、テキストコミュニケーションだけでは不十分で、オンラインビデオ会議もあわせて導入すると良いと思います。

→コロナ初期では、リアル面談もできないことがストレスでした、それを軽減できたのが、ビデオ会議、私自身も多用することでコミュニケーションを円滑化できたのもこの機能でした。スマートフォンでも快適に活用できたことが大きかったと思います。

上記のGMOインターネット株式会社さん以外にも多数の活用事例がChatwork社のサイトには掲載があります。こちらをご覧ください。

3)私(杉浦)の活用事例についても

現在56歳、リアル面談重視で日々の活動を行って来てドブ板系だと自認しておりますが、非常事態宣言以降は全く訪問をすることも無く約2ヶ月間、大阪にて借りたオンライン部屋(一人個室)から、オンラインツール、チャットツールもちろんChatworkを多用して、多数の方々とビジネスコミュニケーションを行って来ました。

杉浦氏のオンライン部屋の画像です

※今年の5月の私のオンライン部屋の写真です。ここからたくさんのオンラインコミュニケーションを行いました。

順応性は高い方だと思うのですが、その中でも私が多用していたのが、音声録音でした。Chatwork上ではスマホから音声録音ができる様になっていて、文字では硬い、厳しい、上から目線となりがちな用件伝達の場面で、私の生声で届けることで、受け取った側の皆さんから、『ボイスメッセージ良いですね!』『ニュアンスが分かりやすくて理解が早いです!』等々、好評をいただいています。ただ全てをボイスメッセージに代替できるのでは無く、詳細な数値、客観性が高い項目については文字のほうが伝わりやすいと感じます。使い分けでコミュニケーション力もアップすると思いますね。
この様に私だけでも自分流の活用方法がありますが、Chatwork社では利用者のレベルや利用シーンによって活用できる【お役立ち資料】も準備されています。

Chatwork社の【お役立ち資料】関連の画像です

上記のお役立ち資料についてはこちらをご覧ください。

この様なお役立ち資料への準備を行いつつ、導入支援、導入サポートにも注力をしている、Chatwork社、カスタマーサクセスの専門部門も増強し、顧客満足度はかなりのハイレベル、サービス導入者の離脱(解約率)は他のSaaS事業者よりも圧倒的に低いものとなっています。

3 オンラインコミュニケーションの落とし穴と時間軸を縦から横に ビジネスチャットの役割について

1)オンラインツールが便利!でも手放しで喜んではいけない→使い分けが大切です。

このお話となった時、まさに私は手放しで喜んでいる派でした。そこに山口さんは警鐘を鳴らします。オンラインツールで時間と場所を超越して、こんなに便利なもの、恩恵を被れたことはまさに画期的、コロナより社会全体が仕事のあり方に変化をもたらしたことと感じます。しかし、なんでもオンライン会議を開催すれば良いものではない。オンライン→同期であること、これはリッチコミュニケーションであることに理解が足りないと山口さんは話します。時間と場所は選ばないことは大きな変革でありますが、参加者一同が、同じ時刻(同期)に【拘束】されていることが、まさに、贅沢である。内容によっては、同期で無くとも十分意思疎通が図れる、そこに気付いて運用ルールを定めるべきと話します。

  • 同期コミュニケーション→意識の共有として、ビデオ会議などを用いて、重要なことの「目的&背景」を共有する際や、意思決定を伴う「提案」や「相談」、人間関係の構築段階において有効です。
  • 非同期コミュニケーション→情報の共有として、チャットを用いて、スペック&量などの「確認」「調整」を行う際や、実行したことの「報告」、予定しているイベント等の「連絡」などに有効です。

ビジネスシーンでよくある課題をまとめた資料の画像です

2)1日に会議に何回参加できますか? 時間軸を縦から横へ、ビジネスチャットで実現

山口さんにお聞きした質問に、

  • 1日Chatwork上で何回程度チャットに参加されていますか?
  • 全てのチャット(会話・会議体)はどれくらいありますか?

この2つがありました。山口さんから、

→1日に参加するチャット数は300を超えています。
→全てのチャット数は5000を超えています。

これが回答でした。
今日は会議にたくさん参加した!と言っても10件以上のリアル会議に毎日参加している人は何人でしょうか?
1つのチャットを1つの会話や会議と見なすと山口さんは300回の会話・会議体に毎日参加していることになります。
これが時間軸を縦から横にするという考え方に通じます。リアル(オンラインであっても)の会議は必ずその場に一同が介さないと成り立ちません、しかし、横にして並列、並走していろんなチャットに乗り移る、見に行く、巡回するそんなイメージで、会議室にあたかも自由に出入りする感覚でコメントが必要であれば、対応、頷く程度、内容を見たことを相手に伝える程度であれば、前述のGMO社の方のコメントにもあった、リアクション機能で十分。この様な活用、チャットへの運用ルールを決めておけば一日300回の会話・会議に参加可能となる。非同期によるコミュニケーション活用が生産性向上を生み出す、これが毎月数千社が導入しているChatworkの強さだと感じます。人間の限界を超えていく感覚がこのあたりに感じ入ります。

これだけご自身でも使い倒している状況のChatworkですが、山口さんはこのツール至上主義とは微塵も思っていないとも話されます。
『リッチコミュニケーションには、オフラインやオンラインをどんどんやるべき、そうでない部分を補うのがビジネスチャットの領域です、この使い分けが一番大切。そしてビジネスチャットを活用して生産性向上を中小企業、非IT企業でますますお役に立っていきたい』と笑顔で語っていただきました。これからの同社の快進撃がますます楽しみに感じます。

インタビュー時の画像です

【終始笑顔で楽しいインタビューでした! 感謝。】

以上(2020年8月作成)

「税務調査」がよく分かる 手続きの流れを徹底解説

書いてあること

  • 主な読者:税務調査について知りたい経営者・経理担当者
  • 課題:税務調査はどのように始まり、何をされ、どのように終わるのか
  • 解決策:調査対象の選定から更正・決定までの流れを解説

税務調査は、会社から提出された申告書などに記載されている金額が正確かどうかを税務署などの職員が判断するために行う一連の調査(証拠資料の収集、要件事実の認定、法令の解釈適用など)です。また、税務調査の一環として、オフィスや工場などに職員が出向いて調査を行うことを実地調査といいます。

一般的に税務調査という場合、この実地調査を指すことが多いですが、この他にも電話や文書での問い合わせ形式による税務調査や反面調査など、納税者と接触しない形で行われる調査も含まれます(「反面調査」については後述)。

以降では、税務調査の全体の流れに沿って、それぞれの手続きを解説していきます。なお、本記事では国税庁、国税局または税務署を「課税当局」、課税当局の職員を「調査職員」、調査を受ける者を「納税者」としています。

2 税務調査の流れ

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1)調査対象法人の選定

課税当局は、国税庁のオンラインシステム(KSKシステム)を活用して、データベースに蓄積された法人税の申告内容や各種資料情報などを基に、調査対象の会社を選んでいます。その事務年度(その年の7月からの1年間)における重点調査業種に該当しているかどうかや、業種・業態・事業規模といった観点から分析されます。

これら資料情報には、税法などの法令により提出が義務付けられている給与所得の源泉徴収票や利子等の支払調書の他、税務調査などの際に把握した裏取引や偽装取引に関する情報など、さまざまなものが含まれています。

2)書面添付の有無

税理士が税務代理業務を行い、税理士法第33条の2において規定されている書面(税理士が申告書の作成に関して計算し、整理し、または相談に応じた事項などを記したもの)を添付している場合、納税者への事前通知をする前に、税務代理権限証書(税理士または税理士法人が税務代理する場合に、その権限を有することを証する書面)を提出した税理士にあらかじめ意見聴取が行われます。

この意見聴取によって、調査職員の疑問点が解消されたときは実地調査が省略され、税理士に対し、現時点では調査に移行しない旨、口頭(電話)で連絡されます。一方、実地調査の必要があると認められたときは、事前通知前に税理士に対して、意見聴取結果と実地調査に移行する旨の連絡が行われます。

3)事前通知

税務調査が入るときには、原則として、課税当局から納税者に対して次に掲げる事項の事前通知があります。なお、税務代理権限証書を提出している場合は、顧問税理士に対して通知があります。

実際に実地調査が行われる場合は、事前通知の前段階で日程調整が行われます。

  • 実地調査を行う旨
  • 調査開始日時
  • 調査を行う場所
  • 調査の目的
  • 調査の対象となる税目
  • 調査の対象となる期間
  • 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
  • 調査の相手方である納税者の氏名および住所または居所
  • 調査を行う調査職員の氏名および所属官署
  • 調査開始日時または調査開始場所の変更に関する事項
  • 上記4~7に掲げる事項以外について非違が疑われることとなった場合には、当該事項に関し調査を行うことができる旨

なお、事前通知を行うことを原則としていますが、事前通知なく税務調査が実施される場合もあります。これは、提出した申告書や過去の調査結果の内容、またはその営む事業内容などから、違法や不当な行為の疑いが強く、資料収集が難しい、また調査自体が適正に行えない恐れがあると認められる場合に限り行われるものです。

4)実地調査

1.実地調査とは

実地調査とは、調査職員が会社などで質問検査などを行うことをいいます。調査職員は「質問検査権」を与えられて実地調査が可能になります。ただし、「質問検査権」は、「調査について必要があるときは」と規定されており、納税者は明らかに必要のないとされる質問に対しては、これに応じる必要はありません。

しかし、必要に応じて帳簿書類等の提出が求められたときなど、質問検査権に基づく質問に対して答えない、または偽りの返答をした場合などには、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

2.実地調査に必要なもの

実地調査時に必要な帳簿書類や物品には、税法上で備え付け、記帳または保存しなければならない帳簿書類(詳細は後述)の他、調査のため必要と認められるものも含まれます。具体的には、取締役会などの会議の議事録や稟議(りんぎ)書など紙で保管されている証憑(しょうひょう)書類、給与データ、電子メールなどのデジタル記録、金庫や固定資産台帳に記載されている機械装置などの物品も対象となります。

帳簿書類には「仕訳帳、総勘定元帳、その他必要な帳簿」「取引先から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類等」「棚卸表、貸借対照表および損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類」があります。

また、実際の物品なども対象であることから、必要に応じて工場、営業所、支店などで現物確認調査が行われることもあります。

これらの書類や物品はすぐに提出・案内しなければなりません。必要があるときは、調査職員は提出された物品を課税当局の庁舎に持ち帰ることができます。これを「留置き」といいます。留置きは、納税者の理解と協力の下、実施されるものであり、留置きが行われた場合、納税者は調査職員から預かり証を受け取ります。留置きされたものは、留め置く必要がなくなったときに返還されます。また、事業の遂行上の必要性のためなどの理由があるとき、納税者が返還の請求をすることもできます。

5)取引先等調査

取引先等調査とは、いわゆる反面調査のことをいいます。調査職員は、税務調査において必要であると合理的に判断される場合には、取引先や雇用主などに対し、質問や検査等を行うことができます。

6)調査結果説明

実地調査等や取引先等調査の結果、誤り・訂正がある場合等には、調査職員が、納税者に対して調査結果の内容・金額・理由を説明します。なお、法令上は説明の方法が明示されているわけではなく、多くの場合、口頭で行われています。

7)修正申告等の勧奨

調査結果説明の後、調査職員は納税者に対し修正申告または期限後申告(以下「修正申告等」)を勧奨することとしています。課税当局が職権で訂正(更正・決定)することも可能ですが、納税者が自ら理解して是正することが、申告納税制度の趣旨にかなうものと考えられているからです。

8)更正または決定をすべきと認められない旨の通知

実地調査等や取引先等調査の結果、誤り・訂正がない場合等は、課税当局は納税者に対し、その旨を「書面」により通知する必要があります。

9)修正申告等

納税者が自ら、修正申告書または期限後申告書(以下「修正申告書等」)を提出します。納税者は修正申告書等を提出した場合、再調査の請求や、審査請求といった不服申し立てはできません。

10)更正・決定

納税者が調査結果の内容説明に納得せず、修正申告等の勧奨に応じない場合、税務署長は職権で更正又は決定の処分を行います。これに対して納税者は、不服がある場合には、処分の通知を受けた日の翌日から3カ月以内に税務署長に対して再調査の請求をするか、国税不服審判所長に対して審査請求することが認められています。

なお、更正とは期限内に申告した申告書について、誤り・訂正があった場合に税務署の職権で税額等を計算する処分をいいます。一方、決定とは期限内に申告をしなかった者に対して、課税当局の職権で税額等を計算する処分をいいます。

3 実地調査の観点と対策のポイント

実地調査では、帳簿書類の確認などを通じて、法人税法などの法令にのっとって適切に税務処理されているかが調査されます。これは、税務申告書上の計算・転記誤り、記載漏れや故意によるものだけではありません。日常の経理処理のミスや決算手続きの際に漏れてしまった項目なども含まれます。例えば、請求書の発行の締め日が25日だった場合、決算手続きの際、決算月の26日から月末までの売り上げが集計から漏れていたとすると、いわゆる「期ズレ」として、売り上げの計上漏れの指摘を受けることになります。

また、法令上の適否以外に、要件事実の認定という観点からも調査されます。例えば、代表取締役1人で経営している青色申告法人の現金出納帳上の現金残高が200万円、実際の現金残高が10万円と大幅にズレていたとします。この場合、差額190万円について、未精算経費の存在など合理的な説明ができなければ、代表取締役による使い込みとして、いわゆる役員賞与(損金不算入。源泉所得税の納付漏れ)の認定・指摘をされる恐れがあります。

実地調査の対策としては、調査職員の質問に正確に回答できるよう、帳簿書類その他の物件を整理しておくことが肝要です。そのためには、帳簿の記帳や証憑書類の作成・保管、固定資産の管理などの整備を、日ごろから心掛けておく必要があります。また、正確な会計・経理処理の実践も不可欠です。

こうした取り組みは、基本的なことではあるものの、税務調査対策という観点からだけではなく、内部管理体制の充実という観点からも重要なポイントとなります。

以上(2020年8月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之)

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決算書でよく見る“引当金”の性質と活用法

書いてあること

  • 主な読者:引当金の計上を検討している中小企業の経理担当者
  • 課題:中小企業の決算書に引当金の計上が必要なのかどうかの判断は難しい
  • 解決策:引当金の必要性や目的を認識した上で、「経営管理」「資金調達」の視点からビジネスにおける活用方法を解説

1 引当金の必要性

上場企業の有価証券報告書にある貸借対照表を見ると、なじみのある貸倒引当金から、何かしらイメージが湧きそうな退職給付引当金や、縁のある企業が少ないであろうポイント引当金まで、様々な名称の引当金が計上されています。(ポイント引当金は、早期適用が開始されている収益認識に関する会計基準の適用により、計上できる範囲が制限されます。)

一方で中小企業の計算書類にある貸借対照表を見ると、貸倒引当金と、この他には返品調整引当金あたりが計上されているくらいだと思います。この差は一体何なのでしょうか。中小企業にとって、引当金は必要なものなのでしょうか。

本稿では、引当金を税務と財務の視点から解説した上で、ビジネスにおいてどう生かすかを紹介します。

2 引当金とは

1)引当金の目的

引当金は、当期以前の事象に起因して将来発生する可能性が高い特定の費用または損失を、対応関係にある当期の収益に照らして見越し計上すること、つまり期間損益計算の適正化を目的とします。また保守主義の見地では、企業財政を健全にすることも目的として挙げられます。

例えば、売掛金に関する将来の貸し倒れが合理的に予測し見積もれるのであれば、回収見込みのない分を当期に費用計上することによって、次期の損益に影響を与えないことになり、期間損益計算が適正に行われることになります。また利用できる手持ち資金を保守的に考えることで、安全に経営を進めることができるようになります。

2)主な引当金の種類と分類

1.製品保証引当金

製品に欠陥があった場合に次期以降に保証しなければならない見積額を、当期の費用として計上する引当金です。

2.売上割戻引当金

将来において割戻しが発生すると見込まれる場合に、その見積額を当期の費用として計上する引当金です。

3.返品調整引当金

次期以降に商品が返品される可能性が高い場合に、その利益部分の見積額を当期の費用として計上する引当金です。

4.賞与引当金

従業員に支給する賞与をあらかじめ見積もった際に、当期の負担に帰属する部分を当期の費用として計上する引当金です。

5.工事補償引当金

製品保証引当金と同様の理由で、建設会社や工事会社が、その見積額を当期の費用として計上する引当金です。

6.退職給付引当金

労働協約や就業規則などに基づいて、当期の負担に帰属する部分を当期の費用として計上する引当金です。

7.修繕引当金

次期以降の修繕のための費用をあらかじめ見積もり計上し、当期の負担に帰属する部分を当期の費用として計上する引当金です。

8.特別修繕引当金

修繕引当金の中でも、大規模な修繕が行われる場合に設定される引当金です。

9.債務保証損失引当金

債務保証を行っており、次期以降に保証の履行の可能性が高い場合に、その見積額を当期の費用として計上する引当金です。

10.損害補償損失引当金

将来の訴訟や事故などによる補償に備えて、その見積額を当期の費用として計上する引当金です。

11.貸倒引当金

債権のうち回収不能が見込まれる見積額を、当期の費用として計上する引当金です。

引当金は大別して、評価性引当金負債性引当金の2つに分類されます。評価性引当金は、将来に特定の資産の滅失が認められる部分について引き当てるものであり、発現した際は支出を伴いません。一方で負債性引当金は将来に発現した際に支出を伴います。

上記引当金の中で評価性引当金に分類されるのは、売掛債権やその他の債権にまつわる貸倒引当金のみとなります。それ以外の引当金は負債性引当金に分類されます。

貸借対照表上における通常の表示箇所は、評価性引当金については資産の部にある特定の資産から控除する形式で表示され、負債性引当金については、その性質により流動負債または固定負債として表示されます。

3)引当金の計上要件

企業会計原則(注)注解18で次のように規定されており、これらは4つの要件に分かれます。

  • 将来の特定の費用又は損失であって、
  • その発生が当期以前の事象に起因し、
  • 発生の可能性が高く、かつ、
  • その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。

貸倒引当金を例にすると、将来売り上げを回収できないリスクであるため1.を満たします。また、収益を認識し計上された売り上げに起因するため2.を満たします。さらに、過去の自社の実績や業界平均などの事例から、発生可能性を認めることができる部分について3.を満たし、同じく合理的に計算ができる部分について4.を満たすということになります。

(注)企業会計原則は1949年に企業会計制度対策調査会が公表した会計基準で、企業が従うべき会計規範としての役割を持っています。

4)税務の視点

税務では、実は税法にのっとり計上された貸倒引当金と返品調整引当金のみが引当金として認められ、それ以外の引当金については損金(税法上の費用に値するもの)として認められていません。

しかも、貸倒引当金の適用対象は中小企業に限られています。また、返品調整引当金は2018年度税制改正において、経過措置期間経過後に廃止されることになりました。

これは、税法が課税の公平や中立、簡素を基本の原則としており、会社ごとに判断や恣意性を持たせない公平的かつ共通のルールを策定する上で絞られた結果です。

3 引当金をビジネスに生かす

ここまで、引当金を制度の視点から解説してきました。では、ビジネスにおいてどのように活用するとよいのでしょうか。

1)経営管理

制度会計は過去・現在・未来や他企業との比較可能性の担保のために、期間を1年で区切り、ルールにのっとることを求めます。一方で、ビジネスで取り扱う投資やプロジェクトは、1年で区切るのは不自然なことのほうが通常であり、また経営方針によっては発生可能性が低いものも引当金として認めたり、独自の引当金を考慮すべきケースがあったりします。

例えば、新規事業を始めて開発に乗り出したが、システムの販売後にバグがどれくらい生じるか分からない場合に、経営の安全性のために合理的に見積もれなくてもルールを設定し、製品保証引当金を計上することで手持ち資金に余裕を持たせることができます。

また、現在のコロナ禍においては、少し先の未来でも不確実性が高く、見通しが難しい状況にあります。これを受け、売掛金や貸付金などの債権を個別管理し、独自に引当金を設定することで経営管理に資することもできます。

2)資金調達

中小企業においては、税務申告書を用いて銀行借り入れを実行するため、財務の視点が抜け落ちます。しかし、財務は必ずしも上場企業や大企業のような会社ばかりが必要になるものではありません。

銀行においても自社の税務申告書にある計算書類は、銀行のルールに基づく財務会計に引き直されています。

またM&Aという言葉がだいぶ浸透してきましたが、資本力のある会社とのコミュニケーションで、買収だけでなく出資などの資本提携や融資と併せた業務提携などの提案を受けたりする場合にも、やはり自社の計算書類は財務会計に引き直されます。

そこで先述の通り、税務と財務のギャップに引当金は大きく影響をしているため、この辺りについて共通言語で話せることが肝となります。つまり、このとき財務会計を意識して貸借対照表や損益計算書を作成できていたり説明ができたりすると、ビジネスモデルや実情の他に財務に関するリテラシーの高さを評価してもらえ、結果的に出資や融資の話がスムーズに進むことになります。

以上(2020年8月)
(執筆 合同会社gtra and company 代表執行役・公認会計士 朝倉厳太郎)

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病気で身体障害が残った社員の賃金は引き下げられる?

書いてあること

  • 主な読者:病気で身体障害が残り、労働能力が下がった社員の賃金を引き下げたい経営者
  • 課題:社員とトラブルにならないために、どのような手続きが必要なのか分からない
  • 解決策:社員の合意を得た上で、「賃金支給額の引き下げに関する合意書」などに署名してもらう。なお、賃下げの前に配置転換、労働時間や就業場所の見直しなども検討することが必要

本稿では次のケースにおいて、企業が社員の賃下げを行う際に必要な手続きを紹介します。

  • 社員が脳梗塞で倒れ、回復後に身体障害が残った。社員の労働能力は従来の半分以下に落ちているが、賃金の引き下げは可能か。

1 社員の合意を得る

賃下げは、労働条件の変更に当たるため、労働契約法(以下「労契法」)に基づき、社員の合意を得なければなりません(労契法第8条)。また、合意を得ない一方的な賃下げは、本来支払うべき賃金の一部を支払わないことになるため、労働基準法(以下「労基法」)の賃金全額払いの原則(労基法第24条第1項)にも反します。

合意を得るために企業が取るべき手続きは次の通りです。

  • 「現在の働きぶりが身体障害を負う前と比べてどの程度低下しているのか」「他の社員と比べてどこが足りないのか」をできるだけ客観的に社員に伝え、納得を得る
  • その上で、賃下げ後の条件が記載された「賃金支給額の引き下げに関する合意書」や「労働条件変更通知書」に署名してもらう

過去の裁判例では、「賃金の減額・控除に対する社員の承諾の意思表示は、社員の自由な意思に基づくものと認められる合理的な理由が客観的に存在するときに限り、有効である」という旨の判断がされています(更生会社三井埠頭事件 東京高裁平成12年12月27日判決)。

また、社員が一方的な賃金の引下げに同意したというためには、ただ異議を述べなかったというだけでは必ずしも十分でなく、積極的にこれを承認する行為が必要との判断をした裁判例があります(ゲートウェイ21事件 東京地裁平成20年9月30日判決)。

従って、賃下げの合意に当たっては、社員が自由な意思に基づいて、賃下げに合意したことを確認できる環境を整える必要があります。合意に瑕疵(かし)がある場合、事後的に錯誤(民法第95条)による無効や詐欺・強迫(同法第96条)による取消しを主張される恐れがあります。

実務で賃下げを伝える話し合いをする場合は、次の3つを心掛けましょう。

  • 決して高圧的な態度を取らない
  • 2人以上が同席する
  • 話し合いの記録を議事録などにして取っておく

なお、合意内容が法令(強行法規)、労働協約、就業規則に違反するような労働条件の切り下げは無効となります(労基法第13条、第93条、労契法第12条、労働組合法第16条、最低賃金法第4条)。また、企業の権利濫用に当たるような場合も無効となるので、注意が必要です。

2 企業が注意すべきポイント

1)配置転換の可能性

労働契約などで社員が従事する職務(事務担当など)を明確に定めていない場合、賃下げの前に配置転換を検討することも必要です。例えば、総合職で採用された社員は、人事異動を通じてさまざまな職務に就きます。仮に、社員が別の職務なら十分に対応できるとします。そうすると、社員は、「配置転換で別の職務を担当させてほしい」と主張してくるでしょう。

実際、「社員である原告が私傷病を理由に、従前とは別の職務に就くことを企業に申し出たが、逆に自宅療養を命じられ、企業に対し自宅療養中の賃金支払いを求めた」という判例もあります(片山組事件 最高裁第一小平成10年4月9日判決)。この判例では、最高裁が次のような観点から、社員の訴えを認容しています。

  • 労働契約において職種や業務内容が特定されておらず、
  • 病気や障害などにより、それまでの業務を完全に遂行できないときは、
  • 他に労務を提供できる業務が存在し、かつ労働者が労務の提供を申し出ている場合、
  • 労務の提供があったものとみなし、これを受領しなかった使用者に関する賃金請求権は失われない

社員から配置転換の申し出がなされる可能性は否めないため、企業は事前に配置転換の可能性を探っておくべきです。また、職務内容の変更を伴う配置転換は、労働契約で職務を限定していない限り、企業の人事権の範囲内であると考えられます。

そのため、社員が能力を十分に発揮できる職務があるのであれば、賃下げの前に配置転換を検討することは企業にとってメリットがあります。事前に配置転換して社員にチャンスを与えることは、労使トラブルを防止するための基本的な手段です。

2)労働時間や就業場所などの見直し

身体障害により、今まで通りに働くことが難しい社員に対しては、社員がパフォーマンスを発揮しやすいよう、労働時間や就業場所などの見直しを検討します。

例えば、雇用形態を正社員から短時間正社員やパートタイマーに変更することで、労働時間を短縮し、心身の負担を軽減できるかもしれません。また、通勤時の移動が苦痛ということであれば、時差出勤やテレワーク(在宅勤務など)を認めるのもよいでしょう。労働条件を見直すことで新たな雇用形態などに応じた賃金を設定し直すこともできます。

ただし、個別の労働契約によって労働条件を変更する場合は、社員の合意が必要となります。また、短時間正社員やテレワークなどを既存の制度として導入していない場合については、就業規則の見直しなどが必要となるため、慎重な対応が求められます。

3)家族手当などの取り扱い

賃金は基本給と諸手当で構成されるため、賃下げの対象となる賃金を確認する必要があります。例えば、家族手当や住宅手当は、社員の家族構成や住居の状況によって支給の有無が決まるため、労働能力が低下しても減額の対象にはならないと考えられます。

反対に、役職手当はその職位に就いていることによって支給の有無が決まるため、労働能力の低下に伴い人事異動や職務変更が行われた場合には、減額の対象になり得ると考えられます。

4)社員が賃下げを一切受け入れない場合の対応

社員が賃下げを一切受け入れない場合も考えられます。こうした場合、企業が強硬に賃下げを行うと、社員が都道府県労働局に相談する、外部の労働組合に駆け込むなどの行動を起こし、労務トラブルに発展する恐れがあります。

労務トラブルを避けるための基本は、まず就業規則に従って賃下げを行うことです。就業規則に賃下げ(降給)といった賃金改定の規定がない場合は、次のような規定を追記しましょう。なお、就業規則の変更が社員に不利益となる場合、変更内容が社員の受ける不利益の程度や変更の必要性などに照らして、合理的なものでなければなりません(労契法第9条、第10条)。

  • 賃金は定期に実施する人事考課によって決定し、その結果不良であると判断された場合は、考課表に基づき改定を行う

就業規則を整備したら、その上で、人事考課の際に社員の労働能力を客観的に評価し、その結果に基づいて降格・降級させます。これを客観的・平等的に行うためには、職能給制度などの考課制度の整備と考課者の訓練、社員に対する制度の周知が必要となります。

恣意的であるなど、人事権の濫用と認められる降格・降級に基づく賃下げで労使トラブルになった場合、降格・降級やそれに基づく賃下げも無効と判断される恐れがあります。そのため、稚拙な対応は避け、評価結果に対する降格・降級の範囲の中で賃下げを実施します。

いずれにしても、社員の性格や意向、これまでの企業との関係、就業規則の内容、変更の可否などによって取るべき対応は変わってきます。必要に応じて弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談するとよいでしょう。

3 まとめ

賃下げは社員の合意があれば、比較的スムーズに行うことができます。賃下げ額も原則として企業と社員の話し合いで決まります(ただし、法令、労働協約、就業規則に違反しないことが条件)。その話し合いでは、企業はできるだけ客観的・定量的に現在の社員の労働能力を示す努力をしなければなりません。

また、事前に配置転換の可能性を探ることや、賃下げの対象を合理的に決めることも必要です。社員が賃下げに一切応じない場合は、就業規則などに定められている既存のルールを使って対応していくことになります。

以上が社員の賃下げを行う際のポイントですが、最も重要なことは社員の生活の安定であるといえるので、この点について十分に配慮することを忘れてはならないでしょう。

以上(2020年8月)
(監修 弁護士 田島直明)

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【朝礼】残業を命じる権利、する権利

皆さん、おはようございます。今朝は「権利と義務」についてお話しします。

我が家では、私が子供に宿題を教えていますが、言うことを聞かないときは、叱りつけて無理やり宿題をさせることもあります。子供に宿題を命じることは親の「権利」であるから、叱っても当然と思うわけですが、一方で教育は「義務」でもあります。例えば民法では、「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」と定められています。

つまり、権利として子供に宿題を命じ、実際に子供に宿題をさせる義務を負うということですが、問題は「義務を履行するレベル」です。

強制的に子供に宿題をさせれば、最低限の義務は果たしたことになるでしょう。しかし、そうした行為を続ければ、子供は勉強嫌いとなり、その後の成長にもマイナスとなりかねません。もっと高いレベルで義務を履行するためには、子供に勉強の楽しさを教え、集中して取り組める環境を与える必要があるでしょう。

そして、ここから私が考えたのは、上司の「残業を命じる権利と義務」についてです。上司には部下の残業を認める権利がありますが、それと対になる義務について考えたことがありますか。まず、労働基準法関連のガイドラインにおいて、企業は社員の労働時間を適正に管理する義務を負うとされていますから、社員の健康管理と違法な残業の撲滅は明確な義務となります。

また、これは法令に示されたものではありませんが、信義則として、企業は社員に成長の機会を与える義務があると考えています。

残業を命じる権利を持っている上司の皆さんは、こうしたことを考えて部下の残業を認めているでしょうか。慣れないリモートワークで、残業が増えることは仕方がありませんが、その残業を行う部下のモチベーションはどうですか。また、その残業を行うことで企業にどのような成果が上がりますか。さらには、部下の成長につながりますか。もちろん、心身の健康を損ねるような残業を認めてはいけません。リモートワークで対面する時間が減った今、残業を含め部下をマネジメントする上司の役割が重要になっているのです。

部下にも「残業をする権利と義務」があります。上司の承認を受ければ、ある意味、残業することは部下の権利となります。しかし、その残業によって、どのような成果が上がるのでしょうか。厳しい言い方ですが、単に効率が悪い、集中していないなどの理由で仕事が終わらずに残業を申請しているのなら、最低限の義務すら果たしていないことになります。

「上司だから仕事ができる」「長時間、働いているから頑張っている」。こうした価値観は変わりました。皆さんには権利と義務があります。義務は成果を上げること、権利はそのための権限です。高いレベルで義務を果たすほど、権利も大きくなります。これを認識してください。

以上(2020年8月)

pj17016
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】今だからこそ「自分たちっぽさ」を挙げてみよう

もうすぐ上期が終わります。今期はコロナ禍の影響で、思うように成果が上げられていない人も多いでしょう。例えば営業担当者は、見込み先となかなか会えず、苦戦したはずです。

そこで今日は、下期、皆さんが新たに取り組めるよう、ある業界のトップセールスの方から聞いたことを一つ、お話しします。

それは、「自分たちにキャッチフレーズをつける」というものです。短い時間しか会ってもらえない、対面に比べて距離感を覚えがちなオンライン商談になった。そういうときでも、自分たちにキャッチフレーズをつけることで、より興味を持ってもらえるようになるというのです。

ここで言うキャッチフレーズは、「エッジの効いたかっこいい言葉」ではありません。「自分たちは何を実現しているのか、何を解決しているのかを分かりやすく表す言葉」です。そういうキャッチフレーズをつけるには、「自分たちは、誰にどのような価値をお届けしているのか。あるいは、お届けしたいのか」といったことを突き詰めて考えなければなりません。

例えば、「低価格でさまざまなオフィス家具を扱っている◯◯社です」を、「在宅勤務に合ったデスクと椅子を提供し、社員の満足度アップに貢献する◯◯社です」に変えると、まるで印象が違います。後者のほうが、「経営者向けに、社員に喜ばれる環境を提供するオフィス家具の会社である」ことが分かりやすくなるでしょう。

トップセールスの方の「キャッチフレーズをつける」話を聞き、私は思いました。キャッチフレーズそのものよりも、そのために「自分たちは何者か」を考えること自体がとても重要で、今の当社に必要なのではないだろうか、と。

コロナ禍をきっかけに、ビジネスそのものも、業界全体も、私たち一人ひとりの働き方も変わってきています。こうした大きな転換点にあるときこそ、「自分たちは何者か」を一人ひとりが改めて意識しなければなりません。

そこで皆さん。下期に入る前に一度、「自分たちは何者か」について、全員で議論をしてみませんか。それこそ、オンラインでもよいでしょう。難しく考えなくて大丈夫です。まずは頭を柔らかくして、「どういうものが自分たちっぽいか」をどんどん挙げることから始めましょう。

自分たちっぽい言葉、立ち居振る舞い、お客さまへの接し方、提案の仕方、トラブル対応の仕方、社員同士のつながり方、働き方、挨拶の仕方。また、自分たちっぽい「喜び」や実現したいことは何か。「やってはいけないこと」は何か。そういう一つひとつの「自分たちっぽさ」から、自分たちは何を大切にしているのか、何者なのかを、皆で見つけて形にしていきたいと思います。

今年度の下期は、今までとは違う私たちです。皆さんは下期、自分たちを何者と考え、どのようなキャッチフレーズをつけるでしょうか。私はとても楽しみです。

以上(2020年8月)

pj17019
画像:Mariko Mitsuda

【規程・文例集】「職務発明規程」のひな型

書いてあること

  • 主な読者:最新法令に対応し、運営上で無理のない会社規程のひな型が欲しい経営者、実務担当者
  • 課題:法令改正へのキャッチアップが難しい。また、内規として運用してきたが法的に適切か判断が難しい
  • 解決策:弁護士や社会保険労務士、公認会計士などの専門家が監修したひな型を利用する

1 職務発明制度とは

1)職務発明制度とは

原則として、従業員が職務の範囲内で行った発明(職務発明)についての特許を受ける権利は従業員に帰属します。しかし、特に研究開発に力を注いでいるなど技術系の企業にとっては、従業員が発明した知的財産は、競争力の源であり企業の重要な財産となるべきものです。

後述する通り、現在の特許法においては、職務発明については、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ企業に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、企業に当初から特許を受ける権利を帰属させることが認められています。

このような職務発明の取り扱いなどについての取り決めを、一般的に「職務発明制度」といいます。

2)職務発明規程等を修正・整備するための注意点

2016年4月1日に施行された改正特許法では、従前に比べて職務発明制度が次のように変わりました。

  • 職務発明に関する特許を受ける権利を、あらかじめ企業(会社)の帰属とすることができるようになった。

  • 従業員等は、特許を受ける権利を会社に帰属させた場合には、「相当の金銭その他の経済上の利益」を受ける権利を有するものとされた。発明者である従業員に対して付与する相当の利益について、金銭に限らないインセンティブ(ストックオプション、留学機会の付与等)も認められるようになった。

  • 相当の利益を決定するための手続きなどの基準を示した、「特許法第35条第6項に基づく発明を奨励するための相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する指針」(以下「ガイドライン」)が経済産業省告示として公布された。

なお、上記の内容は全ての企業に対応を義務付けるものではありません。あくまで、個々の企業の裁量に委ねられています。

ただし、「職務発明は、あらかじめ法人帰属としたい」「相当の利益を巡るリスクを軽減したい」などの意向がある場合、あらかじめ職務発明規程等を整備または修正する必要があります。

また、職務発明規程等を整備・修正するとは、文言の調整にとどまらないものです。特許庁では、上記の「相当の利益」を決定するための手続きなどの基準を示した、ガイドラインを告示しています。このガイドラインに示された手続きを経ることで、企業は「相当の利益を追加的に支払うよう求められる」といったリスクを軽減することが期待できます。

このガイドラインに示された手続きのポイントは、「企業が一方的に職務発明規程等の内容を定めるのではなく、従業員の意見をしっかりと踏まえて、職務発明規程等を整備、修正する必要がある」という点です。

本稿では、特許庁が公表している「中小企業向け職務発明規程ひな形」を参考に、2015年の特許法の改正に対応した職務発明規程のひな型について紹介します。

なお、ひな型では、相当の利益に関する条項を盛り込んでいます。相当の利益は金銭に限らない「企業が負担する留学機会の付与」なども含まれます。ガイドラインに示された手続きを踏む過程で、従業員と話し合い、相当の利益に関する条項を規定していくことが求められます。

2 職務発明規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【職務発明規程のひな型】

第1条(目的)
本規程は、○○株式会社(以下「会社」という。)の役員および従業員(以下「従業者等」)が行った職務発明の取り扱いについて、必要な事項を定めるものとする。

第2条(適用範囲)
本規程は、従業者等に適用されるものとする。

第3条(定義)
本規程において「職務発明」とは、その性質上会社の業務範囲に属し、かつ、従業者等がこれをするに至った行為が当該従業者等の会社における現在または過去の職務範囲に属する発明をいう。

第4条(届出)
1)会社の業務範囲に属する発明を行った従業者等は、速やかに発明届を作成し、所属長を経由して会社に届け出なければならない。
2)前項の発明が2人以上の者によって共同でなされたものであるときは、前項の発明届を連名で作成するとともに、各発明者が当該発明の完成に寄与した程度(寄与率)を記入するものとする。

第5条(権利帰属)
職務発明については、その発明が完成したときに、会社が特許を受ける権利を取得する。

第6条(権利の処分)
1)会社は、職務発明について特許を受ける権利を取得したときは、当該職務発明について特許出願を行い、もしくは行わず、またはその他処分する方法を決定する。
2)出願の有無、取下げまたは放棄、形態および内容その他一切の職務発明の処分については、会社の判断するところによる。

第7条(協力義務)
職務発明に関与した従業者等は、会社の行う特許出願その他特許を受けるために必要な措置に協力しなければならない。

第8条(相当の利益)
会社は、第5条の規定により職務発明について特許を受ける権利を取得したときは、発明者に対し次の各号に掲げる相当の利益を支払うものとする。ただし、発明者が複数あるときは、会社は、各発明者の寄与率に応じて按分した金額を支払う。
  1.出願時支払金 ○円
  2.登録時支払金 ○円

(注)前述の通り、相当の利益は金銭に限らないため、1.企業が負担する留学機会の付与、2.ストックオプションの付与、3.金銭的処遇の向上を伴う昇進・昇格、4.法令または就業規則所定の日数・期間を超える有給休暇の付与、5.職務発明についての特許権に係る専用実施権の設定または通常実施権の許諾といった内容を規定することも考えられます。

第9条(支払手続)
1)第8条に定める相当の利益は、出願時支払金については出願後速やかに支払うものとし、登録時支払金については登録後速やかに支払うものとする。
2)発明者は、会社から付与された相当の利益の内容に意見があるときは、その相当の利益の内容の通知を受けた日から○日以内に、会社に対して書面により意見の申出を行い、説明を求めることができる。

第10条(実用新案および意匠への準用)
本規程の規定は、従業者等のした考案または意匠の創作であって、その性質上会社の業務範囲に属し、かつ、従業者等がこれをするに至った行為が当該従業者等の会社における現在または過去の職務範囲に属するものに準用する。

第11条(秘密保持)
1)職務発明に関与した従業者等は、職務発明に関して、その内容その他会社の利害に関係する事項について、当該事項が公知となるまでの間、厳に秘密を保持しなければならない。
2)前項の規定は、従業者等が会社を退職した後も適用する。

第12条(適用)
本規程は、○年○月○日以降に完成した発明に適用する。

以上(2020年5月)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 小出雄輝)

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