中小企業による公認会計士の活用方法

書いてあること

  • 主な読者:公認会計士に顧問を依頼しようと考えている中小企業の経営者
  • 課題:公認会計士と税理士のしごとの違いや、中小企業における必要性がわからない
  • 解決策:資格上の専門業務は違うものの、「税理士」や「公認会計士」という肩書きではなく、おのおのが持っている知識や経験によって得意な業務などは異なる

1 中小企業による公認会計士の活用

1)公認会計士の業務

公認会計士の業務は、企業が作成・公表する財務諸表に関する監査業務と、監査業務などを通じて培われた知識と経験を活かした経営全般に関するコンサルティング業務などになります。

しかし、中小企業にとって公認会計士は身近とは言い難い存在です。これは、後述するように公認会計士による監査が義務付けられている中小企業が少ないことや、公認会計士の数が少ないことなどが原因となっています。

ここでは、日本公認会計士協会のパンフレット「CPA&JICPA(2020年度版)」などを基に公認会計士の業務について簡単に説明します。

2)「監査」業務

企業から学校法人、公益法人など幅広い対象について、独立した立場から監査意見を表明し、財務情報の信頼性を担保します。

1.法定監査

法定監査とは、法律の規定によって義務付けられているものです。主なものは次の通りです。

  • 金融商品取引法に基づく監査
  • 会社法に基づく監査
  • 保険相互会社の監査
  • 特定目的会社の監査
  • 投資法人の監査

2.法定監査以外の監査

  • 法定監査以外の会社等の財務諸表の監査
  • 特別目的の財務諸表の監査

3.国際的な監査

  • 海外の取引所等に株式を上場している会社または上場申請する会社の監査
  • 海外で資金調達した会社または調達しようとする会社の監査
  • 日本企業の海外支店、海外子会社や合弁会社の監査
  • 海外企業の日本支店、日本子会社の監査など

3)「税務」業務

公認会計士は税理士登録をすることにより、税務業務を行うことができます。事例としては、次のようなものがあります。

  • 税務代理(申告、不服申立て、税務官庁との交渉など)
  • 各種税務書類の作成
  • 企業再編に伴う税務処理及び財務調査
  • グループ法人税制、連結納税制度などの相談・助言
  • 移転価格税制、タックスヘイブン税制についての相談・助言
  • 海外現地法人、合弁会社設立を含む国際税務支援
  • その他税務相談、助言

4)「コンサルティング」業務

経営戦略の立案から組織再編、情報システムの構築など、経営全般にわたる指導・助言を行います。事例としては、次のようなものがあります。

  • 相談業務(会社の経営戦略、長期経営計画を通じたトップ・マネジメント・コンサルティング)
  • 実行支援業務(情報システム・生産管理システム等の開発と導入)
  • 組織再編などに関する相談、助言、財務デューデリジェンス
  • IFRSに関するコンサルティングや業務支援
  • 企業再生計画の策定、検証
  • 統合報告の実施支援
  • 環境・CSR情報の相談、助言
  • 株価、知的財産等の評価
  • Trustサービス(注)(WebTrust、SysTrustの原則及び基準に基づく検証・助言)
  • システム監査、システムリスク監査(システム及び内部統制の信頼性・安全性・効率性等の評価・検証)
  • システムコンサルティング(情報システムの開発・保守、導入、運用、リスク管理等に関するコンサルティング)
  • 不正や誤謬を防止するための管理システム(内部統制組織)の立案、相談、助言
  • 資金管理、在庫管理、固定資産管理などの管理会計の立案、相談、助言
  • コンプライアンス成熟度評価
  • コーポレート・ガバナンスの支援

(注)Trustサービスとは、インターネットを介した電子商取引の安全性やシステムの信頼性などに関する内部統制について保証を与えるサービスです。

2 中小企業における公認会計士の活用シーン

公認会計士はさまざまな業務を行っていますが、これらの中で、特に中小企業にとって身近と思われる活用シーンについて紹介します。

1)法定監査

金融商品取引法では、株式上場を行っている企業などに対して公認会計士による監査を義務付けています。また、会社法では、原則的に資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の会社(会計監査人の設置義務のある会社)を会計監査の対象として規定しています。なお、会社法では、機関設計が柔軟化され、いわゆる中小の非上場企業であっても、会計監査人を設置することが認められています。

2)任意監査

現状としては、公認会計士への業務委託費用の問題や、財務に対する監査を要求される機会が少ないことなどから、中小企業が公認会計士に任意監査を依頼するケースはそれほど多くないようです。

しかし、株式上場を予定している場合は、証券市場の上場基準では過去2事業年度程度(各市場によって条件は異なります)の公認会計士による監査が規定されていることから、任意監査を受ける必要があります。

ただし、株式上場を目指すのであれば資本政策の立案などの株式上場に対する準備が必要となるので、この期間にこだわらず、できるだけ早い時期から公認会計士による指導や監査を受けることが望ましいとされています。

3)税務業務

税務に関しては、中小企業にとって関心の高い事項です。前述のように、税務の専門家である税理士が身近な存在となっているため、多くの中小企業にとっては、税務業務は税理士に依頼することが一般的ですが、当該業務を公認会計士に依頼するケースもみられます。

4)コンサルティング業務

中小企業を主な依頼先とする個人の公認会計士事務所が、前述したような広範な分野に関するコンサルティング業務を行っていることはほとんどありませんが、自らの得意分野に関するコンサルティング業務を行っています。

コンサルティング業務は、他の専門家も行っていることが多く、必ずしも公認会計士を利用する必要はありません。しかし、中小企業が一層の成長を図るために、内部統制制度の整備を行う場合など、公認会計士が適任の分野もあります。

多くの公認会計士は、大手監査法人での勤務経験をもっており、大企業の動向や取り組みに関する知識と経験を有しています。このため、公認会計士に依頼することによって、内部監査制度の整った大企業を参考にしたコンサルティングが期待できるでしょう。

5)会計参与制度

会社法において「会計参与制度」が定められています。会計参与とは、取締役・執行役と共同して計算書類を作成するとともに、当該計算書類を取締役・執行役とは別に保存し、株主・会社債権者に対して開示することなどをその職務とする株式会社の新たな機関のことをいい、公認会計士(もしくは監査法人)または税理士(もしくは税理士法人)がなるものとして規定されています。

会計参与制度は、任意設置機関であり、必ずしも新たに設置する必要はありませんが、設置を検討する際には、公認会計士の利用についても併せて検討してみるとよいでしょう。

6)中小企業が公認会計士を利用する際の注意点

中小企業が公認会計士あるいは税理士を利用する際に、資格に基づいた特徴を基準にどちらの専門家を利用するか検討する人もいるようです。

例えば、「公認会計士は、税法については税理士に劣る部分もあるが、会社法などに関しては深い知識を有しているのではないか」「税理士は法人税、所得税、相続税などの各種税法については高い専門知識を有しているが、会社法などに関しては、それほど深い知識をもっていないのではないか」というようにです。

こうした特徴は、一般的な傾向としてはみられるものの、実際には、「税理士」や「公認会計士」という肩書きではなく、おのおのが持っている知識や経験によって得意な業務などは異なります。例えば、相続に強い公認会計士がいる一方で、事業承継、営業譲渡、M&Aなどの業務も行っている税理士もいます。

すなわち、中小企業が公認会計士に業務を依頼する際に重視すべき点は、一般的な傾向に注意しつつ、「この公認会計士は依頼業務に対する高い知識や経験をもっているか」という視点から、実績などを踏まえた上で検討することが必要です。

以上(2020年5月)

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第17回 【前編】営業育成のプロが教える「成果が上がる営業組織作りの8のポイント」/イノベーションフォレスト(イノベーションの森)

近年、Sales Enablement(以下、セールス・イネーブルメント)というアプローチが注目されています。セールス・イネーブルメントとは、「営業成果を出し続ける営業パーソンを育成する仕組み」のことで、「営業の成果起点の人材育成」という考え方です。
「育成自体が目的」ではなく、「営業成果のための育成」というのが一般的な育成の考え方と異なるところです。育成の結果、営業成果に繋がっているかどうかを検証します。育成の投資対効果を見に行きます。

今回の取材では、成果を創出し続ける育成に仕組み作りとそのポイントについて、山下貴宏氏に教えていただきました。前後編の2回に分けてお届けします。前編では「営業が抱える課題の解決にセールス・イネーブルメントがどう役立つのか」、後編では「実際にセールス・イネーブルメントの仕組みをどのように整備し、動かしていくのか」を解説しています。皆さまの営業組織作りのご参考になれば幸いです。

山下さん、貴重な学びのシェア、愛りがとうございます!(愛+ありがとう)

    山下貴宏
    株式会社R-Square & Company 代表取締役社長/共同創業者
    著書「セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方」(かんき出版)

1 営業とは

営業の役割とは何でしょうか? それは、「顧客に自社の製品・サービスの価値を理解して購入」いただき、「自社の営業目標を達成」することです。「顧客への価値提供」が先にあり、その結果として「自社の売上があがる」という順番です。営業の役割は、「顧客との自社製品・サービスの価値交換を通じた売上の最大化」です。

値引きをしすぎて製品提供をしてはダメですし(顧客はWinだが、自社がLose)、ゴリ押しで売れたとしても商売が続きません(顧客がLoseで、自社がWin)。

言われてみれば当たり前のことです。しかし、「売り物が複雑で専門性が高く難しい」場合や、「売り先である顧客の登場人物(ステークホルダー)が多かったり、組織が複雑で意思決定までに時間がかったりする」場合、この営業活動が途端に難しくなります。いわゆる「B2B(法人営業)」はこの部類にはいります。金融サービス、医療、IT、専門コンサルティングなど、専門性が高い法人向けの営業が典型的な例です。

そして、この難しい「B2B営業パーソンの育成」ということが更に難しいのです。

売れる営業は、どのようにして育成可能なのか? 組織としては一部の営業パーソンに依存しないよう極力「属人化」を排除し、多くの営業が「標準的に」売れる仕組みを構築する必要があります。これが、セールス・イネーブルメントのテーマです。

1)「営業目標」を明確にする

「成果起点の育成」がセールス・イネーブルメントである、とお伝えしました。逆にいうと、セールス・イネーブルメントに取り組むためには、「目指す成果・目標」が定義されている必要があります。端的にいうと、数値目標です。

目標がないところに、育成テーマはありません。

実は営業目標が明確に設定されていない企業が少なからずあり、その数は結構多い印象です。

  • 「営業一人当たりの今期の数値目標はいくらいですか?」
  • 「実は弊社のビジネスは営業一人で完結できる仕事ではないので一人当たりの目標が設定されていないのです」
  • 「わかりました。では、どのようにして個人の成果を評価していますか? 給与は何によって差がつくのでしょうか?」
  • 「……。実は、3倍多く売っても営業同士ではあまり給与は変わりません」

これはこれで1つの組織運営のあり方ですが、少なくとも育成のインセンティブ(動機付け)は働きません。「設定された目標の難易度と個人のスキルギャップが育成テーマ」になってきますが、まずは個々に追うべき目標を設定する必要があります。

2)営業目標は「既知のマーケットポテンシャル」を考慮する

営業目標を組織が設定する上で、「あいつは担当顧客が良かったから目標を大幅達成できたんだ」という声はよく聞かれます。「ノルマ不公平論」です。

多くの場合、担当顧客の割り振りとそのロジックが不明瞭です。もしくはちゃんと説明されていない。これは営業目標を設定する組織サイドの問題です。

例えば、考慮すべき論点は以下のようなものがあります。

1.新規既存

新規顧客だけを担当する営業と既存顧客を担当する営業とでは、その難易度が異なります。受注までの時間や、定常的に発生する引き合いも違ってきます。

2.エリア特性

東京と地方とでは、マーケットサイズが大きく異なります。東京エリアを担当する営業と地方を担当する営業では、当然数値目標が異なります。

3.業界特性

小売業界とIT業界。同じ小売業界でもスーパーや百貨店など、担当する顧客企業の業界によってもマーケットサイズが大きく異なります。つまり、売上獲得の分母が異なるわけで、マーケットサイズが大きな業界は営業目標も大きくなり、小さい業界はそれ相応に設定すべき、となります。

4.企業規模

大手企業と中小企業では出せる予算が当然異なります。同じ製品・サービスを売るのであれば、大手の方が目標値は大きくなります。

5.パイプライン

すでに去年から見込み商談(パイプライン)が大幅に積み上がっている場合、受注率や単価が一定であれば、パイプラインを潤沢に持っている営業パーソンの目標達成難易度は低くなります。逆に言えば余力があるわけで、他の営業と目標設定を変える論点になります。

上記は、営業目標を設定する際の観点の一部ですが、「ノルマ不公平論」を出さないためには、一定のルールや基準に基づいて極力公平に目標設定していることをコミュニケーションしていく必要があります。

3)「今売れている営業は、本当にハイパフォーマーなのか?」

ここで目標設定の公平性と重要性を述べたのには理由があります。

育成の観点からみると、

  • 「本当はスキルが低いにもかかわらず、担当顧客が良いから目標が達成できていて、できる営業として見られている」
  • 「本当は難易度の高い営業アプローチを仕掛けているにもかかわらず、今は成果が上がっていないというだけでローパフォーマーと見られている」

という事象が発生するからです。

後ほど解説しますが、セールス・イネーブルメントの取り組みの骨格は、

  • 組織として取り組むべき育成テーマを見極めて(例えば、新規開拓の改善など)
  • ハイパフォーマー(成果ができている人)のやり方を体系化し
  • コンテンツとして提供し
  • 育成テーマに連動する営業指標が改善したかどうかを、データを持って検証する

というサイクルを回します。

この時に、営業目標が適切に設定されていないと、目指すべきハイパフォーマーを見誤り、打ち手の精度が落ちてしまうことになります。

2 セールス・イネーブルメントとは

ここまで営業の役割と目標設定の重要性について述べてきました。それでは、実際にどのように育成を進めていくべきなのか、セールス・イネーブルメントの考え方を使って見ていきましょう。

冒頭でご紹介した通り、セールス・イネーブルメントは、「営業成果を出し続ける営業パーソンを育成する仕組み」のことで、「営業の成果起点の人材育成」という考え方です。

セールス・イネーブルメントの意味を解説した画像です

1)本来目指すべき「成果と育成」を繋げるサイクル

育成は、本来組織が目指す「成果」を起点にして設計される必要があります。イメージとしては以下の図にあるようなサイクルです。

人材開発サイクルを解説した画像です

しかし、実態を見ると、それぞれの階層で分断が起きています。

成果につながらない本質的な課題を解説した画像です

ミクロ視点、マクロ視点で育成が進まない要因があります。

●ミクロ視点

  • そもそも成果起点で営業トレーニングが設計されていない
  • トレーニングが一般的すぎる(特に外部研修)
  • トレーニング後、放置プレー。マネージャーはトレーニングの内容すら知らないことも多い
  • トレーニング結果の検証がない。トレーニングサーベイ(簡単な調査)程度

●マクロ視点

  • 営業パーソン視点では、営業の成果も行動もそのための学習も繋がっているにもかかわらず、提供サイドの組織が別々で連携していない
  • 人事部門は営業数値を把握していない、営業部門は人事が提供しているトレーニングを考慮していない

2)セールス・イネーブルメントは営業成果を一気通貫で支える仕組み

こうした育成にまつわる課題を解決するのに役立つのが、セールス・イネーブルメントの考え方です。

セールス・イネーブルメントは、営業成果に向けて行動、知識スキルを一気通貫で繋ぎ、必要なプログラムとシステムを提供する取り組みです。

セールス・イネーブルメントを通じて目指すことを解説した画像です

欧米では、セールス・イネーブルメント組織が多くの企業で導入され、営業組織を支援しています。

セールス・イネーブルメント組織の役割を解説した画像です

3 営業プロセスの標準化

セールス・イネーブルメントに取り組む上で、最初に「営業目標」を明確にする必要があると述べました。

次に、重要なことは、その「営業目標」達成のために必要な「営業プロセス」が何かを標準化することです。

「どのような営業ステップを踏むことが望ましいのか?」を組織として定義することです。

「実態はいろいろな営業活動があって、行ったり来たりする」ということは百も承知で、それでも組織として望ましい「営業ステップ」を定義するのです。これがないと、営業活動が属人化します。そして、これをシステムで可視化できる状態にしておきます。

営業プロセスを定義する際にとても重要なことが1つあります。それは、「顧客の意思決定プロセスを軸に定義を設定する」ということです。

顧客視点を意識した営業プロセスを解説した画像です

「自社(営業パーソン)が何をやったか」を軸に営業プロセスを定義しているケースがあります。これは見直した方が賢明です(上の図の上段)。

営業活動の大前提は、顧客の意思決定プロセスを前進させることです。例えば、「営業が見積もりを出した」からと言って顧客の意思決定プロセスが進むとは限りません。営業がやったことをもとに営業活動管理を定義すると、ほぼ間違いなく予算管理の精度が落ちます。

逆に、顧客の意思決定プロセスがどのように進むのか、そのために必要な活動は何かを定義すると、管理精度が上がります(上の図の下段)。

セールス・イネーブルメントは、この営業活動の進捗をみて、そこから育成テーマを抽出してプログラム化していきます。

4 インサイドセールスの役割

1)マーケティングと営業の溝

営業プロセスを明らかにする際に欠かせないのが「インサイドセールス」です。
営業活動を設計する上で、インサイドセールスの仕組みを導入する企業が増えています。
旧来、営業が新規案件の発掘からクローズまで全てを担ってきました。それが美徳と考えられてきました。

マーケティングと営業の溝を解説した画像です

しかし、実態を見ると、マーケティングと営業の間で溝が発生しています。典型は、マーケティングが作った見込み客(リード)が適切に営業に引き継がれず、案件化されないまま受注に至らないという問題です。営業は受注すべき案件が増えると受注活動に専念するので、来期の案件の種まきは優先順位が下がります。優先度の問題に加えて、リード情報の引き継ぎプロセスがシステム化されてない場合、見込み客フォローは間違いなく後回しになります。

2)「案件創出」機能としてのインサイドセールス

インサイドセールス機能は、このような背景から案件創出を目的として導入されてきています。企業によってはMarketing Automationツールを活用して見込み客の発掘- 育成- 営業への引き継ぎを可視化/自動化しています。

インサイドセールスによる案件創出の強化を解説した画像です

今回お届けする営業育成のプロが教える「成果が上がる営業組織作りの8のポイント」の前編はここまでです。後編では、「実際にセールス・イネーブルメントの仕組みをどのように整備し、動かしていくのか」をお届けする予定です。楽しみにお待ちください。

山下氏の近影の画像です

 

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年4月30日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

※上記内容は、株式会社日本情報マートまたは執筆者が作成したものであり、りそな銀行の見解を示しているものではございません。上記内容に関するお問い合わせなどは、お手数ですが下記の電子メールアドレスあてにご連絡をお願いいたします。

【電子メールでのお問い合わせ先】inquiry01@jim.jp

(株式会社日本情報マートが、皆様からのお問い合わせを承ります。なお、株式会社日本情報マートの会社概要は、ウェブサイト https://www.jim.jp/company/をご覧ください)

ご回答は平日午前10:00~18:00とさせていただいておりますので、ご了承ください。

防災対策チェックリスト/中小企業のためのBCP

1 オフィス内のチェックリスト

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2 災害時の備蓄チェックリスト

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3 社員の安否確認リスト

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4 顧客・取引先の被災状況確認リスト

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5 各種防災訓練・感染症予防のチェックリスト

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以上(2020年4月)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

災害時における税務の特例には、どのようなものがありますか?/中小企業のためのBCP

Q.災害時における税務の特例には、どのようなものがありますか?

A.申告・納付などの期限延長があります。また、顧問税理士が被災したことにより申告できない場合においても、同様の取り扱いを受けられることがあります。

1 申告・納付などの期限に関する特例

1.個別指定による期限延長

納税地を管轄する税務署長に対し、災害などの止(や)んだ日から相当の期間内に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出した場合、その承認を受けることにより、税務署長等が指定した日(災害などの止んだ日から 2カ月以内)まで申告・納付などの期限が延長されます。

「災害などの止んだ日」とは、申請者に特別な事情がある場合を除いて、客観的に見て、申告・納付などの期限延長の申請をした人が、申告・納付などの行為をするのに差し支えないと認められる程度の状態に回復した日になります。例えば、新幹線の運行休止など交通の途絶があった場合、交通機関が運行を始めた日などが災害などの止んだ日になります。

2.地域指定による期限延長

2011年3月11日に発生した東日本大震災のときには、地域を定めて申告・納付期限を延長する対応が取られました。

2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震のときも、北海道の一部の地域で申告・納付期限を延長する対応が取られました。

なお、地域指定された地域に納税地がある個人または法人については、特段の手続きを経ることなく、自動的に申告・納付の期限が延長されます。また、申告・納付期限延長措置の終了に関しては、各地域の復興などの状況を踏まえ、国税庁のウェブサイトなどで告示されます。地域指定に関する情報は定期的に確認しましょう。

3.顧問税理士が被災した場合

顧問税理士が被災したら、期限までに顧客の申告ができないことが想定されます。こうした場合、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」に必要事項を記載し、納税地を管轄する税務署長に提出し、その承認を受けることで、税務署長等が指定した日(災害などの止んだ日から2カ月以内)まで期限が延長されます。

2 延滞税・利子税・加算税に関する特例

災害などにより国税の納期限が延長された場合、延長された期間については、その国税に係る延滞税および利子税は課されません。また、申告・納付などが適正に行われない場合に課される加算税については、認められた延長期限内に申告を行えば課されません。

以上(2020年4月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之、税理士 中川昌紀、CFP(日本FP協会認定) 辻野顕子)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

取引先の被災で、通常とは異なる税務上の取り扱いはありますか?/中小企業のためのBCP

Q.取引先の被災で、通常とは異なる税務上の取り扱いはありますか?

A.取引先に対する支援の一環として行った、災害見舞金や売掛金の免除などは、損金処理することができます。また、金銭以外に自社製品などを提供した場合でも、損金処理することができます。

1 取引先に対する災害見舞金など

通常、取引先などの慶弔、禍福に際して支出する費用(見舞金や香典費など)は、贈答などと同様の行為とされ、交際費として取り扱われ、一定の金額以上については損金処理することができません。

ただし、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程において、その取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与などのために支出した費用は、交際費などに該当しないものとして全額損金処理することができます。

なお、こういった災害見舞金などについては、領収書の発行を依頼するのが難しいケースが多いですが、帳簿書類に相手先の名称や所在地、支出年月日などを記載しておけば問題ありません。

2 取引先に対する売掛金の免除など

取引先などの債権を合理的な理由がなく免除した場合、原則、取引先などに寄附したものとされ、一定の金額以上については損金処理することができません。ただし、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援目的で売掛金、貸付金などの債権を免除する場合、その免除したことによる損失(債権免除損など)は、寄附金または交際費以外の費用として、全額損金処理することができます。

また、既契約のリース料、貸付利息などの減免を行う場合や、災害発生後に取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます。

3 取引先に対する低利または無利息による融資

災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利または無利息による融資を行った場合、通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとされ、全額損金処理することができます。

4 被災者に対する自社製品などの提供

災害時、倫理的・社会的要請により自社製品を被災地などに無償で提供することがあります。これは、国が被災者を支援することと同様です。また、広告宣伝費と同様の性質があるとも考えられるため、寄附金に該当しないものとされ、無償で提供した自社製品の金額は、全額損金処理することができます。

以上(2020年4月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之、税理士 中川昌紀、CFP(日本FP協会認定) 辻野顕子)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

被災時に、通常とは異なる税務上の取り扱いはありますか?/中小企業のためのBCP

Q.被災時に、通常とは異なる税務上の取り扱いはありますか?

A.被災した資産の損失や、原状回復のための費用など、災害を理由に生じた損失や費用の中には、それぞれが生じたときに一括で損金処理することができるものがあります。

1 災害により資産が滅失・損壊した場合の損失

商品、店舗、事務所などの資産が災害により被害を受けたことで、次のような損失・費用が生じたときは、その損失・費用の額は損金処理することができます。

  • 商品や原材料などの棚卸資産、店舗や事務所などの固定資産などの資産が災害により滅失、または損壊した場合の損失の額
  • 損壊した資産の取り壊し、または除去のための費用の額
  • 土砂その他の障害物の除去のための費用の額

2 復旧のために支出する費用

被災した固定資産(以下「被災資産」)について、支出する費用に係る「資本的支出」(原状回復を超えて資産価値を高めるため、固定資産として計上しなければならない支出)と修繕費(損金処理することができる支出)の区分については、次の通りです。

  • 被災資産について、原状回復のために支出する費用は修繕費となる
  • 被災前の効用維持のために行う補強工事費用について、修繕費とする経理をしているときは、税務上もこの処理が認められる
  • 被災資産について支出する費用(上記1.と2.に該当するものを除く)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、税務上もこの処理が認められる

3 社員などに支給する災害見舞金

災害により被害を受けた社員やその親族などに対して、一定の基準に従って支給する災害見舞金については、福利厚生費として損金処理できます。

4 災害損失欠損金の繰戻し還付

災害が発生した事業年度の欠損金(税務上の利益がマイナスであること)のうち、棚卸資産、固定資産、繰延資産に対して生じた損失(その災害が原因のものに限る)の額を災害損失欠損金といいます。この災害損失欠損金については繰戻し還付という制度を受けることができます。これは、災害が発生した事業年度の前事業年度(青色申告の場合、前々事業年度も対象)に生じた所得について法人税の納税を行っている場合、その納税額のうち災害損失欠損金の範囲内で、還付を請求できるという制度です。

以上(2020年4月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之、税理士 中川昌紀、CFP(日本FP協会認定) 辻野顕子)

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災害時の財務対策として、最初に何を考えるべきですか?/中小企業のためのBCP

Q.災害時の財務対策として、最初に何を考えるべきですか?

A.災害により事業がストップした場合、事業再開までに必要な資金はいくらかを把握し、その資金はどうやって充当・調達するのかを事前にまとめておく必要があります。

1 事業再開のために必要な資金の把握

財務対策は、被災直後に表立った問題となりにくいため、後回しにされがちな災害対策です。しかし、防災や減災に対する具体的な対策は取っていても、いざ災害が起きると想定外の被害が生じ、復旧費用などで資金繰りが急速に悪化する恐れもあります。

また、災害により事業がストップした場合も、人件費などの支払いはしなくてはなりません。こうした場合、復旧過程においては資金が必要になります。

一般的に、緊急時において、月商(月の売上高)の1カ月分を目安に準備しておくとよいといわれていますが、実際は業種や資産の所有状況など、会社ごとの事情や災害規模によって異なります。今、会社が被災し、事業がストップした場合、再開までに必要な資金(事業がストップした場合の運転資金(キャッシュフロー)と復旧に必要な資金)はいくらかを、正確に把握しておかなければなりません。

例えば、中小企業庁「中小企業 BCP策定運用指針」の財務診断モデルでは、必要事項を入力することで、災害時におけるキャッシュフローや復旧費用が予測できます。

2 事前に確認したい4つの資金

1.自己資金(現金預金)

定期預金などのように、払い戻しに一定の手続きが必要なものは別途把握しておきましょう。また、小口現金の紙幣が被災により破れたり、燃えたりした場合、損傷状況によって価値が全額、半額、失効の3パターンに分かれます。業種などにもよりますが、現金の保有は少額に抑えるのが無難です。

2.受取保険金

加入している保険が、どのような被災状況時に活用でき、どの程度の期間で保険金が支払われるのかを把握しておきましょう。

3.有価証券などの資産売却による資金

決算期だけでなく定期的に時価を把握し、どの程度の資金になるのかを把握しておきましょう。また、売却手続きや、売却時に考慮しなければならない特有の背景などもまとめておきましょう。

4.金融機関などからの調達資金

災害時などに利用できる、(政府系)金融機関や信用保証協会の制度があります。事前に融資条件や手続きを把握しておきましょう。また、オーナーは経営者個人からの借入も考えられます。

以上(2020年4月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 森浩之、税理士 中川昌紀、CFP(日本FP協会認定) 辻野顕子)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

休業手当を支払うのはどのようなケースですか?/中小企業のためのBCP

Q.休業手当を支払うのはどのようなケースですか?

A.使用者の責に帰すべき事由により休業する場合、休業手当の支払いが必要です。一方、休業が不可抗力によるものと認められる場合、休業手当の支払いは不要です。

1 「使用者の責に帰すべき事由」の考え方

使用者の責に帰すべき事由により休業する場合、会社は休業期間中、社員に平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければなりません。使用者の責に帰すべき事由には、会社の故意・過失による場合はもちろん、不可抗力を主張し得ない全ての場合が含まれます。

休業が不可抗力によるものと認められれば、休業手当の支払いは不要ですが、そのためには次の2つの要件を満たす必要があります。

  • 休業の原因が外部により発生した事故であること
  • 事業主が通常の経営者として、最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

例えば、オフィスが損壊して事業を行えない、防災気象情報が出ていて、安全のために社員を自宅待機させる必要があるなどの理由で休業する場合、休業手当の支払いは不要となる可能性が高いです。

一方、オフィスに直接的な被害はないが、道路が損壊し資材が届かないなどの理由で操業できずに休業する場合、判断が分かれます。日ごろの備蓄管理の状況、他の調達手段の可能性、災害発生からの期間などによって、休業手当の支払いが必要になる可能性があります。

2 休業手当の負担軽減に役立つ助成金など

1.雇用調整助成金

事業を行えない状態で休業手当を支払うのは、会社にとって負担です。こうした場合、「雇用調整助成金」が役立ちます。

雇用調整助成金は、経済上の理由(停電の影響で営業ができない、新型ウイルスによる感染症の影響で客数が減ったなど)により休業する会社などが受給できます。また、大きな災害などの場合、助成率の引き上げなどの特例措置が実施されることがあります。

2.雇用保険の基本手当

不可抗力による休業の場合、休業手当の支払いは不要です。しかし、給与も休業手当も支払われない状態が続くと、今度は社員の生活が心配です。こうした場合、「雇用保険の基本手当」が役立ちます。

基本手当は会社を離職した社員が受給するものですが、大きな災害の場合、実際に離職していない社員も受給できる可能性があります。後に雇用する約束をして社員を一時離職させる場合も同様です。

雇用調整助成金や雇用保険の基本手当は、災害の状況などによって受給額や受給手続きが変更されることがあります。詳細については、最寄りの労働局やハローワークに確認してください。

以上(2020年4月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

二次災害を防ぐため、社員を自宅待機させることはできますか?/中小企業のためのBCP

Q.二次災害を防ぐため、社員を自宅待機させることはできますか?

A.会社は、社員を自宅待機させることができます。ただし、給与(または休業手当)の支払いについてはケースにより異なります。

1 自宅待機を命じる主な方法は「休業」「休暇」

地震などの場合、建物の損壊などの一次災害が収まったからといってむやみに出歩くと、落下物による負傷などの二次災害に遭う恐れがあります。こうした場合、会社は二次災害を防ぐため、社員に自宅待機させることがあります。主な方法は、会社が休業を命じる方法と、社員が休暇を取得する方法の2種類です。

二次災害の恐れがある場合、会社は強制的に事業をストップしたり、通勤に危険が伴う社員に対し出勤しないよう指示したりするなど、休業を命じて自宅待機させることができます。こうした場合、仮に社員が出勤したいと言っても、会社は自宅待機を命じることができます。なお、自宅待機を命じる場合、休業手当の支払いが必要になることがあります。

社員に休暇を取得させて自宅待機させる場合、就業規則等に基づき、社員に休暇を申請してもらうことになります。休暇は本来、社員が自身の希望に基づいて取得するものなので、休暇を取得するよう社員に強制することはできません。

つまり、会社は社員に対し、休暇の取得を勧めることはできますが、社員がこれを拒んだからといって、懲戒処分など不利益な取り扱いをすることはできません。

なお、社員が休暇を取得して自宅待機する場合、会社がその間の給与を支払う義務があるかは、休暇の種類によって異なります。年次有給休暇の場合、自宅待機中の給与を支払う必要があります。一方、就業規則等で、災害時や病気療養時に付与する特別休暇を設けていて、その間は無給とする規定がある場合、給与を支払う必要はありません。ただし、年次有給休暇と特別休暇の両方を取得できる場合、どちらを取得するかは社員の希望によります。

2 オフィスでの待機命令と就業時間の関係

就業時間中に災害が起きた場合、会社としては、危険が取り除かれるまで、社員をオフィスで待機させることを考えるでしょう。ただし、その待機命令が必ず認められるとは限りません。

社員は労働契約に基づき、就業時間中は会社の命令に従う義務を負っているので、就業時間中であればオフィスで待機するよう命じても問題ありません。一方、就業時間外の行動については、原則として会社が介入することができません。従って、危険があるからといって、終業後もオフィスにとどまるよう命じることはできません。

では、社員に「オフィスにとどまるように要請する場合」はどうでしょうか? 会社としては、社員の安全を確保したいという思いがあります。しかし、災害時、社員は親族や住居が心配で、一刻も早く帰宅したいと考えます。難しいところですが、オフィスでの待機要請にそれほどの強制力はないと考えるべきでしょう。

以上(2020年4月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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画像:Maslakhatul Khasanah-Shutterstock

復旧活動などのため、社員に時間外労働を命じることはできますか?/中小企業のためのBCP

Q.復旧活動などのため、社員に時間外労働を命じることはできますか?

A.復旧活動などに必要な範囲で、時間外労働や休日労働を命じることができます。

1 災害時と平常時の時間外労働等の違い

被災したオフィスの復旧など、臨時の必要がある場合、会社は労働基準法第33条に基づき、復旧活動などに必要な範囲で、社員に時間外労働や休日労働(以下「時間外労働等」)を命じることができます。これを「災害時の時間外労働等」といいます。

社員が災害時の時間外労働等を行った場合、「36協定」(労働基準法第36条に基づく労使協定)による平常時の時間外労働等と同様、法定以上の割増賃金の支払いが必要です。一方、災害時は平常時の場合と異なる点があります。

例えば、平常時の時間外労働等は、36協定で定めた時間数や労働基準法の上限を超えて命じることはできませんが、災害時の時間外労働等には時間数の上限がありません。また、災害時の時間外労働等は、18歳未満の年少者や派遣社員にも命じることができます(妊産婦については、本人が請求した場合、不可)。

災害時の時間外労働等を社員に命じるには、事前に「非常災害等の理由による労働時間延長・休日労働許可申請書」という書面を所轄労働基準監督署に提出し、許可を得る必要があります。

ただし、事態が急迫していて事前に許可を受ける時間がない場合は、事後の届け出でも問題ありません。

災害時の時間外労働等の許可基準は概ね次の通りです。

  • 経営上の必要は認めない(単なる業務の繁忙など)
  • 人命または公益を保護するための必要は認める(電気、ガス、水道などの修理、安全な道路交通の確保、大規模なリコール対応など)
  • 突発的な機械・設備の故障の修理、保安やシステム障害の復旧は認める(サーバーへの攻撃によるシステムダウンへの対応など)
  • 上記2.と3.については、他の事業場からの協力要請への対応を含む(人命または公益の確保のために必要な場合、協力要請に応じないことで事業運営が不可能となる場合など)

この他、災害発生から相当の期間が経過した場合も、許可されないことがあります。

2 災害時の時間外労働等を命じる際の注意点

災害時は、仕事や生活の変化による疲労の蓄積などから、平常時よりも過重労働が発生しやすくなります。仮に、過重労働が原因で社員が健康障害を発症すると、安全配慮義務違反を問われることがあります。

また、災害によって社員の親族が負傷したり、社員の住居が損壊したりしている場合もあります。こうした事情を考慮せずに時間外労働等を命じると、後々社員とトラブルになる恐れがあります。

そのため、事前に社員の疲労や親族、住居の状態についてヒアリングするなど、慎重な対応が必要になります。

以上(2020年4月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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