株式会社、事業協同組合、SPCの特徴

書いてあること

  • 主な読者:新しい事業主体で新規事業を検討している経営者
  • 課題:そもそもどういう視点で事業主体を選べばいいのか分からない
  • 解決策:株式会社、事業協同組合、SPCに関するメリット・デメリットをまとめる

1 組織形態ごと(株式会社、事業協同組合、SPC)の概要

1)株式会社

株式会社は、「会社法」に基づいて設立される組織で、株式を発行し、その代金である出資金を元手として事業を行い、利益追求を目指すものです。最低資本金1円以上で設立することができます。また、株式会社の機関設計などによっても異なりますが、取締役1名のみでも設立することができます(注)。

(注)例えば、定款により、全ての株式について譲渡制限が設けられている株式会社(株式譲渡制限会社)の場合、取締役会を設置せず、取締役1名で、監査役の設置も任意とすることができます。

2)事業協同組合

事業協同組合は、「中小企業等協同組合法」に基づき設立される組織で、組合員である中小企業などが相互扶助の精神に基づき協同して事業を行い、経営の合理化・効率化、取引条件の改善などにより経済的地位の向上を目指すものです。4人以上の中小企業者などによって設立され、組合員の事業を補完・支援するための事業を実施します。

従来は、同業種の事業者により設立されるケースがほとんどでしたが、異なる業種の事業者が連携して設立し、それぞれの技術やノウハウなどの経営資源を有効に活用して新技術開発や新分野開拓に取り組むケースもあります。

3)SPC

特定目的会社(Special Purpose Company、以下「SPC」)は、「資産の流動化に関する法律」に基づいて設立される組織です。SPCは、特定の資産の購入資金を投資家(特定出資)あるいは金融機関からの借り入れ(特定借り入れ)で調達し、原資産保有者(以下「オリジネーター」)から資産の譲渡を受けます。そして、その資産から得られるキャッシュフローや資産価値を裏付けとした資産対応証券を発行して、資金調達を行います。

SPCによる証券化のスキームは次の通りです。なお、SPCの目的は資産流動化のための「器」としての機能を果たすことに限定されており、資産の管理・処分に係る業務など、資産流動化に係る業務やその付帯業務を営むことは認められておらず、それらの業務は外部の会社(資産管理受託者)に委託しなければなりません(注)。

(注)資産流動化法上、資産管理受託者は、信託会社など(信託会社または信託業務を営む銀行その他の金融機関)に加え、「不動産(土地もしくは建物またはこれらに関する所有権以外の権利)」など、特定資産のうちの一定の資産については、オリジネーターまたは当該資産の管理および処分を適正に遂行するに足りる財産的基礎および人的構成を有する者が、資産管理を行うことができますが、実際は、信託会社などが資産管理受託者となることが多いようなので、本稿では、資産管理受託者を「外部の会社」としています。

画像1

2 株式会社のメリット・デメリット

1)メリット

1.所有と経営の分離

株式会社は、企業の所有者(株主)と経営を分離することができます。議決権を持つ株主が経営をすると、経営の客観的な評価ができず、経営者の独断・独走を許す危険性があります。そのため、所有と経営を分離して、株主は経営を客観的に評価する立場に置くことで、経営の健全性を構造的に保つことを目指すことができます。

2.有限責任

株式会社の株主が負うべき責任は、その出資額を限度とし、その金額以上の責任(損失)を負うことはありません。

2)デメリット

1.税務上の優遇措置が少ない

事業協同組合やSPCと比較すると、税務上の優遇措置が少なくなります(詳細は後述)。また、株式会社の場合、配当金の支払いは利益処分項目であるため、法人税法上損金に算入することはできません。

3 事業協同組合のメリット・デメリット

1)メリット

1.高い信用度

事業協同組合は行政庁の認可を受けた中間法人であるため、その社会的地位や公益的役割により信用度は高くなります。

2.公平で平等な組織

事業協同組合は、総会(最高意思決定機関)の議決権が出資額に関係なく1人1票与えられます。よって、株式会社のように出資額で議決権を占有できないため、公平で平等な組織といえます。

3.有限責任

事業協同組合の組合員が負うべき責任は、その出資額を限度とし、出資をした金額以上の責任(損失)を負うことはありません。

4.主な税制面のメリット

事業協同組合は株式会社などに比べて税制上の優遇措置が多くなされています。例えば、事業協同組合の法人税率は次の通りです。

画像2

また、事業協同組合が出資者から徴収した加入金(持分調整金)は益金不算入であったり、組合の事業を利用した分量に応じて支払う事業利用分量配当を損金に算入できたりするため、その分利益を抑えることができます。

この他にも、代表理事の変更などにかかる登録免許税、事業所や倉庫にかかる固定資産税の非課税などの優遇措置などもあります。

2)デメリット

1.設立手続きが煩雑

事業協同組合は、行政庁の管理監督下に置かれるため、高い信用度を得られる半面、その手続きが煩雑となっています。例えば、設立手続きは、おおむね株式会社の5倍の書類が必要になるといわれています。

2.組合員になれるのは中小企業者など

事業協同組合は、中小企業者などの事業の近代化・合理化と取引条件の改善などを目的とした組織であるため、組合員になれるのは原則中小企業者などに限られています。なお、中小企業者などとは業種ごとに定義されており、例えば製造業では、資本金3億円以下または従業員数300人以下の法人・個人事業主などに限られます。

3.出資総額に制限がある

事業協同組合は、平等の原則を保持するため1組合員の出資は出資総額の4分の1までという制限が設けられています。

4 SPCのメリット・デメリット

1)メリット

1.SPCの資産の信用力のみに依拠した資金調達ができる

SPCは、オリジネーターの信用力ではなく、SPCの資産の持つ信用力(資産の価値や、資産から生み出されるキャッシュフロー)が借り入れの条件となります。そのため、オリジネーターの財政状態が良くない場合でも、SPCの資産が持つ信用力が高ければ、有利な条件による資金調達を受けることができます。

2.倒産隔離

SPCについては、投資家はあくまで特定資産の収益性に対して投資しているため、SPCをオリジネーターの倒産リスク(オリジネーターが倒産した場合に、オリジネーターの債権者にSPCの特定資産を差し押さえられるなど)から切り離されていなければなりません。そのため、一般的にSPCには法的な対抗要件の具備や、人的遮断(取締役を第三者とするなど)の処置がされます。

3.オリジネーターの財産指標の改善

SPCを組成することで、オリジネーターの貸借対照表から当該資産をオフバランスすることができ、総資本利益率や自己資本比率といった財務指標を向上させることができます。特に、含み益のある資産をSPCに売却することで、オリジネーターの潜在的な企業収益力を損益計算書上に顕在化することができます。

4.主な税制面のメリット

SPCは、一定の要件を満たせば利益の配当額を損金算入できるため、課税される利益が少額になります。そのため、均等割など多少の税金は発生しますが、投資不動産から得られた収益のほとんどを投資家に配当することができます。これは、SPCが資産流動化という特定の目的のためにのみ存在する「器」としての存在にすぎないため、税制上もこれに適合した課税上の取り扱いをする措置(ペイ・スルー課税)を取ったものです。

この他にも、一定の要件を満たせば不動産取得税や登録免許税などについても軽減の措置があります。SPCに対しての軽減措置は次の通りです。

画像3

2)デメリット

1.設立手続きが煩雑

SPCのスキームおよび事業計画について詳細に記載した「資産流動化計画」の策定や、その他業務開始に必要な書類の作成およびそれらの内閣総理大臣への届け出など、設立手続きが煩雑であり、設立段階までに相応の時間を要します。

2.コストが掛かる

SPCの設立は複雑なスキームとなるため、オリジネーター、SPC、資産管理受託者などに対する報酬の他、スキーム全体をアレンジするアレンジャー(金融機関や専門家など)に対する仲介手数料などのコストが必要となる場合があります。

3.大規模な事業以外には不向き

SPCは手続きが煩雑で、コストも掛かるため、「オフィスビルや賃貸マンションといった不動産の取得・開発」「発電設備の取得・運用」といった巨額の資金が必要で、一定のリターンも見込める大規模な事業のほうが、費用対効果が見込みやすく適しているといわれています。

5 組織形態を選ぶ際のポイント

1)経営権の所在

「誰に経営権を持たせるのか」「経営に参画するのは誰か」など、経営権が誰に所在するのかによって、最適な組織形態は異なります。例えば、複数の中小企業が共同で事業を行うような場合、公平で平等な経営ができる事業協同組合が適しているといえるでしょう。

一方、事業に参加する複数の企業の中の有力企業が事業のかじ取りを担ったほうがいい場合や、自治体や金融機関などさまざまな組織の参画を目指す場合は、株式会社やSPCが適しているといえます。

2)どれくらいの資金が必要で、出し手は誰か

事業に必要な資金の額や、資金の出し手によっても、最適な組織形態は異なります。例えば、事業に当たって地域で調達できない金額の資金が必要であったり、資本提携などを理由に資金の出し手を地域の企業に限定できない場合、資金の出し手に制限がなく、多額の資金を集めやすい株式会社やSPCが向いているでしょう。

なお、ここでは、新規事業開始に当たって事業主体となる組織として、株式会社、事業協同組合、SPCを新設することを前提に組織形態を選ぶ際のポイントを紹介しました。しかし、既存組織の中で新規事業を行う場合は、異なる問題が発生することがあります。例えば、既存の株式会社が新規事業として行う場合、「新規事業に関する倒産隔離の問題はどうするのか」「出資者が新規事業に関する経営権の取得を望んだ場合、株式を持つことで既存事業を含む株式会社全体の経営権を持つことになる」といったように、さまざまな課題が発生する可能性があるため、注意をする必要があります。

以上(2019年6月)
(監修 税理士 谷澤佳彦)

pj35033
画像:pixabay

大型設備投資の際の資金調達方法

書いてあること

  • 主な読者:事業のための設備投資を検討している経営者
  • 課題:具体的な資金調達方法を知りたい
  • 解決策:借り入れや社債の発行などによる社外の外部調達手段は選択肢が豊富。社内で調達するより多額の金額を調達できる

1 設備投資資金の調達方法

資金調達の方法を検討する際のポイントには次のようなものがあります。それぞれの資金調達にはメリットとデメリットがあります。資金調達をする目的やその時々の金融情勢を考慮した上で、手段を選ぶようにしましょう

  • 誰から資金調達するのか?
  • どれくらいの期間(短期・長期)
  • 何の目的(設備投資、運転資金など)
  • どれだけの量(金額)

ここでは、調達額が大きくなる設備投資資金を想定します。社内からの調達、社外からの調達の双方に触れますが、中心は選択肢が豊富で多くを調達しやすい外部からの調達のほうです。

2 誰から資金を調達するか?

1)社内から調達:内部資金

内部資金はこれまでの企業活動によって蓄積された資金であり、努力の結晶でもあります。代表的なものは、内部留保です。内部留保は、利益準備金などとして企業に留保された資金であり、株主への配当金を除いたものを示します。

この他にも、資金調達コストが掛からず、運用可能な資金を調達するという意味では、「遊休不動産の売却」「経費の削減」なども考えられます。

内部資金のメリットは、「調達に関わる事務が社内で完結すること」などです。一方、デメリットは、「基本的に既存の経営の延長線であるため、多額の資金を調達するまでに時間が掛かる」ことです。金額によっては、次の外部資金と合わせて調達します。

2)社外から調達:外部資金

外部資金は、金融機関、投資家、既存取引先など、社外から調達する資金です。主な方法としては、次のようなものが挙げられます。

  • 金融機関からの借り入れ(間接金融)
  • 新株や社債の発行、クラウドファンディング(直接金融)
  • 公的機関からの資金調達(助成金や補助金受給)
  • 債権の早期現金化(流動化)

外部資金のメリットは、「資力がある団体・企業・人から十分な金額を調達しやすく、内部資金に比べて調達までの時間が掛からないこと」「大手金融機関と取引することは一定のブランドにつながること」です。一方、デメリットは、「調達の手続きが社内で完結しないため交渉や事務の手間が掛かること」です。

3 金融機関からの借り入れ(間接金融)

1)間接金融とは

資金の出し手(この場合は、預金者)と資金の取り手(資金を調達する企業、以下同じ)の間に金融機関を挟むことから、「間接」とされる資金調達の方法です。多くの企業にとって最も一般的な資金調達の方法でしょう。

資金の取り手は、資金調達時に貸し手の金融機関のみを交渉相手とすればよいため、比較的手間が掛からないのがメリットです。一方、資金調達時の条件が資金の取り手と金融機関の力関係に左右されるというデメリットがあります。

金融機関からの借り入れは借入期間によって、短期借入金(借入期間が1年以内)と長期借入金(借入期間が1年を超える)に大別されます。

2)動産担保融資

動産担保融資とは、動産を担保とする融資で、担保となる動産によって借入期間が異なってきます。この方法では、資金の取り手の事業力に評価の重点を置いて動産の担保価値を評価するため、「経営能力は高いが不動産など一般的な担保が乏しい」という資金の取り手であっても、十分な金額の資金調達ができる可能性があります。

近年、法律の整備、融資の保証制度など支援施策の充実、評価ノウハウの蓄積によって、使い勝手が良くなってきている資金調達の方法です。

4 新株や社債の発行(直接金融)

1)直接金融とは

投資家や企業の関係者などの資金の出し手から直接資金を調達するため、「直接」が付く資金調達方法です。返済までの期間は、長期間または事実上無期限です。一方で、直接金融による資金調達に当たって会社法などの法令に基づく義務が資金の取り手に課されることから、調達コストや管理の手間が掛かります。

2)新株の発行(増資)

資金の取り手が新たに株式を発行(増資)し、投資家、自社の経営者や取引先といった関係者などに引き受けて(購入して)もらう資金調達方法で、多額かつ長期の資金を必要とする際などに利用されます。この方法では、返済期限の定めがない資金の調達が可能です。一方、資金調達時やその後に株主管理の手間やコストが掛かったり、経営に介入されやすくなったりします。

主な新株の発行による資金調達方法は次の通りです。

1.縁故募集

発行した株式を、資金の取り手の経営者や取引先などの関係者(縁故者)に引き受けてもらう資金調達方法で、一般的な直接金融による資金調達の方法です。引受先を限定するため、株主管理の手間やコストが比較的少なくて済み、元来から信頼関係がある先が株式を取得することから、経営への介入も抑えることができます。

一方、機関投資家や不特定多数の投資家への割り当てに比べて、資金の出し手の資力が乏しい傾向があるため、多額の資金調達に向いていない場合があります。

2.ベンチャーキャピタル、中小企業投資育成株式会社への割り当て

発行した株式を、中小・ベンチャー企業への投資を専門的に行っているベンチャーキャピタルや中小企業投資育成株式会社に割り当てて資金調達する方法です。

資力がある機関が出資することから比較的多額の資金調達ができ、出資を受け入れた後に機関が派遣する専門家による支援が受けられる場合があります。一方、資金の出し手から一定の利益を出すことを要求される傾向があります。

3.事業会社への割り当て

発効した株式を、事業会社に割り当てる資金調達方法です。

大規模な事業会社から出資を受けることで、多額な資金調達ができ、また業務提携という形で人的支援やネットワークの共有など経営全般に影響を受けることになります。

4.不特定多数の投資家に割り当て

株式の購入を希望する不特定多数の投資家に対して、新株を割り当てる方法です。この方法は、証券取引所(金融商品取引所)への上場時に合わせて行われるのが一般的ですが、非上場の資金の取り手がこの方法で資金調達をするケースもあります(注)。

知名度や信用力がある資金の取り手であれば、特定の人・企業に偏らず、さまざまな投資家から多額の資金を調達できます。一方、株主管理の手間やコストが膨大で、資金の取り手が自社単独で勧誘する場合は、引受先を開拓するのにも手間やコストが掛かります。

(注)なお、証券取引所に上場していない企業の株式(いわゆる「未公開株」)については、当該株式の発行会社以外の企業が投資家に対して購入を勧誘することは、日本証券業協会の自主規制ルールに基づき、原則として禁止されています。

5.種類株式の発行による資金調達

ここまで紹介した方式で株式の発行による資金調達を行う場合、いずれの方式でもネックとなるのが「株主の経営への介入」です。

そこで考えたいのが、種類株式の発行による資金調達です。種類株式は、剰余金・残余財産の配当(配分)・議決権の行使など株主の権利に関して標準的な地位が与えられている普通株式と異なり、「配当が優先的に行われる代わりに議決権の行使が制限される」「1株当たりの議決権が普通株式の10倍」など標準的な地位にない株式のことをいいます。

この種類株式を発行することで、「資金調達はしつつ、経営への影響を抑える」といった資本政策が可能となり、資金の取り手は事業の幅を広げつつ経営の自由度を維持することができます。資金調達を考える際の選択肢の1つとして考えてみてもよいでしょう。

3)社債の発行

資金の取り手が新たに債券を発行し、投資家、自社の経営者や取引先といった関係者などに引き受けて(購入して)もらう資金調達方法で、新株発行と同様に多額かつ長期の資金を必要とする際に利用されます。一種の借り入れであり、定期的な利払いや一定期間後に返済することが義務付けられている点が、新株の発行と異なります。

金融機関からの借り入れと比較すると、資金の取り手が金利や返済期間などの条件を任意に決められます。一方で、調達や管理のコスト・手間が掛かり、資金調達後の条件変更も困難です。

1.発行される社債の種類

資金の調達に際して発行される社債の種類には、次が挙げられます。

  • 普通社債(SB、事業債)
  • 新株予約権付社債(WB、ワラント債)

普通社債(SB、事業債)とは、利回りと満期における元金の返済を約束した社債です。

新株予約権付社債(WB、ワラント債)とは、普通社債に新株予約権が付加された社債です。新株予約権は一定の期間内に一定の価格で、所定の数量の株式を購入できる権利です。新株予約権の権利行使時に、新株の払込価額を社債金額で払い込む、つまり代用払込が認められる場合は、旧来の転換社債(CB)と同様の社債(転換社債型新株予約権付社債)になります。

2.調達方法:少人数私募債

50人未満の投資家や企業などに対して、資金の取り手が社債の購入申し込みの勧誘を行う調達方法です。法的な義務が少ないため、調達や管理の手間が少なくて済み、調達コストを抑えられます。一方、調達に当たっては法的な義務を限定するための要件が厳しく、対象者数が限られるため、多額の資金を調達しにくい傾向があります。

3.調達方法:公募債

不特定多数の投資家や企業などに対して社債の購入申し込みの勧誘を行う調達方法です。少人数私募債に比べて勧誘人数や募集金額の制約が少ないため、多額の資金を調達しやすい傾向があります。一方で、資金の取り手に課される法的な義務が多く、調達や管理の手間やコストが掛かります。

4)クラウドファンディング

インターネットを通じて資金の取り手が案件を提示し、その案件に関心を持った不特定多数の人から小口の資金を集める資金調達方法です。

クラウドファンディングは資金の出し手に対する金銭的な対価が発生しない「寄付型」、製品・サービスを提供する「購入型」、金銭的な対価が発生する「金融型」の大きく3つに分類されます。また、金融型には、投資(ファンド)型、貸付(融資)型、株式投資(エクイティ)型があります。

設備投資の資金調達は、比較的多額の資金が調達しやすい金融型のクラウドファンディングで行われることが多いようです。また、新店舗の内装・機器など必要な資金が少額で、顧客づくりを資金調達と並行して行い、かつ市場調査も兼ねて実施する場合は、サービス利用券などを対価とする購入型のクラウドファンディングで資金調達することがあるようです。

5 公的機関からの資金調達(助成金や補助金受給)

1)企業の資金調達を支援する施策の活用による資金調達

官公庁、政府系金融機関、地方自治体などの公的機関では、「中小企業の経営支援」「特定産業の育成」「地域経済の振興」などの政策課題を解決するために、企業の資金調達を支援する施策を講じています。

2)政府系金融機関などからの融資

日本政策金融公庫など、政府系金融機関や公的機関が提供している融資を利用して資金調達する方法です。融資を受けるに当たっては、公的機関に直接申し込む方法と、金融機関を通じて申し込む方法があります。

この方法は、金利が金融機関より低い、返済期間が長期、担保が不要なことが多いという傾向があります。一方、資金調達に当たって多量の書類をそろえる必要がある、融資の要件が厳しい、融資中の条件変更(金利の引き下げ、返済期間の延長など)が困難であるという傾向があります。

3)公的機関による債務の保証

全国各地に設けられた信用保証協会などの公的機関が、資金の取り手の融資返済の保証を行う制度です。この制度を利用して債務の保証を受けた資金の取り手に万が一の事態が生じ、返済が滞った場合は、公的機関が資金の取り手に代わって金融機関に返済します(信用保証協会の保証割合は原則として借入金額の80%)。公的機関による債務の保証そのものに資金調達の機能はありませんが、資金調達に当たっての信用補完に活用できます。

信用力のある第三者の保証を受けられることから、金融機関からの融資が受けやすくなります。一方、保証料を支払う必要があるため、普通の金融機関の融資に比べて調達コストが高くなります。

4)省庁、地方自治体など公的機関が実施する助成・補助制度

公的機関が実施する助成・補助制度を活用した資金調達方法です。省庁、地方自治体、官公庁の外郭団体などでは、一定要件を満たした企業に対して政策目標を達成するために助成金や補助金の交付を実施しています。

返済が不要な場合が多いため、有利な資金調達といえます。一方で、提出する書類を整える必要があるなど手続きが煩雑であることに加え、資金の使途が厳しく制限されていて違反時にはペナルティー(助成金・補助金の返還など)が科されます。また、補助金の場合は、交付の前に支出が発生するため、キャッシュフローの検討が必要になります。

6 資産の証券化

1)概要

資産の証券化とは、オリジネーター(原債権保有者)の保有する資産を特定目的会社(TMK、SPC)などの「ビークル」に譲渡し、ビークルが資産の受益権を証券として投資家に販売することにより現金に換える方法です。資金調達の多様化や資産のオフバランス化を進める上で、有力な手段といえます。

2)資金調達の多様化を図ることができる

オリジネーターからみると、資産の証券化には資金調達を多様化できるというメリットがあります。例えば、優良な不動産を持つ企業であれば、証券化を利用することで新たな資金調達の手段を確保できます。

証券化の対象となる資産は、安定的にキャッシュフロー(賃貸収入)を生み出す物件であることが必要であり、具体的には、「賃貸マンション」「小売業の店舗」「工場」「本社ビル」などが挙げられます。

3)資産のオフバランス化を図ることができる

資産を貸借対照表から外すことを「オフバランス化」といいます。資産のオフバランス化により、「総資産利益率(ROA)」「株主資本利益率(ROE)」「自己資本比率」などが改善します。

7 リース取引

1)リース取引とは

リース取引とは、貸手(リース会社)が借手の代わりに特定の物件を購入し、双方が合意した期間(リース期間)に当該物件を使用する権利を借手に与え、借手は使用料(リース料)を貸手に支払う取引です。現在では、金融機関からの借入とは異なる、設備投資資金調達の方法として一般的となっています。

リース取引に適した物件として、次のものが挙げられます。

1.技術革新が急速に進んでいる物件

日進月歩で技術革新が進む物件は、すぐに高性能な製品が開発されるため、数年で取り換えが必要になる場合があります。リースであれば、リース期間満了時に取り換えが行われます。

逆にいえば、技術開発が成熟していて、すぐに大きな技術革新が予想されないものは購入したほうがよいともいえます。

2.高額な物件

高額な物件は一度に支払うのが難しいため、支払いを分割できる方法が望ましく、金額が大きければ金利変動のリスクも大きいため、金利変動に影響されないリースが適しています。支出額が一定であるため、金利上昇によるコスト増を避けることができます。

また、リース期間と物件の使用期間が一致しているため、設備投資資金の支払いと回収のタイミングも近くなり、資金の収支バランスもよくなります。

2)リース取引の分類

1.ファイナンス・リース取引

リース取引を事実上中途で解約できないリース取引であり、借手が物件に関わる費用(物件代金・金利・固定資産税・保険料など)を実質的に負担することになります。

当該物件は購入した場合と同様に使用できるため、実態は賃貸借というより資金調達の性格が強いといえます。

原則売買処理(オンバランス取引)であり、減価償却費を通じて、全額損金処理が可能です。

2.オペレーティング・リース取引

リース期間満了時の物件価値(残価)の査定に基づいて行われるリースであり、当該物件の元本部分から残価を差し引いて、リース料を算出するリース取引です。リース期間の自由な設定が可能であり、中古品市場が活発で一定の相場がある設備(例:自動車)の導入などに適しています。

賃貸借処理(オフバランス取引)であり、支払リース料を通じて、全額損金処理が可能です。

8 設備投資資金調達の際の留意点

1)設備投資資金の調達

設備投資の回収には長期間を要し、この間は資金が固定化するので、それに見合った調達方法を選択する必要があります。金利などの調達コストや自社の財務状況、業績見通しを照らし合わせ、自社に最適な方法を選択するようにしましょう。また、設備投資はタイミングがずれると想定していた効果が得られないこともあるため、調達の容易さ(スピード)の観点からも検討が必要です。

2)設備投資資金調達の手順

1.必要資金の算定、調達方法の検討、返済方法・借入期間の推計

設備計画、資金計画に基づいて必要資金を算定します。次に、社債、金融機関からの借り入れ、リースなどの具体的な借入方法を検討します。社債による調達は中堅・中小企業には困難な場合が多いため、金融機関からの借り入れが中心となります。また、設備投資後の予想利益や減価償却費を考慮しながら、返済方法や借入期間を推計します。設備投資をすると、メンテナンス費など追加の運転資金が必要となる場合もあるので、併せて検討する必要があります。

2.担保の確保

長期借入には確実な担保が必要です。担保には、土地・建物などの不動産を充てるのが一般的です。こうした物的担保と併せて企業の代表者などの人的担保、つまり個人保証が必要となる場合があります。個人保証の他に、親会社などによる法人保証もあります。

3.資金調達コストの検討と借り入れ時期の見極め

長期借入では資金調達コストがかさむため、コストの抑制が重要です。金融機関の貸出金利は、その時々の金融情勢、業績、担保、借入金額、借入期間、取引状況などで決まります。従って、金融緩和期(低金利の時期)を選ぶなど設備投資のタイミングを考えることが大切となります。

3)適切な情報開示が不可欠

前述した、いずれの資金調達方法にも共通するのは、「資金の取り手の信用力が高く返済・リターンが見込める、または資金の取り手の資金需要と政策目標に合致する案件では、資金調達が有利になる」という点です。そして、見込める・合致すると判断する有力な材料が、資金の取り手による積極的な情報開示です。

資金の取り手の情報開示の度合いが高い場合、資金の出し手がリスクやリターンの見極めがしやすくなります。そのため、資金の取り手は資金調達に当たって有利な条件(低金利、多額の投融資など)を資金の出し手から引き出しやすくなります。

逆に情報開示の度合いが低い場合は、リスクとリターンの見極めが難しくなりがちなため、資金の出し手は慎重になります。そのため、資金の取り手は不利な条件で資金調達をせざるを得なくなり、時として資金調達そのものが失敗する場合があります。

具体的に資金の出し手に提示する情報としては、自社の現状、財務データ、事業計画、市場データなどが挙げられます。

以上(2019年5月)
(監修 合同会社gtra and company 代表執行役 公認会計士 朝倉厳太郎)

pj35031
画像:pixabay

働き方改革に【IT参謀】は必須です!〜GM総研 加藤さんに参謀1万人輩出計画を聞く〜/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、株式会社グッドマネジメント総合研究所(GM総研)の代表取締役 IT参謀である加藤利彦さんです。

●会社HP
https://www.gmsouken.co.jp/

“働き方改革元年”とはいうものの、中小企業には専門家がおらず、導入に踏み切ったIT関連のシステムが本当に必要なのかを正しく判断することができません。それに、そもそも価格が適正なのかも分からないといった問題を抱えています。

大企業でも、情報システム歴が長いベテランの存在が、かえって生産性を低下させてしまうことがあるようです。ベテランは知識こそ豊富ですが、現場からは離れているため、現場が本当に求めているシステムを選定することが難しいようなのです。

こうしたITにまつわる課題の解決に尽力し、本質的な業務改革を目指しているのがGM総研の加藤さんです。

1 いきなり怒ってしまった10年前

今回、インタビューをしている中で、加藤さんは「10年前、(杉浦さんに)社内見学会に来てもらったとき、『なんで挨拶もなにもないの? どうなっているの?』と杉浦さんから怒られました」と言われ、懐かしい出来事を思い出しました。当時、加藤さんは株式会社EC studio(現:Chatwork株式会社)の常務取締役で人事部門を管掌していました。私が初めて加藤さんと出会ったのは、この社内見学会の出来事から遡ること数年前、加藤さんがまだ20代半ばの頃だったと記憶しています。

そのとき私が怒った理由は、常識の違いからでした。当時の加藤さんの会社には、電話も、FAXも、コピー機も、資料関係のファイルもありませんでした。当然、名刺に電話番号が書かれておらず、「会社としてあり得ない」と感じる状態でした。今でこそ多くの会社でペーパーレスが進みつつありますが、10年前、あそこまでなにもない状態は、その頃私が勤務していた会社とはかけ離れていて、まさに働き方の【常識】が違っていたのです。

この点が腹落ちしないまま、半日ほど社内見学会に参加しましたが、やはり驚きの連続でした。私の常識では、訪問時には挨拶するのが当たり前です。しかし、ドアを開けて『こんにちは!』と入室しても、誰からも返事がなく、顔をこちらに向けることもなく、社員は皆、パソコンに向かっているだけでした。『なんだ!』と、思わず怒ってしまいました。

当時のその会社は、加藤さんを含め、創業メンバー全員がいきなり起業して参集していました。その頃のメンバーにとって、過去から脈々と続いている企業形態の常識は【非常識】と映っていたようです。そして、「不必要なことはやらない」と決め、ここからコミュニケーションの新しい在り方にたどり着きました。常識を変えることには勇気がいりますが、当時のメンバーは、企業の在り方や、運営についての経験値が低かったため、逆にダイナミックな改革ができたのかもしれません。

2 IT活用の大切さを広めるためにリアルの世界へ

我々から見ると【非常識】な世界で働いていた加藤さん。当時、加藤さんの本業は、ITツールの販売やシステムの導入支援を、インターネット上で行うことでした。現在はかなり普及してきたGoogle社のG Suiteの、日本最初の販売パートナーにもなっています。

先ほど紹介した「10年前の社内見学会」で、私はITツールの必要性を感じました。ちょうど加藤さんも講演などの活動が活発化していました。【リアル】な活動を通じてさまざまな気付きやニーズを得る中で、加藤さんは新しい道に進むことを決めたのです。

子会社を設立すると同時に円満に独立し、GM総研の前身となるチャットワークアカデミーを設立しました。加藤さんは、クライアント企業に実際に赴いて【リアル】に触れつつ、ITツールの導入支援、活用コンサルティング、講演、ITツールの開発を主たる事業として活動していくことになります。

3 IT参謀計画を考え始めたワケ

実際に加藤さんがIT活用コンサルティングで対応してこられた企業から、お客様の評価や声を集めてみました。

1)広告代理店の声:100人規模

これまで、社員に伝わっていると思っていたことが実は伝わっていないことが分かりました。優れたメンバーが集まっているのに、ベクトルが合っていないために効率が悪く、意思疎通も図れず、トラブルの連続でした。

ITを上手に使って、社内に情報発信することで自分たちの進むべき道を整理することができました。社員などからのフィードバックを反映していくうちに、組織全体のまとまりが明らかに強くなりました。そこから大きくスケールし、大幅な増収を達成しています。

リアルは確かに必要です。しかし、それに固執せず、IT活用による利便性の享受も重要であると感じます。

2)複数店舗ある美容院の声:7店舗

教育カリキュラムをオンライン化できたことで、1人当たり約200時間かかっていた教育・研修を、約60時間に短縮することができました。教育・研修に必要だった交通・宿泊費を大幅に削減できました。「スタッフが自分で勉強してくれる、しかも成長スピードが速い!」という、好循環が生まれています。リアルな教育は、デジタルでは伝えられない難しいことを重点に教えるものと位置付け、リアルとデジタルを使い分けています。

今までの当たり前(常識)が、非常識となった事例といえます。場所、移動コスト(時間と交通費)を圧縮できるのもIT化の恩恵と感じます。

3)ロジスティックの声:1600人規模

日本各地に倉庫があるため、幹部の交通・宿泊費だけで年間3000万円のコストがかかっていました。そこで、テレビ会議やチャットなど、ITでコミュニケーションを上手に取ることで現場に行く回数が半減し、年間1500万円のコストダウンに成功しました。そして何より嬉しかったのは、家族が待つ家に頻繁に帰れるようになったことです。

社長、事業責任者、SVの方々が全国を飛び回ることも多いですね。これから到来する5Gの世界観では、さらに移動が激変する可能性を感じます。

4)経営コンサルの声:100人規模

紙の資料が多く、管理が非常に大変でした。Googleの機能を使うことで、紙をテキストデータ化し、クラウドで管理するようになりました。管理が楽で、検索すればすぐ見つかるようになったのです。一般的に、物を探す時間は年間160時間あるそうです。100人なら1万6000時間となります。これが半減し、それを人件費で換算したら、すごい効果になります。また、紙を使うことがほとんどなくなったので、コピー・インク代も年間500万円ほど削減できています。

社員同士で『あのペーパーってどこにあるの? ないなら印刷して!』という会話が本当に無駄に感じます。見えないコストとしては、これだけ都心の家賃高騰の中、なにも生まない書類専用のロッカー。私の懇意な会社でもクラウドシフトを行い、事務所の有効面積が30%以上空きスペースが増え、事務所移転を考えなくて済むようになりました。

このような事例が増えていくにつれて、加藤さんは、IT活用コンサルティングを自身の会社の限られたリソースだけで展開し、ノウハウを自社だけのものとしていることに疑問を感じるようになりました。「これでは国内にある数多くの企業のお役立ちにはつながっていないのでは? ここ数年でITの壁をブレイクスルーしておかないと、次代に残すべき企業までが消失してしまうのではないか」と。

そこで加藤さんは、自分が行ってきた業務【IT参謀】をどうすれば広められるかということを、ここ数年考え始めました。そして、この記事冒頭の課題感(中小企業と大企業の人財不足)解消に動くことを、今年(2019年)になり、意思決定したそうです。加藤さんが注力しておられる、そのIT参謀を増やすプロジェクトのサイトはこちらです。

●IT参謀
https://www.gmsouken.co.jp/sanbou/

4 実際にIT参謀へチャレンジされた方々の声も

加藤さんが定義する【IT参謀】について、もう少し詳しく紹介します。ここでは、非公開の同社プロジェクトサイトからの抜粋をご紹介します。もちろん、加藤さんの了承を得ています。

IT参謀のプロジェクトサイトの画像です

●加藤さんのブログからの引用

・IT参謀の概要:IT・クラウドと言っても、カテゴリーが広すぎるため基本的には、ITコミュニケーションとIT実務に絞っています。1日に400個のWEBサービスが生まれていると言われています。それらを追いかけるのではなく(不可能…)、オールマイティを目指さず、効果が出せるツールを絞って徹底活用できる様にサポートしていく流れになります。

業務とは、大きく2つしか無いと考えています。それは、コミュニケーションと実務です。コミュニケーションは、報告・連絡・相談・指示・会議。実務は、作業・企画・集計・設計・分析などです。その2つをスムーズに効率化するには多様なツールを使わずに、極力1つずつのツールにします。推奨しているのは、ChatworkとG suiteです。ほとんどの場合、既に多様なツールに翻弄されています。電話、FAX、付箋、メール、メッセンジャー、◯◯管理システム、◯◯管理ツール、日報ほにゃらら…見ないといけないものが多いのは大変です。それだけで無駄な時間が発生します。G suiteでもコミュニケーションは出来ますが人の脳の中で、コミュニケーションと実務を分け、ツールも、コミュニケーションと実務を分けることでコミュニケーションはChatworkを見て実務はG suiteを見るという風土を作れば脳が混乱せず、スムーズに業務を回すことができます。実際に、コミュニケーションと実務が混在するオールマイティな業務システムサービスではどこに何の情報があるのか分からない。

検索してもコミュニケーションの事と実務の事が混在して表示され混乱するし、結局探す時間が長いという不満をよく聞きます。コミュニケーションと実務の情報をクラウド化することで探すという行為を検索するという行為に変えられます。それだけで探す時間を半分以下にできます。さらに、コミュニケーションツールと実務ツールを分けることでコミュニケーションと実務の混在による混乱が無くなりさらに探す時間を短縮できます。それだけでも大きな効果を得ることが出来ます。

このように大きな概要としてはコミュニケーションと実務のクラウド化をツールを絞って実現することが基本的な進め方になります。そしてそのサポートをする人のことをIT参謀と呼んでいます。

このサポートの人財が世の中に広がることで、生産性向上が具現化していくと感じます。また働き方改革の横にセット化されている、副業・兼業の世界観もこのIT参謀が担えるように感じます。

実際にこのプロジェクトに参画された【参謀】の皆さんの声も以下に。

・OA機器販売事業

☆申し込んだ理由、経緯

OA機器の販売とITサポートの仕事は相乗効果がありそうなので、ITサポートの仕事をやってみたかったがどう事業を進めて良いのか迷っているうちに事業を立ち上げられないままになっていた。そこでIT参謀の存在を知り、サポートいただくことで事業立ち上げが加速した。

☆実際にどう習得できたか

会員サイトでITサポート事業の準備、立ち上げ方、考え方、運用を学びながら不明な点や、疑問点、悩みなどはメッセージでサポートを受けながら事業の立ち上げを進めた。2ヶ月ほどで運用まで軌道に乗せることができ、収益化しています。今後は社内から、ITサポート事業のメンバーを増やすフェーズに入っています。

☆お客さんの集め方

異業種交流会の運営をしており、交流会のメンバー及び紹介から毎月IT活用の勉強会を開催し沢山の方に参加頂いています。そちらでITサポートのベネフィットを実感いただくことを起点にご契約を頂いています。

☆どれぐらいの期間でどれぐらいのお客さんができたか

2月のIT活用勉強会の初開催でいきなり2社契約をいただきました。その後は各回数社の皆さんからご相談をいただき、既存のお客様からの依頼も含め2ヶ月で10社のご契約を頂いています。

☆お客さんから言ってもらえて嬉しかったこと

◯◯をしてみたいが、どう進めればいいのか…というところの解決きっかけになりました! と言って頂きます。またITに関して情報提供したことを実践頂き役に立ちました! と言って頂くことに喜びを感じます。

IT参謀のプロジェクトサイトの画像2枚目です

5 IT参謀の未来へ

このようにIT参謀が増え、1万人となったときには、日本の企業が本物の生産性向上につながっていくものと感じます。私からも某インフラ系大企業にIT参謀プロジェクトをご紹介し、同社社員の参謀化が静かに始まろうとしています。

IT参謀の皆さんがコミュニティー化、プラットフォーム化していくことで、プロジェクト単位のシゴト感が広まります。それによって多様な働き方、ひいては生き方にまで良い影響となっていくことを願います。

最後に加藤さんに、「いつもなぜ黒っぽい服装なんですか?」と尋ねてみたところ、『自分自身は黒子(くろこ)であると認識しています。クライアント企業が引き立つイキイキした活動になるためにも私は黒子に徹する』とすてきな回答をいただきました!

杉浦氏・加藤氏の画像の画像です

以上(2019年5月作成)

【朝礼】無理が通れば道理が引っ込む

日々、私たちは“常識”を意識しながら生活しています。常識とは、「明文化されていないが、多くの人が一般的と感じるルール」のことなので、皆が常識人であれば、心地よい社会になるはずです。しかし、現実はそうなっていません。なぜなら、常識はとても主観的なものだからです。

例えば、ビジネスで利用するメールの文面は、分かりやすい例の1つです。とても丁寧にメールを書く人は、メールといえども礼儀を尽くすことが常識だと考えています。一方、用件だけを簡潔に書く人は、できるだけ文章量を減らして分かりやすくすることが常識だと考えています。どちらも相手のことを気遣い、自らの常識に従って行動しているだけですが、この2人がメールでやり取りをしたら、お互いに相手のことを「非常識だ!」と感じ、衝突してしまうかもしれません。

このように、常識は個人ごとに大きく違います。加えて、時代の流れによっても変わっていきます。メールの例でいえば、今どきはメールよりもチャットで連絡を取る機会が増えています。スピードと手軽さが優先されるチャットでは、あいさつ抜きで用件を伝えることが珍しくありません。その代わり、感情を示すアイコンなどを多用して、相手に誤解を与えないように配慮します。また、1回の投稿が長文にならないように、あえて短文に分けるなどします。これらは、チャットを使う際の1つの常識ですが、メールしか知らない人にとっては想像できないルールでしょう。

メールの文面に関する常識だけを意識していたら、自分としては常識的に振る舞っているつもりでも世の中の流れから取り残され、的を外した議論をしてしまうことになりかねません。これはとても恐ろしいことです。もし、我が社がそうなってしまったら、変化の激しい現在を勝ち抜くことはできません。

皆さんは、「無理が通れば道理が引っ込む」ということわざを知っていますか。このことわざは、「無理を強引に押し通すと、道理にかなった正しいことは行われなくなる」という悪い意味で使われることが多いのですが、私は少し違った見方をしています。ビジネスでは、自分の常識には当てはまらないこと、つまり「無理ではないか?」と思うことに多々遭遇します。そうしたとき、私はこのことわざを思い出し、客観的に考えるようにしています。私の常識では「無理」でも、外の世界では既に別の「常識」になっていることがあるからです。

「非常識」と思えることに直面すると、反射的に目を背けてしまいがちです。しかし、これまで触れたことのない非常識の中にこそ、新しい発想のもとや、これまでとは違う切り口のビジネスチャンスが眠っていることがあります。皆さん、恐れずに外の世界に飛び出してください。そして、この会社にとっての「非常識」をどんどん持ち込んでください。皆さんが持ち込む新しい刺激が、組織を強くしていくのです。

以上(2019年5月)

pj16957
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】働き方改革の極意は、植木屋さんの「手入れ」にあり

知り合いの経営者が、以前、植木屋さんでアルバイトをしたことがあるそうで、とても興味深いことを教えてくれました。

皆さんは、植木屋さんの仕事で、「手入れ」というものがあるのを知っていますか。「手入れ」というのは、簡単に言うと、植え込みの中に手を入れ、ゴミを取り除いてきれいにすることです。文字通り、植え込みの奥にまで“手を入れて”作業するので、枝やトゲなどで手は傷だらけになります。当然痛みもあります。そうして痛くて傷だらけになっても、しっかりと手を入れて作業しないと、きれいにならないのだそうです。

会社も同じだと、知り合いの経営者は言います。「会社も、問題のあるところに自ら入り込み、たとえ痛い思いやつらい思いをしても、どうにかしようとしなければ、きれいにならない」。そうした思いで、社員の意識改革や業務改善に取り組んでいると話してくれました。

私は、その思いにとても共感しています。組織が変わっていくということは、時に大きな痛みを伴います。特に、自分たちの問題のあるところをつまびらかにし、真っ向から向き合っていくのは、簡単ではありません。私も皆さんも、一人ひとりが皆、痛くてつらい思いをするでしょう。それでもなんとかしようとしなければ、会社は変わることはないのです。

私は、この植木屋さんの話を聞き、会社を変えていく決意と覚悟を、改めて固めています。

今年度から、私たちは、会社を新しく変えようと取り組んでいます。特に重要なのは、働き方改革をしっかりと実践するための、全業務の見直しです。当社には、これまで築いてきた40年の歴史があります。諸先輩方の教えを守り、踏襲しながらも、新しくすべきところは、思い切って変えていかなければなりません。

業務を見直すに当たって、今、皆さんにお願いしているのは、当社の全ての業務を洗い出し、一つ一つの業務にどれだけ時間とコストがかかっているかを明らかにすることです。

皆さんの中には、これまで所要時間を“なあなあ”に見積もったり、コスト感を持たずに仕事をしてきた人もいるでしょう。業務の洗い出しをするだけでも、自分の至らなさに直面し、既に「痛い」「つらい」と感じているかもしれません。

しかし、これから先は、もっと痛くてつらいはずです。業務の問題点をあぶり出し、「時間がかかり過ぎだ」「この業務自体必要ない」「新しいやり方に変えるべきだ」といった議論をして、一つ一つ見直すことになるからです。新しいオペレーションを覚えるのも、簡単ではないでしょう。

それでも、私たちは、前に進み続けます。痛くてもつらくても、会社の未来は、自分たちで創っていかなければならないからです。新しい元号「令和」に変わった今、当社の「手入れ」も、待ったなしです。皆さん、どうか一緒に、私たちの会社を変えていきましょう!

以上(2019年5月)

pj16956
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】管理職が、今こそ若手社員に教えるべき4つのこと

今日は特に、若手社員を部下に持つ管理職の皆さんにお伝えしたいことがあります。

新年度に入り約1カ月が過ぎました。最初は熱心に若手社員に向き合っていた管理職の皆さんにも、「このままの指導法でよいのか」と迷いが出たり、「部下とコミュニケーションが取りにくい」といったネガティブな気持ちが出始めたりする時期かもしれません。

そこで今日は、当社の管理職として若手社員に教えるべき4つのことを、改めてお伝えします。知っていて当たり前と思えるような基本的なことばかりですが、実践できていない若手社員が多いので、ぜひ、できるように指導してください。

1つ目は、部下が「ありがとうございます」と「申し訳ありません」を言えるようにすることです。社外の人に対してだけではありません。上司や先輩、同僚など社内の人に対しても同じです。何かを教えてもらったとき、時間を割いてもらったときはお礼を、迷惑を掛けてしまったときはおわびを。部下が自分のほうから人に頭を下げることができるよう指導しましょう。これは、物事の全てにおける基本です。

2つ目は、部下が率先して動けるようにすることです。例えば、会議の準備や後片付けをするとき、皆で掃除をするとき、来社したお客さまをご案内するときなどは、サッと立ち上がり、進んで行動ができるよう指導しましょう。自分のことばかりでなく、周りにも気を配れるようにします。

3つ目は、部下がリアクションをしっかり取れるようにすることです。呼ばれたら返事をすることはもちろん、呼んだ人のほうを向いて話を聞くことも教えなければなりません。また、質問されたとき、分からなくても黙り込まず、「すみません、分からないので確認します」と返答することも教えましょう。相手のほうを向くこと、相手にリアクションをしっかり返すことなどは、その人との関係性を築いていく上でとても大切です。

そして4つ目は、これまで挙げてきた3つの総括ともいえますが、部下が、「相手のことを考える」という気持ちを持てるようにすることです。仕事は、一人では決してできません。社内外の人と一緒に進めていくものです。自分のことばかりでなく、「相手はどのように言っているか。どう思っているか」ということを必ず考えるよう、部下に繰り返し伝えてください。

これら4つのことは、いわば「人としてできて当たり前」の基本的なことばかりです。しかし、世の中には、できていない人も少なくないのが事実です。当社の社員はそれではいけません。しっかりと実践できるよう、若手社員の頃から、私や管理職の皆さんが指導することが必要です。

そして、部下は管理職の言動をまねします。管理職の皆さんは、4つのことを率先垂範し、部下に実践している姿を見せてください。今から1カ月後、皆さんの部下が今と変わった姿を見せてくれることを、私は期待しています。

以上(2019年5月)

pj16958
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】感情を込めろ。ビジネスが広がる

先日、ある会社の窓口担当者の言動を見て、自分たちも改めて気を付けようと思ったことがあるので、皆さんと共有します。

その窓口担当者の会社は、マーケティング関係のコンサルティングを行っており、当社と一緒にクライアント向けの案件を進めています。ここ半年くらいは月に3~4回、メールや電話でやり取りをしてきました。先日、その案件が成功を収めたので、私から窓口担当者にメールを送りました。そのときのことです。

メールには、今回のお礼と、当社が今後考えている展開を簡単にまとめた上で、最後は「当社でお役に立てることもあるかと思いますので、また、ぜひ一緒にやりましょう。一度お打ち合わせをお願いします」という趣旨の文章で結びました。窓口担当者とは、先方の代表や役員も含めた場で、今後一緒にさまざまなビジネスを展開していこうと、何度も話をしていたからです。私としては、窓口担当者からも、同様の趣旨のメールが返ってくるものと期待していました。

ところが、全くそうではなかったのです。窓口担当者から返ってきたのは、「ありがとうございます。必要な場合は、こちらからご連絡します」というそっけないメールでした。

「今後のビジネス展開」は当社側の独りよがりだったのか、先方の意に沿わないことがあったのか。いずれにしても何かしら迷惑を掛けたのかもしれないと、私はおわびのメールを返しました。

結果から言えば、それは私の取り越し苦労でした。おわびのメールを返したその日のうちに、先方の代表から「ぜひ一緒にやりたい」と電話があり、現在は別の案件を共に企画しています。代表は電話口で、窓口担当者が私にそっけないメールを送ったことを、しきりに謝っていました。

皆さんは、この話を聞いて、どう思いますか。皆さんも日ごろ、この窓口担当者と同じようなことを、相手に対してしてはいないでしょうか。

私はこの窓口担当者が、メールに「感情をもっと込める」ことができればよかったのだと思います。窓口担当者は、今後一緒にビジネスを展開することを立場的に即断できなかったのかもしれません。それでも、「私見ですが、一緒にできたらうれしいです」「私も、もっと御社の今後の展開をお聞きしたいです」という「窓口担当者自身の感情」を込めることはできたでしょう。

ビジネス上の付き合いは、気心の知れた友人とのそれとは違います。相手が何を考えているか分からない場合も少なくありません。だからこそ、「ありがたい」「うれしい」「一緒にやりたい」といった感情を込めて接していくことで、その後の関係性が大きく変わってくるのです。

皆さん、今日から、感情をもっと込めて周りと接することを心掛けてみてください。苦手な人は、いつものメールに、「うれしいです」など、一言感情を添えてみましょう。ビジネスの広がりは、その一歩から始まります。

以上(2019年5月)

pj16959
画像:Mariko Mitsuda

上司必読! 部下を伸ばす言葉、ダメにする言葉

書いてあること

  • 主な読者:部下の指導に悩む上司、管理職
  • 課題:モチベーションを引き出すために、どう言葉を掛けて良いかわからない
  • 解決策:「急ぎで働いてもらわなければいけない場合」など、シーンに応じた言葉の掛け方を学ぶとともに、部下がやる気をなくしてしまう言葉を掛けないよう留意する

1 部下を「伸ばす」言葉がある

上司は日ごろから部下を伸ばそう、成長させようと指導しているが、うまくいかずに悩みを抱えていることが多い。

部下を伸ばすためには、まず「部下のやる気を引き出すこと」が鍵となる。そして、部下のやる気を引き出すために上司は、「日ごろから部下に、どのような言葉をかけるか」を考えなければならない。部下の仕事内容・仕事の進め方・進捗状況を一番把握し、部下にとって最も身近な存在なのは、上司だからである。

部下の性格や考え方にもよるが、やる気を引き出す基本は「上司が部下に、信頼を寄せ、関心を示し、期待していることを示す」ことである。

人は「自分が必要とされている、信頼されている」と感じると「嬉しい」「よし、頑張ろう」と思う。特に、「最も身近な存在である上司が自分の仕事をしっかりと見てくれている、期待してくれている」と感じれば、部下は期待に応えようと奮起する。

画像1

上司が信頼・関心・期待を表すことができるのは、褒め言葉や部下を肯定する言葉だけではない。注意を促す言葉に込めることもできる。

例えば、「君の仕事の進め方で、○○の点については少し効率が悪いと思う。少し方法を変えてはどうだろうか?」といったように、より具体的に注意することで、部下は「自分の仕事をしっかりと見てくれているのだな」と感じる。

2 部下を伸ばす言葉の具体例

1)部下が作成した資料の内容が良くないため再作成を命じるとき

このときのポイントは、イメージが違っても頭ごなしに否定するのではなく、部下の意図を聞く姿勢を見せることである。部下は、そうした上司の姿に、上司からの信頼と関心を感じる。

  • 上司の言葉:
  • 「君が作成した△△の資料、○○の部分が私のイメージと異なるんだ。なぜ○○のように作成したか理由を教えてくれないか?」
  • 部下の感じ方:
  • 「作成した資料をしっかりと見てくれている」「自分の考えを聞いてくれる」

2)部下に1人で急ぎの仕事を遂行してもらうよう指示するとき

このときのポイントは、上司がなぜ部下に急ぎの仕事を依頼するのかをきちんと説明し、「助けてもらいたい」という気持ちを表すことである。部下は、上司に頼られ期待されていることが分かり、「よし、それならば私がサポートしよう」と意欲的に取り組む。

  • 上司の言葉:
  • 「××の資料をどうしても今日の5時までに完成させなければならないのだが、私は□□をしなければならないので時間がない。急ではあるが、今日の4時までに××の資料を作成しておいてくれないか?」
  • 部下の感じ方:
  • 「自分を信頼して任せてくれている」「上司ができない理由を教えてくれている」

3)部下のミスや不注意によってトラブルが発生したため、再発防止を命じるとき

このときのポイントは、トラブルの再発防止について部下に考えさせるチャンスを与えることである。部下は、上司からの信頼・関心・期待を感じ、トラブルを素直に反省するとともに、前向きに仕事に取り組む。

  • 上司の言葉:
  • 「今回のトラブルについて、今後同じようなトラブルを避けるためにはどうしたら良いと思う?」
  • 部下の感じ方:
  • 「自分に考えさせようとしてくれている」

3 部下を「ダメにする」言葉もある

上司の言葉一つで部下がやる気出るのと同じように、上司の言葉一つで部下がやる気を失い、ダメになってしまうこともある。身近な存在である上司だからこそ、ささいな言葉一つで、部下は、「この人にそう言われるということは、自分はもうダメなのかもしれない」と誤解し、やる気や自信を失う恐れがある。

上司と部下はあくまでもビジネス上の関係であり、友人関係ではない。仕事を遂行するため、そして部下の能力をより向上させるために、上司は、時には部下を注意したり叱ったりすることもある。しかし、上司のせっかくの本意を誤解し、部下がやる気を失ってしまうようではもったいない。

部下がやる気を失ってしまうのは、前述した「部下を伸ばす言葉」の逆で、「上司から信頼も関心も寄せられず、期待もされていないと感じてしまった場合」である。

画像2

部下が「信頼・関心・期待が寄せられていない」と誤解するのは、上司に叱られたときばかりではない。

仕事を依頼するときの「君は与えられた仕事を終わらせてくれればいいから」「とりあえず、適当に進めておいて」などのような言葉で「余計なことはするな、と言われているのか?」「面倒だから丸投げした感じだな」と受け取り、やる気を失うことがある。

また、たとえ褒められたとしても、「最近いいじゃない」などの抽象的な表現だけでは、「適当におだてているだけなのではないか」と誤解してしまう部下もいるだろう。叱るときだけではなく、仕事を依頼するときや褒めるときなども、上司は、「信頼・関心・期待を寄せていない」と部下に思わせてしまうような言葉を避けたほうがよい。

4 部下をダメにする言葉の具体例

部下に注意するときや部下の理解を確認するときなど、シーンに応じて「信頼・関心・期待が感じられないと部下が誤解しがちな上司の言葉の例」「部下の感じ方」「上司の本意」「良い上司の言葉」を確認してみよう。

1)部下が作成した資料の内容が良くなかったとき

部下をダメにするのは、誰かと比べて否定する言葉である。今、目の前にいる部下にフォーカスした言い方に変えることがポイントとなる。

  • 良くない上司の言葉:
  • 「君が作成した資料、全然イメージと違うからもういいよ。A君に頼むから」
  • 「A君だったら、君が作ったような資料は作成しないと思うよ」
  • 部下の感じ方:
  • 「ほかの人と比較され、『自分は劣っている』と言われている」ように感じる。
  • 上司の本意:
  • 悔しさを感じ「もう一度私にやらせてください」と言ってほしい。
  • 良い上司の言葉:
  • 「君が作成した△△の資料、どうしてもイメージと異なるんだ。なぜ○○のように作成したか理由を教えてくれないか?」

2)部下の仕事を上司自身が代わりに行ったり、ほかの部下に振ったりするとき

部下をダメにするのは、「もういい」などの見放すような言葉である。割り振りを変えるときは、その理由を説明することがポイントとなる。

  • 良くない上司の言葉:
  • 「もう◇◇についてはやらなくていいから」
  • 部下の感じ方:
  • 「もう任せてはくれないのかな」と上司からの信頼や期待がなくなってしまったように誤解する。
  • 上司の本意:
  • ××の件で忙しそうだから、◇◇を担当してもらうのは無理だろう。
  • 良い上司の言葉:
  • 「君は今××の件で手一杯だろうから、今回は私が(あるいはA君が)やるよ」

3)仕事について部下が理解しているか確認したいとき

部下をダメにするのは、「当然分かるよね?」など「No」と言うことができないような言葉である。部下の意見や考えを聞き出す言い方に変えることがポイントとなる。

  • 良くない上司の言葉:
  • 「君なら当然分かるよね?」「君はもう当然できているよね?」
  • 部下の感じ方:
  • 「分からない、できていないと答えたら怒られる」という強迫観念にとらわれる。また、「上司は、自分が分かっていない、できていない、と思っているのかもしれない」と上司からの信頼を得られていないように感じることもある。
  • 上司の本意:
  • 理解しているかどうか、どのように考えているのか聞いてみよう。また、自分の言葉で説明させることによって自分自身の頭の中を整理してもらおう。
  • 良い上司の言葉:
  • 「□□について君の意見を聞かせて欲しい」

5 部下一人ひとりと真剣に向き合う勇気

「伸ばす言葉」「ダメにする言葉」のどちらも、「信頼・関心・期待をどのように上手に伝えるか」がポイントとなる。ただし、部下は個々の性格や考え方が違うので、上司の言葉に対する受け止め方もそれぞれ異なる。信頼・関心・期待を寄せられていると感じるポイントも違う。そこで、部下一人ひとりと真剣に向き合わなくてはならない。

一方、部下は、部下一人ひとりと真剣に向き合おうとする上司の姿勢を感じるだけで、「自分たち部下に関心を寄せ、考えてくれようとしている」と思い、それに応えようと努力するはずである。

部下を伸ばすために大切なのは、上司が、日ごろから部下一人ひとりと真摯に向き合い「部下のやる気を引き出す言葉」をかけることである。そうすれば、部下のやる気を引き出すだけではなく、上司と部下との間で強い信頼関係を築くことができるだろう。

また、時と場合によっては、上司は言葉を選ばず、部下を厳しく叱ったり指導したりしなければならない。厳しくするときには厳しくする。上司のそうした真摯な姿勢に部下は、「自分に向き合ってくれている」と尊敬と感謝の気持ちを抱くのである。

最後に、やる気を引き出し部下を伸ばす「魔法の言葉」と、やる気を失わせ部下をダメにする「避けたほうがよい言葉」を紹介する。上司は、適度に部下に「魔法の言葉」をかけ、部下のやる気を引き出していくことが大切といえよう。

画像3

以上(2019年5月)

pj00281
画像:pixabay

待ったなしの副業解禁の時代をひもとく〜現代の遣唐使 他社留学を事業化するエッセンス社の米田さんに聞く〜/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、エッセンス株式会社の社長である米田瑛紀さんです。

2019年4月、副業・兼業の解禁やリモートワークの推進など、激動の「働き方多様化時代」が始まっています。米田さんは、その最先端を担っていて、経済産業省におけるワーキンググループの委員にも選出されています。

大企業の優秀な人材をスタートアップ企業へ期間限定で送り込む「他社留学」の他、「現代の遣唐使」に見立てて「地方人材を東京へ送り込む」ことを事業化するなど、幅広く人材を活性化し「人財」にする活動をされています。

1 副業人財で決まりましたよ!

最初に、私のキャリアでターニングポイントになった出来事を紹介します。今から20年ほど前、当時懇意にしていた得意先の方から、ドラッカーさん(ピーター・ドラッカー)の音源を聞かせてもらったことがあります。その音源の中に、ドラッカーさんが来るべき将来に必要な人材像についてコメントしている場面がありました。

詳細なことまでは覚えていないのですが、当時のドラッカーさんが、「1社に帰属し自身の関わる仕事だけのプロフェッショナルの時代は確実に終わる」ということと、「多様性の時代が来る。その際には、いろんな業界、企業、職種、コミュニティーと対話ができる器用なビジネスパーソンが重宝される時代となるだろう」というようなことを予言的に話していたことは鮮明に覚えています。

これらドラッカーさんのお話に衝撃を受けた当時の私。幸いにして20代で全く違う業界へ2度の転職経験があり、さらに、私はあらゆる業種と関わりのあった損保会社で仕事をしていました。そうしたことから、ドラッカーさんのメッセージを、「まさにドラッカーさんが私に言ってくれている」と自分勝手に誤解? 曲解?して受け取り、それが根拠のない自信となって現在に至るまでパワーをもらっています。

会社員時代、就業規則の関係により私は金銭的な副業経験をしたことは一度もありません。しかし、当時から社外へ求め始めたネットワークのおかげで、莫大な【情報】と【信用】を手に入れることができました。金銭以上のものを【副業】として得られたといっても過言ではないと今まさに感じ、感謝しています。

これからの時代を生き抜く上でも、副業は大切な意味を持っていると思っています。

そろそろ冒頭のタイトル、【副業人財で決まりましたよ!】に戻りたいと思います。【副業人財で決まりましたよ!】。これは、私がインタビューに伺った際に、米田さんが席に着くなり、ニコニコ顔で語ってくださった言葉です。

今から数カ月前、懇意にしている上場会社の社長さんから、「杉浦さん! ここ6カ月ほど、社長マターで幹部人材を探しているけれど採用できなくて困っています! どこか採用の支援をしてもらえる会社を紹介してください!」と依頼を受け、すぐに米田さんにお願いしたものでした。

そこから2カ月もたたないうちに、米田さんから「副業人財をご導入いただくことが決まった」との報告をいただき、少し不思議な感じでした。役員級での採用要請でしたので、私は常勤の候補が当たり前と思っていましたが、この副業でジョインされた方は元マイクロソフトでマーケティングを担当したこともあり、現在は世界的によく知られるマーケティング会社の超有名人だそうです。

もしこのハイスペックな方を説得し、100%のコミットで転職要請するには、いったいいかほどの年俸を準備することになるのでしょうか。そして、どれくらい先にジョインすることとなるのでしょうか。

恐らく、企業側が想定している額をはるかに上回る金額が必要で、しかも、候補の方の状況によっては、実際にジョインするのはしばらく後になるかもしれません。企業にとっては、かなり難しく現実的ではない状況になるでしょう。

「常勤採用の発想から企業側も転換をしたほうが良いですよ」。そう米田さんは話します。「副業人財」としてジョインしてもらえば、ハイスペックな方を週1もしくは月数回程度で味方にすることができ、企業のレベルアップが図れます。依頼主の社長にとっては良いことずくめです。

米田さん率いるエッセンス社では、「戦略設計図を描けるプロ(人財)をそろえている」という点で、他社にはない価値を企業に提供できるとしています。また、人材を探している企業に寄り添い、「足りないピースは何か」「どこなのか」といった点も掘り下げていく【丁寧なチューニング】も、大きな強みといえるでしょう。

米田さんの姿勢から、「副業だからこそ人財の適材適所をしっかり考えることの大切さ」を目の当たりにした次第です。案件の数にこだわるのではなく、チューニングの丁寧さとクオリティーの部分に、エッセンス社が「何を重要視しているのか」がうかがえます。

2 水面下でも動き出している大企業の「他社留学」という研修スタイル

次にご紹介するのは「他社留学」という取り組みです。1万人以上を抱える大企業では、仮に自分が必死で努力したり、運を味方につけたりしたとしても、役員にまで上りつめることは本当に大変です。昨今、大企業でも役員の若返りにチャレンジしているとはいえ、20代で役員会に出るチャンスは皆無といってもよいくらいです。

しかし、エッセンス社ではその経験を20代でかなえる取り組みも実施されています。実は私がご紹介した会社はまさに社員数1万人以上で、「有能な若手人財をつなぎ留めておく施策はないか?」と探しているところでした(大概の場合、期間限定の海外研修ってことが多いですね……)。そこでその会社には、期間限定で他の会社に留学するという「他社留学」を若手社員に経験させてみることを紹介しました。

当初、まずは、その会社の1名を、あるスタートアップ企業に留学させることにしました。その結果、

  • 自社(大企業)のリソースの大きさ、ポテンシャルを認識できた
  • スタートアップ企業の役員会に参加することで経営側の考え方を学ぶことができた

ということだそうです! そこで、現在は3年目の他社留学をスタートしており、非常に効果が出ているといいます。

例えば、他社に留学することで、現業の【引き出し】が増え、課題解決力や視座が高まり、価値観も広がる。そして何より、「マインドが変わる=自立心が育まれる」ことが大きいと思います。

私が会社員時代に感じていた、【企業研修】の意味のなさ。研修に際して、会社が多額の投資をしてくださったことには感謝していましたが、「座学→眠い→体験値が低い→研修期間を過ぎればすぐに消えてゆく」。こうしたことの連続でした。だからこそだと思いますが、私には、エッセンス社の他社留学事業は大企業にとって「本当に社員を変えることのできる」画期的な【研修事業】と映りました。

企業が副業解禁に向かう場面でも、この他社留学は意味あるものだと感じます。自分が勤めている会社のことしか知らないという純粋培養では、企業側が副業解禁しようとしても、社員たちは何も分からない、変わらない、一歩も前へ進めない。そんな状況かもしれません。他社留学は、そうした社員の背中を押す施策と感じます。

●エッセンス社の他社留学に関する説明はこちら
http://nanasan.essence.ne.jp/

他社留学事業を説明した画像です

3 【現代の遣唐使】地方と東京をつないでいく

米田さんの思いは、「地方活性化」にも及びます。米田さんは、その思いを「現代の遣唐使」という表現で話してくださいました。飛鳥時代から平安時代にかけ、日本の礎(技術、政治、文化、宗教)に大きな影響を与えたのが、日本から「唐」に派遣されていた「遣唐使」です。遣唐使も、まさに「有能な人財を全く見たこともない世界に送り込むことで成長の機会を得られる」という制度でした。米田さんは、「現代の遣唐使」になぞらえて、地方の企業から東京の企業へ社員を送り込み、学びの機会を創出するという事業にもチャレンジされています。

例えば、青森県六ヶ所村に所在する日本原燃株式会社の例を見てみましょう。同社の2017年度の売り上げは2600億円超、従業員数も2700人を超えています。今回、この地元の超優良企業である日本原燃社から、都会にあるユニリーバ・ジャパン社の人事や、サイボウズ社の総務にと、日本でも先端的な取り組みをしている企業で「現代の遣唐使」が実施されたそうです。

既成概念の中で硬直した企業組織、若い世代が違和感を持っても過去の事例の中では発言すらはばかられる。日本原燃社では、こうした状況を打破すべく、「現代の遣唐使」を導入したのかもしれません。社員は、東京の企業で、全く違った組織運営の在り方や、仕事への取り組み方について現場で学ぶことができます。最先端の取り組みを行っている企業で経験した実績を、遣唐使となった社員が自社に持ち帰ることで、実際に、社内が大いに活性化しているそうです。

「現代の遣唐使」では、「既にある良きもの」をどんどん都会から持ち帰り、地方で生かしていくことがポイントです。今まで、地方へ有能な都会人財を送り込むことで活性化を生むケースは見受けられました。「都会人財が地方へ行く」という一方通行ではなく、双方向、特に地方から都会への遣唐使制度の中に、地方活性化の早道があるかもしれないと感じました。

4 副業解禁、その時代に必要とされる人財に大切なこと

働き方改革、副業解禁といったように社会が大きく変化していく中だからこそ、「人財」として大切にしなければならないことがあると、私は思っています。

あるスタートアップ企業で部長級以上の会議に出席したときに居合わせた、60歳以上の元商社出身の人生の先輩。この会社で必要なことへの言及は全くせず、終始、自分の経歴を一生懸命プレゼンするだけでしたが、結果として、その方は多額の報酬要求をされました。こうした、過去の人脈を頼り、電話一本で「この会社の社長と会え!」などと言う、強引な顧問の時代もそろそろ終わりに近づいていると感じます。

米田さんも、これから副業解禁時代を生き抜くためには、【再現性】と【マインド】という2つのキーワードが特に重要だと話します。

米田さんの会社で中核事業の一つである、プロ人材の紹介サービス事業である【プロパートナーズ事業】には、大企業で現役として働いている方や引退した方が「プロ候補」としてたくさん面談に訪れるそうです。しかし、そのうちの80%以上はお引き取りを願うのだそうです。

【再現性】と【マインド】という2つのキーワードを持っていない、それがお引き取りを願う理由だと米田さんは言います。有名企業に所属していただけ、肩書があるだけで、現場で実践してきたビジネススキルや成功体験を持ち合わせていない。また、やってきた仕事は単に所属企業のルーティンワークで、自社以外に持ち出して活用したり、再現できたりするものは何一つない。そんな方が少なくないと言います。

加えて、【マインド】もなく「大企業にいた」という上から目線で、そのことが地方の中小企業の現場では全く役に立たないことを理解していないようです。「自分が何に、どうしたら役に立てるか?」を必死で考える言葉が出る、そして行動する。そうした他者貢献のマインドがあってこそ副業ができるのです。【再現性】と【マインド】。この2点がないと、副業時代を生き抜くことは難しいと米田さんは話します。

●エッセンス社のプロパートナーズ事業に関する説明はこちら
https://www.essence.ne.jp/propartners

プロ人材の活用の広がりを説明した画像です

【再現性】と【マインド】。この2つを意識し、多様化し、激変していく世の中で活躍できる人材が「人財」となり、地方と都会の両方が活性化することを願いたいと思います。

以上(2019年4月作成)

農地所有適格法人の設立~農事組合法人の場合~

書いてあること

  • 主な読者:農業の法人化を検討している事業主
  • 課題:法人化に当たり、どのような形態が向いているのかを知りたい
  • 解決策:農事組合法人は、内部自治が認められており、1つの集落内にある複数の農家が共同出資をして手掛ける「集落営農」を法人化したい場合に適している

1 農業法人の区分と法人化するメリット

1)農業法人と農地所有適格法人の区分

農業法人とは、法人形態で農業を営む農家の総称です。農業法人の区分は次の通りです。

画像1

2)農業経営を法人化するメリット

1.経営意識の転換

農地所有適格法人になることで、農業経営に掛かる経費と家計の明確な区別が必要となり、コスト削減を意識するなど、農家が経営責任に対する自覚を持ちやすくなります。

2.対外信用力の向上

農地所有適格法人には財務諸表の作成が義務付けられているため、経営内容を数値で示すことができ、金融機関や取引先への対外信用力が向上します。

3.農業従事者の福利厚生面の充実

農地所有適格法人になることで、農業従事者の福利厚生を充実させやすくなり、外部からの新規就農者が見込みやすくなります。

4.機械・設備費の削減

経営を一本化することで機械や設備を共有することができ、効率的な利用やコストの削減が可能となります。

5.税制上の優遇

農地所有適格法人の場合、課される法人税が定率課税となる、役員報酬が損金として処理できる、欠損金の繰り越し控除が可能な期間が9年間(個人の場合は3年間)になるなどの税制上の優遇措置があります。

2 農事組合法人の形態を取る農地所有適格法人の概要と設立手続き

1)農事組合法人の概要

農事組合法人の根拠法は「農業協同組合法」(以下「農協法」)です。同法第72条の4において、農事組合法人の目的は「構成員共同の利益増進」とされており、構成員の公平性が重視されます。

農事組合法人(2号)になるためには、3人以上の自ら農業を営む個人または農業に従事する個人(以下「農家」)が共同して出資しなければならず、構成員は全員が原則として農民等(注)でなければなりません。1人当たりの出資額は全体の50%以下とする制限が設けられており、また、議決権は出資額にかかわらず1人1票制とされています。従って、農事組合法人(2号)は、等質的で対等な小規模農家が共同して規模の拡大または経営の効率化を図るといった目的がある場合に適しています。

(注)農民等とは、農事組合法人(2号)の構成員要件として、自ら農業を営む個人または農業に従事する個人の他、農協、農地保有合理化法人、農事組合法人から物資の供給または役務の提供を受ける者が含まれます。

北海道農業経営局農業経営課「農地所有適格法人制度の概要」によると、農事組合法人の概要は次の通りです。

画像2

農事組合法人は、設立時に組合員から1人以上の理事を選任します。それ以外の機関設計や運営については、組合員同士の話し合いによる内部自治が認められており、定款に定める内容の自由度が高いといえます。このため、集落内の複数の農家が共同出資して農産物の生産を行う「集落営農」を法人化する場合に、農事組合法人の形態が選択されることがあります。

農事組合法人は株式会社へ組織変更することができます(農協法第73条の2、同法第73条の3)。一方で、農事組合法人から合同会社・合名会社・合資会社への組織変更は法律上の規定がないため、一度解散の手続きを取る必要があります。

2)農事組合法人の設立手続き

農事組合法人の定款への記載事項は、農協法第72条の16によって規定されています。

農林水産省「農事組合法人設立までの流れ」によると、農事組合法人設立の手続きは次の通りです。

画像3

農事組合法人の設立には、定款の認証や設立時の調査などが不要であり、会社法人である農地所有適格法人の設立に比べて、簡素な手続きで済みます。

農事組合法人の設立を管轄する官公庁は都道府県です。ただし、活動範囲が複数の都道府県をまたぐ場合は所轄の農政局に届け出をします。

また、農地の権利(所有または賃借により農地を耕作する権利)を持つ法人であるため、農事組合法人の設立の際には、各市町村の農業委員会に対して農地の権利の許可を申請する必要があります。

以上(2019年4月)

pj59023
画像:pixabay