【カスハラ対策セミナー開催レポート】130名以上が参加。弁護士による“寸劇あり”の「従業員を守るカスハラ対策」

1 参加者は130名以上、約90%が「満足」以上!

3月10日、「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」のオンラインセミナーを開催しました。2026年10月から、企業にはカスハラ防止措置を講じることが法律で義務付けられます。それに向けて日本ハラスメントカウンセラー協会顧問も務められる、東京エクセル法律事務所の坂東 利国先生を講師にお招きして開催しました。

結果は大盛況! 当日は130名以上の方々にご参加いただき、アンケートでは「とても満足」「満足」が約90%となりました(アンケート回答数78件)。下記でご紹介するアンケートは日本情報マートがZoomを活用してアンケートを取得したものです。

満足度

2 カスハラ対策セミナー第2弾への参加意向

参加意向

カスハラセミナー第2弾への参加意欲も高く、78%が参加したいと回答。残りは分からない、であり、いいえと回答した方はいませんでした!

3 カスハラ対策に関する参加者の取り組み状況

カスハラ対策の取り組み状況(単一回答)

1 情報収集を開始したばかり 31%
2 対策の検討・準備を進めている段階 28%
3 既に具体的な対策を実施している 23%
4 特に何も実施していない 15%
5 その他 3%
6 具体的に相談したいこと、困っていることがある 0%

参加者の企業内では、「情報収集をしたばかり」の他に「対策の検討・準備を進めている段階」「既に具体的な対策を実施している」も23%〜28%と割と多い印象です。第2弾で、マニュアル作成や業種別の対応例などより具体的な内容を企画してもいいかもしれません。

4 ハラスメント対策ができる従業員を育成するプログラムがあった場合の受講意欲

受講意欲

カスハラだけじゃなく、ハラスメント全体の対策としてそのプログラムを受けるとハラスメント対策を実行できるようになる「ハラスメント対応育成プログラム」を受けたい人は45%と半分くらいでした。

5 カスハラ対策セミナーの感想

参加者から寄せられた感想の一例です。「法律の話=難しい」という先入観を覆す坂東先生の、面白くてあっという間の寸劇講義スタイルで、参加者からは次のような感想がたくさん寄せられました。ありがとうございます! 一部をご紹介します。

  • 時間がすごく短く感じるくらい、集中して受講できる内容だった
  • 実例が豊富でわかりやすかった
  • 大変ためになりました。また、機会がありましたら受講させていただきます
  • ハラスメント委員会とは別にカスハラ対応をすることがベストという点でも納得
  • 各ハラスメントに該当する要件は知っているが、そこから一歩踏み込んだ部分(グレーゾーンなど)が聞けた
  • 短時間でありながらも、先生の説明(寸劇)、資料がよかった
  • 専門的(例:旅館・ホテル向け)な話だともっと良かったかなと思った
  • 1時間だけでは足りない、もったいないと感じましたので、第二弾など続きもあればぜひ参加したいです
  • やはり時間が足りなく少し駆け足になってしまったのが残念。もう少し各社で起きている事例が聞きたかった
  • 非常に実務的で、明日からの業務に活かせるヒントを多くいただけました。特に、カスハラ対応が単なるトラブル処理ではなく、企業の『安全配慮義務』に関わる重要事項であるという視点は目から鱗でした

6 そのほかのセミナーへの参加意欲

今後、カスハラ以外のテーマでもオンラインセミナーは企画・実施してまいります。下記のようなテーマを考えております。アンケートの最後で、参加したいセミナーを選んでいただきました。

今後のセミナー企画例と参加意欲(複数回答)

1 超強力!ハラスメントの番人を社内で育てる研修プログラム 41%
2 必見 求人費ゼロでも応募が止まらない、給料に頼らない採用戦略のすべて 37%
3 手を動かす生成AIセミナー!実際に使って、作って超体感! 34%
4 熱血会計士が教える「分かったつもり」を超える財務会計 29%
5 労基署が入った超ブラック企業の反撃!社員数3倍、売上4倍の舞台裏 28%
6 成長する社長が実践する現状を打破して成長を続けるマインドのつくり方 22%
7 日本で唯一の「渋沢栄一」学〜論語と算盤だけではない深い学び 18%
8 経営者とワイン雑学の切っても切れない関係 13%
9 給料振込はやめなさい!常識破りが正解の人事制度 13%
10 この中にはない 12%
11 ブログでポルシェを300台売った経営者が教える「会社のストーリーの見せ方」 12%
12 昼下がりのウェルビーイング 呼吸とストレッチでみんな健康! 12%
13 社長の知名度が上がるTikTokメディア「社長の名は」 映えなくても跳ねる理由とは? 4%

今回のセミナーを通じて、簡単ではないものの従業員と顧客のためにカスハラ対策は進めなければならないこと、誰でも理解できる客観的なルール(20分対応したら、何回対応したら、など)を決めるといった具体的な策を一つひとつ積み重ねていく必要があることなどが分かりました。

第2弾も企画してまいります! ご参加いただいた130名を超える皆さま、そして臨場感あふれる講義を届けてくださった坂東先生、本当にありがとうございました!

以上(2026年3月12日時点)

pj10095
画像:日本情報マート

【カスハラ対策セミナー開催レポート】130名以上が参加。弁護士による“寸劇あり”の「従業員を守るカスハラ対策」

1 参加者は130名以上、約90%が「満足」以上!

3月10日、「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」のオンラインセミナーを開催しました。2026年10月から、企業にはカスハラ防止措置を講じることが法律で義務付けられます。それに向けて日本ハラスメントカウンセラー協会顧問も務められる、東京エクセル法律事務所の坂東 利国先生を講師にお招きして開催しました。

結果は大盛況! 当日は130名以上の方々にご参加いただき、アンケートでは「とても満足」「満足」が約90%となりました(アンケート回答数78件)。下記でご紹介するアンケートは日本情報マートがZoomを活用してアンケートを取得したものです。

満足度

2 カスハラ対策セミナー第2弾への参加意向

参加意向

カスハラセミナー第2弾への参加意欲も高く、78%が参加したいと回答。残りは分からない、であり、いいえと回答した方はいませんでした!

3 カスハラ対策に関する参加者の取り組み状況

カスハラ対策の取り組み状況(単一回答)

1 情報収集を開始したばかり 31%
2 対策の検討・準備を進めている段階 28%
3 既に具体的な対策を実施している 23%
4 特に何も実施していない 15%
5 その他 3%
6 具体的に相談したいこと、困っていることがある 0%

参加者の企業内では、「情報収集をしたばかり」の他に「対策の検討・準備を進めている段階」「既に具体的な対策を実施している」も23%〜28%と割と多い印象です。第2弾で、マニュアル作成や業種別の対応例などより具体的な内容を企画してもいいかもしれません。

4 ハラスメント対策ができる従業員を育成するプログラムがあった場合の受講意欲

受講意欲

カスハラだけじゃなく、ハラスメント全体の対策としてそのプログラムを受けるとハラスメント対策を実行できるようになる「ハラスメント対応育成プログラム」を受けたい人は45%と半分くらいでした。

5 カスハラ対策セミナーの感想

参加者から寄せられた感想の一例です。「法律の話=難しい」という先入観を覆す坂東先生の、面白くてあっという間の寸劇講義スタイルで、参加者からは次のような感想がたくさん寄せられました。ありがとうございます! 一部をご紹介します。

  • 時間がすごく短く感じるくらい、集中して受講できる内容だった
  • 実例が豊富でわかりやすかった
  • 大変ためになりました。また、機会がありましたら受講させていただきます
  • ハラスメント委員会とは別にカスハラ対応をすることがベストという点でも納得
  • 各ハラスメントに該当する要件は知っているが、そこから一歩踏み込んだ部分(グレーゾーンなど)が聞けた
  • 短時間でありながらも、先生の説明(寸劇)、資料がよかった
  • 専門的(例:旅館・ホテル向け)な話だともっと良かったかなと思った
  • 1時間だけでは足りない、もったいないと感じましたので、第二弾など続きもあればぜひ参加したいです
  • やはり時間が足りなく少し駆け足になってしまったのが残念。もう少し各社で起きている事例が聞きたかった
  • 非常に実務的で、明日からの業務に活かせるヒントを多くいただけました。特に、カスハラ対応が単なるトラブル処理ではなく、企業の『安全配慮義務』に関わる重要事項であるという視点は目から鱗でした

6 そのほかのセミナーへの参加意欲

今後、カスハラ以外のテーマでもオンラインセミナーは企画・実施してまいります。下記のようなテーマを考えております。アンケートの最後で、参加したいセミナーを選んでいただきました。

今後のセミナー企画例と参加意欲(複数回答)

1 超強力!ハラスメントの番人を社内で育てる研修プログラム 41%
2 必見 求人費ゼロでも応募が止まらない、給料に頼らない採用戦略のすべて 37%
3 手を動かす生成AIセミナー!実際に使って、作って超体感! 34%
4 熱血会計士が教える「分かったつもり」を超える財務会計 29%
5 労基署が入った超ブラック企業の反撃!社員数3倍、売上4倍の舞台裏 28%
6 成長する社長が実践する現状を打破して成長を続けるマインドのつくり方 22%
7 日本で唯一の「渋沢栄一」学〜論語と算盤だけではない深い学び 18%
8 経営者とワイン雑学の切っても切れない関係 13%
9 給料振込はやめなさい!常識破りが正解の人事制度 13%
10 この中にはない 12%
11 ブログでポルシェを300台売った経営者が教える「会社のストーリーの見せ方」 12%
12 昼下がりのウェルビーイング 呼吸とストレッチでみんな健康! 12%
13 社長の知名度が上がるTikTokメディア「社長の名は」 映えなくても跳ねる理由とは? 4%

今回のセミナーを通じて、簡単ではないものの従業員と顧客のためにカスハラ対策は進めなければならないこと、誰でも理解できる客観的なルール(20分対応したら、何回対応したら、など)を決めるといった具体的な策を一つひとつ積み重ねていく必要があることなどが分かりました。

第2弾も企画してまいります! ご参加いただいた130名を超える皆さま、そして臨場感あふれる講義を届けてくださった坂東先生、本当にありがとうございました!

以上(2026年3月12日時点)

pj10095
画像:日本情報マート

【中堅社員のスピーチ例】丁寧な引き継ぎが強い組織を作る

【ポイント】

  • 引き継ぎは「後任者の立場」になって行おう。自分にとって当たり前でも後任者は違う
  • 引き継ぎは「実演」してみせよう。担当者独自の進め方は、見せなければ伝わらない
  • 引き継ぎは「後任者以外」も巻き込もう。引き継ぎに抜け漏れがあってもカバーできる

皆さん、おはようございます。年度末のこの時期につきものなのが「業務の引き継ぎ」です。いくら忙しくても、こればかりは手を抜けません。一方で、文書やマニュアルまで用意をしていたのに、引き継ぎがうまくいかず、後になって苦労した経験がある人もいるのではないでしょうか。そこで今日は、業務を引き継ぐ側として、私なりに意識しているポイントを3つ話してみます。

1つ目は、「後任者の立場になって引き継ぐ」ことです。前任者にとっては当たり前になっている情報は、文書やマニュアルに落とし込まれないことが多いですが、その中には当然、後任者が知らない情報もあるはずです。たとえ定型的な業務であったとしても、業務の全体像や過去の経緯も含め、余すことなく伝えましょう。そうすれば、後任者は急なトラブルにも対処しやすくなるはずです。

2つ目は、「実演してみる」ことです。特に、長い期間同じ担当者がやっていた業務では、その担当者独自の進め方ができており、属人化しがちです。こうした場合、文書やマニュアルだけで後任者が前任者の進め方を再現するのは難しいため、実演をしながら伝えることが大切です。ただし、前任者の仕事の進め方に問題がある場合は、アップデートをしましょう。担当者が1人だと周囲から指摘を受けにくく、古い仕事の進め方などがいつまでもまかり通ってしまうケースがよくあります。

3つ目は、「後任者以外も巻き込む」ことです。前任者から後任者への引き継ぎにヌケモレがあると、何か問題が起きた際、「結局、どう対応するのが正しいの?」が分からなくなります。これを防ぐために、例えば、直属の上司も引き継ぎに参加してもらい、内容ややり取りを確認できるようにするとよいでしょう。こうすることで、前任者と後任者しかその業務について分からないという状況を防げます。

後任者が「迷わず、すぐ走り出せる状態」でバトンを渡す。この「引き継ぎの丁寧さ」が、組織としての本当の強さを作るのだと感じています。忙しいときこそ、資料やメモの残し方一つに「未来の担当者への思いやり」を込めて丁寧な引き継ぎを実現させましょう。私自身も、背中を見せられるような締めくくりをします。全員で、最高の状態で新年度を迎えましょう!

以上(2026年3月作成)

pj17245
画像:Mariko Mitsuda

【規程・文例集】「役員退職慰労金規程」のひな型

1 役員退職慰労金とは

役員退職慰労金とは、勇退した役員の在任中の功労に報いることを目的に支給される退職金です。役員退職慰労金を支給するためには、定款に定めるか、株主総会の決議が必要です(会社法第361条の「報酬等」に含まれます)。

ただし、実務上、定款で役員退職慰労金の具体的な金額を明示することはほとんどなく、株主総会において「取締役会に一任する」旨の決議がなされます。その上で、内規や取締役会で承認された「役員退職慰労金規程」に基づいて役員退職慰労金の金額が決められることが一般的です。

2 役員退職慰労金規程のひな型

以下で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【役員退職慰労金規程のひな型】

第1条(目的)

本規程は、当社の取締役または監査役(以下「役員」という)が退任した場合に、当該役員またはその遺族に対して退職慰労金を支給し、役員在任期間中の功労に報いることを目的とする。

第2条(適用範囲等)

1)本規程は役員の全員に適用する。

2)本規程に定める退任の時期は以下の通りとする。

  • 任期が満了したとき
  • 定時または臨時株主総会で解任されたとき
  • 取締役会で辞任が承認されたとき
  • 会社法第331条第1項または定款に定める欠格事由に該当し資格を喪失したとき
  • 死亡したとき

第3条(非常勤役員の取り扱い)

非常勤役員については、その功労実績に基づき本規程以外の取り扱いをすることができる。

第4条(支給算定基準)

退職慰労金の支給算定基準は、退任時の最終報酬月額に役員在任期間(年数) および役位別功績倍率を乗じて得られた額の累計額とする。ただし、この額に1000円未満の端数が生じたときは1000円に切り上げるものとする。

退職慰労金の支給額=退任時の最終報酬月額×役員在任期間(年数)×役位別功績倍率

第5条(在任期間の計算)

  • 在任期間は就任の日から起算し、退任の日までとする。
  • 在任期間の計算において1年未満は月割り計算とする。
  • 在任期間の計算において1ヵ月未満の端数は1ヵ月とする。

第6条(役位別功績倍率)

第4条における役位別功績倍率は以下の通りとする。

  • 会長:○
  • 社長:○
  • 副社長:○
  • 専務取締役:○
  • 常務取締役:○
  • 取締役:○
  • 監査役:○

第7条(特別功労金)

1)在任中、特に功労のあった役員に対しては、退職慰労金の他に、その支給額の○%の範囲において、特別功労金を支給することがある。

2)特別功労金の支給は、取締役会において決定する。

第8条(特別減額・不支給)

役員が次の各号に該当する場合は、退職慰労金を減額し、または支給しないことができる。

  • 在任中または退職に当たり、所定の手続きおよび事務処理等をせず、会社の業務運営に重大な支障を来したと取締役会が認めたとき。
  • 在任中または退職に当たり、会社の社会的信用を傷つけ、または在職中に知り得た機密を漏らして会社に損害を与えたと取締役会が認めたとき。
  • 定款に基づき、役員を解任されたとき。
  • その他会社に重大な損害を与える等の事由により、取締役会が減額または不支給が適当と認めたとき。

第9条(使用人兼務役員の取り扱い)

役員が従業員を兼務している場合、この者に対して支給する役員の退職慰労金には、従業員としての退職金は含まないものとする。

第10条(支給時期)

退職慰労金は、役員が業務の引き継ぎを完全に終了させ、かつ、会社に対して返済すべき債務があるときは、その債務を返済した日から○ヵ月以内に一時金として支給する。

第11条(退職慰労金の支給一時差し止めおよび返納)

役員が次の各号に該当する場合は、退職慰労金の支給を一時差し止め、および支給した退職慰労金を返納させることができる。

  • 退職慰労金の支給前に公訴を提起された場合。
  • 在任期間中の業務に関し禁錮以上の刑に処せられたとき。

第12条(遺族の範囲)

1)役員が死亡したときは、退職慰労金はその遺族に支給する。

2)前項に規定する遺族は、配偶者を第1順位とし、配偶者がいない場合には、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順位とする。該当者が複数いる場合は、全員から委任を受けた代表者に対して支給する。

第13条(相談役・顧問)

本規程は、退職した役員を相談役・顧問として任用し、相当額の報酬を支給することを妨げるものではない。

第14条(改廃)

本規程の改廃は、取締役会決議において行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2026年2月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 渡邉和也)

pj80091
画像:ESB Professional-Adobe Stock

【入社1年目の教科書】取引はこちらが有利な立場のときほど慎重に進める

今日の商談は違和感があったな~。こちらが発注する側で有利なんだし、金額とか納期とか、もっと良い条件で進められたはずなのに、なんか先輩は妙に低姿勢だったんだよな……。交渉なんだから、有利に進めば会社の利益につながるはず……うん、やっぱり先輩が相手に気を使いすぎなんだ! 次に私が訪問したときは、もっと攻めていくぞ!

1 取引先に無理なお願いをするのは問題です

仕事ですから、皆さんは取引の際に、自分の会社の利益を優先しなければなりません。ただし、だからといって相手の利益を全く考えないようでは、相手と良い関係を築くことはできません。

それに、こちらが有利な立場にあるときほど取引内容に注意しないと、「取適法」という法律に違反してしまうことがあります(ちなみに、以前は「下請法」という法律名でした。こっちの名称のほうが聞いたことのある人は多いでしょうか?)。

例えば、こちらが仕事を発注する側の場合、取適法では、

発注者(委託事業者)が受注者(中小受託事業者)に無理を強いることがないよう、さまざまな義務や禁止事項

が設けてあります。違反すると、公正取引委員会から勧告を受けることがあります。そうなると、会社名が公表されるので、自社の社会的な信用を傷つけてしまいます。

取適法の対象となる取引は、

  • 「取引の内容」
  • 「資本金基準」(資本金の額か出資の総額)または「従業員基準」(常時使用する従業員の数)

によって決まっています。例えば、自社が資本金6000万円の機械メーカーだとします。商品の原材料製造を発注する場合、資本金1000万円以下の企業や常時使用する従業員300人以下の企業との取引が取適法の対象になります。

取適法の対象

ちなみに仕事を発注する相手が、個人で事業を行う「フリーランス」の場合は、別途「フリーランス・事業者間取引適正化等法」という法律が適用されることがありますが、この記事では割愛します。

2 守らなければならない義務と禁止事項

発注者には、次の4つの義務が課されています。

  • 発注に際して書面を交付する
  • 業務を委託した場合にその内容などを記載した書類を作成・保存する
  • 支払期日を定める(受領日から60日以内)
  • 支払いが遅延した場合は遅延利息を支払う

例えば、「原材料Aについて、来月5日に100個納品してください」と電話のみで発注することは、書面の交付がないので発注に際して書面を交付する義務に反します。

また、発注者には、次の11項目の禁止事項が課されています。

  • 発注したモノを受け取らない
  • 支払期日までに代金を支払わない、支払手段として手形を使う
  • 受注者に落ち度がないのに、発注後に代金を減額する
  • 受注者に落ち度がないのに、発注したモノを受領後に返品する
  • 通常の対価に比べて、著しく低い代金を不当に定めて買いたたく
  • 正当な理由がないのに、発注者が指定するモノやサービスの購入・利用を強制する
  • 発注者の違反行為を行政に知らせたという理由で、受注者に対し不利益な取扱いをする
  • 発注者が有償で支給する原材料などを、代金の支払日よりも先に受注者に払わせる
  • 自分(発注者)のために、受注者にお金やサービスなどを不当に提供させる
  • 受注者に落ち度がないのに、発注の取消しや発注内容の変更をしたり、無償でのやり直しや追加作業を要求したりする
  • 受注から「価格について協議したい」と求めがあったのに、一方的に代金を決定する(協議に応じない、必要な説明を行わないなど)

例えば、「思ったよりも売れ行きがよくないので、発注時に決めた単価よりも、安く納品してほしい」などは3.に該当しますし、「セール時に販売スタッフが足りないので、(無償で)応援に来てください。無理な場合は取引を中止します」などは9.に該当します。

3 インボイス制度にもご用心!

「インボイス制度」にもご用心。非常に簡単に説明すると、次のような制度です。

  • 消費税は、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて納税額を計算します。この支払った消費税を差し引くことを仕入税額控除という
  • インボイスに対応していない相手に支払う消費税は仕入税額控除の対象にならない

例えば、預かった消費税が100万円、支払った消費税が90万円であれば、10万円の消費税を納付することになります。

納税額は10万円:100万円-90万円

ところが、支払った消費税90万円のうち、インボイスに対応していない取引先に支払ったものが50万円だとすると、次のようになります。

納税額は60万円:100万円-40万円

相手がインボイスに対応していないと、これまでよりも消費税の負担が大きくなります。こうした仕組みを知っていれば、インボイスに対応していない相手に、

  • 皆さんの会社の負担増になる消費税分の値下げ要請をする
  • インボイスに対応するように強く依頼する

といったことをしたくなりますが、これは取適法などに違反する恐れがある行為です。ビジネスを有利に進めたいのは当然なのですが、いろいろと難しい問題があるので、皆さん、ご注意ください!

以上(2026年1月更新)
(監修 三浦法律事務所 弁護士 磯田翔)

pj00349
画像:Mariko Mitsuda

【賃金データ集】諸手当のモデル支給額

【賃金データ集】シリーズとは?

【賃金データ集】シリーズは、基本給や諸手当など賃金の主要な構成要素ごとの近年のトレンドを、モデル支給額を中心とした関連データとともに紹介します。経営者や実務家の方々が賃金支給水準の決定や改定を行う際の参考としてご活用ください。なお、モデル支給額などのデータを紹介する際は、基本的に出所に記載されている用語を使用するものとします。また、データは公表後に修正されることがあります。

この記事で取り上げるのは雇用形態別の「諸手当」です。

雇用形態別の「諸手当」

なお、以降で紹介する図表データのExcelファイルは、全てこちらからダウンロードできます。

こちらからダウンロード

1 諸手当の位置付けと概要

1)諸手当の費用の位置付け

諸手当は、基本給ではカバーしきれない従業員の個別の事情(住居形態、家族の有無、担当職務など)を賃金支給額に反映する機能を果たしています。また、近年は人材採用難の対策としてユニークな手当を整備する企業が出てきています。

2)諸手当の概要

諸手当にはさまざまな種類がありますが、

  • 業績関連:従業員の業績達成に対する意欲を喚起するための手当
  • 職務関連:従業員が担当する業務に関連する手当
  • 勤務関連:従業員の通勤や勤務実績に関連する手当
  • 生活関連:従業員の生活を補助するための手当
  • その他:上記に分類されない手当

に大別することができます。

諸手当の位置付けと概要

2 諸手当の潮流

諸手当には、基本給ではカバーしきれない従業員の個別の事情を、賃金支給額に反映する機能があります。基本給そのものを改定せずに諸手当で調整するのは、「賃金管理が煩雑になるのを防ぐ」「基本給の引き上げに応じて、自動的に賞与(一時金)や退職金の算定基礎額が上昇するのを防ぐ」といった理由からです。

こうした事情は現在も大きく変わっていないものの、最近は手当を統廃合する動きが活発になっています。企業には、「業績に応じて賃金支給額を変動させたい」という思いがあるため、生活関連の手当のように、企業業績に関係のない属人的な手当を縮小・廃止するケースがあるのです。

ただし、職務関連の手当については、手当による調整ではなく、基本給に組み入れたり、賞与に上乗せしたりするケースがあります。これは、従業員の担当業務の難易度をきちんと評価し、処遇に反映する企業の姿勢を示すためです。

3 厚生労働省、中央労働委員会の統計資料によるモデル支給額

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4 東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

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5 情報インデックス(この記事で紹介したデータの出所)

この記事で紹介した統計資料は以下の通りです。調査内容は個別のURLからご確認ください。なお、内容はここ数年の公表実績に基づくものであり、調査年(度)によって異なることがあります。

■就労条件総合調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/11-23.html

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■賃金事情等総合調査■
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chingin/

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■中小企業の賃金・退職金事情■
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/chingin/

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以上(2025年3月更新)

pj17908
画像:ChatGPT

損害賠償トラブル発生! そのとき経営者は何をすべきか?

1 なぜ、損害賠償の知識が経営者に必要なのか

事業を続けていると、

  • 納期が少し遅れた
  • 製品に不具合が出た
  • システムが止まった
  • 契約内容をめぐって認識が食い違った

など、様々な損害賠償トラブルに出くわすことがあります。どこか人ごとのようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、経営者にとって損害賠償の知識は不可欠です。

なぜなら、こうした出来事はどれも日常業務の延長線上にあり、ある日突然、「問題」として表面化するからです。そして、万が一、

第三者に損害を与えてしまった場合、たとえ意図していなくても、法的な責任を問われる
(場合によっては、まとまった金額の支払いを求められる)

恐れがあります。「知らなかった」 「悪気はなかった」は通用しません。また、基本的な仕組みを理解しないまま対応すると、本来払う必要のないお金まで支払ってしまったり、冷静に対処すれば小さく済んだはずのトラブルを、かえって大きくしてしまったりすることもあります。

もう一つ重要なのは、会社の信用力における意味合いです。法的リスクに対して一定の知識と対応力を持っている会社ほど、取引先からの信頼を得やすく、実際にトラブルが起きたとしても、早期に収束しやすい傾向にあります。損害賠償の知識を身に付けることが、会社の信用力を高めることにつながるわけです。

さらに、見落とされがちですが、

損害賠償は経営者個人にも波及するリスク

があります。会社が賠償金を支払っても、その原因が経営者本人の重大なミスや法令違反にある場合、会社は「立て替えた分を返してほしい」と経営者個人に請求することができます。ですが、会社がその請求をせず、「もういいよ」と回収を諦めてしまうと、税務当局から「それは経営者への給料と同じでは?」とみなされる恐れがあります。そうなると、会社側は経費にできず、経営者側には所得税がかかり、結果として、会社と個人の両方に税負担が生じかねません。

損害賠償の知識は、単にトラブル対応だけのものではありません。会社の資金繰りを守るため、そして、経営者自身の資産を守るための、実務的な経営スキルの一つでもあるのです。

2 【請求する側】取引上の損害を被ったときの実践ガイド

1)損害が発生した直後にやるべきこと

取引先のミスで自社に損害が出たら、誰でも怒りや不安に駆られるでしょう。ですが、まずは事実関係や損害状況を正確に把握し、記録として残すことが重要です。ポイントは、

  • 何が原因で
  • どのような損害が生じ
  • 結果として、いくらの損失になっているのか

です。この3点を整理するだけでも、その後の交渉や法的手続きが格段にやりやすくなります。写真、動画、メールのやり取り、作業ログ、会議の議事録などは、後から集めようとしても、「すでに失われてしまっていて手遅れ」となるケースが少なくありません。トラブルが起きた直後ほど、意識して証拠を確保しておく必要があります。

次に行うべきは、契約書や覚書の確認です。「損害賠償条項があるか」「賠償額の上限が定められているか」 「違約金規定があるか」など、書面の内容がそのまま交渉の土台になります。逆に、口約束や曖昧な合意に頼っていると、後になって「そんな話はしていない」と、水掛け論になるリスクが高まります。

2)交渉フェーズでの現実的な進め方

多くのケースで、最もコストがかからず早く終わるのは、「話し合いによる解決」です。いきなり裁判に持ち込まず、まずは正式な意思表示として内容証明郵便を送るのが定石です。

内容証明の書面には、

損害が発生した事実、賠償を求める意思、請求金額、支払期限など

を事実に即して淡々と記載します。感情的な表現や脅し文句は逆効果になるので避けましょう。

本人名義と弁護士名義の内容証明では効力に違いはありませんが、弁護士名義で送付すると、相手に「これは本気だな」というメッセージが伝わり相手方から反応が得やすく、交渉が円滑に進みやすい傾向にあります。もっとも、本人名義でも弁護士名義でも、相手方によっては受領拒否や無視される可能性もあります。

交渉の結果、一定の合意に至った場合は、必ず示談書 (合意書)を作成してください。口頭合意で済ませると、「そんな条件じゃなかった」と後から蒸し返されることがあります。示談書(合意書)には、

当事者、トラブルの内容、賠償金額、支払い方法と期限、これ以上請求しないこと(清算条項)などを

明記しておくのが安全です。

3)話し合いで解決しない場合の選択肢

交渉が決裂した場合、法的手続きを検討することになります。比較的ハードルが低いのは民事調停です。裁判官と調停委員が間に入り、話し合いによる解決を目指す手続きで、訴訟よりも時間と費用の負担が軽い傾向にあります。

それでも折り合いがつかなければ、最終手段は訴訟です。この場合、損害の発生と金額を客観的な証拠で立証する必要があります。

ここまでくると、弁護士の関与はほぼ必須です。証拠の整理や主張の組み立てを誤ると、「損は出ているのに負ける」という事態も現実に起こります。

3 【請求される側】損害賠償を求められたときの実践ガイド

1)通知書が届いた直後の初動対応

損害賠償の通知書が届くと、多くの経営者は焦ります。しかし、この段階での行動が、その後 の結果を大きく左右します。まず確認すべきなのは、

  • なぜ請求されているのか
  • いくら請求されているのか
  • その根拠は何か

の3点です。

内容を精査しないまま、慌てて支払ったり、全面的に謝罪したりするのは非常に危険です。謝罪の言葉が「責任を認めた証拠」として使われる恐れもあります。請求内容が正当なものかどうかを冷静に見極める前に、何かを確約してしまうのは避けるべきです。

2)請求内容の法的な妥当性をチェックする

法律上、損害賠償が認められるためには、いくつかの要件がそろっている必要があります。相手にミス(債務不履行や不法行為など)があるのか、そのミスと損害との間に因果関係があるのか、損害額は妥当な水準かです。これらの要件が欠けている場合、請求に応じる義務はありません。

また請求金額が不自然に高額な場合や、相手方の請求根拠が曖昧な場合や当方が認識している事実関係と相違している場合などには、そのまま受け入れる必要はありません。状況によっては、「そもそも支払う義務がないこと」を裁判所に確認してもらう手続き (債務不存在確認訴訟)を検討する場合もあります。

3)弁護士への早期相談が最大の防御策

損害賠償を請求された場合、交渉に入る前に弁護士に相談することが、結果的にコストを抑えられるケースは少なくありません。

経営者が一人で判断すると、相場より高い金額で合意してしまったり、交渉の進め方を誤って長期化させたり、泥沼化させてしまうことがあります。

弁護士が窓口に立つことで、法的に通らない主張は整理され、妥当なラインでの着地が見えやすくなります。また、最近では裁判所を装った詐欺的な請求も増えています。少しでも違和感を覚えたら、自己判断せず専門家に見てもらうのが安全です。

4 経営者が押さえておくべき税務の勘所

1)損害賠償金を受け取る側の場合

会社が損害賠償金を受け取る場合は、原則として収益になります。会計上は「雑収入」として処理され、法人税の課税対象になります。

個人事業主の場合でも、事業用資産の損害に対する補填であれば、事業所得として課税されます。ただし、ケガや精神的苦痛に対する慰謝料など、純粋な「心身の損害」に対する賠償金は非課税です。

なお、損害賠償金は、原則、消費税の対象外です。なぜなら、モノやサービスの対価ではないからです。ただし、実質的に売買代金や賃料の性質を持つものなどは、例外的に消費税がかかる場合もある点には注意しましょう。

2)損害賠償金を支払う側の場合

会社が損害賠償金を支払う場合は、その原因が業務に関連していれば、原則、損金(経費)になります。会計上は「雑損失」として処理されるのが一般的です。

ただし、経営者や従業員個人の重大なミスや不正が原因の場合は、会社にはその人に対して、支払った賠償金の返還を求める権利 (求償権)が生じます。そのため、会社の経費にはできず、本人に請求すべき立替金として処理する必要があります。

もし、その求償権の相手が経営者であった場合に会社がその権利を行使せず、立替金回収を免除してしまうと、税務当局からその金額が経営者へ役員報酬とみなされる恐れがあります。その場合、役員報酬とみなされた金額は損金として処理できません。さらに、経営者個人側には放棄された金額が所得とみなされ、所得税の課税対象になり、会社と個人で二重に課税されることになるリスクをはらんでいます。

5 トラブルを未然に防ぐために経営者ができること

損害賠償トラブルは起きてから対応するより、起きないように備える方が圧倒的にコストは安く済みます。

契約書の段階で、損害賠償の範囲や上限、違約金の有無を明確にしておくだけでも、将来の紛争リスクは大きく下がります。その他、取引先の信用調査を事前に行って、無理な条件での契約を避けることも重要です。

また、社内で「ヒヤリ・ハット事例」を記録し、小さなトラブルを放置しない体制をつくることで、大きな事故を未然に防げます。

法律の専門家である弁護士を顧問として迎えることも、有効な投資です。弁護士はトラブル解決役であると同時に、経営判断の相談役でもあります。

契約書のリーガルチェックや事前相談を習慣化することで、「何か起きたら考える会社」から「起きないように設計する会社」へと体質を変えていくことができます。

以上(2026年3月作成)
(監修 弁護士 田島直明)

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画像:Mono-Adobe Stock

【お申し込み終了】2026年4月6日開催!新入社員研修開催のご案内

お申し込みは締め切りました。お申し込みいただきまして、誠にありがとうございました。

2026年4月6日、きらやか銀行では、毎年好評の新入社員研修を開催します。

このセミナーでは、新入社員および中途採用等の若手社員を対象に社会人としてのマナーや仕事の心構えなどを伝えます。

このページの最後に、新入社員教育に役立つコンテンツも紹介していますので、ぜひご覧ください!

お申し込みは、3月19日(木)までに、FAXまたはEメールでお申込みください。但し、定員に達した場合は期限前に締切ることもあります。

FAX:023(625)8714  

E-mail:cap0508735@kirayakacapital.co.jp

お申し込みは締め切りました。お申し込みいただきまして、誠にありがとうございました。

開催概要

  • 日時:2026年4月6日(月) 9:00~17:00(8:40 受付開始)
  • 会場:T.I.Sカンファレンスセンター

    山形市大字漆山字大段1865-5 (㈱ティスコ運輸敷地内)

    TEL 0120-730-389
  • 定員(先着):50名
  • 受講料(資料代込み)

    共に活きるクラブ・ふっくりパッケージ会員企業:7000円/人

    一般のお客様:9000円/人

講師

  • WizBiz仙台 代表 大友(おおとも) ゆり子(ゆりこ) 氏

    一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 公認講師 

    テーマ:社会人としての期待される役割・コミュニケーション・ビジネスマナー
  • きらやか銀行 個人サポート部 窓販営業課

    補佐 中鉢 啓太 

    テーマ:「お金について将来の自分を考える」

研修内容詳細

【社会人としての自覚】

  • 基本的な心構え
  • 仕事のルール

【ビジネスマナー】

  • 社会人、企業の一員として期待される役割
  • ビジネスシーンで求められる正しい敬語と話し方
  • 信頼されるビジネス電話応対
  • Eメールのルールとマナー
  • 印象のよい来客応対と訪問時のマナー
  • 信頼されるビジネスパーソンになるために(総括)

【お金について将来の自分を考える】

  • 資産形成と金融トラブルについて理解を深める

お申し込みは締め切りました。お申し込みいただきまして、誠にありがとうございました。

お問合わせ先
事務局(きらやかコンサルティング&パートナーズ㈱)
担当 佐藤・保科  TEL 023(635)5008
事務局携帯 TEL 070-2437-3419

きらやか情報ステーションでは、新入社員教育に役立つコンテンツも公開しています。ぜひご覧ください!

【入社1年目の教科書】売りたくても御用心。相手を惑わすセールストークは法律違反

営業って本当に難しい……先週から一人で外回りをしているけど、なかなか売れないな。そういえば、他の会社に就職した大学時代の友達は成果を上げているようだけど、結構、「話を盛っている」って言っていたな。私は真面目すぎるかな? 嘘はダメだけど、ちょっと話を盛るぐらいなら大丈夫だよね……?

1 「売りたい!」気持ちに要注意

営業を担当することになったら、張り切って自分たちの商品やサービスを売り込みたいですよね。ただし、その「売りたい!」という気持ちに御用心。なぜなら、

相手を勘違いさせるようなセールストークや、実際よりもよく見せかける広告は法律違反

になることがあるからです。皆さんに悪気がなくても、売りたいという気持ちから話を盛ることがあるでしょうが、押さえるべきところは押さえていきましょう。

2 セールストークなどで禁止されていること

相手を困惑させたり、勘違い(誤認)させたりするセールストークなどは、「消費者契約法」という法律で禁止されています。こうした行為があった場合、

  • 相手は一方的に契約を取消すことができる
  • 相手が契約書にサインしていたり、代金を支払っていたりしていても、取消しの申し出があった場合、会社は応じなければならない

などのルールがあります。

不当なセールストークなどの例は次の通りです。

不当なセールストークなどの例

3 広告などで禁止されていること

実際よりもよく見せかける広告や表示は、「景品表示法(略称)」という法律で禁止されています。CM、チラシ、ダイレクトメールだけでなく、商品のパッケージ、料理のメニュー、口頭でのセールストークなども対象になります。こうした行為があった場合、

契約自体が取消されることはありませんが、会社は表示を改める、再発防止策を講じる

といった対応をしなければなりません。

広告などで禁止されていること

広告であるにもかかわらず、広告であることを隠す「ステルスマーケティング(ステマ)」も規制の対象です。インターネット広告なども対象になります。皆さんがこうした仕事を担当されている場合は注意しましょう。

4 正しい情報を魅力的に伝える練習を!

ここまで紹介してきた内容は、要するに「嘘をついてはいけない」ということに尽きますから、皆さんが「売りたい!」と思ったら、

正しい情報を相手に魅力的に伝える練習

をすればよいことになります。そして、そのために必要なのは相手のニーズを捉えることです。この辺りは先輩から徹底的に教わってください。事前準備をして、実際に営業し、課題を見つけて改善していくことで、皆さんの営業力は確実に高まります!

最後に、

「相手に誤解を与えてしまったかもしれない」と思ったら、恐れずにその場で相手に確認し、誤解を解く

ようにしましょう。皆さんは「一度言ったことを覆すようで嫌だ」と思うでしょうが、相手は皆さんのことを「正直で誠実な人」と評価してくれるかもしれません。そして何より、

皆さんが嘘つきにならずに済む

のです。

以上(2026年1月更新)
(監修 Earth&法律事務所 弁護士 岡部健一)

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画像:Mariko Mitsuda

副業社員の「社会保険料」を負担するのは自社か副業先か?

1 副業社員の社会保険はどうなる?

現在、政府内では副業に関する労働時間の規制を緩和するなどして、社会全体で副業を促進していこうとしています。厚生労働省「モデル就業規則」を見ても、かつては「原則禁止」とされていた副業が「原則容認」というスタンスに変わって久しく、今後皆さんの会社でも、副業を希望する社員が増えていくかもしれません。

とはいえ、会社が副業を解禁するに当たっては、副業特有のルールを正しく理解しなければなりません。例えば、社会保険(健康保険・厚生年金保険)がそうです。「自社と副業先のどちらで加入するのか」「保険料負担はどうなるのか」「副業社員が私傷病で休業する場合、傷病手当金(健康保険)の申請手続きはどうなるのか」など、いろいろと複雑です。

この記事では、そんな副業特有の社会保険のルールを分かりやすく紹介します。主なポイントは、次の4点です。

  • 社会保険は複数の会社で加入するケースがある
  • 社会保険料は自社と副業先の報酬に応じて案分される
  • 賞与保険料も賞与の支給月が同じであれば案分される
  • 傷病手当金の申請には自社と副業先の両方が携わる

なお、この記事では、健康保険の保険者は自社・副業先ともに全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」)とし、社会保険料を計算する場合、2026年度の保険料額表(東京都)を使用します。

2 社会保険は複数の会社で加入するケースがある

日雇いなどの例外を除き、次の3つのいずれかに該当する社員は、社会保険に加入します。

  • 正社員(常用雇用労働者)
  • 週の所定労働時間と月の所定労働日数の両方が、正社員の4分の3以上のパートなど
  • 2.に該当しないが、週の所定労働時間が20時間以上、賃金の月額が8万8000円以上(注)、学生でないなど所定の要件を満たすパートなど(特定適用事業所に勤務している場合)

(注)「賃金の月額が8万8000円以上」という要件は、2026年10月1日より撤廃される予定です。

また、法人に使用され報酬を受ける役員も、社会保険に加入することになります。

社員や役員(以下「社員等」)が自社と副業先それぞれで加入要件を満たす場合、

社員等は複数の会社で社会保険に加入する

ことになります。自社で社会保険に加入している社員等が、さらに副業先でも加入要件を満たした場合、副業先は該当日から5日以内に、被保険者資格の取得手続きを行います。また、社員等本人は、資格取得から10日以内に、複数の会社の中から「主たる事業所」を1社選択し、その内容を記載し、選択した事業所の管轄の日本年金機構事務センターに届け出ます。すると、

マイナ保険証(ない場合は交付される資格確認書)に「主たる事業所」で資格情報が登録

されるようになります。

3 社会保険料は自社と副業先の報酬に応じて案分される

社員等が自社と副業先の両方で社会保険の被保険者になると、

自社と副業先の報酬の合計を基に「標準報酬月額」が決定され、報酬の額に応じて案分された保険料を、それぞれの会社が支払う

ことになります。標準報酬月額とは、報酬を一定の金額幅で等級別に区分したものです。

図表1は自社が月額22万円、副業先が月額10万円の報酬を支払う場合の標準報酬月額のイメージです。

標準報酬月額のイメージ

協会けんぽの2026年度の保険料額表(東京都)により、標準報酬月額は36万円になります。健康保険料率は9.85%(介護保険の適用がない場合)、厚生年金保険料率は18.3%です。さらに2026年度からは「子ども・子育て支援金」が始まり、その支援金率0.23%が上乗せされます。子ども・子育て支援金の概要については、次のコンテンツをご確認ください。

自社と副業先の保険料負担は、各社の報酬に応じて次のように案分されます。なお、子ども・子育て支援金は、4月分(5月納付分)から徴収が始まります。

  • 自社の保険料負担(社員等の自己負担分を除く)
    健康保険料:(36万×9.85%×1/2) ×26万/36万=1万2805円
    厚生年金保険料:(36万×18.3%×1/2) ×26万/36万=2万3790円
    子ども・子育て支援金:(36万×0.23%×1/2) ×26万/36万=299円
  • 副業先の保険料負担(社員等の自己負担分を除く)
    健康保険料:(36万×9.85%×1/2) ×10万/36万=4925円
    厚生年金保険料:(36万×18.3%×1/2) ×10万/36万=9150円
    子ども・子育て支援金:(36万×0.23%×1/2) ×10万/36万=115円

標準報酬月額が決定・変更されるのは、主に次の3つのタイミングです。

  • 資格取得時決定:被保険者資格を取得したとき(雇用開始など)
  • 定時決定:4月から6月までの報酬月額に基づいて毎年9月から適用
  • 随時改定:被保険者の報酬に大幅な変更があったとき(昇給・降給など)

例えば、社員等が副業先で昇給した場合(随時改定の場合)、副業先が報酬月額の変更手続きを行います。その後、自社と副業先に新しい標準報酬月額が通知されるので、その内容に基づいて保険料を納付します。資格取得時決定と定時決定の場合も、大まかな流れは同じです。

また、社員等が副業先を退職するなどして、その社会保険の被保険者でなくなった場合、副業先がそこから5日以内に資格喪失の手続きを行います。この場合も、新しい標準報酬月額が自社に送付されるので、その内容に基づいて保険料を納付します。

4 賞与保険料も賞与の支給月が同じであれば案分される

自社と副業先が社員等に賞与(役員賞与を含む)を支払う場合、

支給月が同月であれば、自社と副業先の賞与額の合計を基に「標準賞与額」が決定され、賞与額の金額に応じて案分された保険料を、それぞれの会社が支払う

することになります。標準賞与額とは、賞与総額から1000円未満を切り捨てた金額です。

図表2は自社が30万円、副業先が13万円の賞与を支給する場合の標準賞与額のイメージです。

標準賞与額のイメージ

標準賞与額は43万円になります。第3章のケースと同じく、健康保険料率は9.85%(介護保険の適用がない場合)、厚生年金保険料率は18.3%、子ども・子育て支援金の支援金率は0.23%なので、自社と副業先の保険料負担は、各社の賞与額に応じて次のように案分されます。

  • 自社の保険料負担(社員等の自己負担分を除く)
    健康保険料:(43万×9.85%×1/2)×30万/43万=1万4775円
    厚生年金保険料:(43万×18.3%×1/2)×30万/43万=2万7450円
    子ども・子育て支援金:(43万×0.23%×1/2)×30万/43万=345円
  • 副業先の保険料負担(社員等の自己負担分を除く)
    健康保険料:(43万×9.85%×1/2)×13万/43万=6403円
    厚生年金保険料:(43万×18.3%×1/2)×13万/43万=1万1895円
    子ども・子育て支援金:(43万×0.23%×1/2)×13万/43万=150円

(注)端数が発生する場合、50銭以下であれば被保険者負担分を切り捨て(企業負担分を切り上げ)、50銭を超える場合は被保険者負担分を切り上げ(企業負担分を切り捨て)となります。

実務では、自社と副業先がそれぞれの賞与の支給状況を、賞与支給日から5日以内に、第2章で紹介した「主たる事業所」を管轄する日本年金機構事務センターに届け出ます。その後、自社と副業先に標準賞与額が通知されるので、その内容に基づいて保険料を納付します。

なお、自社と副業先で賞与の支払月が異なる場合、標準賞与額は合算されず、その月に賞与を支給した会社にのみ保険料が請求されます。

5 傷病手当金の申請には自社と副業先の両方が携わる

傷病手当金とは、

社員等が私傷病による療養で働くことができず、休業が連続3日以上となった場合、4日目以降から支給される健康保険の給付

です。1日当たりの支給額は、原則として

支給開始日以前直近12ヵ月間における各月の標準報酬月額の平均÷30×2/3

で計算されます。社員等が自社と副業先の両方で被保険者になる場合、標準報酬月額は第3章で紹介した通り、自社と副業先の報酬の合計を基に決定されます。

傷病手当金は、所定の申請書に必要事項を記入して、協会けんぽに提出することで支給されます。申請書は4枚つづりで、

1枚目:被保険者情報や傷病手当金の振込先(社員等本人が記入)

2枚目:傷病の状況や休業中の報酬の有無(社員等本人が記入)

3枚目:勤務状況や報酬の支払い状況などの証明(会社が記入)

4枚目:療養担当者の意見(主治医などが記入)

という構成になっています。ただし、社員等が副業している場合、

3枚目については、自社と副業先が1枚ずつ記入する必要がある

ので、注意してください(つまり、申請書は計5枚必要)。実務上、社員等本人が自社と副業先からそれぞれ3枚目を受け取り、5枚まとめて協会けんぽに提出することになるでしょう。この場合、申請書の提出先は第2章で紹介した「主たる事業所」を管轄する協会けんぽの都道府県支部になります。なお、2026年1月から協会けんぽでも電子申請が開始されています。

以上(2026年3月更新)
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)

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画像:takasu-Adobe Stock