リースが対象に!オーダーメイド式の類型も創設へ!運用改善が進む「中小企業省力化投資補助金」のご紹介

中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助など幅広いジャンルの支援があります。
本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。

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年上の部下Fさんが指示命令を素直に受け入れてくれません、どう声をかけますか?/武田斉紀の『次世代リーダーに必須のコミュニケーション習慣』【実践編】(7)

書いてあること

  • 主な読者:会社経営者・役員、管理職、一般社員の皆さん
  • 課題:コミュニケーションに関わる知識やノウハウは、頭では理解できても、実際の場面で使いこなせるようになるまでには高いハードルがあるものです。
  • 解決策:前回シリーズ『次世代リーダーに必須のコミュニケーション習慣』での知識やノウハウを聞いただけではまだ一歩を踏み出せない、あるいはトライしてみたがうまくいかないという方のために、新シリーズでは【実践編】として社内の“あるある”場面を想定した質問に対して一緒に考えながら、実践イメージを膨らませていただきます。またリーダー側の視点とは別に、若手社員側の視点による上司世代との上手な付き合い方のヒントも紹介していきます。リーダー世代と若手社員とのコミュニケーションギャップを埋めることは、世界を舞台にスピーディな成長をめざす日本企業にとっても喫緊の課題だからです。

1 年上の部下Fさんが指示命令を素直に受け入れてくれません、どう声をかけますか?

今シリーズは、前シリーズ『次世代リーダーに必須のコミュニケーション習慣』の実践編です。毎回実際にありそうなさまざまなシチュエーションを想定して、どんなコミュニケーションを取るのが望ましいかを一緒に考えていきます。

知識やノウハウは分かったけれど、「現場で実践するにはまだハードルが高い」「うまく一歩を踏み出せない」という方を想定しています。前回第6回では皆さんの最近の日常に起こりがちな話題として、「欠員(補充)」を取り上げてみました。いかがだったでしょうか。

今回は課題[事例6]です。再掲しますので、考えた解答を思い出してみてください。まだ考えていなかった方もぜひ考えてみてください。自ら考えないで、解説だけを読んでいても力はつきませんよ。

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Q.年上の部下Fさんに対して、あなたはこの後、最初にどんな声をかけますか?また、それを考える際に注意するべきポイントを3つほど挙げてください。書かれているさまざまな要素を考慮してみましょう。

[事例6]

〇あなたの部下として、年上のFさんが配属されました。他の部下と同じように指示命令を出したところ、「はいはい、分かりました」といった返事の仕方で、素直に受け入れてくれている感じがしません。上司と部下の関係なのに、正直そうした態度は気になります。

〇これからも普通に指示命令を出していいものか、また話し方は他の部下に対するのと同じような“ため口”でいいのか、どう話すべきか迷っています。

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テーマは「年上の部下との付き合い方」です。これまでの事例と同様に起こっている事象を整理することから始め、現場で起こっていることの可能性を探ってみましょう。

2 上司と部下は、“役割の違い”でしかない。互いをリスペクトし合える関係に

年上の部下について考える前に、皆さんに質問です。そもそも「上司は部下よりエライ」のでしょうか?「上司は部下よりエライ」という考え方は、日本中の働く人にとって常識と捉えられているかもしれません。でも本当にそうでしょうか。

上司と部下は、“役割の違い”でしかありません。

「じゃあ、給料が違うのはなぜだ、上司の方がエライから給料も高いんじゃないの?」と思われるでしょうか。

上司は部下よりも会社における役割や責任が重いから給料が高いだけで、部下よりエライわけではありません。

組織にとっては、上司も部下も同じくらい重要で必要です。

部下は、それぞれが任された日常の仕事を成し遂げることが役割であり仕事です。一人ひとりがプロとしての自覚を持って業務を遂行しないと会社の業績につながりませんし、取り組み次第では時としてクレームとなってマイナスに作用するかもしれません。彼らが日々前向きかつ一生懸命に働いてこそ、会社組織は回っていけるのです。

片や上司はどうでしょうか。上司の役割や仕事も時代と共に変わりつつありますが、現状求められているのは「部下が日々前向きかつ一生懸命に働いて」いけるようにすること。継続的な育成やモチベーション向上を図り、部署に求められている結果が出せるように支援することです。

部下の仕事にも業種や職種、仕事の任され方などで向き不向きといった適性と求められるスキルがあり、上司の仕事にはまた別の向き不向きの適性や求められるスキルがあります。けれども、日本ではずっと、部下の業務で結果を残した人から順に、上司=管理職に登用されてきました。

部下としての業務で結果を出すのに長(た)けた人が、必ずしも上司に向いているとは限りません。チームスポーツで、「優秀なプレーヤーが優秀な監督になるとは限らない」とよくいわれる所以(ゆえん)です。むしろ、上司としての役割や責任の重い仕事を任せられる人かどうかは、別の形で選ばれるべきでしょう。

話を戻しましょう。

「上司と部下は、“役割の違い”でしかない」のだとすれば、相手が年上の部下だろうと、年下の部下だろうと関係なく、“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”を築くことが理想なのです。

「そうは言っても現状は違うじゃないか。上司の顔色を見ないといけないし、指示命令に従わないと部下のほうが不利益を被る」と感じられているでしょうか。例えば、少し前にはパワハラやセクハラという言葉が存在しなかったように、「上司と部下は、“役割の違い”でしかない」が常識になる日も近いと思いますよ。

3 上司は、部下に任せた業務に対してプロフェッショナリズムを求める

勘違いしがちなのですが、上司と部下が“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”とは決して甘く緩い関係ではありません。むしろ高いプロフェッショナリズムを求め合う関係です。

私なら上司として部下に次のように求めます。「この業務はあなたが担当です。この業務で給料をもらう以上、この業務のプロとして、高い当事者意識と責任を持って担ってください」と。

具体的には「この業務について一番知っているのはあなたです。だからこの業務をもっと効率良く進め、価値を高めていくためにあなたならどうしたいかを、一生懸命考えて私に提案してください」と求めます。

そう求めても動いてくれない場合は、「プロとしてこの業務に向き合えないのなら、あなたにこの業務は任せられません」と言って担当から外すでしょう。その先に取引先や顧客がいれば、直接の迷惑を被るのは彼らであり、結果として会社にも損害をもたらしかねません。

任せる業務とそれに必要なスキル習得は表裏一体ですから、新人や初めて業務を担当する人に対しては業務の意義を伝えつつ、教育・育成の機会は必須です。上司の役割としては、そうした機会を十分に用意した上で部下に要望し続けていくことです。

それでもプロとして取り組まない、あるいは仕事を任されないことを喜んでいる部下がいれば、それに見合った人事評価をせざるをえないでしょう。その先については、今回の主旨から外れるのでまたの機会に譲りますが。

4 上司は自分が完璧ではないことを自覚し、部下の声を聴く

事例のように“指示命令”が必要な場面もありますが、基本的にはその都度部下の意見も求めるようにしましょう。「今回、あなたにはこれをやってもらいたいのですが、あなたから意見やアイデアはありますか?」といったように。

上司には見合った適性やスキルが必要であり、役割や責任が重いわけですが、だからといってエライわけでも完璧なわけでもありません。

上司も一人の人間で、ミスや間違った判断をしてしまうこともあります。意図せず不正に手を染めてしまっている可能性だってあるのです。

「上司だからエライわけでも完璧なわけでもない」と分かっている上司は、普段から部下に対してこう言います。「私が言うことについて、あなたが違うかなと思うことがあったらどうか遠慮せずに言ってほしい」と。

上司も部下も人間である以上、ミスもすれば間違った判断もするのです。ひと昔前までは、現場で部下が起こしたミスを“知らなかった”で済まされたことがありました。逆に上司がミスをしてもかん口令を敷いて、表に出ないで済んだ時代もありました。

ところが今はどうでしょう。インターネットが普及して誰もが一瞬で世界へ発信できる力を得たことで、“ここだけの話”はなくなりました。ささいなミスや不正もすぐに世の中の知るところとなります。昨今多くの企業で、数十年前から隠蔽されてきたことが白日の下にさらされ、大きな非難を浴びているのも周知の通りです。

となれば、上司と部下が“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”を築いてチェックし合い、世間に知られる前に先手を打って対応したほうが傷も浅く済み、早く前に進めて、より成長できそうです。

今回のテーマ「年上の部下との付き合い方」に立ち返ってまず申し上げたいことは、「上司と部下の関係は“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”が理想であって、年上か年下かは関係ない」ということです。

部下が新入社員だろうと、自分より年上の先輩社員だろうと、「上司は、部下に任せた業務に対してプロフェッショナリズムを求める」べきですし、「上司は自分が完璧ではないことを自覚し、部下の声を聴く」べきです。

ただ、日本には人によって差はあれ、年長者を敬う文化が根付いています。年下の上司から指示命令されて素直に従える人もいれば、感情的に反発してしまう人もいます。表向きは従順に見えて、内心は穏やかではないといった人もいるでしょう。

であるならば、上司としては新入社員と同じように“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”を保ちながら、少しだけ年上の部下に配慮してあげてはどうでしょうか。彼らは新入社員に比べ、あなたよりも経験があり、幅広いノウハウも持っていることは間違いないのですから。

年上の部下に対する話し方は、“ため口”ではなく、少なくとも丁寧語を使って年長者へのリスペクトを表現したいものです。

イノベーション(新価値創造)が強く求められる時代には、経験が邪魔をしてしまうケースもあるでしょうが、それを彼らに理解してもらうのも上司の重要な仕事です。その上で年上の部下に今でも使える経験やノウハウを期待しつつ、イノベーションも求めていきましょう。

ちなみに年下の社員に対しても、初対面は少なくとも「さん」付けかつ丁寧語で話しかけるとよいでしょう。その上で時間をかけて徐々に互いのコミュニケーションにおける最適な距離感を測っていくことをお勧めします。

5 年上の部下Fさんに、新人とは違う期待を伝える

年上の部下Fさんに最初にかける言葉は次のようなイメージです。

「私の依頼の仕方が悪かったらごめんなさい。私はお任せする業務に、Fさんがこれまでに培ってこられた経験やノウハウを活かしていただくことを期待しています。ただ同時に会社としては、従来のやり方にとらわれないイノベーションも求めています。長年プロとして鍛えてこられたFさんの力を貸してください。この部署を支えてください!」

『新たな3つのコミュニケーション習慣』の「褒める」の表現として、直接的に「褒める」よりも「期待」と「感謝」を伝えましょう。

直接的に「褒める」行為は、時に年長者から “上から目線”と受け取られることもあります。

それでもなかなかこちらの思いが伝わらない場合は、十分な時間をとって年上の部下の思いを「傾聴」してみましょう。

「傾聴」の基本を思い出してください。予め答えを用意したり、そこに誘導したりしてはいけません。相手の話を途中で遮ったり、決めつけたり、まとめたり、結論を急いだりすることなく最後まで聞いてあげてください。

一方で、「私みたいな年寄りには今さらイノベーションなんて無理ですよ」と諦めている人には、「前向き発想」の言葉で鼓舞しましょう。

年長の社員ほど、とりわけIT系のリテラシー(活用能力)を身に付けることには及び腰です。人生100年時代には、リテラシーがないと私生活でも不便を強いられます。それを「今なら会社の教育機会を通して学べる」ことを伝えて説得しましょう。

ベテラン、新人を問わず自部署に求めるITリテラシーのレベルを定めるのも一つの方法です。業務上の必要性に応じて、PCやAIの活用など社内外の講座を受けた上で一定の到達レベルを基準とするといいでしょう。

【今回の3つのポイント】

  1. 上司と部下の関係は“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”が理想であって、年上か年下かは関係ない
  2. 上司は、部下に任せた業務に対してプロフェッショナルを求めながら、自分が完璧ではないことを自覚して部下の声を聴くべき
  3. 年上の部下に対する話し方は、“ため口”ではなく丁寧語を使ってリスペクトを表現し、経験・ノウハウと同時にイノベーションへの期待も伝える

最後に、皆さんが年上の部下の立場だとしてできることを考えてみましょう。今回、“互いの役割を理解し、リスペクトし合える関係”を言い続けていますが、それを年上の立場から率先していくことです。

年上の部下の皆さんが、年下の上司を十分にリスペクトして支えていく気持ちがあれば、それはきっと彼らに伝わります。彼らを支援していくことは、長年お世話になった会社への恩返しにもなるのです。

また、皆さんが培ってきた経験やノウハウが生きて部署を救うこともあれば、イノベーションが求められる時代に邪魔になることもあるのだと知りましょう。そして自らもイノベーションを起こすためには、ITが苦手だなんて言っている場合ではないという自覚を持ちましょう。

生涯学び続けることで、あなたの残りの人生もきっと豊かになっていくはずです。

6 新人Gさんが「こんな仕事をしたかったわけじゃない」、どう声をかけますか?

次回に向けた課題[事例7]を紹介します。

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Q.新入社員のGさんに対して、あなたはこの後、最初にどんな声をかけますか? また、それを考える際に注意するべきポイントを3つほど挙げてください。書かれているさまざまな要素を考慮してみましょう。

[事例7]

〇あなたの部署に配属された新入社員のGさんが、退職を考えているようだという噂を耳にしました。

〇上司であるあなたは気になって、Gさんと1on1ミーティング(1対1の面談の機会)を持つことにしました。Gさんは開口一番「この仕事は自分に向いていなのになぜ任されたのか分からない。自分はこんな仕事をしたかったわけじゃない」と訴えました。

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テーマは「仕事への期待」です。これまでの事例と同様に起こっている事象を整理することから始め、現場で起こっていることの可能性を探ってみましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。もし日常で近いシーンに出会うことがあれば、ご自身で考えて『新たな3つのコミュニケーション習慣』の実践にトライしてみてください。

次回もお楽しみに。

<ご質問を承ります>

ご質問や疑問点などあれば以下までメールください。※個別のお問合せもこちらまで

Mail to: brightinfo@brightside.co.jp

※武田が以前上梓した書籍『新スペシャリストになろう!』および『なぜ社長の話はわかりにくいのか』(いずれもPHP研究所)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより電子書籍として復刻出版されました。前者はキャリア選択でお悩みの方に、後者はリーダーやトップをめざしている方にお薦めです。

『新スペシャリストになろう!』 https://amzn.asia/d/e8GZwTB

『なぜ社長の話はわかりにくいのか』 https://amzn.asia/d/8YUKdlx

以上(2025年1月作成)
(著作 ブライトサイド株式会社 代表取締役社長 武田斉紀)
https://www.brightside.co.jp/

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画像:PureSolution-Adobe Stock

【入社1年目の教科書】服装は本当に自由?「清潔感」こそがスベらない服装の絶対基準!

書いてあること

  • 主な読者:服装で「悪目立ち」したくない新入社員
  • 課題:おしゃれをしたいけれど、どこまでなら許されるか分からない
  • 解決策:とにかく「清潔感」が大事。迷ったら先輩の服装を参考にする

「うちの会社は服装が自由! やった~!!」。でも、いざ出勤となると何を着ていくか迷うぞ……。おしゃれしたいけれど、「悪目立ち」はしたくない。かといって、カチカチのリクルートスーツっていうのもな~。襟なし、ジーンズ、ひげ、ミュール、香水、ネイル、一体どこまで許してくれるのかな? 誰か教えて!

1 とにかく「清潔感」を意識すれば大丈夫!

IT系など特定の業界に限らず、最近は自由な服装を認める会社が増えてきました。皆さんにとっては喜ばしいことでしょうが、半面、どんな服装をすればよいのか迷いませんか?

おしゃれはしたいけど、悪目立ちはしたくはない。そんな皆さんにお伝えします。

失敗しない服装の基準は何といっても「清潔感」です。

言い換えると、だらしない格好や汚らしい格好は駄目ということです。シャツのボタンが取れている、襟が汚れている、ズボンやスカートがシワだらけ……。こんな格好に清潔感はないですよね。

なぜ、清潔感が大事かということですが、皆さんは「メラビアンの法則」を知っていますか? この法則は、人が相手のどこを見て第一印象を決めるかを示したものです。前提条件はいろいろありますが、なんと「55%が【表情や見た目】(視覚情報)で相手を判断する」という結果が出ています。服装が第一印象に与える影響は大きいのです。初対面の相手に「見た目」でマイナスの印象を与えてしまうのは本当にもったいないことです。おしゃれで個性的なファッションもいいですが、最初は清潔感を重視。これで間違いありません!

2 こんな服装・身なりは要注意です

1)ジーンズ、ダメージジーンズ

「これはどうかな~?」と迷うことが多いのはジーンズでしょう。職種によってはジーンズでも違和感ありませんが、相手がスーツ姿なのにこちらがトレーナーやTシャツにジーンズというのはバランスが悪いです。また、ダメージジーンズは避けたほうが無難です。

2)露出の多い服装

胸元のボタンを2つ以上開ける、パンツやスカートの丈が短か過ぎるといったスタイルは避けたほうが無難です。服装の問題とは別に、意図せずセクシュアル・ハラスメントになってしまう恐れもあります。夏場は特にご用心!

3)サンダル、ミュール

歩きにくいサンダルやミュールは控えたほうが無難です。また、爪先の開いたオープン・トゥ・パンプスや、かかと部分が高いピンヒールを認める会社もありますが、転倒時のけがも心配です。これは、いわゆる「労災(労働災害)」の観点からも考えてみてください。

4)ひげ

かつてはひげを認めない会社が多かったのですが、時代は変わり、今では明示的に禁止しないケースが増えています。ひげが即座に問題となるケースは減っていますが、大切なのは清潔感なので、お手入れは忘れずに。

5)ネイル、アクセサリーなど

皆さんの中には、ネイルやアクセサリーにこだわりがある人も多いでしょう。飲食店などを除けば、ネイルは自由としている会社も増えていますが、やはり清潔感を損なうようではいけません。アクセサリーについても同様です。

6)においの強い香水

香りの強過ぎる香水は「スメルハラスメント(スメハラ) 」といわれるほど迷惑です。身だしなみとして香水をつけるのはよいですが、あまり刺激的ではない香りを選び、またつけ過ぎには注意すべきです。これは職場に限ったことではありません。

3 リモートワーク時の服装は?

少し前、リモートワークでオンライン会議をする際の服装として、画面に映る上半身はネクタイを締め、下半身は短パンという、あり得ない格好が話題となりました。これはリモートワークが浸透するまでのご愛嬌ということで、今はそんな格好をしている人はいないでしょう。

リモートワークが主流で人と会うことがないのであれば、楽な服装で問題ありません。働きやすく、リラックスできる服装のほうが生産性も上がります。ただし、気を抜いてよいということではなく、身なりはきちんと整えましょう。

4 シチュエーションで使い分ける

皆さんが最も尊敬する人は誰ですか。その人とこれから会うとしたら、何を着ていきますか? とにかく「失礼にならない服装」を心掛けるはずですよね。この感覚がとても大事です。

仕事には、社内の人とだけ会う日、社外の人とも会う日、リモートワークの日などさまざまなシチュエーションがあります。会う相手の役職などもさまざまです。せっかく服装が自由なのだから、シチュエーションごとに服装を使い分けて自由な気分を味わいたいところですが、どれくらいなら許容されるのかの判断は難しいですね。

そこで、参考にしたいのが皆さんの先輩の服装です。先輩の格好を見ると、普段はカジュアルなのに、ネクタイを締めて訪問している取引先もあるはずなので、このあたりを参考にします。初めて訪問する相手など、どの程度が許されるか分からない場合は、先輩に「明日、訪問する会社は襟なしの服でも大丈夫ですか?」のように質問しましょう。

5 なぜ、仕事ができる人ほど定番の服装をしているのか?

抜群に仕事ができる人なら、ジーンズをはいていても文句は言われないでしょう。服装などとは別の次元で成果を上げているからです。

では、皆さんの会社で抜群に仕事ができる人の格好はどうですか? 恐らく、その人は個性的な格好でも許してもらえるのに、実際は定番の格好をしているのではないでしょうか。それは、仕事ができる人ほど周囲への配慮を欠かさないためであり、万一にも服装で相手を不快にさせたくないと思っているからなのです。

これって、重要な気づきだと思いませんか?

以上(2024年12月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

コンテンツのご活用事例&2024年人気コンテンツランキング

「きらやか情報ステーションのコンテンツは、管理職向けの研修教材に使っています」

こう言って、きらやか情報ステーションをよく使ってくださっている企業さまが、これまでの研修教材にご活用いただいたコンテンツを見せてくださいました。たくさんのコンテンツがファイリングされた、とても分厚いバインダーでした。

管理職向けの研修教材にご活用いただいているテーマとしては、

ハラスメント、上司と部下のコミュニケーション、管理会計、朝礼スピーチ

などがあるそうです。

きらやか情報ステーションでは、日ごろ、会員さまが会社経営やビジネスで困ったとき、何かヒントが欲しいときなどにお役立ていただけるよう、

労務・財務・税務・法務、業界動向、人材育成、朝礼で使えるスピーチ、規程集など、常時1000本以上のビジネス系コンテンツを掲載しています。

ただ、「実際にどのようなコンテンツがあって、どのように活用できるか分からない」という会員さまもおられるかもしれません。その際は、今回、この記事でご紹介する企業さまの活用方法などをよろしければご参考になさってください。

冒頭の企業さまに、実際にハラスメントやコミュニケーション系のコンテンツを管理職向けの研修教材に使ってみて、どのような良いこと、効果があったか尋ねてみたところ、次のようなお話をしてくださいました。

「ハラスメントのコンテンツについては、管理職同士で、記事に書いてある事例を読み合わせしたり、事例をもとに議論したりしている。日頃の自分たちの指導・言動がパワハラになっていないかどうか客観的に振り返る、良いきっかけになっている」

「ハラスメントや上司・部下のコミュニケーションの話などは、実際の社内の話を持ち出すと、どうしても客観的に議論しにくい面がある。逆に、こうしたコンテンツを教材に使うと、客観的に議論ができるようになる」

また、事業承継、後継者育成という面からも、

「損益分岐点の考え方や決算書の読み方、予算の作り方など、管理会計や財務分析、税務系のコンテンツを、後継者候補の勉強用に活用している」

というお話も聞くことができました。

今回、実際に日々さまざまなコンテンツを事業に活用されている事例を直接お伺いすることができ、たいへん貴重な機会でした。ありがとうございます。

このほかの会員さまでも、例えば、財務系のコンテンツを同じように人材育成や自己啓発用に活用してくださっている方や、人材不足で悩んでいるときに高齢者活用・定年再雇用のコンテンツをご覧いただいている方などがいらっしゃいます。

このように、きらやか情報ステーションに掲載されている1000本以上のビジネスコンテンツが、今後も皆さまのお役に立てましたら幸いです。

なお、ハラスメント、財務、会計、といったキーワードでコンテンツを探したい場合は、サイト上部の検索ボックスをぜひご利用ください。


最後に、2024年によく見られた人気コンテンツをランキングでご紹介します!

ご興味惹かれるタイトルがありましたら、クリックしてご一読いただけますと幸いです。

⚫︎2024年人気コンテンツランキングはこちら

第1位 「会社の飲み会は労働時間ですよね?」と社員に聞かれたらどう返す?

第2位 2024年6月から始まる「定額減税」の内容とやるべきことを整理

第3位 【2024年版】年末調整の改正点と書き方の解説

第4位 「年収の壁」は6枚。配偶者特別控除が受けられなくなる年収、社会保険料の負担が発生する年収はいくら?

第5位 【社長のモノサシ】退職したい社員を引き止める? 引き止めない?

第6位 2024年「賃上げ」に対する経営者317人の本音。あそこの企業は賃上げするのか?

第7位 【中小企業の予算(2)】予算「損益計算書」の数字の作り方

第8位 中小企業が知っておくべき「令和6年度税制改正大綱」のポイント

第9位 「賃上げ」の参考情報! 助成金、社会保険料、賃金規程などさまざまな観点から一挙紹介!

第10位 5種類の「税務調査」の調査方法。オフィス以外でも行われ、社長の自宅や個人口座の情報も調査対象に!

以上

イライラする日はコレ食べて!葉物野菜とカリフラワーのストレス撃退レシピ

日々の生活で感じるイライラや不安といったストレスは、カルシウムとビタミンDが豊富な野菜を食事に取り入れることで症状軽減が期待できるのだとか。農園を営む野菜のプロが、ストレスに効く冬野菜の目利きや保存法、栄養素の吸収率がアップするレシピを紹介する。

この記事は、こちらからお読みいただけます。

「今の会社は合っていない。さっさと転職すべき?」→ノンスタ石田明の回答が的確すぎて、ぐうの音も出なかった

先日発売された著書『答え合わせ』(マガジンハウス新書)には、M-1 2008年チャンピオンであり、“生粋の漫才オタク”を自称する石田さんの漫才論や芸人論、そしてM-1論が熱く展開されている。

この記事は、こちらからお読みいただけます。

なぜ木村石鹸は零細なのに非効率な「新卒採用」を続けるのか?その深い意図に舌を巻いた

「僕らみたいな中小零細企業は、できる限り人を増やさずに、効率をよくして利益を上げていくことを目指すべきでしょう。なのに、なぜ、毎年新卒を採用するのか?」──100年続く老舗・木村石鹸の四代目が明かす理由が深かった。「人手不足」でも「欠員補充」でもない新卒採用の狙いとは?

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相続税が3倍違う!? 相続は「準備」が9割

人生100年時代、お金を増やすより、守る意識のほうが大切です。相続税は、1人につき1回しか発生しない税金ですが、その額は極めて大きく、無視できません。家族間のトラブルも年々増えており、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で起きています。

この記事は、こちらからお読みいただけます。

正月休み明けで「退職代行」の利用が急増しているってホント?

2025年1月の正月休み明け、「退職代行」の利用が急増しているというニュースが世間を賑わせました。退職代行とは、

会社に直接「退職したい」と言えない社員が、他者(以下「退職代行者」)に依頼して、退職手続きなどを代行してもらうこと

です。長期休暇で自分の仕事について考える時間ができ、「今のままでいいのか……」と悩んだ結果、休み明けに退職を決断してしまう社員が多いのでしょう。

「退職代行モームリ」を管理するアルバトロスによると、社員は次のような理由から退職代行を利用しているようです。

退職代行モームリ利用の経緯・退職理由(複数回答可)

新年早々、退職代行者から連絡が来たら、経営者としては当然つらいですし、社員に対して「なぜ、自分の口で『退職したい』と言わないの?」と腹立たしい気持ちになります。ですが、

退職代行であっても、社員本人の意思による申し出であれば、退職は成立する

ので、むげには扱えません。

退職代行の重要なポイントは、会社と社員の間に退職代行者が入ることで、社員との直接的なコミュニケーションが取れなくなってしまう点です。そして、

退職代行者が「弁護士」「労働組合」「民間事業者」のどれに該当するかによって、代行できる内容が異なる

ので、それぞれの違いを理解した上で、対応のポイントを押さえる必要があります。

次のコンテンツで、退職代行を使われた側の会社がどう対応したらいいかをまとめているので、興味のある方はぜひご確認ください。

以上(2025年1月作成)

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画像:ChatGPT

せっかく賃上げしたのに社員から不満が……? 社労士が教える「トラブルになるかもしれない賃上げ4選」

1 最低賃金は「1500円」時代へ……?

2024年10月、全国の最低賃金(地域別最低賃金)が、全国加重平均で過去最高の1055円になりました。さらに、石破新内閣が「5年以内に最低賃金1500円」という目標を打ち出すなど、賃上げに向けた動きが加速しています。長期的な人手不足にこうした政府の動きも加わり、多くの会社が人材確保のために賃金のアップを検討していることでしょう。

ですが、ご用心。せっかくの賃上げも、方法を間違えると思わぬトラブルを招くことがあります。この記事では、社労士の視点から要注意な賃上げの例を4つ紹介します。

2 【ケース1】手当で賃上げをしたら、最低賃金を下回った……

1)ケーススタディー

東京都のある会社は、基本給こそ控えめですが、様々な手当によって賃上げを図っています。若手社員のAさんも平均27万円をキープしており、「同業他社と比べても遜色ない水準だ」と会社の社長は思っていました。

ところがある日、労働基準監督署から、1通の通知が届きました。

「え? Aさんが最低賃金を下回っている? それは何かの間違いでは?」

と、社長は驚きを隠せません。なぜ、Aさんは最低賃金を下回ってしまったのでしょうか?

2)何が問題だったのか?

日給制や月給制の社員の賃金を最低賃金と比較する場合、対象者の賃金を時給に換算する必要があります。ですが、時給に換算する際の計算方法は法令で次のように決まっていて、計算式を間違えると、最低賃金を下回ってしまうことがあります。

  1. 時給制の場合:時給≧最低賃金額(時間額)
  2. 日給制の場合:日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
  3. 月給制の場合:月給÷1カ月の平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

また、最低賃金の計算に含まれるのは、「毎月支払われる基本給と諸手当(職務手当、役職手当、住宅手当など)」だけで、時間外勤務手当(残業代)や賞与、通勤手当、家族手当などは対象外です。このあたりもトラブルになりやすい点です。

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例えば、ケーススタディーのAさんについて、月給(27万円)の内訳が次の金額だとします。

【月給(27万円)の内訳】

  • 基本給:18万円
  • 職務手当:1万円
  • 時間外勤務手当:5万円
  • 休日出勤手当:2万円
  • 通勤手当:5000円
  • 家族手当:5000円

2024年10月から、東京都の最低賃金(地域別最低賃金)は1163円になっています。Aさんの月給を時給に換算した額が1163円を下回らなければOKですが、実態はどうでしょうか?

まずはAさんの月給(27万円)から、最低賃金の計算に含まれない時間外勤務手当(5万円)、休日出勤手当(2万円)、通勤手当(5000円)、家族手当(5000円)を除きます。

27万円-(5万円+2万円+5000円+5000円)=19万円

そして、この19万円を、Aさんの「1日の所定労働時間」「年間所定労働日数」を基準に、時給に換算します。1日の所定労働時間を8時間、年間所定労働日数を250日と仮定し、時給に換算してから東京都の最低賃金(1163円)と比較してみましょう。

(19万円×12カ月)÷(250日×8時間)=1140円<1163円

Aさんの月給の時給換算額は1140円で、東京都の最低賃金を下回ってしまいました。このように、月給が多くても、法令にのっとって時給換算すると最低賃金を下回ってしまうことがあるのです。これは違法な状態ですから、すぐに改善しなければなりません。

3)どうすれば改善できる?

最近は、基本給を引き上げる代わりに、手当を充実させる会社が少なくありません。基本給は引き上げると簡単に下げられないのに対し、手当は「就業規則等で定める要件を満たす場合のみ支給する(要件を満たさなくなれば支給が止まる)」ため、融通が利きやすいからです。

ですが、最低賃金の計算ルールを正しく理解していないと、ケーススタディーのように落とし穴にハマります。まずは法令にのっとって全社員の賃金を時給換算し、現状を把握するところから始めてみましょう。

また、近年は最低賃金の引き上げ幅が大きいため、気付かないうちに、社員の賃金が最低賃金を下回ってしまうことも想定されます。今どきは、社員の賃金が最低賃金以上かを自動チェックできる機能が付いた給与計算システムもあるので、導入を検討するのもよいでしょう。

3 【ケース2】手当を廃止して基本給に回したら残業代が……

1)ケーススタディー

ある会社の社長は、賃金制度の見直しを考えています。「これまで家族手当を社員に支給してきたけど、最近は独身者が増えてきて、あまり意味をなしていないな。他にも必要なさそうな手当がチラホラ……。よし、こういう手当は廃止して、その分基本給を引き上げよう!」

社長の提案は受け入れられ、「複数の手当の廃止」と「基本給の引き上げ」が同時に行われました。賃金制度はシンプルで分かりやすくなり、社長は上機嫌でしたが、数カ月後、人事部から提出された賃金の支給明細を見てがくぜんとします。

「手当を廃止して基本給に回してから、残業代がすごく増えている……なぜだ?」

社員の労働状況も確認しましたが、特に残業時間が増えたわけではないようです。手当を廃止した分の額が基本給に置き換わっただけですから、賃金全体の額も変わっていません。それなのに、なぜ残業代が増えてしまったのでしょうか?

2)何が問題だったのか?

ケース1とは逆に、手当を廃止して基本給を引き上げるパターンです。生活関連の手当(家族手当や住宅手当など、生活を補助するための手当)を見直して、基本給や職務関連の手当(役職、資格、業績などに応じて支給する手当)に組み入れる会社は珍しくありませんが、残業代のルールを理解していないと、ケーススタディーのような思わぬコストアップに直面します。

残業代、つまり時間外労働や休日労働の割増賃金を計算する場合、「基準外賃金」といって、割増賃金の計算基礎に含めなくてよい賃金があります。具体的には、次の7つの手当がそうです。

  1. 家族手当(扶養家族の人数に応じて支給されるものに限る)
  2. 通勤手当(通勤距離や通勤費用に応じて支給されるものに限る)
  3. 住宅手当(住宅に要する費用に応じて支給されるものに限る)
  4. 別居手当
  5. 子女教育手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金

こうした手当を廃止して基本給に組み入れてしまうと、その分、割増賃金の計算基礎となる金額が上昇します。つまり、残業時間が変わらなくても単価が上がるので、残業代は増えてしまうということです。

なお、この他に、基本給をベースに賞与や退職金の額を計算(基本給×支給率〇%など)している場合なども、基本給の引き上げによって、会社の意図しないコストアップが起こり得ます。

3)どうすれば改善できる?

賃金体系の見直しを行う際は、基本給の引き上げによる影響を事前に試算することが大切です。残業代、賞与、退職金、他にも社会保険料など、影響を受ける項目を1つ1つ確認し、必要に応じて財務アドバイザーなどとも連携して、資金繰りをしていきましょう。

基本給の引き上げ幅にも注意が必要です。例えば、「3年かけて徐々に基本給を引き上げていく」「対象者を複数のカテゴリーに分けて、カテゴリーごとに賃上げの実施時期を決める」など、会社の負担が一時期に集中しないように、段階的な賃上げを行うことが大切です。

4 【ケース3】一部の社員だけ賃上げしたら職場に“溝”が……

1)ケーススタディー

東京都のとあるスーパーの休憩室。パートのBさんは、店長がこんなことを言っているのを耳にしました。

「東京都の最低賃金が1163円に上がったから、新人のCさんの時給を1150円から1200円に引き上げよう」

Bさんはとても不満です。彼女はCさんの教育係であり、スーパーで長く働いてきたベテラン。それなのに、Bさんの時給は「Cさんと同じ1200円」です。しかも「最低賃金を上回っているから」という理由で、今回Bさんは賃上げの対象にならず、時給は据え置きになりました。

「教育係である私が、Cさんと同じ時給だなんて……」

と、Bさんは鬱屈した毎日を過ごしています。

不満があるのはBさんだけではありません。他のパートも休憩室で、

「経験なんて関係ないってこと?」「これじゃ、やる気が出ないわ」

と言い合っています。活気のあった職場の雰囲気が、徐々に不穏なものに変わっていきました。最低賃金を考慮して行われたCさんの賃金設定が、思わぬ波紋を広げていたのです。

2)何が問題だったのか?

全社員の賃金を一律で引き上げることは、会社にとって少なくない負担です。そのため、なかには最低賃金をクリアすることだけを目的に、一部の社員だけを賃上げの対象とする会社もあります。

賃上げの対象者を限定すること自体は違法ではありませんが、当然こうした対応は、他の社員のモチベーションや職場の人間関係に影響を与えます。賃上げをする際は、単に法的な要件を満たすだけでなく、社員全体のバランスや公平性にも目を向けなければなりません。

3)どうすれば改善できる?

改善策としてまず挙げられるのは、勤続年数などに対応した「賃金テーブル(賃金表)」を整備することです。前述した通り、近年は最低賃金の大幅な引き上げが続いているので、この点を考慮するなら、例えば、

  • 勤続5年以上:最低賃金+50円
  • 勤続10年以上:最低賃金+100円
  • 勤続15年以上:最低賃金+150円

といった加給方式にするとよいでしょう。

仕事の内容や責任に応じて、別途手当を支給するのもよいでしょう。例えば、新人の教育係やシフトリーダーなどの役割を持つパートには、その役割に応じて「役割手当」などの追加の手当を支給すると、不公平感が薄まります。経験や技能に応じて支給する手当を導入するのもよいでしょう。

5 【ケース4】全社的な賃上げで一部の社員から不満が……

1)ケーススタディー

営業部のエースDさんは、次の昇給を楽しみにしています。今期の目標を大きく上回る売り上げを達成することができたからです。一方、同じ部署内にはDさんの同期Eさんがいますが、彼のほうは営業成績を伸ばせずにいます。

そんな中、社長が朝礼でこんな発表をしました。

「今回の昇給は、物価上昇に対応するために全員一律で1万円の賃上げをします!」

ほぼ全員が喜んでいましたが、Dさんは曇った表情をしていました。数日間元気のないDさんに、仲の良い先輩が「どうしたの?」と聞くと、彼はこんな不満を口にします。

「僕は後輩の指導をしながら、営業成績も伸ばしています。そんな僕と、いつも遅刻して、ろくに仕事もしないEさんが、同じ1万円アップなのはおかしくないですか?」

Dさんは「どうせ頑張っても評価されない」と感じ始め、少しずつモチベーションが低下。転職も考えるようになってしまいました……。

2)何が問題だったのか?

ケース3とは逆に、全社的な賃上げを行った結果、トラブルになるというパターンです。物価上昇が続く昨今、こうした賃上げを検討する会社も多いですが、勤務年数や能力差に関係なく一律で金額を引き上げると、ケーススタディーのように「どうせ同じ額しか上がらないのなら、頑張っても意味がない」と感じる社員が出てくることもあります。

特に、高いパフォーマンスを発揮している社員ほど、こうした賃上げを不公平だと感じやすいので、会社への貢献度が高い社員の転職を防ぐためにも対策は必須です。

3)どうすれば改善できる?

対策として考えられるのは、賃上げを「物価上昇に対応するための賃上げ」「個人の成果や能力を反映するための賃上げ」の2段階に分けて実施することです。

物価上昇に対応するための賃上げについては、金額を一律にして実施します。その後で、個人の成果や能力に応じた加算を行います。この加算はボーナスで対応してもよいでしょう。いずれにせよ、個人の成果や能力に応じて追加の賃上げを行うことで、努力した分が報われるという意識を社員に持たせることが大切です。

以上(2025年1月作成)

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画像:ChatGPT