QUESTION
遅刻時間と残業時間を相殺することができますか。
ANSWER
原則として相殺は可能です。
解説
1日の実労働時間が8時間を超えた場合に割増賃金の支払いの対象になるため、原則として相殺は可能です。
ただし、就業規則で「終業時刻後の労働時間について割増賃金を支払う」旨の定めがある場合にはこの限りでありません。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.93040
画像:Mariko Mitsuda
Just another WordPress site
遅刻時間と残業時間を相殺することができますか。
原則として相殺は可能です。
1日の実労働時間が8時間を超えた場合に割増賃金の支払いの対象になるため、原則として相殺は可能です。
ただし、就業規則で「終業時刻後の労働時間について割増賃金を支払う」旨の定めがある場合にはこの限りでありません。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.93040
画像:Mariko Mitsuda
事業主には、従業員のメンタルヘルス対策を講じる義務がありますか。
労働契約法(第5条)や労働安全衛生法、民法(信義則)上の義務を負います。
労働契約法(第5条)や労働安全衛生法(第3条など)、民法(第1条2項など)の規定により、労働者の安全(メンタルを含む)につき、必要な配慮しなければならない義務を負います(安全配慮義務)。
必要な配慮については、平成12年に労働省(当時)が「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を発表して、使用者に課されるメンタルヘルス上の安全配慮義務の程度を定めています。
この指針によると、メンタルヘルスケアには、1.セルフケア、2.ラインケア、3.スタッフケア、そして4.専門機関によるケアの4つの段階があるとされています。
1.セルフケア
労働者が自ら行うストレスへの気づきと対処。
セルフケアの段階で使用者に求められるのは、労働者自身にセルフケアの重要性を自覚させるために、教育研修や情報提供を行うことです。
ただし、この教育研修や情報提供が、使用者側の安全配慮義務の内容にまでは、まだなっていません。
2.ラインによるケア
管理監督者が行う職場環境等の改善と相談への対応。
管理職による、部下の労働時間、労働状況、健康状況を把握し、初期症状が出てきた場合には作業量を調整することなどです。
3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
産業医等による専門的ケア。
4.事業場外資源によるケア
事業場外の専門機関によるケア。
また、平成27年12月1日から、常時使用する労働者に対して毎年1回、心理的な負担を把握するための検査を行うこと(ストレスチェック制度)が義務化されました。
※従業員数50人未満の事業場は制度の施行後、当分の間努力義務
1.ストレスチェックの実施について
○ストレスチェックの実施者者は、医師、保健師等となります。
○ストレスチェックの調査票は、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」及び「周囲のサポート」の3領域が含まれています。
2.面接指導の実施
○ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者のうち、高ストレス者として面接指導が必要と評価された労働者から申出があったときは、医師による面接指導を行うことが事業者の義務になります。
○事業者は、面接指導の結果に基づき、医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、就業上の措置を講じる必要があります。
3.集団分析の努力義務化
○職場の一定規模の集団(部、課など)ごとのストレス状況を分析し、その結果を踏まえて職場環境を改善する措置は努力義務になります。
4.労働者に対する不利益取扱いの防止について
○ストレスチェックを受けない者、事業者への結果提供に同意しない者、面接指導を申し出ない者に対する不利益取扱いや、面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等を禁止されています。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.95010
画像:Mariko Mitsuda
成果型賃金制度を導入して賃金が下がる従業員がいてもいいですか。
受忍限度内の不利益であり、構いません。
成果型賃金制度を導入すると、成果や能力次第では賃金が上昇する場合と逆に不利益になる場合があります。賃金の不安定性を生ずることそれ自体が不利益変更であるとみて、判例の合理的変更法理が該当すると一般には考えられています。
そのために判例理論上は、賃金についての変更は高度な必要性を求めています。
「全国信用不動産事件」では、倒産の危機に瀕しているという状況にはなかったことを高度の必要性を否定する根拠としています。高度の必要性の要件を厳格にとらえると、就業規則の変更では成果主義型の賃金体系を導入することが困難となります。
一方、「ハクスイテック事件」は、成果主義型賃金体系を導入した給与規程変更の事案について、賃金の不利益変更であると認めたうえで、その変更に合理性があると判断しています。
一般的に、労働生産性と直接結びつかない形の年功型賃金体系は合理性を失いつつあり、労働生産性を重視し、能力・成果主義に基づく賃金制度を導入することが求められており、高度の必要性の要件を緩やかに解しています。個別労働者において賃金が下がることがあっても、受忍限度内の不利益であるとしています。
労務の観点からは、変更を必要とした経営事情よりも、変更後の労働条件の内容的合理性を重視して判断すべきです。
成果型賃金制度の合理性を支えるためには、目標管理制度における目標の設定とその方法・手続、仕事の成果の評価とその方法・手続、賃金額決定の方法・手続、苦情処理制度の整備が必要であると考えられます。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.92140
画像:Mariko Mitsuda
労働者から退職願または退職届を撤回する旨の申し出があった場合、会社として撤回に応じる必要はあるのでしょうか。
会社が退職の申し入れに対して、これを認めるという正式な意思表示をしていれば、労働者の退職の申し出の撤回に応じる必要はありません。
退職の申し入れを正式に認めることの基準については、社内の規程などに明示しておくべきです。
基準を明確にしておくことで、その基準を満たせば、退職の申し出の撤回に応じる必要はありません。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.96060
画像:Mariko Mitsuda
外国人でも日本国内で就労する限り、労働基準法等の労働法の適用を受けますか。
適用を受けます。
日本国内で就労する限り、日本人、外国人を問わず、原則として労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等の労働関係法令の適用があります。
また、労働基準法第3条は、労働条件面での国籍による差別を禁止しています。外国人労働者についても、法定労働時間の遵守、週休日の確保など適正な労働時間管理を行う必要があります。
外国人を雇い入れた際にも、日本人と同様に労災保険・雇用保険、健康保険・厚生年金保険に加入させなければなりません。
また、外国人労働者と労働契約を締結する際には、労働条件を明記した書面を交付してください。
たとえ不法就労であったとしても、法の扱いは原則として変わりません。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.91040
画像:Mariko Mitsuda
派遣労働者の最低賃金は派遣元の基準を適用すればいいですか。
派遣先の最低賃金が適用されます。
最低賃金には、以下のとおり地域別最低賃金及び特定(産業別)最低賃金の2種類があります。
1.地域別最低賃金
産業や職種にかかわりなく、都道府県内のすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47の最低賃金が定められています。
2.特定(産業別)最低賃金
特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されており、各都道府県に全部で227(令和3年3月31日現在)の最低賃金が定められています。
なお、地域別最低賃金及び特定最低賃金の両方が同時に適用される場合には、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
派遣労働者には、派遣元の事業場の所在地にかかわらず、派遣先の事業場に適用される地域別最低賃金が適用されますので、派遣会社の使用者とその労働者は、派遣先の事業場に適用される最低賃金を把握しておく必要があります。
また、派遣先の事業場に特定(産業別)最低賃金が適用される場合は、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.92110
画像:Mariko Mitsuda
労働基準監督署の立ち入り調査に際して、どのようなものを事前に用意しておく必要がありますか。
主に労働の実態の分かるものが必要となります。
労働基準監督官が事業場に立入調査をすることを臨検といいます。臨検には、定期監督・申告監督・災害時監督・再監督の4種類あります。
労働安全衛生法関係の臨検は予告なしの抜き打ちが多く、労働基準法の関係は帳簿の確認や聞き取りが必要なので、大抵予告があります。
労働基準法関係で臨検において一般的に提出が求められるのは、次のものです。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.99100
画像:Mariko Mitsuda
たとえ善意であっても過度な叱咤激励を受けた社員が自殺した場合に使用者責任はありますか。
使用者責任を問われる可能性があります。
使用者は、日頃から従業員の業務遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して心身の健康を損なうことのないように注意する義務を負っています。
思い悩んでいる部下がいて、上司が善意から叱咤激励をした場合、それが結果として労働者を追い込み、自殺してしまうケースでは、叱咤激励の方法が過度なもので相当性を欠けば、使用者の責任を問われる可能性があります(※1)。
なぜなら、部下の状態が精神的疾患に罹患したものであることを把握することや自殺について予見できる可能性が肯定されることが多いからです。
最近、このようなケースで、労災が認められる事例が発生しました。労災の給付のための費用を請求される可能性もあります。
また、令和2年6月1日(中小企業は令和4年4月1日)から労働施策総合推進法の改正により、パワーハラスメント防止措置が事業主の義務となります。
職場における「パワーハラスメント」とは職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③のすべての要素を満たすものとして定義されました。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.95020
画像:Mariko Mitsuda
試用期間中の者は厚生年金保険に加入しなくてもいいですか。
加入しなければなりません。
厚生年金保険の加入手続きは、採用の日から5日以内に被保険者資格取得届を年金事務所に提出します。
厚生年金保険に原則として加入できないのは、
1.国、地方公共団体又は法人に使用される者で、次に該当する者
・恩給法19条に規定する公務員及び公務員とみなされる者
・共済組合の組合員、私立学校教職員共済制度の加入者
2.臨時に使用される者(日々雇い入れられる者・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者)
3.所在地が一定しない事業所に使用される者
4.季節的業務(4ヶ月以内)に使用される者
5.臨時的事業(6ヶ月以内)の事業所に使用される者
6.厚生年金法による年金たる保険給付に相当する給付を行うことを目的とする外国の法令の適用を受ける者
です。
試用期間の者は含まれていません。
厚生年金保険の保険料は、労使で折半します。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.98050
画像:Mariko Mitsuda
給与計算処理の簡略化を図るため、営業社員に対してみなし残業代を支給したいのですが・・・。
営業手当・外勤手当等のみなし残業代を支給するには、一定の要件を満たす必要があります。
みなし残業代の導入要件は以下の通りです。
※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
<監修>
社会保険労務士法人中企団総研
No.92100
画像:Mariko Mitsuda