契約期間が2ヶ月の契約社員を雇い入れ1ヶ月後に予告なしに解雇できますか。

QUESTION

契約期間が2ヶ月の契約社員を雇い入れ1ヶ月後に予告なしに解雇できますか。

ANSWER

期間の定めがある場合には、使用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、期間が満了するまでの間、解雇することはできません。臨時的ないし非継続的な性格を有する労働者で、2か月以内の期間を定めて使用される者については、解雇するにやむを得ない理由がある場合に限り、即時解雇することができます。この場合であれば、通常は解雇前30日前の解雇予告ないし平均賃金の30日分以上の額の解雇予告手当の支払いを要しますが、それも不要となります。

解説

使用者が労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。
もし、契約期間中に業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する場合は、当該休業期間とその後30日間は、使用者は労働者を解雇できません。
しかし、2ヶ月以内の期間を定めて使用される者は、解雇予告制度の適用除外となっているので、解雇が可能です(労基法第21条)。
ただ、期間が満了する前に解雇する場合は使用者はやむを得ない事由が必要になります(労契法第17条)。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.96030

画像:Mariko Mitsuda

会社が行う教育、研修に参加する時間は、労働時間として扱わなければなりませんか。

QUESTION

会社が行う教育、研修に参加する時間は、労働時間として扱わなければなりませんか。

ANSWER

教育・研修を受けることを強制する場合には、労働時間として扱う必要があります。

解説

教育、研修に参加する時間を労働時間として見るか否かは、参加が強制されているのか、自由なのかで変わります。
就業規則上の制裁等の不利益取り扱いによる出席の強制や明示・黙字の出席指示がなく、自由参加のものであれば労働時間として扱う必要はありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93010

画像:Mariko Mitsuda

派遣期間1年で紹介予定派遣を受け入れることはできますか。

QUESTION

派遣期間1年で紹介予定派遣を受け入れることはできますか。

ANSWER

紹介予定派遣の派遣期間は、6ヶ月に限定されており、1年で受け入れることはできません。

解説

紹介予定派遣、医療業務の派遣期間は、原則の3年間より短期間に限定されています。
1.紹介予定派遣
紹介予定派遣の派遣期間は、6ヶ月に限定されています。
紹介予定派遣とは、派遣終了後に派遣会社が派遣社員を派遣先に職業紹介することを前提に派遣を行うものです。
2.医療業務
医療業務は、原則として紹介予定派遣によらなければ派遣できません。
したがって、派遣期間は6ヶ月となります。
しかし、医療業務でも、老人ホームなど一定の社会福祉施設における医療業務については、紹介予定派遣によらなくても派遣を行うことができ、原則どおり3年の派遣期間となります。派遣が自由化されているからです。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94100

画像:Mariko Mitsuda

常用雇用ではなく短時間勤務や隔日勤務などでも高年齢者雇用確保措置になりますか?

QUESTION

常用雇用ではなく短時間勤務や隔日勤務などでも高年齢者雇用確保措置になりますか。

ANSWER

高年齢者雇用確保措置になります。

解説

平成18年4月から、高年齢者雇用安定法が改正されています。
65歳未満の定年を定めている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、

  • 定年の引上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 定年の定めの廃止

のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければなりません。

更に平成24年度までに労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主は、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められていましたが、その経過措置も2025年3月31日をもって終了しました。

よって2の措置は限定基準を満たした者のみ適用が認められておりましたが、2025年4月1日以降は希望者は全員65歳まで雇用を確保する必要があります。

高年齢者雇用確保措置(継続雇用制度)には、勤務延長制度と再雇用制度があります。
勤務延長制度とは、定年年齢が設定されたまま、その定年年齢に到達した者を退職させることなく引き続き雇用する制度です。
再雇用制度とは、定年年齢に達した者をいったん退職させた後再び雇用する制度です。
高年齢者雇用確保措置(継続雇用制度)の雇用条件については、高年齢者の安定した雇用の確保が図られたものであれば、必ずしも労働者の希望に合致した職種・労働条件による雇用でなくてもよいとされています。
つまり、常用雇用のみならず、短時間勤務や隔日勤務なども含まれます。

なお、令和3年4月1日から高年齢者雇用安定法が改正され、高年齢者ができるだけ長く就業機会を確保できるように70歳までの定年引き上げなどの措置を講じられるように求めています。(努力義務)

この65歳以降70歳までの雇用確保措置(努力義務)では継続雇用制度の対象者を限定する基準を設けることに制限はありません。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97040

画像:Mariko Mitsuda

成人した子についても、健康保険の被扶養者になることができますか。

QUESTION

成人した子についても、健康保険の被扶養者になることができますか。

ANSWER

収入が少なければ健康保険の被扶養者になることができます。

解説

「子」は、親によって生計を維持されているという関係があれば親と同一世帯になくても、被扶養者となることができます。生計維持関係とは、その生計の基礎を被保険者に置くことをいいます。
認定対象者(この場合「子」)が被保険者と同一世帯の場合は、認定対象者の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)、かつ、原則として被保険者の年収の2分の1未満であれば被扶養者となります。
認定対象者(この場合「子」)が被保険者と同一世帯に属していない場合は、認定対象者の年収が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助(仕送り)による収入額より少ない場合は、被扶養者となります。

被扶養者になれば、保険料を負担せずに、

  • 家族療養費
  • 家族訪問看護療養費
  • 家族移送費
  • 家族埋葬料
  • 家族出産育児一時金

を受けることができます。
また、高額療養費、高額介護合算療養費も被保険者と同様に受けることができます。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.98020

画像:Mariko Mitsuda

定年後の再雇用に際して、大幅に賃金を減額させることはできますか。

QUESTION

定年後の再雇用に際して、大幅に賃金を減額させることはできますか。

ANSWER

減額させることはできます。ただし、最低賃金法や同一労働・同一賃金の原則に反しないよう留意する必要があります。

解説

定年後の再雇用は、新たな労働契約の締結です。賃金額をどのように約定するかは、当事者の自由です。
仮にそれが従前の賃金と比較して大幅に減額するものであっても、それ自体は労働基準法上の問題にはなりません。
ただし、最低賃金法や同一労働・同一賃金の原則に反しないよう留意する必要があります。
同一労働・同一賃金の原則について、パートタイム・有期雇用労働法8条は、『その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の滋養のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。』、としています。

このため、賃金を大幅に減額させる前提として、業務の量や質を見直すべきです。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.97020

画像:Mariko Mitsuda

携帯電話を持たせた営業社員に事業場外のみなし労働時間制を適用することができますか。

QUESTION

携帯電話を持たせた営業社員に事業場外のみなし労働時間制を適用することができますか。

ANSWER

携帯電話を持たせ、随時管理職が業務の指示を与える場合、事業場外のみなし労働時間制は適用できません。

解説

労働基準法第38条の2第1項において、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたいときは、原則として所定労働時間労働したものとみなすこととされています。
しかし、事業場外で業務に従事する場合であっても、以下の場合のように使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合については、労働時間の算定が可能であるのでみなし労働時間制の適用はありません。

  • 何人かのグループで事業場外労働する場合で、そのメンバーの中に労働時間を管理する者がいる場合
  • 事業場外で業務に従事するが、無線や携帯電話などによって随時使用者の指示を受けながら労働している場合
  • 事業場において、訪問先、帰社時刻など当日の業務の具体的指示を受けた後、事業場外で指示通りに業務に従事し、その後、事業場に戻る場合

なお、近年の司法判断では、事業場外のみなし労働時間制の適用を否定する判決が多い傾向にあるため、制度の適用については慎重に検討する必要があります。

《参考》令和4年11月22日付け東京高裁判決
外資系製薬会社で外勤の医療情報担当者(MR)として働いていた労働者について、訪問先医療機関との直行直帰が基本であり、具体的な訪問先やスケジュールも労働者に委ねられていたという状況下においても、勤怠管理システムの導入により貸与スマートフォンで出退勤の打刻が可能となり、始業・終業時刻の把握が可能であった状況においては、日報の提出を求めたり、週報の様式を変更すれば、業務内容や休憩時間を管理できた(仮に打刻した始業時刻や終業時刻の正確性に疑問があれば、貸与スマートフォンを使い、業務の遂行状況を随時報告させたり、指示するのも可能だった)とし、事業場外のみなし労働時間制の適用を否定した。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.93090

画像:Mariko Mitsuda

小学校就学前の子を養育する労働者は、一年間に何日看護休暇を取得する事ができるのでしょうか?

QUESTION

小学校就学前の子を養育する労働者は、一年間に何日看護休暇を取得する事ができるのでしょうか?

ANSWER

一の年度(原則として4月1日から翌年3月31日まで)に小学校就学前の子が1人であれば5日間、2人以上であれば10日間取得する事ができます。

解説

育児・介護休業法16条の2において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、次に定める事由による子の世話等のために、事業主に申し出ることによって子の人数が1人であれば5日間、2人以上であれば10日間取得する事ができます。
※令和7年4月1日より下記3・4が追加されます。また、名称も子の看護休暇から子の看護等休暇に変更となります。

  • 1負傷し、又は疾病にかかった子の世話
  • 2当該子に予防接種や健康診断を受けさせること
  • 3感染症に伴う学級閉鎖等になった子の世話
  • 4当該子の入園(入学)式、卒園式への参加

ただし、日々雇用の労働者の方は対象外です。
また、子の看護等休暇を取得される場合はその日を明らかにしていなければなりません。
合わせて⼦の看護休暇・介護休暇は時間単位で取得が可能です。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99120

画像:Mariko Mitsuda

有期契約のパートから次回の契約から無期契約にしたいと言われましたが、必ず無期契約にしなければならないでしょうか。

QUESTION

有期契約のパートから次回の契約から無期契約にしたいと言われましたが、必ず無期契約にしなければならないでしょうか。

ANSWER

有期契約が通算して5年を超えている場合は、無期契約への転換が必要です。

解説

労働契約法が改正され、同一の使用者との間で有期労働契約の通算契約期間が5年を超えたときは、労働者は、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)への転換を申込むことができるようになりました。
なお、通算契約期間のカウントについては、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となります。
(平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は、通算契約期間に含めません。)
平成27年4月1日から無期転換の特例として①高度専門労働者、②定年後引き続いて雇用される者は一定の要件を満たせば通算契約期間のカウントの対象外となります。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.94170

画像:Mariko Mitsuda

従業員が10人しかいない小さな会社ですが、所定外労働の免除や介護休暇を従業員に認める必要がありますか?

QUESTION

育児介護休業法が改正されたと聞きました。従業員が10人しかいない小さな会社ですが、所定外労働の免除や介護休暇を従業員に認める必要がありますか.

ANSWER

認める必要があります。

解説

改正育児介護休業法は平成22年6月30日から施行されました。

【改正育児介護休業法の概要】

①子育て期間中の働き方の見直し

  • 3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義務とし、労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する。
  • 子の看護等休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上であれば年10日)。

②父親も子育てができる働き方の実現

  • 父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)。
  • 配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。

③仕事と介護の両立支援

  • 介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が、1人であれば年5日、2人以上であれば年10日)。

④実効性の確保

  • 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する。
  • 勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対する過料を創設する。

※本内容は2025年2月28日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.99150

画像:Mariko Mitsuda