なぜ人は「肩こり」になるのか? 職場でできる解消法と併せて紹介

書いてあること

  • 主な読者:肩こりに悩むビジネスパーソン
  • 課題:そもそも、なぜ肩こりになるのか? どうすれば改善できるのか?
  • 解決策:主な原因は「筋肉の過度な緊張」。机や椅子の高さなどオフィス環境の改善を図ったり、こりをほぐすマッサージなどを行ったりすることで改善できる

1 軽く見てはいけない「肩こり」

ずしりと何かが乗っかるような不快感に、鈍い痛み……。「肩こり」はいつの時代も、多くのビジネスパーソンを悩ませます。有訴者率の上位5症状(2022年)を見ても、男女ともに、肩こりは「腰痛」に次いで第2位にランクインしています(厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」)。

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「肩こりや腰痛がもたらす経済損失は約3兆円」と試算した研究結果もあるほどで、会社の生産性を考える上でも、実は肩こりはとても重要な問題です。

「肩こりはあって当たり前、一生付き合うもの」と考えている人が多いでしょうが、

実は「オフィス環境」「マッサージやストレッチ」「生活習慣」を少し見直すだけで、肩こりを和らげられる可能性

があります。産業医監修のもと、肩こり解消のポイントをまとめましたので、気になる人はぜひこのコンテンツをご確認ください。

2 なぜ、肩こりになるの?

肩こりの主な原因は、「筋肉の過度な緊張」です。

人間は、首の骨を支柱として重い頭や腕を支えていて、その周りの首や肩の筋肉には常に大きな負担がかかっています。これらの筋肉が過度に緊張すると、血行不良が生じて酸素や栄養分が末端まで行き届かなくなり、筋肉は酸欠状態になります。

そして、酸欠状態でエネルギーを発生させると、乳酸などの老廃物が生み出されます。

血行が悪いと、老廃物は十分に排せつされず筋肉内に蓄積され、それが神経を刺激することで痛みや不快感が発生します。これが「肩こり」の正体

です。筋肉が過度に緊張する理由は、主に3つあります。

1)姿勢

人間の背骨は横から見ると緩やかなS字形に湾曲していて、全身のバランスを取ることにより、重心が偏らないようになっています。ですが、不自然な姿勢を取り続けると、全身のバランスが崩れてしまい、一部の筋肉が過度に緊張して、肩こりが起こります。うつぶせや腕枕などの不自然な姿勢で寝ている場合なども、肩こりになりやすいです。

2)運動不足

運動不足が続くと、筋肉の柔軟性が低下して次第に硬くなり、血管が圧迫されて血行が悪くなります。全身の筋力が弱ることにより、首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりが起こります。

3)ストレス

ストレスがたまると、自律神経のうちの交感神経が刺激され、筋肉が緊張して血管が収縮し、肩こりが起こります。ストレスの原因は、多忙や人間関係、性格などさまざまですが、急激な環境の変化(「部署異動や転勤」など)があったときなどは、特に注意が必要です。

以上が、筋肉が過度に緊張する理由ですが、この他に、

内臓疾患(狭心症などの心疾患、肝炎・胆のう炎など)の症状で、肩こりが起こるケース

もあります。ですから、「頭痛や目まいなどを伴う」「肩以外の部分にも痛みがある」といった場合は、できるだけ早く医師に相談することをお勧めします。

3 オフィス環境を整えよう

デスクワークで長時間同じ姿勢を取ったり、パソコンを使用したりすることが多い職種では、特に肩こりに悩む人が多くいます。ここでは、肩こり対策としてのオフィス環境の改善法を紹介します。

1)机や椅子

机や椅子の高さが自分に合っていないと、首や肩、腕に力が入りすぎて肩こりが起こりやすくなるため、デスクワークでは机や椅子の高さの調節が重要になります。

理想的な椅子の高さは、座ったときに「膝と腰の角度が90度」になるのがよいといわれます。また、机の高さは椅子に座った際に「肘と同じくらい」が理想です。

2)デスクワークの姿勢

パソコンで作業をしていると、気付かないうちにディスプレーに近づいてしまうことがありますが、そのような場合、下を向く時間が長くなり、首の筋肉を過度に使ってしまいます。また、考え事をしているときなどは、足を組んだり、頬杖をついたりしがちですが、こうした姿勢も、首や背中の一部の筋肉に大きな負担がかかります。

デスクワークの姿勢は、

  • ディスプレーから40センチメートル以上目を離す
  • 視線を水平よりも少し下くらいに保つ

のが理想です。背筋をしっかりと伸ばして座り、体重は左右均等に配分するよう意識しましょう。また、机の周りが暗いと前かがみの姿勢になりやすく、これも肩こりの原因になります。ですから、スタンドライトなどを利用して十分な明るさを確保するようにしましょう。

なお、長時間パソコンに向かっていると、疲れ目による肩こりが起こりやすくなります。適宜休憩を取り、遠くの景色を眺めたり目薬を差したりして、目を休めることを心掛けましょう。

4 その場でできる簡単なマッサージやストレッチ

こり固まった筋肉をほぐすには、マッサージやストレッチを行うとよいです。首筋や肩の筋肉をもむ、軽くたたく、さらには肩こりに効くツボを指圧すると効果的です。ただ、その日の体調などによりマッサージやストレッチが逆効果になる恐れもあるので、自己判断はせず、医師・専門家の指示に従い、自分に合ったものを取り入れましょう。

1)マッサージ

人間の体には、内臓の働きや血行に大きく関係するツボ(経絡)があり、これらのツボを指圧することによって血行が良くなります。肩こりに効くツボは次の通りです。

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  • 風池(ふうち):後頭部、髪の毛の生え際のくぼんだ部分
  • 天柱(てんちゅう):後頭部、髪の毛の生え際にある太い2本の筋肉の外側の部分
  • 肩井(けんせい):肩のほぼ中央。肩先の中心点と首の付け根を結んだ真ん中部分
  • 肩髃(けんぐう):肩の前側にある腕との境目のくぼんだ部分
  • 曲垣(きょくえん):肩甲骨の内端のすぐ上にあるくぼんだ部分
  • 膏肓(こうこう):背骨の中心部分から指4本分外側に行った部分

これらのツボを、親指・人さし指・中指などで、体の中心に向かって押し込むように、ゆっくりと指圧します。その際、一定のリズムで繰り返し指圧して刺激を与えるとよいでしょう。なお、首・肩周り以外にも、次のような肩こりに効くとされるツボがあります。

  • 曲池(きょくち):肘を曲げた際にできるしわの外側の部分
  • 手三里(てさんり):肘を曲げるとできるしわから、指3本分手首寄りの親指側の部分
  • 外関(がいかん):手首の中央から指3本分肘寄りの部分
  • 合谷(ごうこく):手の甲。親指と人さし指の付け根の骨に近い部分
  • 頸頂点(けいちょうてん):人さし指と中指の付け根の間の部分

2)ストレッチ

筋肉をゆっくりと引っ張ったり伸ばしたりするストレッチも、肩こり解消に有効です。 ストレッチの基本は、首と肩の筋肉をほぐすことです。

  • 両手の指を組んで大きく背伸びをする
  • 手を伸ばして後ろで交差させて、ゆっくりと前屈する
  • 30秒ほど時間をかけて、首を大きくゆっくりと回す

などをしてみましょう。

なお、ストレッチを行う際は、深く息を吸い込んで、吐き出すようにすることで、さらに血行が良くなります。腹式呼吸(おなかを膨らませながら息を吸い、おなかをへこませながら息を吐く呼吸法)を取り入れると、より効果的です。

5 生活習慣(食生活、歩き方や立ち方、服装など)に注目

肩こりの症状は、日ごろの生活習慣でも、ある程度改善されます。日常生活の中での見直しのポイントを紹介します。

1)食生活

肩こりの主な原因は筋肉の過度な緊張による疲労や血行不良なので、「筋肉の疲労を解消する」「血行を良くする」などの効果がある食べ物を取るのも効果的です。肩こりに効くとされる主な栄養素は次の通りです。

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これらの栄養素が含まれる食べ物をバランスよく取ることが重要です。なお、表中の栄養素は食事の他、サプリメントで補ってもよいでしょう。

2)歩き方や立ち方

歩くときは背筋を伸ばして顎を引き、腕を歩く速度に合わせて軽く振るようにすると、正しい姿勢を保つことができます。通勤途中の電車などでも、「かばんなどを持つ手を時々左右で替える」「片側だけに体重をかけない」など、体のバランスを取ることを意識しましょう。

寝るときも、枕のサイズや柔らかさなど、自分に合ったものを選ぶなどして、バランスの良い姿勢で眠ることが大切です。

3)服装など

重い洋服は肩こりにつながりやすくなります。特に、冬場は厚着をすることが多いため、コートなどの防寒具はなるべく軽めのものを選びましょう。

また、靴選びも肩こり対策として重要です。足に合わない靴やヒールの高い靴を履いていると、歩き方に無理が生じて全身のバランスが崩れてしまい、一部の筋肉に負担をかけることになります。靴を買う際には、店で専門家の意見を聞きながら、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

4)運動

運動不足は筋肉の硬化による血行不良を招きます。「休憩時間に簡単な体操をする」「エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する」「休日にウオーキングや水泳など、全身を動かすスポーツをする」など、日常から意識して運動を行うことが重要です。

5)ストレス対策

ストレスは、仕事や日ごろの生活の中で少しずつ蓄積され、やがて大きくなると肩こりを引き起こします。「小まめにストレッチをする」「一日のうちでゆっくりできる時間を持つ」「趣味に没頭する」などで、ストレス解消を心掛けましょう。

6)その他

肩こりは血行不良によって起こるため、こっている部分を温めて血行を良くすることが解消につながります。例えば、「入浴時に温かいシャワーを当てて刺激する」「乾いたタオルをのせ、その上から温めた蒸しタオルを当てる」「ドライヤーの温風やカイロを当てる」などの方法が効果的です。

以上(2024年3月更新)
(監修 株式会社フェアワーク 吉田健一)

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忙しい経営者のダイエットは無理をせず、“コツコツ”がポイント

書いてあること

  • 主な読者:健康管理の一環としてダイエットを考えている経営者
  • 課題:忙しくて運動をする時間が取れないし、会食が多くてダイエットが難しい
  • 解決策:隙間時間を活用した運動や、緩やかな糖質制限ダイエットなどに取り組む

1 あなたの健康管理は万全ですか?

「体が資本。ビジネスをする上で、健康が第一」です。

言われなくても分かっていることですが、経営者は「多忙でなかなか運動をする時間が取れない」「会食に行く頻度が高い」といったケースが多く、ダイエットがしにくい環境に置かれています。

とはいえ、経営のかじ取りをする経営者の身に、何か起きてからでは手遅れです。最近、体重が気になるという人は、できるだけ早い時期からダイエットに努め、健康な体をつくっていくことが大切です。この記事では、忙しい経営者がダイエットを成功させるポイントと、具体的なダイエット方法を紹介します。

2 ダイエットを成功させるポイント

1)無理をせず、“コツコツ型”で進める

ダイエットの目標は、健康な体を手に入れることであり、無理をして体を壊してしまっては本末転倒です。短期間で大きな成果を上げようとするのではなく、時間をかけて少しずつ減量にチャレンジしましょう。

大幅な減量を目指す場合も、いきなり過大な目標を立てるのではなく、まずは無理のない範囲で設定してください。それを達成できたら、改めて次の目標を設定するといったように、“コツコツ型”のダイエットがお勧めです。

なお、健康面で不安がある場合は、必ず医師に相談してからダイエットに取り組みましょう。

2)「隙間時間」をうまく使う

ダイエットに取り組む際は、毎日同じ時間に食事や運動をするなど、生活リズムを整えることが大切です。また、朝は体内の血糖値が低い関係で比較的脂肪が燃焼しやすいため、午前中の運動はダイエットに効果的といわれています。

ただ、午前中はメールの確認や打ち合わせ、業務指示などで特に忙しい経営者も多いでしょう。そうした場合は、無理に午前中に運動しようとせず、業務の合間や帰宅後のプライベートな時間など、自分の生活時間に合わせて、小まめにダイエットに取り組むとよいでしょう。

3)ダイエット(運動)仲間と一緒に取り組む

1人でダイエットを続けるのはなかなか大変ですが、仲間がいると、モチベーションが上がって取り組みやすくなることもあります。例えば、週に1度ランニングをする仲間などがいれば、「自分も頑張ろう」と張り合いが生まれます。

4)自分の現状をしっかりと把握する

ダイエットに取り組む場合、食事の摂取カロリー量や運動量の参考とするために、BMIなど自分の体に関するデータを把握しましょう。

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また、ダイエット中は毎食の摂取カロリーを記録しておきましょう。そうすると、例えば「1日に必要なエネルギーは2200キロカロリーなのに、今日の摂取カロリーは2800キロカロリーだった。600キロカロリーオーバーだから、明日からはもう少し食事量を調整しよう」といった具合に、自分の状況に合わせてダイエットの方針を決められます。

毎食の摂取カロリーを記録するのが難しい場合は、手帳にその日に食べたものをメモしておき、後でまとめて計算すればよいでしょう。

3 日々の食生活を見直す

1)糖質制限ダイエットを試してみる

糖質制限ダイエットは、パンや甘いものなどの糖質の摂取量を抑えるダイエット法です。制限する糖質量によって異なりますが、外食でも対応しやすく、前述したような細かいカロリー計算をしなくても、ある程度成果が出やすく、ダイエットの定番としてよく知られています。

手軽に取り組む場合は、朝食のパンを低糖質の商品に置き換える、朝食と昼食は通常通り食べて夕食のみおかずだけでご飯を抜くなど、糖質の高いメニューをあらかじめ把握しておき、無理のない範囲で糖質の摂取を控えるとよいでしょう。

2)かむ回数を増やして食事の量をコントロールする

かむ回数が増えると、満腹中枢や摂食中枢が刺激され、脳が満腹だと感じるため、食事の量を減らしても満腹感を得やすくなります。また、がんや虫歯・歯周病の予防、全身の体力向上にも効果があるといわれています。

日本歯科衛生士会「よく噛んで食べるための7カ条」を意識するとよいでしょう。

  1. 一口30回、噛んで食べる
  2. 右で10回、左で10回、両方で10回、噛んで食べる
  3. 飲み込もうと思ったら、あと10回噛む
  4. 食べ物の形がなくなるまで、よく噛む
  5. 先の食べ物を飲み込んだら、次のものを口に入れる
  6. 口に食べ物が入っている間は、水分を摂らない
  7. 一口食べたら、箸を置く

3)低カロリーで満腹感を得る

カロリーを抑えたものを多く食べて満腹感を得る方法もあります。例えば、白米に刻んだしらたき(こんにゃく)を混ぜて、かさを増やすなどの方法もお勧めです。

また、野菜サラダを多く食べた後に肉などのメイン料理に手を付けるなど、食べる順番も工夫しましょう。一般的に、最初に野菜をよくかんで食べると満腹感が高まり、炭水化物などの過剰摂取を防げるといわれています。さらに、野菜に入っている食物繊維は、血糖値の上昇を抑える効果があり、糖尿病の予防にもつながります。

4)夜遅くに食べない

ダイエットをする場合、夜遅くの食事は避けましょう。なぜなら、エネルギーが消費されにくく、余ったエネルギーが体脂肪として蓄積され、肥満の原因になります。また、翌朝は食欲がなくなり朝食が食べられなくなることで生活リズムにも悪影響が出ます。

ただし、忙しい経営者はどうしても食事が夜遅くになってしまうこともあるでしょう。そのような場合、できるだけ低脂肪で消化の良いものを食べるようにしましょう。野菜などを多く取り、お肉や揚げ物などは少なめにするのがお勧めです。

4 運動によって代謝しやすい体をつくる

1)運動をする際の参考

運動をして消費カロリーを増やすことは、ダイエットの基本です。運動で消費されるカロリーはそれほど多くないものの、筋肉がついて基礎代謝が上がれば、太りにくい体質に近づきます。

継続的に取り組む運動の例は次の通りです。なお、性別や体重を選択して、簡単に運動の消費カロリーを調べることができるウェブサイトやスマートフォン用のアプリなどがあるため、運動をする際の消費カロリーの参考にしてみるとよいでしょう。

2)ウオーキング(散歩)に取り組む

昼食後のウオーキングを日課にするなど、小まめに歩くようにしましょう。歩くことは運動の基本であり、生活に手軽に取り入れられます。また、ウオーキングは、外の風に当たり体を動かすことで、気分をリフレッシュできます。行き詰まったときなどに思考を整える効果も期待できるでしょう。

3)ランニングやマラソンに取り組む

ランニングやマラソンに取り組むことも検討しましょう。ランニングやマラソンは体力をつけられるため、ハードに働きたい経営者にはお勧めです。

ただし、いきなりランニングやマラソンに取り組むのは、普段運動をしていない人にはハードルが高いかもしれません。そのため、例えば、東京マラソンへの参加を最終目標として、最初は短い距離から始めて少しずつ走行距離を延ばしていくなど、楽しみを見つけながら取り組むことがポイントになります。

4)筋トレに取り組む

ダイエットには筋トレもお勧めです。筋トレで筋肉量を増やして基礎代謝を上げれば、カロリーを消費しやすい体をつくれます。

筋トレというと、ジムにある器具を使っての本格的なトレーニングを想像する人も多いかもしれませんが、筋トレは自宅でも可能です。

腕立て伏せや腹筋、スクワットなどの自重トレーニングでも十分に筋肉をつけられます。忙しくてジムに通う時間が取れない経営者は、自宅などでの自重トレーニングを検討してみてください。

5)プロの手を借りるのも手

忙しい経営者は、限られた時間で効率的に運動をして、成果を上げたいと思う人も多いのではないでしょうか。こうした場合、トレーナーの力を借りるのも1つの方法です。体への負担を軽減させながら、自分に合ったトレーニングメニューを提案してもらえます。

最近は、トレーナーがマンツーマンで指導をしてくれる「パーソナルトレーニング」も増えているので、ぜひ利用を検討してみてください。

以上(2024年3月更新)

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【朝礼】管理職の皆さん、もっと闘ってください

おはようございます。今日は、特に管理職の皆さんに伝えたいメッセージがあります。それは、「もっと闘ってください」です。

今どきはすぐに「何とかハラスメント」と言われたり、SNSに投稿されたりするので、とにかく“空気”を読み、波風を立てないことが良しとされがちです。そうなると、物事に異を唱えたり、主張すべきことを主張しなかったり、指導を怖がったりして、「闘わない管理職」が出てきます。

これは由々しき事態です。私は管理職の皆さんに、声を大にして伝えます。おかしいと思うことには、堂々と異を唱えてください。主張すべきところは、相手がどこの誰であろうと、真正面からきちんと主張してください。部下やメンバーが間違っていて正す必要があるなら、しっかりと厳しく指導をしてください。管理職の皆さんには、その権利がありますし、もっと言えば、そうする義務があるのです。

昔、私は、社外の人と契約を結ぶとき、主張すべきことを主張せず、大失敗したことがあります。大企業との初取引で、売り上げが欲しいと焦った私は、相手にとって有利な条件の契約を、ほぼ相手の要求通りの内容で通してしまったのです。契約は締結できましたが、後になってから、金額的にも納期的にも、こちら側が一方的に無理をしなければならなくなり、部下にも大変な思いをさせ、結局、たった1年でこちらから契約解消を申し出ることになってしまいました。

この大失敗で、私は「相手がどこの誰であろうと、こちら側の主張すべきことは、しっかり主張して闘うことが、部下や会社、そして相手、顧客をも守ることなのだ」と実感しました。

闘うのは、社内でも同じです。管理職の皆さん、上長や、たとえ社長の私であろうとも、おかしいと思うなら、指摘して闘ってください。部下に対してもそうです。嫌われること、波風が立つことを恐れていたら、指導はできません。時には厳しい指導も必要です。それで部下や周りから何か言われるようなら、そのときは私が管理職の皆さんを守ります。

ただし、「闘うこと」と「争うこと」とは違います。相手を打ち負かそうと批判したり、傷つけたり、自分勝手に主張したりするのは闘いではなく争いです。闘いはより良い結果を導くためのものですが、争いは何も生み出しません。むしろ、相手を打ち負かそうという思いが強くなることで、本当にハラスメントになってしまうケースもあります。私は「闘うこと」は応援しますが、「争うこと」には厳しく対処します。何のために闘うのかを見失わないようにしてください。

異を唱えたり、主張したり、厳しく指導したりするのは、正直に言って、面倒で手間のかかることでもあります。「闘う」とは、「面倒で手間のかかることから逃げ出そうとする自分と闘う」ことに他なりません。管理職の皆さん。もう一度言います。逃げずに、しっかり闘ってください。

以上(2024年3月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【規程・文例集】「ストレスチェック制度実施規程」のひな型

書いてあること

  • 主な読者:ストレスチェック制度を実施するための規程のひな型が欲しい経営者
  • 課題:具体的に何を定めればよいかが分からない。健康診断と似たような運用でいいの?
  • 解決策:実施者、受検結果などの扱いが健康診断と異なるので、明確にルールを定める

1 健康診断とのルールの違いに注意する

ストレスチェック制度とは、

社員が所定の質問に答えて自身のストレス状態を把握する「ストレスチェック」や、高ストレス者に対する「医師による面接指導」などの一連の施策のこと

です。社員数が常時50人以上の会社は、年1回以上、ストレスチェックを実施しなければなりません(社員数が常時50人未満の会社は努力義務)。

ストレスチェック制度を実施するには、制度の実施者や受検結果の取り扱いなどについて、就業規則(ストレスチェック制度実施規程など)で定める必要があります。問題は、

ストレスチェック制度と健康診断のルールを混同している会社が少なくないこと

です。どちらも社員の健康状態をチェックするための制度ですが、両者は似て非なるものです。

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「健康診断と混同している部分があるかもしれない……」という人は、次章で専門家が監修したストレスチェック制度実施規程のひな型を紹介していますので、自社の就業規則と照らし合わせながら確認してみましょう。

2 ストレスチェック制度実施規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【ストレスチェック制度実施規程のひな型】

第1章 総則

第1条(目的)

本規程は、株式会社○○○○(以下「会社」)が、労働安全衛生法第66条の10の規定に基づく「心理的な負担の程度を把握するための検査等」(以下「ストレスチェック制度」)を実施するに当たり、その実施方法等を定めるものである。本規程に定めのない事項は、労働安全衛生法その他の関係法令によるものとする。

第2条(定義)

本規程において使用する語句の定義は次の各号に定める通りである。

  1. ストレスチェック:
    ストレスに関する質問票に従業員が記入し(またはITシステムに入力し)、それを集計・分析することで、従業員が自らのストレスの状態を調べる検査。
  2. ストレスチェック制度:
    ストレスチェックの結果を踏まえた医師による面接指導や集団分析等、一連の施策の総称。
  3. 衛生委員会:
    労働安全衛生法第18条に定められている組織で、従業員の健康障害を防止するための基本となるべき対策などを調査審議する。
  4. 衛生管理者:
    労働安全衛生法第12条に定められている者で、従業員の安全または衛生のための教育の実施など、衛生にかかわる技術的事項を管理する者。
  5. 産業医:
    労働安全衛生法第13条に定められている者で、従業員の健康管理および、健康診断や面接指導等、作業環境の維持管理、健康教育などの項目について医学に関する専門的知識を必要とする業務を行う医師。
  6. 集団分析:
    ストレスチェックの結果を、個人が特定されない一定の規模で分析すること。

第3条(適用範囲)

1)ストレスチェック制度の適用範囲は、次の各号のいずれにも該当する従業員である。

  1. 会社と期間の定めのない労働契約を交わしている従業員。次のいずれかに該当する期間の定めのある労働契約を交わしている従業員を含む。

    a.労働契約の契約期間が1年以上の従業員

    b.契約更新により1年以上使用される予定の従業員

    c.1年以上継続して使用されている従業員

  2. 1週間の労働時間が、当該事業場の同種の業務に従事する通常の従業員の所定労働時間の4分の3以上の従業員。

2)会社は、原則として人材派遣会社等から当社に派遣されている派遣労働者をストレスチェック制度の適用対象としない。

第4条(趣旨等の周知)

会社は、次の各号に定める内容を社内掲示板に掲示する他、本規程を配布する等の方法により、ストレスチェック制度の趣旨等を従業員に周知する。

  1. ストレスチェック制度は、従業員自身のストレスへの気付きおよびその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的とするものであり、メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものである。
  2. 従業員にストレスチェックの受検義務はない。ただし、専門医療機関に通院中等の特別な事情がない限り、受検することが望ましい。
  3. ストレスチェックの結果は直接本人に通知され、本人の同意なく会社が結果を入手することはない。従って、ストレスチェックを受検するときは、正直に回答することが重要である。
  4. 本人がストレスチェックの結果を会社に提供することに同意した場合や、医師による面接指導を申し出た場合、会社はそれらによって得た情報を本人の健康管理のために限って使用する。
  5. 本規程第37条に定める事項。

第2章 ストレスチェック制度の実施体制

第5条(ストレスチェック制度担当者)

1)ストレスチェック制度担当者(以下「担当者」)は、ストレスチェック制度の実施計画の策定や計画に基づく実施の管理等の実務を行う。

2)担当者は人事労務課の従業員および衛生管理者とし、その氏名は社内掲示板に掲示する等の方法により従業員に周知する。

3)人事異動等により担当者の変更があった場合は、その都度、同様の方法により従業員に周知する。本規程第6条のストレスチェックの実施者、第7条のストレスチェックの実施事務従事者、第8条の面接指導の実施者についても同様の扱いとする。

第6条(ストレスチェックの実施者)

1)ストレスチェックの実施者(以下「実施者」)は、実際にストレスチェックを行う他、ストレスチェック制度の実施計画の策定などにも積極的に協力する。

2)実施者は会社の産業医および保健師の2名とし、産業医を実施代表者、保健師を共同実施者とする。

第7条(ストレスチェックの実施事務従事者)

1)ストレスチェックの実施事務従事者(以下「実施事務従事者」)は、実施者の指示のもとストレスチェックの日程調整、従業員等への連絡、調査票の配布と回収、結果のデータ入力等の各種事務処理を担当する。

2)実施事務従事者は人事労務課の従業員および衛生管理者とするが、人事に関する権限を有する者は実施事務従事者になることはできない。

第8条(面接指導の実施者)

ストレスチェックの結果に基づく面接指導の実施者は会社の産業医とする。

第3章 ストレスチェック制度の実施方法

第1節 ストレスチェック

第9条(ストレスチェックの実施時期)

ストレスチェックは1年以内ごとに1回実施するものとし、実施時期は業務の状況を勘案して部門ごとに設定する。

第10条(対象者)

1)適用対象となる従業員は、専門医療機関に通院中等の特別な事情がない限り、実施時期にストレスチェックを受検するように努めなければならない。

2)ストレスチェック受検の意思があるものの、出張等の業務上の都合により、ストレスチェックの実施期間にストレスチェックを受検することができなかった従業員は、会社が別途指定する実施時期にストレスチェックを受検するものとする。

3)ストレスチェックの実施時期の全期間に休職しており、休職期間が1カ月以上の従業員については、ストレスチェックの対象外とする。

第11条(受検の勧奨)

会社は、従業員の受検状況を把握し、未受検の従業員に対して、実施事務従事者または各職場の管理者を通じて受検の勧奨を行うことがある。

第12条(調査票および方法)

1)ストレスチェックは、厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用いて行う。

2)ストレスチェックは、社内LANを用いてオンラインで実施する。社内LANが利用できない従業員は、紙媒体で実施する。

第13条(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)

1)ストレスチェックの個人結果の評価は、厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(以下「マニュアル」)に示されている素点換算表を用いて換算し、その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。

2)高ストレス者の選定は、マニュアルに示されている「評価基準の例(その1)」に準拠し、以下のいずれかに該当する者を高ストレス者とする。

  1. 「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が77点以上である者。
  2. 「仕事のストレス要因」(17項目)および「周囲のサポート」(9項目)を合算した合計点数が76点以上であって、かつ「心身のストレス反応」(29項目)の合計点数が63点以上の者。

第14条(ストレスチェックの結果の通知方法)

ストレスチェックの個人結果の通知は、「実施者または実施者の指示を受けた実施事務従事者」(以下「ストレスチェックの結果通知者」)が実施者名で行う。通知方法は、原則として各従業員に電子メールを送信することで行うが、電子メールが利用できない従業員および電子メールを希望しない従業員に対しては封筒に封入し、紙媒体で通知する。

第15条(セルフケア)

従業員は、ストレスチェックの結果および結果に記載された実施者の助言・指導に基づき、ストレスを軽減するためのセルフケアを適切に行うように努めなければならない。

第16条(会社への結果提供に関する同意の取得方法)

実施者は、ストレスチェックの結果を従業員に通知する際、その内容を会社に提供することについて同意するか否かの意思確認を行う。従業員が同意する場合は、従業員は結果通知の電子メールに添付または封筒に同封された「同意書」(省略。以下、同様)に入力または記入し、発信者宛てに送付するものとする。同意書の提出が確認された場合、ストレスチェックの結果通知者は、実施者の指示により、ストレスチェックの結果の写しおよび「同意書」の写しを人事労務課に提供する。

第17条(ストレスチェック受検時の賃金の取り扱い等)

1)ストレスチェックの受検に要する時間は業務時間として取り扱う。

2)従業員は、業務時間中にストレスチェックを受検するものとし、管理者は従業員がストレスチェックを受検する時間を確保できるように配慮しなければならない。

第2節 医師による面接指導

第18条(面接指導の申出の方法)

1)ストレスチェックの結果、医師による面接指導を受ける必要があると判定された従業員が医師の面接指導を希望する場合、結果通知の電子メールに添付または封筒に同封された「面接指導申出書」(省略。以下、同様)に入力または記入し、結果通知の電子メールあるいは封筒を受け取ってから30日以内に、発信者宛てに送付するものとする。

2)医師による面接指導を受ける必要があると判定された従業員から、結果通知後20日以内に「面接指導申出書」の提出がなされない場合は、ストレスチェックの結果通知者は、実施者の指示により、実施者名で電子メールまたは電話により申出の勧奨および最終的な意思確認を行う。この際、第三者にその従業員が面接指導の対象者であることが知られないよう配慮する。

3)医師による面接指導を受ける必要があると判定された従業員以外の従業員から、面接指導の申出を受けた場合、会社はこれを拒むことができる。

第19条(面接指導の実施方法)

1)面接指導の実施日時および場所は、面接指導の実施者または面接指導の実施者の指示を受けた実施事務従事者が、該当する従業員およびその管理者に電子メールまたは電話により通知する。この際、第三者にその従業員が面接指導の対象者であることが知られないよう配慮する。なお、面接指導の実施日時は、「面接指導申出書」が提出されてから、30日以内に設定する。

2)通知を受けた従業員は、指定された日時に面接指導を受けるものとし、管理者は従業員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。

第20条(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)

会社は、面接指導が終了してから30日以内に、「面接指導結果報告書兼意見書」(省略。以下、同様)により、面接指導の実施者から結果の報告および意見の提出を受ける。

第21条(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)

1)面接指導の実施者から、面接指導の結果を踏まえた就業上の措置が必要であるとの意見書が提出され、これに基づいて会社が人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合、人事労務課の担当者が該当する従業員に就業上の措置の内容およびその理由等を説明する。なお、前記説明を行う際は面接指導の実施者も同席するものとする。

2)従業員は、正当な理由がない限り、会社が指示する就業上の措置に従わなければならない。

第22条(面接指導を受けるのに要する時間の賃金の取り扱い)

面接指導を受けるのに要する時間は業務時間として取り扱う。

第3節 集団ごとの集計・分析

第23条(集計・分析の対象集団)

ストレスチェックの結果の「集団ごとの集計・分析」(以下「集団分析」)は、原則として、課ごとの単位で行う。ただし、10人未満の課については、他の課と合算する等して個人が特定されない規模で行う。

第24条(集計・分析の方法)

集団分析は、マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。

第25条(集計・分析結果の利用方法)

1)ストレスチェックの結果通知者は、実施者の指示により、人事労務課に集団分析の結果(個人のストレスチェックの結果が特定されないもの)を提供する。

2)会社は、集団分析の結果に基づき、必要に応じて、職場環境の改善のための措置、管理者に対する研修を行う。従業員は、会社が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。

第4章 記録の保存

第26条(ストレスチェックの結果の記録の保存担当者)

ストレスチェックの結果の記録の保存担当者は、実施事務従事者である衛生管理者とする。

第27条(ストレスチェックの結果の記録の保存期間・保存場所)

ストレスチェックの結果の記録は、会社のサーバーまたは金庫内に5年間保存する。

第28条(ストレスチェックの結果の記録の保存に関するセキュリティーの確保)

保存担当者は、会社のサーバーまたは金庫内に保管されているストレスチェックの結果が第三者に閲覧されることがないよう、パスワードの設定等、必要な管理を徹底しなければならない。

第29条(会社に提供されたストレスチェックの結果・面接指導結果の保存方法)

1)人事労務課は、従業員の同意を得て会社に提供されたストレスチェックの結果の写しおよび「同意書」の写し、ストレスチェックの結果通知者から提供された集団分析の結果、「面接指導結果報告書兼意見書」を、社内の金庫に5年間保存する。

2)人事労務課は、第三者に社内に保管されている前項の資料が閲覧されることがないよう、必要な管理を徹底しなければならない。

第5章 ストレスチェック制度に関する情報管理

第30条(ストレスチェックの結果の共有範囲)

従業員の同意を得て会社に提供されたストレスチェックの結果の写しは、人事労務課内のみで保有する。

第31条(面接指導結果の共有範囲)

「面接指導結果報告書兼意見書」は、人事労務課内のみで保有する。そのうち就業上の措置の内容等、職務遂行上必要な情報に限定して、該当する従業員の管理者に提供する。

第32条(集団分析結果の共有範囲)

1)実施者から提供された集団分析の結果は、人事労務課内で保有するとともに、課ごとの結果については当該課の管理者に提供する。

2)会社は、集団分析の結果とそれに基づいて実施した措置の内容を、衛生委員会に報告する。

第33条(健康情報の取り扱いの範囲)

ストレスチェック制度に関して取り扱われる従業員の健康情報のうち、診断名、検査値等の生データや詳細な医学的情報は実施者が取り扱うものとする。人事労務課に関連情報を提供する際は、適切に加工しなければならない。

第6章 情報開示、訂正、追加および削除と苦情処理

第34条(情報開示等の手続き)

従業員は、ストレスチェック制度に関して情報の開示等を求める際には、「ストレスチェック制度の情報開示請求」(省略)を人事労務課に提出するものとする。

第35条(苦情申し立ての手続き)

従業員は、ストレスチェック制度に関する情報の開示等について苦情の申し立てを行う際には、「ストレスチェック制度の苦情申立書」(省略)を人事労務課に提出するものとする。

第36条(守秘義務)

従業員からの情報開示や苦情申し立てに対応した人事労務課の従業員は、それらの職務を通じて知り得た従業員の秘密を第三者に漏らしてはならない。

第7章 不利益な取り扱いの防止

第37条(会社が行わない行為)

会社は、ストレスチェック制度に関して次の行為を行わない。

  1. 医師による面接指導の申出を行った従業員に対して、申出を行ったことを理由として、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  2. 従業員の同意を得て会社に提供されたストレスチェックの結果を理由として、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  3. ストレスチェックを受検しないことを理由として、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  4. ストレスチェックの結果を会社に提供することに同意しないことを理由として、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  5. 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず、その申出を行わないことを理由として、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  6. 就業上の措置を行うに当たって、面接指導の実施者から意見を聴取する等、労働安全衛生法および労働安全衛生規則に定められた手順を踏まずに、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  7. 面接指導の結果に基づく就業上の措置を行うに当たって、面接指導の実施者の意見と内容・程度が著しく異なるなど必要と認められる範囲内となっていないものや、従業員の実情が考慮されていないものなど、労働安全衛生法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で、その従業員に不利益となる取り扱いを行うこと。
  8. 面接指導の結果に基づく就業上の措置として、次に掲げる措置を行うこと。

    a.解雇すること。

    b.期間を定めて雇用される従業員について契約の更新をしないこと。

    c.退職勧奨を行うこと。

    d.不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換や職位(役職)の変更を命じること。

    e.その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること。

第8章 雑則

第38条(改廃)

本規程の改廃は、衛生委員会において調査審議を行い、その結果に基づいて変更を行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2024年3月更新)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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画像:ESB Professional-shutterstock

【健康経営】ストレスチェック制度の実務チェックリスト47項目

1 特有のルールがあり、実務も多いストレスチェック制度

ストレスチェック制度とは、

社員が所定の質問に答えて自身のストレス状態を把握する「ストレスチェック」や、高ストレス者に対する「医師による面接指導」などの一連の施策のこと

です。社員数が常時50人以上の会社は、年1回以上、ストレスチェック制度を実施する義務があります。現状、社員数が常時50人未満の会社は努力義務ですが、政府は近年のメンタルヘルス不調の増加などを考慮し、これらの会社も義務化の対象に加える方針のようです。

そんな状況なので、今後中小企業においてもストレスチェック制度の実施に取り組む会社が増えてくることが予想されますが、注意しなければならないのは、

ストレスチェック制度には、「健康診断と違って社員に受検を強制できない上に、受検結果も社員の同意がないと取得は不可」など特有のルール

があり、場当たり的に取り組むと法令違反や実務の抜け漏れが起きかねないという点です。

そこで、この記事では、

ストレスチェック制度で最低限押さえるべき47項目の実務チェックリスト

を紹介します。ストレスチェック制度を実施する前に、この記事の実務チェックリストを確認してみてください。なお、ストレスチェック制度の実施に当たって疑問や悩みがある場合は、労働者健康安全機構の「ストレスチェック制度サポートダイヤル」などをご利用ください。

■労働者健康安全機構「ストレスチェック制度サポートダイヤル」■

https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/helpline/tabid/1008/Default.aspx

2 これだけは押さえる! 実務チェックリスト47項目

ストレスチェック制度を実施する際は、次のチェックリストを実務の抜け漏れ防止にご活用ください。

画像1

なお、最後(その他)の「心理的な負担の程度を把握するための検査等報告書」については、

2025年1月1日から「電子政府の総合窓口(e-Gov)」によるオンラインでの提出(電子申請)が義務化

されているのでご注意ください。

■厚生労働省「労働局・労働基準監督署への申請・届出はオンラインをご活用ください」■

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/denshishinsei.html

以上(2025年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 渡邉和也)

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【健康経営】健康診断の対象者や診断項目はどうやって決まる?

1 ルールを押さえた上で工夫する

働き方が自由になる中で、健康診断についても、

  • 社員の自宅近くの病院で健康診断を受けられるようにした
  • テレワークで社員の健康が気になるので、会社の裁量で診断項目を増やした

といった見直しを検討する会社が増えています。このように社員のために工夫を凝らすのはよいですが、健康診断については労働安全衛生法と関係法令でさまざまなルールが定められていて、知らず知らずのうちに法令に違反してしまうケースがあります。違反となれば罰則(50万円以下の罰金)が科せられることもあります。

そうならないためには、会社はどのようなことに注意すればよいのでしょうか。この記事では、健康診断のルールを次の3つにまとめて紹介します。

  1. 対象者のルール:従事する業務によっては特殊な健康診断もある
  2. 診断項目のルール:法定項目は必ず、法定外項目は会社の裁量で実施
  3. 診断結果のルール:異常の所見がないかを確認。データの取り扱いに細心の注意を払う

2 対象者のルール

1)法定の健康診断の種類

法定の健康診断には、一般健康診断と特殊健康診断等とがあります。

  • 一般健康診断:社員の職種に関係なく行うもので、5種類ある
  • 特殊健康診断等:特定の有害な業務に常時従事する社員に行うもので、3種類ある

それぞれの内容は次の通りです。

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健康診断の実施場所については細かい制限がないので、「医師が健康診断を行う医療機関」であれば、対象者ごとに実施場所が違っても問題ありません。ただし、

健康保険の保険者(全国健康保険協会など)から健康診断の費用補助を受ける場合、保険者が指定する医療機関

で行う必要があります。

なお、この他、図表1に含まれない(一般健康診断でも特殊健康診断等でもない)イレギュラーな健康診断として、

  • リスクアセスメント対象物に関する健康診断
  • 濃度基準値設定物質に関する健康診断

があります。

リスクアセスメント対象物とは、「ラベル表示、SDS等による通知」「職場における危険性・有害性の特定・リスク低減等」が義務付けられている危険・有害物質のことで、これを取り扱う事業場では、リスクアセスメント(有害性のリスク診断)の結果に基づいて社員の意見を聴き、必要に応じて健康診断を実施し、就業上必要な措置を講じる義務があります。

濃度基準値設定物質とは、リスクアセスメント対象物のうち、ばく露量が濃度基準値(厚生労働大臣が定める濃度の基準値)以下なら健康障害を生ずる恐れがない物質として厚生労働大臣が定める物質のことで、濃度基準値設定物質について、社員が濃度基準値を超えてばく露した恐れがある場合、速やかに健康診断を実施し、就業上必要な措置を講じる義務があります。

2)役員も現場で働いていれば対象

健康診断の対象は、原則として社員だけですが、

兼務役員(経営業務以外の業務にも携わり賃金が支払われる)は対象

になります。

3)パート等(パートタイマー、嘱託社員など)、派遣社員の場合

パート等については、一般健康診断の場合は図表2で「○」が付く社員、特殊健康診断等の場合は特定の有害業務に常時従事する社員が、健康診断の対象になります。

画像2

派遣社員の場合も、考え方はパート等(図表2)と同じですが、

  • 一般健康診断は「派遣元」に実施義務がある
  • 特殊健康診断等は「派遣先」に実施義務がある

といった違いがあるので注意が必要です。

3 診断項目のルール

1)法定項目と法定外項目

健康診断の項目には、

  • 法定項目:法令で受診が義務付けられており、原則として、社員に受診させる
  • 法定外項目:会社が裁量で決める「がん検診」などで、受診するか否かは社員の自由

があります。

例えば、雇入時健康診断と定期健康診断の法定項目は次の通りです。

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費用は原則として全額会社負担ですが、35歳以上で健康保険の被保険者である社員については、「生活習慣病予防健診」として保険者から費用の補助を受けられます(全国健康保険協会の場合。健保組合によっては、健保組合独自の給付制度が用意されている場合があります)。

2)就業規則等の規定に注意

法定項目は法令に基づくため、無条件で社員に受診を命じられます。社員がこれを拒んでも、会社が健康診断の準備を整えていれば罰則(50万円以下の罰金)は受けません。一方、法定外項目は法令に基づかないので、

就業規則等に「診断項目の内容」「社員に受診を義務付ける旨」を定めるか、社員の同意を得ないと受診を命じることはできない

といった違いがあります。

また、法定項目と法定外項目とを問わず社員が受診を拒んだ場合、就業規則等の懲戒事由に定めがあれば、その社員を懲戒処分の対象とすることができます。とはいえ、違反内容に対して重すぎる懲戒処分は過剰制裁となるため、基本的には戒告・けん責など軽めのものとすべきでしょう。

4 診断結果のルール

1)診断結果の取得

診断結果は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」に該当するため取り扱いに注意が必要で、法定項目と法定外項目とで次のような違いがあります。

  • 法定項目:社員の同意を得なくても取得可能
  • 法定外項目:「健康管理のため」など情報の利用目的を示し、社員の同意を得て取得

実務上、診断結果は会社に直接送られてくることが多いので、遅滞なく社員本人に通知する必要があります。

2)診断結果の保存

法定項目の診断結果は、

  • 一般健康診断の場合、5年間の保存
  • 特殊健康診断等の場合、5年間から40年間の保存(健康診断の種類により異なる)

が義務付けられています。なお、派遣社員の場合は少し特殊で、一般健康診断の診断結果は原則として派遣元のみが保存、特殊健康診断等の診断結果は派遣先が原本、派遣元が写しを保存します。

診断結果は、紙の他、データ(PDFなど)でも保存できます。なお、医師等の押印・電子署名は不要です。

3)診断結果を提供できる範囲

健康診断で異常の所見があった社員については、配置転換など就業上必要な措置について医師などの意見を聴きます。その際、医師などから過去の診断結果などの情報を求められた場合は、提供することが認められています。

この他にも、就業上の措置を実施する上で必要最小限な範囲、例えば、社員の健康管理業務に従事する産業医、保健師、衛生管理者などには過去の診断結果などの情報を提供できます。ただし、「上司」などは社員との関係は深いものの、健康管理業務に従事しないため、原則として情報は提供すべきではありません。

4)「健康診断結果報告書」の届け出

社員数50人以上で定期健康診断を実施した会社、特殊健康診断等を実施した全ての会社は、健康診断の実施後、遅滞なく所定の「健康診断結果報告書」を作成して所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。なお、健康診断結果報告書については

2025年1月1日から「電子政府の総合窓口(e-Gov)」によるオンラインでの提出(電子申請)が義務化

されているのでご注意ください。

■厚生労働省「各種健康診断結果報告書」■

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/18.html

■電子政府の総合窓口(e-Gov)■

https://www.e-gov.go.jp/

■厚生労働省「労働局・労働基準監督署への申請・届出はオンラインをご活用ください」■

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/denshishinsei.html

以上(2025年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 栗原功佑)

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【健康経営】健康診断で「異常」の所見があったらどうする?

1 健康診断は「異常」が発見されてからが本番!

会社は労働安全衛生法などに基づき、法定の健康診断(定期健康診断など)を実施する義務があります。ただ、これで終わりではなく、「異常」の所見があった社員について、

医師等(医師または歯科医師)の意見を聴き、必要に応じて労働時間の短縮や配置転換などをしなければならない

ことをご存知でしょうか。この義務には罰則がなく、「健康診断の後は社員の責任」という勘違いもあってか、

  • 健康診断の結果を確認していない
  • 「異常」の所見があった社員に、病院に行くよう忠告するだけで終わっている

など、健康診断がやりっ放しになりがちです。

健康診断は社員の健康を守るために実施するものであり、

「異常」が発見されてからが本番!

といっても過言ではありません。ちなみに、定期健康診断で「異常」の所見があった社員の割合は2023年時点で58.9%に上ります。会社が何もしなければ、6割近い社員の健康が危ぶまれると思って、以降で紹介する「異常」の所見があった社員への対応をご確認ください。

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2 「異常なし」以外は「異常」の所見あり

健康診断結果には、社員の健康状態が「判定区分」として記載されています。判定区分の設定は医療機関ごとに異なりますが、例えば次のようなイメージです。

  1. 異常なし:健康状態に特に問題はない
  2. 軽度異常:数値上は異常を認めるが、日常生活に差し支えない
  3. 経過観察:治療や精密検査は不要だが、生活習慣を改善しつつ経過を見る必要がある
  4. 要治療:病気と考えられるので、治療や保健指導を受ける必要がある
  5. 要精密検査:さらに詳しく検査を行い、病気の有無を確認する必要がある

上の5つの場合、「1.異常なし」以外は「異常」の所見があるものとなります。医療機関がこれ以外の判定区分を設定している場合も、

「所見を認めない」など、明らかに問題ないと判断できるもの以外は、基本的に「異常」の所見があるものと考えて差し支えない

でしょう。

3 医師等の意見聴取はどうやって進める?

「異常」の所見があった社員については、

健康診断をしてから3カ月以内に、就業上必要な措置について医師等の意見を聴取

しなければなりません。意見を聴取する相手は、

  • 会社の産業医(社員数が常時50人以上の場合、選任は義務)
  • 地域産業保健センター(労働者健康安全機構が運営)の健康相談窓口
  • 社員の主治医(社員が主治医の意見を会社に伝える)

などがあります。通常、社員の健康診断結果を医師等に渡した上で意見を聴取します。これは法令で認められた行為ですが、健康診断結果は「要配慮個人情報」なので、その取り扱いには注意しましょう。

さて、厚生労働省の指針では、医師等から主に聴取すべき意見として次の2つが示されています(厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」)。

  1. 就業区分(通常勤務でよいか、就業制限や休業が必要か)と必要な措置(労働時間の短縮、作業の転換など)に関する意見
  2. 作業環境管理(施設や設備の状況など)や作業管理(作業方法など)に関する意見

意見聴取は、口頭と書面(意見書など)のどちらで行っても構いませんが、

聴取した意見は、健康診断結果の個人票に記載しなければならない

ので注意してください。

4 就業上必要な措置って具体的に何?

就業上必要な措置の内容は、おおまかに次のように区分できます。

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多くの場合は「通常の勤務でよい」ということになりますが、そうでなければ医師等の意見を勘案して措置を実施します。その際、

措置の対象となる社員の意見も聴き、内容について了解を得た上で実施するのが望ましい

とされています(厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」)。

なお、措置を講じるために社員の上司などの協力を求める場合、社員の病気などに関する情報は提供せず、措置の目的や内容を中心に伝えるのが基本です。健康管理業務に従事しない上司に要配慮個人情報を提供すると、個人情報保護法に違反する恐れがあります。

5 社員に治療や精密検査を受けるよう命令できる?

ここまで会社の義務について紹介してきましたが、社員も自らの健康維持のために努力しなければなりません。例えば、

通常の勤務でよい(就業上必要な措置はない)が、治療や精密検査は必要

というのはよくあるケースですが、社員が治療や精密検査を受けないまま健康状態を悪化させたら、健康診断を実施した意味がありません。

こうした場合、就業規則に、

健康診断で「異常」の所見があるなど、会社が必要と認めた場合、治療や精密検査を受けなければならない

といったことを定めるとよいでしょう。また、命令する以上は、会社による費用負担、就業時間中の受診、受診している間の給与の支払いなどについても検討する必要があるでしょう。

6 「異常」の所見があった場合に役立つ制度はある?

健康診断の結果、次の4つの検査項目全てで「異常」の所見があった社員(例外あり)は、労災保険の「二次健康診断等給付」を受けられます。

  1. 血圧検査
  2. 血中脂質検査
  3. 血糖検査
  4. 腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定

二次健康診断等給付の内容は、

  1. 二次健康診断:脳血管と心臓の状態を把握するために必要な検査
  2. 特定保健指導:脳・心臓疾患の発症の予防を図るための保健指導

の2種類で、どちらも無料です(どちらも年度内に1回まで)。実施義務はありませんが、該当する社員がいる場合、積極的に受診を奨めるとよいでしょう。

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以上(2025年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 小出雄輝)

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画像:Marina Zlochin-Adobe Stock

【規程・文例集】最新法令に対応した 「安全衛生管理規程」のひな型

書いてあること

  • 主な読者:安全衛生に関する社内ルールを整備したい経営者
  • 課題:一口に安全衛生といっても幅広く、何を定めればよいか分からない
  • 解決策:まずは安全衛生に関する施策を組織的に実施できるよう体制を整えることが大切。会社の安全衛生管理体制に重点を置いて整備する

1 安全衛生管理体制と安全衛生管理規程

会社が社員を雇用し、両者の間で労働契約が結ばれると、

  • 会社は、社員が安全で衛生的に働けるよう配慮する「安全配慮義務」
  • 社員は、業務に支障がないよう自ら健康管理に取り組む「自己保健義務」

を負います。この2つの義務が確実に果たされるようにするには、会社と社員が協力して安全衛生に取り組むための社内ルールが必要になります。それが「安全衛生管理規程」です。

安全衛生管理規程の中心は「安全衛生管理体制」です。安全衛生管理体制とは、

会社が安全衛生に関する施策を実施するための担当者・委員会などの体制のこと

です。会社は、この安全衛生管理体制、各担当者の職務などを明文化することで、安全衛生に関する施策を組織的に実施します。担当者以外の社員も、この規程の内容を理解して会社の実施する措置に協力しなければなりません。なお、法律上の安全衛生管理体制には含まれませんが、

2024年4月1日から、リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場(社員数、業種を問わない)では、「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者」の選任が義務付けられる

ようになります。対象となる会社が限られますが、該当する場合は押さえておきましょう。

以降で、安全衛生管理規程のひな型を紹介します。なお、実際に会社が定めるべき安全衛生管理体制の内容は、社員数や業種によって異なりますので注意が必要です。詳細については、次の記事をご確認ください。

2 安全衛生管理規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容や選任が必要となる管理者等が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

なお、前述した2024年4月1日から選任が義務付けられる追加される「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者」については、第10条と第11条に記載しています。

【安全衛生管理規程のひな型】

第1条(目的)

本規程は、会社における安全衛生管理を実施するために、会社と従業員が取り組む基本的な事項を定めるものである。

第2条(責務)

1)会社は、法令の規定および会社の業務推進体制、従業員の就業の実態に照らして必要な安全衛生管理の体制を確立し、労働災害防止、従業員の健康の保持増進を図るものとする。

2)従業員は法令および本規程その他社内諸規程を誠実に順守し、会社の実施する措置に協力して労働災害防止に努めるとともに、自己の健康の保持増進に努めなければならない。

第3条(安全衛生管理体制等)

会社は、安全衛生管理の推進・維持のため、法令に基づき次の管理者および会議体を置く。

  1. 総括安全衛生管理者。
  2. 安全管理者。
  3. 衛生管理者。
  4. 産業医。
  5. 作業主任者。
  6. 化学物質管理者。
  7. 保護具着用管理責任者。
  8. 安全衛生委員会。

第4条(年間安全衛生管理計画)

会社は、年度(4月1日より翌年3月31日までとする)ごとに安全衛生管理目標およびその目標を達成するために必要な実施計画を立案するものとする。

  1. 作業設備や作業環境の改善。
  2. 工程および作業方法の改善。
  3. 点検表および作業手順などの整備。
  4. 作業事項および管理重点事項などの整備。
  5. 安全衛生意識高揚のための施策の立案。
  6. 検査、健康診断、環境測定、防火訓練など定期的に実施する事項。
  7. 安全週間、衛生週間および一斉点検などの主要行事。
  8. その他の必要事項。

第5条(総括安全衛生管理者の職務)

法令に基づき会社が選任した総括安全衛生管理者は、安全管理者および衛生管理者を指揮するとともに、次の事項を統括管理する。

  1. 従業員の危険または健康障害を防止するための措置に関すること。
  2. 従業員の安全または衛生のための教育の実施に関すること。
  3. 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
  4. 労働災害の原因の調査および再発防止対策に関すること。
  5. 安全衛生に関する方針の表明に関すること。
  6. 作業行動などに起因する危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置に関すること。
  7. 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価および改善に関すること。

第6条(安全管理者の職務)

1)法令に基づき会社が選任した安全管理者は、前条に定める統括安全衛生管理者の職務のうち安全に係る技術的事項を管理するものとし、次の事項を行う。

  1. 建設物、設備、作業場所または作業方法に危険がある場合における応急措置または適切な防止の措置。
  2. 安全装置、保護具その他危険防止のための設備・器具の定期的点検。
  3. 作業の安全についての教育および訓練。
  4. 発生した災害原因の調査および対策の検討。
  5. 消防および避難の訓練。
  6. 作業の責任者その他安全に関する補助者の監督。
  7. 安全に関する資料の作成、収集および重要事項の記録。

2)安全管理者は、作業場等を巡視し、設備、作業方法等に危険の恐れがあるときは、直ちにその危険を防止するための必要な措置を講じる。

第7条(衛生管理者の職務)

1)法令に基づき会社が選任した衛生管理者は、第5条に定める統括安全衛生管理者の職務のうち衛生に係る技術的事項を管理するものとし、次の事項を行う。

  1. 健康に異常のある者の発見および措置。
  2. 作業環境の衛生上の調査。
  3. 作業条件、施設などの衛生上の改善。
  4. 労働衛生保護具、救急用具などの点検および整備。
  5. 衛生教育、健康相談その他従業員の健康保持に必要な事項。
  6. 従業員の負傷、疾病、死亡、欠勤および異動に関する統計の作成。
  7. 衛生日誌の記載等職務上の記録の整備。

2)衛生管理者は、毎週1回作業場等を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに健康障害を防止するための必要な措置を講じる。

第8条(産業医の職務)

1)法令に基づき会社が選任した産業医は、次の事項を医学的見地から管理する。

  1. 健康診断および面接指導などの実施、並びにこれらの結果に基づく従業員の健康を保持するための措置に関すること。
  2. 作業環境の維持管理に関すること。
  3. 作業の管理に関すること。
  4. 従業員の健康管理に関すること。
  5. 健康教育、健康相談その他従業員の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
  6. 衛生教育に関すること。
  7. 従業員の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置に関すること。

2)産業医は、毎月1回、作業場等を巡視し、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに必要な措置を講じる。

3)会社は、法令に基づき、産業医が前項の職務を遂行するために必要な情報を提供する。

4)産業医は、第1項に定める事項について会社に対する勧告、衛生管理者に対する指導または助言を行う。会社は、産業医が従業員の健康を保持するために必要な勧告をした場合、その内容を安全衛生委員会に報告する。

第9条(作業主任者の職務)

法令に基づき会社が選任した作業主任者は、高圧室内作業その他労働災害を防止するための管理を必要とする危険・有害な作業を行う事業場において、当該業務に従事する従業員の指揮・使用する機械等の点検・その他法令等で定められた職務を行う。

第10条(化学物質管理者の職務)

法令に基づき会社が選任した化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場において、事業場の化学物質を管理するため、次の事項を行う。

  1. ラベル・SDS等の確認
  2. 化学物質に関わるリスクアセスメントの実施管理
  3. リスクアセスメント結果に基づくばく露防止措置の選択、実施の管理
  4. 化学物質の自律的な管理に関わる各種記録の作成・保存
  5. 化学物質の自律的な管理に関わる労働者への周知、教育
  6. ラベル・SDSの作成(リスクアセスメント対象物の製造を行う事業場の場合)
  7. リスクアセスメント対象物による労働災害が発生した場合の対応

第11条(保護具着用管理責任者の職務)

法令に基づき会社が選任した保護具着用管理責任者は、リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場において、従業員に保護具を使用させる場合、有効な保護具の選択、社員の使用状況の管理その他保護具の管理に関わる業務を行う。

第12条(安全衛生委員会)

1)会社は、法令に基づき、会社と従業員が協力して職場の安全衛生問題を調査・解決するなど、安全衛生管理を徹底するために安全衛生委員会(以下「委員会」)を設置する。

2)委員会の組織、運営の詳細は、別途定める「安全衛生委員会規程」(省略)による。

第13条(安全衛生教育の実施)

1)会社は、従業員を採用したとき、配置転換等により作業内容の変更を行ったときに、従業員が担当する業務に必要な安全衛生教育を実施する。

2)危険または有害な業務で、法令で定めるものに従事する従業員には、法令に基づく特別教育を実施する。会社は、特別教育の受講者や科目などの記録を作成し、法令の定める期間、これを保管する。

第14条(安全衛生教育の方法)

前条の安全衛生教育は、社内で実施する他、社外講習・社外研修も併せて行うものとする。

第15条(就業制限)

1)会社は、クレーンの運転など法令で定める特定の危険業務については、当該業務に関わる免許を有する従業員、もしくは技能修了証書を有する従業員でなければ従事させてはならない。

2)前項の就業制限業務に就くことのできる従業員以外は、当該業務を行ってはならない。

第16条(標識の掲示)

会社は、作業場所の見やすい場所に、安全衛生に関する標識を掲示する。

第17条(設備・環境の整備改善)

会社は、法令に基づいて作業設備や作業環境を整備するとともに、さらなる安全を実現するように努めなければならない。

第18条(作業方法の整備改善)

会社は、法令の作業方法を順守しつつ、より安全かつ衛生的な方法の確立に努めるものとする。

第19条(安全衛生点検)

会社は、災害の未然防止を図るため、次の区分による安全衛生点検を行う。会社は点検結果をまとめ、法令の定める期間、これを保管する。

  1. 日常点検
    各作業場所において、就業前後に日々行う安全点検。
  2. 定期点検
    各作業場所において、あらかじめ決められた方法で一定の期日に行う点検。
  3. 巡視点検
    各作業場所において、あらかじめ決められた方法で一定の期日に巡視する点検。

第20条(災害発生時の措置)

1)災害が発生した場合、発見者は関係者とともに直ちに被災者の救護措置を講じ、その生命、身体の保全に万全を期すものとする。

2)災害が発生した場合は、発見者は関係者とともに災害を最小限にとどめるため、非常停止などの応急措置を講じるとともに、その旨を総括安全衛生管理者および所属部署の責任者など関係者に通報しなければならない。

3)会社は、災害または事故の原因を調査し、同種災害の再発防止策を講じるものとする。

第21条(健康診断)

1)会社は、従業員を採用した際の雇入時健康診断、年1回の定期健康診断など、法令で定める健康診断を実施するものとする。

2)健康診断の検査項目は法令に定めるものとする。ただし、会社または産業医もしくは検査を実施した医師が必要と認める検査項目がある場合は、それについても行う。

3)従業員は、会社が行う健康診断を正当な理由なくして拒むことはできない。

4)健康診断の結果、有所見者について、産業医は適切な指導を行う。就業制限・配置転換は医師等の意見を聴取し、会社が決定・指示するものとする。

5)会社および健康診断実施の事務に従事した従業員は、その事務に従事したことによって知り得た従業員の身体の健康上の秘密を守らなくてはならない。

6)会社は、法令の定める期間、健康診断の結果を保管する。

第22条(心理的な負担の程度を把握するための検査)

1)会社は、年に1回、希望者を対象とした「心理的な負担の程度を把握するための検査」(以下「ストレスチェック」)を実施するものとする。

2)ストレスチェックの調査項目は「職業性ストレス簡易調査票」を基本とし、必要に応じて会社が追加したものとする。

3)従業員は、会社が行うストレスチェックを受検するよう努めるものとする。ただし、ストレスチェックの受検を強要するものではない。

4)ストレスチェックの結果、特に高ストレス者について、従業員から申し出があった場合は産業医等のストレスチェックの実施者は適切な指導を行う。就業制限・配置転換は医師等の意見を聴取し、会社が決定・指示するものとする。

5)会社は、当該従業員の同意なくして、ストレスチェックの結果を閲覧することはできない。

6)会社は、法令の定める期間、ストレスチェックの結果を保管する。

7)会社およびストレスチェック・高ストレス者への面接指導の実施の事務に従事した者は、その事務に従事したことによって知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。

第23条(面接指導)

1)会社は、1カ月当たりの時間外労働(休日労働を含む)が80時間を超えた従業員から申し出があった場合、医師の面接指導を行うものとする。

2)会社および面接指導実施の事務に従事した従業員は、その事務に従事したことによって知り得た従業員の精神状態等に関する秘密を守らなくてはならない。

3)会社は、法令の定める期間、面接指導の結果を保管する。

第24条(従業員の遵守事項)

1)従業員は労働災害防止のために、次に定める事項を遵守しなければならない。

  1. 営業車両などを運行する場合は、交通安全に努めなければならない。
  2. 会社が定めた作業方法、作業手順を順守しなければならない。
  3. 会社が定めた日常点検、定期点検をしなければならない。
  4. 会社が認めた場所以外では、飲食または喫煙をしてはならない。
  5. 会社が定めた作業場では指定のヘルメットなど安全装備を着用しなければならない。
  6. 整理整頓・清潔を心掛けなければならない。
  7. その他、安全衛生管理の実施に関する事項については、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医の指示に従わなければならない。

2)従業員は、業務遂行時に災害には至らなかったものの災害につながりかねない出来事(ヒヤリとしたり、ハッとしたりしたこと)があった場合は、直ちに総括安全衛生管理者または安全管理者もしくは所属部署の責任者に報告しなければならない。

第25条(罰則)

従業員が故意または重大な過失により、本規程に違反した場合、就業規則に照らして処分を決定する。

第26条(改廃)

本規程の改廃は、取締役会において行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2024年3月更新)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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【規程・文例集】最新法令に対応した「安全衛生委員会規程」のひな型

書いてあること

  • 主な読者:安全衛生委員会に関する社内ルールを整備したい経営者
  • 課題:具体的に何を定めるべきなのか分からない
  • 解決策:委員会の構成や調査審議事項などの基本的なルールは労働安全衛生法の定めに準拠しつつ、法令に定めのない委員の任期や決議の方法などについても定める

1 安全衛生委員会と安全衛生委員会規程

労働安全衛生法により、一定の要件を満たす会社は

  • 安全委員会:社員の危険防止などに関する事項を調査審議する委員会
  • 衛生委員会:社員の健康障害防止などに関する事項を調査審議する委員会

を設置しなければなりません。安全委員会と衛生委員会両方の設置義務がある場合、両者をまとめて「安全衛生委員会」とできますが、広範囲にわたる調査審議を円滑に進行するためには、明文化された社内ルールが必要になります。それが「安全衛生委員会規程」です。

安全衛生委員会規程には、

委員会の構成、委員の任期、調査審議事項、決議の方法など

を定めます。委員会の構成や調査審議事項については、労働安全衛生法の定めに準拠しますが、委員の任期や決議の方法など法令に定めがない事項については、会社が独自に定めます。

なお、対象となる会社が限られますが、2024年4月1日からは衛生委員会側の調査審議事項に

  • 「リスクアセスメント対象物」のうち「濃度基準値設定物質」に当たる物質について、社員がばく露される程度を濃度基準値以下とするために講ずる措置に関する事項
  • リスクアセスメント対象物に関する健康診断の結果と、結果に基づく措置に関する事項
  • 濃度基準値設定物質に関する健康診断の結果と、結果に基づき講ずる措置に関する事項

が追加されます。

リスクアセスメント対象物とは、「ラベル表示、SDS等による通知」「職場における危険性・有害性の特定・リスク低減等」が義務付けられている危険・有害物質のことで、2024年4月1日から、リスクアセスメント(有害性のリスク診断)の結果に基づき、必要に応じて健康診断を実施し、就業上必要な措置を講じることが義務付けられます。

濃度基準値設定物質とは、リスクアセスメント対象物のうち、ばく露量が濃度基準値(厚生労働省が定める濃度の基準値)以下なら健康障害を生じないとされている物質のことで、2024年4月1日から、濃度基準値設定物質が濃度基準値を超え、社員がばく露した恐れがある場合に健康診断を実施し、就業上必要な措置を講じることが義務付けられます。

以降で、安全衛生委員会規程のひな型を紹介します。なお、安全衛生委員会(安全委員会、衛生委員会)の基本的な知識については、次の記事をご確認ください。

2 安全衛生委員会規程のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の企業によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした規程を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

なお、前述した2024年4月1日から追加される調査審議事項(リスクアセスメント対象物、濃度基準値設定物質)については、第6条(調査審議事項)第17号(b.からd.)に記載しています。

【安全衛生委員会規程のひな型】

第1条(目的)

本規程は、別途定める「安全衛生管理規程」第○条に基づき、安全衛生委員会(以下「委員会」)の構成、役割などを定めるものである。

第2条(構成)

1)委員会の委員は、次の人員をもって構成する。

  1. 委員長(1名)。
    総括安全衛生管理者またはこれに準ずる者で会社が指名した者。
  2. 副委員長( 名)。
    委員のうちから互選した者。
  3. 安全管理者のうち会社が指名した者( 名)。
  4. 衛生管理者のうち会社が指名した者( 名)。
  5. 産業医のうち会社が指名した者( 名)。
  6. 安全および衛生に関する経験を有する者から会社が指名した者( 名)。

2)会社は当事業場に所属する作業環境測定士を委員として指名することがある。

3)第1項第1号の委員長以外の委員の半数は、当事業場の従業員の過半数を代表する者の推薦した従業員とする。

第3条(役割)

各委員の役割は、次の通りとする。

  1. 委員長
    委員長は、委員会を統括するとともに、会議の議長を務め、委員会の付議事項およびその他必要な事項を処理する。
  2. 副委員長
    副委員長は、委員長を補佐し、委員長の不在時などはこれに代わって委員会を代表する。
  3. 委員
    委員は、委員会に出席し調査審議事項を審議する。また、常に職場環境や安全衛生に関する事項に留意し、安全衛生管理活動に積極的に寄与するものとする。

第4条(任期)

1)委員長および委員の任期は1年とし、毎年4月1日より翌年3月31日までとする。ただし、再任は妨げない。

2)委員に欠員が生じたときは速やかに補充する。

3)補充により委員に指名された者の任期は、前任者の残存期間とする。

第5条(事務局の設置)

1)委員会の事務局は、総務部とし、主として次の事項を行う。

  1. 委員会の招集および付議に関する事項。
  2. 委員会に必要な資料の準備および配布に関する事項。
  3. 委員会の議事録の作成、配布および保管に関する事項。
  4. 委員との連絡およびその活動計画の調整。
  5. その他委員会に関連する事務。

2)委員会の議事録および重要項目の記録は、これを3年間保存するものとする。

3)委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次に掲げるいずれかの方法により従業員に周知するものとする。

  1. 常時各従業員の見やすい場所に掲示し、または備え付けること。
  2. 書面を従業員に交付すること。
  3. 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずるものに記録し、かつ各作業場に従業員が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

第6条(調査審議事項)

委員会は、安全衛生管理規程第○条の目的を達成するため、次の事項を調査審議するとともに、必要な場合はその意見を会社に提出するものとする。

  1. 従業員の危険防止および健康障害防止の基本となるべき対策に関する事項。
  2. 従業員の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関する事項。
  3. 労働災害の原因および再発防止対策に関する事項。
  4. 安全衛生に関する規程の作成に関する事項。
  5. 法が定める事業者が実施すべき危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置で安全、衛生に関する事項。
  6. 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価および改善に関する事項。
  7. 安全衛生教育の実施計画の作成に関する事項。
  8. 法が定める事業者が実施すべき危険性または有害性等の調査およびその結果に基づく対策の策定に関する事項。
  9. 新規に採用する機械、器具その他の設備または原材料に関わる危険および健康障害の防止に関する事項。
  10. 法が定める事業者が実施すべき作業環境測定の結果およびその結果の評価に基づく対策の策定に関する事項。
  11. 定期健康診断等の結果およびその結果に基づく対策の策定に関する事項。
  12. 従業員の健康の保持増進を図るため必要な措置の実施計画策定に関する事項。
  13. 長時間労働による従業員の健康障害防止を図るための対策の策定に関する事項。
  14. 従業員の精神的健康の保持増進を図るための対策の策定に関する事項。
  15. 「心理的な負担の程度を把握するための検査」(ストレスチェック)の周知方法、実施体制、実施方法、関連情報の取り扱い(保管、廃棄等)に関する事項(「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」における「5 衛生委員会等における調査審議の(2)衛生委員会等において調査審議すべき事項」に基づく)。
  16. 快適な職場環境の形成に向けての対策の策定に関する事項。
  17. リスクアセスメント対象物の製造、取り扱い、譲渡提供を行う事業場においては、次に定める事項。

    a.リスクアセスメント対象物のばく露の程度を低減するための措置に関する事項。

    b.リスクアセスメント対象物のうち濃度基準値設定物質について、従業員がばく露される程度を濃度基準値以下とするために講ずる措置に関する事項。

    c.リスクアセスメント対象物について、リスクアセスメントの結果に基づき実施する健康診断の結果と、結果に基づく就業上の措置に関する事項。

    d.リスクアセスメント対象物のうち濃度基準値設定物質について、濃度基準値設定物質が濃度基準値を超え、社員がばく露した恐れがある場合に実施する健康診断の結果と、結果に基づく就業上の措置に関する事項。

  18. 労働基準監督署長等から文書により命令、指示、勧告または指導を受けた事項のうち、従業員の危険の防止および健康障害の防止に関すること。
  19. その他安全衛生に必要と認められる重要な事項に関すること。

第7条(開催と招集)

1)委員会は、毎月1回定期的に開催する。ただし、委員長は、緊急性のある調査審議報告が発生したときなど必要と認めるときは、臨時に委員会を招集することができる。

2)委員会の開催場所は、開催の都度委員長が決定し、事務局から各委員に通知する。なお、委員長は各委員の業務状況その他の事情を考慮して必要と認める場合、書面、所定のテレビ会議システムその他対面によらない方法によって、委員会を開催することができる。

第8条(決議の方法)

委員会の決議は過半数の委員が出席し、その出席している委員の過半数の賛成をもって決定する。賛否同数の場合は委員長がこれを決定する。

第9条(委員以外の出席)

委員長が必要と認めたときは、委員以外の役員や従業員などを出席させることができる。

第10条(安全衛生小委員会)

委員会は、必要に応じ専門事項などを調査審議する安全衛生小委員会を設置することができる。

第11条(その他の事項)

法令および本規程に定める事項以外のことで、委員会の運営などに必要なその他の事項については委員会がこれを定める。

第12条(罰則)

役員および従業員が故意または重大な過失により、本規程に違反した場合、就業規則に照らして処分を決定する。

第13条(改廃)

本規程の改廃は、取締役会において行うものとする。

附則

本規程は、○年○月○日より実施する。

以上(2024年3月更新)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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常勝将軍ナポレオンに学ぶ「戦うリーダー」の心構えを表す一言とは?

リーダーとは、希望を配る人のことである

ナポレオン・ボナパルトは、18~19世紀に活躍したフランスの軍人です。少年の頃から本来数年かけて卒業する士官学校を11カ月で卒業するなど非凡な才能を持っていたナポレオンは、軍人になった後、1793年にフランス革命に反対する反乱軍を24歳の若さで鎮圧し、英雄としてその名を轟(とどろ)かせます。そして、その後も数々の戦いに勝利し、「常勝将軍」と呼ばれるほど国民の人気を集め、やがてフランス第一帝政の皇帝に即位して強大な軍事政権をつくります。

冒頭の言葉は、そんなナポレオンのリーダー論を表す名言として有名です。ナポレオンは、軍事作戦を練る頭脳も、自分や軍にとっての好機を見極める観察眼も優れていましたが、ここぞというタイミングで味方を鼓舞する才能が特に抜きん出ていました。

例えば、1796年にフランス軍とオーストリア軍がアッダ川という川を挟んで対峙(たいじ)した際は、指揮官であるナポレオンが、自ら軍旗を掲げて敵軍に突撃し、味方の兵を勢い付かせてオーストリア軍を打ち破りました。

また、あの有名な「吾輩(わがはい)の辞書に、不可能の文字はない」という言葉も、1800年にイタリアに侵攻したオーストリア軍の虚を突くため、難所のアルプス越えを敢行したときに発したという説があります。

ナポレオンは、ただ配下に命令を下すのではなく、まず自分が率先して勇気を示すことで味方を動かすタイプの指揮官だったようです。

ナポレオンが皇帝になったのは、1804年のこと。もともと王政への不満からフランス革命を起こした国民が、彼を皇帝として受け入れたのは不思議な気もしますが、それもまた、自ら危険な前線に立って背中を見せ、味方を勝利に導くナポレオンの姿が国民の心を捉えた証しなのでしょう。

ここ一番で周りに勇気を示し、苦境を突破していく力。これは、今の経営者にも求められる資質です。会社が苦しいとき、ただ社員に「苦しいのはみんな同じだから我慢しよう」と言う経営者と、「私が引っ張るから共に苦境を乗り越えよう」と言う経営者、どちらが魅力的かは明らかです。

一方で、リーダーだからといって肩肘を張りすぎないこともまた大切です。何度もフランスを勝利に導いたナポレオンですが、1812年のロシア遠征で大敗を喫すると、とたんに力を失い、皇帝の座を追われます。「無敗の英雄」のイメージが彼の政権の支えになっていたために、それが崩れると支持を失ってしまったのです。

経営者は、常に英雄である必要はありません。いざというとき強いリーダーシップで会社を引っ張る心構えさえあれば、普段は信頼できる部下に任せてゆったり構えているぐらいがちょうどよいのかもしれません。

出典:「新約ナポレオンボナパルト。『吾輩の辞書に、不可能の文字はない』名言で知る皇帝の栄光と失脚。10分で読めるシリーズ」(shogo.p.sato、まんがびと、2014年12月)

以上(2024年2月作成)

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