1 「立体的なオンラインイベント」を開催しよう
新型コロナウイルス感染症が第5類感染症に移行してから約1年9カ月、通常のリアルイベントも勢いを取り戻しつつありますが、一方、オンラインイベントもスタンダードなイベントの形態のひとつとして定着しました。オンラインイベントには、
- 開催地と勤務地・居住地が遠い人でも参加しやすい
- 時間の都合が付かなくても参加しやすい
- どこに何分滞在したか、どの商品を集中して見ていたかのデータが取りやすい
など独自のメリットがあり、「ウチでも開催してみよう」と考える会社も少なくないでしょう。
ただ、これからオンラインイベントの開催を検討する場合、「他社に比べて出遅れた感がある」「面白くしないと参加してもらえないのでは」など、色々と不安があるかもしれません。確かに、オンラインイベントは「見るだけ」「聞くだけ」になりがちな面もあります。
そこで、この記事では、参加者に喜んでもらうための工夫を、「展示型」「参加型」「混合型」ごとに、事例を交えて紹介します。
ちなみに、最近の潮流としては
メタバース(インターネット上の仮想空間)型イベントやハイブリッド型イベントの定着
が挙げられます。例えば、2025年の国際博覧会(万博)でも、スマートフォンやパソコン、VRゴーグルなどを使って、オンライン上で実際に各パビリオンを巡ることができるアプリがリリースされるそうです。「見るだけ」「聞くだけ」になりがちなオンラインイベントを、
「体験する」「参加する」という立体的なものにする
ために、導入を検討してみてください。
2 展示型:体験型展示とバーチャルならではの利便性
「展示型」とは、一つの会場に集まって開催していたリアル展示会を、オンライン上で開催するものです。オンラインのみの開催の場合、
参加者の満足度を上げるためのポイントは、リアル展示会と同じような体験ができるように工夫すること
です。
例えば、ある機材販売会社のオンライン展示会では、リアル展示会と同じような感覚で参加してもらえるよう、インターネットのページにブースやスタッフの、シンプルで親しみやすいイラストを配置しました。一方で、参加者に見せたい商品(プリンターやラベル印刷機など)は、目立つように写真で掲載。気になる商品をクリックするとより詳細な情報を閲覧でき、その場で資料をダウンロードしたり、チャットで相談をしたりできるようにしました。
リアル展示会で会場マップを見ながら出展ブースを回るという体験と、ネットならではの利便性を兼ね備えたオンラインイベント
といえるでしょう。
3 参加型:「ペア分け(グループ分け)」で積極的な参加を
「参加型」のスタイルもさまざまですが、なかでも注目したいのは、「オンライン上で参加者を個別のグループに分ける機能」を使ったスタイルです。この機能があるウェブ会議ツールは限られますが、
少人数になることで参加者がただ話を聞くだけでなく、積極的に参加する形になる
という利点があります。
使い方の例としては、イベントスタート時のアイスブレイクが分かりやすいでしょう。主催者側が任意で参加者をペアに分け、「5分間の自己紹介タイム」などを設けます。そうすると、参加者の画面上には「自分たち2人」しか表示されないので、まるで2人だけで対面で自己紹介し合っているかのような空間が実現します。
特に参加型セミナーなどを開催する場合、このペアに分かれての自己紹介タイムは効果的です。例えば、とあるコンサルティング会社では、「自社サービスの魅力を伝えるノウハウ」をテーマにしたイベントなどで、この自己紹介タイムを活用しました。参加者が
「自分はイベントの当事者だ」ということを冒頭で実感することで、イベント中に積極的に発言や質問などをするためのきっかけにもなり、イベント自体に対する満足度も上がる
でしょう。
もちろん、参加者の満足度を上げるには、主催者側による「ペア分け(グループ分け)」が重要になってきます。それぞれの参加者の仕事、立ち位置、現状の課題などを思い描きながら、
誰と誰を組み合わせると喜んでもらえるか、面白いことが生まれそうか
を考えて分けましょう。うまくいくと、これ以上ないくらい参加者は喜んでくれますし、参加者同士で新しいビジネスが生まれることもあります。
4 混合型:「メタバース」が定着
数年前は珍しかった「混合型」のスタイルも、今やスタンダードになってきています。ここでいう「混合型」とは、「オンライン×リアル」というハイブリッドスタイルを実現すること、
つまり、「リアルだけ」「オンラインだけ」では実現できない、または実現しにくいことを、両者を組み合わせることで可能にするオンラインイベント
です。
例えば、ある和装関係のイベントでは、東京で行われているリアル展示会の会場をメタバース上に再現し、仮想空間の中で、世界中のユーザーが会場を歩き回れる仕組みをつくりました。また、メタバース上で自分の好みの浴衣を着られる取り組みなども実施しました。
リアル展示会で会場マップを見ながら出展ブースを回るという体験に限りなく近いことをオンラインでも実現し、リアルとバーチャルが融合している
というわけです。
上記の例のように、
近年は「メタバース×リアル」型の展示会が定着
しつつあります。メタバース型の展示会では、参加者が自社ブース内でどのように動きどの商品をどれくらい見たか、などの行動履歴が残るので、出展者側がその情報を展示会後の営業活動などに活かせるというメリットがあります。
以上(2025年2月更新)
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画像:metamorworks-Adobe Stock