書いてあること
- 主な読者:商談会への参加を検討する経営者
- 課題:商談会に参加したことがないので不安。何を準備したらいいかも分からない
- 解決策:まずは、商談会の種類や特徴を知る。事前・当日・後日など時系列でどのようなことが必要か整理することも大切
1 商談会に参加してビジネスチャンスをつかもう!
商談会の主催者やスタイルはさまざまです。例えば、一般的には自治体や商工会議所、金融機関、コンサルティング会社などが主催するものが挙げられます。さらに、本稿で取り上げるのは実際に会場に出展・参加する「リアル商談会」ですが、今年2020年は、インターネット上での「オンライン商談会」「ウェブ展示会」も数多く開催されるようになっています。
商談会で、見込み先やアライアンス先候補と出会い、その後、最終的に取引につなげていくには、集客方法や商談会後のフォロー方法などについて、事前に準備することが大切です。本稿では、そうした準備をするために必要な基礎情報(商談会の種類、特徴など)をまとめていますので、商談会への参加を検討する際に、ぜひ、ご一読いただければと思います。
(注)開催されている商談会は「展示会」「ビジネスフェア」「ビジネスマッチング」など、さまざまな名称が用いられていますが、本稿では「商談会」として統一表記します。特別なことわりのない限り、本稿での「商談会」は「リアル商談会」を指しています。
2 商談会の来場者像を理解する
商談会への出展検討や、出展決定後の計画立案に際しては、まず、「来場者は何を目的に来るのか」という特徴を認識しておきましょう。
商談会では、「商談会で具体的な商談をしたい」「その場で、製品の購入先を決定したい」といった来場者は多くはありません。新製品、関連業界、競合他社などの情報収集を目的とした来場者がほとんどです。
例えば、「自社が販売できるような目新しい製品はないか」「最近の業界のトレンドはどのようなものか」「競合他社はどのような製品を展示しているか」といった意識で来場しています。こうした来場者は、事前に興味のあるブースをいくつか決めており、それらのブースを中心に会場全体を見学します。
ただし、興味のあるブースを見つけても、通常はその場では担当者の説明を立ち話程度で聞いたり、資料をもらったりして会社に帰ります。そして、社内でじっくりと検討し、本当に興味のある会社に対しては、改めて連絡を取り、商談に至るというケースが多いようです。
3 商談会の特徴と参加目的の検討
1)商談会の種類を把握する
商談会への参加を検討する際には、来場者の特徴などを把握し、自社の目的に合った商談会を選ぶようにする必要があります。ここでは、商談会の分類例を見てみましょう。
1.出展企業の立地と業種による分類
商談会の特徴は、出展企業の立地と業種によって大まかに分類することができます。出展企業の特性に基づく商談会の分類は次の通りです(あくまで一例です)。
この図表1は、従来の一般的な内容をまとめたものですが、今は状況が変わってきています。例えば、これまで、全国各地から企業が出展・参加する「全国-総合型」「全国-業種特化型」は、規模が大きく、東京や大阪といった大都市での開催が多いのが一般的でした。
しかし、最近では、新型コロナウイルス感染症対策などの面でも、オンライン商談会が定着してきているため、全国区=大都市開催という常識は、変わりつつあります。むしろ、リアルで開催する商談会の場合には、「実際に会場に行くなら、東京や大阪などへ出かけていくより、地元や近場開催のほうがよい」という人も多いかもしれません。今後、立地や業種によって商談会を分類するやり方については、見直していく必要があるでしょう。
2.ターゲットによる分類
業種による分類と似ていますが、「誰(どの地域の企業)に向けてアピールする商談会か」というターゲットを明確にしている商談会があります。分かりやすいところでいえば、海外市場などが挙げられます。その他、特定業界や特定の職種(バイヤー向け、人事担当者向けなど)をターゲットにしているケースもあります。
2)商談会への出展目的を明確にしよう
商談会の主な特徴は次の通りです。
これは、一般的な特徴を整理したものです。出展を検討する際には、各商談会の特徴を把握した上で、例えば、「営業エリアなどの活動地域が限られているので、自社の活動地域を対象にした『特定地域型』の商談会に出展する」といったように、自社の目的や予算に合った商談会を選択するようにしましょう。
4 商談会への参加に際して検討・実施すべき主な事項
商談会への出展に際しては、ここまで紹介した点を勘案しながら、計画的に準備を進めていきます。商談会の事前準備から終了後に検討・実施すべき主な事項は次の通りです。
以上(2020年11月)
pj70041
画像:unsplash