書いてあること
- 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
- 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
- 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用
□□社のプレゼン内容で一番気に入っているのはどこですか?
必ず確認したい競合他社の存在
法人営業の場合、通常、相手は複数社から話を聞き、その内容を比較検討しています。できればヒアリングの段階で「この件について当社以外からも話を聞いていますか?」と確認しておきましょう。
自社のプレゼンが終わった後に競合他社の提案内容を尋ね、自社との違いを明らかにします。また、競合他社が商品やサービスに関するウェビナーを多く開催している場合などは、一度実際に参加して聞いてみるのもよいでしょう。「□□社では、◆◆の機能に力を入れているような印象がありますが、御社向けプレゼンもそういう感じでしょうか?」など相手により具体的に質問できるようになります。
相手に本気度合いを示すことにも
相手との関係が良ければ、ダイレクトに「他社様のプレゼン内容を教えてください」とお願いしてみるのもよいでしょう。これが難しい場合は、冒頭で紹介した営業最強フレーズを使いましょう。相手が競合他社のプレゼン内容のどこを評価しているかを確認してみるのです。
そのときは、「(他社様のプレゼン内容の)お話を聞き、当社で足りない点があったら改めて調整しようと思っています。ぜひ御社のお役に立ちたいのです」と一言添えましょう。そうすれば、相手に本気度合いを示すことにもなります。
次の戦術を立てやすくなる
相手が競合他社のプレゼン内容のどこを評価しているかを確認すれば、次の戦術を組み立てやすくなります。
自社でも実現できることなのであれば、それを盛り込んで再度プレゼンさせてもらってもよいでしょう。反対に、自社では実現できないことであれば、対抗策として、「自社の価値を改めてお伝えする」という戦術を取るのがよいかもしれません。具体的な実績(できれば相手と同業他社)、他社での導入事例などを伝えるのが効果的です。
変化球を投げるのも有り
相手が競合他社のプレゼン内容のどこを評価しているかを確認したら、次の戦術として“変化球を投げる”のも有りでしょう。例えば、自社と競合他社との「ゼロサム」ではなく、「プラスサム」に視点を変えてみるのです。
「確かに□□社のそのサービスは、御社にとってメリットがあると思います。□□社と当社それぞれから御社にとって必要なサービスを“いいとこどり”して、御社オリジナルの一番良いパッケージをつくってみてはいかがでしょうか」といった具合です。
営業担当者はチャンスと新しいビジネスを創るのが大事
“いいとこどり”を提案すれば、全ては無理でも一部は成約ができて、売り上げにつながるかもしれません。また、その話が競合他社の耳に入れば、共同で新企画や営業ルートを創り出すチャンスになるかもしれません。
このように、競合他社のプレゼン内容を確認することは、チャンスを創り出すこと、もっと言えば「新しいビジネスが生み出せる」ことにもつながっていくのです。
以上(2022年8月)
pj70073
画像:Mariko Mitsuda