書いてあること
- 主な読者:ウェブを活用して売上アップにつなげたい経営者
- 課題:SNSを活用して売上アップを図りたいが、どうすれば成功するか分からない
- 解決策:それぞれのSNSの特性を知り、活用目的を明確にすることから始める。投稿方法は、成功事例をTTP(徹底的にパクる)する
1 SNSの活用度でコロナ禍の明暗が分かれる
コロナ禍で苦しむ飲食店。コロナ禍の巣ごもり需要に対応するためにテイクアウトをスタートしたA店とB店で、明暗がハッキリ分かれました。
コロナ禍で苦しむ旅館。コロナ対策として各都道府県で実施した「県民宿泊割キャンペーン」の情報を顧客にお伝えしたA社とB社で、明暗がハッキリ分かれました。
コロナ禍で明暗を分けた理由は、SNSの活用度合いです。SNSでお客さまとつながっていた店舗や企業は、情報をタイムリーに、かつ低コストで発信することができ、売上につなげることができました。
2 何のためにやるの? 目的の明確化こそSNS活用の要諦
「よし、SNSを活用してみよう」と思っている方に、先にお伝えしたいことがあります。SNS活用の失敗パターンは、「はやっているから」という理由でスタートすることです。まずは、さまざまなSNSの特性と自社のターゲットを考慮して、SNS活用の目的を明確にしましょう。
- 飲食店⇒「新規客を取り込むため」に「インスタグラム」を活用
- 美容院⇒一度来店した方に「リピーターになってもらうため」に「LINE」を活用
- 食品製造業⇒「商品の認知度を高めるため」に「ツイッター」を活用
- ネットショップ⇒「商品の魅力を伝えるため」に「ユーチューブ」を活用
上述のように、「〇〇〇のため」に「〇〇〇(SNSツール)」を活用、というフレーズを作成してみてください。
なお、さまざまなSNSの特性を詳しくお知りになりたい方は、第4章をご参照ください。
3 やってみる! マネてみる! の精神でチャレンジを
1)キーワードは「TTP」
SNSのビジネス活用の世界で「TTP」という言葉がよく使われます。何の略語かわかりますか? TTPとは、
徹底的にパクる
ということです。
そう、うまく活用できている同業種・同業態のアカウントをユーザーとしてフォローしたり登録したりして、その投稿内容や手法を徹底的に参考にしてください。
2)これぞTTP効果! 1投稿で100以上のフォロワー獲得に成功
当社がご支援させていただいているワイナリーでは、コロナ禍でインスタグラムを始めましたが、フォロワー数を伸ばすことに苦戦していました。私は、フォロワーを多く獲得しているワイナリーのアカウントをご紹介し、そこと比較をしてみました。
すると、違いは「#(ハッシュタグ)」にありました。フォロワーを集めているアカウントは、ワイン好きの人が使うハッシュタグを数多く入れていたのです。そこで、TTPさせていただき、「#ワイン好きな人と繋がりたい」「#winelover」というハッシュタグを投稿に入れたところ、1投稿で100以上のフォロワーを獲得することに成功しました。
3)ユーザーとして「やってみる」ことから始めよう!
先ほどのワイナリーの話を読まれても、インスタグラムを使ったことのない方は、ハッシュタグの重要性をイメージしづらいと思います。まずは、いちユーザーとして、SNSを使ってみることをお勧めします。
多くの読者の方がプライベートでLINEは使われているかと思います(使っていなければ、今すぐ始めましょう!)。飲食店に行くと、よく「LINE公式アカウント登録で今すぐドリンク進呈」といった訴求を目にします。見つけたら、ぜひ登録してみてください。そうすると、お得なクーポンが送られてきたりします。「あっ、これがLINE公式アカウントね!」と、すぐにご理解いただけると思います。
SNS活用で最も大切なのは、ユーザー目線。まずは、ユーザーとしてSNSを体感することから始めてみてください。
4 参考:活用するSNS選びのためのアドバイス
次の図表は、ビジネス活用ができる主要なSNSの特性をまとめたものです。SNSと一言で言っても、ユーザー層や使い方はさまざまです。ビジネス活用となれば、その活用法も変わってきます。
このうち利用者が1000万人を超えるLINE、Instagram、Twitter、YouTube、Facebookのお勧めの活用方法をお伝えします。
1)LINE(ライン):リピート促進
日本人の多くが使っているSNSがLINEです。LINEのビジネス活用としては、「LINE公式アカウント」というツールがあります。
既存のお客さまに自社のLINE公式アカウントに登録いただき、登録者に対して月に1回程度、お得情報や最新情報をお送りします。
現状ですと、月に1000配信まで無料で利用できます。
LINEのビジネス活用の主目的は、「リピート促進」が挙げられます。既存のお客さまとつながるツールとしては、以前はメール配信が主流でしたが、近ごろはLINE配信が増えています。
また、「LINEで問い合わせ」という活用方法も多くなってきました。若年層を中心に、
「電話よりLINEで問い合わせするほうが楽」
という方が増えています。
2)Instagram(インスタグラム):集客からリピート購入、ファンづくりにも
インスタグラムは、今利用が伸びている注目のSNSです。インスタグラムは若い女性向けのSNSというのは、今や幻想です。男性利用が4割を超え、中年層にも拡大中です。
インスタグラムは、#(ハッシュタグ)という文化があり、
ハッシュタグを通じて、同じ趣味・嗜好の方の情報を得る
ことができます。ちなみに、私は、「#新潟アルビレックスBB」というハッシュタグをフォローすることで、地元のプロバスケットボールチームを応援する方の投稿を瞬時にキャッチしています。
ビジネスでは「集客」のツールとして利用されることが多いです。上述のように、
ハッシュタグを投稿に入れることで、そのハッシュタグをフォローしている方や検索した方に投稿を見ていただき、そこから興味を持ってもらい、アカウントをフォローしてもらえれば、新たな接点につながります。
投稿頻度は週に2~3回程度がお勧めで、投稿頻度が増えるほどフォロワーも多くなり、集客を図ることができます。
新たな集客を狙わなくても、既存のお客さまにフォローしてもらい、情報発信を行うことで、「リピート購入」や「ファンづくり」につなげることも可能です。
3)Twitter(ツイッター):認知度アップと集客
ツイッターは、拡散性に優れたSNSなので、「認知度アップ」「集客」に向いています。「バズる」という言葉の通り、
投稿の内容によっては、情報が一気に拡散し、新たな出会いを生み出します。
しかし、1日1回以上投稿したり、フォロワーとマメにコミュニケーションを取ったり、投稿内容にも面白味がないと拡散は期待できません。運用担当者、いわゆる「中の人」の腕次第であり、適任者がいない場合は、手を出さないほうがよいかもしれません。
4)YouTube(ユーチューブ):自社・自店の魅力を伝え、信頼を得る
「ユーチューバーになって、一獲千金を狙いましょう」とは言いません。ユーチューブのビジネス活用としては、動画で商品・サービスの説明等をして、自社・自店の「魅力を伝え、信頼を得る」という目的で使うことをお勧めします。まずは、
動画を作成して、それをユーチューブにアップする。その動画をホームページに入れたり、パンフレットや名刺にYouTubeにつながるQRコードを入れたりして閲覧を促します。
また、ユーチューブ内で、動画を拡散して「集客」を図る手法もありますが、難易度は高くなります。
5)Facebook(フェイスブック):既存客への情報発信
フェイスブックは、以前は拡散性に優れたSNSでしたが、最近は拡散しづらくなっており、ビジネス活用としては、フェイスブック内で広告を展開して新規の「集客」を図るケースが多いです。
拡散性は低くなっているものの、会社や店舗で利用できる「フェイスブックページ」は無料ですので、
既存のお客さまへの「情報発信ツール」として機能させる
ことは有効です。
以上(2022年6月)
pj70111
画像:Pixel-Shot-Adobe Stock
執筆者サイト:https://glocal-marketing.jp/