書いてあること
- 主な読者:賃金体系や賃金支給額の見直しを考えている経営者
- 課題:自社の賃金体系や賃金支給額が妥当か分からない。判断基準が欲しい
- 解決策:統計資料における同規模・同業種の企業のデータなどを参考にする
【賃金データ集】シリーズとは?
【賃金データ集】シリーズは、基本給や諸手当など賃金の主要な構成要素ごとの近年のトレンドを、モデル支給額を中心とした関連データとともに紹介します。経営者や実務家の方々が賃金支給水準の決定や改定を行う際の参考としてご活用ください。なお、モデル支給額などのデータを紹介する際は、基本的に出所に記載されている用語を使用するものとします。また、データは公表後に修正されることがあります。
この記事で取り上げるのは「時間外労働手当など」です。
なお、以降で紹介する図表データのExcelファイルは、全てこちらからダウンロードできます。
1 時間外労働手当などの位置付け
時間外労働手当などとは、労働基準法(以下「労基法」)で定める時間外労働などに対して支給する「割増賃金」のことです。近年は時間外労働の上限規制、割増賃金に関する中小企業の猶予措置の廃止などが定められ、時間外労働手当などのマネジメントが求められています。
2 時間外労働手当などの潮流
企業は、「時間外労働」「休日労働」「深夜労働」に対して、時間外労働手当などの割増賃金を支給しなければなりません。割増率は、1カ月当たりの時間外労働の時間数や企業規模などによって決定される仕組みです。その概要は図表2.の通りです。
赤字の部分に注目してください。2023年3月31日までは、時間外労働が月60時間を超えた場合、超えた時間分の割増率が50%以上になるのは大企業だけでした(中小企業は25%を超える努力義務)。しかし、2023年4月1日からこの猶予措置は廃止され、中小企業も月60時間を超える時間外労働について、50%以上の割増率が適用されるようになりました。
なお、例えば、
- 月60時間以内の時間外労働に対する割増賃金率を25%
- 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率を50%
とした場合、月60時間超の時間外労働に適用される割増賃金率のうち通常(月60時間以内)の割増賃金率に上乗せされた25%(50%-25%)については、割増賃金の代わりに「代替休暇」を与えることも可能です(導入には労使協定の締結が必要)。
3 厚生労働省の統計資料によるモデル支給額
4 情報インデックス(この記事で紹介したデータの出所)
この記事で紹介した統計資料は次の通りです。調査内容は個別のURLからご確認ください。なお、内容はここ数年の公表実績に基づくものであり、調査年(度)によって異なることがあります。
■毎月勤労統計調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html
■賃金構造基本統計調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
以上(2024年10月更新)
pj17906
画像:ChatGPT