おはようございます。かつては夏になるとお客さまに暑中見舞いを送っていましたが、最近はその習慣もあまり見られなくなりました。暑中見舞いに限らず、皆さんは大切な相手とマメな連絡を取っているでしょうか。必要なときだけ急に連絡を取って会いたいと伝えても、先方はなかなか会ってくれません。そして連携が進まず、疎遠になってしまうというケースはたくさんあります。
もちろん、私にも経験があります。一度関係がつくれた取引先との連携がなかなか進まず、いつのまにか2年ほど連絡を取らなくなっていました。その後、社内の状況が変わり、改めて連絡を取ってみようと思ったら、先方の担当者はすでに退職していました。私のことについては、何の引き継ぎもされておらず、しかも、その取引先にはすでに他社が食い込んでいて、当社の入る余地はなくなっていたのです。マメな連絡を怠ったために、私はつかめたかもしれないチャンスをみすみす逃してしまいました。
そういうことを防ぐために考えたのが、「月に1度の定期連絡」です。これはどんな内容でもいいので、お客さまと毎月1度は連絡を取るようにしようというものです。過去に納品した商品の使い勝手を聞いてみるのもよし。お客さまの役に立ちそうな耳寄り情報を提供するのもよし。単純に「何か困っていること、お役に立てそうなことはないですか」と聞いてみるのもよし。相手が嫌がることでなければ、ネタは何でもよいのです。
あまり連絡して「しつこい」と思われないか不安だという人もいるかもしれませんが、逆です。お客さまは放っておかれるとかえって「大切にされていない」と感じ、私たちのことも大切にしなくなっていきます。先程お話しした私の失敗談は、まさにその典型です。
逆に、私たちがマメに連絡を取れば、お客さまも本音を話してくれるようになります。私が月に1度の定期連絡を始めた後、お客さまの1人にある商品をお勧めしたところ、「いつも連絡をくれてありがとう。でも残念ながらうちは必要ないね」と断られてしまったことがありました。ですが、その人は「もしも、こういう仕様にしてもらえたら、うちでも使えるかもしれないね」とも言ってくれました。そして、会社に話を持ち帰って製造部門と相談し、商品に改良を加えたところ、そのお客さまが購入してくれただけでなく、他からも注文がもらえるようになったのです。
商品を売りたいときだけ愛想良く連絡するなど、「自分の都合にお客さまを付き合わせる」のでは、信頼関係は築けません。マメな連絡は「しつこさ」ではなく「お客さまへの誠意」だと思って、ぜひ積極的にコミュニケーションを取ってください。そして、お客さまが本音を話すようになってくれたら、その人は皆さんにとってかけがえのない人脈です。ますます大切にしてください。くれぐれも人付き合いでマメさを惜しむようなことがないよう注意しましょう。
以上(2023年8月)
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画像:Mariko Mitsuda