【かんたん法人税(5)】交際費・会議費・福利厚生費などに係る税務

1 主な販管費に係る税務上の重要なポイント

シリーズ第5回では、主な販売費および一般管理費(以下「販管費」)に係る税務上の取り扱いに注目します。法人税の課税所得を計算する上で、販管費は損金算入できるものが多いです。しかし、

科目によっては一定金額、または全額損金に算入できないものもある

ため、税務担当者は科目ごとの基本を理解する必要があります。

また、中小企業のうち、とりわけ同族会社においては、

業務上の費用と私的な費用の区別が曖昧となりがちで、税務調査で指摘される

ことも多いです。こうした区別をきちんとすることはもちろん、業務上の費用でも私的な費用と誤解を受けることがないように、所定の書類などをそろえておきましょう。

販管費に係る税務上の重要ポイントは次の通りです。

  • 交際費の損金算入限度額
  • 10000円以下の接待飲食費
  • 交際費と会議費の区別
  • 業務上の交際費と私的交際費の区別
  • 福利厚生費の範囲
  • 寄附金の損金算入限度額とその範囲
  • 租税公課
  • 業務委託費(グループ会社などに対するもの)の取り扱い

2 販管費に係る税務上の取り扱いと留意点

1)交際費・会議費

1.交際費の損金算入限度額の算定方法

原則として、交際費は全額が損金算入できません。しかし、取引先との接待飲食費(社外飲食費)の50%相当額については、損金算入できます。また、中小法人については、特例として年800万円まで損金算入が認められています(「定額控除限度額」といいます)。

つまり、中小法人は社外飲食費の50%相当額と定額控除限度額とを比較し、いずれか多い方を損金算入限度額として選択することができます。

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上記の「社外飲食費」については、帳簿書類に次の項目を記載しておく必要があります。税務調査においては、この記載事項についてチェックされるので注意しましょう。

  • 飲食等を行った年月日
  • 飲食等に参加した得意先や仕入先等の氏名または名称およびその関係
  • 飲食費の額ならびに飲食店の名称および所在地
  • その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項

2.10000円以下の接待飲食費の取り扱い

取引先との接待飲食費のうち、1人当たり10000円以下のものは交際費の範囲から除かれます(以下「少額交際費」)。従って、少額交際費は上記1.の損金算入限度額に含めることなく損金算入できます。ただし、少額交際費として取り扱うためには、帳簿書類に上記の記載事項の他に、

  • 飲食等に参加した者の人数

も追加で記載する必要があります。

3.交際費と会議費の区別

会議や打ち合わせで提供されるお茶やお菓子、昼食代といった飲食費は、通常は会議費として損金に算入できます。ただし、昼食代であっても、通常の金額を超えるようなものについては交際費とされます。

どの程度までが会議費として認められるかについて、税務上では明らかにされていません。しかし、例えば居酒屋や高級飲食店などにおける飲食費など、一般的な会議では利用されなそうな場所での飲食費などは、税務調査において交際費と指摘される可能性が高いです。

4.業務上の交際費と私的交際費の区別

お酒を共にする接待などは、取引先と懇親を深めることができるでしょう。中小企業においては、一定限度額まで損金算入することが認められています。

一方、経営者1人での飲食など私的なものについては、税務上の交際費とはされずに「役員給与」とされ、損金算入できません。なお、役員給与の詳細な取り扱いについては、下記のリポートをご参照ください。

また、取引先との接待費用であっても、帳簿書類でそれが証明できない場合や領収証が無い場合などは、税務調査において私的費用として疑われる可能性もあるので注意しましょう。

2)福利厚生費

役員や従業員(以下「従業員等」)の慰安のために行われる旅行や新年会・忘年会などに通常要する費用で、おおむね従業員等の全員を対象とする場合は福利厚生費とされ、損金算入できます。また、従業員等またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品(例えば、結婚祝いや香典など)も福利厚生費として損金算入できます。

一方、特定の従業員等のみを対象とした旅行費用や、特定の人だけ基準を超える高額な香典などは福利厚生費とされず、税務上は「給与」として取り扱われます。「給与」と認定されると、所得税の源泉徴収が必要ですし、役員の場合は費用そのものが損金算入できません。

税務調査においては、例えば社員旅行の場合は対象者が誰であるか、香典などについては、一定の基準(社内規程など)通りに支払われているかなどをチェックされるので注意しましょう。

3)寄附金

1.寄附金の種類と損金算入限度額の算定方法

法人税法において寄附金は次の4種類に区分され、それぞれ損金に算入できる金額(損金算入限度額)が定められています。

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2.税務上の寄附金の範囲

国・地方公共団体や一定の公益法人等(以下「国等」)に対する寄附金は会社が意図して行うものであり、領収証も発行されるため、他勘定で処理するといった誤りは少ないでしょう。

しかし、税務上の寄附金はこういった国等に対する意図した寄附金よりも非常に範囲が広く定義されています。例えば、

資産を時価より低く譲渡した場合、「譲渡した相手方に利益供与を行った」として、税務上は時価と譲渡価額との差額が寄附金として取り扱われる

ことがあります。

また、

返済能力のある取引先に対する売掛金を債権放棄した場合なども、「取引先に対して利益供与を行った」として、債権放棄額が寄附金として取り扱われる

こともあります。このように税務上の寄附金は、一般的な用語で使われるものより非常に範囲が広いため注意しましょう。もし判断に困るケースが出てきた場合には、税理士などの専門家に相談することが重要です。

4)租税公課

租税公課にはさまざまな種類がありますが、税務上、その種類によって損金に算入できるものとできないものとがあります。また、損金に算入できるものであっても、その損金に算入する時期が決まっています。主な租税公課の取り扱いは次の通りです。

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5)業務委託費

自社で作業が不可能な業務などを外部に業務委託した際に支払う業務委託費については「役務提供を受けた日」において損金に算入されますが、業務委託先がグループ会社や親族の経営する会社の場合には、業務委託費の金額を意図的に操作することも可能なため、税務調査においては重点的に調べられます。

従って、グループ会社などに対する業務委託費については、

金額の決定過程を税務調査時に詳細に説明できるよう、関係書類などを事前に準備する

ことが重要です。

以上(2025年4月更新)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 富永慎也)

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画像:buritora-Adobe Stock

【業種別データ】飼料・有機質肥料製造業の動向

2023年の飼料・有機質肥料製造業は、事業所数1,175と横ばい、従業者数も微増で、製造品出荷額は前年比100.7%と小幅ながら増加し、市場規模は高水準を維持しています。一方で原材料使用額比率は8割超まで上昇し、付加価値額や従業者1人当たり付加価値が大きく落ち込んでおり、収益性は悪化傾向です。配合飼料は数量・金額とも業界の中核ですが、コスト高の影響が大きく、経営指標では営業利益率がマイナス、損益分岐点比率も高水準となっており、価格転嫁と付加価値向上が喫緊の課題といえます。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の飼料・有機質肥料製造業の事業所数は1,175事業所(対前年比99.7%)、従業者数は1万8529人(対前年比100.8%)、製造品出荷額等は2兆1382億9100万円(対前年比100.7%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は16人(対前年比101.1%)、現金給与総額は6400万円(対前年比102.1%)、原材料使用額等は15億900万円(対前年比104.6%)、製造品出荷額等は18億2000万円(対前年比101.1%)、付加価値額は2億6700万円(対前年比83.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は404万円(対前年比101.0%)、製造品出荷額等は1億1540万円(対前年比99.9%)、付加価値額は1693万円(対前年比82.9%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は82.9%(対前年比103.5%)、同付加価値額比率は14.7%(対前年比82.9%)、同現金給与総額比率は3.5%(対前年比101.0%)となっています。

【1060 飼料・有機質肥料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)配合飼料製造業

2023年の配合飼料製造業の事業所数は469事業所(対前年比99.4%)、従業者数は1万1643人(対前年比101.9%)、製造品出荷額等は1兆8985億6200万円(対前年比100.1%)となっています。

【1061 配合飼料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)単体飼料製造業

2023年の単体飼料製造業の事業所数は175事業所(対前年比101.7%)、従業者数は2624人(対前年比102.2%)、製造品出荷額等は1586億5400万円(対前年比112.6%)となっています。

【1062 単体飼料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)有機質肥料製造業

2023年の有機質肥料製造業の事業所数は531事業所(対前年比99.3%)、従業者数は4262人(対前年比97.1%)、製造品出荷額等は810億7500万円(対前年比95.5%)となっています。

【1063 有機質肥料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【飼料・有機質肥料製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【業種別データ】医療用機械器具・医療用品製造業の動向

医療用機械器具・医療用品製造業は、2023年において事業所数が1,321事業所(前年比99.8%)

とほぼ横ばいで推移する一方、従業者数は6万2,927人(同102.6%)、製造品出荷額等は1兆6,984億円(同105.4%)と増加しており、全体としては拡大傾向にあります。特に医療用機械器具や歯科材料分野で出荷額や付加価値額の伸びが見られ、1人当たり付加価値額や給与水準も上昇しています。医療需要の安定性を背景に、生産性や付加価値の向上を伴いながら堅調に推移している業界といえます。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の医療用機械器具・医療用品製造業の事業所数は1321事業所(対前年比99.8%)、従業者数は6万2927人(対前年比102.6%)、製造品出荷額等は1兆6984億7500万円(対前年比105.4%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は48人(対前年比102.9%)、現金給与総額は2億2600万円(対前年比107.1%)、原材料使用額等は7億2900万円(対前年比105.3%)、製造品出荷額等は12億8600万円(対前年比105.7%)、付加価値額は5億400万円(対前年比107.2%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は475万円(対前年比104.1%)、製造品出荷額等は2699万円(対前年比102.7%)、付加価値額は1058万円(対前年比104.2%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は56.7%(対前年比99.7%)、同付加価値額比率は39.2%(対前年比101.4%)、同現金給与総額比率は17.6%(対前年比101.3%)となっています。

【2740 医療用機械器具・医療用品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)医療用機械器具製造業

2023年の医療用機械器具製造業の事業所数は721事業所(対前年比100.0%)、従業者数は4万5641人(対前年比103.5%)、製造品出荷額等は1兆2437億3500万円(対前年比105.9%)となっています。

【2741 医療用機械器具製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)歯科用機械器具製造業

2023年の歯科用機械器具製造業の事業所数は95事業所(対前年比99.0%)、従業者数は4903人(対前年比97.2%)、製造品出荷額等は1365億4700万円(対前年比103.0%)となっています。

【2742 歯科用機械器具製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)医療用品製造業(動物用医療機械器具を含む)

2023年の医療用品製造業(動物用医療機械器具を含む)の事業所数は373事業所(対前年比99.2%)、従業者数は8190人(対前年比100.4%)、製造品出荷額等は1377億2500万円(対前年比104.8%)となっています。

【2743 医療用品製造業(動物用医療機械器具を含む)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)歯科材料製造業

2023年の歯科材料製造業の事業所数は132事業所(対前年比100.8%)、従業者数は4193人(対前年比104.8%)、製造品出荷額等は1804億6900万円(対前年比104.9%)となっています。

【2744 歯科材料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【医療用機械器具・医療用品製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【中堅社員のスピーチ例】お客さまから頼られるための3つのポイント

【ポイント】

  • お客さまと接する際は、会社としてだけでなく自分個人を信頼してもらう必要がある
  • それには「お客さまへの理解」「自社の商品・サービスの知識」「人間性」が不可欠
  • 上司が責任を取ってくれるのは、自分がお客さまの信頼を得るために努力した先の話

新年度が始まり、このたび私はある取引先のメイン担当になりました。昨年度までは上司がメイン担当で、私はサポート役に徹していました。そのため、お客さまとの会議でも、「上司の邪魔にならないように」と発言しないことがほとんどでしたが、これからは自ら前に出て、積極的にコミュニケーションを取らなければなりません。だから、今年度は「会社ではなく、私という個人をお客さまに信頼してもらう」ことを目標に掲げます。そのための第一歩として、まずは以前上司から教わった「お客さまから頼られる人が持つ3つのポイント」を実践してみたいと思います。

1つ目は「お客さまへの理解」です。お客さまが抱えている課題は何か、ニーズを理解しないと、自社の商品やサービスをどのように勧めればよいのか分かりません。まずは、お客さま自身のことだけでなく、お客さまがいる地域の特性など、周辺情報も含めて頭にたたき込みます。

2つ目は「自社の商品・サービスの知識」です。自社の商品・サービスは、競合他社と比べて何が優れているのか、お客さまが抱えている課題をどのように解決できるのか、その良さを提供する側として正確に理解しておかなければなりません。だから、実際に商品・サービスを使ってみて良い点・悪い点を分析して、もし、お客さまの要望に合わないときも代替策を提案できるようにします。

3つ目は「人間性」です。具体的には、「礼儀正しく約束を破らないこと」「相手の立場に立って、必要な物事をよく考えられること」だといえるでしょう。ただ、「人間性」は一朝一夕では身につかないので、まずはお客さまから「常に自分たちを気にかけてくれている、何か困ったときには話を聞いてもらえそうだ」と思ってもらえるよう、「マメな連絡を欠かさないこと」を徹底します。

これまでの私には「何かあっても上司が何とかしてくれる」という甘えがありました。もちろん、私がメイン担当になった後も、上司は「自分が責任を取るから安心していい」と言ってくれますが、それは私がお客さまの信頼を得るために努力を重ねた先にある話だと思っています。先ほど口にした「会社ではなく、私という個人をお客さまに信頼してもらう」という目標を口だけで終わらせないよう、教わった3つのポイントを実践し、成果を上げ、皆さんにたくさんの良い報告ができるよう、頑張っていきます。

以上(2025年4月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【かんたん法人税(4)】人材(従業員)に係る税務

1 従業員に係る税務上の重要なポイント

シリーズ第4回では、従業員に係る税務の取り扱いに注目します。従業員に支給する給料や賞与、退職金などは、法人税の課税所得を計算する上では、原則として支給額の全額が損金算入されますが、重要なのは損金算入のタイミングです。

税務調査において、従業員に関する税務で重要視されるポイントは、

  1. 従業員に対する給料等の損金算入のタイミングが適切であるか否か
  2. 損金算入をする上での書類が適切に保管されているか

といった点です。損金に算入するタイミングを誤った場合、一時的に想定外の税金を追加納税しなければならないケースもあり得るので注意しましょう。

また、同族会社においては、従業員に対する給料であっても、場合によっては支給額の全額が損金算入されないケースもあるので、併せて注意する必要があります。

従業員に係る税務上の重要ポイントは次の通りです。

  • 決算賞与の未払計上の損金算入
  • 従業員の退職金関連(一時金、各種年金制度の拠出金、退職給付引当金)の取り扱い
  • ストック・オプションの取り扱い
  • 過大な使用人給与の損金不算入

2 従業員に係る税務上の取り扱いと留意点

1)決算賞与の未払計上の損金算入

1.従業員に対する賞与の損金算入時期の原則

従業員に対する賞与の損金算入時期の原則的取り扱いは次の通りです。

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図表1の通り、あらかじめ定められている支給予定日(支給予定日が定められていない場合は実際に支給された日)に損金算入されることとなり、支給予定日前に未払計上して損金に算入することは、原則として認められていません。

2.決算賞与の未払計上の損金算入の特例

1.の原則的な取り扱いに対し、決算賞与(夏季・冬季賞与のように定期的に支払われる賞与ではなく、決算上の利益に基づき支払われる賞与)については、未払計上し、支給予定日前に損金算入できる特例があります。この特例を適用するには、次の要件の全てを満たす必要があります。

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(要件1)の通知については、書面か口頭かについてまでの規定はありません。しかし、税務調査においては適正に通知を行っていることを証明するためにも、書面にて作成し、かつ、各従業員に署名してもらうのが賢明です。

また、(要件2)については、通知をした従業員の全員に対して決算賞与を支払う必要があります。例えば、通知をした日から支給日までの間に退職した人について支給しないケースは、この要件を満たさないこととなるため注意が必要です。

この特例を適用することで、未払計上した分、課税を繰り延べること(本来なら当事業年度に係る法人税を、翌事業年度以降に持ち越すこと)ができます。ただし、要件を1つでも満たさない場合は、原則通り、「支給した日」に損金算入されます。この点は税務調査でも重点的にチェックされる可能性が高いので、注意しましょう。

2)従業員の退職金関連の取り扱い

1.退職一時金の取り扱い

従業員に支給する退職一時金については、「退職日」「退職金支給日」「就業規則に明記されている支給日(退職日から〇カ月以内など)」のいずれかのタイミングを選択して損金算入できます。

例えば3月決算法人で、従業員が3月末日に退職し、かつ退職金を4月末に支給した場合、3月末日あるいは4月末日のいずれでも損金算入が可能となるため、当事業年度の損益状況に応じて選択できます。

2.各種年金制度の拠出金

中小企業が従業員の退職金を積み立てることを目的として、中小企業退職金共済などの制度に加入し、掛金を支払うケースがあります。この掛金については「実際に払い込みをした日」に損金算入されます。

従って、期末において当月分を未払計上したとしても、実際の払い込みがなされていないことから、未払計上分については損金に算入されません。税務調査においては、特に決算前後に計上された掛金の払込時期についてチェックされるので注意しましょう。

3.退職給付引当金

従業員の退職に伴う退職金の支給に備えて退職給付引当金を設定し、退職金相当額を社内に留保するケースがあると思います。ただし、税務上、この退職給付引当金の繰入額についての損金算入は認められていません。

従って、従業員の退職金に係る費用については、実際に従業員が退職し、退職金を支給した場合において、上記1.の退職一時金支給に係る損金算入時期に従って損金算入されることになります。

3)ストック・オプションの取り扱い

ストック・オプション制度とは、法人が従業員の労働の見返りとして、一定の期間(権利行使期間)中に、あらかじめ定められた価額(権利行使価額)で自社の株式を取得できる権利を、従業員に付与する制度です。

ストック・オプションを付与された従業員は、自社株式の株価が上昇した場合でも、権利行使価額にて株式を取得することができるため、その値上がり分について利益が得られます(その従業員が得た利益は、原則として権利行使をした際に「給与所得」になるので所得税が課されます)。

一方、会社側では、ストック・オプションを従業員に対する給与(ストック・オプション費用)として費用計上します。ストック・オプション費用については、従業員が付与されたストック・オプションにつき、権利行使をして株式を取得し、従業員に対し所得税が課されるとき(給与等課税事由が生じたときといいます)に損金算入されます。従って、ストック・オプションを従業員に付与した時点では、このストック・オプション費用は損金算入できません。

なお、ストック・オプションについては、権利行使価額や権利行使期間において一定の要件を満たす「税制適格ストック・オプション」があります。詳細な説明は省略しますが、税制適格ストック・オプションである場合、従業員が権利行使したときに、従業員に対して所得税(給与所得として)が課されません。

会社でストック・オプション費用を損金算入するのは、給与等課税事由が生じたときと決められているため、税制適格ストック・オプションの場合、ストック・オプション費用を損金に算入できない点に留意しましょう。

4)過大な使用人給与の損金不算入

従業員に対する給与は、原則として全額損金に算入されます。ただし、同族会社の場合、法人の役員と特殊関係にある従業員(以下「特殊関係使用人」)に対する給与については、支給された給与のうち、不相当に高額と判断される部分の金額については損金不算入として取り扱われます。

これは、一般の従業員については雇用契約に基づき、双方の合意のもとで給与が決定されるのに対し、特殊関係使用人に対しては手続きが不透明で、かつ不相当に高額な給与となる可能性があるからです。給与額を調整して、法人税を不当に減少させることを防ぐため、このような取り扱いとなっています。特殊関係使用人とは次の者をいいます。

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支給した給与が不相当に高額か否かの判断は難しいですが、通常は特殊関係使用人の職務内容や、一般の従業員に対する給与の支給状況等を考慮して判断されます。

例えば、一般の従業員と同年齢・同職務にもかかわらず、特殊関係使用人の給与が著しく高い場合には、差額部分について損金不算入とされる可能性があります。特殊関係使用人に対する給与の決定過程については、税務調査時に詳細に説明できるよう、関係書類などを事前に準備しておくことが重要です。

以上(2025年4月更新)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 富永慎也)

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画像:pixabay

【業種別データ】酒類製造業の動向

酒類製造業は、2023年に製造品出荷額等が3兆6608億円(前年比109.9%)と拡大し、業界全体では堅調でした。特にビール類は出荷額が2兆円超と大幅増で全体を牽引しました。一方、清酒は小幅増にとどまり、果実酒は減少、蒸留酒は従業者数・出荷額ともに大きく落ち込みました。市場は二極化が進み、主力商品の強さと一部分野の苦戦が同時に見られます。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の酒類製造業の事業所数は1800事業所(対前年比99.7%)、従業者数は3万5221人(対前年比100.7%)、製造品出荷額等は3兆6608億9100万円(対前年比109.9%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は20人(対前年比101.0%)、現金給与総額は8300万円(対前年比101.2%)、原材料使用額等は5億900万円(対前年比106.5%)、製造品出荷額等は20億3400万円(対前年比110.2%)、付加価値額は6億7700万円(対前年比107.4%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は424万円(対前年比100.2%)、製造品出荷額等は1億394万円(対前年比109.2%)、付加価値額は3462万円(対前年比106.3%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は25.0%(対前年比96.6%)、同付加価値額比率は33.3%(対前年比97.4%)、同現金給与総額比率は4.1%(対前年比91.8%)となっています。

【1020 酒類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)果実酒製造業

2023年の果実酒製造業の事業所数は166事業所(対前年比99.4%)、従業者数は2532人(対前年比99.9%)、製造品出荷額等は726億9300万円(対前年比90.5%)となっています。

【1021 果実酒製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)ビール類製造業

2023年のビール類製造業の事業所数は171事業所(対前年比137.9%)、従業者数は6317人(対前年比157.6%)、製造品出荷額等は2兆587億2800万円(対前年比151.5%)となっています。

【1022 ビール類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)清酒製造業

2023年の清酒製造業の事業所数は1105事業所(対前年比100.0%)、従業者数は1万6869人(対前年比100.7%)、製造品出荷額等は4017億1400万円(対前年比102.5%)となっています。

【1023 清酒製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)蒸留酒製造業

2023年の蒸留酒製造業の事業所数は339事業所(対前年比98.3%)、従業者数は8249人(対前年比70.6%)、製造品出荷額等は1兆438億4600万円(対前年比69.6%)となっています。

【1025 蒸留酒製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【酒類製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

令和7年度の新入行員研修が行われました!

令和7年4月11日(金)、徳島大正銀行では、新入行員59人を対象に「四国八十八箇所巡り」のお遍路体験研修を実施しました。

【研修の目的】

・各自が目標にチャレンジし最後まで諦めない強い意思を持たせること
・同期との連帯感を醸成し、高い目標に対する達成感や充実感を経験させること
・四国八十八か所の歴史・文化を勉強し体感させること

【お遍路とは】

弘法大師・空海が修行した八十八箇所の霊場を回る巡礼の旅のことです。
霊場は徳島の霊山寺から始まり、高知、愛媛、そして弘法大師生誕の地である香川までの4県にわたって続き、総距離1,400kmにも及びます。

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1番札所「霊山寺」で板東頭取があいさつし、「目標を達成する力や同期との連帯感を育んでほしい」と述べて激励しました。

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出発前の新入行員に、本日の意気込みを聞いてみました!

天野さん

【天野さん】祖父が徳島出身で小さい時にお遍路を歩いたことがあり、その時の記憶が蘇ればと思っています!

山本さん

【山本さん】すごく楽しみにしていたので、みんなと一緒にがんばりたいと思います!

2番札所「極楽寺」ではご住職から参拝の作法を学び、社会人生活に向けありがたいお言葉をいただきました。

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この後、最長で11番札所「藤井寺」まで、約37kmを歩いて巡りました。
新入行員研修は最長5月2日まで続きます。
今後も新しい挑戦を共に乗り越え成長していくことと思います。皆さまにはあたたかく見守りいただけますと幸いでございます。

以上(2025年4月作成)

【健康経営】健康診断で「異常」の所見があったらどうする?

1 健康診断は「異常」が発見されてからが本番!

会社は労働安全衛生法などに基づき、法定の健康診断(定期健康診断など)を実施する義務があります。ただ、これで終わりではなく、「異常」の所見があった社員について、

医師等(医師または歯科医師)の意見を聴き、必要に応じて労働時間の短縮や配置転換などをしなければならない

ことをご存知でしょうか。この義務には罰則がなく、「健康診断の後は社員の責任」という勘違いもあってか、

  • 健康診断の結果を確認していない
  • 「異常」の所見があった社員に、病院に行くよう忠告するだけで終わっている

など、健康診断がやりっ放しになりがちです。

健康診断は社員の健康を守るために実施するものであり、

「異常」が発見されてからが本番!

といっても過言ではありません。ちなみに、定期健康診断で「異常」の所見があった社員の割合は2023年時点で58.9%に上ります。会社が何もしなければ、6割近い社員の健康が危ぶまれると思って、以降で紹介する「異常」の所見があった社員への対応をご確認ください。

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2 「異常なし」以外は「異常」の所見あり

健康診断結果には、社員の健康状態が「判定区分」として記載されています。判定区分の設定は医療機関ごとに異なりますが、例えば次のようなイメージです。

  1. 異常なし:健康状態に特に問題はない
  2. 軽度異常:数値上は異常を認めるが、日常生活に差し支えない
  3. 経過観察:治療や精密検査は不要だが、生活習慣を改善しつつ経過を見る必要がある
  4. 要治療:病気と考えられるので、治療や保健指導を受ける必要がある
  5. 要精密検査:さらに詳しく検査を行い、病気の有無を確認する必要がある

上の5つの場合、「1.異常なし」以外は「異常」の所見があるものとなります。医療機関がこれ以外の判定区分を設定している場合も、

「所見を認めない」など、明らかに問題ないと判断できるもの以外は、基本的に「異常」の所見があるものと考えて差し支えない

でしょう。

3 医師等の意見聴取はどうやって進める?

「異常」の所見があった社員については、

健康診断をしてから3カ月以内に、就業上必要な措置について医師等の意見を聴取

しなければなりません。意見を聴取する相手は、

  • 会社の産業医(社員数が常時50人以上の場合、選任は義務)
  • 地域産業保健センター(労働者健康安全機構が運営)の健康相談窓口
  • 社員の主治医(社員が主治医の意見を会社に伝える)

などがあります。通常、社員の健康診断結果を医師等に渡した上で意見を聴取します。これは法令で認められた行為ですが、健康診断結果は「要配慮個人情報」なので、その取り扱いには注意しましょう。

さて、厚生労働省の指針では、医師等から主に聴取すべき意見として次の2つが示されています(厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」)。

  1. 就業区分(通常勤務でよいか、就業制限や休業が必要か)と必要な措置(労働時間の短縮、作業の転換など)に関する意見
  2. 作業環境管理(施設や設備の状況など)や作業管理(作業方法など)に関する意見

意見聴取は、口頭と書面(意見書など)のどちらで行っても構いませんが、

聴取した意見は、健康診断結果の個人票に記載しなければならない

ので注意してください。

4 就業上必要な措置って具体的に何?

就業上必要な措置の内容は、おおまかに次のように区分できます。

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多くの場合は「通常の勤務でよい」ということになりますが、そうでなければ医師等の意見を勘案して措置を実施します。その際、

措置の対象となる社員の意見も聴き、内容について了解を得た上で実施するのが望ましい

とされています(厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」)。

なお、措置を講じるために社員の上司などの協力を求める場合、社員の病気などに関する情報は提供せず、措置の目的や内容を中心に伝えるのが基本です。健康管理業務に従事しない上司に要配慮個人情報を提供すると、個人情報保護法に違反する恐れがあります。

5 社員に治療や精密検査を受けるよう命令できる?

ここまで会社の義務について紹介してきましたが、社員も自らの健康維持のために努力しなければなりません。例えば、

通常の勤務でよい(就業上必要な措置はない)が、治療や精密検査は必要

というのはよくあるケースですが、社員が治療や精密検査を受けないまま健康状態を悪化させたら、健康診断を実施した意味がありません。

こうした場合、就業規則に、

健康診断で「異常」の所見があるなど、会社が必要と認めた場合、治療や精密検査を受けなければならない

といったことを定めるとよいでしょう。また、命令する以上は、会社による費用負担、就業時間中の受診、受診している間の給与の支払いなどについても検討する必要があるでしょう。

6 「異常」の所見があった場合に役立つ制度はある?

健康診断の結果、次の4つの検査項目全てで「異常」の所見があった社員(例外あり)は、労災保険の「二次健康診断等給付」を受けられます。

  1. 血圧検査
  2. 血中脂質検査
  3. 血糖検査
  4. 腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定

二次健康診断等給付の内容は、

  1. 二次健康診断:脳血管と心臓の状態を把握するために必要な検査
  2. 特定保健指導:脳・心臓疾患の発症の予防を図るための保健指導

の2種類で、どちらも無料です(どちらも年度内に1回まで)。実施義務はありませんが、該当する社員がいる場合、積極的に受診を奨めるとよいでしょう。

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以上(2025年4月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 小出雄輝)

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画像:Marina Zlochin-Adobe Stock

【業種別データ】めん類、その他の食料品製造業の動向

2023年の「めん類、その他の食料品製造業」は、事業所数・従業者数がほぼ横ばいの一方、製造品出荷額は前年比約4%増と拡大し、冷凍調理食品、惣菜、すし・弁当・調理パンなど中食・簡便ニーズを背景に需要は堅調です。1事業所当たり出荷額や付加価値額も増加し生産性は改善傾向にあるものの、原材料費比率は依然6割前後と高く、人件費負担も重いことから、めん類製造業の経営指標では営業利益率がマイナスとなるなど、コスト高の中で収益確保に苦慮する業界構造がうかがえます。

1 業界動向

1)業界全体

2023年のその他の食料品製造業の事業所数は8203事業所(対前年比99.7%)、従業者数は44万5684人(対前年比99.8%)、製造品出荷額等は9兆2342億8900万円(対前年比104.1%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は54人(対前年比100.1%)、現金給与総額は1億6200万円(対前年比101.6%)、原材料使用額等は6億5100万円(対前年比103.1%)、製造品出荷額等は11億2600万円(対前年比104.4%)、付加価値額は4億1800万円(対前年比106.4%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は298万円(対前年比101.5%)、製造品出荷額等は2072万円(対前年比104.3%)、付加価値額は769万円(対前年比106.3%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は57.8%(対前年比98.8%)、同付加価値額比率は37.1%(対前年比101.9%)、同現金給与総額比率は14.4%(対前年比97.4%)となっています。

【0990 その他の食料品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)でんぷん製造業

2023年のでんぷん製造業の事業所数は51事業所(対前年比100.0%)、従業者数は1551人(対前年比70.4%)、製造品出荷額等は1063億8000万円(対前年比66.6%)となっています。

【0991 でんぷん製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)めん類製造業

2023年のめん類製造業の事業所数は1640事業所(対前年比99.5%)、従業者数は5万2621人(対前年比97.0%)、製造品出荷額等は1兆2320億7400万円(対前年比102.2%)となっています。

【0992 めん類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)豆腐・油揚製造業

2023年の豆腐・油揚製造業の事業所数は734事業所(対前年比99.6%)、従業者数は1万8618人(対前年比102.1%)、製造品出荷額等は3533億6800万円(対前年比110.4%)となっています。

【0993 豆腐・油揚製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)あん類製造業

2023年のあん類製造業の事業所数は251事業所(対前年比99.2%)、従業者数は3150人(対前年比98.8%)、製造品出荷額等は740億2800万円(対前年比106.6%)となっています。

【0994 あん類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

6)冷凍調理食品製造業

2023年の冷凍調理食品製造業の事業所数は767事業所(対前年比100.0%)、従業者数は5万7036人(対前年比98.3%)、製造品出荷額等は1兆4666億8100万円(対前年比101.4%)となっています。

【0995 冷凍調理食品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

7)そう(惣)菜製造業

2023年のそう(惣)菜製造業の事業所数は820事業所(対前年比100.5%)、従業者数は6万8307人(対前年比100.4%)、製造品出荷額等は1兆1467億7700万円(対前年比104.9%)となっています。

【0996 そう(惣)菜製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

8)すし・弁当・調理パン製造業

2023年のすし・弁当・調理パン製造業の事業所数は870事業所(対前年比99.5%)、従業者数は12万3031人(対前年比100.9%)、製造品出荷額等は1兆7558億300万円(対前年比107.3%)となっています。

【0997 すし・弁当・調理パン製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

9)レトルト食品製造業

2023年のレトルト食品製造業の事業所数は156事業所(対前年比100.0%)、従業者数は1万883人(対前年比99.0%)、製造品出荷額等は2796億2800万円(対前年比101.2%)となっています。

【0998 レトルト食品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

10)他に分類されない食料品製造業

2023年の他に分類されない食料品製造業の事業所数は2914事業所(対前年比99.6%)、従業者数は11万487人(対前年比100.7%)、製造品出荷額等は2兆8195億5000万円(対前年比105.7%)となっています。

【0999 他に分類されない食料品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【めん類製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【かんたん法人税(3)】固定資産に係る税務

1 固定資産に係る税務上の重要ポイント

シリーズ第3回では、固定資産のうち有形減価償却資産に係る税務上の取り扱いに注目します。固定資産とは、

長期に保有する資産の総称で、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に区分

されます。「長期に保有」は、ワンイヤールール(1年以内の売却や処分を予定していない)で判断します。また、有形固定資産および無形固定資産のうち、減価償却の対象となる資産は、減価償却資産と呼ばれます。固定資産の分類は次の通りです。

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固定資産に係る税務上の取り扱いは、取得時の処理、減価償却、修繕をした場合など、詳細に定められています。固定資産に係る税務上の重要ポイントは次の通りです。

  • 取得価額の判定
  • 減価償却費を損金算入するための要件
  • 一括償却資産と中小企業者における減価償却の特例
  • 特別償却制度
  • 資本的支出と修繕費
  • 評価損・耐用年数の短縮
  • 売却時・除却時の税務

2 減価償却の概要と減価償却資産の分類

1)基本的な考え方

建物や機械などの有形固定資産、鉱業権や特許権などの無形固定資産は、取得後、使用することで時間の経過とともに経済価値が消耗・損耗していきます。この資産の経済価値の消耗・損耗分を減価(価値の減少)と見なし、その金額を一定の方法により、資産の使用可能期間にわたって、各期の費用として配分する会計処理を「減価償却」といいます。

前述の通り、減価償却の対象となる資産は減価償却資産として区分され、次のように分類されます。なお、減価償却資産には、建物、車両、器具備品、機械装置、ソフトウエア、営業権などの他、家畜や果樹などの生物も含まれます。

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固定資産の分類は、税務調査で指摘されやすいポイントなので、資産取得の際に適切に区分しておく必要があります。

2)減価償却方法

減価償却の方法にはいくつかがありますが、一般的なものは定額法と定率法です。

  • 定額法:耐用年数にわたり、毎期均等の金額を減価償却費として計上
  • 定率法:耐用年数にわたり、未償却残高を毎期同じ割合を減価償却費として計上

耐用年数とは、固定資産を事業に利用できる年数のことで、税法上、業種や資産ごとに決められています。会計上は、企業が任意に合理的な耐用年数を決めて償却することができますが、その場合は税法基準での処理との二重管理が生じ煩雑になるため、多くの中小企業では税法基準で償却計算が行われています。

耐用年数も税務調査で指摘されやすいポイントです。税務調査では、資産の耐用年数が法定耐用年数にのっとったものかどうか確認されます。また、その資産が実際に事業で使用されているかも確認されます。原則として、使用されていない資産の減価償却は損金算入が認められません。

定額法と定率法の仕組みは次の通りです(取得価額100万円、耐用年数5年の資産を例示)。なお、この記事では、旧定額法・旧定率法についての説明を省略します。

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定額法、定率法ともに、償却終了時に備忘価額(保有していることを忘れないように財務諸表に表示する価額)として帳簿価額1円を計上します(図表3-定額法および定率法の「5年目の期末帳簿価額」)。

また、現行の定率法において、償却当初の償却率(0.4)は定額法の償却率(0.2)の2倍となっています。ただし、当初の償却率(0.4)のままでは耐用年数内に、備忘価額1円まで減価償却することができません。そこで、帳簿価額が取得価額に一定の率を乗じた金額(改定取得価額、図表3-定率法の「3年目の期末帳簿価額」)まで到達した後は、新たな償却率(0.5。改定償却率)により償却を行うこととなります。

なお、改定取得価額とは、当初の償却率による償却額が初めて償却保証額(資産の取得価額に当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額)に満たないこととなる年の期首における未償却残高のことをいいます。また、改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額が、その後毎期均等になるように当該資産の耐用年数に応じた償却率をいいます。

3)固定資産を処分した場合の会計処理

ここでは、図表3の事例を使って、固定資産を処分するときの会計処理を説明します。

例えば、定額法により償却していた資産が、3年間使用した時点で壊れてしまったため処分したとします。この場合、処分時(3年経過時)のこの資産の帳簿価額40万円(=取得価額100万円-減価償却累計額60万円)を、会計上、固定資産(資産科目)から費用科目に一度に振り替える必要があります。本ケースでは、40万円の固定資産除却損を損益計算書に計上し、固定資産の帳簿価額をゼロにします(税務上の詳細な取り扱いは後述)。このように、固定資産を処分した場合には、期中に予定していなかった費用が発生し、利益に大きく影響するため注意が必要です。

3 固定資産に係る税務上の取り扱いと留意点

1)取得価額の判定

固定資産の取得価額の判定は、通常その単位ごとに行います。単位といっても、全ての資産が1個の資産で成り立つわけではありません。例えば、「応接セット」として資産計上することがあります。この場合は、一式そろって初めて機能するものなので、取得価額も一式分(テーブル、椅子、ソファなどの合計)の価額となります。また、資産の取得に際し、付随して生じる費用(設置費用など)も、取得価額に含めなければなりません。取得価額とすべき付随費用が費用(支払手数料など)として処理されていないかどうかは、税務調査でも指摘の多いポイントの1つです。

また、税務上は取得価額が10万円未満のもの(または使用可能期間が1年未満のもの)については、固定資産として資産に計上せず、消耗品費などとして一括で費用にすることができます(詳細は後述)。

2)減価償却費を損金算入するための要件

有形減価償却資産については耐用年数経過時に1円まで償却することが可能ですが、減価償却費を損金算入するためには、次の要件を満たす必要があります。

  • 法人税法施行令で定められている償却限度額以内であること
  • 損金経理を行っていること
  • 別表明細書(別表16)を確定申告書に添付すること

3)一括償却資産と中小企業者における減価償却の特例

税務上、10万円以上の固定資産を購入した場合には、減価償却資産として資産に計上するのが原則ですが、取得価額が30万円未満のものについては、次のような処理方法が認められています。

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取得価額が10万円未満(または使用可能期間が1年未満のもの)のものについては前述した通り、固定資産とせず費用に計上できます。

取得価額が10万円以上20万円未満のものについては、一括償却資産として資産計上し、3年間で償却することが認められています。固定資産の多くは、耐用年数が3年を超えるものが多いため、通常より早期に償却(費用計上)することができます。

また、中小企業者等(資本金の額等が1億円以下の一定の法人)においては、「少額減価償却資産の特例」という、30万円未満の固定資産を費用に計上できる制度(年間の総額が300万円に達するまで)が利用できます。適用を受ける場合には、適用額明細書を法人税の確定申告書に添付する必要があります。

4)特別償却制度

特定産業の保護・育成や特定の投資の促進などを目的として、租税特別措置法に規定されているのが、特別償却制度です。この制度を利用することで、償却限度額が増加し、税負担を減少させられます。税法上の早期償却の方法には、初年度特別償却と割増償却とがあります。

  • 特別償却:資産を取得した最初の期のみ、償却限度額を増加させるため特別償却率を乗じることを認める制度
  • 割増償却:数年間にわたり普通償却限度額(通常の減価償却に係る償却限度額)とは別に、特別償却限度額を認める制度

特別償却は、対象資産ごとに対象事業者が設定されており、ほとんどの場合、青色申告法人であることが要件になります。また、申告時には特別償却についての付表の添付が求められます。これらの適用要件を満たしているかどうかも、税務調査で指摘の多いポイントの1つです。また、租税特別措置法の適用を受ける場合には、適用額明細書を法人税の確定申告書に添付する必要があります。

5)資本的支出と修繕費

資本的支出と修繕費の取り扱いは、現場担当者の判断にミスが生じやすい項目の1つです。資本的支出とは、すでに保有している固定資産の修理、改良などのために支出した金額のうち、その固定資産を使うことのできる期間(使用可能期間)を延長させる部分または価値を増大させる部分をいいます。資本的支出に該当する場合は、費用ではなく、新たな固定資産を購入したものとして資産計上し、耐用年数にわたり減価償却を行っていかなければなりません。

一方、修繕費とは、固定資産の維持管理または原状回復のための支出をいいます。修繕費に該当する場合は、費用として処理されます。

資本的支出か修繕費かを判断するためのフロー図は次の通りです。

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修繕費と減価償却資産が適切に区分されているかどうかは、税務調査において指摘の多いポイントですので、留意する必要があります。

6)評価損、耐用年数の短縮

1.固定資産の評価損について

固定資産の価格の下落による損失は、会計上で評価損として費用計上することがありますが、税務上は原則として評価損の損金算入は認められません。ただし、例外として、固定資産について、一定の事実があった場合には、損金経理により帳簿価額を減額することを条件に、評価損の損金算入が認められています。税務上、固定資産の評価損を計上できるケースとできないケースは次の通りです。

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2.固定資産の耐用年数の短縮について

固定資産の耐用年数は、耐用年数表により画一的に定められています(法定耐用年数)。ただし、一定の理由により、使用可能期間が法定耐用年数と比較しておよそ10%以上短くなったと判断される場合には、所轄税務署長の承認を受けることで、法定耐用年数を使用可能期間に短縮できます。

7)売却時・除却時の税務

有形固定資産を売却した場合、売却時点の帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却損益として処理します。固定資産売却損益は、臨時的に発生した損益として特別損益に表示されます。また、売却に際して手数料などの付随費用が生じた場合は、売却損益に反映します。

なお、固定資産を除却する場合、税務においては固定資産を実際に廃棄するまでは除却損を損金に算入できません。従って、実務上は廃棄を証明する資料、例えば産業廃棄物管理票(マニフェスト)などを適切に保存・管理する必要があります。

ただし、次のような場合には、実際に廃棄せずとも、帳簿価額から処分見込額を控除した金額の損金に算入できます。これを有姿除却(有姿=姿を残したままの意)といいます。

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図表7の(1)は、税務調査で指摘の多いポイントの1つです。固定資産を再使用しないことを明らかにするため、当該固定資産の現況、使用中止に至った経緯、転用等の再使用の可能性を検討した資料を残しておく必要があります。

4 リース取引

リースとは、企業が設備を導入する場合に、自社で購入(所有)するのではなく、リース会社が購入した物件を賃借し使用する取引のことです。リース取引は、中途解約ができず、その資産の購入代金のほぼ全額をリース料という形で支払う賃貸借取引である「ファイナンス・リース」と、それ以外のリース取引である「オペレーティング・リース」とに分類されます。

税務上では、ファイナンス・リースのみが「リース取引」に該当し、原則として売買したものとして取り扱われます。従って、固定資産を購入した場合と同じく、リース期間にわたり減価償却をしていかなければなりません。

一方、オペレーティング・リースは、税務上は賃貸借取引とされるため、賃借料、レンタル料などの費目で処理されることになります。

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また、ファイナンス・リース取引(税務上の「リース取引」)は、リース期間の中途または終了後に所有権が移転するかしないかという観点で、さらに「所有権移転ファイナンス・リース」と「所有権移転外ファイナンス・リース」とに分類することができます。ファイナンス・リースでは減価償却費を費用計上することとなりますが、取引内容により減価償却方法が変わりますのでご留意ください(詳細は図表9の通りです)。

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なお、2027年4月1日以降に開始する事業年度から、リースに関する会計基準が変更されます。監査法人の監査が必要な上場企業などに対しては強制適用となりますが、中小企業については任意の適用となります。新しい基準(新リース会計基準)では、これまでオペレーティング・リースとして、賃借料を費用計上するだけで良かったものも、会計上はファイナンス・リースと同様、貸借対照表上に資産・負債として計上し、減価償却費により費用計上することになります。ただし、

税務上は、新しい基準適用したとしても、オペレーティング・リースについては、現行の処理(賃借料などを損金とする処理)を継続

するとして、特段の変更はありません。

そのため、新リース会計基準を適用した場合のオペレーティング・リース取引については、会計上の処理(減価償却と利息費用を費用処理)と、税務上の処理(賃借料などを損金処理)で差異が生じるので、確定申告において税務調整が必要になります。

以上(2025年4月)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 税理士 富永慎也)

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画像:pixabay