中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助など幅広いジャンルの支援があります。
本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。
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中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助など幅広いジャンルの支援があります。
本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。
「きらやか情報ステーションのコンテンツは、管理職向けの研修教材に使っています」
こう言って、きらやか情報ステーションをよく使ってくださっている企業さまが、これまでの研修教材にご活用いただいたコンテンツを見せてくださいました。たくさんのコンテンツがファイリングされた、とても分厚いバインダーでした。
管理職向けの研修教材にご活用いただいているテーマとしては、
ハラスメント、上司と部下のコミュニケーション、管理会計、朝礼スピーチ
などがあるそうです。
きらやか情報ステーションでは、日ごろ、会員さまが会社経営やビジネスで困ったとき、何かヒントが欲しいときなどにお役立ていただけるよう、
労務・財務・税務・法務、業界動向、人材育成、朝礼で使えるスピーチ、規程集など、常時1000本以上のビジネス系コンテンツを掲載しています。
ただ、「実際にどのようなコンテンツがあって、どのように活用できるか分からない」という会員さまもおられるかもしれません。その際は、今回、この記事でご紹介する企業さまの活用方法などをよろしければご参考になさってください。
冒頭の企業さまに、実際にハラスメントやコミュニケーション系のコンテンツを管理職向けの研修教材に使ってみて、どのような良いこと、効果があったか尋ねてみたところ、次のようなお話をしてくださいました。
「ハラスメントのコンテンツについては、管理職同士で、記事に書いてある事例を読み合わせしたり、事例をもとに議論したりしている。日頃の自分たちの指導・言動がパワハラになっていないかどうか客観的に振り返る、良いきっかけになっている」
「ハラスメントや上司・部下のコミュニケーションの話などは、実際の社内の話を持ち出すと、どうしても客観的に議論しにくい面がある。逆に、こうしたコンテンツを教材に使うと、客観的に議論ができるようになる」
また、事業承継、後継者育成という面からも、
「損益分岐点の考え方や決算書の読み方、予算の作り方など、管理会計や財務分析、税務系のコンテンツを、後継者候補の勉強用に活用している」
というお話も聞くことができました。
今回、実際に日々さまざまなコンテンツを事業に活用されている事例を直接お伺いすることができ、たいへん貴重な機会でした。ありがとうございます。
このほかの会員さまでも、例えば、財務系のコンテンツを同じように人材育成や自己啓発用に活用してくださっている方や、人材不足で悩んでいるときに高齢者活用・定年再雇用のコンテンツをご覧いただいている方などがいらっしゃいます。
このように、きらやか情報ステーションに掲載されている1000本以上のビジネスコンテンツが、今後も皆さまのお役に立てましたら幸いです。
なお、ハラスメント、財務、会計、といったキーワードでコンテンツを探したい場合は、サイト上部の検索ボックスをぜひご利用ください。

最後に、2024年によく見られた人気コンテンツをランキングでご紹介します!
ご興味惹かれるタイトルがありましたら、クリックしてご一読いただけますと幸いです。
第1位 「会社の飲み会は労働時間ですよね?」と社員に聞かれたらどう返す?
第2位 2024年6月から始まる「定額減税」の内容とやるべきことを整理
第4位 「年収の壁」は6枚。配偶者特別控除が受けられなくなる年収、社会保険料の負担が発生する年収はいくら?
第5位 【社長のモノサシ】退職したい社員を引き止める? 引き止めない?
第6位 2024年「賃上げ」に対する経営者317人の本音。あそこの企業は賃上げするのか?
第7位 【中小企業の予算(2)】予算「損益計算書」の数字の作り方
第8位 中小企業が知っておくべき「令和6年度税制改正大綱」のポイント
第9位 「賃上げ」の参考情報! 助成金、社会保険料、賃金規程などさまざまな観点から一挙紹介!
第10位 5種類の「税務調査」の調査方法。オフィス以外でも行われ、社長の自宅や個人口座の情報も調査対象に!
以上
1 最低賃金は「1500円」時代へ……?
2 【ケース1】手当で賃上げをしたら、最低賃金を下回った……
3 【ケース2】手当を廃止して基本給に回したら残業代が……
4 【ケース3】一部の社員だけ賃上げしたら職場に“溝”が……
5 【ケース4】全社的な賃上げで一部の社員から不満が……
2024年10月、全国の最低賃金(地域別最低賃金)が、全国加重平均で過去最高の1055円になりました。さらに、石破新内閣が「5年以内に最低賃金1500円」という目標を打ち出すなど、賃上げに向けた動きが加速しています。長期的な人手不足にこうした政府の動きも加わり、多くの会社が人材確保のために賃金のアップを検討していることでしょう。
ですが、ご用心。せっかくの賃上げも、方法を間違えると思わぬトラブルを招くことがあります。この記事では、社労士の視点から要注意な賃上げの例を4つ紹介します。
東京都のある会社は、基本給こそ控えめですが、様々な手当によって賃上げを図っています。若手社員のAさんも平均27万円をキープしており、「同業他社と比べても遜色ない水準だ」と会社の社長は思っていました。
ところがある日、労働基準監督署から、1通の通知が届きました。
「え? Aさんが最低賃金を下回っている? それは何かの間違いでは?」
と、社長は驚きを隠せません。なぜ、Aさんは最低賃金を下回ってしまったのでしょうか?
日給制や月給制の社員の賃金を最低賃金と比較する場合、対象者の賃金を時給に換算する必要があります。ですが、時給に換算する際の計算方法は法令で次のように決まっていて、計算式を間違えると、最低賃金を下回ってしまうことがあります。
また、最低賃金の計算に含まれるのは、「毎月支払われる基本給と諸手当(職務手当、役職手当、住宅手当など)」だけで、時間外勤務手当(残業代)や賞与、通勤手当、家族手当などは対象外です。このあたりもトラブルになりやすい点です。

例えば、ケーススタディーのAさんについて、月給(27万円)の内訳が次の金額だとします。
【月給(27万円)の内訳】
2024年10月から、東京都の最低賃金(地域別最低賃金)は1163円になっています。Aさんの月給を時給に換算した額が1163円を下回らなければOKですが、実態はどうでしょうか?
まずはAさんの月給(27万円)から、最低賃金の計算に含まれない時間外勤務手当(5万円)、休日出勤手当(2万円)、通勤手当(5000円)、家族手当(5000円)を除きます。
27万円-(5万円+2万円+5000円+5000円)=19万円
そして、この19万円を、Aさんの「1日の所定労働時間」「年間所定労働日数」を基準に、時給に換算します。1日の所定労働時間を8時間、年間所定労働日数を250日と仮定し、時給に換算してから東京都の最低賃金(1163円)と比較してみましょう。
(19万円×12カ月)÷(250日×8時間)=1140円<1163円
Aさんの月給の時給換算額は1140円で、東京都の最低賃金を下回ってしまいました。このように、月給が多くても、法令にのっとって時給換算すると最低賃金を下回ってしまうことがあるのです。これは違法な状態ですから、すぐに改善しなければなりません。
最近は、基本給を引き上げる代わりに、手当を充実させる会社が少なくありません。基本給は引き上げると簡単に下げられないのに対し、手当は「就業規則等で定める要件を満たす場合のみ支給する(要件を満たさなくなれば支給が止まる)」ため、融通が利きやすいからです。
ですが、最低賃金の計算ルールを正しく理解していないと、ケーススタディーのように落とし穴にハマります。まずは法令にのっとって全社員の賃金を時給換算し、現状を把握するところから始めてみましょう。
また、近年は最低賃金の引き上げ幅が大きいため、気付かないうちに、社員の賃金が最低賃金を下回ってしまうことも想定されます。今どきは、社員の賃金が最低賃金以上かを自動チェックできる機能が付いた給与計算システムもあるので、導入を検討するのもよいでしょう。
ある会社の社長は、賃金制度の見直しを考えています。「これまで家族手当を社員に支給してきたけど、最近は独身者が増えてきて、あまり意味をなしていないな。他にも必要なさそうな手当がチラホラ……。よし、こういう手当は廃止して、その分基本給を引き上げよう!」
社長の提案は受け入れられ、「複数の手当の廃止」と「基本給の引き上げ」が同時に行われました。賃金制度はシンプルで分かりやすくなり、社長は上機嫌でしたが、数カ月後、人事部から提出された賃金の支給明細を見てがくぜんとします。
「手当を廃止して基本給に回してから、残業代がすごく増えている……なぜだ?」
社員の労働状況も確認しましたが、特に残業時間が増えたわけではないようです。手当を廃止した分の額が基本給に置き換わっただけですから、賃金全体の額も変わっていません。それなのに、なぜ残業代が増えてしまったのでしょうか?
ケース1とは逆に、手当を廃止して基本給を引き上げるパターンです。生活関連の手当(家族手当や住宅手当など、生活を補助するための手当)を見直して、基本給や職務関連の手当(役職、資格、業績などに応じて支給する手当)に組み入れる会社は珍しくありませんが、残業代のルールを理解していないと、ケーススタディーのような思わぬコストアップに直面します。
残業代、つまり時間外労働や休日労働の割増賃金を計算する場合、「基準外賃金」といって、割増賃金の計算基礎に含めなくてよい賃金があります。具体的には、次の7つの手当がそうです。
こうした手当を廃止して基本給に組み入れてしまうと、その分、割増賃金の計算基礎となる金額が上昇します。つまり、残業時間が変わらなくても単価が上がるので、残業代は増えてしまうということです。
なお、この他に、基本給をベースに賞与や退職金の額を計算(基本給×支給率〇%など)している場合なども、基本給の引き上げによって、会社の意図しないコストアップが起こり得ます。
賃金体系の見直しを行う際は、基本給の引き上げによる影響を事前に試算することが大切です。残業代、賞与、退職金、他にも社会保険料など、影響を受ける項目を1つ1つ確認し、必要に応じて財務アドバイザーなどとも連携して、資金繰りをしていきましょう。
基本給の引き上げ幅にも注意が必要です。例えば、「3年かけて徐々に基本給を引き上げていく」「対象者を複数のカテゴリーに分けて、カテゴリーごとに賃上げの実施時期を決める」など、会社の負担が一時期に集中しないように、段階的な賃上げを行うことが大切です。
東京都のとあるスーパーの休憩室。パートのBさんは、店長がこんなことを言っているのを耳にしました。
「東京都の最低賃金が1163円に上がったから、新人のCさんの時給を1150円から1200円に引き上げよう」
Bさんはとても不満です。彼女はCさんの教育係であり、スーパーで長く働いてきたベテラン。それなのに、Bさんの時給は「Cさんと同じ1200円」です。しかも「最低賃金を上回っているから」という理由で、今回Bさんは賃上げの対象にならず、時給は据え置きになりました。
「教育係である私が、Cさんと同じ時給だなんて……」
と、Bさんは鬱屈した毎日を過ごしています。
不満があるのはBさんだけではありません。他のパートも休憩室で、
「経験なんて関係ないってこと?」「これじゃ、やる気が出ないわ」
と言い合っています。活気のあった職場の雰囲気が、徐々に不穏なものに変わっていきました。最低賃金を考慮して行われたCさんの賃金設定が、思わぬ波紋を広げていたのです。
全社員の賃金を一律で引き上げることは、会社にとって少なくない負担です。そのため、なかには最低賃金をクリアすることだけを目的に、一部の社員だけを賃上げの対象とする会社もあります。
賃上げの対象者を限定すること自体は違法ではありませんが、当然こうした対応は、他の社員のモチベーションや職場の人間関係に影響を与えます。賃上げをする際は、単に法的な要件を満たすだけでなく、社員全体のバランスや公平性にも目を向けなければなりません。
改善策としてまず挙げられるのは、勤続年数などに対応した「賃金テーブル(賃金表)」を整備することです。前述した通り、近年は最低賃金の大幅な引き上げが続いているので、この点を考慮するなら、例えば、
といった加給方式にするとよいでしょう。
仕事の内容や責任に応じて、別途手当を支給するのもよいでしょう。例えば、新人の教育係やシフトリーダーなどの役割を持つパートには、その役割に応じて「役割手当」などの追加の手当を支給すると、不公平感が薄まります。経験や技能に応じて支給する手当を導入するのもよいでしょう。
営業部のエースDさんは、次の昇給を楽しみにしています。今期の目標を大きく上回る売り上げを達成することができたからです。一方、同じ部署内にはDさんの同期Eさんがいますが、彼のほうは営業成績を伸ばせずにいます。
そんな中、社長が朝礼でこんな発表をしました。
「今回の昇給は、物価上昇に対応するために全員一律で1万円の賃上げをします!」
ほぼ全員が喜んでいましたが、Dさんは曇った表情をしていました。数日間元気のないDさんに、仲の良い先輩が「どうしたの?」と聞くと、彼はこんな不満を口にします。
「僕は後輩の指導をしながら、営業成績も伸ばしています。そんな僕と、いつも遅刻して、ろくに仕事もしないEさんが、同じ1万円アップなのはおかしくないですか?」
Dさんは「どうせ頑張っても評価されない」と感じ始め、少しずつモチベーションが低下。転職も考えるようになってしまいました……。
ケース3とは逆に、全社的な賃上げを行った結果、トラブルになるというパターンです。物価上昇が続く昨今、こうした賃上げを検討する会社も多いですが、勤務年数や能力差に関係なく一律で金額を引き上げると、ケーススタディーのように「どうせ同じ額しか上がらないのなら、頑張っても意味がない」と感じる社員が出てくることもあります。
特に、高いパフォーマンスを発揮している社員ほど、こうした賃上げを不公平だと感じやすいので、会社への貢献度が高い社員の転職を防ぐためにも対策は必須です。
対策として考えられるのは、賃上げを「物価上昇に対応するための賃上げ」「個人の成果や能力を反映するための賃上げ」の2段階に分けて実施することです。
物価上昇に対応するための賃上げについては、金額を一律にして実施します。その後で、個人の成果や能力に応じた加算を行います。この加算はボーナスで対応してもよいでしょう。いずれにせよ、個人の成果や能力に応じて追加の賃上げを行うことで、努力した分が報われるという意識を社員に持たせることが大切です。
以上(2025年1月作成)
pj00733
画像:ChatGPT
新規営業先を獲得するには、日々の営業活動ももちろん大切ですが、
自社の商品・サービスを必要としている顧客が集まる「展示会」に出展する方法
もあります。ただ、これまで展示会に出展したことがない人は、「興味はあるけど、なんだか時間も手間も人手も必要で大変そう」「何をしたらいいか分からない」と思う人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
展示会へ出展する際に、展示会の選定から開催後の挨拶・営業まで自社で行う準備として必要なモノ・コトやその手順を網羅的に説明し、「何をしたらいいか分からない不安」を解決
します。展示会に出展するに当たり、出展決定前から開催後にかけてやるべきことは次の通りです。次章以降で、それぞれの事項について詳しく解説していきます。

また、こちらから実際に展示会に出展する際に使える仕様書(マニュアル)と、シフト表のテンプレートをダウンロードできますので、お役立ていただけますと幸いです。
そもそもどのような展示会に出展するのか、ブース位置はどうするのかなどを検討します。
まず、出展する展示会を選定しましょう。展示会の種類としては、
などが挙げられます。出展する目的によって展示会の形態が違いますので、それぞれの特徴を確認した上で、どの展示会に出展するか検討するとよいでしょう。
ブースの場所選びも重要です。会場や動線(会場における、来場者が移動するであろう経路)にもよりますが、
などのポイントがあります。例えば、次のような会場であった場合、☆印がついている位置に人通りが多くなります。

展示会によって事情は違ってくるので、展示会主催者側の意見も聞いた上で、ブースの場所を検討していきましょう。
展示会で自社の商品・サービスをPRしたい場合、自社のブースで説明するのとは別に、セミナー(講演)を開催するのもよいでしょう。多くの展示会では出展者が登壇するセミナーを企画しているので、そこに申し込みます。
セミナーは、自社の商品・サービスをより深く、細かく、新規顧客に伝えるチャンス
です。セミナーへの参加者は、自社の商品・サービスに何らかの関心があって、自ら話を聞きに来ている人たちです。セミナーの間は必ず話を聞いているので、内容次第ではさらに自社に関心を持ってもらえる可能性がありますし、参加者と名刺交換などをすれば、セミナー後に改めてアプローチをかけられます。なお、セミナーの規模にもよりますが、名刺交換はセミナー前の、参加者が着席したときがチャンスです。セミナーの後だと、参加者は(次のセミナーに参加するためなどで)急いで退場するので、名刺交換ができないことも多いです。
ここからは、B to Bの新規顧客開拓などを目的に行われる「ビジネスショー」への出展を前提として、順を追って紹介していきます。
出展が決定したら、最初に準備するべきはノベルティーなどの製作物です。これらは、自社の商品・サービスを来場者に知ってもらう上で欠かせません。ただし、
会場によっては、ノベルティーの配布や装飾物のカスタマイズが禁止されているケース
があるので、実際に出展する際は、あらかじめ主催者側に確認を取るようにしてください。
ノベルティーとは、企業の名前やURLを入れて配布する贈呈用の品物のことです。
などを配布するのが一般的です。
ノベルティーを作る際は、
宣伝効果が高まるよう、自社のロゴや商品・サービス名などが目立つデザインにする
ことがポイントです。パッと見たときの分かりやすさやインパクトが大切なので、必要に応じて、
といった対応を検討しましょう。なお、飲食物ならパッケージや外箱、それ以外であればノベルティー本体にデザインを印刷するのが定石ですが、OPP袋(透明袋)にノベルティーと自社のチラシを一緒に封入し、配布することも可能です。
装飾物とは、ブースなどに設置するパネルやポスターのことです。準備する際は、
があります。
それぞれのメリット・デメリットを次の図表にまとめましたので、より自社に合った方法を検討しましょう。

パネルは偶然通りかかった人にも自社の商品・サービスの内容が伝わるよう、文字は少なく、イラストや写真を使い、簡潔で分かりやすいデザインにすることを心がけましょう。
また、自社で設営などを行う場合、会場によっては発泡スチロールや可燃性の布など、特定の素材の使用が禁止されているケースもあります。パネルの素材や取り付け時に使う器具なども含めて、主催者側のマニュアルなどをよく確認して準備を進めましょう。
配布物とは、自社の商品・サービスの概要が分かるチラシやパンフレットのことです。時間がない来場者の場合、資料やチラシを受け取ってそのまま帰ってしまうこともあるので、
人が説明しなくても、読むだけで自社商品・サービスの内容が理解できるもの
になるよう心がけましょう。
例えば、
などの方法が考えられます。
ブース内備品とは、来客への説明用に、自社サイトや商品・サービスの資料などを映すPCやディスプレーのことです。
会場によっては、「たこ足配線」が禁止されているケース
があるので、PCやディスプレーの搬入方法なども含め、主催者側のマニュアルなどをよく確認して当日必要なものをそろえていきます。
また、会場やブースの位置によってはインターネット回線がつながりづらいこともあるので、
ブースの位置が確定し次第、会場へ下見に行き、ネットの環境を確認した上でWi-Fiルーターなどの準備をする
ことをお勧めします。
説明用とは別にディスプレーを配置し、商品・サービスの概要が分かる動画を流しておくと、来場者の目に留まりやすくなります。ただ、
ブース外に聞こえるような大きい音声の再生は禁止されていることもある
ので、主催者側に確認の上、準備するとよいでしょう。
展示会の開催に合わせて社員のスケジュールを調整し、シフトを組みます。必要な人数はブースの広さにもよりますが、例えば、ブースの大きさが2m×2mの場合、
ブース内外に3人(ブース内:説明役の社員1人、ブース外:呼び込み役の社員2人)
がいる状況が望ましいでしょう。2m×2mのブースであれば、ブース内に入れるのは2人(来客1人+説明役の社員1人)が目安です。実際のブースの広さなどを考慮して、人数を調整することになります。
オペレーションとは、展示会の来場者やブースへの来客に対して、自社の人員がどのように対応するか、その手順や声かけ・説明のパターンなどを示したものです。
声かけとブース説明の一貫性を持たせるために、仕様書にオペレーションを記載して、当日参加する社員にシフトと共に事前に共有
しておくと、当日の運営がスムーズに進みます。
例えば、仕様書には以下のようなオペレーションとそれぞれの内容を記載します。

あくまで一例ですが、自社のことを全く知らない来客Bにはまず事業内容を理解してもらい、ニーズを引き出す必要があるので、上の図表のようにオペレーションが分かれます。
展示会開催前の告知も集客には欠かせません。
など、既存の取引先や営業先に働きかけて、自社で完結させる告知の方法もありますが、展示会によっては、
事前に展示会の公式サイトに宣伝枠を取り、自社のブースの概要を掲載することも可能
ですので、費用感や効果を含めて主催者側に相談し、検討してみるのも1つの方法です。
パネルなどの設営を主催者側に委託するとしても、展示に使うPCなどは、ほとんどの場合、自社での設営が必須です。例えば、東京で開催される展示会に、東北や関西などの企業が出展する場合、
設営日(おおよそ開催の1~2日前)には設営役の社員を前乗りさせ、PCのセッティングや装飾品のチェックなどを済ませておく
とよいでしょう。
イベント当日の運営については、
事前に社員に共有したオペレーションを基本に、臨機応変に対応していく
ことが大切です。
特に通路での声かけや備品の位置などについては、ルール上禁止している展示会もありますが、来客や周囲のブースの状況などを見て対応を変えていくのがよいでしょう。
自社のことを知らない来場者に興味を持ってもらうのは難しいですが、時間がありそうな人には積極的に声かけしましょう。ブースまで呼んで詳しい説明ができると、営業のチャンスもさらに広がります。
声かけのポイントとしては、次のようなものがあります。
その他、「時間がない」と断られたときのために、例えば「3分で説明します」といった決まり文句(また、実際にその時間内に商品・サービスを紹介できるオペレーション)も用意しておくと、話を聞いてもらえる可能性が高くなるでしょう。
当日のセミナー運営について気を付けるべきポイントは、
参加者と名刺を交換する時間・人員を確保する
ことです。セミナー終了後はそのまま帰ってしまう参加者も多く、一斉に声をかけることは難しいため、来場した順に声をかけて名刺を交換する人員を用意しておくとよいでしょう。
また、忘れがちなのが登壇者の水分補給用の飲み物です。長時間しゃべ続ける場には必要ですが、セミナー会場の近くにコンビニエンスストアや自動販売機がない場合もあります。
あらかじめ、セミナー登壇者の水分補給が認められているか会場に確認を取った上で、人数分を購入しておくなど、準備を万全にしましょう。
展示会が終了したら、当然ながら、自社から持ち込んだものは自社で片付けます。基本的に、シフトに入っていた人材がそのまま撤去作業に当たるでしょうから、開催時間後も余裕を持ったスケジュールを確保しておきましょう。
撤去作業時は周りも慌ただしくて焦りがちですが、
パネルやポスターなどを剥がす際に壁を傷つけたり、汚したりしないようにする
など、丁寧な作業を心がけましょう。主催者側の備品を破損させると弁済を求められることもあります。
なお、展示会が2日にわたる場合などは、1日目はブースを撤去せず、備品などをそのまま置いておけることが多いです。ただし、盗難などのトラブルを防ぐため、
持ち込んだディスプレーを保護するためにシートや布を被せる、収納できるものは鍵付きの棚(レンタルできる場合もある)にしまう
などの対応が必要になります。
展示会で交換した名刺の管理や、再度の営業などをスムーズに進めるために、
事前に営業先管理用のExcelシートや、ブースやセミナーへの来場の感謝を伝えるメールの型などを作成しておく
ことをお勧めします。
例えば以下の例のように、名前や企業名などの基本的な情報だけでなく、下の図表の「連絡」欄のように個別のフラグを立てておくなど、あらかじめ営業のパターンを決めておくと管理がしやすくなります。

また、このリードの強弱の違いによって、メールの文面を数パターン用意しておくという方法も考えられます。例えば、
という具合です。
展示会は新規顧客獲得のための糸口をつかむために出展するもので、撤収作業が済めば終わる、というわけではありません。チャンスを実利にまでつなげられるよう、チーム一丸となって営業活動に取り組みましょう。
以上(2025年1月作成)
pj70129
画像:Mosy Studio-Adobe Stock
おはようございます。2025年の干支は「巳(み)」、つまり蛇です。そこで今日は蛇にちなんだ話として、日本神話に登場するヤマタノオロチの話をしたいと思います。
ヤマタノオロチは、頭と尾が8つずつある巨大な蛇です。毎年人間の娘を食らうので人々から恐れられていましたが、神であるスサノオ(素戔嗚尊、すさのおのみこと)がこれを退治して尾を割き、三種の神器とされる「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」を得たとされています。
ヤマタノオロチ自体は架空の怪物ですが、面白いことにこの伝説にはモチーフがあります。島根県の出雲に斐伊川(ひいかわ)という川がありますが、何度も氾濫を繰り返す斐伊川とその支流をヤマタノオロチにたとえ、それらの治水工事をオロチ退治に見立てていたという説があるのです。
川の氾濫は、現代でも甚大な被害をもたらす天災です。ましてや重機なんて存在しない時代、その治水はとてつもない重労働だったことでしょう。並大抵の体力・精神力・リーダーシップでは達成できません。はっきりとしたことは分かりませんが、当時の人々は、そんな怪物のような川に立ち向かう出雲の民に強い敬意を感じ、それが転じてスサノオの伝説が生まれたのかもしれません。
仕事をしていれば、困難な業務にどうしても取り組まなければならないことがあります。私は過去にあるプロジェクトを任されたことがありますが、他のメンバーを統率しなければいけない立場なのにリーダーシップを発揮することができず、見かねた課長が指揮を執ってくださいました。
今、思うと「何かあっても、課長が助けてくれる」という甘えがあって、自分の責務から逃げていたのかもしれません。もしも課長がいなかったら、プロジェクト自体が頓挫(とんざ)していたかもしれない、私に足りなかったのは、その危機感です。出雲の民は「何がなんでもやり遂げる。やり遂げなければ未来はない」という“不退転”の意志で治水に取り組み、困難に打ち勝ちました。
精神論だけで成功できるほど世の中は甘くありませんが、そもそも強い意志がなければ成功はあり得ません。「気概」と「やり抜く」を今年の抱負に掲げ、1年間駆け抜けたいと思います。
以上(2025年1月作成)
pj17204
画像:Mariko Mitsuda
皆さん、あけましておめでとうございます! 今日は私から皆さんに、「2025年は、こういう人になってほしい」というメッセージをお伝えします。今年、皆さんに目指してほしいのは
「言葉を大切にする人」になること
です。具体的には、今から言う2つのことを心がけてほしいと思っています。
1つは、「言葉を発する目的をよく考えること」。例えば、部下を指導する際、つい語気が強くなってしまう上司がいます。もちろん、時には厳しさも必要ですが、自分の感情をただぶつけるのは指導とは言いません。部下を指導するのは、「部下にこんなふうに成長してほしい」という目的があるからですよね。目的をよく考えれば言葉選びも慎重になり、思いは正しく相手に伝わるはずです。
もう1つは、「相手の言葉の意味をよく考えること」。今度は逆に、部下が上司の指導を受けたときについて考えてみましょう。「そのやり方は間違っている」と言われれば、誰だって良い思いはしません。ですが、ただ「叱られた」ということばかりを意識しているようでは、いつまでたっても成長しません。「上司はなぜ、自分に言葉をかけたのか」、その意味をよく考えましょう。
社外の人が相手でも同じです。例えば、取引先と話す際、相手の機嫌を損ねるようなことは誰しも言いたくないものです。ですが、多少耳の痛いことであっても、その発言をしないことで取引先が損を被る可能性があるなら、迷わず発言すべきです。「言葉を発する目的」をよく考えましょう。
営業に行ったとき、「今回は予算が……」などとやんわりと断られた経験がある人も少なくないでしょう。実は当社側の提案に問題があるものの、面と向かって言うと角が立つから、相手が言葉を選んでくれているだけのケースが多いです。「相手の言葉の意味」をよく考えて改善を図らないと、いつまでも同じことの繰り返しになってしまいます。
言葉を大切にするとは、「言葉の先にあるものについて想像力をめぐらせる」ということです。2025年はこの点を意識して、コミュニケーションをもう1段階レベルアップさせましょう。
以上(2025年1月作成)
pj17203
画像:Mariko Mitsuda
1 成長市場の宇宙ビジネスについて知る
2 宇宙ビジネスの全体像
3 (民間衛星サービス)通信・放送衛星サービスの動向
4 (民間衛星サービス)地球観測衛星サービスの動向
5 (民間衛星サービス)測位衛星サービスの動向
6 (民間衛星サービス)軌道上サービスの動向
7 衛星用地上機器の動向
8 衛星製造の動向
9 宇宙輸送の動向
10 宇宙ビジネスの規制・制度(宇宙法)
2024年10月24日、宇宙輸送・衛星通信事業を手掛けるSpaceXは、同社が開発したロケット「Falcon9」の同年100回目となる打ち上げに成功しました。これは3日に1回、打ち上げを行っているというペースです。
宇宙技術に関する事業全般を「宇宙ビジネス」「宇宙産業」などと呼びますが、
世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2022年時点で54兆円(ちなみに日本は約4兆円)、2040年には140兆円にまで成長すると予測されており、今まさに急速に成長している市場
です(経済産業省「国内外の宇宙産業の動向を踏まえた経済産業省の取組と今後について」)。
成長の理由はさまざまありますが、特に注目すべきは、
SpaceXに代表される民間企業のロケット打ち上げと、衛星データの利用ビジネス
です。通信速度やデータ精度が向上したことで、マーケティング、医療、農業など、活用できる分野の幅が広がっており、そこに民間企業が次々に参入してきているのです。
日本はロケット打ち上げに有利な立地なので今後の成長が期待されていますが、ロケット打ち上げ体制や衛星製造では、まだまだ研究・整備の段階にあります。しかし、新規事業者が参入するには、実績が重視される傾向にあることから、将来的な参入を視野に入れ、今のうちから業界について知っておくことが大切です。
この記事では、そんな宇宙ビジネスの現在地を
という流れで探っていきます。
宇宙ビジネスについては、明確な定義があるわけではありませんが、経済産業省の資料では「民間衛星サービス」「衛星用地上機器」「衛星製造」「宇宙輸送」「政府の宇宙予算(宇宙科学・探査など)」の5つに分けて紹介されています。

近年は、衛星データの利用幅が増えたことや、打ち上げリスクが減ったこともあり、民間からの投資が増え、さまざまなベンチャー企業が登場しています。その数は、経済産業省によると、国内だけでも約100社あるとされます。
また、ロケット・衛星の打ち上げ数が増加したことで、発射場となるスペースポート(宇宙港)の不足やスペースデブリ(宇宙ゴミ)の増加など、新たな課題も生まれています。
図表1の5種類の宇宙ビジネスから、「政府の宇宙予算(宇宙科学・探査など)」を除外したもの(民間主導の宇宙ビジネス4種類)の商流を表したのが図表2です。

これらの中で、近年、特に盛り上がっているのが民間衛星サービスです。
民間衛星サービスは、大きく「通信・放送衛星サービス」「地球観測衛星サービス」「測位衛星サービス」「軌道上サービス」に分かれます。これらは衛星を活用して通信やデータ収集をしたり、衛星の活動を支援したりするビジネスで、近年は多くの民間企業が参入しています。
電子部品の小型化、汎用部品を多用した設計などによって、超小型の衛星を従来よりも早く、安価に打ち上げられるようになったから
です。
衛星を周回させる高度は、大きく、
に分かれます。低軌道上の衛星は地表により近く、大容量データの高速通信や精密な観測に対応できますが、1機では地表の狭い範囲しかカバーできません。そのため、安価な小型衛星を大量に打ち上げて一体的に運用する「衛星コンステレーション」体制が主流になっています。
これに対し、日本の宇宙ビジネスは対応が遅れているのが現状です。このことについて、経済産業省の宇宙産業課にヒアリングしたところ、次の回答が得られました。
「日本の宇宙ビジネスは、民間企業が参入するようになってからまだ日が浅く、サプライチェーン体制や発射場(スペースポート)の整備が追い付いていません。これらが進みにくい原因に、宇宙利用・衛星製造・宇宙輸送の3分野が“三すくみ”になっていることが挙げられます。
この課題を解決するには、特定分野の成長を期待するのではなく、全体的な底上げを支援する必要があります。そのためにも、中小企業の皆様の参入が欠かせませんが、参入障壁の高さやリスクを感じ、参入をためらってしまう事業者様も多いと聞きます。
しかし、実際は想像よりも要求される品質が低くてもよいケースもあります。まずは、地方の各産業局が主催する宇宙航空産業などの企業マッチングイベントなどに参加し、ぜひ商談を進めてみていただきたいです」
次章からは、「民間衛星サービス → 衛星用地上機器 → 衛星製造 → 宇宙輸送」の順に、宇宙ビジネスの動向を紹介していきます。
衛星通信とは、地上から衛星を介し、送信先へデータを送る通信方式のことです。
主に、衛星テレビや衛星ラジオなどで利用されるほか、高速通信に対応した衛星ブロードバンドの登場によって、インターネットや携帯電話でも利用され始めています。
移動する船舶や車両、通信回線を引けない山間地、インフラが破壊された被災地などとも通信できることから、近年、注目を集めている分野でもあります。
通信・放送衛星サービスの課題は、
サービスが一部の事業者に依存してしまう状況にあること
です。2020年以降、SpaceXとOneWeb(英国)の衛星打ち上げ数が急激に増加しており、特にSpaceXは2023年6月時点で累計4500機超の通信衛星を打ち上げています。なお、内閣府の調査によると、日本の商業衛星の打ち上げ計画数は、2023年から10年間で合計280機以上です。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「衛星間通信技術による地球観測衛星(第4章)の支援体制を確立することが、通信衛星サービス分野における課題です。
この課題を解決するには、衛星コンステレーション体制(第2章)を構築するとともに、光通信による衛星間通信技術を向上させる必要があります。大量の衛星を打ち上げるためのサプライチェーンや技術・設備などが求められます。これが実現すると、観測衛星データのリアルタイム性が向上してデータの利用シーンが増え、市場が活性化するでしょう」
地球観測とは、衛星に搭載されたリモートセンシングセンサーを利用して、地上について調べることです。センサーは、大きく
の2つに分かれます。
主に、気象観測・都市開発・農業・エネルギーの分野で利用されており、センサーやデータ解析AIの発達によって、土地の肥沃度や石油残量の調査、都市部の夜間の明るさに基づくGDP予測、洪水の被害規模予測など、幅広い分野で活用され始めています。
近年は、小型衛星コンステレーションによる衛星間通信リレーの進展によって、観測から利用までのリードタイムが大幅に短縮され、よりリアルタイムなデータ利用ができるようになり、さらに幅広い分野での活用が見込まれています。
地球観測衛星サービスの課題には、次のようなものがあります。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「防災や農業などの分野で成果が出始めていますが、利用量も活用シーンもまだまだ少ないのが現状です。例えば、北海道の農場の観測サービスに留まらず、全国や海外へサービスが広がることなどを期待しています。また、複数のデータを複合的に利用するサービスが生まれることで、利用量が増えることにも期待しています」
衛星測位システム(GNSS、正式名称「Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)」)は、衛星から電波を受信することで位置測定や航法(移動ルートを導く方法)、時刻配信をするシステムです。有名なものは米国のGPSですが、日本を含む各地域でも独自のシステムが管理・運用されています。
各地域で運用・管理されている衛星測位システムの名称と機数は次の通りです。
主に、カーナビやスマートフォンの地図アプリ、フィットネス機器、測量などで活用されており、精度が高まることで、自動車・農業トラクター・船舶などの自動運転、3D地図の作成、ドローン管制によるインフラのメンテナンスなどの分野でも活用が見込まれています。
前述の通り、日本の測位衛星機数は世界各地に比べて少ない状況にあります、内閣府によると、日本は現在、7機体制の構築に向けた整備を行っており、さらに、11機体制にむけた検討・開発にも着手している段階です。
この計画を実現していく上で、測位衛星サービスの課題には、次のようなものがあります。
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「今後の測位衛星の打ち上げは、測位情報の高精度化と安定的な提供を目的としたもので、搭載機器の機能を向上させるとともに、衛星に不具合が発生したときのバックアップとしての役割を遂行する能力が求められます。また、測位情報を持続的に提供するため、小型化による2機同時打ち上げなどのコストダウン策も検討されているところです」
軌道上サービスは、衛星や宇宙ステーションに対して、宇宙空間で提供されるサービスの総称です。サービス内容には、次のようなものがあります。
近年、注目を浴びているのが、スペースデブリの除去ビジネスです。
スペースデブリとは、故障や寿命で不要になったロケット・衛星の残骸などのことで、主に、残っていた燃料の爆発や、スペースデブリ同士の衝突によって発生します。ESA(欧州宇宙機関、European Space Agency)によると、その数は2024年9月時点で次のようになっています。
スペースデブリは秒速7~8キロメートルで移動しているとされ、微小なものでも衝突すれば、衛星や宇宙ステーションが大きく破損しかねません。実際、過去には衝突事故が何度も起こっており、衛星が大破してしまったケースもあります。ロケット・衛星の打ち上げ数が増える今、スペースデブリの除去は需要が急速に高まっているのです。
スペースデブリの除去は、対象となる物体に近づき、動きを推定しながら捕獲し、軌道を変えて大気圏に突入させて、スペースデブリを燃やし尽くす技術です。まだ実証・実験段階ではあるものの、日本のベンチャー企業のアストロスケールホールディングス(東京都墨田区)が欧米企業に先行しています。
軌道上サービスの課題には、次のようなものがあります。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「軌道上サービスは、比較的新しいサービスです。すでに国内の有力な企業が登場していますが、分野自体が発展途上であり、ルール作りの段階にあると考えています。例えば、スペースデブリの除去目標や、衛星が寿命を迎えるまでに除去すべきスペースデブリ数などがそうです。これらが決まってこそ、求められる技術や必要な投資額が決まってきます」
衛星用地上機器とは、パラボラアンテナや衛星対応のテレビ・ラジオなどの製造分野です。
中でも、衛星測位システムに利用されるGNSSチップセットとナビゲーション・デバイスの製造が、市場規模が最も大きい分野となっています。
近年の衛星測位システムは、衛星だけでなく、利用者のものとは別の受信機も利用することで、位置情報の誤差を数メートル単位から数センチメートル単位まで縮小させることに成功しました。これにより、自動車・農業トラクター・船舶などの自動運転、3D地図の作成、ドローン管制によるインフラのメンテナンスなどの分野でも活用が見込まれています。
この分野の中で最も市場規模が大きいGNSSチップセットとナビゲーション・デバイスには、次のような課題があります。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「宇宙ビジネスの中では比較的昔からあり、すでに産業として確立している分野です。現在は安定性を求めるための改善や物理的な障害を起こさない対策などが課題となっています」
衛星製造とは、その名の通り、衛星の開発・製造を担う分野です。
内閣府「宇宙輸送を取り巻く環境認識と将来像」によると、世界の衛星の年間打ち上げ数は10年間(2013年~2022年)で206機から2368機に急増しています。これは、衛星の小型化により低価格化したことに加え、ロケット1機に積載できる数が増えたためです。
衛星の部品やコンポーネントは、精度や消費電力、出力において高品質であることに加え、宇宙空間の過酷な環境(真空や放射線など)に耐えるため、軽量かつ高耐久でなければなりません。そのため、専用に開発された特殊なものが大半でした。しかし、近年の衛星開発では、コストダウンを目的とし、一般的な市販品を利用するケースもあります。

衛星製造の課題には、次のようなものがあります。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「日本の衛星製造は、サプライチェーンが脆弱であることが課題です。これは、『宇宙用製品の製造経験が少ないこと』『コストダウンのための量産体制を構築できていないこと』が原因と考えられます。これを解消するには、衛星データの利用ビジネスが拡大しなければなりませんが、そのためには高性能かつ低価格な衛星を打ち上げることが欠かせません。どこかの分野が大きく成長することを期待するのではなく、全体的な支援が必要になると考えています」
宇宙輸送とは、ロケットの製造・打ち上げサービスの総称です。
世界のロケットの打ち上げ数は、順調に伸びていますが、成長の大部分を占めているのがSpaceX(米国)です。同社はロケットの低価格化で圧倒的な競争力を実現し、“一強”状態にあります。加えて、さらなる低価格化、ひいては競争力向上に向けた開発を進めており、2024年10月にはロケットブースターを再利用するべく、発射台での回収に成功しました。
また、中国も着実に打ち上げ数を増やしており、2018年以降、存在感を増しています。
一方、日本は、ロケットの性能面において世界各国に劣ってはいないものの、製造や発射場が制約となり、打ち上げ数は伸びていません。これに対し、政府は2030年前半までに年30機の打ち上げを目指すとしています。

なお、日本の稼働中のスペースポートは次の4港です。
さらに、大分県国東市「大分空港」と沖縄県宮古島市「下地島空港」が宇宙港としての開港に向けて整備を進めています。
宇宙輸送の課題には、次のようなものがあります。
経済産業省の宇宙産業課へのヒアリングでは、次の回答が得られました。
「課題の内容は衛星製造(第8章)とおおむね同じですが、それに加えて、SpaceXを中心とする海外企業に国内の打ち上げ需要が取り込まれていることが大きな課題です。この課題を解決するため、日米欧の宇宙機関や企業が新型ロケット開発に取り組んでいます。当該企業からは『特定分野での技術を持った企業が不足している』などの声が聞こえてくるので、中小企業の皆様はぜひマッチングイベントや商談会に参加していただきたいです」
宇宙法とは、宇宙活動に関連する法律の総称です。これには「宇宙基本法」「衛星リモセン法」「宇宙活動法」「宇宙資源法」があります。
日本における宇宙開発・利用に関する基本理念や基本的施策などを定めた法律で、2008年8月に施行されました。この法律に基づいて、以降の法律が制定されています。
正式名称は「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律」で、2017年11月に施行されました。宇宙からの観測情報がテロリストなどに渡れば、安全保障上の脅威となることから、同法では次のことについて定められています。
正式名称は「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」で、2018年11月に施行されました。同法では次のことについて定められています。
正式名称は「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」で、2021年12月に施行されました。同法では次のことについて定められています。
なお、国際条約の「月その他の天体における国家活動を律する協定(通称「月協定」)」(1984年発効)では、領有の禁止が定められていますが、日本やアメリカ、中国、ロシアは同条約に批准していません。
以上(2025年1月作成)
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1 他人事ではない「個人情報保護法」
2 「個人情報保護法」の目的は? 「個人情報」って何?
3 個人情報を取得・利用するときのルールは?
4 個人データの取り扱いに関するルールは?
5 保有個人データについて問い合わせや苦情が来たら?
6 おことわり
どんな会社でも、お客様や取引先、社員などの個人情報を取り扱います。昨今は会社の規模や業種を問わずランサムウエアが猛威を振るっていますが、そうしたサイバー攻撃を受けるなどして個人情報の漏洩等が発生した場合に、知らなかったという言い訳は通用しません。
一方で、個人情報の重要性は分かっているけど、「個人情報保護法」に基づく個人情報の取り扱いルールについては、正直よく知らないという人も多いはずです。
そこで、この【3分で分かる個人情報保護】シリーズでは、「個人情報保護法」について前提知識のない一般社員の人向けに、社会人として身に付けておきたいベーシックな内容を、それぞれコンパクトにまとめて紹介します。コンプライアンス教育の一環として、また、より深く掘り下げて専門的な知識を身に付けるための第一歩として、ぜひお役立てください。
まず、押さえておきたいのは、個人情報保護法とは何のための法律なのか、そもそも個人情報とは何なのかです。簡単に言うと、
です。
次のコンテンツで、両者のもう少し詳しい説明と、個人情報をどのように取り扱わなければならないのか、最低限守るべきルールを10のチェックポイントとともに紹介します。
個人情報を取り扱う際は、個人情報保護法に基づく取得・利用のルールを守らなければなりません。例えば、
などの決まりがあります。
次のコンテンツで、個人情報を取得・利用するときのルールを紹介します。
特定の個人情報を、コンピューター上で検索できるようにしたものや、紙媒体で整理・分類し、目次や索引を付けているもののことを「個人情報データベース等」といいます。そして、
個人情報データベース等を構成する個人情報のことを「個人データ」
といいます。個人データを取り扱う際は、個人情報保護法に基づく保管・管理のルールや、第三者提供のルールを守らなければなりません。例えば、
などの決まりがあります。個人データを自ら取り扱うのか、外部に取り扱いを委託するかなどによって、守るべきルールが変わってくるので注意が必要です。
次のコンテンツで、個人データの取り扱いに関するルールを紹介します。
会社が保有する個人データのことを「保有個人データ」といいます。正確な定義は、
個人情報取扱事業者(会社)が、開示、内容の訂正、追加または削除、利用の停止、消去、第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有するもの
です。会社は、保有個人データを安全に管理するだけでなく、必要に応じてデータに関する社員からの問い合わせ等にも対応しなければなりません。例えば、
などの決まりがあります。
次のコンテンツで、保有個人データについての問い合わせ等への対応を紹介します。
【3分で分かる個人情報保護】シリーズの記事では、分かりやすさを優先し、個人情報保護法や各種ガイドラインの条文を基に、その趣旨を逸脱しないかたちで意訳している部分があります。正確な条文は、法やガイドラインをご確認ください。
なお、法やガイドラインでは、「仮名加工情報」「匿名加工情報」「個人関連情報」の取り扱いに関する義務も規定されていますが、本シリーズでは割愛します。
以上(2024年12月作成)
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年末年始は、忘・新年会などの宴会が多いシーズンです。改めて「飲酒運転」が悪質危険な犯罪行為であることを、ドライバーの皆さんは強く意識する必要があります。一方で、酒に酔った歩行者の想定外の行動にも注意する必要があります。そこで今月号では、酒酔い歩行者を中心に、夜間の歩行者事故防止対策について考えます。

警察庁の「令和5年における交通事故の発生状況について」によると、「65歳未満」の歩行中死者数については、「横断中」が最も多く、次いで多いのは「路上横臥※」となっています。特に路上横臥についてはその大半が夜間で、しかも「飲酒あり」が8割を超えています(図1)。

※出典:警察庁「令和5年における交通事故の発生状況について」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/nenkan/060307R05nenkan.pdf
※道路上に泥酔、居眠り等で横たわっていた時に事故が発生した類型
最新の統計として警察庁の「令和6年上半期における交通死亡事故の発生状況」をみても、夜間における65歳未満の歩行中死者数で最も多いのは「路上横臥」となっており、そのうちの7割近くは「飲酒あり」でした。次に多い「横断歩道以外横断中」でも「飲酒あり」が5割を超えています(図2)。なお、これら2類型の死者数はともに前年の同時期に比べ増加しています。

※警察庁「令和6年上半期における交通死亡事故の発生状況」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/jiko/R6kamihanki_bunseki.pdf
特に路上に横たわっている人は気づきにくく、また気づけても人か物かの区別がつきにくいことがあり、通過の直前で人だとわかっても既に手遅れ、というケースもありえます。
夜間に飲食店などの多い場所やその周辺を走行するときは、歩行者への注意はもちろんですが、「酔って路上に横たわっている人がいるかもしれない」と考えるなど、路上横臥者の存在も意識する必要があります。

令和8年9月1日より、中央線(センターライン)などのない、いわゆる生活道路については、最高速度がすべて時速30キロに制限されます。
従来、生活道路については歩行者や自転車の安全確保のために、標識等で規制速度を設けたり「ゾーン30」の区域を設けるなどのさまざまな対策が講じられてきましたが、全国の道路にそうした対策を講じるよりも、法令により一律に制限をかけるほうが適切と判断され、法令改正に至ったものです。施行までには、まだ期間がありますが、今のうちから生活道路では時速30キロ以下で走行する習慣をつけることをお勧めします。

以上(2025年1月)
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A社の社長は悩んでいます。これまで真面目に働いてくれていた社員のBさんが、ここ数日、無断欠勤をしているのです。電話をしても応答がなく、自宅にも行ってみましたが留守でした。遠方に住んでいるBさんの家族にも連絡しましたが、誰も行方を知りません……。
2週間たっても連絡が取れず、限界と判断した社長は、就業規則にのっとってBさんを解雇することに決め、解雇通知書(解雇する旨を社員に通知する書類)を作成しました。ですが、ここで問題が……。Bさんの行方が分からないので解雇通知書を本人に届けられません。そこで、社長はBさんの家族を頼ることにしました。
「申し訳ありませんが、Bさん本人と連絡が取れないため、この解雇通知書をご家族にお預けします。もしもBさんから連絡がありましたら、本人にお渡しください」
Bさんの家族に何とか了承してもらい、これで一段落かと思われましたが、しばらくしてA社に一本の電話が入りました。電話の主は、Bさんの代理人を名乗る弁護士。どうやら家族の前に現れたBさんが、解雇通知書を渡されて憤慨し、弁護士に相談したようです。弁護士が言うには、「Bさんの家族に解雇通知書を預けても、Bさん本人に通知したことにはならない。だから解雇は無効だ」とのこと。社長は釈然としません。
「Bさんと連絡が取れないから家族に頼んだのに、『本人に通知しなければ解雇できない』とはどういうことだ? 本人と連絡が取れるまでずっと待っていないといけないのか?」
労働契約法により、会社が社員を解雇する(労働契約を一方的に解消する)には、
の2つの要件を満たさなければなりません。過去の裁判例(東京地裁平成12年10月27日判決)では、このルールを無断欠勤に当てはめた上で、
無断欠勤が「2週間以上」続くことが、解雇が有効と認められるための1つの目安である
という判断がされており、多くの会社がこれにならって就業規則などを整備しています。ただ、実際は無断欠勤が2週間以上続いていても、解雇が無効になるケースがあります。
例えば、
解雇予告や解雇予告手当の支払いなど、解雇の手続自体に問題があるケース
がそうです。労働基準法には、社員を解雇する場合、少なくとも解雇する日の30日前に解雇予告をする必要があり、30日を待たずに解雇する場合、短縮する日数分の解雇予告手当を支払わなければならないというルールがあります。

難しいのは、
解雇予告や解雇予告手当の支払いは、原則として社員本人に通知しなければ、効力を生じない
ことです。無断欠勤の場合、欠勤開始から2週間が経過した後に解雇予告などを行うため、
に解雇が成立することになります。しかし、解雇を成立させるには、社員を解雇するという会社の意思表示を、書面などで社員本人に到達させなければなりません。
冒頭の事例では、A社の社長が、Bさん本人と連絡がつかないという理由で、遠方に住んでいるBさんの家族に解雇通知書を預けています。実は、社員の家族に解雇通知書を預けても、解雇を成立させられるのは、
社員本人が家族と同居していることが明らかなケースなどに限定
されていて、遠方に住んでいる別居の家族に預けた場合は効力を生じません。ですからこの場合、「Bさんへの解雇通知が適正に行われていないので、解雇は無効」ということになります。
では、社員本人と連絡が取れるまで解雇は一切認められないのかというと、そうではありません。こうした場合の対策として、
公示送達や内容証明郵便を使って解雇を通知する
という方法があります。
公示送達は、相手の所在が不明で意思表示が到達しない場合、簡易裁判所に意思表示の公示送達の申立てを行って裁判所の掲示板に掲示し、その旨を官報などに掲載すれば、意思表示が相手に到達したとみなされる制度です。社員を解雇する場合の公示送達の流れは次の通りです。

内容証明郵便は、郵便を出した内容や発送日、相手が受け取った日付などを郵便局が証明するサービスです。無断欠勤が続く社員の自宅に解雇通知書などを内容証明郵便で送れば、社員が受け取った時点で、社員を解雇するという会社の意思表示が到達したとみなされます。なお、過去の判例には、
内容証明郵便が本人不在で届かず、留置期間の経過により戻ってきたとしても、不在配達通知書の記載等から通知の内容が十分推知できたり(内容の推知可能性)、受領しようとすれば内容証明郵便を受領できたり(郵便物の受領可能性)する場合、遅くとも留置期間の満了時点で意思表示が到達したと認められる
としたものがあります(最高裁第一小法廷平成10年6月11日判決)。とはいえ、それなりに条件が厳しいので、状況にもよりますが、自宅訪問、電話、ショートメール、SNS、住民票調査(弁護士に依頼)など、可能な限り連絡を試みるのがよいでしょう。
社員側に無断欠勤が続いてもやむを得ない正当な理由がある場合、解雇の手続が適正に行われていても無効になることがあります。具体的には、
といったケースです。
社員の事情を正確に推し量るのは難しいですが、社員の同僚や上司、家族などに「最近、変わったことがなかったか」をヒアリングするなどして、可能な限り情報を収集するようにしましょう。仮に、社員が上のようなケースに該当する可能性が高い場合、解雇通知を出さずに休職制度を適用するなどして様子を見ます。
また、公示送達などを使って解雇を通知した後で、音信不通になっていた社員と連絡が取れるようになった場合、無断欠勤の理由を確認し、その理由によっては解雇の撤回を検討します。会社が解雇の意思表示を一方的に取り消すことはできませんが、社員が同意した場合については撤回が認められています。
解雇はトラブルが起きやすい分野です。特に無断欠勤の場合、社員とコミュニケーションが取れない関係で一層トラブルのリスクが高まりますが、「会社としてやるべきことはやった」と言えるよう、手続のポイントを押さえておきましょう。
以上(2024年12月更新)
(監修 みらい総合法律事務所 弁護士 田畠宏一)
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