経営課題の解決に「地方副業」マッチングサイトを使ってみよう

1 地元の正社員採用に限界を感じたら、都市部の副業人材を!

今どきはどの会社も採用活動に苦戦していますが、特に地方企業の経営者の場合、

  • これまで、地元に住んでいる人を正社員として採用してきたけど、それだけでは自社の課題を解決できない
  • 販路拡大や自社PRなど新たな取り組みを始めたいけど、社内に知見のある人がいない。専門的な人材を採用するにも、高額な人件費をかけることができない

といったことにお悩みかもしれません。

そんな地方企業の経営者の方々にお勧めしたいのが

「地方副業」マッチングサイト! 都市部の優秀な人材に、原則オンライン勤務という条件で業務を委託するサイトの活用

です。都市部で働く年収1000万円クラスの優秀な人材も、月額数万円程度でサポートしてくれるオトクな仕組みで、一般的に1件の募集につき15~18人の応募があります。何人と面談しても追加料金がかからず、採用してみて合わないと感じたら契約を打ち切ることもできます。

実際に地方副業のマッチングサイトを運営する4つの会社・団体の担当者に、

  • 地方企業が都市部の優秀な副業人材を募集・迎え入れる際のポイント
  • 副業人材を活用した地方企業の成功事例

などを聞きましたので、以降で紹介します。自社に新しい風を吹き込み、成長を軌道に乗せるための起爆剤としての副業人材の活用を、ぜひ、ご検討ください。なお、お話を伺った会社・団体と、それぞれが運営するマッチングサイトは、次の通りです(「」内がマッチングサイトの名称です)。

■NPO法人ETIC.(エティック)(東京都渋谷区)「YOSOMON!」■
https://yosomon.jp/
■みらいワークス(東京都港区)「Skill Shift」■
https://www.skill-shift.com/
■パーソルキャリア(東京都港区)「HiPro Direct for Local」■
https://talent.direct.hipro-job.jp/talent/for-local/top/
■リクルート(東京都千代田区)「サンカク」■
https://sankak.jp/

2 副業人材の採用は双方にwin-winなシステム

地方副業は、企業側、副業人材側の双方にメリットがあります。地方副業のマッチングサイト運営者に聞いた、企業側、副業人材側のそれぞれがマッチングサイトを利用する理由には、次のようなものがあります。

1)企業側がマッチングサイトを利用する理由

1.正社員よりも低価格、短期間で優秀な副業人材に仕事を依頼できる

副業人材の応募者の平均年齢は30~40代が7割以上で、正社員が6割程度、フリーランスが4割程度といいます。

  • 正社員の人が自身のスキルを試すために副業をはじめ、慣れてきたらフリーランスに転身するケースもあるそうです(Skill Shift)
  • 特に、30代後半が年齢のボリュームゾーンとなっており、現場で働きつつ、マネジメント経験もある人材が中心(サンカク)
  • 本業での年収は600万円超が7割近くを占めており、2割は1000万円超と、本業である程度の実績があり、十分な稼ぎのある人が応募している(Skill Shift、サンカク)

こうした優秀な人材にもかかわらず、副業人材に支払う月額の報酬は、Skill Shiftでは月額5万円と、正社員よりも割安で仕事を依頼することが可能です。

マッチングサイトには、

  • 採用の有無にかかわらず案件の掲載費用が発生するもの
  • 案件の掲載や副業人材との面談までは無償で、副業人材を採用した段階で費用が発生する成果報酬型のもの

などがあります。例えば、サンカクの場合、副業人材とマッチングした場合に費用が発生しますが、案件を募集する文面の作成や応募者との座談会、面談に関しては、無償でサポートを受けることができます。

採用期間も「原則1カ月単位」(YOSOMON!)、「半年以上のプロジェクト」(サンカク)などで、募集した案件の事業が終了したり、マッチング後に事業がうまく進まなかったりした場合、速やかに契約を解除できます。

後述しますが、応募者の多くは、報酬目当てではなく、募集企業への共感や、地方への貢献、自らのスキルアップなど、高い“志”を持っているので、共に成長できる“同志”を見つけられる可能性が高いといえるでしょう。

2.買い手市場となっているため、人材の選択肢が広い

全てのマッチングサイトの担当者が口をそろえて話すのが、「今は買い手市場」ということです。サイトや案件によっても異なりますが、

  • 1件の募集に対して、15~18人程度が応募してくる
  • 応募者は企業の思いに共感して、企業に貢献できる自分のスキルを理解した上で応募するため、「質」が高い

そうです。

どのマッチングサイトでも、自社都合で募集を取り下げるケースなどを除き、ほとんどの場合は副業人材を迎え入れているといいます。

なかには、複数人との副業人材との座談会や面談をした結果、良いアイデアがたくさん出たため人数を絞りきれず、当初の予定よりも多く副業人材を迎え入れたケースもあるそうです。

もし、人選が難しい場合は、募集内容に適した能力や意欲の高い人材を、マッチングサイトの担当者が選んで薦めてくれることもあります。

3.面談だけでも優れた知見やアイデアを得ることができる

一般的に、マッチングサイトは何人の応募者と面談しても追加料金がかからないので、時間さえ都合がつけば、応募者全員とオンラインで面談することが可能です。

  • それぞれの募集案件で、少なくとも5人の副業人材を集めて座談会を開いているケースもある(サンカク)
  • 面談では応募者側が募集内容に応じた提案をしてくれるため、提案を聞くだけでも参考になるとして、応募者全員と面談をした旅館業者もいる(Skill Shift)。

4.自社が抱えている課題を明確にできる

副業人材の採用活動を通して、自社に潜む本質的な課題が見つかったり、新たな課題を解決するための方法が分かったりすることも少なくないようです。

  • 企業が副業人材を募集しようとする段階では、『DX化を進めたい、販路を拡大したい』など、思いはあるものの、必要な機能や人材などの明確な要件定義ができていないことが多い(サンカク)

このため、マッチングサイト運営者のサポートや応募者からの提案によって、本質的な課題や、課題解決のために必要な人物像や解決策が導き出されるケースが多いようです。

2)副業人材側がマッチングサイトを利用する理由

1.企業への共感

副業を志望する理由として、報酬も重要な一方で、その企業への共感や、その企業を応援したいという気持ちで応募する人が多いといいます。

  • 副業先の企業が気に入って、そのまま転職したケースもある(Skill Shift)。

2.地域貢献、地方創生

自分の出身地や住んだことがある場所、旅行で訪れて気に入った地域など、思い入れのある地域の企業に、移住・転職を伴わず貢献できることを魅力に感じて応募する人も少なくありません。

  • 将来的に地方への移住や出身地に戻ることを検討しており、その地域を知る足掛かりとして副業を始める人や、地方の人とのつながりを楽しんでいる人もいる(HiPro Direct for Local)
  • もともと地方の出身者で、地元とのつながりを持ちたい、都市部で得たスキルや経験を還元したいという思いを持った人もいる(サンカク)

3.キャリアアップ

正社員として勤務している企業では経験できないような、経営企画などの業務を副業として行うことで、自らのキャリアアップにつなげることを目的としている人もいるそうです。

  • 副業人材にとってのメリットは、経営陣と直接仕事のやり取りができ、自分のアイデアで会社が変わっていく様子を目の前で実感できること。マネジメントになった人事部門の部長クラスの人が、現場の感覚を忘れないために応募するケースもある(サンカク)

4.日常では得られない体験

日常の中では得られない体験を求めて、地方副業に応募するケースもあります。

例えば、Skill Shiftでは、現地の視察と絡めた副業体験として、福島県いわき市で2泊3日のクラフトビールの発展に向けた課題解決プログラムと、参加者によるクラフトビール発展のためのアイデアのプレゼン大会を開催しました。

また、スポーツによるまちおこしとして、アメフト社会人リーグ・Xリーグのクラブチームの広報・PRの副業案件もあります。他の副業案件と比較して謝礼が低額となる代わりに、オフィシャルポロシャツの贈呈や練習・試合観戦の特典があり、通常の副業にはない珍しい体験といえます。

他にも、漁業・水産業者向けに特化した地方副業のマッチングサイトである「GYOSOMON!」(ギョソモン!)では、副業人材への報酬は金銭ではなく「魚」となっています。このサイトはYOSOMON!が共同で運営しており、「応募者は、副業の報酬として、ご近所などに配らないといけないほどの大量の魚が送られてくるという、日常ではできない体験に魅力を感じる人が多い」といいます。

3 副業人材を募集・採用する際の勘所

1)自社のファンになってもらう

副業人材に共感してもらうには、自社のファンになってもらえるPRを行うことが重要です。

  • 募集の文面を作る際は、企業が目指している姿や、社内の人が気付いていないような、企業の魅力を掲載するようにしている。副業人材との面談でも、企業の実現したいことや、企業ならではの魅力を話すとよい(HiPro Direct for Local)。

2)募集する業務を絞るよりも課題を示す

副業人材とのマッチングに成功する秘訣は、「経営課題を示す」ことにあるようです。

  • 「業務のアウトソースとは異なる」ことを意識し、「経営課題を一緒に考えてくれるパートナー」というイメージで採用すべき(Skill Shift)。
  • 募集に際しても、「これをしてください」と細かく決めるより、今、企業がどんなことに取り組んでいて、どんな困り事があるのかを掲載して、協力、支援をしてほしいというニュアンスの文面のほうがよい(YOSOMON!)

3)経歴や肩書だけで選ばない

マッチングサイト運営者の多くは、採用に関しては、経歴や肩書にとらわれず、熱意や提案内容を重視すべきといいます。

  • 経歴や条件面よりも、企業や地域への思いがどれだけあるか、企業の課題に対してどんなアイデアで解決できるかという視点で選考をしている企業が、副業人材とうまくマッチする(Skill Shift)
  • 副業人材側も企業の募集案件をきちんと読み込んだ上で応募をしているので、経歴や条件面よりも、面談を通じての相性・フィーリングで採用する人材を判断するほうがマッチする(YOSOMON!)

また、「上から目線」の応募者は避け、“同志”としてふさわしい人材を選んだほうがよいようです。

  • 面談をした応募者の「一緒に汗をかきましょう」という言葉を聞いて採用を決めた企業もある(サンカク)

4)既存の社員を巻き込む

副業人材の働き方としては、経営者のブレーンのような形で相談相手になる場合と、既存の社員と協業する場合があります。

既存の社員と協業する場合、社員が副業人材の存在に反発して、マッチングがうまくいかないケースもあるようです。

副業人材を採用する場合、ノウハウを社員に落とし込むことも大切なので、副業人材との面談は、経営者だけでなく、現場の社員も参加できるとよいでしょう。事前に社員のコンセンサスを得ておき、「社長が思いつきで変なことを始めた」と思われない状態からスタートすべきといえます。

5)副業人材の稼働時間を考慮する

副業人材の場合、本業以外の時間帯で稼働するため、自社の就業時間外や週末にやり取りをすることがあります。オンラインでも円滑にやり取りするために、チャットツールなどの用意は必須になります。副業案件によって異なりますが、週1回~月1回の頻度でオンライン面談を開き、それ以外はチャットツールを活用して、副業人材とやり取りを進めているケースが多いといいます。

課題だけ明示する形であれば、副業人材のほうで必要な作業を、自分でスケジュールを立ててやってくれるようになります。

6)時には顔合わせも必要

副業案件の多くはウェブマーケティング、ECサイトの強化、事業戦略の立案など、リモートワークでも進められるものですが、お互いの理解を深めるためにも顔合わせは必要です。

企業によっては、プロジェクトを始める際に副業人材を企業側の費用負担で現地に招き、顔合わせをして親睦を図ったり、設備や工場を見学してもらったりして、自社への理解を深めてもらう取り組みをしているところがあります。副業人材の側から、現地で顔を合わせることを希望するケースも少なくないようです。

4 副業人材の成功事例

1)副業人材がファシリテーターになって社員のアイデアを募集(HiPro Direct for Local)

来客数増加を課題にしていた、地域に数店舗を展開するスーパーマーケットが契約した副業人材は、既存の社員からのアイデアを募集することを提案しました。副業人材がファシリテーターになって社員を集めた会議を開催したところ、社員からさまざまなアイデアが出され、実際に採用したアイデアも生まれたそうです。

会議を行うことによって、社内コミュニケーションの活性化にもつながったといいます。

2)ECサイトの全面改修などで売り上げが前年度の17倍に(サンカク)

石川県のある和菓子製造販売会社では、ECサイトのテコ入れが課題となっていました。当初、経営者はSNSの活用によるテコ入れを想定して副業人材を募集しましたが、応募者を集めた座談会では、応募者側からサイトの改修などさまざまな提案が出て、応募者同士でも提案のブラッシュアップが行われるなど、盛り上がりを見せたといいます。

そこで経営者は座談会に参加した応募者5人を、それぞれ担当分野を決めた上で採用し、社内の若手社員数人とともにプロジェクトチームを結成。ECサイトの全面的な改修だけでなく、デジタルマーケティング戦略の上流から再設計し、企業のウェブページとECサイトを含めて最適化に取り組んだことで、ECサイトによる売り上げは前年度の17倍に達したそうです。

劇的な成果を目の当たりにして、既存の社員のモチベーション向上や育成にもつながり、新たなスキルを身に付けようと、自ら勉強を始める社員も現れるようになったといいます。

3)能登半島地震で被災した和菓子店舗の再建プロジェクトで副業人材が活躍(Skill Shift)

石川県珠洲市にある創業116年の和菓子店「多間栄開堂」は、令和6年能登半島地震の影響で、店舗(工場含む)兼自宅が全壊の認定を受け、更地となってしまいました。周りからの応援もあり、菓子製造店舗の再建を決意し、クラウドファンディングで資金調達をすることを目的に、副業人材を募集しました。

募集の結果、令和2年に熊本県人吉市で豪雨災害があった際に、地域の中小企業で支援するセンター長として30件のクラウドファンディング支援の経験のある方が副業人材としてマッチングし、プロジェクトを推進しています。目標金額を2倍以上も上回る結果となりました。

以上(2025年5月更新)

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甘い組織ではない「心理的安全性」のつくり方

1 「心理的安全性」は決して甘いものではない

経営環境が劇的に変化する中で、組織の意思決定にもバージョンアップが求められています。社長や一部の幹部が過去の経験で「えいやっ!」と決めるスタイルでは、今の延長線でしか進むことができず、新しい発想が生まれてこないからです。

会社は社内外から幅広く意見を募り、それを受け止めて議論できる組織に生まれ変わる必要があり、それを実現するキーワードが「心理的安全性」です。

心理的安全性を確保するとは、社員が「これを言ったら間違えているかもしれない……」などと考えて、意見を言いにくくなってしまう環境を改善すること

でもあります。「それだと、相手に遠慮するだけの甘い組織になってしまうのでは……」と思うかもしれませんが、大きな誤解です。心理的安全性を解説する「恐れのない組織――『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」に次のような一節があります。

  • 心理的に安全な環境で仕事をすることは、感じよくあるために、誰もがいつも相手の意見に賛成することではない。あなたが言いたいと思うあらゆることに対して、明らかな称賛や無条件の支持を得られるわけでもない。むしろ、その正反対だと言ってもいい。心理的安全性は、率直であるということであり、建設的に反対したり気兼ねなく考えを交換し合ったりできるということなのだ。
  • 心理的安全性とは、高い基準も納期も守る必要のない「勝手気ままな」環境のことではない。職場で「気楽に過ごす」という意味では、決してないのだ。このことは肝に銘じておいたほうがいい。(*)

どうでしょう。心理的安全性に対する印象が変わりますよね? 言い換えれば、

心理的安全性とは、社員が組織の一員として自覚を持ち、共通の目標を達成するために、学習を通じて自らを高めていけること

であり、むしろ、見方によっては厳しいことなのです。この心理的安全性の確保を意識しながら議論し、決断できる組織に変革していくためのヒントをご提案していきます。

2 優秀な社長が生み出す集団圧力と集団浅慮のわな

一般的に、組織における意思決定は個人よりも合理的に思えます。しかし実際は、個人ならまず下さないような筋の悪い決断をしていることがあります。いわゆる「集団圧力」の影響です。ピア・プレッシャーや同調圧力ともいわれるもので、要は、

少数意見を持つ人に対し、多数派と同じ意見にするように無言の圧力をかけること

です。客観的に見て少数意見のほうが正しくても、「その他の多数と違うので、間違えているのだろう」と、意見の正当性が否定されてしまいます。「集団浅慮(グループシンク)」という問題もあります。集団浅慮とは、

早く結論を出すことにとらわれ、きちんと検討せずに決めてしまうこと

です。その結果、プランA~Cがあったとして、最もリスクが高いプランCを「何とかなるさ。早くこれに決めて実行しよう!」と決断してしまいます。

これまでの研究から、集団圧力や集団浅慮が生じやすい組織の特徴として、

  • 集団の結び付きが強い
  • 外部から隔離されている
  • 優秀で強いリーダーがいる

などが考えられています。つまり、

長年、社長がコツコツと作り上げ、収益も安定している組織こそ、実は間違えた決断をしてしまうリスクが高い

ことが分かります。今、こうした組織体制を見直すことが求められています。

3 間違えた判断プロセスから脱却するには?

では、どのようにすればよいのでしょうか? その答えが冒頭で紹介した「心理的安全性の確保」です。社員が発言しないのは、「自分自身が無知・無能である」と思われたくないからなので、これを何とかする必要があります。

ただし、「よし!」とばかりに社長が旗を振って声高に推進すると、上層部の結束が強い組織ほど、幹部たちが真っ先に反応します。幹部たちは社長におもねることなく、ただ改善を成功させたいという思いから、いつも以上に大きな声で意見を出すわけです。ただ、この光景を客観的に見ると、一部の人だけが意見を言い、それによって判断されるという【いつものあれ】になっているわけです。

組織を変えたければ若手を巻き込むべきです。「若手でも意見を言える」という事実は、社員に大きなインパクトを与えるからです。これを実行する際のヒントになりそうなことを、宇宙飛行士の野口聡一さんが過去にテレビのインタビューで答えていたので紹介します。あくまで筆者の解釈ですが、内容は次の通りです。

  • 明確な指示:しっかり教え、分かりやすく教えてほしい
  • 承認:自分の意見を認めてほしい
  • 責任:失敗しても、その責任をとってほしい(**)

これを実現することが、若手から意見を吸い上げるための1つのヒントになるでしょう。筆者はここに、

  • 事前確認:会議などの前に発言を求めることを伝える

を付け加えたいと思います。いきなり話を振られた若手が混乱することがないように、事前に「意見を求めますよ」と伝えておくわけです。こうして実際に若手が意見をいったら、ぜひ、試していただきたいのが、いわゆる「おうむ返し」です。若手の発言を、社長や幹部がそのまま繰り返します。若者からすると、

相手は自分の意見をしっかり聞いてくれて、否定もしていない

となります。ここを起点に議論が始まればよいわけです。

4 ノイズは排除する

組織の議論を活発にするために、社長や幹部が果たすべき役割は非常に大きなものです。また、この活動は根気よく続けなければなりません。

これを踏まえた上で最後に補足をすると、出てくる意見の全てを受け入れる必要はありません。同じテーマで議論をした場合、議論の中身やアウトプットの質は「メンバーの本気度×能力×知識」で決まることは間違いありません。そのため、

  • 明らかに見当違い
  • 勉強不足でレベルが低い
  • 自身の保身しか考えていない

などの意見はノイズでしかないので、相手にする必要はありません。逆にいえば、

(経営者)その意見って見当違いなんじゃない。何を根拠に言っているの?

(若手)あ、確かに。私がズレていましたね

などと気兼ねなく言える関係を、心理的安全性が確保された状態というのでしょう。

【参考文献】
(*)「恐れのない組織――『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」(エイミー・C・エドモンドソン(著)、村瀬俊朗(解説)、野津智子(訳)、2021年2月)
(**)「ワールドビジネスサテライト“究極のテレワーカー”野口聡一宇宙飛行士の仕事術(2021年4月19日)」(テレビ東京、2021年4月)

以上(2025年6月更新)

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令和6年の交通事故の特徴と対策(2025/5号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

警察庁公表の「令和6年における交通事故の発生状況について」によると、全体の交通事故件数、死傷者数は昨年から減少しましたが、「30日以内死者数」や「ながら運転・飲酒運転などによる死亡・重傷事故件数」は増加するなど、重大事故の危険性が減っているとはいえません。今回はそれらの事故の特徴と対策について考えます。

交通事故の特徴と対策

1 交通事故の発生状況とその特徴

令和6年中の交通事故死傷者数は減少しました(前年比21,215人減少)。一方で「30日以内死者数」は2年連続で増加しました(図1)。

図1 交通事故死傷者数と30日以内死者数の推移

交通事故死傷者数

出典:警察庁「令和6年における交通事故の発生状況について」から当社作成

いわゆる「ながら運転」事故による死亡・重傷事故件数についても増加傾向が続いており、ながら運転の厳罰化(令和元年の道路交通法改正)以前の水準を超えて増加しています(図2)。

図2 自動車運転中の携帯電話等による死亡・重傷事故件数の推移

「ながら運転」事故による死亡・重傷事故件数

出典:警察庁「令和6年における交通事故の発生状況について」から当社作成

その他、以下のような傾向が現れていました(いずれもグラフ掲載は省略)。

  • 自転車乗用中事故の死傷者数は減少し、特に若年層に「負傷者」が、また高齢者層に「死者」が多い (昨年同様の傾向)
  • 自動車の単独事故件数では75歳以上の高齢者運転者による事故が75歳未満の約2.5倍
  • 飲酒運転による死亡事故件数は前年比25%増加

2 携帯電話等使用による交通事故の増加

携帯電話等を操作しながら運転したことによる死傷事故件数は、20~30歳代が全体の半数以上を占めます(図3)。この年齢層はいわゆる「デジタルネイティブ世代」と重なる形です。デジタル環境に慣れ親しんでいる世代の方々に対し「ながら運転」の危険性について、交通安全教育のほか、職場や同乗中の同僚の方からも注意喚起等をすることで、理解・浸透を進めることが期待されます。

図3 運転者年齢層別携帯電話等使用による死傷事故件数

死傷事故件数

出典:警察庁「令和6年における交通事故の発生状況について」から当社作成

3 自転車との事故を防ぐには

今回の警察庁資料では自転車事故にも焦点が当てられています。なかでも15~19歳の年齢層では「負傷者」が多くなっており、これに関連して自転車乗用中の「ながら運転」による事故が増加傾向にあること、その約6割を19歳以下が占めること、などの分析が報告されています。一方で65歳以上の年齢層では「死者」が多かったことに関連し、特に飲酒運転による死傷事故は50代以上が6割を占めていたことが取り上げられています。

ながら運転・飲酒運転は共に法令違反ですが、車を運転する側の立場から、自転車との事故を防止するためには、例えば以下のような対策が考えられます。

  • 法令理解が不十分な/法令遵守意識が低い自転車利用者が多いことを踏まえた危険予測運転
  • 生活道路等で見通しの悪い交差点通過時や、構内・駐車場から公道へ出る際は「構え運転」で

【構え運転(構えブレーキ)とは】

構えブレーキ

構え運転(または構えブレーキ)とは、アクセルから足を離して、足先をブレーキペダルに触れる程度に置き、いつでも踏み込める状態で前進する運転です。アクセル→ブレーキへのペダルの踏みかえ動作が省略できるので、不意の出来事に対して素早くブレーキ対応できます。

以上(2025年5月)

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【5/30金曜までお申し込み】2025年度 きらやかマネジメントスクールのご案内

きらやか銀行では、2025年度のきらやかマネジメントスクールを2025年6月12日(木)~2026年3月12日(木)の期間で開催いたします。

定員やセミナーカリキュラム、受講料などの詳細は、下記のご案内をご覧ください。

お申し込み締め切りは5月30日(金)です。

※※月一回で、全10回開催ですが、途中で参加する方が変わっても大丈夫です。

※※参加できない回があった場合は、後日、資料を共有いたします。

FAXでのお申し込みはこちらから

Webからのお申し込みフォームはこちらから

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FAXでのお申し込みはこちらから

Webからのお申し込みフォームはこちらから

【補足】下記の補足をご確認ください。

お申し込み締め切りは5月30日(金)です。

※※途中で参加する方が変わっても大丈夫です。

※※参加できない回があった場合は、後日、資料を共有いたします。

1.法人名・業種・所在地等は参加企業名簿として、参加者に配付いたします。
2.E-Mailアドレスは、事務局からの連絡及び受講者様相互の連絡等に利用いたします。
3.受講料:1企業参加者1名につき 150,000円
(参加者は受講内容によって都度、変更いただいても結構です)
*但し、1企業2名同時参加の場合は300,000円
4.参加申込みの手続き
(1) 参加申込書については、FAXまたは取引営業店に通知いただくか、Webフォームでお申し込み下さい。
(2) 受講料のお支払いは受付後、専用振込用紙を郵送いたしますので、その用紙にて最寄りのきらやか銀行本支店より、6月6日(金)までにお振込みをお願い申し上げます。

徳島大正銀行と香川銀行の新入行員が阿波おどりを体験しました!

令和7年4月16日(水)徳島大正銀行 研修会館にて、徳島大正銀行59名、香川銀行48名の新入行員が、とくぎん阿波おどりクラブが講師を務める阿波おどり研修に参加しました!

令和7年度、トモニホールディングスに入社した同期行員との親睦・相互理解を目的としたカリキュラムの一環です。

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■とくぎん阿波おどりクラブによる圧巻の演舞を目の前で鑑賞する新入行員たち

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■男踊りの芳蔵 義行さんより、阿波おどりの歴史やとくぎん阿波おどりクラブの活動を教えてもらいました

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■鳴り物が聞こえてくると自然と身体が動き出す

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■最後は、全員で中庭に出て輪踊り! きちんと踊れていても踊れていなくても、楽しかったら大丈夫!!

初めての社会人生活、新しい環境、仲間、これから始まる営業店での勤務。研修も折り返しを迎え、緊張でかたくなった身も心も阿波おどりでほぐしてリフレッシュ!とくぎんサクセスクラブは、今後も令和7年度 新入行員を応援しています。

以上(2025年5月作成)

【業種別データ】家具製造業の動向

2023年の家具製造業は事業所数3,613、従業者59,250人、製造品出荷額は1兆4,285億円(対前年比100.7%)と微増しました。従業者1人当たりの生産性や現金給与は上向きで、木製家具は出荷増(102.6%)と堅調でした。一方、原材料使用比率は約59.4%、付加価値比率は36.4%と原材料コストが重く、収益性は事業者間で差があります。コスト管理と高付加価値化が喫緊の課題です。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の家具製造業の事業所数は3613事業所(対前年比99.9%)、従業者数は5万9250人(対前年比99.5%)、製造品出荷額等は1兆4285億5700万円(対前年比100.7%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は16人(対前年比99.6%)、現金給与総額は6500万円(対前年比100.3%)、原材料使用額等は2億3500万円(対前年比100.5%)、製造品出荷額等は3億9500万円(対前年比100.9%)、付加価値額は1億4400万円(対前年比101.0%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は397万円(対前年比100.6%)、製造品出荷額等は2411万円(対前年比101.2%)、付加価値額は879万円(対前年比101.4%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は59.4%(対前年比99.6%)、同付加価値額比率は36.4%(対前年比100.1%)、同現金給与総額比率は16.5%(対前年比99.4%)となっています。

【1310 家具製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)木製家具製造業(漆塗りを除く)

2023年の木製家具製造業(漆塗りを除く)の事業所数は3067事業所(対前年比100.2%)、従業者数は4万322人(対前年比98.7%)、製造品出荷額等は8393億9000万円(対前年比102.6%)となっています。

【1311 木製家具製造業(漆塗りを除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)金属製家具製造業

2023年の金属製家具製造業の事業所数は509事業所(対前年比97.7%)、従業者数は1万7787人(対前年比101.3%)、製造品出荷額等は5390億1400万円(対前年比98.1%)となっています。

【1312 金属製家具製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)マットレス・組スプリング製造業

2023年のマットレス・組スプリング製造業の事業所数は37事業所(対前年比100.0%)、従業者数は1141人(対前年比100.1%)、製造品出荷額等は501億5300万円(対前年比98.8%)となっています。

【1313 マットレス・組スプリング製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【家具製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

全国で導入が進む「ラーケーション」、自社にはどんな影響が?

1 ラーケーションとは

昨今、「ラーケーション」という取り組みが、全国に波及しつつあります。ラーケーションとは、Learning(学習)とVacation(休暇)を組み合わせた造語で、端的に言うと、

子ども(小・中・高生)が、平日に欠席扱いにならず、家族と校外学習に行ける仕組み

です。

「ラーケーション」制度の導入にいち早く取り組んだのは愛知県(名古屋市を除きます)です。県内では、土曜日に働いている保護者の割合は2人に1人、日曜日に働いている保護者の割合は3人に1人。そういった保護者と子どもたちは休みの日程が合わず、家族で一緒に出かけられない、という問題がありました。

そこで愛知県は2023年から、仕事のある土日祝日以外の、学校のある平日でも家族が一緒に出かけるために、また、保護者の年次有給休暇(以下「年休」)取得を推奨するために、『休み方改革』の一環として、ラーケーション制度を制定しました。

さらに、最近は愛知県以外の自治体でも、

サービス業・飲食業・宿泊業などの従事者が多い観光地を中心に、ラーケーションを導入

する動きがあり、実際、温泉やそれにまつわる産業が盛んな大分県別府市や、日光東照宮などで有名な栃木県日光市、ビーチリゾートとしての需要が高い沖縄県座間味村などに、続々と制度が導入されています(制度の名称は自治体によって異なります)。

自社が所在している自治体でラーケーション制度が導入されたり、あるいは従業員が居住している近隣の自治体で実施されたりした場合、

自社従業員の休暇取得・シフト調整などに少なからず影響する可能性

も考えられますので、あらかじめ制度の仕組みを理解しておくことで、自社でもいざというときにスムーズな対応ができるでしょう。

この記事では、ラーケーションの仕組みと自社で起こり得る影響について、

  • ラーケーションの仕組み
  • 自社従業員の休暇
  • 職場体験

の、3つのポイントに整理し、紹介していきます。

2 ラーケーションの仕組み

まずは、ラーケーションの仕組みについて簡単に解説します。実施自治体によって多少の差異はありますが、大まかには図表1の通りです。

画像1

「校外学習」の内容については、「子どもと一緒に、校外で体験や探求の学び・活動を行う」こととされており、愛知県の資料の中では、「水族館に行き、なぜラッコが絶滅危惧種に指定されているのか学ぶ」「自然豊かな山の中で満天の星空を見る」などが具体例として挙げられています。

自治体により、ラーケーション制度の詳細の条件は違います。また、制度の詳細は、各自治体のウェブサイトなどで確認してください。

3 自社従業員の休暇

ラーケーションは元々、土日祝日に休暇を取ることが難しい保護者が、子どもと一緒に校外学習に出かけるための制度です。自社所在地や周辺自治体でラーケーション制度が導入された場合、自社に最も影響が出るのは従業員の休暇です。

基本的には年次有給休暇(以下「年休」)で対応することになるでしょうが、休暇を連続で取得する場合などは、シフトの調整や業務の引き継ぎが必要になる可能性があります。ラーケーション制度の場合は、親(従業員)は子どもが通う学校に取得日や学習計画書などを前もって提出する必要があるため、会社は「できるだけ取得日が決まった時点で知らせてほしい」旨を従業員に周知しておきましょう。

会社として、従業員のラーケーション制度の利用を推進したいということであれば、

  • 年休の他に、「ラーケーション休暇」などの特別休暇(法律に定めがなく、就業規則等で会社が独自に定める休暇)を設ける
  • 年休や特別休暇が、ラーケーションに利用できることを改めて周知する

といった取り組みも大切です。

まだ、自社所在地やその周辺の自治体でラーケーション制度が導入されていないという場合でも、周辺情報に気を配っておき、新たに制度が導入された際は、ラーケーションの存在を知らない従業員向けに、内容を分かりやすく周知するようにしましょう。

4 職場体験

自社所在地やその周辺の自治体でラーケーション制度が導入された場合、職場体験の需要が生まれる可能性があります。例えば、茨城県では、高校生がラーケーション制度を使って、小学校教員の職場体験に行ったという事例が報告されています。

職場体験を実施した結果、従業員から「新人教育の参考になった」「新鮮な気持ちになった」との声が上がったという話

もあります。

ですから、今後、ラーケーションが日本中に導入されていくことを見越して、

  • 職場体験の制度を整えておく
  • 周囲の学校と連携して職場体験の募集をする

などの準備をしておくというのは、良い考えかもしれません。実際に職場体験の内容を考える際には、

見学や雑用だけでなく、危険が及ばない範囲での実作業を体験させる

というポイントを押さえると、職場体験をする側の満足度も上がります。

具体的には図表2のように、実際に従業員が行っている業務を体験できる職場体験を行うと、より明確に、仕事の魅力が伝わります。

画像2

職場体験をしたからといって、即座に自社の人手不足などが解決するとは限りませんが、前述した通り、従業員に新しい刺激を与える他、

一般的に「汚い」「きつい」などのイメージを持たれやすい業界などにとっては、そのイメージを払拭し、業界全体を活性化させていくきっかけ

にもなることと考えられます。

以上(2025年4月作成)

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画像:星野スウ-Adobe Stock

【業種別データ】木材薬品処理業、その他の木製品製造業(竹、とうを含む)の動向

2023年の本業界は、事業所数826、従業者8,076人、製造品出荷額約1,547億円(対前年比98.2%)と前年をやや下回っています。全体として事業規模は横ばいから微減で、現金給与総額や付加価値は低下傾向。木材薬品処理は事業所・従業者が増える一方で出荷は減少、コルク類や一部品目は落ち込みが大きく、原材料比率(約58.8%)の高さから収益性改善と高付加価値化、コスト管理が喫緊の課題です。

1 業界動向

1)業界全体

2023年のその他の木製品製造業(竹、とうを含む)の事業所数は826事業所(対前年比98.9%)、従業者数は8,076人(対前年比97.1%)、製造品出荷額等は1547億1900万円(対前年比98.2%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は10人(対前年比98.2%)、現金給与総額は3200万円(対前年比95.2%)、原材料使用額等は1億1000万円(対前年比100.2%)、製造品出荷額等は1億8700万円(対前年比99.3%)、付加価値額は6900万円(対前年比97.6%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は325万円(対前年比96.9%)、製造品出荷額等は1916万円(対前年比101.1%)、付加価値額は710万円(対前年比99.4%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は58.8%(対前年比100.9%)、同付加価値額比率は37.1%(対前年比98.3%)、同現金給与総額比率は17.0%(対前年比95.9%)となっています。

【1290 その他の木製品製造業(竹、とうを含む)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)木材薬品処理業

2023年の木材薬品処理業の事業所数は52事業所(対前年比108.3%)、従業者数は809人(対前年比121.5%)、製造品出荷額等は460億3200万円(対前年比93.5%)となっています。

【1291 木材薬品処理業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)コルク加工基礎資材・コルク製品製造業

2023年のコルク加工基礎資材・コルク製品製造業の事業所数は6事業所(対前年比85.7%)、従業者数は88人(対前年比80.0%)、製造品出荷額等は17億7000万円(対前年比75.6%)となっています。

【1292 コルク加工基礎資材・コルク製品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)他に分類されない木製品製造業(竹、とうを含む)

2023年の他に分類されない木製品製造業(竹、とうを含む)の事業所数は768事業所(対前年比98.5%)、従業者数は7179人(対前年比95.2%)、製造品出荷額等は1069億1800万円(対前年比100.9%)となっています。

【1299 他に分類されない木製品製造業(竹、とうを含む)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別出荷金額ランキング(都道府県別・2023年出荷分)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【木材・木製品製造業(家具を除く)の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

任天堂3代目社長・山内溥氏のある意味「非常識」なスピード感

全くの新製品を作るには、非常識の発想が必要なんです

山内溥(やまうちひろし)氏は、任天堂の3代目社長であり、かるたや花札などを製造する小さな企業だった同社を、日本を代表するゲームの一大企業にまで育て上げた人物です。スーパーマリオシリーズやゼルダの伝説シリーズなど、山内氏の在任中に生まれたコンテンツはいつの時代も、世界中の幅広い年代の人々に愛されています。

冒頭の言葉は、山内氏が、新製品の開発について語ったものです。山内氏は、「非常識な発想」を好み、そこからビジネスを創造することにたけた経営者でした。また、その発想を見抜いてからの行動も人一倍速く、ある意味「非常識」でした。

例えば、山内氏が社長に就任して間もないころ、自社工場の見回りのときに社員が勝手に工具を使い、伸び縮みするハンドを作って遊んでいるのを見かけました。山内氏は叱るどころか「製品化しなさい」と声を掛けます。のちに「ウルトラハンド」として売り出されたこの玩具は、100万個以上を売り上げる大ヒット商品となりました。

また、経営者の会合に向かう車中で運転手を務めていた社員が「電卓サイズのゲーム機があったら、サラリーマンでも新幹線の中で遊べますよね」と冗談交じりに言った際は、当日の会合で即座に、当時電卓の液晶を製造していたシャープの社長に、携帯型ゲーム機の話を持ちかけました。これが携帯ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」として発売され、現在の同社のメイン事業である家庭用ゲーム機やソフトの開発・製造の基礎となったのです。

山内氏のように、アイデアの内容を検討せず、直感を頼りに経営判断をするのにはリスクが伴いますが、山内氏はそれを承知の上でスピード重視の事業展開を行ってきました。それは、はやり廃りの激しい娯楽業界の中で、一番手として「全くの新製品」を生み出すため。検討に長い時間をかけていたら、流行はあっという間に変わってしまう。だったら、「これは面白い」と思ったものを、どこよりも早く製品化しようと考えたわけです。

こうした姿勢を貫けたのは、山内氏が娯楽について誰よりも研究熱心だったからでしょう。「全くの新製品」を世に送り出すには、自身がさまざまな娯楽に精通しなければなりません。山内氏は、若いころに異業種展開に失敗した経験から後年は娯楽一本にアンテナを張り、後継者にも「異業種には手を出すな」と厳命して、会社全体で娯楽事業を突き詰める環境をつくり出しました。

もちろん、ビジネスにおいて、さまざまなリスクを検討した上で、慎重な判断をしなければならないという局面は多々あります。ただ、今やどの業界も移り変わりが激しい時代、会社を存続させていく上で「先見性とスピード感」が求められるのは誰の目にも明らかです。

直感を信じ、素早く実行しながらも、「娯楽」という生業を貫き通した山内氏。その姿勢こそが、今なお世界中の人々を熱狂させる、「世界の任天堂」をつくり出したのだといえるでしょう。

「心に火をつける 名経営者の言葉」(竹内一正(著)、PHP研究所、2013年8月)

以上(2025年4月作成)

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画像:Sumeth-Adobe Stock

【業種別データ】造作材・合板・建築用組立材料製造業の動向

2023年の造作材・合板・建築用組立材料製造業は、事業所数は微増した一方で、製造品出荷額が全体で前年比91.8%と減少し、業界全体として縮小傾向が見られます。原材料費比率は上昇しており、コスト負担が利益を圧迫する構造が続いています。特に合板製造業は出荷額が前年比76.2%と大幅減となった一方、パーティクルボードや床板製造業では出荷額が大きく伸びるなど、品目別で明暗が分かれています。従業者1人当たりの付加価値額は減少し、生産性の低下が課題となっています。総じて、需要減退や原材料高騰の影響を受けつつも、製品分野によっては底堅い需要が残る状況といえます。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の造作材・合板・建築用組立材料製造業の事業所数は1761事業所(対前年比100.2%)、従業者数は4万4315人(対前年比99.0%)、製造品出荷額等は2兆2208億5300万円(対前年比91.8%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は25人(対前年比98.8%)、現金給与総額は1億500万円(対前年比99.5%)、原材料使用額等は8億5900万円(対前年比91.8%)、製造品出荷額等は12億6100万円(対前年比91.7%)、付加価値額は3億4400万円(対前年比86.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は419万円(対前年比100.7%)、製造品出荷額等は5012万円(対前年比92.7%)、付加価値額は1366万円(対前年比87.8%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は68.1%(対前年比100.2%)、同付加価値額比率は27.3%(対前年比94.7%)、同現金給与総額比率は8.4%(対前年比108.5%)となっています。

【1220 造作材・合板・建築用組立材料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)造作材製造業(建具を除く)

2023年の造作材製造業(建具を除く)の事業所数は397事業所(対前年比101.8%)、従業者数は6909人(対前年比98.7%)、製造品出荷額等は2136億6000万円(対前年比95.9%)となっています。

【1221 造作材製造業(建具を除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)合板製造業

2023年の合板製造業の事業所数は319事業所(対前年比96.4%)、従業者数は7268人(対前年比89.8%)、製造品出荷額等は3779億2500万円(対前年比76.2%)となっています。

【1222 合板製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)集成材製造業

2023年の集成材製造業の事業所数は191事業所(対前年比98.5%)、従業者数は5379人(対前年比97.0%)、製造品出荷額等は2303億1200万円(対前年比86.7%)となっています。

【1223 集成材製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)建築用木製組立材料製造業

2023年の建築用木製組立材料製造業の事業所数は634事業所(対前年比100.6%)、従業者数は1万8500人(対前年比102.0%)、製造品出荷額等は1兆388億8600万円(対前年比91.5%)となっています。

【1224 建築用木製組立材料製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

6)パーティクルボード製造業

2023年のパーティクルボード製造業の事業所数は25事業所(対前年比108.7%)、従業者数は1131人(対前年比111.1%)、製造品出荷額等は636億400万円(対前年比127.4%)となっています。

【1225 パーティクルボード製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

7)繊維板製造業

2023年の繊維板製造業の事業所数は20事業所(対前年比90.9%)、従業者数は1260人(対前年比93.1%)、製造品出荷額等は629億6700万円(対前年比92.6%)となっています。

【1226 繊維板製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

8)銘木製造業

2023年の銘木製造業の事業所数は51事業所(対前年比100.0%)、従業者数は240人(対前年比105.3%)、製造品出荷額等は45億5700万円(対前年比107.1%)となっています。

【1227 銘木製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

9)床板製造業

2023年の床板製造業の事業所数は124事業所(対前年比106.0%)、従業者数は3628人(対前年比107.0%)、製造品出荷額等は2289億4100万円(対前年比129.7%)となっています。

【1228 床板製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別出荷金額ランキング(都道府県別・2023年出荷分)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【造作材・合板・建築用組立材料製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda