<新推計>2040年に584万人 経営者が考えておきたい「認知症対策」

書いてあること

  • 主な読者:認知症対策と併せて、会社の今後を考えておきたい経営者や経営者の親族
  • 課題:認知症になった場合には「成年後見制度」があるが、経営者の場合は株式の売買や贈与などの課題もある
  • 解決策:認知症になる前に「株式の信託」を行うのが有効。認知症は誰にでも起こりえる可能性があるので、早めに専門家に相談して準備を進めることが大切

1 2040年に認知症患者は584万人と推計

政府は2024年5月8日、65歳以上の高齢者の人口がピークを迎える2040年に、認知症患者が約584万人、認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)の患者が約613万人に上るとの推計結果を公表しました(九州大学などの研究チームによる将来推計)。

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約10年前の同研究班による将来推計では、2025年に高齢者の約5人に1人(約700万人)が認知症を発症するという結果が出ていましたが、医療技術の発展や健康志向の高まりなどで過去の研究よりも推計値が下回っています。

それでも、経営者にとって認知症は他人事ではありません。2022年版「中小企業白書」によると、経営者の年齢が65歳以上(2020年時点)の企業が41.5%を占めており、司法書士である私たちの現場でも、日々寄せられる相談の中に、「認知症対策」に関わるものが多くなっていることを実感しています。

この記事では、経営者の認知症対策に関わるものとして「成年後見制度」の課題を整理した上で、「信託」について説明していきます。

2 認知症が会社経営に与える影響

経営者が認知症になってしまったら、会社経営にはどのような支障が出てくるのでしょうか。具体的には、次のような困難が生じます。

  • 経営者個人として、売買や贈与などの契約を締結することが難しくなる
  • 株主総会での議決権の行使など、株主としての権利を行使することができなくなる

こうした契約や権利行使など、いわゆる法律行為を行う場合には、

自分(ここでは経営者)自身の行為の結果が判断できる能力(意思能力)

が大前提として必要とされます。認知症になると、この能力を欠いた状態になってしまい、意思能力が十分でない者の法律行為は無効とされるのです。

3 経営者と成年後見制度の課題1:株式の自由な売買・贈与ができない

認知症になった方に対応する制度として、「成年後見制度」というものが設けられています。

成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した本人に代わって、法律行為を行うことができる代理人(成年後見人)を選定するというもの

です。

成年後見人は、本人の財産について包括的な管理権・代理権を持っており、「本人のために」、本人に代わって法律行為を行うことになります。本人の利益を守るために有効な側面がありますが、経営者の方、もしくはその親族の方や会社にとっては、さまざまな課題がある仕組みともいえるのが実情です。ここでは、その課題を整理してみましょう。

よく相談を受けるのは、事業承継対策、相続対策のタイミングです。こうした局面でしばしば行われるのが、

コンプライアンスに沿いながら自社の株式の価額をなるべく下げて、その上で株式の譲渡を行ったり、贈与を行ったりしやすくする

という対策です。しかし、成年後見制度には

本人の保有する株式の譲渡などに制限がかかるというルール

があります。成年後見人は、あくまで「本人のため」に法律行為を行うため、安価で株式の譲渡を行ったり、贈与を行ったりすることは、本人にとって不利益となり、成年後見人の職務に反することになってしまうのです。特に、株式の贈与については無償での譲り渡しとなり、本人にとって損失でしかないと見なされてしまうことがほとんどで、法令上、まず認められません。

株式の自由な売買や贈与ができなければ、事業承継対策や相続対策が行えなくなってしまい、親族、会社に負担になるのではないか……というご意見もよくあります。しかし、成年後見制度の趣旨はあくまで「本人のため」であり、「親族のため」「会社のため」ではないのです。

4 経営者と成年後見制度の課題2:第三者が後見人となる

さらに、別の課題もあります。成年後見人は家庭裁判所で選ばれますが、裁判所の最新の統計によれば、選任される成年後見人のうち81.9%が親族ではない第三者(司法書士、弁護士、社会福祉士など)から選任されています(最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況―令和5年1月~12月―」)。逆に言うと、親族が成年後見人になるケースは18.1%であり

たとえ経営者本人の親族であっても、当たり前のように後見人に選任されるわけではない

ということです。司法書士や弁護士といった専門家が後見人に選ばれ、株式の権利について第三者であるその後見人が行使していくことになる場合のほうが多いのです。

ここで選ばれる司法書士や弁護士、社会福祉士などはおのおのの分野の専門家ではありますが、必ずしも会社経営のプロではありません。むしろ、

個別具体的な会社の経営事情について、何も分からないということも少なくない

でしょう。こうした第三者が株主として権利を行使する可能性があることを、経営者として見過ごせないという方も多いはずです(なお、株主間で会社の運営方針に対立があるような場合には、成年後見人は議決権を行使しないという選択を行うこともあり得ます)。

5 経営者の認知症対策:信託

経営者が認知症になった場合、現行の成年後見制度に沿って手続きが進んでいきますが、そこには幾つかの課題があるということを見てきました。こうした課題への対策の一つとして、株式の「信託」という手法があります。

信託とは、自分の大切な財産を信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って、大切な人や自分のために運用・管理してもらうという仕組み

です。自分の財産を託す側の人を「委託者」、財産を託される側の人を「受託者」、財産から利益を受ける人を「受益者」と呼びます。

一般的な信託の仕組みは次の通りです。

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経営者の方(委託者)は、自分自身の保有する会社の株式を信託財産にして、信頼できる方を「受託者」とし、自らを「委託者」兼「受益者」として信託します。このように株式を信託すると、株式の管理権限は受託者に移るため、議決権は受託者が行使することになります。

なお、信託財産(この場合は自社の株式)に関して、受託者が行う管理・処分などについての指図をする「指図権者」を定めることができます。そこで、経営者の方は、自分自身を議決権行使の指図権者としておくことで、例えば次のようなことが可能になります。

  • 元気なうち:自分の指図によって受託者に議決権を行使させる
  • 認知症になった場合:受託者の判断によって議決権を行使してもらう

株式の信託後の権利関係は次の通りです。

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株式の信託後、委託者が認知症となった場合の権利関係は次の通りです。

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さらに、一連の信託契約の中で、経営者の方が認知症になった場合や亡くなった場合などの株式の承継方法、処分方法を定めることも可能です。

6 おわりに

以上、経営者の方が認知症になった場合に利用が可能な制度をご紹介させていただきましたが、判断能力を失う可能性があるケースというのは、何も認知症に限ったことではありません。年齢を問わず、不慮の事故や、大病を患うことで判断能力を失う場合もあります。

実際に周囲の経営者の方でも、不慮の事故によって意識不明の状態となってしまい、完全に会社の機能がストップしてしまったところや、30代でくも膜下出血により倒れた方もいらっしゃいます。

認知症や不慮の事故などで経営者が判断能力を失うことは、会社の機能を完全にストップさせてしまいかねません。そして、これは、どの経営者の方にも起こり得る問題なのです。

実際に経営者が判断能力を失ってしまった後では、打つ手は限られてきます。一方で、事前に対策を行っていれば、経営者の希望に沿った対策を立てやすくなり、対応がスムーズに進む可能性が高まります。認知症などによる判断能力の喪失は、誰しも起こる恐れがあることを意識して、対策を打っておくことが望まれるでしょう。

以上(2024年5月更新)
(執筆 杠司法書士法人 副代表 西本拓司、
司法書士法人ゆずりは後見センター 副代表 坂西涼)

【著者紹介】
西本拓司

司法書士。西本拓司
企業の法務顧問としての実績を多数持つ。コンサルティングファームや金融機関と連携した事業承継、M&Aに伴う法務の実務に多く携わっている。

坂西涼

司法書士。坂西涼
後見人としての活動にキャリアの最初から取り組み続け、識者として行政機関や介護事業者向けの研修、セミナーなどに登壇することが多い。

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画像:LIGHTFIELD STUDIOS-Adobe Stock

【収支シミュレーション】 ケアハウスの開業収支モデル

書いてあること

  • 主な読者:ケアハウスの開設を検討している人
  • 課題:自社の所有地でケアハウスを新築する
  • 解決策:開業、運営に掛かる費用の目安を押さえ、収支計画をシミュレーションしてみる

1 軽費老人ホーム(ケアハウス)とは

軽費老人ホームとは、

老人福祉法で定義されている、無料または低額な料金で老人を入所させ、食事の提供、その他の日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設

です。

軽費老人ホームはA型・B型・C型・都市型の4種類に分けられており、C型が「ケアハウス」に当たります。

また、ケアハウスは、60歳以上の高齢者が対象の「一般(自立)型ケアハウス」と、65歳以上で要介護度1以上の高齢者が対象で、生活支援サービスと併せて介助サービスを受けることができる「介護型ケアハウス」の2種類があります。

なお、2008年6月1日以降は、軽費老人ホームとして開設できるのはケアハウスだけとなりました。従来からの軽費老人ホームのうちA型・B型は経過的軽費老人ホームと位置づけられています。

ケアハウスを開設するには、

  • 法人格を取得する
  • 厚生労働省令で定められた事項を都道府県知事に届け出る
  • 厚生労働省が定める「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」を満たす
  • 施設の所在地の都道府県知事(指定都市・中核市は各市長)から社会福祉法に基づく「軽費老人ホーム」の指定を受ける
  • 介護型ケアハウスは、施設の所在地の都道府県知事(指定都市・中核市は各市長)から介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」の指定を受ける

必要があります。

なお、市区町村によって基準が異なる場合や、設置を計画していた施設の数を満たしているといった理由で申請を受け付けていない場合があるため、事前に市区町村の担当部署に確認しましょう。

また、市区町村によって施設整備費や設備整備費などに補助金を出していることもあるので、併せて確認するとよいでしょう。

2 開業収支を考える

1)前提条件

ここでは、前述の「介護型ケアハウス」を開設する想定でシミュレーションをします。

1.売上高

売上高は、施設定員を38人として年間1億3300万円とします。算出式は次の通りです。

(介護サービス費23万200円×12カ月+月額利用料金10万円×12カ月+入居一時金30万円)×定員38人×稼働率90%≒1億4578万円

ケアハウスの売上高は、介護サービス費と月額利用料、入居一時金等(注)から成ります。

厚生労働省「介護給付費実態調査月報(2024年1月審査分)第5表、介護サービス受給者1人当たり費用額、要介護状態区分・サービス種類別」によると、特定施設入居者生活介護(短期利用以外)受給者1人当たり費用の平均月額は23万200円となっています。

介護保険が適応されるので利用者の負担は1割(一定基準以上の所得がある場合は2割または3割)となります。

(注)シミュレーション上の売上高(2年度目以降)は、入居一時金1026万円(=30万円×定員38人×稼働率90%)を除きます。

2.原価率

原価率は、後掲の図表4 厚生労働省「特定施設入居者生活介護(予防を含む)の1施設1カ月当たり収支)」の介護事業費用のうち(4)その他を参考に42.6%とします。

3.人件費

人件費は同じく後掲の図表4「特定施設入居者生活介護(予防を含む)」の1施設1カ月当たり収支)の介護事業費用のうち(1)給与費43.3%を参考に5629万円(1億3300万円×43.3%)とします。

4.施設設備整備費

施設整備費は6億7200万円(延床面積2100平方メートル。1平方メートル当たり工事単価32万円)、建物附属設備(電気・給排水・消火設備など)は9450万円とします。

その他の諸条件は図表1の通りです。

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2)開業収支シミュレーション

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3 ケアハウスの1カ月当たり収支

厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査」によると、ケアハウス(特定施設入居者生活介護(予防を含む))の1施設1カ月当たり収支は次の通りです。

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以上(2024年5月更新)

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画像:ケイーゴ・K-Adobe Stock

【朝礼】「逆張り」の反対は順張りではない

皆さん、おはようございます。今朝は「逆張り」思考の真実についてお話しします。

「逆張り」とは、他の多くの人とは違う行動をすることですが、日本人はこれが苦手です。各国の国民性を比較したジョークがあります。「どうしたら国民がマスクをしてくれるか」というものですが、アメリカ人には「マスクをつけるとヒーローになれる」、ドイツ人には「マスクをつけることはルールだ」、イタリア人には「マスクをつけるとモテる」と伝えると効果的だそうです。日本人にはどう伝えるのかというと、答えは、

「他の人はマスクをしている」

というのですから笑えます。

さて、「逆張り」の反対は「順張り」、つまり多くの人と同じ行動をすることになるのかというと、必ずしもそうではありません。逆張りも順張りも自分の意思で決めるものですが、そうではない人は「もどき」です。

私の知人であるA部長は、長い時間をかけて営業体制を整えました。しかし、社長の鶴の一声で方針が転換され、これまでの努力がほぼ無駄になってしまいました。A部長はそのことが不満で周りに愚痴を言いますが、社長に直談判することはしませんでした。

もちろん、最終的には社長の方針に従わなければなりません。しかし、そうなる前にできることがたくさんあるはずなのに、具体的な行動を起こしません。これが「順張りもどき」の典型です。

皆さんに「順張りもどき」になってほしくはありません。きちんと自分の意見を言えるようになってください。とはいえ、考えなしに他人の反対をする「逆張りもどき」でも困ります。今は、自分の「考え(理想)」について改めて深く考えてみる時代なのです。

「逆張り」は投資の世界で使われる言葉ですが、その投資の世界に、

「他人を頼るべからず、自力を頼むべし」

という格言があります。他人が推奨する投資情報に頼ってばかりいないで、自分で決めなさいという意味では、「逆張り」を肯定しています。一方、

「落ちてくるナイフは拾うな」

という格言もあります。これは、下落している銘柄を買うなという意味で、皆に同じ行動を推奨するという点では、「順張り」の肯定といえます。

何だか矛盾しているように思えますが、どちらの格言も本質は同じです。要は「得をする(損をしない)選択をせよ」ということ。実は「逆張り」も「順張り」もなく、自分にとってベストなものを自分の「意思」で選択すればいいだけなのです。

私の知人に、誰もが「難しい」という領域でビジネスを始め、今も楽しそうにチャレンジを続けている人がいます。業績が芳しくないときに社員を採用し、育てた結果、その社員が原動力となり、数年後に業績を回復させた人もいます。全ては他人ではなく、自分がどう考えるか、その「意思」次第なのです。

以上(2024年6月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【労基署の臨検】送検される会社は全体の何パーセント? 労働基準監督年報で確認してみた

書いてあること

  • 主な読者:労働基準監督署の臨検監督について知りたい経営者、人事労務担当者
  • 課題:自社に調査が入る可能性や、送検される可能性がどのぐらいあるのか分からない
  • 解決策:厚生労働省「労働基準監督年報」でおおよその傾向を理解する。2022年のデータによると、調査が入る可能性は4.49%、送検される可能性は0.02%

1 ウチの会社にも労働基準監督署がやって来る?

労働基準監督署(以下「労基署」)による臨検監督(以下「臨検」)とは、

労基署の労働基準監督官(以下「監督官」)が会社(事業場)を訪問するなどして、労働基準関係法令に違反していないかをチェックすること

です。厚生労働省「令和4年労働基準監督年報」によると、2022年中に実施された臨検の状況は次の通りです。

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適用事業場382万3470件のうち、実際に臨検が実施されたのは4.49%、違反があったのは2.93%、司法処分を受けた(経営者などが検察庁に送検された)のは0.02%です。このパーセンテージだけを見ると、自社に臨検が入ったり、送検されたりする可能性は低そうです。ただし、押さえておきたいのは、

2024年4月に「労働時間」「労働条件の明示」など、労働基準法関連の重要な法改正があった関係で、今後、労基署の動きが活発になる可能性がある

ことです。以降では、図表1の労働基準監督年報のデータをもう少し細かくひもといて、労基署の臨検に関する現在の状況を探っていきます。

2 流れをもう一度! 定期監督や申告監督の件数は?

現在の臨検の状況についてイメージがつかみやすいよう、定期監督等(定期監督+災害時監督)と申告監督のフローと件数を整理したのが図表2です。

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前述した通り、司法処分(送検)までいくケースはまれですが、ただ送検されるだけでなく、会社名や違反内容が厚生労働省ウェブサイトで公表されるという、会社にとっては無視できない事態も招きます。

ちなみに、2023年3月1日から2024年2月28日までの公表事案を見ると、

1年間で約400件の会社が、賃金不払いや安全衛生管理の不備などで送検

されています(厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案(2024年3月31日掲載)」)。

■厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案(下記URLのページ中段)」■
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html

3 どのような業種の会社が臨検の対象になりやすいのか?

臨検の種類ごとに、2022年の実施件数が最も多い業種を見ていくと、

  • 定期監督等(14万2611件) → 建設業(4万9284件)
  • 申告監督(1万6639件) → 商業(2641件)
  • 再監督(1万2278件) → 製造業(4546件)

となっています。重大な労働災害が起きやすい業種や、労働基準関係法令の違反が多い業種は、臨検の対象となりやすいようです。

なお、厚生労働省は各年度の労働に関する施策の方針を示した「地方労働行政運営方針」を公表していますが、2024年度については、

2024年4月より「時間外労働の上限規制」の適用対象となった建設業、自動車運転業務、医師、砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県)についても監督指導を行っていく旨

が示されています。ただし、こうした事業・業務については、「取引慣行などの関係で個々の事業場だけでは長時間労働の是正が困難な場合がある」とも言っていて、指導については慎重を期して行っていく方針のようです。

業種以外では、会社のライフサイクルなども関係することがあります。例えば、成長期にあり、従業員数を大幅に増やしている企業などは、労務管理が煩雑になりやすく、申告監督などが入りやすい傾向にあるようです。

4 どんな法令違反が指摘されている?

ここまで、調査・臨検の種類やフローなどを中心に紹介してきましたが、

大切なのは、日ごろからきちんと労務管理を行い、調査・臨検を受けることになっても、法令違反なしで完結すること

です。定期監督等と申告監督で法令違反として指摘される項目の上位5つを確認してみましょう。

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定期監督等では幅広い分野で法令違反が指摘されているのに対し、申告監督では賃金不払いが圧倒的に多く指摘されています。定期監督は違反の対象が絞り込まれているわけではないため、全般的に調査され、その中で違反が見つかったりします。一方、申告監督は、

特に退職者から残業手当の不払いなどの申告があるので、賃金不払いに集中しやすい

のです。

以上(2024年6月更新)

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画像:pexels

労働条件明示のルール改正で知っておくべき事項

労働契約を締結する際、使用者は労働者に対し、労働条件を明示しなければなりません。有期労働契約の場合には、契約締結時だけでなく、更新のたびに明示が必要です。この労働条件明示のルールは、労働基準法第15条第1項に定められているもので、令和6年4月に改正されました。ここでは、新しく追加された明示事項や、正しく理解しておきたいことを、具体的にまとめます。

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【労基署の臨検】 監督官は書類のどこを見る? 36協定、労働条件通知書などのチェックポイント

書いてあること

  • 主な読者:労働基準監督署の臨検監督について知りたい経営者、人事労務担当者
  • 課題:事前対策を講じたいが、何をチェックすればいいのか分からない
  • 解決策:まずは2024年4月法改正に関連する「36協定」「労働条件通知書」を確認、その他「就業規則」「法定四帳簿」「健康診断結果」などもチェック

1 2024年4月法改正で、労働基準監督署の動きが活発に?

会社が労働基準関係法令に違反していないかをチェックする

労働基準監督署(以下「労基署」)の臨検監督(以下「臨検」)

は、年に17万1528件実施されています(厚生労働省「令和4年労働基準監督年報」)。そして2024年度は、次の2つの法改正の関係で、労基署の動きがさらに活発になる可能性があります。

  • 2024年4月から、建設業、自動車運転業務、医師、砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県)にも「時間外労働の上限規制」が適用(いわゆる「2024年問題」)
  • 2024年4月から、労働契約の締結時に、労働条件として明示する事項が追加

臨検では、労働基準監督官(以下「監督官」)が会社を訪問するなどして、36協定、出勤簿、賃金台帳、就業規則などさまざまな書類をチェックします。できれば、臨検が入る前にセルフチェックをしておきたいところですが、

監督官が書類のどこを見るか分からないので、対応ができない

という会社がほとんどでしょう。そこで、この記事では社会保険労務士監修のもと、労基署の臨検で指摘を受けやすい書類と、そのチェックポイントを紹介します

2 労基署の臨検で指摘を受けやすい書類は?

2022年に実施された臨検(17万1528件)のうち、大部分を占めるのは定期監督等(14万2611件)で、主に次のような違反が指摘されています(厚生労働省「令和4年労働基準監督年報」)。なお、赤字部分は、前述した2024年4月からの法改正に関連する項目です。

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これらの違反は、主に監督官が次のような書類をチェックする過程で見つかります。まずは、2024年4月法改正に関係する「36協定」「労働条件通知書」から始め、順番に書類のチェックポイントを見ていきましょう。

  • 36協定(社員に時間外・休日労働を命じる場合に必要な労使協定)
  • 労働条件通知書(社員と労働契約を締結する際、労働条件を明示するための書類)
  • 就業規則(社員数10人以上の場合、作成が義務付けられている職場のルールブック)
  • 法定四帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、年次有給休暇管理簿)
  • 健康診断関連の書類(健康診断結果、医師の意見書など)

3 36協定のチェックポイントは?

36協定は、会社と社員側の代表(過半数労働組合や過半数代表者)が締結し、労基署に届け出ることで初めて効力を生じます。この社員側の代表についてですが、労基署の臨検では

監督官が一般の社員に対し、「誰が社員側の代表ですか?」「どうやって代表を選出しましたか?(例:多数決)」などと、抜き打ちで質問をするケース

があります。ですから、自社の36協定について正しい情報を社内に周知徹底しておきましょう。また、協定の有効期間は1年間ですので、更新を忘れていないかも要チェックです。

さらに前述した通り、2024年4月から、建設業などにも時間外労働の上限規制が適用されています。上限規制に違反する36協定の締結や残業命令は認められないので注意が必要です(図表2)。

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4 労働条件通知書のチェックポイントは?

労働条件通知書は、社員を雇い入れる際などに必ず書面で交付する必要があります(ただし、社員が希望した場合はメールも可)。また、前述した通り、2024年4月からこれまでの労働条件と併せて、次の内容を明示することが義務付けられています。

  • 「契約更新に関する事項」を記載する際、「更新上限」についても明示する
  • 「無期転換に関する事項(新設)」を記載する際、無期転換の「申込機会」「転換後の労働条件」について明示する(通算契約期間が5年超のパート等が対象)
  • 「就業場所」「業務内容」を記載する際、契約締結時の内容だけでなく、配置転換等の際の「変更範囲」も明示する

古い労働条件通知書のフォーマットを使い回している場合、早期に修正が必要です。なお、フォーマットを見直す際は、念のため次のような内容についても確認しておきましょう。

  • 時間外労働が1カ月60時間を超える場合の割増賃金率が正しいか(2023年4月から、中小企業も「25%以上」から「50%以上」に引き上げられている)
  • パート等の場合、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」も明示しているか(労働基準法ではなく、パートタイム・有期雇用労働法に基づく明示)

5 就業規則のチェックポイントは?

まず、社員が10人以上の会社なのに、就業規則がない(または作成しているが、労基署に届け出ていない)のは違法です。また、就業規則は社内に周知して初めて効力を生じるので、

テレワークの社員がいるのに、就業規則はオフィスに紙の状態でしか置いていない

というのもNGです。

加えて、労基署の臨検では、

法改正があったタイミングで、就業規則の変更と届け出がちゃんと行われているか

が厳しくチェックされます。ここ数年の法改正であれば、例えば次のような内容について、適正なタイミングで変更と届け出がちゃんとなされているかを確認しておきましょう。

  • パワハラがあった場合の相談窓口について(2020年6月から)
  • 育児休業の分割取得や出生時育児休業の取得について(2022年10月から)
  • 時間外労働が1カ月60時間を超える場合の割増賃金率について(2023年4月から)

なお、就業規則を変更する際は、「就業規則本体」に加えて、「変更届」「社員側の代表(過半数労働組合や過半数代表者)の意見書」を労基署に届け出ます。これらについても労基署が受理の押印をした会社控えがあるか、確認しておきましょう。

6 法定四帳簿のチェックポイントは?

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿の3つは「法定三帳簿」と呼ばれており、最近はこれに年次有給休暇管理簿を加え、「法定四帳簿」と呼ぶことがあります。いずれも、法令で定められた項目を記載の上、3年間保存することが義務付けられています。労基署の臨検では、

ほぼ必ず提出を求められる重要書類で、法令上必須の項目が記載されていないと、是正勧告の対象になる可能性が高い

ので注意が必要です(図表3)。

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加えて、賃金台帳と出勤簿については、次のような点にも要注意です。

(賃金台帳)

  • 長時間労働が続いているのに、「固定残業代だから」と残業代を一律支給にしているなど、違和感がある賃金台帳が提出されると、監督官から指摘が入ることがある
  • 賃金から「積立金」「社宅料」などを控除している場合、労使協定の締結について指摘が入ることがある
  • パート等を含め、時給が最低賃金を下回る社員がいないか確認されることがある(都道府県ごとの「地域別最低賃金」は、2023年10月から全国加重平均額で1004円)

(出勤簿)

  • 「始業・終業時刻や休憩時間が一律」など、違和感がある出勤簿が提出されると、監督官から指摘が入ることがある(パソコンのログとの照合を求められることも)
  • 始業前などに「清掃」や「制服への着替え」が必要な場合、その時間が労働時間に含まれているか確認されることがある

7 健康診断関連の書類のチェックポイントは?

会社は、社員を雇用した際の雇入時健康診断や、年1回の定期健康診断などを実施しなければなりません。労基署の臨検では、

  • 各社員の健康診断結果を作成し、一定期間保存しているか(原則5年間)
  • 「異常の所見」があった場合、健康診断をしてから3カ月以内に、就業上必要な措置(時間外労働の制限など)について医師等の意見を聴取しているか
  • 社員数が50人以上の場合、定期健康診断結果報告書を提出しているか

などをチェックされる可能性があります。

ちなみに、社員数が50人以上になってくると、健康診断以外にも「ストレスチェックの実施」「産業医や衛生管理者の選任」「衛生委員会の設置」など、安全衛生関連の実務が増えていきます。これらの実務もチェック対象になり得るので注意が必要です。

8 書類以外も何かチェックされる?

ここまで、労基署の臨検でチェックされる可能性のある書類についてお話ししてきましたが、実際の臨検では、書類以外についても監督官のチェックが入る可能性があります。

例えば、建設業や製造業などの場合、工事現場や工場などの現場確認が行われることがあります。現場確認では、重機や手すりといった各種設備が労働安全衛生法の基準にのっとったものであるかなどについて確認されます。

また、サービス業のようなホワイトカラーでも、申告監督などの場合は、会社の提出した書類と従業員の実態に乖離(かいり)がないかを確かめるため、監督官から社員に対してヒアリングが行われるケースもあるようです。例えば、「1カ月のうち時間外労働がどの程度あるか?」「最近、労働災害に遭った人はいないか?」といった質問が考えられます。

以上(2024年6月更新)
(監修 ひらの社会保険労務士事務所)

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画像:pexels

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以上(2024年5月作成)

画像:日本情報マート

【労基署の臨検】 臨検の種類は? 厳しさは? 「指摘を受けたら真摯に対応」が鉄則!

書いてあること

  • 主な読者:労働基準監督署の臨検監督について知りたい経営者、人事労務担当者
  • 課題:そもそもどういう調査なの? リスクはあるの? 
  • 解決策:会社が労働基準関係法令に違反していないかの調査。違反は送検や会社名公表の対象だが、通常は真摯に是正・改善に取り組めば問題ない

1 そもそも「臨検(リンケン)」って何?

ある会合で、A社の社長が他の経営者に

「ウチの会社に臨検(リンケン)が入ったんだよ。しかも、アポイントもなく突然……」

と愚痴っぽく話しています。どうやら、労働基準監督署(以下「労基署」)の職員が会社にやって来て、出勤簿、賃金台帳、就業規則、36協定などを見せるように言われたようです。

社長が「忙しいから困る」と拒否しても、職員は「私たちには捜査権や逮捕権がある」の一点張り。詳しく話を聞くと、A社ではかなりの残業代の未払いが発生しており、そのせいで社員の1人が労基署に駆け込み、抜き打ち調査が行われたようです。

というのが、労基署の「臨検(リンケン)」の一般的なイメージです。正しくは「臨検監督」(以下「臨検」)。簡単に言うと、労基署の労働基準監督官(以下「監督官」)が、会社を訪問して各書類を確認するなどして、労働基準関係法令に違反していないかチェックすることです。

労働基準関係法令:労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、じん肺法、家内労働法、賃金の支払の確保等に関する法律など

臨検で重大な違反が見つかり、送検された会社をニュースなどで目にした経験もあると思いますが、臨検がどのように行われるのか、その実態は意外と知られていません。一方、

2024年4月に「労働時間」「労働時間の明示」など、労働基準法関連の重要な法改正があった関係で、今後、労基署の動きが活発になる可能性がある

ため、今のうちにイメージを押さえておきたい経営者は少なくないはずです。以降で、社会保険労務士監修のもと、普段はなかなか聞けない労基署の臨検の舞台裏を紹介します。

2 労基署の臨検って、突然やって来るの?

労基署の臨検は、

  • 定期監督:労基署の年間計画に基づき、毎月対象の会社を選定して実施
  • 申告監督:社員(退職している社員を含む)からの申告に基づき実施
  • 災害時監督:重大な労働災害が発生した際、原因の究明や再発防止の指導のために実施
  • 再監督:是正勧告を受けた会社の状況が改善されているかを確認する場合に実施

の4種類に分類されます。

定期監督の場合、通常は事前に監督官から、会社を訪問する(または経営者などに労基署に来るよう求める)旨の書面が送られ、用意すべき書類や日時が指定されます。時間もある程度決まっていて、おおむね2~3時間です。

一方、申告監督や災害時監督の場合、事前の連絡なしに抜き打ちで行われることが多いですが、労基署が申告者を保護する目的で、定期監督を装い事前に連絡するケースもあるようです。

監督官は、司法警察職員として会社を捜査する権限を持っているので、

監督官が臨検にやって来たら、原則として拒否することはできません

が、経営者が不在で臨検が実施できないなど、延期が認められるケースもあるようです。

3 具体的にどういう違反をチェックするの?

2022年に実施された臨検(17万1528件)のうち、大部分を占めるのは定期監督等(14万2611件)で、主に次のような違反が指摘されています(厚生労働省「令和4年労働基準監督年報」)。

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「健康診断」「安全基準」「労働時間」など、社員の健康や安全に直接影響を及ぼす違反が指摘を受けやすくなっています。特に、赤字にした「労働時間」については、

2024年4月から、いわゆる「時間外労働の上限規制」が建設業、自動車運転業務、医師、砂糖製造業(鹿児島県・沖縄県)にも適用

されるようになり、今後これらの事業・業務に対する監督が厳しくなる可能性があります。同じく赤字にした6位の「労働条件の明示」も、法改正に関する項目なので注意が必要です。

2024年4月から、社員の雇入時や契約更新時に、「就業場所・業務の変更範囲」「契約上限の有無とその内容」「無期転換の申込機会と転換後の労働条件」を新たに明示

しなければならなくなっています。

4 臨検の種類や監督官によって厳しさが違う?

一概には言えませんが、臨検の種類ごとに厳しさの順位を付けるとすると、

  • 監督官が指導した後に改善されているかを確認する「再監督」
  • 重大な労働災害が発生したために実施する「災害時監督」
  • 社員の求めにより実施する「申告監督」
  • 計画で実施する「定期監督」

となるでしょう。

また、監督官によって厳しさが異なるケースもあり、経験豊富な監督官の場合、会社の事情を考慮して、現実的な解決策を提案してくれることもあります。例えば、賃金未払いについて、会社の財務状況などを考慮し、支払いまでの期限を長めに設定してくれるといった具合です。なお、社会保険労務士などの専門家は、労基署の臨検に立ち会ってくれることがあるので、会社だけで監督官に対応するのが不安な場合、相談してみるとよいでしょう。

5 違反があったら即座に送検されてしまうの?

監督官は、会社が労働基準関係法令に違反した場合、経営者などを地方検察庁に送検する権限を持っています。ただ、即座に送検されるのは相当悪質なケースに限られ、通常は

監督官の指導に従い真摯に是正・改善に取り組めば、「送検なし」で完結することが多い

です。監督官の指導は次のような流れで行われます。

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監督官は会社に対し、労働基準関係法令に違反した場合は「是正勧告書」、違反はないが労務管理の改善が必要な場合は「指導票」を発行します。どちらも是正・改善すべき事項とその期日が記載されています(書式については後述)。

会社は、期日までに是正が完了したら「是正報告書」、改善が完了したら「改善報告書」を監督官に提出します。ちなみに、是正・改善どちらの場合も、

期日は是正勧告書(または指導票)の発行から、おおむね1~2カ月後

です。間に合わない場合は必ず監督官に連絡し、対応する意思があることと現在の状況を伝え、期日の相談をします。なお、労働基準関係法令に違反した場合、期日までに是正報告書を提出しない(または労基署が催促しても回答しない)など悪質な対応をしていると、再監督を経た上で、

「地方検察庁に送検される」+「厚生労働省ウェブサイトで会社名が公表される」

というペナルティを受ける恐れがあります。ちなみに、期日までに状況を是正・改善し、監督官への報告が無事終了した場合であっても、何年か経ってから、状況をチェックするため再監督が実施されることがあります。ですから、

一度是正・改善したら終わりではなく、その状況を維持する(可能ならさらに改善する)

という意識が大切です。

6 是正勧告書や指導票ってどんなもの?

最後に、社会保険労務士が作成した是正勧告書と指導票の一例を紹介します。

まずは是正勧告書です。

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是正勧告書には、違反があった法条項等、違反事項、是正期日が記載されています。ただし、どう是正すべきかは載っていないケースが多いので、不安な場合、監督官や専門家に相談しましょう。また、「不足額については、遡及して支払うこと」などの記述がある場合、トラブルにならないよう、「いつからいつまでの分を支払うか」などについて、監督官と認識を共有しておきましょう。

次は指導票です。

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指導票には、労働基準関係法令の違反に関する事項はなく(そもそも違反していないので)、指導事項とその報告期日が記載されています。指導票の未提出は送検の対象になりませんが、再監督が入る可能性がありますから、こちらも必ず期日までに提出しましょう。

会社は、是正勧告書に対しては「是正報告書」、指導票に対しては「改善報告書」を作成して、監督官に提出します。どちらの報告書も監督官から紙で手渡しされたものに記入しますが、一部の都道府県労働局ウェブサイトでは書式のデータが公表されているので、「手書きは面倒」という場合、そちらを活用するとよいでしょう。

■鳥取労働局「是正・改善 報告書様式」■
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/newpage_01118.html

なお、是正報告書・改善報告書については、ただ報告書に「いつ、是正(改善)しました」と記載するだけでなく、是正(改善)したことを証明する資料を別紙で提出する必要があります。

(例1)未払い賃金の是正に関する資料:賃金台帳、給与支給明細書など

(例2)機械の安全基準の是正に関する資料:是正した状況が確認できる写真など

以上(2024年6月更新)
(監修 ひらの社会保険労務士事務所)

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画像:pixabay