毎日のように発生する経理業務。次のような悩みを持つ経営者や経理担当者、営業担当者は多いでしょう。
- 経営者「会社の経費も全て個人カードで立て替えていて、プライベートなものか会社のものか区別できない」
- 経理「社員が持ってくる経費精算伝票は申請内容のミスが多くてイライラする!」
- 営業「営業に出たいけど、経費精算が終わらない。誰か代わりにやってくれないかな。いっそ精算するのをやめちゃおうかしら」
こうした悩みを解消してくれるのが、法人クレジットカード(以下「法人カード」)です。法人カードとは法人や個人事業主に発行されるクレジットカードで、接待交際費や交通費の支払い・公共料金や備品の購入などビジネス上の支払いに利用できます。また、詳細は後でご紹介しますが、法人カードには主に次のようなメリットがあります。
- 経費精算業務を効率化できる
- キャッシュフローにゆとりが持てる
- 公私の区別ができる
- 振込手数料の削減やポイント利用などで経費を削減できる
この記事では、全国約200人の経営者に聞いた「法人カードの利用状況」や、法人カードと他の決済カードとの違い、法人カードのメリットなどを解説していきます。
1 経営者約200人に聞いた法人カードの利用状況
りそなCollaborare事務局では、経営者196人に対して法人カードの利用状況などに関するアンケートを実施しました。法人カードがどのくらいの割合で利用され、その利用目的はどういうものなのか、法人カードを利用している経営者の傾向が見えてきます。
【調査概要】
調査時期:2023年4月14日〜4月20日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:会社経営者・役員、196人
アンケートの出所:りそなCollaborare事務局(日本情報マート)
1)法人カードの保有状況
すでに「法人カードを保有している」経営者は62.2%でした。残りの37.8%が法人カードを「保有していない」という結果になりました。
2)創業から何年目に法人カードを作ったか
法人カードを作った時期は、「創業10年目以降」が48.4%と最も高く、「創業時から3年目未満以内」の23.8%が続きました。
3)現在所有の法人カードを選んだ理由
今持っている法人カードを選んだ理由としては、「銀行におすすめされた」が33.6%と最も高く、「ブランドイメージ」の28.7%、「年会費が安い」の23.0%が続きました。
4)法人カードの使い道
法人カードをどのような支払いに使っているか、多い順に並べてみました。
最も多い支払いは、「出張旅費」の33.6%、次いで「備品購入費」の19.7%、「接待交際費」の14.8%の順番になりました。
5)法人カードを持っていてよかったことは?
法人カードを持っていてよかったことは、「とにかく経費精算が楽」が52.5%で最も高く、「公私の区別ができる」の39.3%、「利用明細をデータ保存できる」の38.5%が続きました
アンケートの回答では、62.2%の経営者が法人カードを持っていました。法人カードを持っていると、「とにかく経費精算が楽」という意見が多かったようです。法人カードをご検討されたい場合は、次のアドレスから商品内容の確認やお申し込みができます。
2 法人カードと他の決済カード(個人カード・デビッドカード)との違い
1)法人カードと個人カードの違いとは
法人カードと個人カードとの違いは、契約者が法人か個人かという点です。法人カードは、法人と経営者個人の支払い能力などをもとに総合的な審査を経て、カードが発行されます。また、法人カードは複数枚発行できるため、社員分のカードを発行し、それぞれが法人カードで立替や仮払いなどを行うことも可能です。
法人カードと個人カードの違いをまとめると、次のようになります。
2)法人カードとビジネスデビットカードとの違いとは
法人カードとよく対比されるデビッドカードとの大きな違いは、引き落としのタイミングです。デビッドカードは決済時に口座から即時に引き落される即時払い式ですが、法人カードは決まった期日に銀行口座から引き落とされる後払い式です。
また、デビッドカードが口座残高の範囲内でしか利用できないのに対して、法人カードは限度額の範囲内で利用でき、また限度額については増枠することも可能です。
なお、デビッドカードの場合、ガソリンスタンドや高速道路の料金、飛行機の機内販売など、利用できないお店やサービスがあります。
デビットカードと法人カードの違いをまとめると、次のようになります。
3 法人カードのメリットと押さえておきたい留意点
法人カードを利用するメリットと、押さえておきたい留意点について紹介します。
【メリット1】経費精算業務を効率化できる
法人カードの大きなメリットは、経費精算が楽になる点です。法人カードで支払うことによって、社員が自分で立て替えたり、仮払金を使う必要がなくなります。また、振込をカード払いに変えることで振込に係る手間も削減できます。
実際に、先ほどご紹介した図表5のアンケート「法人カードを持っていてよかったこと」の回答で最も多かったのは、「とにかく経費精算が楽」(52.5%)でした。
また、カード商品によっては、法人カードの利用データを経費精算システムや会計ソフトと連携でき、入力ミスがなくなります。図表5のメリットに関するアンケートでは、「利用明細をデータ保存できる」(38.5%)が3番目に多い回答となりました。
【メリット2】キャッシュフローにゆとりが持てる
カード会社によりますが、法人カードの引き落としは、カードご利用日の翌月から翌々月となります。手元の現金が少ないときに、売掛金の入金が数カ月後となると、経費などの支払いが難しくなる場合があります。しかし、法人カードで支払いをすれば、支払いを後払いにできるため、資金繰りにゆとりが持てます。
【メリット3】公私の区別ができる
法人カードを使うことで、会社の支払いと個人の支払いがしっかり区別でき、社員の不適切な利用や不必要な経費の利用防止にもつながります。経営者も、仕事の経費と個人の生活費の区別をはっきりさせることができます。