【朝礼】「スマイル0円」こそが最強である

皆さん、おはようございます。今朝は「『スマイル0円(ぜろえん)』こそが最強である」というテーマでお話しします。

若い人にはなじみが薄いかもしれませんが、マクドナルドには「スマイル0円」というサービスがあります。いつ始まったのかは分かりませんが、私が最初に知ったのは学生の頃でした。ただ、当時の私は未熟で、「接客だから、笑顔で対応するのは当たり前。それより、ハンバーガーをタダにしてほしい」と茶化(ちゃか)していて、「スマイル0円」の大切さに気付こうとしませんでした。

しかし、今は「スマイル0円」の大切さが分かります。それは、「人を引きつける力」と「自分と相手に幸せを与える力」の2つに尽きます。

目の前に笑顔の人と機嫌が悪そうな人がいたら、笑顔の人に話しかけますよね。これと同じで、皆さんが笑顔でいれば、相手のほうから皆さんに近寄ってきます。新しい出会いが生まれ、何かが始まります。また、脳科学の分野では、笑顔になると、神経伝達物質の「セロトニン」などが多く分泌されるという研究があります。「セロトニン」は幸せホルモンとも呼ばれるものですから、皆さんの笑顔に触れた相手も笑顔になれば、一緒に幸せになれるのです。

難しく考えなくても、私たちは、日ごろから笑顔の力に触れています。例えば、ちょっと入ったお店の店員さんが笑顔で接してくれたら、とても穏やかないい気分になりますよね。

しかし近年は、ネット通販やキャッシュレス決済が増え、以前よりもお店の人と直接コミュニケーションを取る機会が減りました。また、「お客さまは神さまだから、決して逆らってはならない」という誤解や、カスタマーハラスメントの問題もあって、互いにどこか構えている「乾いた接客」が増えてしまいまいた。

これは、日ごろのコミュニケーションでも同じです。相手を尊重するのは良いことですが、一方で衝突を恐れて相手のテリトリーに立ち入ることがなくなったので、それこそ名刺情報のレベルまでしか相手を知ることができません。これはとても残念なことです。

『人を動かす』や『道は開ける』などの書籍でも知られるデール・カーネギー氏の言葉に、

笑顔は1ドルの元手もいらないが、100万ドルの価値を生み出してくれる

というものがあります。私が皆さんに伝えたいことを示した言葉です。

ただ、もはや笑顔はタダではなくなりつつあります。お店がお客を選ぶようになってきた今、笑顔は特定のお客に対する特別な対応になりつつあります。つまり、高いお金を払ったり、何度も訪れたりする常連に向けての、限られたサービスになりつつあるのです。笑顔の価値が高まっていると感じますよね。だからこそ、むしろ、私たちは笑顔を絶やさない集団でいましょう。100万ドル以上の価値が得られます!

以上(2024年3月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【規程・文例集】「賃金引き下げに関する労働協約と個別の同意書」のひな型

書いてあること

  • 主な読者:社員の賃下げを検討している経営者
  • 課題:労働組合や社員とトラブルにならないよう、法令にのっとって手続きを進めたい
  • 解決策:専門家が監修した賃金引き下げに関する労働協約や個別の同意書を使用する

1 労働条件の不利益変更を行うのに必要な書面とは?

会社の業績が悪化したり、社員の成果が著しく低かったりなどで、「賃下げ」を検討せざるを得ないケースがあります。ただ、賃下げは「労働条件の不利益変更」になるので、実行するには次のいずれかの手続きが必要です。

  • 労働組合の同意を得て、労働協約を変更する
  • 合理的な内容であることなどを前提に、就業規則を変更する
  • 個々の労働者の同意を得て、労働契約を変更する

その際、1.については「賃金引き下げに関する労働協約」、2.と3.については「賃金引き下げに関する個別の同意書」といった具合に、手続きに応じた書面を用意しておくのが望ましいです。2.については本来、就業規則の変更内容が労働契約法第10条の要件を満たす合理的なものであれば個別の同意書は不要なのですが、賃下げは何かとトラブルになりやすいので、やはり用意しておいたほうが無難です。

以降で専門家が監修した労働協約や個別の同意書のひな型を紹介するので、ご確認ください。

2 賃金引き下げに関する労働協約のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした協約を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【賃金引き下げに関する労働協約のひな型】

株式会社○○○○(以下「甲」)と△△△△労働組合(以下「乙」)は相互に協力して会社の発展を図るため、会社が従業員に支払う賃金について次の通り労働協約を締結する。また、本協約は就業規則その他、会社と従業員間における全ての協定または契約に優先する。

第1条(目的)

本協約は会社が従業員に支払う賃金支給水準の変更について定めるものであり、これに関連して賞与、退職金の算定基準となる賃金も変更される。

第2条(定義)

本協約において各用語の定義は、次に定めるところによる。

1.賃金:別途定める「賃金規程」(省略)第○条の年功給、職能資格給、技能給のことをいう。

2.賞与:賃金規程第○条の賞与をいう。

3.退職金:別途定める「退職金規程」に基づく退職金をいう。

4.従業員:就業規則第○条の従業員をいう。

第3条(賃金の改定)

本協約の締結後の最初に到来する賃金支払日より、会社は本協約「別表」(省略)に基づいて計算した賃金を従業員に支払う。

第4条(賞与の改定)

本協約の締結後最初に到来する賞与支給月より、会社は本協約「別表」(省略)に基づいて計算した賞与を従業員に支給する。ただし、本協約により賞与の支給月数が変更されることはない。

第5条(退職金の改定)

本協約の有効期間中に生じる退職金の算定は、本協約「別表」(省略)に基づいて行うものとする。

第6条(有効期間)

本協定の有効期限は○年○月○日から1年間とする。

締結日 ○年○月○日

甲 株式会社○○○○  
代表取締役 〇〇〇〇

乙 △△△△労働組合  
委員長 〇〇〇〇

3 賃金引き下げに関する個別の同意書のひな型

以降で紹介するひな型は一般的な事項をまとめたものであり、個々の会社によって定めるべき内容が異なってきます。実際にこうした同意書を作成する際は、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

【賃金引き下げに関する個別の同意書のひな型】

△△△△(従業員氏名)は、本同意書で定める賃金改定について、○年○月○日、別紙説明資料の提示を受けた上で、会社から十分な説明を受けてその内容を理解し、同意した。本同意書の締結後、会社が支給する賃金、賞与、退職金が次の通り変更される。

1.賃金

  • 年功給:    円
  • 職能資格給:  円
  • 技能給:    円

2.賞与

本同意書の締結後、賞与の計算の基礎となる賃金は本同意書「別表」(省略)に定める額に基づく。

3.退職金

本同意書の締結後に生じる退職金の計算の基礎となる賃金は、本同意書「別表」(省略)に定める額に基づく。

締結日 ○年○月○日

甲 株式会社○○○○   

乙 △△△△(従業員氏名)

以上(2024年3月更新)
(監修 弁護士 八幡優里)

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画像:ESB Professional-shutterstock

中小企業に賃上げは必要? 会社負担が少ない「手当」を使ったアプローチ

書いてあること

  • 主な読者:賃上げの必要性は感じるが、経営の先行きは不透明な経営者
  • 課題:基本給を一度引き上げると簡単には下げられない
  • 解決策:会社負担が少ない「手当」で実質的な賃上げを実施する

1 賃上げムードでも判断は慎重に!

物価高の影響などから、賃上げ(定期昇給やベースアップ)に向けた動きが活発化しています。2023年10月以降の地域別最低賃金は、全国加重平均額で1004円(過去最高額、初の1000円超え)となりました。2024年春闘では、「みんなで賃上げ。ステージを変えよう!」をスローガンに、賃上げ目標を「5%以上(定期昇給相当分を含む)」とする方針が打ち出されています。

ただ、中小企業の経営者の多くは、

「賃上げはしたいけど、先行きを考えると簡単には踏み切れない……」

と考えているのではないでしょうか。賃上げは簡単でも、賃下げは「労働条件の不利益変更」の問題などがあって難しいので、どうしても慎重にならざるを得ません。

この記事では、そのような経営者に次の2つをご提案します。

  1. 今の賃金水準を確認し、賃上げの必要があるかを判断する
  2. 「手当」で実質的な賃上げをする

2 今の賃金水準を確認し、賃上げの必要性を判断する

今の賃金水準が世間相場を上回っていれば、無理に賃上げに取り組む必要はないでしょう。そこで、

厚生労働省が毎年3月ごろに公表する「賃金センサス(賃金構造基本統計調査)」

で御社の賃金水準を確認してみてください。賃金センサスでは、賃金や賞与に関するデータが、会社の規模や産業、社員の属性(性別、年齢、勤続年数、役職、職種など)に応じて細かく分けられています。

■厚生労働省「賃金センサス」■

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

例えば、社員数50人の小売業の会社が、社員の所定内賃金(毎月必ず支給する賃金、残業代などを含まない)を同業他社のデータなどと比較したい場合、社員の属性に合わせて、賃金センサスのデータを次のように検索します。

Aさんの所定内賃金であれば、40歳男性(勤続15年)の平均35万1700円や、40歳男性(課長級)の平均38万1300円と比較します。なお、これは月給の比較となりますので、賞与なども加味することを忘れないでください。

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御社の賃金水準が世間相場を上回っているなら、それを社員に伝えましょう。社員は世間相場以上の賃金をもらっていることを喜ぶでしょう。逆に、御社の賃金水準が世間相場を下回っているなら、賃上げを検討する必要があります。

ただし、前述した通り、「賃上げは簡単でも、賃下げは難しい」のが実情です。基本給を引き上げると後が大変かもしれないので、それ以外で調整したいところです。そこでご提案するのが、「手当」を使って実質的な賃上げを実施する方法です。

3 「手当」で実質的な賃上げをする

基本給と違い、手当は「就業規則等で定める要件を満たす場合のみ支給する」のが基本です。要件を満たさなくなれば支給は止まるので、基本給を一律に引き上げるよりも、新しい手当をつくって社員に支給したほうが、人件費が経営を圧迫するリスクを回避しやすくなります。

また、「基本給を引き上げる代わりに、賞与で調整する」という方法を取る会社は多いですが、賞与は多くの場合、6カ月に1回の支給です。それよりも、毎月の手当で実質的な賃上げをしたほうが社員は喜ぶかもしれません。

具体的な手当の例は次の3つです。

1)インフレ手当

冒頭でお話しした物価高の影響で、2022年ごろから注目を集めているのが、

物価高が続く間、社員の生活費を補填するために支給する「インフレ手当」

です。社員が生活に困らないようにするための手当ですが、物価高が続いていることが支給の前提条件なので、経済情勢が変わってきたら支給を打ち切ることもできます。就業規則等で

「支給期間は○年○月○日から1年間とする。ただし、物価変動の状況などを考慮して会社が必要と認めた場合、支給を継続することがある」

など、あらかじめ支給期間を決めつつ必要に応じて延長する定めをすることが考えられます。

支給額については、「基本給×○%」などで設定するケース、総務省が公表している「消費者物価指数」を基準に決めるケースなど、会社によってさまざまです。ちなみに、帝国データバンクが、2022年11月にインフレ手当を導入している会社について毎月の支給額を調査したところ、

最も多かった回答は「3000円~5000円未満」「5000円~1万円未満」(ともに30.3%)

でした(帝国データバンク「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」)。

2)業務代替手当(育児休業など)

育児休業などで社内に長期間欠員が出る場合、導入を検討したいのが、

休業者のフォローに回る社員に対して支給する「業務代替手当」

です。通常時はさほど賃金に不満がない社員でも、社内に欠員が出て急に業務量が増えると、「今の賃金では割に合わない、もっと金額を上げてほしい」と考えるようになります。こうした場合に役立つのが業務代替手当です。

例えば、休業者が育児休業に入る前に、休業者の担当業務を他の社員に割り振り、新担当者に業務代替手当を支給するようにします。育児休業中の休業者の賃金を無給にしている会社であれば、その分の額を業務代替手当として、フォローに回る社員に分配することができます。育児休業が終了し、休業者が元の業務に復帰したら、業務代替手当の支給は終了します。

なお、育児休業については、2024年1月から

業務代替手当を支給した会社に対し、手当総額の原則4分の3(上限10万円×最大12カ月)を助成する「両立支援等助成金 育休中等業務代替支援コース」

が始まっています(業務体制の整備や育児休業等に関する情報公表について別途支給あり)。

■厚生労働省「両立支援等助成金 育休中等業務代替支援コース(下記URL中段)」■

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html

2)インセンティブ報酬

運用次第で会社の業績アップにもつながる可能性があるのが、

社員が特定の目標を達成した場合に支給する「インセンティブ報酬」

です。いわゆる「歩合給」と似ていますが、歩合給は販売件数などの実績に応じて一律に支給するのに対し、インセンティブ報酬は「社員が設定した目標を達成した場合にのみ支給する」という特徴があります。

「社員の頑張りに応じて支給するなら、賞与でいいじゃないか」と思うかもしれませんが、インセンティブ報酬のほうが、社員のモチベーションアップにつながりやすいケースもあります。

例えば、毎月の賃金に上乗せしてインセンティブ報酬を支給する場合、

社員は毎月目標を立て、インセンティブ報酬を獲得するため、その達成に全力で取り組む

ことになります。期首に大きな目標を立てて、期末に達成度合いを確認するだけだと、時間が経つうちに目標が有名無実化してしまうこともありますが、1カ月ごとなどの短いスパンで小さな目標を都度立てるのであれば、緊張感も継続します。経営者としても、目標を達成して会社に貢献してくれる社員が増えるのは喜ばしいことです。

インセンティブ報酬をうまく運用すれば、賃金体系を成果重視のものへと切り替えていくことができます。ただし、今まで賞与として支給していた分の額などをインセンティブ報酬に振り替える場合、その変更が「労働条件の不利益変更」にならないよう注意する必要があります。

以上(2024年4月更新)

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画像:Yellow_man-shutterstock

賃金の悪平等をなくす「調整給」はどこまで自由に支給できるか?

書いてあること

  • 主な読者:現在の賃金ルールの見直しを考えている経営者
  • 課題:賃金規程通りに賃金を支給すると、社員の能力を反映しきれない場合や、転職や定年再雇用による賃金低下に対応しきれない場合がある
  • 解決策:調整給で賃金を調整する。ただし、支給するケースや期間などを明確に決める

1 調整給(調整手当)とは?

一般的に、調整給(調整手当)とは、

賃金規程の通りに賃金を支払うことが妥当でない場合に支給する手当

です。例えば、

  • 社員の能力が想定より高く(低く)、ルール通りの賃金だと世間相場とかけ離れる
  • 前職や定年前などに比べて賃金が下がり過ぎてしまう

などのケースです。図で表すと次のようなイメージになります。

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調整給を支給すれば、このズレを解消できるので、経営者にとってはまさに「魔法の杖」のような賃金です。一方、調整給はルールが曖昧になりがちで、悪平等を解消するつもりが、かえって不平等になってしまうことがあります。そこで、この記事ではトラブルにならない調整給の運用ポイントを紹介します。

2 調整給を支給するケースを想定しておく

調整給も賃金なので、支給に関するルールを就業規則等に定める必要があります。あまり詳細に定めると運用しにくくなるため、

「調整給は、会社が必要と判断した社員に対し、一定期間支給する」

など、シンプルな記載にとどめるのが一般的です。とはいえ、「困ったら何でも調整給で対応すればいい」と安直に考えてはいけません。就業規則等で詳細を定めないということは、

調整給の金額や決定方法を個別に社員に説明し、同意を得て支給しなければならない

ということです。場当たり的な運用では、社員に納得のいく説明ができないでしょうから、

  • 社員の能力が想定より高い(低い)場合
  • 前職や定年前などに比べて賃金額が下がる場合
  • 賃金体系の変更で賃金額が下がる場合

など、経営者の中で「どのようなケースに調整給を支給するのか」をあらかじめ想定し、ケースごとの支給ルールを決めておく必要があります。

3 いつまで調整給を支給するのかも重要

調整給には、

支給事由が消滅したら、支給を停止したほうがよいケース

があります。具体的には、次のような場合です。

  • 社員の能力が想定より高いため、調整給を支給していたが、定期昇給によって本来の賃金額(調整給を除く金額)が上がった場合
  • 定年再雇用で賃金が下がったため、調整給を支給していたが、老齢年金をもらえる年齢になって生活が安定してきた場合

こうしたケースで調整給を支給し続けると、対象の社員は「賃金をもらいすぎている」状態、つまり他の社員にとって不公平な状態になります。ですから、調整給を支給する場合、

いつまで調整給を支給するのかとその理由を、個別に社員に説明し、同意を得る

ようにしましょう。また、いきなり調整給の支給を停止すると、支給額によっては社員の生活などに影響することもあるので、その場合、

昇給額などに応じて段階的に調整給を引き下げていく

といった対応も検討しましょう。

4 調整給を支給する代表的な3つのケース

1)社員の能力が想定より高い(低い)場合

基本給には「下方硬直性」といって、一度高い金額を設定すると減額がしにくい性質がありす。この点を考慮して、社員を採用する際の賃金は、

実際に仕事をしてもらわないと能力が分からないので、基本給を高く設定しにくい

というケースがほとんどです。そこで登場するのが調整給です。具体的には、

基本給を低めに設定し、調整しやすい調整給で上乗せする

という方法がとられます。例えば、入社時は「低めの基本給+調整給」を支給しておき、試用期間の終了とともに調整給を打ち切って社員の能力に応じた金額を基本給に振り替えるといった運用が考えられます。

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同様に、既存社員についても能力を賃金に反映しきれない場合などに、調整給を用いることがあります。例えば、賃金額全体に占める勤続給の割合が高い会社では、若手社員は能力が高くても賃金額が低くなってしまうため、調整をかける必要があります。この場合、

調整給は人事考課のタイミングで都度、支給額を見直し、継続的に支給する

といった運用が考えられます。

2)前職や定年前などに比べて賃金額が下がる場合

中途採用者の賃金額が前職よりも下がってしまう場合、調整給をプラスして低下分を補填します。社員の生活水準を維持することが目的なので、他の社員との公平性を考慮して、

調整給は社員の定期昇給時に徐々に減額していき、調整給を除く賃金額が前職の賃金額に追い付いたら支給を停止する

といった運用も可能です。ただし、その場合、実質的な賃金額が入社時から変化しないことになるので、入社時に社員に説明して同意を得ておく必要があります。

社員が定年後に嘱託などとして再雇用され賃金額が下がる場合、社員の生活を考慮して調整給を支給するケースもあります。この場合、原則65歳になると、老齢年金が支給されるので、そうなったら調整給の支給を停止することなどを検討します。

3)賃金体系の変更で賃金額が下がる場合

「年功給重視から職務給重視の制度に変わった」「等級制度を見直した」などのように、賃金体系に変更があった場合、それによって社員の賃金額も変動します。ただ、会社側のルール変更を理由に、いきなり社員の賃金額を変動させると生活などに影響します。この場合、

一定期間、賃金額が下がる社員については調整給をプラスする

といった運用が考えられます。

注意すべきは、調整給の支給期間です。影響範囲が全社員なので、いつまで調整給を支給するのか、慎重に考える必要があります。もともと実力重視の会社で成績などの評価がシビアなら、調整給の支給期間は1年など短くてよいかもしれませんが、そうでない場合は数年など長めの支給期間を設けます。自社の風土や社員の声などを検討して決めましょう。

もう1つ重要なのが、経営者のメッセージです。調整給に支給期間を設けるのは、

一定期間賃金を保証する代わりに、新しい賃金体系に対応した社員になってもらうため

です。社員が制度の上にあぐらをかかないよう、支給期間を設ける意味と、どんな社員に成長してほしいかを、経営者が積極的に発信するようにしましょう。

以上(2024年3月更新)
(監修 ひらの社会保険労務士事務所)

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画像:ChatGPT

ケアしていますか? 社長の「家族の健康」リスク

書いてあること

  • 主な読者:自分はもちろん、配偶者の健康管理も行って経営リスクを低減したい経営者
  • 課題:社長の妻であることを、配偶者がなかなか理解してくれない
  • ポイント:自分たちだけではなく、社員やその家族にも影響が及ぶことを伝える

1 社長の家族が病気になったら……

会社経営に影響する健康リスクといえば、社長や社員の健康を思い浮かべますが、見逃されがちなのが、

社長の家族、特に配偶者の健康リスク

です。配偶者が病気などで倒れたらどういった状況に陥るのかについては、既に多くの経営者は経験済みのはずです。例えば、配偶者がインフルエンザや新型コロナウィルスなどに感染したときのことを考えてみてください。社長が配偶者の看病や家事をする必要もあるので、働ける時間は短くなります。

インフルエンザなどは10日もすればある程度は落ち着くでしょうが、もっと重い病気だったらそれどころではありません。実際、家族の看病を優先して引退した著名な社長もいます。

もともと社長に労働時間という概念はなく、昼夜を問わず働いています。不規則で、ある意味で自分勝手な働き方ができるのは、配偶者をはじめとする家族の理解と支えがあってのことです。ですから、社長は家族の健康をケアすることがとても大切なわけです。

2 まずは対話とフォロー

1)家族に立場を理解してもらう

社長は、万一のリスクを考慮して自身の健康管理を心がけるものですが、これは社長の家族についても同じです。

そのため、必要以上に改まる必要はありませんが、配偶者としっかり話し合って、

自分(配偶者)の家族だけではなく、社員やその家族にも影響が及ぶ

ということを理解しておいてもらわなければなりません。社長は「公人」であり、その配偶者もまた「公人」といえる面があることを伝えましょう。

2)対話を心がける

健康リスクには、うつ病など精神疾患もあります。そのきっかけに早めに気づき予防するためにも、社長は普段から配偶者(子供がいる場合は、子供についても同様)とよく対話することが大切です。

もしかすると、配偶者から相談したいことがあっても、生活のリズムが合わないために擦れ違っているかもしれないので、社長のほうから意図的に会話の時間を作るようにしましょう。

3)幹部社員との話し合い

幹部社員とも話し合っておくのが理想です。そして、誰かがこれまでのように働けなくなった場合の対策を決めておきましょう。特に社長は、自分が一線を退かざるを得なくなった場合に、誰がトップに立って指揮を執るのかを明確に決めて周知します。突然、社長が働けなくなると社内が混乱することは避けられませんが、その影響を最小限に抑えるためです。

また、社長は自分が行っている仕事を整理し、重要なポイントやリスクを幹部社員に説明しておきましょう。いざというときに、幹部が速やかに社長の仕事を引き継げるようにするためです。

3 健康診断の実施など

1)全国健康保険協会の費用補助

具体的な健康ケアとして身近なのは健康診断です。健康保険の場合、社長は被保険者、配偶者は被扶養者となりますが(生計維持関係などが問われますが、ここでは割愛します)、健康保険には健康診断に関する給付がありません。

ただし、全国健康保険協会が運営する「協会管掌健康保険」では、年度内に1回に限り、被保険者が受ける健康診断の費用の一部が補助されます。協会管掌健康保険に加入している中小企業では、この費用の補助を利用するとよいでしょう。また、40歳から74歳までの被扶養者についても、「特定健康診査」の費用の一部も補助されます。項目は限られますが、血液検査などには対応しています。

2)健康経営の推進

健康経営の一環で人間ドックの受診を取り入れる会社があります。社長など役員とその親族だけを対象にすると給与等として課税されますが、全社員が対象ならば福利厚生費となります。

また、「成人病の予防のため、年齢35歳以上の希望者の全て」など、年齢など一定の要件で絞り込む場合も福利厚生費となることがあります(国税庁「人間ドックの費用負担」)。

健康リスクは社長とその家族だけではなく、社員とその家族にも及びます。会社の規模や負担可能な費用にもよるものの、健康経営の一環として、幅広く社員やその家族が人間ドックを受診できるようにすることも、一考に値するかもしれません。

4 「第二の患者」をつくらないために

がん患者の家族を、「第二の患者」と呼ぶことがあります。病状の変化で精神的に追い詰められ、看病で肉体的な疲労が蓄積し、実際に家族が体調を崩してしまうこともあります。

配偶者など社長の家族が病気になり、社長がこれまでのように働けなくなったら、会社の状況は大きく変わります。社長の仕事は幹部社員に引き継がれ、幹部社員の仕事はその部下に引き継がれる……。

こうして社員の負担が重くなります。その状態が長期にわたる場合、仕事の内容や進め方を根本的に見直さなければ、いずれ立ち行かなくなります。社長自身も、家族を心配する心と社員に申し訳ないという気持ちの板挟みになってしまうかもしれません。

このように、社長の家族が病気になると、「第二の患者」を生み出してしまう恐れがあります。社長は、社長の責務として、自分のことと同じように、家族の健康管理に努めることが大切なのです。

以上(2024年3月更新)

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画像:pexels

女性約8万人約60万件のビッグデータを持つ日本を代表するFemtechスタートアップのすごいところは、徹底した「データドリブン」な女性の健康課題解決ソリューション。スーパー頑張り屋のCEOアンナ・クレシェンコさんは空手と日本語の達人!/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、アンナ・クレシェンコさん(Flora株式会社 代表取締役)です。

「頑張ればできます」

シンプルな言葉が胸に響きます。実際に確かな結果を出してきている人の言葉だからこその説得力。この言葉を発したのは、Anna Kreshchenko(アンナ・クレシェンコ)さん(以降、本記事ではアンナさん)です。

2017年にウクライナから日本に留学したアンナさん、礼儀正しくて姿勢も良く、そして日本語がとても上手です。「上手」と表現するのがためらわれるくらい「普通」に、美しい日本語を話します。なんとアンナさん、京都大学法学部を日本語だけで卒業しています。法学部を日本語で! どれだけ勉強熱心かつ、日本語に精通しているかが分かります。

アンナさんは、2020年に日本で、Femtech(フェムテック)分野の会社「Flora株式会社」を立ち上げました。Floraでは、アプリなどを使って女性の心身の健康課題を可視化し、女性一人ひとりの「なりたい自分」の実現をサポートしています。近畿経済局のJ-Startup KANSAIのスタートアップ企業にも選定されている、日本を代表するフェムテックスタートアップです。

アンナさんたちの大きな強みは「女性たちから集めたビッグデータを持っている」ところです。このデータがあることで、toCだけでなくtoBにおいても、女性の働く環境を整える、新商品を開発するなどの文脈でアンナさんたちFloraは注目されており、提携する企業は増えています。2023年12月には、約1.5億円の資金調達を達成しました(後でもご紹介します)。

日本では今、不妊治療の保険適用範囲の拡大、卵子凍結をサポートする保険の販売開始などのニュースが日々聞こえてきます。生理や不妊治療、更年期障害とどう向き合って働くかも、少しずつオープンに話されるようになってきています。AIなどテクノロジーを使い、データドリブンで女性の健康課題を解決し生き方をサポートするアンナさんたちの取り組みは、経営者なら一度は必見。ビジネスアイデアの宝庫です。

1 女性約8万人約60万件のビッグデータ! toB向けに活用

冒頭でご紹介した「頑張ればできます」は、アンナさんが京都大学法学部を日本語で卒業したことに対して、素晴らしいですねと伝えたところ、アンナさんが言った言葉です。地に足のついた、とても真実味のある言葉です。

こうしたアンナさんの地に足のついた感じは、下記のFloraのビジョンにも表れています。

Floraのビジョン

(出所:Floraのホームページ)

Floraのビジョンは、「Empowering women through data=データを通じて女性をエンパワーする」というものです。この「データを通じて」というのがポイントです。アンナさんが語る話や会社でやっていることは、ベースにデータがあるので真実味、説得力、重みが違います。

アンナさんに教えてもらったところ、世界中では39.6%もの女性がなんらかの産婦人科の病気を抱えているそうで「その数値は、実は心臓病の数値を大きく上回っています。WHOでも女性の産婦人科の病気を、目に見えないパンデミックだと言っています」と続けるアンナさん。

さらに、女性は受診率も意識も低いことを、アンナさんは問題だととらえています。

「例えば日本の場合、女性特有の課題、約1000万人が月経困難症(腹痛や倦怠感など月経に伴って起こる状態)を抱えてると推定されていますが、診断されていないのが91%です。子宮内膜症の場合も、同じく大半の女性たちは診断されていません。
 根本的な課題として、女性が自分の体を理解できていない。そもそも理解する機会が与えられていないのでセルフケアや予防に取り組んでいないのです」

アンナさんがデータ(数字)とともに語る実情は、なかなかに衝撃的です。アンナさんは、こうした事態を改善し、次のような世界観を目指していると語ります。

「例えば、避妊したい、妊娠したい、生理痛から開放されたい、更年期障害をやわらげたいなど、女性一人ひとり、本当に【なりたい自分】は違う。
 そこでFloraでは、自社の強みであるデータ、AI、機械学習やコンテンツを活かして、女性が自分の体の状態をちゃんと理解できる、そして女性の一人ひとりの【なりたい自分】を実現する。そういう世界観を目指しています」

まず、女性本人が自分の体を理解できていないところからして大きな課題です。「データがあれば自分の体のコンディションに気づきやすい」ということで、Floraでは、女性向けに自分の体の状態をデータで可視化&セルフケアもできるアプリを開発。月経や妊活のためのソリューションを提供するこのアプリ、なんと約8万人のユーザーがいるそうです。

●Flora App:toC向けのアプリ

https://www.flora-tech.jp/flora-app

Flora App:toC向けのアプリ

(出所:Floraのホームページ)

アプリはUI/UXにもこだわった分かりやすい操作感。そして、AIなどを使った独自のアルゴリズムによりパーソナライズ感も実現しています。

すごいのは、それだけではありません。このアプリを通じて、ユーザーである女性のデータがたくさん集まってきているのがポイントです。それこそ思春期から更年期まで幅広く。生理周期のパターン、症状のパターン、女性特有疾患の発症可能性、どういう化粧品使っているか、どういう食べ物を食べているかなど。量としては、

女性約8万人のデータ約60万件(2023年12月)

が集まっており、ビッグデータプラットフォームを構築しています。

こうしたビッグデータは、企業向けに女性の働く環境改善ソリューションやコンサルティングなどを提供する「flora biz」や、フェムテック分野の新規事業をワンストップでサポートする「Flora Expert」など、FloraのtoB向けのサービスに活かされています。

●flora biz:法人向けサービスを大手銀行、保険会社、地域金融機関、商社など50社で導入

https://florabiz.flora-tech.jp/

flora biz

flora biz

(出所:Floraのホームページ)

●Flora Expert:大企業からスタートアップまで30社以上の支援実績

https://www.flora-tech.jp/floraexpert/

Flora Expert

(出所:Floraのホームページ)

「データがあること」は、FloraのtoB向けソリューションでとても大きな意味を持ちます。

「女性の働きやすさや女性活躍は、使い回しのソリューションが存在しない」

と言うアンナさん。

その会社の働き方、あるいは工場なのか営業現場なのか、社員の年齢層、業界、業種などによって会社の文化はそれぞれ違います。その会社ごとのソリューションが必要であって、当たり前のことながら、ソリューションの使い回しはできない。そう言うアンナさんは、Floraのソリューションの強みについて、次のように語ってくれました。

「現場の人たちは何に困っているのか、まず数字で徹底的に可視化します。また弊社の場合はBtoCで女性の症例やデータも持っているので、相対化も出来ます。
 そうすると、例えば、『あなたの会社の女性社員は、生理痛の割合が平均と比べて高いので、まずはその課題を解決する必要がある。この生理の課題に関連して労働損失額がこのくらい発生しているのでまずそこから着手しましょう』とか、業界的なベンチマークと数値を比べてどうか、対策を実施している会社と比べてどうか。そういうデータドリブンでその会社の状況を可視化して、それに合ったソリューションを提案する。イデオロギー的な女性活躍や人的資本経営の話をするのではなくて、ちゃんとデータ、数値に基づいて話をして対策を進めていきます。弊社はそういうソリューションを提供しています。
 例えば、ある会社では、40代、特に更年期障害の社員は自分の体に関することを『相談しにくい』『話したいくない』と答えている一方で、20代の社員は逆に『話したい』と答えている例があります。この会社では、ジェネレーションギャップがあり、年代同士で理解のある関係がちゃんと成り立っていないのがまず課題なので、そこから始めましょうというデータドリブンでコンサルすることができます」

「使い回しのソリューションは存在しない」「データに基づいて会社ごとの状況・課題を把握することがまず大事」などは、「当たり前であってそれほど特別なことではない」と言うアンナさん。それらは、多くの人が、大事だと分かっていながらも実現できていないことであり、決して当たり前のことではなく、地道に実施しているアンナさんたちは本当にすごいと思います。

アンナさん

2 起業のきっかけを振り返る

コツコツと努力する、積み重ねる。当たり前のことを継続してやり続ける。アンナさんのこうした芯の通った歩み方は、幼いころから空手をやってきたことも関わっているかもしれません。ここでは、アンナさんのこれまでや起業のきっかけなどを振り返ってみましょう。

なんと、ウクライナ代表として空手の世界大会に出場するくらいにまで強くなったアンナさん。日本に留学してきたのは、日本の清水選手(東京五輪では銀メダルを獲得)と一緒に練習がしたいという思いもあったからといいます。空手も勉強も、アンナさんはとにかく文武両道。そして清々しい礼儀正しさ、姿勢の良さ、気持ちのまっすぐさ。これらは、アンナさんがコツコツと努力を積み重ね続けてきたからこそだと思います。

2020年に起業したアンナさん、起業のきっかけとしては、シリコンバレーに短期留学したことと、アンナさんのいとこに起きた出来事を話してくれました。

「大学2回生の時に短期留学でシリコンバレーに行かせていただいて、そこで本当にすばらし過ぎる人たちに出会って、自分も周りにそういう人がいたら人間として成長できるのかもしれない、自分も社会起業をしたいと思いました。
 そのころ、私のいとこが妊娠していて産前うつを発症し、妊娠合併症にもかかりました。そして出産の後、第二子は亡くなってしまいました。こうした出来事を機に、婦人科や婦人科系のメンタルな領域には解決されてない課題が多くあることを知りました。そこで、この課題を解決するために、フェムテック分野で起業したいと思いました。妊婦さんへの支援から始まって、試行錯誤し、ユーザーにもヒアリングなどを行いながら、今のビジネスにいたっています」

空手も起業も、その後のビジネスも、データをしっかりベースにしているところも、アンナさんの、生きがいのある人生を自ら創っていく姿勢、より高いところを目指す志が背景にあることを感じます。「自分自身を『何者か』にできるのは、自分自身なのだ」「自分の人生は自分だけが創ることができるのだ」ということを体現しているように見えます。

3 仲間集め、そして今後のこと

日本で起業しビジネスを形にしているアンナさんは、日本語がとにかく堪能で、日本のことをよく知っています。女性活躍推進企業を認定する「えるぼし認定」のことなども。母国を離れ日本で起業し、そして実績を上げているアンナさん、なんと日本代表のスタートアップ企業としてシリコンバレーに行ったこともあるそうです。これは本当にすごいことではないでしょうか。その他にも、数々の受賞歴があります。

アンナさんのプロフィール

(出所:Floraのホームページ)

日本を、そして特に日本ではまだまだ多くはないフェムテック分野を代表するスタートアップ企業を創り出しているアンナさんには、本当にただただ頭が下がります。

素晴らしい実績に関しても、アンナさんは「共同創業者など仲間がいてくれるから」と言います。京都で偶然出会った生体物理工学博士の共同創業者(CTO)イワンさん、SNSで知り合った日本人のCOOなど、チームメンバーは日本にも、世界中にもいて、年代もさまざま。エンジニアも、データドリブンなFloraの要(かなめ)、データサイエンティストもいます。

「チームの半分ぐらいは海外の人で海外在住の人たちもいますし、20代の人もいますし40代の人もいますし、また顧問も入れると70代の方もいらっしゃいますので、本当にダイバーシティを体現したチームになってます」

と語るアンナさん。すばらしいですね! 今の、そしてこれからの時代の会社のあり方、働き方だと思います。
2023年12月には、約1.5億円の資金調達を達成し、豊田通商と資本業務提携をしたことを発表したアンナさんたちFlora株式会社。アンナさんが見ているのは日本だけではありません。今後は東南アジアなど、グローバルに展開していくと発表しています。

世界中の女性一人ひとりが、そして女性に限らずすべての人一人ひとりが「なりたい自分」を実現する未来。アンナさんを見ていると、強い意志で努力を積み重ね、そうした未来を本当に実現していくのだなと感じました。未来を創るアンナさん! 有り難うございます!

●フェムテック事業でシリーズA約1.5億円の資金調達!Flora株式会社が豊田通商と資本業務提携を発表(PR TIMES)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000072971.html

以上(2024年3月作成)

「家族手当」は本当にオワコンなのか? 諸手当のバージョンアップ

書いてあること

  • 主な読者:現在の働き方などに合わせて、諸手当の見直しを検討している経営者
  • 課題:何を基準に手当を改廃すればよいのか分からない
  • 解決策:経営者の方針を優先する。不利益変更や同一労働同一賃金に注意する

1 大変だ! 「手当」が機能不全を起こしている?

家族手当や住宅手当などの諸手当は、基本給を補完するものとして、多くの会社が導入しています。社員にとってはありがたいことですが、その内容が古く、実情に合っていないケースがあります。例えば、

  • 昔と違い独身者や共働きの社員が増えたのに、「家族手当」を支給している
  • 社員によって就業時間がバラバラなのに、「精皆勤手当」を支給している
  • そもそも何を目的とした手当かよく分からないのに、「○○手当」を支給している

といった具合です。

せっかく諸手当を支給しているのですから、社員のモチベーションにつながるようにしたいものです。そのためには、

経営者が手当の目的を考え、改廃の方針を決める

ことが不可欠です。諸手当は、社員の生活を支える賃金であると同時に、会社が仕事や福利厚生で何を重視しているかを表すことを念頭に置きましょう。

この記事では、諸手当の見直しのポイントを「1.経営者が方針を決める」「2.法令のルール(労働条件の不利益変更や同一労働同一賃金)に注意する」の2つに分けて紹介します。

2 経営者が方針を決める

諸手当を支給する名目は、「業績」「職務」「生活」「勤務」「健康」「その他」などに区分できます。主な手当と一般的な支給の目的は次の通りです。

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御社の諸手当を確認してみてください。上の図表に含まれるものも多いと思います。その中に「導入当初は必要だったけど、働き方の変化などで意味を失いつつある」など、不要な手当はありませんか? 例えば、今どきは、

諸手当の改廃で、家族手当や住宅手当などの「生活」関連の手当が注目

されます。生活関連の手当の主な目的は、賃金が低い若手・中堅社員の生活をサポートし、その代わり定年まで働いてもらうことです。しかし、現在のように1社で働き続けることにとらわれないワークスタイルが浸透してくると、こうした手当の意義は薄れてきます。

後は経営者の方針によって判断します。例えば、家族手当なども「ウチの会社には育児や介護をしている社員が多いから、サポートしたい」といった経営者の思いがあるのであれば、残す意味があります。

諸手当の改廃を検討したら、支給額を見直します。例えば、経営者が「ジョブ型雇用(仕事内容に応じて賃金を設定する雇用制度)に移行したい」のであれば、廃止した手当の金額を、役職手当や技能・技術手当などの「職務」関連の手当に充当していくことになります。

3 法令のルールに注意する

1)労働条件の不利益変更に注意する

手当の廃止や支給額の引き下げをすると、社員の手取りが下がります。また、「次の7つに該当しない手当」は残業手当の割増賃金の計算基礎になるので、残業手当の単価も下がります。

  • 家族手当(扶養家族の人数に応じて支給されるものに限る)
  • 通勤手当(通勤距離や通勤費用に応じて支給されるものに限る)
  • 住宅手当(住宅に要する費用に応じて支給されるものに限る)
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金

手当を含む賃下げは「労働条件の不利益変更」になるので、これを行うには、

  • 労働組合の同意を得て、労働協約を変更する
  • 合理的な内容であることを前提に、就業規則を変更する
  • 個々の社員の同意を得て、労働契約を変更する

のいずれかの手続きが必要です。なお、就業規則を変更する場合、

「そもそも本当に変更が必要か」「社員の不利益が大き過ぎないか」「不利益を緩和する措置はあるか」「一般的な同業他社の状況はどうか」などを総合的に考慮

して合理性を判断することになります。合理性が担保されていれば、個々の社員の同意がなくても就業規則を変更できますが、とはいえ賃下げ自体がトラブルになりやすい分野ですので、社員数にもよりますが、できれば説明会などを行った上で同意を得るのが理想です。

2)同一労働同一賃金に注意する

諸手当の運用に当たっては、正社員とパート等の「同一労働同一賃金」にも注意が必要です。基本となるルールは、「均等待遇」「均衡待遇」です。

  • 仕事の内容などが同じなのに、パート等であるという理由だけで正社員よりも低い労働条件にすることはできない(均等待遇)
  • ただし、能力や成果に基づく待遇格差は、合理的なものであれば問題ない(均衡待遇)

例えば、役職に応じて支給する「役職手当」を設けている会社が、次のような運用をしていると、違法になります。

「業務の難易度」を考慮して、役職手当を設けている。正社員には役職手当を支給しているが、同じ役職のパート等には役職手当を支給していない

一方、次のようなケースは違法になりにくいと考えられます。

「役職者の業務負担」を考慮して、役職手当を設けている。正社員には役職手当を支給し、パート等は所定労働時間が正社員の2分の1なので、役職手当も2分の1を支給している

ポイントは、手当ごとの趣旨・目的を明らかにすることです。つまり、

経営者が明確な基準に基づいて手当の改廃の方針を決めていけば、均等待遇・均衡待遇に違反するリスクは低くなる

ということです。

以上(2024年3月更新)
(監修 ひらの社会保険労務士事務所)

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画像:ちーぼう-Adobe Stock

賃上げの影響を受けにくい 「基本給非連動型」の賞与・退職金制度

書いてあること

  • 主な読者:賃上げ(定期昇給やベースアップ)をするか否か決めあぐねている経営者
  • 課題:賞与や退職金への影響を回避するためにはどうすればよいのかが分からない
  • 解決策:賞与・退職金制度を、基本給をベースとしない「基本給非連動型」に変更する

1 賃上げの影響範囲を把握できているか?

人手不足や物価高の影響を受け、「賃上げ」に向けた動きが活発化しています。一般的には、

  • 年齢や勤続年数に対応した賃金テーブル(賃金表)や人事考課の結果に基づき、定期的(毎年1回など)に賃金を引き上げる「定期昇給」
  • 賃金テーブルを書き換えて賃金水準を一斉に引き上げる「ベースアップ」

のいずれか(または両方)で賃上げを実施する会社が多いです。

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経営者は「頑張っている社員に報いたい」と思って賃上げを検討しますが、人件費への影響は無視できません。例えば、

基本給をベースに賞与・退職金の支給額を決める「基本給連動型」の場合、賃上げによって基本給が上がると、賞与や退職金の支給額まで変わる可能性

があります。一度賃上げをすると、簡単には賃金を引き下げられないので、賃上げはその影響範囲を把握した上で、慎重に実施する必要があります。そこで、この記事では、

賃上げの影響を受けにくい「基本給非連動型」の賞与・退職金制度

を紹介します。

2 基本給連動型と基本給非連動型

基本給連動型では、基本給をベースに賞与や退職金を計算します。具体的には、

  • 賞与の支給額=賞与支給時の基本給×支給率(支給月数や資格等級に応じた係数)
  • 退職金の支給額=退職時の基本給×支給率(退職事由や勤続年数に応じた係数)

などのように計算します。基本給がベースなので、前述した通り賃上げの影響を大きく受けます。特に「能力や会社への貢献度が高い社員には、賞与や退職金を手厚くしたい」と考えている場合、注意が必要です。

例えば、ベースアップを実施する場合、全社員の基本給が一斉に引き上げられるので、

能力や会社への貢献度が低い社員であっても、ベースアップに伴い賞与や退職金の支給額が大きくなる

という問題が出てきます。定期昇給の場合は、人事考課の結果を昇給に反映することもできますが、基本給に占める年功給(年齢や勤続年数に基づく部分)の割合が大きいと、人事考課の結果を反映しにくくなります。

一方、基本給非連動型では、

会社の業績や社員の勤務成績など、基本給以外の要素をベースに支給額を計算

します。制度の内容にもよりますが、賃上げの影響を受けにくく、能力や会社への貢献度を支給額に反映しやすい面があります。この記事では、代表的な制度として「業績連動型賞与」「ポイント制退職金制度」を紹介します。

3 基本給非連動型の例その1:業績連動型賞与

業績連動型賞与では、会社の業績と社員の勤務成績をベースに賞与を計算します。計算方法はさまざまですが、例えば、賞与原資を会社の業績によって決定するという前提のもと、次のような計算式にすれば、業績や勤務成績を賞与に反映できます。

賞与の支給額=賞与原資を踏まえた基準額×社員個人の勤務成績に基づく支給率

賞与原資は、次のように会社が重視する業績指標に一定率を掛けて計算します。一般的には、営業利益や経常利益などの「利益」がよく用いられます。部門ごとに決定する例や会社の業績と部門の業績の双方を勘案する例もあります。

  • 「売上高」基準(売上高、生産高など)
  • 「利益」基準(営業利益、経常利益、当期純利益など)
  • 「付加価値」基準(付加価値)
  • 「キャッシュ・フロー」基準(営業CFなど)
  • 「株主価値」基準(ROA、ROE、ROIなど)

支給率は、人事考課などの勤務成績を基に設定します。

  • 人事考課(A評価なら配分率○%など)
  • 資格等級(○級なら配分率○%など)
  • 出勤率(週○時間勤務なら配分率○%など)

4 基本給非連動型の例その2:ポイント制退職金制度

ポイント制退職金制度では、一定のルールに基づいて社員にポイントを付与し、そのポイント累計にポイント単価と支給率を掛けて退職金を計算します。

退職金の支給額=退職時のポイント累計×ポイント単価(1ポイント当たり1万円など)×支給率(退職事由や勤続年数に応じた係数)

ポイントには次のような種類があり、一般的に複数のポイントを組み合わせて運用します。

  • 勤続ポイント(勤続年数に応じて付与)
  • 等級ポイント(資格等級などの格付けに応じて付与)
  • 業績ポイント(会社の業績の良し悪しに応じて付与)
  • 職務ポイント(個人の業務の難易度や責任に応じて付与)
  • 個人ポイント(人事考課の結果などに応じて付与)

ポイントの組み合わせ次第で、例えば「等級ポイントや個人ポイントの比率を上げて、能力重視の退職金制度にする」「職務ポイントの比率を上げて、職務重視(ジョブ型)の退職金制度にする」といった運用が可能です。

支給率は、例えば「勤続5年で自己都合退職した場合は○%」など、退職事由や勤続年数に応じた係数を設定します。この辺りは、一般的な退職金制度と変わりません。

5 労働条件の不利益変更に注意

賞与・退職金制度を変更する場合、付いて回るのが「労働条件の不利益変更(労働条件を現状よりも引き下げること)」の問題です。例えば、

現状の制度であれば年齢や勤続年数などに基づいて確実にもらえる額があるのに、制度変更によってその部分の額がもらえなくなったり減額されたりする可能性がある場合

などが不利益変更に当たります。

通常、賞与や退職金のルールは就業規則(本則、賃金規程、退職金規程など)で定めますが、労働条件の不利益変更を行う場合、原則として各社員との合意が必要です。例外的に、就業規則を変更して不利益変更を行うことも可能ですが、その変更は合理的である必要があります。具体的には、次の要素に照らして合理性を判断します。

  • 社員の不利益が大き過ぎないか
  • 労働条件を変える必要があるか(経営上の理由など)
  • 内容は適切か(変更の相当性、不利益の緩和のための経過措置、一般的な同業他社の状況など)
  • 労働組合等との交渉を行っているか
  • その他、就業規則の変更に当たって考慮すべき事情を見落としていないか

年齢や勤続年数などによって確実にもらえていた部分の額がもらえなくなる(または減額される)というのは、金額によっては大きな不利益となり得ます。ですから、

  • 業績連動型賞与の場合、業績に関係なく支給する最低保障額を決めておく
  • ポイント制退職金制度の場合、等級ポイントや職務ポイントの比率を高めにしつつも、勤続ポイントもある程度計算に含める

など不利益を小さくする措置や、段階的に制度を変更するなどの経過措置を検討しましょう。

以上(2024年3月更新)
(監修 TMI総合法律事務所 弁護士 池田絹助)

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画像:ChatGPT

健康的な毎日を送るために大切な「歯磨き」のチェックポイント

書いてあること

  • 主な読者:口の中(口腔)をケアして、健康に気を付けたい経営者、従業員
  • 課題:基本は歯磨きだが、どうもちゃんと磨けていない気がする
  • 解決策:歯磨きは磨き方と回数が重要。使っている歯ブラシや歯磨き剤にも気を配る

1 「歯磨き」効果で健康になる!

健康管理をする上で、口の中(口腔)の健康はとても大切です。例えば、虫歯や歯周病は、単に歯や歯茎が痛むだけの問題ではありません。歯や歯茎から菌が入ると、血糖値をコントロールするインスリンの働きを妨げられ、糖尿病の原因になることもあるようです。

そして、口腔ケアの基本は「歯磨き」です。「今さら歯磨きについて細かく言われなくても……」と思うかもしれませんが、日常の一部だからこそ「歯ブラシや歯磨き剤が合っていない」「磨き方が間違っている」などの問題があっても、見過ごしてしまっているケースが意外と少なくないのです。

この記事では、歯ブラシ・歯磨き剤の選び方や、歯磨きの仕方の基本的なポイントを紹介するので、この機に確認してみましょう。

2 歯ブラシ・歯磨き剤の選び方

1)歯ブラシはきちんとしたものを

歯ブラシによって、全体の長さ、ヘッドの大きさ、毛先の形や硬さなどが違います。奥の歯まで無理なく届いて口腔内で自由に動かせるよう、先端はコンパクトで、口腔内を傷つけないよう毛先が硬すぎないものを選ぶのが基本です。

ただし、歯並び、歯肉の状態などによっても適した歯ブラシは変わってくるため、歯科医で診察や治療を受ける際に、歯ブラシ選びについてアドバイスを求めるとよいでしょう。

また、歯ブラシはこまめに交換しましょう。古くなると毛先が開くなどして機能が弱まり、磨いていても、歯垢(しこう)をしっかり落とせなくなります。使用頻度や磨き方によっても変わりますが、少なくとも1カ月に一度は交換しましょう。

2)歯磨き剤選びも重要

歯磨き剤には基本成分だけで作られた化粧品と、薬効成分の配合された医薬部外品があります。市販の歯磨き剤の大部分は医薬部外品で、「歯の質を強くする」「歯肉炎を予防する」などの効果がある成分が配合されているため、目的に応じて選ぶようにしましょう。

また、歯磨き剤には一般的に見られる練り歯磨き以外に、液体歯磨きもあります。液体歯磨きは口腔内にくまなく歯磨き剤が行き渡るのが特徴ですが、研磨剤などは入っていないため、歯の着色が気になる場合は研磨剤の入った練り歯磨きの使用がおすすめです。

なお、液体歯磨きと似たものに洗口液(マウスウォッシュ、デンタルリンスなどとも呼ばれます)があります。液体歯磨きは口腔内をすすいだ後に歯ブラシによる歯磨きも行いますが、洗口液は歯磨き後に使用するのが効果的とされます。

洗口液は、口腔内をすすぐことで消毒したり、口臭を予防したりするためのものです。歯垢を落とすためのものではないことを覚えておきましょう。

3)ケアグッズを上手に活用する

いくら丁寧に歯磨きをしても、歯ブラシの毛先では届きにくい部分があります。そこで活用したいのが、デンタルフロスや歯間ブラシといった口腔内ケアグッズです。

デンタルフロスは、弾力のある細い繊維の束(以下「糸」)を歯と歯の間に入れて歯垢を巻き取るように取り除く道具で、必要な分だけ取り出して使う糸だけのタイプと、ホルダーに糸が付いているタイプがあります。歯と歯の間に糸を通し、歯の面に沿わせて歯垢をかき出すように使います。

歯と歯の隙間が大きかったり、部分入れ歯やブリッジなどのためデンタルフロスの使用が難しかったりする場合には、歯間ブラシの使用がおすすめです。歯間ブラシはワイヤーに細かな毛が付いた道具で、歯と歯の隙間に入れて歯垢を取り除きます。その際、歯や歯肉を痛めないために、隙間の大きさより少し小さめのものを選ぶことが重要です。

3 歯磨きの仕方

1)歯垢がたまりやすい場所を重点的に

十分に歯を磨いたつもりでも、「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」「奥歯のかみ合わせ」には磨き残しがあるものです。特に奥歯は、他の歯よりも歯ブラシが届きにくいので、しっかり磨きましょう。

また、ものを食べたらすぐに、歯垢のたまりやすいところを重点的に、丁寧に磨きましょう。「歯の面には毛先を直角に当てる」「歯と歯肉の間には斜め45度で当てる」「歯の1本1本を意識して磨く」などは、磨き方の基本としてよく言われます。

適切な磨き方は、磨く場所や口腔内の状態に応じて変わってくるので、歯科医の歯磨き指導を受けるのもよいでしょう。また、日本歯科医師会ウェブサイトに、年齢や性別を選択した上でいくつかの質問に答えると、自分に合った正しい歯の磨き方を教えてくれるページがあるので、気になる人はのぞいてみてください。

■日本歯科医師会「あなたにピッタリな歯のみがき方を探してみよう!」■

https://www.jda.or.jp/hamigaki/

2)歯磨きは1日2回以上を目安に

適切な歯磨きの頻度についてはさまざまな見解がありますが、1日2回以上の歯磨きが推奨されることが多いです。

厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」によると、毎日歯を磨く人(1歳以上、歯がない人を除く)の割合は2022年時点で97.4%です。その内訳は以下通りです。

  • 毎日1回:18.2%
  • 毎日2回:50.8%
  • 毎日3回以上:28.4%

3)歯科医で定期的なクリーニングも

しっかり歯磨きなどをしても、完璧に歯垢を取り除くことは難しいです。そのため、定期的に歯科医のクリーニングを受けるのが理想です。

歯科医のクリーニングでは、専用の機械や器具を使って歯垢を取り除きます。虫歯予防の効果が得られる高濃度のフッ素を塗布してくれる歯科医院もあります。口腔内をより健康に保つためには歯医者での定期的なクリーニングはおすすめです。クリーニングの頻度は一概には言えませんが、一般的には3カ月に1回が目安といわれます。

4 (参考)データで見る日本人の口腔の健康状態

厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」によると、歯周ポケット(4ミリメートル以上)のある人、つまり医学上、歯周病と診断される人の割合は次の通りです。

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年齢が上がるほど歯周病患者は増加傾向で、全体で見ても約半数が歯周病を患っている状況です。多くの日本人が口腔内の健康状態において問題を抱えていることが分かります。

以上(2024年3月更新)

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画像:pixabay

商品券を渡したり、もらったりした場合の会計処理はどうなる?

書いてあること

  • 主な読者:商品券を渡したり、貰ったりした場合の処理を知りたい経理担当者
  • 課題:「商品券を購入する目的」などによって会計処理が違ってくるので分かりにくい
  • 解決策:他人にプレゼントする場合と、自社で使う場合(備品購入や社員へのプレゼント)に分けて整理する

1 マーケティングの「お礼」としても使われる商品券

お中元やお歳暮で商品券を贈ることは減ってきたように感じます。一方、ちょっとしたアンケートに答えると「Amazonギフト券」のような、特定のプラットフォームで利用できる商品券をもらう機会は増えてきました。豊富な品揃えの中から好きなものを購入する際の「足し」にできる商品券は、もらったほうも嬉しいものです。こうした魅力をマーケティングに活かすべく、企業は便利にAmazonギフト券のような商品券を使っているわけです。

ところで、商品券を渡すほうも、もらったほうも、これをどのように会計処理するかご存知ですか?

実は商品券の会計処理は少しややこしくて、「何のために使うのか」などパターンごとに仕訳が違ってきます。正しい会計処理はどのようなものなのか、少ししゃくし定規な話となりますが、この記事で模範解答を示します。ただ、社員にプレゼントする場合など、取り扱いが難しいケースもありますので、実際に会計処理する際は、必要に応じて専門家である顧問税理士などへ相談してみてください。

2 商品券を取引先などにプレゼントする場合

アンケートに答えてくれた人や、昇進や結婚などをした顧客などへのプレゼント用に商品券を購入するケースで考えてみましょう。

この場合、購入した商品券は、

「接待交際費」として費用計上

します。例えば、社外へのプレゼント用に3万円分の商品券を現金で購入した場合の仕訳は次の通りです。なお、商品券の購入金額ではなく額面金額を基準に計上します。また、商品券の購入に消費税は課されないため、税抜処理をしている場合でも消費税の仕訳は不要です。

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もし、金券ショップなどで割安の商品券を購入した場合は、差額を「雑収入」として計上します。例えば、金券ショップで本来は3万円分の商品券を2万9000円で購入した場合の仕訳は次の通りです。

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こうして購入した商品券を、実際に社外の人にプレゼントした場合の仕訳は不要です。商品券を購入した際に接待交際費として経費処理しているため、それ以上の仕訳はしなくてよいということです。

なお、購入した商品券が期末まで未使用のまま残っている場合、

「貯蔵品」として資産計上

します。期中に費用計上しているものの、期末時点で保有しているということは費用がまだ発生していません。そのため、期中に計上した「接待交際費」を除く仕訳(いわゆる「逆仕訳」)が必要です。例えば、期末時点において取引先などにプレゼントするために購入した3万円分の商品券が残っている場合の仕訳は次の通りです。

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3 商品券を自社で使う場合

文房具やちょっとした備品の調達など、自社で使うために商品券を購入するケースで考えてみましょう。

この場合、購入した商品券は、

「他社商品券」として資産計上

します。例えば、自社用に1万円分の商品券を現金で購入した場合の仕訳は次の通りです。額面金額を基準にすること、消費税が課されないことは前述の通りです。

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また、金券ショップなどで割安の商品券を購入した場合の処理は社外へのプレゼント用の場合と同じで、差額を「雑収入」として計上します。例えば、金券ショップで本来は1万円分の商品券を9000円で購入した場合の仕訳は次の通りです。

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こうして購入した商品券を、実際に自社で利用した場合の仕訳は、その目的によって違ってきます。例えば、1万円分の商品券で1万円分(税込)の備品を購入した場合、仕訳は次の通りです。大切なポイントは、

商品券を利用する際は消費税の仕訳が必要になる(税抜処理をしている場合)

ことです。

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また、商品券と現金を合わせて使う場合もあるでしょう。例えば、1万円分の商品券と現金1万円を合わせて、2万円分(税込)の備品を購入した場合の仕訳は次の通りです(税抜処理をしている場合)。

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4 商品券を社員にプレゼントする場合

購入した商品券を社員にプレゼントするケースもあると思います。まず、購入時の仕訳は「3 商品券を自社で使う場合」で紹介したとき同じで、他社商品券として資産計上します。

その商品券を社員にプレゼントする場合、

基本的には「給与」として費用計上

します。商品券には金銭と同様の性質があると考えられため、給与となるのです。例えば、資格を取得した社員への報奨として3万円分の商品券を支給する場合の仕訳は次の通りです。給与として扱われるため、所得税等の源泉徴収処理も必要です。ここでは、説明上源泉徴収される所得税等の金額は3000円としています。

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このように、社員にプレゼントする商品券は給与として処理するのが基本ですが、例外も考えられます。例えば、全社員を対象に、あるいは全社員が機会を得られるケースで、社会通念上妥当な金額分の商品券を社員にプレゼントする場合、

「福利厚生費」として費用処理

します。例えば、社員への結婚祝いとして1万円分の商品券をプレゼントした場合の仕訳は次の通りです。福利厚生費として費用計上する場合、源泉徴収の必要はありません。

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5 立場を変えて、商品券をもらった側の処理

これまで商品券を渡す側の立場で会計処理を説明してきました。ここでは、立場を変えて、商品券をもらった場合の会計処理について考えてみます。

もし、取引先から商品券をもらった場合は、

「雑収入」として収益計上

します。例えば、取引先から3万円分の商品券をもらった場合の仕訳は次の通りです。

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もらった商品券を使った場合の会計処理は前述した通りです。同じ例となりますが、例えば、1万円分の商品券で1万円分(税込)の備品を購入した場合、仕訳は次の通りです(税抜処理をしている場合)。

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商品券は購入したときだけでなく、もらった場合の会計処理も忘れずに行いましょう。

以上(2024年4月作成)
(監修 税理士 石田和也)

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