ビジネスケアラーに対する支援

高齢化や生産年齢人口(15歳~64歳)の減少が続く中で、ビジネスケアラー(仕事をしながら家族等の介護に従事する者)の数は増加傾向にあり、介護に起因した労働総量や生産性の減少が懸念されております。

介護と仕事の両立実現に向けては、職場・上司の理解が不足していることや、両立体制構築に当たっての初動支援が手薄いこと、介護保険サービス単体ではカバー範囲が限定的であること等が課題として挙がり、従業員個人のみでは十分な対応が困難な状況です。

本稿では、日本でのビジネスケアラーの人数推移を解説するとともに、企業が行える仕事と介護の両立支援について、ご紹介してまいります。

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ビジネスケアラーに対する支援

高齢化や生産年齢人口(15歳~64歳)の減少が続く中で、ビジネスケアラー(仕事をしながら家族等の介護に従事する者)の数は増加傾向にあり、介護に起因した労働総量や生産性の減少が懸念されております。

介護と仕事の両立実現に向けては、職場・上司の理解が不足していることや、両立体制構築に当たっての初動支援が手薄いこと、介護保険サービス単体ではカバー範囲が限定的であること等が課題として挙がり、従業員個人のみでは十分な対応が困難な状況です。

本稿では、日本でのビジネスケアラーの人数推移を解説するとともに、企業が行える仕事と介護の両立支援について、ご紹介してまいります。

1 ビジネスケアラーなどの推移

2030年には家族介護者833万人に対して、その約4割(約318万人)がビジネスケアラーになるとされています。また、ビジネスケアラー発生の労働生産性損失や離職に伴う経済損失額は、約9兆円に上ると推計されています。

家族介護者・ビジネスケアラー・介護離職者の人数の推移

(経済産業省「家族介護者・ビジネスケアラー・介護離職者の人数の推移」)

政府は2016年に「介護離職者数ゼロ」を掲げ、「介護離職の防止」に対する取り組みが進められてきました。しかしながら、2020年時点でビジネスケアラーは介護離職者に対して37倍超の人数がおり、深刻な問題となっていることが見て取れます。

2 仕事と介護の両立支援

2017年の法改正で、介護休業制度の見直しなどが行われ、介護離職者数は大きく増加することなく推移しています。一方で、在職しているがゆえ問題が見えづらいビジネスケアラーに対し、フォローが行き届いていない状況が生まれているのではないでしょうか。

企業としては、従業員にヒアリングなどを行いながら、以下のような法定の介護支援策の推奨や、必要に応じて法定外の支援策を検討すること、職場内での理解と助け合いを促していくことが肝要です。

《育児介護休業法に基づく介護支援》

介護休業

対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割で休業を取得できる。

介護休暇

介護や世話をするために、年5日(対象家族が2人以上の場合は、年10日)まで、1日または時間単位で休暇を取得できる。

所定外労働の制限
(残業免除)

介護をするために申請した場合、所定外労働を免除しなければならない。

時間外労働の制限

介護をするために申請した場合、1か月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせてはいけない。

深夜業の制限

介護をするために申請した場合、深夜に働かせてはいけない。

短時間勤務等の措置

短時間勤務制度、フレックスタイム制度、時差出勤の制度、介護費用の助成などの措置を講じる

3 さいごに

前述の通り、今後ますますビジネスケアラーが増加することが想定されており、看過しては生産性の低下、ひいては介護離職に至る可能性もあります。これは企業にとっても労働者にとっても不幸でしかありません。

高齢化が進展するこれからの時代を見据え、皆が介護を行う当事者になり得るという可能性について認識を共有しながら、ビジネスケアラー対策への準備を進めてみてはいかがでしょうか。

※本内容は2023年9月11日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

【債権回収】担保権の実行など訴訟ではない方法で債権を回収する

書いてあること

  • 主な読者:訴訟ではない方法による債権回収を検討している経営者
  • 課題:「担保権の実行」「仮差押え・仮処分」「保証人からの回収」で迷っている
  • 解決策:コストや時間はかからないが、事前に契約が必要であることなどに注意

1 訴訟によらない債権回収

債権回収の1つの分かれ目は法的手段を取るか否かですが、この判断をする際は、

スピード回収、コスト、回収可能性

の3つを考慮してください。訴訟には時間とコストがかかりますが、通常、時間がたつほど債権回収は難しくなります。また、取引先に資産がなければ、コストをかけたわりに多くを回収できません。

このような場合は、訴訟によらない債権回収を検討することになります。具体的には、担保権の実行、仮差押えや仮処分のような民事保全などとなります。それぞれのメリットとデメリットを確認していきましょう。

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2 担保権の実行の概要

担保権とは、

債権者が債務者に対して有する債権を担保するために、債務者または第三者の財産に対して、その財産から強制的に弁済を受けることができる権利

です。取引先が約束通りに支払わない場合、契約で担保権の設定を受けているときは、それを実行して債権回収をします。メリットは次の通りです。

  • 確定判決などの「債務名義」が不要である
  • 強制執行に比べて迅速かつ低コストで行うことができる
  • 倒産手続においても優先されるものがある
  • 法律上当然に発生するものがある

担保権には、契約締結によって成立する担保権(約定担保権)だけではなく、法律上当然に発生する担保権(法定担保権)があります。そのため、契約で担保権を設定していなくても成立している可能性があります。

また、担保権の実行には債務名義が不要です。債務名義とは、簡単に言うと、

強制執行をする根拠となる文書であり、債権債務の存在を公に認めるもの

です。そのため、訴訟や支払督促などの手続を経ることなく、低コストかつスピーディーに債権回収を行うことができます。

ただし、約定担保権を実行するには、事前に取引先と契約を交わしておく必要があります。また、法定担保権については、知らないと見逃してしまう恐れがあるため、日ごろの債権管理で確認しなければなりません。

3 担保権の実行の流れ

1)抵当権・根抵当権を実行

不動産は財産の中でも安定性があり、登記制度による対抗力があるため、担保としてよく用いられています。不動産に設定されるのは、抵当権(根抵当権を含む)が多いです。取引先が支払いを遅延した場合、債権者は抵当権を実行して不動産を競売にかけ、その売却代金を債権に充当することができます。これを、担保不動産競売といいます。主な流れは次の通りです。

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競売手続は順調に進んだとしても、申立てから配当までに半年以上かかります。また、物件にもよりますが、競売手続で売却される金額は市場価格の7?8割程度になることが多いとされています。そのため、直ちに競売を申し立てるのではなく、取引先に対して不動産の任意売却を促すことも検討しましょう。

この他、抵当権の実行方法として「担保不動産収益執行」があります。担保不動産収益執行とは、簡単に言うと、

当該不動産から生じる賃料などを債権者に配当すること

です。そのため、担保不動産収益執行は、目的となる不動産が賃貸物件で、毎月賃料収入があるような場合に限られます。

2)動産売買先取特権を実行

商品などの動産を売買した場合、当該動産の代金が未払いであれば、売却した動産の上に「動産売買先取特権」が成立します。これは、取引先と担保に関する契約を交わしていなくても発生する法定担保権です。

売却した動産が取引先の手元にある場合、動産競売の申立てができます。動産競売の申立ては、

裁判所の執行官が債務者の住居や占有する場所に立ち入って目的物を差押え、当該目的物を売却して、配当を行う

という流れになります。債権者は、売却代金から配当を受けて債権に充当することができます。

しかし、取引先が既に当該動産を第三者に転売していた場合、動産競売の申立てはできないのですが、第三者から取引先への支払いが未了であれば、取引先が第三者に対して有する転売代金債権を差し押さえて、債権を回収することが可能です。

3)留保所有権を実行

売買契約において、

売買代金が支払われるまでの間、目的物の所有権を売主のもとにとどめておく

という条件を付すことがあります(所有権留保)。この場合、取引先が代金の支払いを怠ったときは、債権者は所有権に基づいて売買目的物を取り戻し、売買代金に充当することができます。

ただし、取引先が倒産手続に入った場合、あらかじめ取引先から「占有改定」などの方法により、対抗要件を備えておく必要があります。占有改定とは、

民法が定める引渡し方法の一つであり、現実の所持は買主のまま、目的物の買主と売主の合意によって、売主が占有を取得する

というものです。

4)譲渡担保権を実行

取引先の商品や機械などの動産に譲渡担保権を設定している場合、裁判所を介することなく、実行手続を進めることができます。債権者は取引先に譲渡担保権を実行する旨を通知した上で、担保の目的となっている動産を引き揚げ、自ら換価して回収することもできます。

ただし、取引先に無断で倉庫に立ち入って商品や機械を引き揚げることは、建造物侵入や窃盗に該当するため、引き揚げに当たっては、取引先の同意を得る必要があります。また、担保権が実行される前に取引先が担保目的物を処分してしまう恐れがある場合、動産の処分禁止の仮処分を申し立てることも考えられます。

4 仮差押え・仮処分の概要と流れ

1)仮差押え・仮処分の概要

仮差押えと仮処分は「民事保全」と呼ばれます。まず、仮差押えとは、

売上債権などの金銭債権を保全するために、取引先の保有している財産を暫定的に差押える制度

です。仮差押えは金銭債権を対象としています。一方、仮処分とは、

仮差押えと異なり、取引先に対して有する金銭債権以外の権利を保全する制度

です。例えば、譲渡担保権を設定している取引先の物件が第三者に譲渡される恐れがある場合、それを阻止するために利用されます。

民事保全による債権回収には、次のようなメリットがあります。

  • 判決が出るまでの間、取引先の財産や自身の権利を保全することができる
  • 取引先にプレッシャーをかけて、任意の支払いを促すことができる

民事保全では、判決が出るまでの間、取引先の財産や行動に制限をかけることになります。そのため、

申立てをする債権者は担保金を供託

しなければなりません。担保金は、

一般的に被保全権利の2割から3割程度の金額となることが多い

ようです。また、担保金は、勝訴するまで供託したままですし、敗訴した場合は相手への損害賠償に充てられてしまう可能性もあります。

注意が必要なのは、仮差押えや仮処分には、

取引先が破産などの法的倒産手続を開始した場合は効力を失う

というデメリットがあることです。そのため、破産の恐れがある取引先に対して、費用をかけて民事保全手続を行うのは得策ではありません。取引先に資産があり、処分や隠匿の恐れがないようならば、仮差押えなどを申し立てず、訴訟を提起したほうがよいかもしれません。

2)仮差押え・仮処分の流れ

仮差押えの申立人は、

自らが取引先に対して有する売掛金請求権などの金銭債権(被保全権利)の存在と、判決を待っていたのでは強制執行をすることができなくなる恐れ(保全の必要性)を主張して、仮差押命令の申立て

を行います。裁判所は、申立人の主張と提出する証拠書類だけを見て、取引先の主張を聞かずに判断します。

仮差押えの対象となる財産に制限はないため、取引先が所有している不動産、動産、債権その他の財産に対して仮差押えを行うことができます。また、仮差押えの申立てに当たり、裁判所から担保金の供託を命じられたら、すぐに供託できるように事前に準備しておく必要があります。

仮処分の流れも仮差押えと同様です。やはり、裁判所から担保金の供託が命じられますので、事前に担保金を準備しておかなければなりません。

5 保証人からの回収の概要と流れ

1)保証人からの回収の概要

保証人からの回収とは、

取引先との契約において、代表取締役その他第三者との間で保証契約を交わしている場合、保証人から債権を回収すること

です。

保証には、普通保証(単純保証)、連帯保証、根保証などがあり、それぞれ保証人の権利や負担する義務が異なります。また、いずれも保証人との間であらかじめ保証契約を交わす必要があります。資力のある保証人と保証契約を交わしておくことで、取引先に代わって債権回収ができます。

なお、保証人が個人である場合、事業性のある貸金等債務を保証するときは、公正証書を作成する必要があります。また、保証契約締結前に、公正証書により保証債務を履行する意思を確認しなければ、保証契約は無効です。なお、この公正証書は、契約締結の日前1か月以内に作成する必要があります。

ただし、次の者が保証をするときは、公正証書を作成する必要はありません。

  • 主債務者が法人である場合の理事、取締役、執行役等
  • 主債務者が法人である場合の総株主の議決権の過半数を有する者等
  • 主債務者が個人である場合の共同事業者又は主債務者が行う事業に現に従事している主債務者の配偶者

2)保証人からの回収の流れ

まずは保証人に対して、請求書を内容証明郵便等で送付します。これに対して、保証人が任意に支払いに応じない場合は、取引先に対する債権回収と同様に、訴訟や民事保全などの法的手続を検討することになります。

以上(2023年9月更新)
(監修 リアークト法律事務所 弁護士 松下翔)

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画像:Mariko Mitsuda

事業承継・引継ぎ補助金のご紹介

中小企業等を支援する国や自治体の補助金・助成金事業では、雇用・人材開発・IT補助・コロナ支援など幅広いジャンルの支援があります。本レポートでは、おすすめの補助金・助成金について支援の内容や対象条件、申請方法等についてわかりやすく紹介します。

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ラグビー日本代表の元ヘッドコーチ、ジェイミー・ジョセフ。チームを鼓舞するための、信頼が表れた一言とは?

全部を出し切ったと思った瞬間に、さらにもう一度出し尽くす

ジェイミー・ジョセフ氏は、ラグビー日本代表のヘッドコーチとして、2019年に開催されたラグビーワールドカップ2019日本大会で、日本を初のベスト8に導きました。「ONE TEAM」のスローガンを掲げて活躍した日本チームの勇姿は、まだ記憶に新しいでしょう。ジョセフ氏は2023年9月から10月に開催される2023フランス大会でも、日本代表のヘッドコーチを務めています。

冒頭の言葉は、2019年の日本大会一次リーグで最大の難関となったアイルランド戦を前に、ジョセフ氏が選手やスタッフに語った言葉です。大会直前の世界ランキングが1位だったアイルランドとの試合は、当然ながらハードな内容になることが予想されました。このためジョセフ氏は、後半の戦い方について、冒頭の言葉を述べたのです。

ジョセフ氏は、選手たちに根性論を訴えたわけではありません。この言葉に続いて、「宮崎(での合宿)で、網走(での合宿)で、我々はそのための準備をしてきた」「お互いを信頼しろ。皆を信じている」と語っています。合宿で心も体も極限まで鍛え上げ、ONE TEAMになった選手とスタッフは、一人ひとりが全力を出し切るのはもちろん、チームのために、全力のさらに上の力を出せるための準備ができていると、ジョセフ氏は確信していたのでしょう。それは、根性論という単純な論理ではなく、「全員がチームのために、全力以上の力を出して貢献してくれる。もちろん自分もそうする」という、チーム内の固い信頼関係によって生まれた考えだといえるでしょう。

アイルランド戦では、ジョセフ氏の言葉がまさに現実になりました。前半を9対12でリードされて迎えた後半、日本チームは一丸となって力を出し尽くし、19対12で逆転勝利したのです。

会社でも社会でも、チームが弱体化する要因の一つに、メンバー間の「不公平感」があります。例えば、手抜きをしたり、ルールを守らなかったりする社員がいると、他の社員は「なぜ自分だけ真面目に頑張らないといけないんだ。不公平だ」と、やる気を失っていきます。ですが、逆に「全社員が目標に向かって全力を出している」という思いが共有されると、皆が「自分が足を引っ張るわけにはいかない」と奮起し、それが全力以上の力を引き出すきっかけになるのです。

そんなチームをつくるには、システムとして全社員が公平感を持てる仕組みをつくるか、トップが率先して全力以上のものを出す姿を見せ、社員の目線を引き上げることが重要です。

ちなみに、ジョセフ氏は日本代表の試合後に、最優秀選手を指名して表彰する制度を創設していました。ところがアイルランド戦では、最優秀選手は「誰か一人にではなく、チーム全体に」と言って、スタッフを含めた全員をたたえたそうです。ジョセフ氏は試合の勝因は、全員が全力以上を出したことだと確信していたのでしょう。

出典:「ラグビー日本代表ONE TEAMの軌跡:あの感動と勇気が甦ってくる」(藤井雄一郎、藪木宏之著、伊藤芳明文・構成、講談社、2020年7月)

以上(2023年9月作成)

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画像:Sergey Nivens-Adobe Stock

飲酒運転の防止(2023/10号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

「白ナンバー」の車を5台以上使用する事業者等に関して、12月1日から運転者の酒気帯び確認時のアルコール検知器の使用が義務化されます。

アルコール検知器を使用した酒気帯び確認は、飲酒運転を防止するための取り組みで、社用車や営業車を保有する多くの企業が対象になっています。

職場での酒気帯び確認を適切に実施するとともに、運転者一人一人が飲酒運転防止の意識を高めることが大切です。

飲酒運転の防止

1.飲酒運転による交通事故の状況

◆飲酒運転による交通事故件数

飲酒運転による交通事故件数は年々減少してきましたが、近年は下げ止まりの状況です。令和3年に千葉県八街市で発生した事故(飲酒運転のトラックが下校中の児童5名をはねて死傷させた)が今なお記憶に新しいかと思います。飲酒運転は重大な事故につながるおそれがあるため、ゼロにしなければなりません。

飲酒運転による交通事故件数

◆飲酒状況別の交通事故件数

令和4年の飲酒運転による交通事故件数を飲酒状況別にみると、「酒気帯び」の次に「基準以下」が多くなっています。前日の飲酒により二日酔い運転で事故が発生したり、あるいはアルコール摂取量が「基準以下」でも事故が発生していることが分かります。

飲酒状況別の交通事故件数

出典:警察庁「令和4年中の交通事故の発生状況」から当社作成

道路交通法により飲酒した状態での運転は禁止されています。
飲酒した場合はもちろん、二日酔いでアルコールが体内に少しでも残っている場合は運転してはいけません。

2.アルコールが抜けるまでの時間

「節度ある適度な飲酒量」は1日平均純アルコールで約20g程度であると言われています。

個人差はありますが、アルコール20g(=1単位)が体内で分解されるには、約4時間かかります。2単位では8時間、3単位では12時間かかります。

各酒類の単位換算表

出典:厚生労働省eヘルスネット「飲酒量の単位」から当社作成
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html)

運転の前日は、飲酒の時間や酒量に注意することが大切です。飲酒した翌朝にすっきり目覚めたつもりでも飲酒運転で検挙された事案も多いようです。

注意:ノンアルコール飲料

ノンアルコール飲料とは、アルコール度数が1%未満の飲料を指し、中にはアルコールが含まれた商品もあります。運転する前にはアルコール度数が0.00%であることを確認しましょう。

3.職場での取り組み

飲酒運転で事故を起こしてしまうと、刑事罰や行政処分、社会的制裁を受けることになります。職場で以下を取り組みましょう。

運転業務の開始前・終了後にアルコール検知器を使用した酒気帯び確認を適切に実施する。

※法令での義務がない会社であっても、アルコール検知器を使用して酒気帯び確認を行うことは、飲酒運転を生じさせない職場づくりに有効です。

アルコール検知器

交通安全研修や小集団活動等を通じて、運転者一人一人が飲酒運転防止に向けた意識を高め、飲酒運転に厳しい職場をつくる。

みんなで『飲酒運転は絶対に「しない!」「させない!」』を徹底しましょう。

以上(2023年10月)

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画像:amanaimages

【債権回収】担保が設定できない場合の債権保全は何をすればよいか?

書いてあること

  • 主な読者:取引先に適切な資産がないなど、担保が設定できずに困っている経営者
  • 課題:担保の設定以外に、どのように売上債権を保全できるのか分からない
  • 解決策:「取引信用保険」「ファクタリング」「債権譲渡」を検討する

1 担保が設定できない場合の債権保全はどうする?

取引先に対する債権を保全するための効果的な手段が「担保の設定」ですが、

取引先に担保を設定する適切な資産がない

などの場合、他の方法で債権保全を講じなければなりません。つまり、担保として適切な不動産や動産がなく、経営者個人を連帯保証にすることも資力の面などから難しいケースです。

こうした場合に、具体的にどのような方法で債権保全を図っていくべきなのかを紹介します。いざということになれば、

「仮差押え」という、裁判所が関与して債務者の不動産などを差し押さえる

などの方法もあります。しかし、そこまで状況が悪化していなければ、もう少し穏便に、

債権回収のリスクを移転する、つまり保険を利用するなど

して、債権保全をすることになります。

2 取引信用保険

まず検討したいのが、

保険の仕組みを活用した債権保全である「取引信用保険」

です。取引信用保険は、

損害保険会社(以下「損保会社」)で取り扱っている

ことがあります。債権者は損保会社と保険契約を交わして保険料(保険料は、保証額の2~3%程度の場合が多いようです)を支払います。損保会社は取引先の倒産などによって売掛金などの回収が不能になった場合、債権者(契約先企業)に保険金を支払います。また、損保会社は債務者に対しては求償(賠償や償還を求めること)を行うことがあります。

なお、取引信用保険と類似した制度として、中小企業倒産防止共済があります。これは、取引先が倒産した場合に、債権者が毎月積み立てていた掛金総額の10倍の範囲(最高8000万円)で回収困難な売掛債権額以内の金銭を無担保、無保証人、無利子で「貸付け」が受けられるものです。あくまで貸付けではあり、債権保全とは少し視点が変わってしまいますが、無担保、無保証人、無利子で貸付けを受けられるため、自社の存続のために検討してもよい制度といえるでしょう。

3 ファクタリング(売上債権の支払保証)

売上債権の支払保証とは、

債権者がファクタリング業務を行う会社と支払保証契約(ファクタリング契約)を交わすことによってなされる売上債権の保全

です。ファクタリングとは、

売掛債権等を弁済期日前に買い取ってもらう資金調達の一つの方法で、法的には債権売買(債権譲渡)契約

です。ファクタリング契約を結んだ債権者は、ファクタリング会社に手数料を支払う他、債権を割り引いて売却します。その代わり、債権者は早期かつ確実な債権回収を図ることができます。ファクタリング会社は債務者から債権回収し、回収不可能のリスクを負います。

なお、中小企業の経営者などを狙い、貸金業登録を受けていない事業者が、ファクタリングを装って、高額の手数料を払わせたり、業として、実質的に債権担保の貸付けを行ったりしている事案が報告されています。おかしいなと思うファクタリング取引であった場合は、取引を控えたり、弁護士に相談したりすることをお勧めします。

4 債権譲渡

債権譲渡とは、

債権者が、債務者の有する売掛金などの債権を譲り受け、譲り受けた債権をもって売掛金債権の支払いに充てること

です。債権者が譲り受ける債権は、債務者が債務者の売掛先(第三債務者)に対して保有する債権で、回収は債権者が直接、第三債務者に対して行います。イメージは次の通りです。

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債権譲渡の場合、

  • 譲渡債権の債権者(図の債務者)から、譲渡債権の債務者(図の第三債務者)に、確定日付のある通知をする
  • 債権譲渡について、第三債務者の確定日付のある承諾を得る

のいずれかの条件を満たさなければ、債権者は、債権を譲り受けたことについて、第三債務者その他の第三者に対抗できません。つまり、

債権譲渡される者(図の債権者)が第三債務者に、「債権譲渡を受けた」と通知するだけでは不十分

ということです。

また、以上に加えて、債権譲渡を行う際は次の点に留意しましょう。

  • 債権者と債務者が「債権譲渡契約書」を交わすこと
  • 債権譲渡を禁止する特約がないこと(なお、民法改正により、2020年4月1日以降に債権譲渡の原因である売買等がされた場合の債権譲渡は、譲渡禁止特約が付されていても有効です)
  • 債務者が第三債務者に対して有する売掛金、その他貸付金や営業保証金などの債権の有無を調べておくこと
  • 第三債務者に、その意向(支払意思の有無、債務者とのトラブルの存否、相殺の可能性、仮差押え・差押えの有無など)を確認し、第三債務者の支払能力を調査すること

以上(2023年9月更新)
(監修 TMI総合法律事務所 弁護士 池田賢生)

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画像:Mariko Mitsuda

味噌の豆知識

1 台所に欠かせない味噌

日本人の食事といえば、ご飯と味噌汁が欠かせません。味噌汁には味噌が必要ですが、この味噌は、材料やつくり方によってさまざまな種類があります。家庭によって味噌汁の味が違うのも、生まれ育った地域や環境によって、さまざまな味噌が使われているからでしょう。

この記事では、味噌についての豆知識を紹介します。

2 味噌の歴史

味噌の起源は中国大陸にあるといわれています。日本にいつ、どのように伝わったかは定かではありませんが、飛鳥時代には味噌の前身と考えられる「醤」があったとされます。「醤」という文字が日本で初めてみられるのは「大宝律令」(701年)で、「未醤」という文字が書かれており、これが「みしょう」→「みしょ」→「みそ」と変化していったといわれています。

以来、1000年以上の長きにわたり、味噌は日本人の食生活と深くかかわってきました。味噌は、当初は寺院や貴族階級に珍重されるぜいたく品でしたが、室町時代には裕福な庶民も自家醸造するようになったといわれています。江戸時代には味噌はなくてはならない食品となり、日本全国それぞれの地域で原料・気候・嗜好により、さまざまな味噌がつくられるようになりました。

3 味噌のつくり方・効能

味噌は蒸した大豆と米麹(こめこうじ)または麦麹などと食塩を混ぜ合わせ、6カ月から2年ほどかけて発酵・熟成させてつくります。大豆のたんぱく質が酵素で分解されて生命を維持するために不可欠なアミノ酸に変化し、それがうまみの元にもなるのです。

この他にも、発酵によってビタミンB群やビタミンEなど体に良い成分が生成され、栄養価は大変優れたものになっています。体への効能としては、抗酸化作用やコレステロール抑制作用が知られています。

気候風土、嗜好の違い、発酵条件なども地域ごとに異なることから、各地で土地の名を冠したさまざまな味噌がつくられています。味噌汁は、古来、日常食に欠かせない副食であると同時に、日本人の重要なたんぱく源でもありました。

4 味噌の種類

毎日、日本人が食べている味噌には、さまざまな種類があります。原材料による分類、味による分類、地区による分類、色による分類などがありますが、一番分かりやすいのは原材料による分類です。原材料別でみると味噌は、次のように分けられます。

  • 米味噌
  • 豆味噌
  • 麦味噌

米味噌は基本的には、大豆と米麹と食塩でつくられています。米が日本の主要農作物だったこともあり、米味噌は今ではごく一般的になりました。大豆に米麹と食塩とを混合してつくる越後味噌、信州味噌、仙台味噌などの米味噌の生産量は日本の味噌の約80%を占め、全国的に利用されています。

豆味噌は大豆に香煎と豆麹を加えてつくった味噌で、主に中京地方を中心に生産されています。

麦味噌は、大豆に麦麹を使った味噌で、別名「田舎味噌」とも呼ばれ、中国、四国、九州地方で生産されています。

5 味噌を使うときの「コツ」

1)煮込み料理に適した豆味噌

味噌には、魚や肉などの食材の臭みや油分を吸着し、さらに味噌特有の香りを食材に移して料理の風味をよくしてくれる「マスキング効果」という機能があります。

通常、味噌は加熱しすぎると香りが飛んでしまいますが、豆味噌は煮込んでも香りの変化が少なく、食材への香りの吸着と油の乳化性に優れているといわれます。

豆味噌のこのような特性のおかげで、主な生産地である愛知県で、「味噌煮込みうどん」のような、よく煮込む味噌料理が発達したのかもしれません。

2)おいしい味噌汁を作るためには加熱がポイント

味噌汁を作る場合、味噌の濃い味と釣り合うように、だしはかつお節、煮干しなど好みの素材で濃いめにとったほうがよいでしょう。また、味噌の味や香りを生かすために、加熱の仕方に注意が必要です。

味噌汁を長く加熱すると、しっとりした舌ざわりが損なわれます。また、米味噌がたるの中で熟成されるとき、酵母が糖をアルコールやエステルなどの香り成分へ変化させていますが、このアルコールなどの香り成分は、90度以上になると揮発してしまいます。そのため、おいしい味噌汁を作るためには、味噌は最後に加え、入れた後は煮立てないことが肝要です。

3)味噌汁の味噌は少なめに

味噌汁に味噌を入れすぎたとき、水や湯で薄めると、だしの味ばかりでなく、味噌の風味も薄まってしまいます。初めは味噌を控えめに入れ、味見をして薄ければ味噌を追加するほうがよいでしょう。また、味噌汁を長く煮すぎたり、汁を温め直したりすると、味噌の香りが飛んでしまいます。余分に作らず、なるべく一回の人数分の味噌汁を用意し、食卓に出す直前に温めて味噌を入れ、沸騰直前に火を止めて香りのよい状態で食卓に出すことが大切です。

味噌汁

4)臭み消しの味噌は二度に分けて

煮物に使う味噌は、味噌汁と違って素材の引き立て役です。ですから、味噌を使った煮物は、味を染み込ませるためにも、臭いを取るためにも、加熱の初めに加えておく必要があります。しかし、せっかく使う味噌の香りも失いたくありません。そこで豚汁、鯉(こい)こくのように味噌で長く煮る汁ものや、肉や魚の煮込み料理は、初めに半量の味噌を入れ、ゆっくりと加熱して材料が十分に煮えたところで残りの半量を加え、香りが失われないうちに火を止めます。サバの味噌煮なども初めに味噌を加えて材料を煮含め、仕上げに酒やみりんで風味を出したほうがおいしく仕上がります。

以上(2023年9月)

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豆腐のあれこれ

1 日本人の食生活には欠かせない豆腐

豆腐は日本人にはなじみの深い加工食品です。冷ややっこ、湯豆腐、みそ汁の具、麻婆(マーボー)豆腐、田楽など日本人の食生活には欠かせません。厚揚げ、がんもどき、油揚げなどの揚げものなどもあります。

豆腐の好みは人それぞれで、口当たりの軟らかい絹ごし豆腐が好きな人がいれば、しっかりした木綿豆腐が好きな人もいます。冷ややっこには絹ごし豆腐がよいが、すき焼きは木綿豆腐をしっかりと焼いた焼き豆腐が好みといったように、料理によっても豆腐は使い分けられています。

ちなみに、絹ごし豆腐は絹の布でこすわけでなく、組織が極めて細かく滑らかであることから付いた名称だといわれています。また、木綿豆腐の名称は、製造工程で木綿の布を用いることに由来しているとされます。

2 豆腐の歴史

豆腐は中国が発祥の地であるようですが、初めて豆腐が作られた時期は明確ではありません。日本には奈良時代に中国に渡った遣唐使の僧侶によって伝えられたとする説が一般的ですが、実際に文献に初めて豆腐という文字が現れるのは平安時代の後期です。

江戸時代になると、それまでは主に僧侶や武士の食べ物であった豆腐は、一般庶民の食べ物として普及していったようです。

3 豆腐の種類と作り方

1)豆腐の種類

豆腐

2)豆腐の作り方

次に豆腐の作り方を確認してみましょう。一般的な豆腐の製造工程は次の通りです。

一般的な豆腐の製造工程

豆腐の原料は大豆なので、ここでは、大豆から豆乳になるまでの流れを紹介します。なお、豆乳ができてから製法やその手順を変えることで、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐を作り分けることができます。

  • 精選
    割豆、破砕豆、虫喰豆、他の種子類、異物などの夾雑(きょうざつ)物を取り除きます。

  • 洗浄
    大豆の表面に付着している土・ほこりなどを十分取り除くために、水洗いを何回も繰り返します。

  • 浸漬(しんせき)
    次の工程の大豆磨砕をしやすくするために、水に漬けます。漬ける時間は、水温によって異なります。割豆、破砕豆、虫喰豆、他の種子類、異物などの夾雑物を取り除きます。

  • 磨砕(まさい)
    浸漬し水分を含んで大きくなった大豆を細かく砕きます。昔は石臼でひいていましたが、現在はグラインダーが一般に用いられています。磨砕は、大豆の細胞を破りたんぱく質等の成分の抽出に役立ちます。磨砕は注水しながら行いますが、加水量によって豆乳の濃度を加減します。

  • 加熱
    生呉(磨砕したものを呉といい、加熱したものと対比して生呉という)を加熱します。加熱は、大豆たんぱくを凝固しやすく、成分を最大に溶出させるために行います。昔は、呉を釜に入れ直(じか)火で加熱(地釜)していましたが、現在はボイラーによる蒸気加熱が主流です。加熱温度は、100度前後です。

  • 搾り
    濾過、分離などともいいますが、加熱した呉(煮呉)を豆乳とオカラに分離する工程・作業です。

4 健康食品としての豆腐

1)豆腐は栄養吸収率が高い

大豆は消化のあまりよくない食物といわれていますが、豆腐の消化吸収率は92~98%とされています。豆腐は、大豆の組織を十分壊し、たんぱく質や脂肪などをいったん遊離させたうえで、消化の悪い繊維質を除いているため、一般の人はもちろん、病人、老人、離乳食にも適しています。

2)世界の「TOFU」

良質なたんぱく質を効率的に吸収できる豆腐は、日本だけでなくアメリカなどの海外でも健康食材として知られています。肉の代わりに、揚げたりソテーしたりというような加熱調理に使うことが多く、豆腐ステーキにしたり、チーズ代わりに使ったりと、ベジタリアンはもちろん、カロリーや脂肪分を気にする人たちにも幅広く支持されているのです。

豆腐

以上(2023年9月)

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しょうゆの豆知識

1 最もポピュラーな調味料

醤油は、和食の味付けに欠かせない調味料です。日本ばかりではなく、海外でもポピュラーになりつつあるしょうゆについての基礎知識を紹介します。

刺身

2 しょうゆの起源

今から約3000年前の中国の周王朝初期の文献に載っている、獣や鳥の肉に麹(こうじ)と塩を混ぜて発酵させた「醤(ジャン)」が、しょうゆのルーツではないかといわれています。

日本にいつごろ、どのように伝わったかは定かではありませんが、奈良時代の「大宝律令」(701年)には、醤院(ひしおつかさ)という役所が設けられ、醤をつくったり、管理したりしていたという記述が残っています。醤は、肉・魚・野菜などさまざまな原料からつくられていましたが、このうちの穀物や豆を発酵させた「穀醤(こくびしお)」がしょうゆや味噌の原型とされています。鎌倉時代には、禅僧覚心が中国から持ち帰った径山寺(きんざんじ)味噌の製造過程の中で、たまりしょうゆの素になったと考えられるたまり(溜)が発見されたといわれます。

室町時代に出版された節用集という日常用語辞典には「醤油・しょうゆ」などの言葉が載っていたことから、このころにはかなり普及していたことがわかっています。

3 しょうゆの種類

しょうゆの主な産地としては、関東では千葉県、関西では兵庫県・香川県などが挙げられますが、しょうゆは地域によって特徴が異なります。

1)濃口(こいくち)しょうゆ

濃口しょうゆは最も一般的なしょうゆで、赤みがかった明るい色で、特有の芳香をもっています。しょうゆの全生産量の80%以上を占めていて、主に関東地方で発達し、今日では全国的に親しまれています。

2)淡口(うすくち)しょうゆ

淡口しょうゆは色が薄く、塩味が強く、香りは抑えてあります。魚や野菜などの材料の持ち味や色合いを生かす料理に使われます。

3)たまりしょうゆ

たまりしょうゆは、とろみと濃厚なうまみ、独特な香りが特徴のしょうゆです。加熱すると赤い色がきれいにつくので、せんべいや照り焼きなどに使われます。

小麦をほとんど使わないでつくられるものが多く、大豆たんぱくのうまみ成分が多いため、味が濃く感じられるのが特徴です。

4)白しょうゆ

白しょうゆの色合いは、淡口しょうゆよりもさらに薄い、淡いこはく色で、甘みが強く、コクが控えめなのが特徴です。

色の薄さと香りを生かして吸い物や、茶わん蒸しなどの料理に使われます。

5)再仕込みしょうゆ

製法は濃口しょうゆと同じですが、塩水の代わりにしょうゆを使って仕込んだもので、しょうゆを二度醸造するようになるため、「再仕込み」と呼ばれます。

味、色、うまみともに濃厚で、白身の刺し身やすしのつけしょうゆとしてつくられた、山口県発祥のしょうゆです。

4 しょうゆは黒くなる

一度容器の口を開けたしょうゆは、初めの鮮やかな赤褐色からだんだん黒ずんだ色になっていきます。原因は空気中の酸素による酸化反応といわれています。この現象は、高温、直射日光などでさらに促進し、色が黒ずむと同時に風味も落ちて、品質も劣化します。

開栓時、キチンと栓をして冷蔵庫などに保管し、使い切る分だけ小型のしょうゆ差しに取るのが望ましいでしょう。

醤油

5 しょうゆを使うときの「コツ」

1)濃口、淡口の使い分け

しょうゆの大部分は濃口なので、普通の料理はこれを使えば問題ありません。特ににおいの強い魚や肉などには濃口しょうゆが必要で、照り焼きなども濃口にします。淡口しょうゆは野菜類の煮物などの色を美しく仕上げたい料理に使われます。香りも穏やかなので、素材の風味を損なわずに持ち味が生かせます。

2)吸い物、煮物のしょうゆは最後に

吸い物のしょうゆは塩味をつけるという主目的より、むしろうまみや香りなど、塩にはない特性を引き出すために使います。塩味だけなら塩で十分で、むしろそのほうが材料の色や風味を生かすのにもよいでしょう。

しょうゆを香りづけで入れる場合、最後に加えます。塩でほぼ味を調えた汁の仕上げに、味にほとんど影響のない程度の少量のしょうゆを加えるのがよいでしょう。

煮物の場合は、煮物の味付けは「さしすせそ」の順にといわれる通り、揮発性成分の多い酢(す)や香りを重視するしょうゆ(せ)は後から加えます。ただ、これは中までよく味を染み込ませたい煮物の場合で、煮魚のように短時間で表面に味をつければよいもの、おでんのようにきちんと調えられた汁の味をそのまま食材に染み込ませたいものはこの順序に限りません。煮物によっては初めからしょうゆの味を染み込ませるために大部分を使い、一部を最後に加えるやり方もあります。

以上(2023年9月)

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