【朝礼】趣味がないなら、ボランティアをやってみなさい

私は日ごろから皆さんに、「仕事以外の趣味に費やす時間を大切にしてほしい」と伝えています。それは、没頭できる趣味というのは人生を豊かにするし、職場以外の場所で得た経験というのは、仕事に活かせることも多いからです。

けれど、残念ながら当社には、「趣味は特にありません」という社員が少なくありません。そんな人にお勧めしたいのが、ボランティアです。

知っている人もいると思いますが、私はここ数年、休日を利用して地元の老人ホームで、「傾聴ボランティア」というものをやっています。75~90歳の幅広い年齢の方々から、これまでの体験や日々思っていることを伺うのです。

老人ホームの方々はご高齢なので、聞き取りが難しく、普段の会話よりも時間がかかります。けれど、戦中戦後の体験や私が生まれる前の地元の話を伺うと、驚きや感動があります。

また、老人ホーム内の恋の話を聞くと、いつになっても恋は人を元気にさせるものだなと感心するとともに、「老人ホームの方々に比べたら、私は若輩者。もっと若い気持ちでいなければ」と励まされることがあります。

歌が好きでいきなり歌い出す方や、お手玉が得意で80歳を過ぎて4つ、5つ投げられる方もいて、ヒヤヒヤしつつ、楽しく充実した時間を過ごせます。最後には皆さんからとても感謝されますので、うれしさと満足感を覚えて、気分もリフレッシュします。

そして、最初にお話ししたように、ボランティアは単に人生を豊かにするだけでなく、仕事に活かせることもたくさんあります。

老人ホームでの体験談は、誰もが関心を持って聞いてくれるので、仕事の打ち合わせの際のアイスブレークとして非常に役立っています。また、人生の先輩方のお話から、新しいビジネスのヒントを得ることもあります。

例えば、指が震えてスマホの画面を上手にタップできないとか、箸でうまく食べ物が持てないといった話を聞くと、手入力ではなく音声入力の精度を高めるスマホや、ピンセットのようなバネ付きの箸があるといいなとか、思いますよね。目の前で困っていることがあると、解決してあげたいと思うのが人情で、そういう目線で見ると、高齢者というのはアイデアの宝庫ともいえます。すでに商品化されているものも多いですが、このように、ボランティアの最中にビジネスに関するアイデアがひらめくことがよくあります。さらに、同じボランティア仲間を通じた人脈づくりも進んでいます。

どうでしょう? ボランティアは皆さん自身にとっても、会社にとっても、メリットがあると思いませんか? 社内で学んだことができるようになるだけでは、会社にとって新たな力にはなりません。けれど、皆さんが社外で学んだことを社内に持ち込んでくれれば、会社は新しい力を得ることができ、もっと成長するはずです。 

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】あなたの仕事力を決めるのは「段取り力」です

皆さんは「段取り7分・仕事3分」という言葉を知っていますか。これは仕事のできる大工さんの条件で、「腕の良い大工は、段取り7分・仕事3分」といわれるそうです。能率的で、良い仕事をするためには、事前の段取りが大切であり、段取りをしっかり組める人こそが、腕の良い大工さんであるということです。確かに、大工さんに限らず、仕事ができる人というのは、仕事前のちょっとした時間を使ってうまく段取りを組んでいるものです。段取りが上手な人と一緒に仕事をすると、自分もテキパキと動くことができ、大変だと思われた仕事もあっという間に片付いてしまったという経験はみなさんもあるのではないでしょうか。

段取りを上手に組める能力を「段取り力」といいます。皆さんにも段取り力を上げていただいて、こうした「段取り上手な人」になってもらいたいと思っています。そこで、今日は、私なりの段取り力向上のためのコツをお伝えしようと思います。簡単なことですので、ぜひ、参考にしてみてください。

それは、「常に逆算して段取りを組む」ということです。仕事には必ず「いつまでに終わらせなければならない」という期限があります。ですから、期限から逆算して、それぞれの仕事をいつスタートすれば間に合うかを判断した上で、それらを整理しながら段取りを組むのです。

「そんなの、当たり前のことじゃないか」と思うかもしれません。確かに、これは社会人としてのイロハのイです。しかし、肝心なのは、ただ「逆算して段取りを組む」ことではありません。これが「常にできる」ことこそがこのコツの要点となる部分です。毎日の仕事は、上司からの指示、お客様からのクレームへの対応など、急な用件が次々と入ってきます。このように、あわただしく仕事をしているときにこそ、皆さんの段取り力の真価が問われます。

段取り力の足りない人は、急な仕事が重なると、余裕を失って「逆算して段取りを組む」ことができなくなってしまいます。そして、気持ちばかりが焦って、「とにかく仕事を片付けなければ」とバタバタと目の前の仕事から片付けようとするでしょう。しかし、段取りを忘れたこんな仕事の進め方は、思うようにはかどらない上にミスも発生して、能率が悪いことこの上ありません。

一方、段取り力の高い人は、どんな状況でも焦らず「逆算して段取りを組む」ことを忘れません。ですから、忙しいときでも、次から次へと着実に仕事をこなしていくのです。

「私は、バタバタしがちだな」。そう思う人は、忙しいときに、仕事から離れて5分程度の短い休憩を取るようにしてください。すると、焦っていた気持ちが落ちつくはずです。そうしたら、「常に逆算して段取りを組む」ということを思い出して、冷静な頭で仕事の段取りを組んでみましょう。

すると、その仕事がどんなに大変であったとしても、今まで以上に能率的にこなせるようになるはずです。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

居眠り運転防止に向けて(2022/10号)【交通安全ニュース】

活用する機会の例

  • 月次や週次などの定例ミーティング時の事故防止勉強会
  • 毎日の朝礼や点呼の際の安全運転意識向上のためのスピーチ
  • マイカー通勤者、新入社員、事故発生者への安全運転指導 など

秋の行楽シーズンを迎え、長時間の運転も増えるのではないでしょうか。そこで気を付けたいのが居眠り運転です。運転中に眠気を経験したドライバーも多いと思いますが、運転中の居眠りは重大な事故を招きかねず大変危険です。

今回は、居眠り運転の原因と防止策について取り上げます。

居眠り運転防止に向けて

1.居眠り運転の原因

居眠り運転は、危険への注意や回避ができず、死亡事故など重大事故につながる可能性があります。では、なぜ居眠り運転をしてしまうのか、主な原因を考えてみましょう。

(原因1)睡眠不足

まず最初に睡眠不足があげられます。睡眠は7時間程度が理想と言われています。睡眠時間が短くなるほど事故発生率が高まります。 (図1)

また、睡眠不足が続くと、疲労が蓄積し、居眠り運転や漫然運転を誘発し、信号の見落としや追突事故などを起こしかねません。

睡眠時間による事故発生率

出典:米高速道路交通安全局と全米自動車協会交通安全財団の調査データから当社作成

(原因2) 眠気のリズム

人には12時間周期の眠気のリズムがあり、2~4時と14~16時(起床から8時間後)は眠気が強くなる時間帯です。また、人の生体リズムにより夜半~早朝は眠くなる時間帯です。居眠り運転での死亡事故は
これらの時間帯に多く発生しています。(図2)

なお、これらの時間帯は交通量が比較的少なくなるため、ドライバーは単調な運転になりがちです。

居眠り運転死亡事故の発生時間帯

出典: (警察庁委託調査研究)「睡眠障害と安全運転に関する調査研究報告書」(平成19年3月)から当社作成

(原因3)道路状況

人は単調な環境のもとでは2時間ごとに眠気を感じると言われています。居眠り運転は、空いている道路や直線道路で多く発生しています。(図3)

高速道路などを長時間運転する場合は、居眠り運転に十分注意する必要があります。

居眠り運転発生時の道路状況

出典:公益財団法人 高速道路調査会 平成27年3月「高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究報告書」

2.居眠り運転の防止策

居眠り運転を防ぐには、日頃から適度な睡眠を確保することが大事です。

規則正しい生活を送ることで質の良い睡眠を取ることができます。また、睡眠不足で蓄積した疲労は、睡眠をまとめて取得しても解消しにくいと言われています。

日頃から生活のリズムを意識して、睡眠を7時間程度取得するようにしましょう。

睡眠を確保

運転中に眠気が生じた場合は、以下のような対策をお薦めします。

・仮眠(15分程度)を取得

運転中の眠気の解消には15分程度の仮眠の取得が効果的です。

仮眠が30分以上になると深い眠りに入り、逆効果になりますので注意しましょう。

仮眠を取得

・カフェイン(コーヒーなど)を摂取

カフェインには疲労回復、集中力向上、眠気抑制などの効果があると言われています。ただし、効果が現れるまでに15分程度かかります。

仮眠の前にカフェインを摂取するのもよいでしょう。

カフェインを摂取

・ガムを噛むなど五感を刺激

ガムを噛むと脳の血行が良くなり、眠気を抑えられます。目薬をさす、水を飲む、ストレッチをする、声を発するなど五感を刺激することで眠気を抑えられます。

・長時間運転する場合は、こまめに休憩

長時間の運転では、2時間ごとに眠気が生じやすくなります。この生体リズムを意識して、無理をせず、こまめに休憩するようにしましょう。

3.睡眠時無呼吸症候群

眠気対策をいろいろ試しても、日中に強い眠気を感じる場合、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に気道が塞がれ、いびきや無呼吸を繰り返す症状があり、その影響で日中に強い眠気を感じ、居眠り運転が発生しやすくなります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に症状が現れるため、本人では気づきにくい病気と言われています。家族からいびきを指摘されたり、日中に強い眠気を感じるようになった場合は、早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。

早期発見で適切に治療をすれば、症状の改善が期待できます。

【参考】

公益財団法人 国際交通安全学会のビデオアーカイブのサイト内にある以下の動画をご紹介します。

  • 「睡眠時無呼吸症候群運転絵巻」
  • 「睡眠時無呼吸症候群と交通事故」

https://www.iatss.or.jp/movie/

以上(2022年10月)

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画像:amanaimages

女性活躍の実態と情報公表などの義務化

厚生労働省は今年7月、「令和3年度雇用均等基本調査」の結果を取りまとめ、公表しました。この「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に、毎年実施されている調査となります。
本稿では、公表された「令和3年度雇用均等基本調査」の概要を紹介するとともに、関連して「改正女性活躍推進法」に基づき義務化される情報公表などの内容をお伝えします。

1 令和3年度雇用均等基本調査

令和3年度は、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や、育児休業制度の利用状況などについて、10月1日時点での状況が調査されました。実施された調査結果の一部を次にご紹介します。

〇【企業調査】正社員・正職員の採用状況

令和3年春卒業の新規学卒者を採用した企業割合は 21.3%と、前回調査(令和2年度20.6%)に比べ 0.7ポイント上昇しました。採用した企業について採用区分ごとにみると、総合職については「男女とも採用」した企業の割合が 45.2%と最も高く、次いで「男性のみ採用」が 41.8%となっています。限定総合職では「男性のみ採用」が 49.6%と最も高く、「男女とも採用」は 25.6%、「女性のみ採用」は 24.8%となっています。一方、一般職では「男性のみ採用」が 35.2%、「女性のみ採用」が 32.7%となっており、採用状況にあまり差はみられませんでした。

〇【企業調査】管理職に占める女性の割合

管理職に占める女性の割合は、部長相当職では 7.8%(令和2年度 8.4%)、課長相当職では 10.7%(同 10.8%)、係長相当職では 18.8%(同 18.7%)となりました。規模別にみると、いずれの管理職割合においても 10~29人規模が最も高く、部長相当職の女性管理職割合が 14.0%、課長相当職が 18.2%、係長相当職が 23.8%となっています

〇【事業所調査】育児休業取得者の割合

育児休業取得者の割合は、女性が85.1%(令和2年度81.6%)、男性が13.97%(同12.65%)となっています

2 女性の活躍に関する情報公表の義務化

今年の4月から「改正女性活躍推進法」に基づく一般事業主行動計画の策定・届出と情報公表が、101人以上300人以下の企業にも義務化されました。
前項のような自社の女性の活躍に関する状況について、以下の項目から1項目以上選択し、求職者等が簡単に閲覧できるように情報公表することが必要とされています。詳細は厚生労働省のHPなどでご確認ください。

女性の活躍に関する情報公表

厚生労働省リーフレット「令和4年4月1日から女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・
届出、情報公表が101人以上300人以下の中小企業にも義務化されます」(令和4年1月)

3 さいごに

義務化された企業規模は101人以上とされていますが、100人以下の企業でも、女性活躍・両立支援に積極的に取り組み、ポジティブな結果を得ている企業もあります。厚生労働省が紹介している好事例集によると、ガスサービス業の会社において、男性中心の営業部門に女性を積極的に配置することで女性従業員の業務の幅を拡大させ、また昼休みを含め3時間まで中抜けできる中抜け休憩制度や子どもを連れた出勤を可能にすることで、職場の雰囲気が変わり、従業員の満足度が向上し、また女性の新卒応募者も増加する効果が得られたと紹介されています。人手不足が深刻化する中、女性が活躍できる職場への改善取組は、人材の確保・活用の観点で、社内外から高い評価を受けることが期待できますので、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年9月9日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

女性活躍の実態と情報公表などの義務化

厚生労働省は今年7月、「令和3年度雇用均等基本調査」の結果を取りまとめ、公表しました。この「雇用均等基本調査」は、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に、毎年実施されている調査となります。
本稿では、公表された「令和3年度雇用均等基本調査」の概要を紹介するとともに、関連して「改正女性活躍推進法」に基づき義務化される情報公表などの内容をお伝えします。

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【朝礼】習慣を変えて、柔軟な視点を持とう

みなさんは、仕事や普段の生活のなかで「なんとなく行き詰まってしまった」と感じることはありませんか? 仮に、行き詰まりとまではいかなくても、ワンパターンの行動が毎日続き、「自分はいつも同じようなことを繰り返している」と思っている人はいるでしょう。そして、なんとなく毎日の仕事や生活に充実感が感じられないという人もいるのではないかと思います。

そんなときは、考え方が硬直して広い視野でものを見られていない可能性が高いように思えます。

人間は習慣の動物です。ある程度行動を習慣化してしまえば、精神的にも肉体的にも慣れてしまうため、その方が心理的にも楽だからです。運動や勉強など、よいことは習慣づけるべきだといわれるのも、そうすることで楽に続けることができるからでしょう。しかし、こうした人間の心理にこそ、大きな落とし穴があるのです。

実は、仕事にせよ、生活にせよ、あまりにも習慣化が過ぎると、周りで起こる出来事を固定観念でしか解釈できなくなるという弊害が起こってしまいます。先ほど、人間は硬直した考え方にとらわれがちであるといいましたが、言い換えれば、普段の習慣からくる思い込みが考え方の幅を狭め、それが仕事や生活での行き詰まり感や充実感の喪失につながっていくのです。

ここで、みなさんに心がけていただきたいことがあります。それは、自分の固定観念にとらわれずに、柔軟な視点を持とう、ということです。

柔軟な視点を持つといっても、簡単にできるものではないように思えるかもしれません。確かに、それはある意味で人間の心理に逆らうということですから、決してやさしいことではないでしょう。

そこで、私から一つ提案があります。それは、「自分のこれまでの生活習慣を少しだけ変えてみませんか」ということです。例えば、朝少しだけ早く起きて、いつもとは違うニュース番組を見るのもよいでしょうし、通勤のときに通る道を、時々変えてみるのもよいかもしれません。きっと、何か新しい発見があるでしょう。環境が許す方ならば、犬を飼えば、散歩などで以前とは行動範囲が変わってきますし、それまでは気付かなかったペット商品に注意がいくようになるかもしれません。

習慣を変えるのは仕事のときでも構いません。これまで、週ごとにまとめてやっていた伝票処理を毎日行ったり、午後に訪問することが多かったお客様を午前中に訪問してみるなど、お客様や仕事の効率に支障が出ない限り、ちょっとした習慣を変えることで、新しい何かが見えてくると思います。

有名な画家のピカソは、一生の間に何回か作風を大きく変えています。彼は、初期に高い評価を受ける作風を完成させたにもかかわらず、ある段階でそれまでの自分の作風を壊して、全く新しい作風を再構築しました。

これは、固定観念を捨てて柔軟な視点を持てた人の一例だと思います。私たち普通の人であっても、こうした変化を求める意識を少しでも持つことで、新しいものが生み出せるのだと、私は信じています。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】豊臣秀長に学ぶ「支えてくれる人のありがたみ」

今日は、部下を持つ管理職の方々に集まってもらいました。本題に入る前に、まず皆さんにはお礼を言います。皆さんは日ごろ、自分が持っている業務で多忙な中、時間の合間を縫って部下の面倒をよく見てくれています。彼らがしっかりと仕事をこなせているのは、皆さんのおかげです。

ここから本題になりますが、一方で、皆さんに考えてほしいことがあります。それは、皆さんが部下を支えているだけでなく、皆さんも部下から支えられていることを意識してほしいのです。今日はそれを考えてもらうために、戦国時代の武将、豊臣秀長(とよとみひでなが)の話をします。

秀長は、天下を統一した豊臣秀吉の実の弟です。秀吉と同じく農民の出身だったといわれていますが、農民から織田家の家臣になった秀吉にスカウトされ、彼の下で働きます。秀長は、秀吉が明智光秀に勝利した山崎の戦いなど、負けられない重要な戦いに数多く関わっていて、そのたびに与えられた役割を着実にこなし、兄の勝利に貢献してきました。

秀長は秀吉をサポートする補佐役に徹していたため、兄に比べると目立ちませんでしたが、その温和な人柄で多くの人に好かれていて、諸大名と秀吉の間を取り持つ仲裁としての役割、秀吉が行き過ぎた際にいさめるストッパーとしての役割など、彼にしか果たせない仕事を数多くこなしていたようです。だからこそ、秀長が病死した後、豊臣家の雲行きは怪しくなっていきます。

秀長というストッパーを失った後の秀吉は、家臣に理不尽な切腹を命じる、中国侵攻をもくろんで諸大名に朝鮮出兵を命じるなどの失策が目立っていきます。もし秀長の死後に、秀長に代わる人材がいれば、豊臣家が徳川家康に天下を奪われることはなかったかもしれません。

私は、秀吉は秀長に対して、「弟だから支えて当たり前」という甘えもあったのではないかと推測します。もし秀吉が秀長の役割を、一人の部下として評価していたら、秀長亡き後に「第二の秀長」を育てようとしたのではないかと思います。

さて、仕事の話に戻りますが、改めて管理職の皆さんに考えてほしいのは、部下に対して「面倒を見てやっている」「何かをしてやっている」という思いばかりが先行し、彼らへの感謝を忘れてはいないか、ということです。皆さんがいてくれるから部下は仕事をこなせますが、部下の人たちも、ただ与えられた仕事だけをしているわけではありません。彼らもまた、皆さんの指示をさらにかみ砕いて、自分より若手の社員に伝えたり、目に見えないところで皆さんの雑務を引き受けてくれたりしています。そうした1つ1つの働きによって、会社は回っているのです。

私にとって管理職の皆さんはなくてはならない存在であるように、皆さんにとっても部下はかけがえのない存在なのです。私も含め、自分を支えてくれる人のありがたみをかみ締めて、改めて業務にまい進していきましょう。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

女性社員が活躍できる福利厚生!~女性の活躍推進は中小企業が飛躍するチャンス!!

書いてあること

  • 主な読者:女性社員の活躍推進に本格的に取り組もうと考えている経営者
  • 課題:重要性は感じているが、具体的に何から始めてよいのか分からない
  • 解決策:福利厚生に対するニーズを探り、法定基準に“ちょい足し”してみる

1 中小企業で活躍する女性社員は多い!

働き方改革やSDGsなどを背景に、「女性の活躍推進」が一つのテーマになっています。中小企業の経営者の本音は、

必要性は感じるが、何をしたらよいのか分からない

といったものかもしれませんが、実は中小企業では既に女性活躍が進んでいます。社員数が限られた中小企業では女性社員の割合が高くなり、役員や管理職として活躍している人も多いです。課長相当職で見ると、

  • 5000人以上の企業:7.5%
  • 10~29人の企業:18.2%

といったように、企業規模で大きな違いがあります(厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」)。中小企業では女性社員は貴重な戦力となっていて、経営者が意識せずとも、女性社員をサポートする制度や文化があるということでしょう。

そして、今は働き方改革やSDGsの波に乗り、この取り組みを進める好機です。そうすれば、

  • 貴重な戦力である女性社員が、結婚や出産などのライフイベントで離職せずに済む
  • 働き方改革やSDGsに積極的な企業としてアピールできる
  • 女性が働きやすい企業として認知されれば、新規の女性採用も進む(人材不足の解消)

といった効果が期待できるでしょう。もう一つ、この分野では中小企業の強みが発揮できます。女性の活躍推進の第一歩は福利厚生などの制度整備ですが、

フットワークが軽い中小企業では、経営者が「よし、やろう!」と指示すればスピーディーに実現できる

のです。

いかがですか。中小企業が女性の活躍推進に取り組むメリットは大きいことをご理解いただけたと思います。それでは、具体的な制度のアイデアなどを紹介していきます。

2 女性社員が喜ぶ福利厚生とは?

早速ですが、皆さんは女性社員がどのような福利厚生を求めていると思いますか? 労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査(2020年7月31日)」によると、10%以上の女性社員が「必要性が高い」と回答したのは次の制度・施策です。

(図表1)【「必要性が高い」と思う福利厚生】

(単位:%)

必要性が高いと思う制度・施策(複数回答) 女性 (A) 男性 (B) ギャップ (A-B)
人間ドック受診の補助 23.1 20.3 2.8
慶弔休暇制度 21.4 18.3 3.1
病気休暇制度(有給休暇以外) 20.3 16.3 4.0
病気休職制度 20.0 16.8 3.2
家賃補助や住宅手当の支給 18.6 19.1 -0.5
リフレッシュ休暇制度 17.9 13.8 4.1
治療と仕事の両立支援策 17.4 11.6 5.8
有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など) 17.4 12.5 4.9
法定を上回る育児休業・短時間制度 16.2 8.9 7.3
慶弔見舞金制度 15.5 13.3 2.2
短時間勤務制度 14.3 7.4 6.9
法定を上回る介護休業制度 12.4 7.9 4.5
食事手当 12.4 10.9 1.5
永年勤続表彰 11.8 10.5 1.3
財形貯蓄制度 11.7 11.2 0.5

(出所:労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査(2020年7月31日)」)

この調査によると、

  • 女性のニーズが最も高いのは「人間ドック受診の補助」で、23.1%が支持
  • 男女のギャップが最も大きいのは「法定を上回る育児休業・短時間制度」で、7.3ポイントの差

という結果が出ています。社員の環境(業種・社風・年齢・家族構成など)はもちろん、調査によっても結果は異なってくるでしょうが、男女ともに「健康」に対する関心が高いといえます。

また、詳細はこれから紹介していきますが、

法定基準に“ちょい足し”することや、制度の名称をユニークなものに変えること

で、オリジナリティーがあり、利用されやすい制度を実現できます。例えば、法定の育児休業の期間は「原則として、子が1歳(最長2歳)になるまで」ですが、ここに1年追加して「子が3歳になるまで」にしたりします。また、理由が趣味だと年次有給休暇(以下「年休」)を取得しにくいと考える社員がいる場合は、「推し活休暇」などの特別休暇を設けることで、取得のハードルを下げることができます。

法定の基準に“ちょい足し”した制度の例を6章にまとめているので、参考にしてください。

3 整備したい! 女性が活躍しやすくなる福利厚生5選

1)「時間のやりくり」がしやすい制度

妊娠・出産、育児については、産前・産後休業や育児休業が整備されています。しかし実際は、その後も保育園への送り迎えや子供が病気の際の通院など、就業時間中にちょっとした時間が必要です。このような場合に利用したいのが、

時間単位で付与できる年休

です。年休は原則として1日単位で付与しますが、社員の過半数代表(労働組合がない場合を想定しています)と書面で協定(労使協定)を結ぶことで、付与日数のうち5日までは1時間単位で付与できます。年休の管理は少し複雑になりますが、この制度があると、女性社員は親が出なくてはいけない保護者会やPTA活動などの突発的な用事に対応しやすくなります。

また、時短勤務制度も女性社員にとってうれしい制度です。法定では、3歳未満の子を養育する社員、要介護状態の家族を介護する社員が対象となりますが、この期間を延ばしたり、週の労働日を減らしたりすることが考えられます。保育園の送り迎えなどの定期的な用事に対応したい場合、時短勤務制度はとても便利です。

そして、これらの制度とリモートワークが同時に適用されると、かなり働き方が自由になりますので、検討したいところです。

2)「健康管理を支援」する制度

前述の調査でもあったように、「健康」は社員の関心が高い分野です。例えば、企業には年1回の定期健康診断の実施が義務付けられていますが、法律で決められた法定項目以外に「がん検診」などの受診項目も付け加えると、手厚い健康支援になります。ただし、法定項目以外の検診を行う場合は社員の同意が必要なので注意してください。

また、女性社員については、

生理痛、不妊治療、更年期障害などに配慮した制度

があると喜ばれます。個人差は大きいですが、20~60代まで多くの女性がこうした自身の体調の変化を感じながら仕事と両立をしています。不妊治療の支援については、一定の要件を満たすことで「両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)」の対象になるので、確認してみてください。

■厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14408.html

3)「家計をダイレクトにサポート」する制度

家計を預かることが多い女性社員にとって、家計をダイレクトにサポートしてくれる制度はうれしいものです。一般的な制度には、

家賃補助や住宅手当の支給

などがあります。資産形成という意味では、財形貯蓄や退職金(退職一時金、退職年金)もその一環となります。

また、少し視点が変わりますが、万一の備えとして生命保険に加入している社員は多く、一定の保険料を支払っています。この点、いわゆる「団体保険」の契約ができれば保険料は安くなるので、社員にとっては好ましいでしょう。ただ、団体保険の契約ができるのは一定規模以上の企業に限られるのが通常です。条件に該当しない場合は、社員を被保険者として、企業が保険料を負担するような制度を検討してみるのもよいかもしれません。

4)「居心地の良さに配慮」した設備

更衣室やトイレなどについて配慮するのも効果的です。更衣室が1つしかなくて皆が交代で使っていたり、トイレが男女共用だったりして、しかもそれが企業の中で当たり前となっている場合、本当は不満があっても口に出せない社員がいるかもしれません。逆にそこを企業がおもんばかって改善すれば、社員は喜んでくれるでしょう。

5)「プライベートも支援」する制度

女性社員の悩みは仕事のことだけにとどまりません。中には実家から離れた場所で暮らすことがあり、そうしたときに、女性社員の悩みを聞いてくれたり、家事をサポートしてくれたりする存在は心強いものでしょう。

例えば、株式会社ぴんぴんころりでは、「東京かあさん」の名称で、実家から離れて暮らす女性などをサポートするサービスを提供しています。単なる家事代行にとどまらず、「第2のお母さん」として、さまざまな相談に乗ってくれます。

■株式会社ぴんぴんころり■
https://kasan.tokyo/corp/

4 実際に聞いてみた、知っておきたい「女性社員の本音」

1)男性上司に申し出にくい……

女性特有の体調不良や不妊治療といったセンシティブなことは、そもそも他人には話しにくいものです。その相手が男性上司だとなおさらです。男性上司の立場からしても、申し出があった際に深く事情を聞いたり、体調面などについて踏み込んだりするのは気が引けます。

このようなときは、具体的な症状で休暇を申請するのではなく、「自分いたわり休暇」というような名称にして、詳細を伝えず申請できるようにすると取得しやすくなります。また、そうした休暇申請などを受け付ける部署に、女性社員を配置するのもよいでしょう。

2)制度はあるのに、職場の理解が追い付いていない……

女性社員が働きやすいようにと整備した制度が、逆に女性社員に肩身の狭い思いをさせてしてしまうことがあるようです。具体的には、

  • 産前・産後休業と育児休業を取得した後に時短勤務で復帰したが、そういう働き方をしているのが自分だけなので、何だか周りに申し訳ない
  • 自分が帰宅した後の会議で決まった内容をベースに仕事が進んでいて、疎外感を覚える

という意見がありました。

このように、女性社員の意思に反して仕事が制限されて、キャリアコースが変わってしまうことを「マミートラック」といいます。職場が女性社員に過剰に配慮したり、時間に制約があるという理由だけで能力に見合わない仕事を依頼されたり、昇進の機会をもらえなかったりすると、女性社員は働く意欲がなくなってしまいます。

女性社員は、制度を整備してくれる企業に期待しているだけに、マミートラックに陥ったときのショックは大きなものです。性別に限らず誰もがいつか制約を持って働く可能性があるということを、職場全体で理解していく必要があるでしょう。

3)一部の女性社員が優遇されて、そのしわ寄せを受けるのはおかしい!

一部の条件に該当する女性社員だけが利用できる制度の場合、利用できない社員からの不平不満が出やすいという本音もありました。例えば、

  • 時短勤務で帰った女性社員の業務を、自分が残業して代わりにやらなければならないのが不満だ
  • 結婚や出産をしていない自分は制度が利用できない。条件に該当する女性社員ばかりが優遇されているようで嫌だ
  • 自分たちの時代にこんな制度はなかったのに、今の人たちは恵まれている

といった声です。こうした不満を理解に変えていくためには、経営者が制度を導入する理由や背景を説明し、丁寧に対応していく必要があるでしょう。

5 制度を導入するステップ?就業規則の変更も忘れずに

1)制度の導入理由を明確にし、女性社員の声を聴く

「なぜ、その制度を導入するのか」「導入した結果、女性社員はもちろん、企業全体にどのようなメリットがあるのか?」を明確にしましょう。

女性社員の働きやすさを目的とした制度は、人材確保の観点からも有効です。制度があることで働き続ける女性社員が増えれば離職防止になりますし、そうしたことをアピールすれば人材採用にもつながります。

社内に周知する際は、

  • 定着率○○%を達成する
  • 利用率○○%を達成する

など、目標をできるだけ数値化すると伝わりやすいです。またその際は、女性社員の声を聴きましょう。そうすることでニーズをより具体的に知ることができますし、現状に不満を感じている社員のフォローにもつながります。

2)経営者が強いメッセージを伝える

女性の活躍推進に限ったことではなく、社員は自分にとって特段の不利益とならない内容であれば、割と聞き流してしまう傾向にあります。しかし、その状態で新しい制度を導入すると、その理由が理解されないまま運用が開始され、前述したような問題が起こりかねません。

そうならないためにも、制度を導入する理由はもちろん、

企業としてどのように成長していきたいのか

などを、経営者自身が自らの言葉で伝えることが大切です。この記事では「女性の活躍推進」ということで女性社員にフォーカスしてきましたが、今は男性社員の育児休業取得など、性別に関係なく両立支援を実現する時代です。経営者のメッセージによって、現場レベルでも相手に制度の利用を促すような風土を醸成していけたら理想的です。

3)就業規則を変更する

常時10人以上の社員を雇用している企業は、労働基準法に基づいて就業規則を定める義務があります。就業規則は職場のルールブックであり、賃金や休暇など、法律で決められた項目については必ず記載しなければなりません。

新たに女性の活躍推進のための制度を導入する場合、就業規則の変更が必要になるケースが多いでしょう。一度、就業規則を確認し、必要に応じて社会保険労務士に相談しながら変更の手続きをしてください。

基本的な流れは、次の通りです。

  • 変更について社員の過半数代表の意見を聞く(労働組合がない場合を想定しています)
  • 就業規則を変更して、所轄の労働基準監督署に届け出る
  • 変更した就業規則を社員に周知徹底する

6 法定基準に“ちょい足し”してオリジナルの福利厚生を作る!

最後に産前・産後休業や育児休業やなど法令で定められている制度に“ちょい足し”して、オリジナルの制度を作る例を紹介します。

(図表2)【女性社員が活躍しやすい制度の一覧】

内容 法令のルール ”ちょい足し”の例
休暇・休業
(注1)
産前・産後休業
(注2)
・妊娠・出産のために休む社員
・産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日まで休める
・産前56日、産後70日まで休める
育児休業 ・出生した子を養育する社員
・原則子の1歳(最長2歳)到達日まで休める(2022年10月以降、2回まで分割可)
・子の3歳到達日まで休める
介護休業 ・家族(一定の要介護状態、以下同じ)を介護する社員
・通算93日まで休める(3回まで分割可)
・通算1年間休める(6回まで分割可)
子の看護休暇 ・小学校就学前の子を看護する社員
・1年度1人当たり5日まで、2人以上は10日まで休める
・子が12歳になる年度の末日まで休める
介護休暇 ・家族を介護する社員
・1年度1人当たり5日まで、2人以上は10日まで休める
・1年度1人当たり6日まで、2人以上は12日まで休める(1分単位で取得可)
生理休暇 ・生理で就業が困難な社員
・就業可能になるまで休める
・半日単位で休める
・本来無給でもよいところ、取得日数のうち1日は有給とする
特別休暇(注3) ・育児目的休暇:配偶者出産への立ち会いや、子の行事参加などのために休める ・ワーク・ライフ・バランス休暇:年3日、家族とのふれあいや余暇などのために休める
労働時間
(注1)
育児時間 ・就業時間中に授乳などを行う必要がある社員
・休憩時間とは別に、1日30分以上×2回まで授乳などのための時間を確保できる
・育児時間の取得回数を1日3回までとする
所定外労働の制限 ・3歳未満の子を養育する社員、家族を介護する社員
・所定外労働を免除する
・子が小学校を卒業するまで所定外労働を免除する
時間外労働の制限 ・小学校就学前の子を養育する社員、家族を介護する社員
・1カ月24時間、1年150時間を超える時間外労働を免除する
・子が小学校を卒業するまで時間外労働を免除する
深夜業の制限 ・小学校就学前の子を養育する社員、家族を介護する社員
・深夜労働を免除する
・子の年齢に関係なく深夜労働を免除する
所定労働時間の短縮措置等 ・3歳未満の子を養育する社員、家族を介護する社員
・所定労働時間の短縮(原則1日6時間以内)、時差出勤、フレックスタイム制などの措置を実施する
・所定労働時間を1日6時間とし、週4日勤務とする
・午前のみの勤務または午後のみの勤務とする
社内設備 休憩室・休憩所の設置(食事、睡眠時など) ・全ての企業(有害業務のある企業は設置が義務、それ以外の企業は努力義務)
・休憩のための設備を設ける(設置数の定めや男女別の設置義務はなし)
・女性専用の休憩室(カプセルベッド付き)を設置する
休養室・休養所の設置(体調不良時) ・社員数50人以上または女性社員数30人以上の企業
・横になって休むことのできる休養室・休養所を男女別に設置する
・女性専用の休養室を設置する
女性用トイレの整備 ・女性を雇用する企業
・女性20人以内ごとに1個以上女性用トイレを設置する(社員数10人以下の場合は、独立個室型トイレに限り男女共用でも可)
・男女共用トイレをやめる
更衣室やシャワー設備の設置 ・被服が汚れる業務などを行う社員がいる企業
・更衣室やシャワー設備を設置する。安全とプライバシーに配慮する(設置数の定めや男女別の設置義務はなし)
・女性専用の更衣室を設置する

(出所:日本情報マート作成)

(注1)「休暇・休業」「労働時間」の各制度(法定)は、原則として要件を満たす社員が請求した場合に利用できます。なお、休暇・休業中の賃金を有給とするか無給とするかについては、企業が決められます
(注2)「産前・産後休業」のうち産後56日については、社員が働くことを希望しても休ませなければなりません(医師が認めた場合のみ、産後43日以降であれば就業可)
(注3)「特別休暇」は企業が独自に定める法定外の休暇ですが、一部助成金の受給に関係するものがあります。ここでは便宜上、「両立支援等助成金」の対象となる「育児目的休暇」を「法令のルール」の欄に記載しています。

以上(2022年9月)
(監修 社会保険労務士 志賀碧)

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画像:Monet-Adobe Stock


【朝礼】割り切り上手の「睡眠巧者」になろう!

皆さん、おはようございます。昨夜はぐっすり眠れましたか? 良い睡眠は心身を健康に保ち、仕事のパフォーマンスも高めます。適正な睡眠時間は「1日6時間半から7時間」ともいわれますので、目安にしてください。

かくいう私もよく寝ます。20〜30代の頃は、仕事でもプライベートでも徹夜をすることが多かったのですが、最近は違います。体力の衰えや時代の流れもありますが、それ以上に、寝るのがうまくなったのです。

私は自分を「睡眠巧者」と呼んでいますが、実は私の周りの経営者も睡眠巧者が多いのです。彼らは皆、共通したテクニックとマインドを持っています。テクニックは寝る前に水を飲み過ぎないようにしたり、リラックスしたりすることです。寝具にこだわるのも、その1つです。

ただ、肝となるのはマインドのほうです。それは、「なるようになる。今日は寝てしまおう!」と割り切る力です。仕事を放り出しているようで無責任に感じるかもしれませんが、考えてみてください。

ここ数年、本当に徹夜しなければならなかったり、徹夜とまではいかずとも、慢性的に睡眠時間を削られるほど忙しかったりする状況に陥った人はいますか?

今どき、そんな働き方を社員に強いる会社はほとんどないはずですし、実際にそうなっているなら、協力して改善すればよいことです。

仕事が忙しいという理由で睡眠不足になっている人がいたら、それは仕事の量というよりも、気持ちの問題かもしれません。「今やらないと間に合わないかも……」とダラダラ仕事を続けたり、一人では解決できない問題に悶々(もんもん)としたりしていませんか?

そんなときは、やるべきことを列挙し、遂行に必要な時間を計算してください。残業はしなければならないかもしれませんが、睡眠時間を削るほどではないはずです。

あるいは、問題を解決するために相談したい人を決め、次の日に時間をもらうことにしてください。これだけで気持ちが楽になります。
睡眠巧者はこうした割り切りが上手で、実際に睡眠時間を確保するため、仕事のパフォーマンスも高いのです。

ワーク・ライフ・バランスという考え方は、ワーク・ライフ・ブレンドに変わりつつあります。仕事とプライベートを分けずに混ぜ合わせる力は、今後、ますます皆さんに求められていくでしょう。混ぜ合わせることは分けるよりも難しいですが、奇麗に混ぜようとせず、良い意味でも割り切ってしまうずうずうしさも、時には必要なわけです。

けさは睡眠を例に話しましたが、混ぜ合わせたほうが楽しいことは他にもあります。奇麗に分けるのではなく、大胆に混ぜる。こんな物事の見方もあることを、覚えておいてください。

以上(2022年10月)

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画像:Mariko Mitsuda

【SDGs】(後編)中小企業がSDGsで「稼ぐ」ための3つのステージ

1 3つのステージのおさらい

このシリーズでは、中小企業がSDGsで利益を出すために必要な3つのステージを、2回にわたって紹介しています。3つのステージは次の通りです。

  • 第1ステージ:SDGsを知り、社内の活動を全てSDGsにひも付ける
  • 第2ステージ:SDGsに関する自社の強みと課題を明確にして活動方針を決める
  • 第3ステージ:SDGsに関する活動を社内業務の利益・社会貢献の発信に結びつける

前編では、第2ステージの途中までご説明しました。後編では、第2ステージの続きと第3ステージを解説するとともに、実際にSDGsで利益を得ている中小企業の成功事例をご紹介します。

2 第2ステージの続き:SDGsに関する自社の強みと課題を明確にして活動方針を決める

1)企業によるSDGsの4類型のおさらい

前編では、第2ステージで、企業によるSDGsを4類型に分類しました。おさらいになりますが、「社内での全社の活動(社内環境)」「社内での個人の活動(会社生活)」「社外での業務の活動(会社業務)」「社外での外部の活動(個人活動)」の4つです。そして、この中で、SDGsで「稼ぐ」ことの早期実現を目指すのであれば、資源を「社外での業務の活動(会社業務)」に集中させることをお勧めしました。

2)SDGs活動のプランニング

第2ステージの後半では、自社が行っている4類型のそれぞれの活動の中で、積極的に推進・発信していくべき活動の優先順位を決めます。それぞれの類型の活動は、次のような基準に基づいて優先順位を決めるとよいでしょう。

  • 「社内での全社の活動(社内環境)」:「働き方改革」にどれだけつながるのか
  • 「社内での個人の活動(会社生活)」:組織の一員としてどれだけ成長につながるのか
  • 「社外での業務の活動(会社業務)」:社会的な価値がどれだけあるのか
  • 「社外での外部の活動(個人活動)」:社会課題の解決にどれだけつながるのか

上記の基準に基づいて自社の活動方針が決まったら、いよいよ第3ステージに進みましょう。

3 第3ステージ:SDGsに関する活動を社内業務の利益・社会貢献の発信に結びつける

1)自社のSDGs活動を社内に浸透させる

第3ステージでまずやるべきことは、活動内容と活動方針を社内に浸透させることです。その際に注意するのが、

自社のSDGs活動の目的・目標・手段を明確にして、しっかりと伝えること

です。なぜなら、第1ステージで社内の活動を全てSDGsとひも付けしていますので、社員は既に自社ではSDGs活動を行っていると受け止めています。本来、ひも付けは自社の強みと課題を知り、今後の活動方針を決めるためのものなのですが、社員は、「もうSDGs活動は社内でできているので、それ以上しなくてもいいのではないか」と考えてしまいかねません。

ですが、SDGsとは文字通り、「持続可能」というゴールを目指すものですから、その活動に終わりはありません。活動の手段は、随時更新していく必要もあります。SDGsの目的・目標を明確にした上で、自社として何をすべきなのかを社員にしっかりと伝えましょう。例えば、リサイクル素材を使った製品を生産することを始めるのであれば、原材料の選定基準、営業方針、製造工程の見直しなど、具体的な取り組みまで明確にして伝えるとよいでしょう。

以下に掲載した会社方針は、前編でご紹介した作業工具製造のマルト長谷川工作所(新潟県三条市)が、社内閲覧用に配布した内部資料です。自社の活動をSDGsにひも付けしながら、今後の目指すべき方針をしっかりと示しています。同社では、この会社方針を載せた手帳を年頭に社員全員に配布することで、自社のSDGs活動の方針を社内に浸透させています。

マルト長谷川工作所

2)外部発信などによるSDGs活動の「見える化」

自社のSDGs活動の発信は、前編で述べた通り、企業イメージを良くすることはあっても、マイナスになることはまずありません。社内だけでなく、社外に対しても自社の活動をアピールする絶好の機会となりますので、自社のウェブサイトなどに積極的に掲載しましょう。その際は、

自社が「できていること」だけでなく、「できていないこと」もアピールすべき

です。自社の強みとなっている社外での業務の活動(会社業務)であれば、その事業が社会的な価値を高め続けていることを宣伝できます。逆に、自社ができていないことであっても、「このような課題解決に取り組んでいます」という姿勢を伝えることができます。

アピールするものは、新たな活動もあれば、既存の活動をSDGsに置き換えたものでも構いません(前編のマルト長谷川工作所のウェブサイトが参考になります)。積極的に「見える化」しましょう。求人戦略や営業活動に反映させるなど、活用方法はさまざまあります。

4 SDGsで「稼ぐ」成功事例

それでは、前編の冒頭でも触れた、私たちがコンサルティングをさせていただき、実際にSDGsで利益やメリットを得ている中小企業の成功事例について紹介します。

1)「売り上げのうち1円を地元の自治体に寄付します」と表示、売り上げ増加

山谷産業(新潟県三条市)は、「村の鍛冶屋」というブランドでキャンプ・アウトドア用品などを製造販売しています。中でも最も売り上げのある主力商品は、テントを張る際に地中に打ち込む杭(くい)の「鍛造ペグ」です。同社の経営戦略は「地域と共に歩んでいく。」です。

自然や環境に関連する事業ということもあり、同社の事業内容をSDGsにどう置き換えていくのかがテーマになりました。そこで、同社はウェブサイトで、鍛造ペグが1本売れるごとに1円を三条市に寄付することを決めて発信したところ、最高売り上げ本数を更新しました。キャンプ用品としてのブランド化にも貢献しています。

企業によるSDGsの4類型を基に自社の取り組みを掲載した山谷産業のウェブサイト

2)工場などにSDGsの取り組みを掲示しSNSなどで発信、小中高校の工場見学が殺到

これまでもご紹介しているマルト長谷川工作所ですが、同社の工場見学への参加を希望する、新潟県内の小・中・高校および大学からの問い合わせが殺到しています。その理由は、工場見学の順路ごとに、同社のSDGs活動を掲示していることです。

同社がSNSなどで発信したことで広く知られるようになり、コロナ禍で修学旅行などの制限もある中で、地域のSDGs学習の教材として活用される存在になりました。新聞をはじめとするマスコミにも取り上げられ、PR効果は十分得られています。

同社は環境問題や社会貢献に敏感な欧州に進出していることもあり、以前から社会貢献などに取り組んでいましたが、本格的にSDGsに取り組んだのは、創業100周年に向けて2020年にSDGsプロジェクトを立ち上げたことがきっかけでした。その際に、活動内容について大まかに「見える化」したものが、次のマンダラシートです。

自社のSDGs活動を「見える化」したマルト長谷川工作所のマンダラシート

このシートに基づき、次の5つのテーマを掲げたのです。工場見学はこの5番目のテーマに基づいています。

  • 技術改善:MPI(Maruto Product Innovation)活動と称した社内一貫生産による改善
  • 教育・雇用:人材を「人財」に、ディーセントワークを推進する心技体の社員づくり
  • 健康:企業の発展に繋がる会社と従業員が一体となる健康推進
  • 環境:働く人の意欲・能力が発揮できる環境づくりと、地球環境の保全と資源の保護に貢献・配慮した素材や設備を取り入れた活動
  • 社会貢献:地域の雇用や地域活性化に資する新たなビジネス機会を創出し、地域行事への積極的な参画や、社会科見学の受入れを通じて地域社会に貢献

3)SDGsに関する県の認定登録や自社の取り組みをウェブサイトでPR、引き合い増加

長谷川興産(新潟県三条市)は、土木・建築・舗装などの工事全般や建設資材販売などを行っています。同社の課題は、いわゆる“3K”と呼ばれる業界全体に共通している、慢性的な人手不足です。特に20代前半の若者離れは深刻です。そこで同社は、SDGsの良いイメージを利用することにして、自社のウェブサイトを、SDGsを前面に押し出したものに一新しました。

自社のウェブサイトでSDGsへの取り組みをPRする長谷川興産

同社が目を付けたのが、新潟県が行っているSDGsに関する企業認定の制度です。新潟県が2022年から始めたSDGs推進建設企業登録制度に登録し、自社のウェブサイトに登録証を掲載しています。

各自治体や団体などが行っている、SDGsに関する企業認定の制度は多数あります。「公的なお墨付き」といえるものですから、信頼性を与えるには格好の材料といえますので、利用しない手はありません。同社ではウェブサイトに、にいがた健康経営推進企業、ハッピー・パートナー企業(新潟県男女共同参画推進企業)の登録証も掲載し、働きやすい環境が整っているというイメージアップを図っています。

ウェブサイトを一新した効果は大きく、SDGsと関連させながら自社の本来の業務の姿を発信することで、求人の問い合わせや大手企業からの引き合いが増えたといいます。

5 SDGsによって広がる企業の可能性

最後に、中小企業のSDGs活動において、最も大切なものは何かをお話しします。

SDGsの活用によって広がる可能性

どの企業にも課題はあるはずですが、前章で成功事例を紹介した3社も、SDGsに取り組む前からそれぞれの課題を持っていました。ですが、その課題を明確に認識し、解決のための実施方針を決めるのは簡単はありません。

3社はいずれも、SDGsについて知り、社内の活動にひも付けを行うことで、経済・社会・環境に関する自社の課題と強みが明確になりました。そして、課題に対する解決と、自社の強みを伸ばすための実施方針や施策をベースに、企業の経営デザインを行うことができたのです。ただし、SDGsは、全てを委ねる対象ではなく、

SDGsというフィルターを通して、企業価値を持続的に引き上げる1つのツール

だと思います。

企業がさまざまな強みを持っている中で、新たにSDGsという強みを加えれば、SDGsが必要になったときにその強みを活かすことができます。ただし、SDGsという強みを発揮できるフィールドは、どんどんと広がっています。まだSDGsという強みは多くの中小企業が持っているわけではないので、現時点では先行者利益的な意味合いにもなるのではないでしょうか。

持続可能な企業とは、ビジネスを通して社会や環境に良い影響を与えることで、商売繁盛へとつなげていく企業のことです。これからの企業間の市場競争は、経済価値と社会価値の両方によって行われ、製品やサービスを取引する際の判断基準として重視されていくようになります。

最適なSDGs活動を通して、企業価値を高めましょう。

以上(2022年9月)

【著者紹介】
井上浩仁(いのうえ ひろひと)

NAコンサルティンググループ代表 https://na-consulting-group.jp/
著者画像1
【働く人の安全と健康をモットーに社会に還元奉仕する】を信条とし、ワークライフバランスの実現をはじめとするホワイト企業戦略に基づくSDGs経営・健康経営・業務効率化・人事評価制度構築・安全衛生・ハラスメント対策など多様な従業員の環境づくりと人的資本コンサルティングにおける企業の目指す目的に沿った中長期的な人財デザインを行っている。県内外中小企業・各商工会議所・経済団体・学校などの共催セミナーなども開催しており、社会で輝く人財づくりに尽力している。

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画像:shutterstock-brutto film