海外販路開拓の秘訣 ~成功を目指す3ステップ~

書いてあること

  • 主な読者:海外で販路開拓をしたい経営者
  • 課題:低いリスクと少ないリソースで、海外での収益を安定させたい
  • 解決策:頼れる代理店・販売店を獲得し、海外進出のステップごとに戦術を変える

1 たった1回の取引で満足してはいけない

筆者は、これまでに300社ほどの中小企業の海外進出を支援し、2万回ほどの商談をアレンジしてきました。また、筆者自身も海外でバイヤーを多数開拓してきました。その経験から申しますと、「単発の取引ができた」だけで、海外進出に成功したと満足している経営者が少なくありませんが、これはもったいないことです。

海外進出をするのであれば、海外販売で継続的に収益が増える状態、つまり「実現性、再現性、継続性、拡張性」の4点をカバーしたいものです。具体的には、

年間に十数回の取引を行い、年間売上で合計5000万~1億円

を目標として掲げ、実際にこの規模のビジネスを回すための資金や仕入れルートの確保、生産や物流体制の整備も進めることが重要になります。

この記事では、海外で販路開拓をしたい中小企業のために、

低いリスクと少ないリソースでも海外での収益を安定、成長させるためのステップ

を解説します。皆さまが海外進出する際の参考になれば幸いです。

2 ニーズが全て! マッチし続ける国・地域を探す

海外進出を成功させるには、何といってもニーズが継続的にあるマーケットを見つけることです。そのためには、以下のいずれか、または両方をするしかありません。

  • マーケットマッチしている市場を見つける
  • マーケットマッチするために変化・順応する

1.は、あらゆる国・地域に営業し、ニーズがマッチする市場を探すことです。2.は、例えば商品や商品の売り方、売る値段を変えて、販売先のニーズに合わせて自社が対応することです。イメージは下の図の通りです。

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3 ポイントは生産・物流体制、展開手法、進出形態の選択

海外進出を成功させるために重要なのが、

生産・物流体制、展開手法、進出形態

の検討と整備です。海外進出の過程ごとに、これらの組み合わせを変えていくことがポイントです。

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1)生産・物流体制

生産・物流体制とは、「どこから」「どこに送るのか」「誰が送るのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 直接貿易:メーカー(もしくは母国で仕入れた企業)が直接的に輸出する方法
  • 消費地生産:メーカーが販売先で生産して販売する方法
  • 三国間貿易:母国ではない国で生産したものを仕入れて輸出する方法

理想的なのは、関税やコストを圧迫する物流費が少ない消費地生産です。

2)展開手法

展開手法とは、「誰が誰に販売するのか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 多くの企業が行っている「BtoB」といわれる代理店・販売店取引
  • 越境EC
  • 消費地で運営する自社のEC

最初からマーケティング費用の全てを負担することになる自社のECは、なかなか難しいというのが実情です。

3)進出形態

進出形態とは、「誰が役務提供者になるか」ということです。大きく分けると、次の3つのチャネルがあります。

  • 駐在員事務所・支店
  • 現地法人
  • 日本法人

主な違いは、駐在員事務所・支店は法人口座を持たず、現地法人は法人口座を持つことです。

4 海外で売上を伸ばしていくまでのステップ

海外進出を拡張させていくための過程で、各項目のチャネルを組み合わせていく理想的なステップについて、具体的にお伝えしていきます。

1)ステップ1:少ないリソースから始める(代理店・販売店の活用)

日本企業が海外進出を行う際の大きな課題は、さまざまなリソースが限られていることです。この課題の解決は困難ですので、少ないリソースから始め、失敗した場合の影響を最小限にする必要があります。

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最もリソースが必要となるのはマーケティングです。これについては、自社で全て行おうとせず、一部の販売役務を海外企業に担ってもらいます。展開手法は現地の代理店や販売店に任せるとよいでしょう。

日本企業が海外の消費者に販売するには多くの広告費がかかりますが、広告費自体は、一定の期間と情報があれば最適化され、より低価格になっていくと思います。ですが、情報の収集も自社で対応しようとすると、相当なリソースを割かなければならず、現実的ではありません。

2)ステップ2:ターゲット国・地域に対する最適化を進める(販売を自社でフォロー)

ステップ1を複数国で展開すると、どこの国・地域で販売できるかが、ある程度分かってきます。また、海外の販売代理店からも、「なぜ売れる?」「なぜ売れない?」という情報が入ってきます。ステップ1である程度満足できる売れ行きだった国・地域に注目し、次のステップに進みます。

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理想は現地法人を設立し、現地に生産体制を確立して生産および販売やフォローを行うことですが、これには多くの費用や工数がかかります。製造プロセスを大きく変更することもリスクです。このリスクを踏まえ、筆者がお勧めするのが上のステップ2なのです。

生産・物流体制では、ターゲット国・地域の近隣に位置し、輸出入の関税が削減できそうで、日本での販売のための生産も可能そうなエリアで生産を委託します。また、進出形態では、駐在員事務所・支店を開設して、販売をフォローします。この方法だと、情報が把握でき、ある程度売れると分かっている対象国に向けて、適切に最適化していくことができます。

3)ステップ3:ターゲット国・地域に対する最適化の最終形態(事業活動の現地化)

ステップ2まで進むと、販売を増やすには「どういう消費者に」「どのようなアプローチで」「どの程度のコストをかけるべきか」が分かってきます。その上で、生産を消費地に移して物流費用を最小化させ、消費地で自社ECを展開して、オンライン上からも的確なアプローチを行えるようにします。

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ステップ1、ステップ2を通過して自社ECを展開すると、情報の質・量が格段に上がってきますので、優位にビジネスを進めることができるでしょう。また、現地法人を持つことで経営の自由度が高くなります。まさに、「海外進出が成功した」状態になったといえます。

5 まとめ:「海外の代理店・販売店探し」のための商談を

リソースが限られた中小企業が海外進出を成功させる術は、ステップごとに進化させ、リスクを管理しながら進めていくことです。

この記事を読まれた方には、まずは海外企業と多く商談し、現地で販売を担ってもらう代理店・販売店の契約を獲得していくことを強くお勧めします。海外企業と商談する方法は、多岐にわたって存在します。

弊社でも、2万回以上の商談機会を設けた「セカイコネクト」というツールを運営しておりますが、今後はインターネット上で海外企業と商談することが、より当たり前になっていくと思います。

以上(2022年7月)
(執筆 COUXU株式会社 代表取締役 大村晶彦)

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画像:Travel mania-shutterstock

男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

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男性の育児休業取得に関する各種制度のご案内

育児・介護休業法の改正により、今年の10月から、育児休業の2回までの分割取得と、産後パパ育休(出生時育児休業)の制度が施行されます。そこで本稿では、法改正に伴い変更される育児休業期間中の保険料免除制度などを概説し、併せて活用が期待される両立支援等助成金について、ご案内します。

1 育児休業期間中の保険料免除制度など(赤線部令和4年10月1日施行)

◇社会保険料の免除【社会保険】

社会保険料の免除【社会保険】

◇育児休業給付金【雇用保険】

育児休業給付金【雇用保険】

2 両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)の概要

◇男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

男性労働者が育児休業を取得した場合(第1種)

◇男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合(第2種)

3 さいごに

大手ハウスメーカーが実施した調査によれば、就職活動中の20代男性の過半数が、男性の育児休業制度や取り組みの有無は「就職活動に影響する」と回答しているようです。このことからも男性の育児休業推進は、企業イメージの向上や人材確保にも寄与するものと期待されています。法改正への対応を契機に、助成金を活用しながら、男性従業員が育児休業を取得しやすい環境整備・風土醸成に取り組んでみてはいかがでしょうか。

※本内容は2022年6月13日時点での内容です

(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)

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画像:photo-ac

事業承継で何を引き継ぐのか 中小企業の経営者が知っておくべきこと

近年、中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化がすすむなかで、事業承継は重要な経営課題になっているが、どのように準備をしたらよいのか、漠然としている部分もあるだろう。ここでは、事業承継とは何か、何を誰に引き継ぐのか等、中小企業の経営者が知っておきたい事業承継について全3回で解説していく。

(日本法令ビジネスガイドより)
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【朝礼】お客さまの数だけ“ニーズ”がある

先日、連休を使って実家に帰った際、父と母と3人で東京都八王子市にある高尾山にハイキングに行きました。今日は、その高尾山で感じたことを皆さんにお話ししたいと思います。

私が普段あまりハイキングをしないということもあるのでしょうが、高尾山の麓に到着したとき、私はまず人の多さに驚きました。最寄り駅からすでに人だかりができて、山に入るのも一苦労。登山者も、父や母よりはるかに年上の方、子連れの外国人の方、ベビーカーを押す赤ちゃん連れの夫婦などさまざまでした。

後から調べてみると、高尾山の登山者数は年間約300万人で、登山者数が世界一の山といわれているそうです。なぜ、それだけ人気があるのか。理由は色々と考えられるでしょうが、私は「人によってさまざまな楽しみ方ができる山だからではないか」と思いました。

例えば、山の麓から中腹までは、大人数乗りのケーブルカーと2人乗りのリフトが通っています。どちらも山の景色をゆっくり楽しめますが、ケーブルカーは急勾配の斜面に敷かれた線路がまるでジェットコースターのようで、小学生ぐらいの子どもが大はしゃぎしていました。一方、リフトのほうは帰りに乗りましたが、2人乗りでゆったりとくつろげるため、夫婦やカップルの人たちが多く利用していました。また、からだ全体で風を受けるのがとても心地よく、汗をかいた後で乗ったときの気分は爽快でした。

高尾山は、緑がきれいな山ですが、一方で、修験道(しゅげんどう)の山としても知られています。登山道の途中には修験道となじみの深いてんぐの像があり、外国人の方などが興味深く見ていました。また、高尾山の山頂付近には名物のとろろそばが食べられるお店があり、登頂の達成感と一緒にそばを味わうこともできました。

つまり、一言で「ハイキング」といっても、その中に景色、乗り物、歴史、グルメなどさまざまな楽しみがありました。そこで、ふと思ったのは、「私たちは、日ごろ商品やサービスを提供する際、お客さまの“ニーズ”を勝手に決めつけていないか」ということです。

通常、商品やサービスには、象徴的なユーザーである「ペルソナ」がいて、私たちはそのペルソナに商品やサービスを使ってもらえるよう工夫します。これはマーケティングの基本ですが、一方で私は最近、会社から提示されたペルソナにとらわれすぎて、自分でお客さまそれぞれのニーズを推し量ることをしていないように思います。

高尾山にさまざまな楽しみ方があるように、お客さまが商品やサービスに求めるニーズは、細かく見ていけば一人ひとり異なります。ペルソナを押さえるのは大事ですが、「この商品・サービスは○○のために使うものだ」と決めつけず、お客さまのさまざまなニーズを推量し、「あんなケースでも、こんなケースでも使える」と提案できるようになりたいと思った今日このごろです。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

時代に合わせ、三度の業種・業態変更で成長。ミモザ藤田社長に聞く、変化を生み出しチャレンジし続ける秘訣。

藤田淳一(ふじた じゅんいち)

プロフィール
株式会社ミモザホールディングス代表取締役社長。インターネットショップ運営などを手がける株式会社ミモザ情報システム、株式会社ベクルックスの代表も務める。

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常に次を見据えて事業を拡大

―― 本日はよろしくお願いします。はじめに改めて事業内容を教えてください。

インターネットを使ったビジネスをしています。ホールディングス化していて、ミモザ情報システムでは対企業、ベクルックスでは対個人と、お客様によって会社を分けています。

事業としてはインターネットショップの運営が中心です。ソフトウェア系と事務系に分けて、13ショップを運営しています。特徴は、「1メーカー1ショップ」にしていること。運営側としては、さまざまなメーカーの商品と取り扱う総合ショップの方が運営しやすいのですが、お客様からすると分かりにくい。そのためショップを分けて、お客様の使いやすさにこだわっています。加えて強みをつくるために、大手ネットショップではなかなか手が届かない、商品知識や業務知識など、専門性の高い発信を強化しています。

加えて、対企業においてはネットショップをご利用いただいている全国のお客様から、システム案件も受注しています。商材である財務会計や給与計算のソフトの導入や、バージョンアップのお手伝いなどです。顧客リストは全国14万社。中小企業を中心に、多業種にサービスを展開しています。

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―― 今の事業に到るまで、業種や業態を変えてきたと伺っています。創業からこれまでの沿革を教えてください。

創業は29年前、ちょうどWindows95が出た頃のことです。データ入力とパソコンの訪問販売の事業から始まりました。私は大学卒業後企業に入社し、データ入力などの仕事をしていましたが、自分でやりたいという思いがあり独立したのです。

しかし、しばらくやってみると、データ入力とパソコンの訪問販売は人海戦術となる上に単価が安く、継続が厳しいと感じました。
目をつけたのは財務会計や給与計算などの業務ソフト。業務ソフトであればさまざまなジャンルがあり、導入する際に業務知識も必要なので、サポートが必要とされるだろうと考えたのです。これが当たって、売り上げが伸びました。その段階で社員を採用し、徐々に組織ができました。

ただ業界が伸びると競合他社も爆増。次の事業を作る必要を感じていました。さまざまな事業を試してみる中で、現在のネットショップ事業にたどり着いたのです。ミモザは常に変化してきた会社と言えるのではないかと思います。

現状維持=右肩下がり。ルールの範囲で常にチャレンジを

―― ミモザグループでも、「変化する社会の動きを的確に捉え、求められるサービスを創造する」ことを経営理念に置かれていますよね。積極的にチャレンジし変化することに対して、どんな思いをお持ちですか?

現状維持=右肩下がりでしかないという怖さがあります。もっと会社を大きくしたいと考えているので、現状に満足していません。

例えば同時期に起業した人が成功しているのを見れば、「なんで彼にできて俺にできないんだろう」と思う。負けん気ですよね。上には上がいますし、相手は勝負している気なんてないでしょう。自分で勝手に勝負をしているだけですが、常に上を目指しています。

―― チャレンジに対する怖さはありませんか?

チャレンジのほとんどは失敗しますよ。ただ怖さはありません。今も昔も変わらず、失敗しても元に戻れるならやろうと考えているのです。例えば、1,000万投資して売り上げがゼロでも、始める前のかたちに戻れるならやろう、と。

―― チャレンジのルールを決めていらっしゃるのですね。

そうです。思いついたらある程度検討して、まずやってみます。他に大事にしているのは撤退ラインを決めることです。始める前に、いつまでにどれくらいの成果が出なかったらやめる、と決めています。

それから、思いつけばなんでもいいというわけではなく、これまで成功してきた「インターネット」「中小企業」というキーワードの中で事業をすることにしています。今の事業に全く関係のない飛び地での事業はリスクが大きい。今後を見据え、地続きの領域で事業を展開したいと考えています。

ビジネス・リポートONLINEで事業検討と社員教育

―― 日経トップリーダー経営者クラブでは、サービスの一環として豊富なビジネス情報を蓄積した「ビジネス・リポートONLINE」をご提供しています。藤田さんは「ビジネス・リポートONLINE」のヘビーユーザーのようですが、どのようにご活用いただいていますか?

まず、自分自身の勉強のために見ています。例えば、税制や社会保険制度の改正などがあった際、ビジネス・リポートONLINEにはポイントをまとめた記事がアップされます。それを読んで、自分が得ている情報に漏れがないか確認するようにしています。新聞の見出しのように記事のタイトルを見て情報を把握し、漏れがあった場合は記事を詳しく読み、自分でも追加で調べるようにしています。新しいことを常に考えているので、新規事業のタネになるかなど、さまざまな視点で幅広い分野の記事を読みますね。

あとは、記事をダウンロードして社員に毎日配信しています。例えば、会計・税務分野の記事を経理担当の社員に「この部分を詳しく理解してほしい」と個別に伝えることもあります。社員も読んでくれているようで、前後編に分かれている記事が出た際は、社員から「後編の配信はまだですか?」と聞かれることもありました。経営者仲間にも勧めています。

新入社員向けの記事はよくありますが、中堅、役員などそれ以外の年代や、担当業務別の情報があるとさらに嬉しいです。

社員の想いから変化が生まれる組織に

―― ありがとうございます。営業など業務別の記事の配信を増やしていく予定なので、ぜひご確認ください。最後に、今後の展望について教えてください。

今後は、事業拡大が目標ですね。今はありがたいことに経営が安定し、チャレンジできる幅が広がりました。大きく売上を上げられるような新規事業を作りたいと考えています。ただ、ホームランは狙って打てるものではありません。ヒットをコツコツ積み重ねる中から、ホームランが生まれればいいと思っています。

課題は、ヒト・モノ・カネとそれぞれありますが、中でも特に人です。20代〜40代まで多様な年代の社員がいる中で、一人ひとりの考え方はもちろん違いますし、ジェネレーションギャップもあります。それをどう乗り越えて会社を運営していくかが難しいところです。自分の根底にある、変化を好む、チャレンジをしていく想いは変えるつもりはありません。でも、変化量やチャレンジ幅は人に合わせて調整しなければならないと感じています。

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今は全てトップダウンで決定しており、それも悪くないとは思っています。ただ、もっといろいろな部署からさまざまな想いが上がってきて、新しい変化を生み出せるようになるとより良いですね。今は、社員が一生懸命やっていることが褒められるのが一番嬉しいです。仕事とプライベートの区別はつけながら、透明性を保って会社としてチャレンジしていきたいです。

以上(2022年6月)

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時代に合わせ、三度の業種・業態変更で成長。ミモザ藤田社長に聞く、変化を生み出しチャレンジし続ける秘訣。

藤田淳一(ふじた じゅんいち)

プロフィール
株式会社ミモザホールディングス代表取締役社長。インターネットショップ運営などを手がける株式会社ミモザ情報システム、株式会社ベクルックスの代表も務める。

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常に次を見据えて事業を拡大

―― 本日はよろしくお願いします。はじめに改めて事業内容を教えてください。

インターネットを使ったビジネスをしています。ホールディングス化していて、ミモザ情報システムでは対企業、ベクルックスでは対個人と、お客様によって会社を分けています。

事業としてはインターネットショップの運営が中心です。ソフトウェア系と事務系に分けて、13ショップを運営しています。特徴は、「1メーカー1ショップ」にしていること。運営側としては、さまざまなメーカーの商品と取り扱う総合ショップの方が運営しやすいのですが、お客様からすると分かりにくい。そのためショップを分けて、お客様の使いやすさにこだわっています。加えて強みをつくるために、大手ネットショップではなかなか手が届かない、商品知識や業務知識など、専門性の高い発信を強化しています。

加えて、対企業においてはネットショップをご利用いただいている全国のお客様から、システム案件も受注しています。商材である財務会計や給与計算のソフトの導入や、バージョンアップのお手伝いなどです。顧客リストは全国14万社。中小企業を中心に、多業種にサービスを展開しています。

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―― 今の事業に到るまで、業種や業態を変えてきたと伺っています。創業からこれまでの沿革を教えてください。

創業は29年前、ちょうどWindows95が出た頃のことです。データ入力とパソコンの訪問販売の事業から始まりました。私は大学卒業後企業に入社し、データ入力などの仕事をしていましたが、自分でやりたいという思いがあり独立したのです。

しかし、しばらくやってみると、データ入力とパソコンの訪問販売は人海戦術となる上に単価が安く、継続が厳しいと感じました。
目をつけたのは財務会計や給与計算などの業務ソフト。業務ソフトであればさまざまなジャンルがあり、導入する際に業務知識も必要なので、サポートが必要とされるだろうと考えたのです。これが当たって、売り上げが伸びました。その段階で社員を採用し、徐々に組織ができました。

ただ業界が伸びると競合他社も爆増。次の事業を作る必要を感じていました。さまざまな事業を試してみる中で、現在のネットショップ事業にたどり着いたのです。ミモザは常に変化してきた会社と言えるのではないかと思います。

現状維持=右肩下がり。ルールの範囲で常にチャレンジを

―― ミモザグループでも、「変化する社会の動きを的確に捉え、求められるサービスを創造する」ことを経営理念に置かれていますよね。積極的にチャレンジし変化することに対して、どんな思いをお持ちですか?

現状維持=右肩下がりでしかないという怖さがあります。もっと会社を大きくしたいと考えているので、現状に満足していません。

例えば同時期に起業した人が成功しているのを見れば、「なんで彼にできて俺にできないんだろう」と思う。負けん気ですよね。上には上がいますし、相手は勝負している気なんてないでしょう。自分で勝手に勝負をしているだけですが、常に上を目指しています。

―― チャレンジに対する怖さはありませんか?

チャレンジのほとんどは失敗しますよ。ただ怖さはありません。今も昔も変わらず、失敗しても元に戻れるならやろうと考えているのです。例えば、1,000万投資して売り上げがゼロでも、始める前のかたちに戻れるならやろう、と。

―― チャレンジのルールを決めていらっしゃるのですね。

そうです。思いついたらある程度検討して、まずやってみます。他に大事にしているのは撤退ラインを決めることです。始める前に、いつまでにどれくらいの成果が出なかったらやめる、と決めています。

それから、思いつけばなんでもいいというわけではなく、これまで成功してきた「インターネット」「中小企業」というキーワードの中で事業をすることにしています。今の事業に全く関係のない飛び地での事業はリスクが大きい。今後を見据え、地続きの領域で事業を展開したいと考えています。

ビジネス・リポートONLINEで事業検討と社員教育

―― 日経トップリーダー経営者クラブでは、サービスの一環として豊富なビジネス情報を蓄積した「ビジネス・リポートONLINE」をご提供しています。藤田さんは「ビジネス・リポートONLINE」のヘビーユーザーのようですが、どのようにご活用いただいていますか?

まず、自分自身の勉強のために見ています。例えば、税制や社会保険制度の改正などがあった際、ビジネス・リポートONLINEにはポイントをまとめた記事がアップされます。それを読んで、自分が得ている情報に漏れがないか確認するようにしています。新聞の見出しのように記事のタイトルを見て情報を把握し、漏れがあった場合は記事を詳しく読み、自分でも追加で調べるようにしています。新しいことを常に考えているので、新規事業のタネになるかなど、さまざまな視点で幅広い分野の記事を読みますね。

あとは、記事をダウンロードして社員に毎日配信しています。例えば、会計・税務分野の記事を経理担当の社員に「この部分を詳しく理解してほしい」と個別に伝えることもあります。社員も読んでくれているようで、前後編に分かれている記事が出た際は、社員から「後編の配信はまだですか?」と聞かれることもありました。経営者仲間にも勧めています。

新入社員向けの記事はよくありますが、中堅、役員などそれ以外の年代や、担当業務別の情報があるとさらに嬉しいです。

社員の想いから変化が生まれる組織に

―― ありがとうございます。営業など業務別の記事の配信を増やしていく予定なので、ぜひご確認ください。最後に、今後の展望について教えてください。

今後は、事業拡大が目標ですね。今はありがたいことに経営が安定し、チャレンジできる幅が広がりました。大きく売上を上げられるような新規事業を作りたいと考えています。ただ、ホームランは狙って打てるものではありません。ヒットをコツコツ積み重ねる中から、ホームランが生まれればいいと思っています。

課題は、ヒト・モノ・カネとそれぞれありますが、中でも特に人です。20代〜40代まで多様な年代の社員がいる中で、一人ひとりの考え方はもちろん違いますし、ジェネレーションギャップもあります。それをどう乗り越えて会社を運営していくかが難しいところです。自分の根底にある、変化を好む、チャレンジをしていく想いは変えるつもりはありません。でも、変化量やチャレンジ幅は人に合わせて調整しなければならないと感じています。

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今は全てトップダウンで決定しており、それも悪くないとは思っています。ただ、もっといろいろな部署からさまざまな想いが上がってきて、新しい変化を生み出せるようになるとより良いですね。今は、社員が一生懸命やっていることが褒められるのが一番嬉しいです。仕事とプライベートの区別はつけながら、透明性を保って会社としてチャレンジしていきたいです。

以上(2022年6月)

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【営業最強フレーズ集】ヒアリング編1「同業他社から○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?」

書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

同業他社から○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?

相手のニーズは、相手も分からない

営業活動で最も大切で、最も難しいのは「相手のニーズを知る」ことです。そもそも相手が自身のニーズに気付いていないことも多く、特に営業の初回では、相手は警戒もしています。そこで初回のヒアリングでどのように質問するかがとても重要になってきます。

相手が初めての営業を受ける目的は、大きく分けて次の4つになります。

  • 本当に導入を検討している
  • 情報を収集しておきたい
  • つながりだけを持っておきたい
  • 時間潰し

相手の目的が1.であれば、アプローチの段階である程度提案の道筋が見えているため、問題ありませんが、こうしたケースはまれです。営業担当としては、上の2.~4.を目的としている相手と信頼関係を築く必要があり、ここが腕の見せ所です。

「相談される人」を目指す

初回は、相手にとってのあなたは、「飛び込み営業に来たうちの1人」にすぎません。そこから、「何かあったときに相談したい特別な人」にレベルアップすることで、ニーズが顕在化したときに、「あの営業担当者に頼んでみよう」となる可能性があります。

そうした関係構築に効果的なのが、今回の営業最強フレーズです。

「同業他社から最近こういう課題を聞いた」など、相手にとっての競合や顧客など「ビジネスにつながる情報」を提供することで、相手に「この営業担当者は業界全体や同業他社、顧客の動向に明るい『事情通』だ。つながっておく価値がある」と認識してもらうのです。

「もしかしたら感」を感じてもらう

今回の営業フレーズには、「相手にニーズを気付かせる」という意味もあります。

最初は、相手はそもそも自身のニーズに気付いていないことがほとんどです。同業他社や相手にとっての顧客の事例がヒントとなって、「うちも何かしたほうがよいのでは?」と感じてもらえれば、そこからニーズが顕在化していくことも珍しくありません。

相手がヒントと感じやすいテーマは、「競合他社との差異化・同質化」「相手にとっての顧客のニーズや変化」「売り上げ増、利益増」「リスク回避」「コスト削減、効率化」などとなるので、事例として話せるように常に情報収集し、整理するなど準備をしておきましょう。

アイスブレイクも忘れず、初回は素直に。

ヒアリングで同業他社や顧客の事例を出すときは、「この事例が御社の今後の参考になる。なぜなら……」という理由もきちんと説明しましょう。

ただし、こうした話をしたところで、相手がすぐにあなたのことを信頼し、ニーズを教えてくれるわけではありません。初回は「入り口」です。「売り上げ! 成約!」とがっつかず、アイスブレイクや笑顔も交えて和やかな雰囲気をつくり、腰を据えて相手との関係を構築することを心掛けましょう。

また、こちらが準備した「同業他社や相手にとっての顧客の事例(課題)」が、的外れな場合もあります。相手がピンと来ていなさそうだったら、

「勉強不足で申し訳ありません、後学のため、どのあたりがズレていたか教えていただけますでしょうか?」

と素直に質問し、正しい情報を教えてもらいましょう。知ったかぶりや独りよがりは厳禁。相手の反応をよく見ながら話を進めるのが大事です。これはオンラインの際も同じで、相手がカメラオフになっていた場合は、こまめに「いかがでしょうか?」と質問を投げ掛けるのも一策です。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【営業最強フレーズ集】ヒアリング編2 「○○について、理想的なのはどのようなものですか?」

書いてあること

  • 主な読者:今よりレベルアップしたい営業担当者と、営業担当者を指導する営業管理職
  • 課題:現場ですぐに使えて顧客と信頼関係を築けるトークスクリプト的なものが欲しい
  • 解決策:シーンごとに「最強フレーズ」を、少なくとも1つは持っておく。あとは応用

○○について、理想的なのはどのようなものですか?

営業担当は「質問」が苦手

営業は相手と会話をしながら進めていくものです。相手に質問したり、逆に相手からの質問に答えたり、提案内容を説明したり、意見交換したり。しかし、営業経験が長くても、会話に苦手意識を持つ人は意外と少なくありません。特に、「相手にうまく質問できない」人は多いのではないでしょうか。

試しに、営業セミナーや社内研修で、相手に質問してニーズを明らかにしていくロールプレイングをやってみてください。自分が、いかに相手に質問できていないか、相手のニーズを聞き出せないかが分かります。

「質問」しているようで決めつけてしまいがち

ニーズをヒアリングするとき、相手にいきなり「ニーズはなんですか?」と聞いても、おそらく答えてもらえません。

そこで、【営業最強フレーズ集】ヒアリング編1で紹介したように、「同業他社からは、○○という課題を聞きます。御社はいかがですか?」などのように質問していきますが、ここに「決めつけ」という落とし穴があるので要注意です。

ニーズヒアリングのとき、話の入り口として同業他社や相手にとっての顧客の事例を出したり、ニーズを想像しておいてから質問したり、というのはとても有効です。

けれど、それだけでは相手のニーズをきちんと聞き出せないときもあります。

「旅行」に望むものは……

例えば「社員研修を提案する」で考えてみましょう。

「御社の同業他社からは、新入社員研修として、オンラインでの商談マナーが人気でした。御社もいかがですか?」「当社のセミナーランキング1位は管理職向け財務研修です。御社の管理職向けにも合うと思いますが、どうですか?」

相手に響くこともあるかもしれませんが、こうした聞き方を続けていると、相手から「どれも興味ないからいいや」と言われかねません。一見、質問しているようでいて、実は相手のニーズを「決めつけ」て、それに対して「Yesか、Noか」を聞いているだけだからです。

そこで、冒頭で紹介した営業最強フレーズの出番です。「社員研修するとしたら、理想的なのはどのような研修ですか?」相手が「若手向けかな、実務に活かせる感じの」と答えたら、

「もう少し具体的に言うとどうですか? 例えばどういう分野でしょうか?」

と重ねて質問します。こうしていけば、相手の考えを掘り下げていけます。また、相手自身の中でも、モヤモヤしたものが形になるでしょう。

「質問」するのは怖い?

なぜ、営業担当者は、つい「決めつけ」て質問してしまうのか? それは、おそらく質問するのが怖いからです。相手が答えにくいのではないか。答えてもらえなかったらどうしよう。そんな思いが怖さにつながります。

質問は営業の基本です。相手の考えを聞かなければ営業は前に進めません。もっと言えば、営業以前に、相手との関係性を築く上で「相手のことを知るために質問する」のが必須です。ヒアリング編1と2のフレーズを上手に組み合わせて、しっかり相手のことを聞きましょう。

以上(2022年7月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】販促費・広告宣伝費ゼロを目指せ

おはようございます。皆さん、今回の販促キャンペーンでは、お疲れさまでした。皆さんの頑張りによって、最高の結果とはいかなかったものの、一定の成果を得ることができました。

そんな中で、あえて皆さんにお伝えしたいことがあります。実は、私は「将来的には販促キャンペーンをなくしたい」と考えています。こんな話をするのは、決して私が皆さんの頑張りを認めていないからではありません。仕事に対して取り組む際の参考にしてもらいたいためです。

私が考える理想の状態は、販促費も広告宣伝費もゼロにすることです。そもそも、販促費や広告宣伝費が必要になるのは、お客さまと当社との間にギャップがあるからです。ギャップといっても内容はさまざまですが、簡単に言うと、私たちがお客さまにお伝えしていることが、お客さまにご理解いただけていないということです。例えば、「商品の存在」「商品の魅力」「商品価格の相場」「当社の信用度」などです。こうしたものが理解されていないから、コストを掛けてお客さまに何度もお伝えし、お客さまと当社との間のギャップを埋める必要が出てくるわけです。また、商品価格については、お客さまが許容していただける価格と当社の希望価格との間のギャップを、販促費で埋めているという側面もあるかもしれません。

逆に考えれば、競合他社もお客さまとのギャップがあるからこそ、当社が販促や広告宣伝を行う効果もあるのだともいえます。

お客さまと当社との間にギャップがあることは、お客さまにとっても、当社にとっても、幸せなことではありません。販促費や広告宣伝費は、当社の利益を押し下げるか、販売価格に転嫁することになります。販促費や広告宣伝費がなくても購入していただけるのなら、それだけ当社の利益は増えますし、価格も抑えてご提供できます。販促キャンペーンのための人的な負担も軽減できます。実際に国内外のスーパーマーケットでは、「EDLP(エブリデーロープライス)」を売りにして、特売チラシやプロモーションを廃止しても売り上げを伸ばしている会社があります。

何より言えるのは、お客さまが事前に当社や当社の商品を熟知してくだされば、安心して商品を購入でき、購入後に後悔されることもなく、取引は永続的なものになっていくということです。

ですから皆さんは、日ごろからお客さまとのギャップが埋まるように、当社のことや当社の商品について、お客さまに対して包み隠さず正直にお伝えして、しっかりとご理解いただくことを意識してください。せっかくの販促キャンペーンが一時的な効果しか得られないのであれば、いつまでたっても私の理想の状態にはたどり着きません。

もちろん私は、今の当社の実力では、まだ販促費や広告宣伝費をゼロにはできないことも分かっています。ですが、その理想に向かって、一歩一歩登っていきましょう。目指す山は高いですが、登れば登るほど視界は開けるはずです。

以上(2022年7月)

pj17109
画像:Mariko Mitsuda