【朝礼】自分に足りない部分を見つけたら胸を張って語れ

先日行った業務改善のための社内会議は、とても有意義でした。皆さん一人ひとりが、自分の業務に関して感じているさまざまな課題について話してくれました。私は皆さんが自分の業務について真剣に考えてくれていて、本当にうれしかったです。一方で、一つ気になったことがありました。それは、自分に足りない部分があることを、恥ずかしそうに語っていた人がいたことです。私はむしろ、胸を張って語るべきだと思っています。けさは、私がそう思う理由をお話しします。

まずお伝えしておきたいのは、皆さんの中には営業、生産、経理、総務など、さまざまな業務の人がいますが、どの業務にも「もうここまでで十分」という“動かぬゴール”は、永遠にないということです。

皆さんには、常に現状より望ましい「理想の形」を目指すことが求められます。この「理想の形」の追求に終わりはありません。人は、何かの理想を達成するために、努力を重ねます。すると、理想を達成する頃には、それまでの努力の積み重ねによって、かつては見えなかった別の理想が見えてきます。いわば“動くゴール”です。

私がうれしいのは、業務も経験も違う皆さん全員が、自分の業務についての課題や、自分に足りない部分を認識してくれていたことです。皆さんが自分の業務に関して、常に理想の形を思い描いているからこそ、そこに及ばない部分を挙げてくれたのだと思います。

次に皆さんにお伝えしたいのは、「ベストを尽くしたのに理想の形に届いていない」ことは、決して恥ずかしいことではなく、むしろ胸を張っていいということです。

自分に足りない部分を語れるということは、自分の中できちんとPDCAサイクルを回せているということです。すなわち、理想の形を描くという「計画」、それに向けてベストを尽くすという「実行」、自分に足りない部分を見つけるという「評価」、そして足りない部分を補うためにさらにベストを尽くす「改善」です。PDCAサイクルを回しながらベストを尽くしている人は、理想の形に向かって、常に「自己ベスト」を更新しているわけですから、何ら恥じることはありません。

もし恥ずかしそうに語る必要があるとすれば、自分に足りないと感じている部分についてではなく、ベストを尽くしていないことについてではないでしょうか。

ただし、私はベストを尽くすといっても、いたずらに業務時間を延ばすなどの無理をしろと言っているわけではありません。時間的、予算的な制約もあるでしょうし、ほとんどの業務は社内外の相手あってのものですので、自分の力だけではどうにもならないことも理解しています。自分に足りない部分を語ってくれた人は、その制約や不可抗力すら言い訳にせず、「もっと自分にできたことはなかったのか」と考えてくれているわけですから、やはり胸を張るべきです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】「管理職の朝礼」で分かる会社のレベル

今朝は管理職の皆さんに集まってもらいました。少々厳しい話となりますが、とても大切なことなので、しっかりと聞いてください。

皆さんは、今の私と同じように、部下の前に立ってお話をする立場です。朝礼などを利用して部下に会社が大切にしている理念や価値観を伝え、実践させることが皆さんの仕事です。しかし、私から見ると、皆さんは朝礼がうまくありません。声のトーンや話すスピードなどプレゼンテーションのテクニックがマズイと言っているわけではありません。皆さんがどこからか“拝借”してきたような表層的な内容を、格好をつけて話していることが問題なのです。

我が社のように、朝礼を習慣にしている会社の管理職は、次の朝礼で何を話そうかと考え、“朝礼のネタ探し”をします。そのためにウェブサイトを見たり、書籍を読んだりするでしょう。

情報のインプットは大切ですが、そこで得られるネタは、管理職が自分の思いを分かりやすく伝えるための“切り口”にすぎません。しかし、管理職の中には、ネタをそのままスピーチの内容にしてしまう人がいます。例えば、年始の朝礼ではえとを話材にすることが多いのですが、一般的にいわれているその干支の年生まれの特徴などを紹介し、最後に「今年も頑張りましょう」で締めくくるだけのパターンです。ウェブサイトの記事を、ほぼそのまま話してしまう管理職もいます。

なぜ、このようになってしまうのか。それは、管理職が部下に伝えたいことを持っていないからです。あるいは、伝えたいことはあるけれど、話す内容に自信が持てないので、借りてきた言葉ばかり並べて格好をつけているというケースもあります。

両方とも、管理職としての役割をもう一度考えてもらわなければなりません。「朝礼ができない管理職」の問題は我が社に限ったことではありませんが、これは皆さんが考えている以上に深刻な問題です。会社が長く続き、大きくなっていく過程で生じる問題の一つは、意図せずに起こってしまう“理念や価値観の希釈”です。起業したてであれば、会社が本当に大切にしている理念や価値観は数人で共有すればよく、それらは議論の中で濃くしていくことができます。

しかし、組織が大きくなると理念や価値観を隅々まで伝えることが難しくなってきます。本来、そうした“理念や価値観の希釈”を抑える役割の一部を担うのは管理職です。にもかかわらず、年始のとても大切な朝礼の場で借りてきた話しかできないようでは、我が社のレベルは低いと言わざるを得ないでしょう。

管理職の皆さん、我が社の理念や価値観をもう一度、確認してください。そして、何度もそしゃくし、皆さんの言葉で部下に伝える努力をしてください。ぎこちなくてもいいのです。大切なのは、スピーチに込められた皆さんの思いです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】「お客さまのお客さま」を見よ

先日、ある優秀なマーケターだった方のお話を聞く機会がありました。その方は、お客さまのニーズを知るために、営業担当者以上にお客さまを訪問していたという、とても仕事熱心な人です。これだけでも素晴らしいことですが、私が特に感銘を受けたのは、その方がお客さまのお客さま、つまりお客さまの取引先にまで足を運び、話を聞くようにしていたという点です。これはとても重要なことであり、まさに私が理想としている姿勢なので、ぜひ皆さんにも参考にしてもらいたいと思います。

「お客さまがそう望まれたから」というのは、一面では正しいことなのですが、私には「お客さまの声に甘えている」ようにも思えます。なぜなら、それが本当にお客さまのためになっているのかどうかを、その人たちの声を通じてしか判断しようとしていないからです。

確かに、お客さまのご要望を満たすことは最も基本的なことですし、そのために声を聞くことは大切です。ですが、それだけで終わってしまうなら、競合他社と何も変わりません。そして何より、それではお客さまの想定内のサービスしかご提供することができません。つまり、どんなに頑張っても100%のサービスしかご提供できないということです。

「それではダメなの?」と思った人がいるかもしれません。ダメではないのですが、私は皆さんに、それ以上のことを期待したいのです。

もし、「お客さまのお客さま」のニーズを知ることができれば、お客さまに対して、「御社の取引先が望んでいるのはこれです。ですから、このようなサービスを始められてはいかがでしょうか? 弊社もお手伝いさせていただきます」といった提案ができるようになります。つまり、お客さまが望むことの120%、場合によっては150%のサービスをご提供できる可能性があるわけです。もし、これができるようになれば、我が社はお客さまにとって、競合他社とは全く違う存在になれるはずです。

「お客さまのお客さま」を見るというのは、社内の業務にも置き換えられます。「次工程はお客さま」という言葉がありますが、皆さんには、次工程の担当者が業務をしやすくなるよう、お客さまに対するのと同じくらい丁寧に業務を行ってもらいたいと思っています。そのために、「次工程の次工程」まで意識するように心掛けてみてください。

例えば経費を請求する場合、会計処理という工程だけでなく、その先にある決算資料の作成や、税務署への書類の提出のことまで意識してみてください。「経費請求書は迅速かつ正確に作成しよう」という気持ちが強くなるはずです。また、社内向けの企画書を作成する場合、それを基にした営業資料で営業をする人のことを考えてみてください。「社内向けだから、これでいいや」という気持ちにはならないはずです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】会社は舞台、管理職は役者

この朝礼もそうですが、私には皆さんの前でお話しする機会がたくさんあります。また、多いときは月に10回くらい、社外の方々の前でスピーチや講演をさせていただいています。

そのため皆さんの中には、私のことを「人前で話すのが得意で、根っからの出たがり」と思っている人も多いようですが、私は若い頃、全くそうではなかったのです。社内外を問わず人前で話すことにとてもプレッシャーを感じ、逃げ出したくなるほどでした。緊張のあまり頭が真っ白になり、しどろもどろになってプレゼンに失敗したことも一度や二度ではありません。

このことに悩んでいた私は、初めて管理職になったときに気持ちを切り替え、「人前で話すのがとても得意で、常に自信を持ち堂々と話す人」を「演じる」ことにしたのです。

演じることは、皆さんにもあてはまります。むしろそれは、皆さんの仕事でもあるのです。特にそれが求められるのは管理職です。日本電産の創業者である永守重信氏は、「経営者や管理職はどのような状況にあっても『アイ・アム・ファイン=私は元気です』と言えなければならない」という趣旨のことを言っていますが、これこそ管理職が実践すべき重要な「演技」ともいえるでしょう。

例えば、管理職は、組織が「元気がないな」と思ったときこそ率先して声を出し、前向きな管理職の姿を演じることで、組織をポジティブな方向に持っていかなければなりません。

また、トラブルが起きたときも同じです。たとえ心の中では激しく動揺したとしても、管理職は右往左往したり弱気な態度を見せたりしてはなりません。状況にもよりますが、そうしたときこそ冷静に指示を出し、組織を動かして対応する役割を演じる必要があります。

とはいえ、演じるのは簡単ではありません。また、どのように演じたらよいか分からない管理職も多いでしょう。そこで私がお勧めしたいのは、まず、手本となる人を見つけ、その人をまねるという演技をすることです。管理職の皆さんは社内外の多くの人と接し、ネットワークを広げ、手本を見つけてください。そしてどうしても見つからなければ、私を手本にしてください。私自身も大いに迷い悩みながら、諸先輩方を手本に、管理職、そして経営者を演じ続けてきているからです。

私は特に人前で話をすることが大の苦手でしたが、「得意な人を演じる」と決めてから、人前に出るときに「演じるスイッチ」が入るようになりました。自分の感情やモチベーションとは一切関係なく、「人前で堂々と自信を持って話す人」の演技ができるようになったのです。

それは、人の上に立つ者として、人前で堂々と話をする人であることが私の重要な仕事だと認識したからです。管理職も同じです。管理職という役を演じるのは皆さんの重要な仕事なのです。

会社は舞台、管理職の皆さんは役者です。私と一緒に素晴らしい舞台をつくりましょう。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

組織のモチベーションを高めるために2つのセオリーを意識して実践しよう

書いてあること

  • 主な読者:部下のモチベーションを高めたい上司
  • 課題:各人によってモチベーションの要因が異なる
  • 解決策:2要因理論と欲求段階説を意識して意見を出させる環境づくりや、普段のコミュニケーションを充実させるなどを、いま一度見直す

1 モチベーションは人それぞれ。理論で考え多数派を取る

いつの時代も、社員のやる気を引き出すのは難しい問題です。一昔前なら臨時ボーナスやインセンティブの提供、新しいポストへの抜てきなどがモチベーションにつながりましたが、今は必ずしもそうではありません。「自身の成長」や「ワークライフバランスの重視」など、給与や昇進とはまた違うものをモチベーションにしている人も多いです。

問題は、価値観が多様化しすぎて、社員一人一人の異なる欲求を全部満たすことはできないという点です。だからこそ、この記事では、

人間の欲求を理論で考え、多数派の欲求を押さえること

をご提案します。具体的には、人間の欲求に関する理論として有名な、

  • 2要因理論:職場での特定の要素によって社員が不満や満足感を持つ
  • 欲求段階説:人間はより高い次元の欲求の達成に向けて行動する

の2つのセオリーと、これらのセオリーを実際の職場で活かしていくポイントをご紹介します。

2 給与は実はモチベーションにつながりにくい?

1)まずは2つのセオリーを押さえよう

1.ハーズバーグの「2要因理論」

心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した、仕事に対する不満の要因となる「衛生要因」と、満足をもたらす「動機付け要因」に注目する理論です。

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衛生要因には、満たされないと不満につながるが、満たされても満足しにくいという特徴があり、動機付け要因には、満たされると満足しやすくなるが、満たされなくても不満にはつながりにくいという特徴があります。

2.マズローの「欲求段階説」

アブラハム・マズローが提唱した、人間の持つ内面的欲求を5段階に分けて考える理論です。

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第1段階「生理的欲求」が最も低位、第5段階「自己実現の欲求」が最も高位で、人間は低位の欲求が満たされると、より高位の欲求が生じるようになるという考え方に立っています。

2)給与を上げるだけでは限界がある

この2つのセオリーを通して、まず皆さんにお伝えしたいのは、

給与は、意外とモチベーションにつながりにくい

ということです。

2要因理論で考えると、給与は「衛生要因」に当たります。衛生要因には前述した通り、満たされないと不満につながるものの、満たされても満足しにくいという特徴があります。つまり、

不満が出ないレベルの給与は払わないといけないが、多く払ったからといって、モチベーションにつながるわけでもない

ということです。

また、欲求段階説に立った場合、給与は主に第1段階から第3段階までの欲求を満たすことはできますが、第4段階や第5段階の欲求とは直接の関わりを持ちません。

3)結論:達成感や承認欲求に着目する

給与がモチベーションにつながりにくい一方、

達成感や承認欲求が満たされる組織風土は、モチベーションにつながりやすい傾向

があります。2要因理論でいえば「動機付け要因」、欲求段階説でいえば第4段階「尊厳の欲求」や第5段階「自己実現の欲求」といった高位の欲求です。

動機付け要因は、前述した通り満たされると満足しやすくなるが、満たされなくても不満にはつながりにくいという特徴があります。また、欲求段階説で、高位の欲求が満たされる状態というのも満足感が高い状態です。

ですから、会社は、

  • 社員の人間的成長や満足の向上など、強い動機付け要因を満たすこと
  • より高位の欲求である第4段階「尊厳の欲求」や第5段階「自己実現の欲求」を、普段の仕事の中で満たす方策を考えること

です。以降で、そのための方策を紹介します。

3 達成感や承認欲求が満たされる組織にするには?

1)動機付けはまず「意見を出せる」環境づくりから

組織のモチベーションを高めるには、まず仕事に関する意見を自由に言える環境を整えましょう。「風通しの良い環境」は前向きになりやすく、一丸となって目標に向かおうという雰囲気が生まれます。管理者(経営者や管理職)に求められる役割は次の通りです。

1.普段のコミュニケーションを充実させる

管理者から元気にあいさつをするのはもちろん、毎日、社員に何気なく声を掛けるようにしましょう。話題は、堅苦しくないカジュアルなもので、社員が答えやすいものにします。コンサートに行った、飲み会があったなど前日の社員の予定を聞いておけば、「楽しかった?」というように気軽に声が掛けられます。

また、会話の“蚊帳の外”にいる社員に気を配るのも大切です。特定の社員同士がいつも盛り上がっていて、他の社員があまりよく思っていないようなときは、話を少し抑えます。また、できればよく思っていない社員も、話の輪に入れるように管理者が導くことも大切です。

2.社員に意見を出させる

管理者は、会議はもちろん、ちょっとした打ち合わせでも、できるだけ多くの社員に意見を出してもらうようにしましょう。ほとんど意見を出さない社員には、直接問い掛けます。その際は、次のような工夫をしましょう。

  • いきなり具体的な案を求めるのではなく、先に出ている意見をどう思うかなど、答えやすい質問から誘導する
  • 社員が出した意見は聞き流すことなく、まず肯定的に受け止める

2)挑戦しやすい環境をつくる

モチベーションが高い社員には、希望する仕事や新しい仕事にどんどん挑戦してもらいましょう。もちろん、投げっ放しではなく、必要に応じて管理者が仕事の方向性を示したり、相談に乗ったりします。

また、挑戦させた仕事が成功したら、きちんとその社員を褒め、その成功を喜び合いましょう。逆に失敗しても決して頭ごなしに怒鳴ったりせず、共に失敗した原因や対策を考えましょう。組織全体に仕事に対する挑戦意欲が広がれば、モチベーションも高まります。

3)組織の目標・行動指針の明確化と落とし込み

組織の雰囲気が良くなってきたら、組織の向かうべき方向性(組織の目標、目標達成のための行動指針)を提示して、全体の意識を統一していきます。これをはっきり提示しないと、社員が組織の方向性からずれた努力をしてしまう恐れがあります。せっかく組織のために頑張っても評価されなければ、達成感は満たされず、モチベーションの向上も見込めません。

ですから、管理者は組織の方向性をいかに分かりやすく伝えるかが重要です。目標や行動指針が抽象的な場合、具体的な数値を使って「見える化」するなどの工夫をしてみましょう。

4)組織の役割と責任範囲の明確化

前向きで積極的な組織には仕事が集まります。ただ、仕事が集まりすぎる状態が長く続くと、社員の間に、「なぜ私たちがここまでしなければならないんだ」という不満が広がります。

こうならないよう、管理者は組織の役割と責任範囲を明確にします。決められた範囲を超える仕事が他の組織から集まってきて負荷が掛かりすぎるようなら、他の管理者とも相談して、仕事の量を調整しましょう。

5)必要な権限の付与

組織の役割と責任範囲を決めたら、次は組織(実際は社員ベース)に対して権限を委譲します。権限の委譲は信頼と期待の証し、組織のモチベーションを高めるきっかけになります。

一方、権限の委譲はプレッシャーになることもあります。そのため、権限を委譲するのは、その職務を遂行する能力があり、それを任せても業務過多にならない社員ということになります。

6)組織間の良好な関係の構築によるモチベーション低下の防止

権限の範囲内の行動であっても、例えば一方の組織がもう一方の組織に無理をさせ続けると、無理をさせられた組織に不満がたまります。典型的なのは、営業と現場(製造あるいはサービス提供部門)の対立です。

営業担当者が顧客からの急な依頼を受け、現場に短い納期で製造を依頼することはよくありますが、現場にとっては負担です。モチベーションが高い現場でも、急な依頼が続く場合や、営業担当者が「顧客からの依頼なのだからやってもらわないと困る!」といった態度を取ると、組織間でギクシャクした雰囲気になります。

別の組織に負荷を掛ける場合は、無理をお願いしていることを忘れず、負荷を掛けることになった経緯と理由をしっかりと説明しなければなりません。さらに、組織間で普段から互いに労をねぎらう、コミュニケーションを取るなどして良好な関係を保っておくことが必要です。

このように、小さな配慮を積み重ね、関連する組織同士が良好な関係を保っておくことで、それぞれの組織は気持ち良く仕事ができます。管理者は、他の管理者と良い関係を築くのはもちろん、大きな仕事がひと山越えたときには、関連する組織の社員の労をねぎらったり、組織間で社員同士が交流する場を設けたりするとよいでしょう。

以上(2022年5月)

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画像:Studio Romantic-Adobe Stock

【管理会計】売上がどこまで減ったら、赤字になるか分かりますか?

書いてあること

  • 主な読者:感覚だけでなく、定量的な基準や根拠を持ってビジネスの判断をしたい人
  • 課題:売上がどこまでになったら、利益が0になるか分からない
  • 解決策:自社の利益体質を知りつつ、損益分岐点分析で利益が0になる売上高を確認する

1 質問:売上がどこまで減ったら、赤字になるか分かりますか?

業績の悪化が見込まれる際、対策を考える前に知らなければならないのが、利益を確保するためにはいくらの売上高が必要なのかということです。そのためには、利益が0になるときの売上高を計算します。

この利益が0になるときの売上高を「損益分岐点売上高」といい、この分析のことを損益分岐点分析(CVP分析)

といいます。「CVP分析」のCVPとは、それぞれC(コスト:Cost)、V(販売量:Volume)、P(利益:Profit)の頭文字であり、コスト・販売量に基づく利益を分析する手法です。

CVP分析は、

  • コストの構造を踏まえた自社の利益体質を理解することができる
  • 会社全体だけでなく、事業別・商品別などに細分化して集計することで、区分ごとの収益性が把握できる
  • 新規参入を検討している新規事業や、既存事業の評価に活用できる

など、経営管理上さまざまな使い道があります。まずは、基本的な計算方法と分析に必要な指標を押さえましょう。早速、次の簡易的な管理会計の損益計算書から損益分岐点売上高を計算してみましょう。

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2 損益分岐点売上高を計算しよう

損益分岐点売上高は、営業利益が0になる売上高です。営業利益の計算式から損益分岐点売上高の算式を考えます。

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算式に上記の事例の数値を当てはめると、

売上高=3500千円/(1-0.6)=8750千円

になります。

3 CVP分析に使う主な指標「安全余裕率」と「損益分岐点比率」

CVP分析では、上記で計算した損益分岐点売上高を使用して、

  • 安全余裕率:損益分岐点売上高に対する安全余裕額(実際の売上高と損益分岐点売上高の差)の割合
  • 損益分岐点比率:実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合

といった指標を使います。2つは表裏一体なので、いずれか1つで大丈夫なのですが、念のため、両方の計算式を紹介しておきます。

安全余裕率は、

(実際の売上高-損益分岐点売上高)/実際の売上高

で計算されます。今回の事例の数値を当てはめると、

安全余裕率=(9000千円-8750千円)/9000千円≒2.8%

になります。安全余裕率は、現在の売上高が何%減少すると、赤字になるかを示しており、高いほど業績が良いことを表しています。

安全余裕率と表裏一体となる損益分岐点比率は、

損益分岐点売上高/実際の売上高

で計算されます。今回の事例の数値を当てはめると、

損益分岐点比率=8750千円/9000千円≒97.2%

になります。損益分岐点比率は、低いほど業績が良いことを表しており、業種によって異なるものの、一般的に80%以下が好ましいといわれています。

CVP分析により、自社の利益体質がどのような状況なのかをチェックしてみましょう。そして、数値は推移で見るようにしてください。単年度の数値を見ただけでは、状況は分かりませんが、年度ごとの推移で見ることで、体質の変化が分かるようになってきます。

以上(2022年5月)
(執筆 管理会計ラボ株式会社 取締役・公認会計士 福原俊)

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画像:apinan-Adobe Stock

【経営者アンケート】経営者が部門長に求める素養を偉人で例えたら、人事部門のトップはあの「先生」だった!

書いてあること

  • 主な読者:各部門のトップにふさわしいのは、どのような人材なのかを検討している経営者
  • 課題:自分の考えはもちろん、他の経営者がどう考えているのかも知ってみたい
  • 解決策:歴史上の偉人に例えて、各部門のトップの素養についてイメージを固める

1 経営者が考える部門長の素養

各部門のトップにふさわしいのは、どのような人物なのか。他の経営者の意見を聞いてみたいと思いませんか?

経営者111人を対象に、2022年3月にインターネットを通じてアンケートをしてみました。「総務・労務、企画・開発、人事、法務、財務、営業、DX」の7部門のトップとしてふさわしいのは誰なのか。各部門5~6人の偉人を例示した上で、「その他」も含む1人を選んでもらいました。

アンケート結果を2本に分けて紹介します。

  • 00630 【経営者アンケート】経営者が部門長に求める素養を偉人で例えたら、人事部門のトップはあの「先生」だった! (この記事)

2 総務・労務部門は武田信玄

1)戦国最強軍団の陰に、トップの気使い・人使いあり(16人、14.4%)

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戦国最強軍団のトップに君臨した「甲斐の虎」ですが、「人は城、人は石垣、人は堀……」の言葉で知られるように、部下との信頼関係の構築に腐心し、多様な人材を上手に活用した“気使い・人使いの人”という側面もあります。

その人間力を評価する声が多く、トップでなくナンバー2としての活躍も期待できそうです。

  • 人使いが上手そう(60代男性)
  • 人の使い方を教わりたい(60代男性)
  • 旗振りが上手そう(50代男性)
  • 気配りができる(50代男性)
  • 戦略にたけ、部下からの信頼度が高い(60代男性)
  • 視野の広さ(50代男性)
  • 総務・労務は何でも屋(60代男性)
  • 情に厚い(70代男性)
  • 人材登用、人を見る目がある(40代男性)

2)第2位:豊臣秀長(15人、13.5%)、目立たず支えるナンバー2は若手層にも人気

  • Mr.ナンバー2(40代男性)
  • 陰の立役者(50代男性)
  • トップを目立たずに支える(50代男性)
  • 陰で支えるような人(50代男性)
  • 裏方に徹する(40代男性)
  • 上を立ててくれる(40代男性)
  • バランス感覚に優れる(70代男性)
  • 常におごることをしない(60代男性)

3)第2位:勝海舟(15人、13.5%)、上司でも部下でも結果を出せるオールラウンダー

  • 清濁併せのむことができそう(60代男性)
  • 森も木も見て最善の判断をしてくれそう(50代男性)
  • 人を動かす力がある(60代男性)
  • 組織をボトムアップに支えてくれそう(40代男性)
  • 強い相手にも対等に渡り合う交渉術が素晴らしい(60代男性)
  • 個々の能力を高め、適材適所に人を配置するようなきめ細かさ(70代男性)
  • 地味な役回りだが、人的な損害を最小限に抑えた手腕はすごい。人の間に立って、妥協点を見つけられる(60代男性)
  • いついかなるときにも冷静沈着に判断するとともに、江戸城無血開城のように、自身の功名よりも民の日常を守ろうとする意識は望ましい(60代男性)

4)第4位:直江兼続(8人、7.2%)、しっかりと筋を通す「愛」の人

  • 筋を通す人でないと務まらない(50代男性)
  • 自ら率先して陣頭に立つことができる行動力と、出金・入金の把握をした上で立つことができる(60代男性)
  • 真面目そう(50代男性)
  • 単純に人物が好き(40代男性)

5)第5位:北条義時(7人、6.3%)、「旬な人」の評価はさまざま

  • 気配り上手(80代男性)
  • 調整力(60代男性)
  • 頭が良い(50代男性)

6)第6位:春日局(4人、3.6%)、大奥を取り仕切った凄腕をマニアが評価

  • 仕切りのうまさが抜群(80代男性)
  • 上層部から部下(他部署の部下も)まで、しっかりとコントロールできる方かなと思います(50代男性)
  • 組織の裏も表も知り尽くした上で戦略的に組織運営してくれそう(60代男性)

3 企画・開発部門は黒田官兵衛

1)天下を取らなかった能力抜群の名軍師(34人、30.6%)

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「豊臣秀吉の軍功の陰にこの人あり」といわれ、秀吉の天下統一を支えた名軍師です。その一方で秀吉は官兵衛の能力を恐れて、広い領地を与えなかったともいわれています。

軍師としての能力に対する評価が圧倒的でしたが、中には「天下を取らなかった」ことを評価する声も聞かれました。

  • 縁の下の力持ち。表舞台に出ず、主君を支える。現在でもこのような方々によって繁栄している企業は多いと思う。ただしトップが聞く耳を持つか否かだが(70代男性)
  • 最も戦略と戦術を上手に使い分けることができる人のような気がする(50代男性)
  • 必要性を理解して、実行に移すことができる行動力(60代男性)
  • 自分にはない、「知」がありそう(60代男性)
  • 周りも見ながら新しい物事を進めていけそうに感じる(60代男性)
  • 広範囲な知識をもって、時節に合った的確な判断ができる(60代男性)
  • 自分がトップに立つことなく能力を発揮してくれそう(50代男性)
  • 下剋上は求めていない(50代男性)

2)第2位:織田信長(12人、10.8%)、とがったキャラの突破力に期待

  • 異常なくらい新しがり屋(80代男性)
  • マーケティングの能力が高そう(50代女性)
  • 戦略に優れているし、決断力もある(80代男性)
  • 発想が優れている(60代男性)
  • 固定観念にとらわれない提案がありそう(40代男性)
  • 未来を見て、切り開く能力にたけている(70代男性)
  • 元気そう(60代男性)

3)第2位:徳川家康(12人、10.8%)、信長と真逆の安定志向派が支持

  • 常に計算高く、ばくちなど冒険はせず、安定した精査が得意(60代男性)
  • 安定性(70代男性)
  • 企画開発は冒険も無理強いも要らない。鳴くまで待つ戦略(60代男性)
  • この人に、自社の経営戦略を聞いてみたい(60代男性)
  • 思考が柔軟(80代男性)
  • 頭脳的な戦略を持っていそう(50代男性)

4)第4位:西郷隆盛(10人、9.0%)、人望や人間性を評価

  • 人徳があり人脈を武器として部下も大事に戦い続けてくれそう(50代男性)
  • 人望と行動力のバランスが良いと感じる(40代男性)
  • 私利私欲より全体のことを考えている(80代男性)
  • 裏も表も知り尽くしている(60代男性)
  • 諦めない心(50代男性)

5)第5位:北条政子(2人、1.8%)、鎌倉幕府を支えた「尼将軍」の評価はイマイチ

  • 戦国の荒武者たちをまとめ上げる力がある(60代男性)

4 人事部門は吉田松陰

1)高杉晋作など多士済々の志士を輩出した情熱と感化力(28人、25.2%)

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わずか29年の生涯でしたが、主宰した松下村塾からは、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など維新・明治期に活躍した偉人を多数輩出しました。

ペリーの黒船に乗り込んで海外留学を試みる情熱と行動力に加え、獄中で罪人たちを学問に目覚めさせる「感化力」も持ち合わせた幕末の先駆的な思想家でした。

  • 抜群の人材育成の成果がある(40代男性)
  • 自分の後に続く人材を育てた(80代男性)
  • 部下の教育にたけている(60代男性)
  • 先を見据えた教育、必要な人材の育成ができると思える(60代男性)
  • 学問だけではなく、熱意も波及させたところ(40代男性)
  • この人の教育に対する思いを聞いてみたい(60代男性)
  • 改革の人だから(60代男性)
  • 最近、夢を持たない若者が多いから(50代男性)
  • 確固たる思想を持っている(40代男性)
  • 人を掌握する力を感じる(60代男性)
  • 俯瞰(ふかん)できる(80代男性)

2)第2位:津田梅子(15人、13.5%)、女子教育の発展に尽力した米国育ちの先駆者

  • 時代を大きく変える教育を行った(50代女性)
  • ジェンダーフリーに対応した教育をしてくれそう(60代男性)
  • 部下の教育にたけている(60代男性)
  • 人材を育ててくれそう(60代男性)
  • これから何が必要になるか先読みできる(60代男性)
  • 既成概念にとらわれない発想(60代男性)
  • 先進性(80代男性)
  • 困難に立ち向かう強さを感じる(50代男性)

3)第3位:島津斉彬(10人、9.0%)、進取の精神で西郷隆盛も発掘した幕末の名君

  • 人を見いだす目は一番ありそう。教育なら他の方かもしれないが、会社で(社会に出て)学び成長するのは本人の義務なので、社内教育の優先順位は低め(50代男性)
  • 人材発掘をやってくれそう(60代男性)
  • 自身の鍛錬を怠らず教育してくれそう(50代男性)
  • 先見性を持った采配ができそう(40代男性)
  • 地道に活躍する方は尊敬したい(70代男性)

4)第4位:山内一豊の妻(千代)(4人、3.6%)、「内助の功」も“今は昔”?

  • ワンマンにならないために必要な人(50代男性)

5)第5位:緒方洪庵(3人、2.7%)、適塾が輩出した偉人は多彩さでは松陰以上?

  • 福沢諭吉などを育てた(60代男性)
  • 多くの偉人を育てている(50代男性)

5 法務部門は大岡越前

1)「大岡裁き」に注目集まるも、実は有能な為政者としての実績あり(25人、22.5%)

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テレビドラマでおなじみの大岡忠相です。江戸中期に旗本の四男に生まれ、8代将軍徳川吉宗によって江戸の南町奉行に抜擢されました。伊勢に赴任時、隣国である吉宗の紀州藩におもねらない公平な裁き(いわゆる「大岡裁き」)を行ったことが評価されたともいわれています。

江戸では、消防団に近い「町火消」を編成した他、貧しい人などを無料で治療する医療施設「小石川養生所」を設置するなどの施策で吉宗の享保の改革を支え、1万石の大名にまで引き立てられました。

  • 真面目で、規律正しい(60代男性)
  • 素晴らしい裁きをする(50代男性)
  • 血の通った法律運用術(70代男性)
  • 情の深い、庶民目線の裁きが好き(60代男性)
  • 問題が起きたときに頼りになる(60代男性)
  • コンプラに関しては大岡裁きは要らないが(60代男性)
  • 数々のドラマ通りなら…(70代男性)
  • 人情(20代男性)

2)第2位:廐戸皇子(聖徳太子)(9人、8.1%)、十七条憲法でも知られる伝説的人物

  • 前例のない時代にあれだけのものを作った実績がある(40代男性)
  • 法の先駆者(60代男性)
  • ルール作りに向いてそう(60代男性)

3)第3位:遠山左衛門尉(遠山の金さん)(8人、7.2%)、桜吹雪はドラマだけ?

  • 平等に、人情もある(60代男性)
  • 名奉行(60代男性)
  • 法律に詳しい(60代男性)

4)第4位:板倉勝重(6人、5.4%)、江戸初期の名奉行は「三方一両損」のモデルとも

  • 法律に詳しいだけでなく、多くの人にいい形で運用できるのは、この方が一番。法を作るよりも、運用のほうが大事(50代男性)
  • 戦うことばかりが法務の仕事ではないが、機転を利かせて丸く収めることができる発想力を評価して(60代男性)
  • さまざまな立場の人たちをうまくまとめられそう(40代男性)

5)第5位:北条泰時(4人、3.6%)、北条義時の長男で御成敗式目を定めた第3代執権

  • 御成敗式目を作ったから(50代男性)
  • 法令遵守を実行してくれそう(60代男性)

いかがでしたか? 財務、営業、DXの結果もお楽しみください。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【経営者アンケート】最強布陣が確定! DX部門のトップにスカウトしたい偉人はあの発明家だった!

書いてあること

  • 主な読者:各部門のトップにふさわしいのは、どのような人材なのかを検討している経営者
  • 課題:自分の考えはもちろん、他の経営者がどう考えているのかも知ってみたい
  • 解決策:歴史上の偉人に例えて、各部門のトップの素養についてイメージを固める

1 各部門のトップの人物像を固めておきたい経営者の方に

「総務・労務、企画・開発、人事、法務、財務、営業、DX」の7部門の長としてふさわしい自分を経営者に聞いたアンケート。いよいよ最強布陣が決定します!

なお、総務・労務、企画・開発、人事、法務の結果は以下のコンテンツで紹介しています。

2 財務部門は渋沢栄一

1)会社設立の豊富な経験と公共心(31人、27.9%)

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大河ドラマでも記憶に新しい、明治屈指の経済人です。「論語と算盤」の著作でも知られるように、電気や鉄道などのインフラ、銀行、保険、製紙など約500もの会社の設立に関わる一方で、福祉事業にも取り組みました。

多くの会社の立ち上げに関わった豊富な経験を望む声が多く、公共心を評価する人もいました。

  • 先見の明があり、新しいビジネスを精力的に生み出し、なおかつ成功させる力がある(60代男性)
  • たくさんの会社を起こしたとされるが、その分多くの失敗もあっただろうと思われる。そんな多くの失敗でもくじけない危機を切り抜ける精神力を味方に付けたい(50代男性)
  • 事業の立ち上げには決断力とパワー、運も要ると思うから(50代男性)
  • 多業種を起業しているので、多様な発想ができる(60代男性)
  • やりきる力がある(60代男性)
  • 新しい風を資金面から見据えて引き込む力(60代男性)
  • 小さな私個人の権益ではなく、もっと広い視野に立った見方ができそう(70代男性)

2)第2位:上杉鷹山(13人、11.7%)、再建を望む経営者からの熱烈なラブコール

  • 弱小藩を立て直した功績は大きい(80代男性)
  • 会社の再建には適任と思われたので(50代男性)
  • 状況を改善してくれそう(50代男性)
  • 少ないリソースを活用できそう(60代男性)
  • 質素倹約の体制で経理を務めてくれそう(60代男性)
  • 今と危機感が似ている(40代男性)
  • 自社の経営課題にぴったりの人物(60代男性)

3)第3位:石田三成(10人、9.0%)、信頼できる真面目で忠実な能吏

  • 忖度(そんたく)などせず数字で判断してくれそうだから(50代男性)
  • 全て安心して任せられそうだから(50代男性)
  • 生真面目できちょうめん(60代男性)
  • 全体の把握力と部分的な課題解決を手早く行うことができる判断力と実行力(60代男性)
  • その場の数字で評価ではなく、全体の数字がみえる。一部門ではなく会社全体を上げられそう(60代男性)

4)第4位:田沼意次(9人、8.1%)、変化への対応力を若手経営者らが支持

  • 経済構造の変化を把握していたところ(40代男性)
  • 当時としては発想や施策が先取的だったので(40代男性)
  • 全社的横断的に管理、運営できそうだから(60代男性)

5)第5位:二宮尊徳(金次郎)(6人、5.4%)、人間的な魅力も評価

  • 周りを守りながら責任を持った決定ができそうに感じた(60代男性)
  • 貧困の農民に、効率的な仕事の仕方を教えて、財を成す方法を教える指導力(70代男性)
  • 堅実に業務を遂行してくれそう(50代女性)

3 営業部門は坂本龍馬

1)日本初の商社や薩長同盟に携わった、志高きビジネスと交渉の達人(33人、29.7%)

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小説の中で形作られた魅力。持ち前の行動力と人脈を広げる才能によって、薩長同盟の仲介役や大政奉還の献策といった歴史を動かすキーマンの役割を果たすとともに、日本初の商社とされる「亀山社中(後の海援隊)」を結成するなど、商才も発揮しました。

日本初の海難審判事故とされる「いろは丸沈没事件」では、御三家である紀州藩を相手に、自作の歌をはやらせて世論を味方に付ける戦略も奏功して、見事に賠償金を獲得した交渉上手でもあります。

  • 商売に優れていて、人を納得させる話術もある(60代男性)
  • 商談をまとめるのがうまい(60代男性)
  • さまざまな関係者をうまくまとめられそう(40代男性)
  • 発想が大胆で、交渉力がある(60代男性)
  • 上下の隔てなく人付き合いができそう(40代男性)
  • 国民の未来を見据えてどんな相手も味方に付け前進する力がすごい(60代男性)
  • 行動力があって人望がある(60代男性)
  • 商売を作り、金借りがうまい(60代男性)
  • 過去、習慣にとらわれず新しい顧客を開拓してくれそう(50代男性)
  • 新しい仕事の開発を任せてみたい(60代男性)
  • 既存のことにとらわれず行動できる(50代男性)
  • 世界を相手にしようとした(50代男性)

2)第2位:豊臣秀吉(18人、16.2%)、天下人に上り詰めた「人たらし」の能力

  • 人たらしは営業力がある(60代男性)
  • 営業は人たらしが一番(50代男性)
  • 相手を味方にする力(80代男性)
  • 偉い人(決裁者)に取り入るのがうまそう(40代男性)
  • 戦国の「出世頭」感が強い。周りへの気配りや裏付けをしっかりしそう(40代男性)
  • 懐に飛び込むことができると考えたため。実子が誕生する前までの秀吉に限る(60代男性)
  • どんな相手にも打開策を見いだしてくれそう(40代男性)
  • アイデアも努力もそうだが、何よりも大勢で成し遂げなければならない課題に立ち向かうときに大事になるのは、人をまとめ上げる能力だから(50代男性)
  • 全幅の信頼はできないため、経営層には向かないが、営業の第一線ではカリスマ性を発揮しそう(60代男性)

3)第3位:源義経(4人、3.6%)、不可能と思われた平家打倒を実現した剛腕

  • 無理を成し得た男(50代男性)
  • とりあえず攻め(20代男性)
  • 戦うこと(50代男性)

4)第3位:藤堂高虎(4人、3.6%)、主君を7度替えて大名になった戦国の“世渡り上手”

  • 経歴(50代男性)
  • おせじがうまい(60代男性)
  • 人当りが良さそう(60代男性)

5)第3位:伊達政宗(4人、3.6%)、秀吉の怒りを機知と度胸でかわした東北の英雄

  • 営業の長は大胆不敵なところが欲しい(50代男性)
  • 窮地にあって人と和する能力(70代男性)
  • 戦略家(50代男性)

6)第3位:伊能忠敬(4人、3.6%)、日本地図の作成に55歳から歩くこと3.5万キロ

  • コツコツ努力(60代男性)
  • 足で稼ぐ営業を実践してくれそう(60代男性)
  • 努力と実行力(70代男性)

4 DX部門は平賀源内

1)江戸中期のスーパーマルチ人間(29人、26.1%)

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エレキテルの復元や「土用の丑の日」のキャッチコピーで知られる、江戸中期のスーパーマルチ人間です。歩数計、寒暖計、燃えない布などの発明家、薬品の博覧会(物産会)を開催したイベントプロデューサー、小説や浄瑠璃など戯作の作家、西洋画の画家、鉱山開発を指導した技術者など、多彩な才能を発揮しました。

天才といったストレートな評価だけでなく、発想の奇抜さや柔軟な考え方なども評価されているようです。

  • 新進気鋭の科学者(70代男性)
  • 発明家として天才的(40代男性)
  • 開発者(50代男性)
  • 機械に強い(40代男性)
  • 一意的なモノの見方にこだわらない発想力を持っていると思えるから。ないものは造ってしまえというところもまた魅力的(60代男性)
  • 攻めのIT戦略を立案してくれそう(60代男性)
  • 自身も学習鍛錬を怠らず、研究者として革新的なIT化を図ってくれそう(50代男性)
  • 日々進化するIT部門には柔軟な思考とアイデア力(60代男性)
  • 突飛な発想で突き進んでいく性格は、IT部門に向いていそう(60代男性)
  • アイデアの組み合わせがうまそう(60代男性)
  • 視点が色々とあるように見える(60代男性)
  • 面白いものを開発しそう(60代男性)
  • 推進力、実行力がある(40代男性)
  • 頭が良く、どんな事でもやり遂げる(60代男性)
  • 探究心(50代男性)

2)第2位:ジョン万次郎(9人、8.1%)、遭難後の渡米で幕末に貴重な欧米の情報通に

  • 新しいものを取り入れる感覚を持っていそう(50代男性)
  • アメリカの考え方を導入できそう(50代男性)
  • 国際的(50代男性)
  • 転んでもただでは起きない(80代男性)
  • 単純に人物が好き(40代男性)

3)第3位:田中久重(からくり儀右衛門)(7人、6.3%)、19世紀の「東洋のエジソン」

  • ITはただ電気に強いだけではなく、新しい発想に付いていき、自分の発想も組み込みつつ、極めて論理的に考えなければいけないので(50代男性)
  • 難解な課題も集中力と根気の良さで乗り越えていきそう(60代男性)
  • 独自のアイデアに優れている(80代男性)
  • 新しい事をしてくれそう(50代男性)
  • 細かい技術(60代男性)

4)第4位:種子島時尭(6人、5.4%)、16歳の時に西欧の漂着者から銃を購入し国産化

  • 新しいものを受け入れるだけでなく、施策として進める行動力(40代男性)
  • 先見の明(70代男性)

5)第5位:大友宗麟(2人、1.8%)、大砲を国産化した「南蛮」好きのキリシタン大名

  • 組織や社会のことを考えながら技術の導入を進めていってくれそう(40代男性)
  • 新しい技術の導入に優れている(50代女性)

5 決定! これが最強布陣だ!!

アンケートの結果は以上です。アンケートで分かった、経営者111人が考える各部門のトップの最強布陣は次の通りです。

  • 総務・労務部門:武田信玄
  • 企画・開発部門:黒田官兵衛
  • 人事部門:吉田松陰
  • 法務部門:大岡越前
  • 財務部門:渋沢栄一
  • 営業部門:坂本龍馬
  • DX部門:平賀源内

いかがでしたか? 総務・労務、企画・開発、人事、法務の結果を見逃した方は、以下のリンクからどうぞ。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】“意図的”な判官びいきに踊らされるな

私は毎週、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を楽しみにしています。大河ドラマの中でも珍しい、鎌倉時代を扱った作品であり、幕府の礎を築いた源頼朝や北条義時たちによって繰り広げられる命がけの戦いに、毎回ハラハラしています。そんななかで、私が驚いたのは、頼朝の弟である源義経の描き方です。

義経といえば、優れた戦いの才能によって平家を倒すも、兄である頼朝に疎まれて滅ぼされた悲劇のヒーローというイメージがありますが、「鎌倉殿」の義経は、平時はいささか思慮に欠け、自分の感情のままに行動して周囲を振り回すなど、困った人物としての一面も強調されています。私は最初に見たとき、「なんか義経のイメージと違うな」と思ったのですが、調べてみると、どうやら史実でも、義経には武家のリーダーである頼朝の許可なく朝廷から平家討伐のほうびをもらってしまうなど、軽率な一面があったようです。

私たちが普段あまり義経の短所に目を向けず、悲劇的な結末に注目しがちなのは、私たちの中に不遇な人や立場の弱い人に同情してしまう気持ちがあるからです。こうした感情を、義経が朝廷からもらった官職にちなんで「判官びいき」というそうです。不遇な人や立場の弱い人を思いやる感情自体は決して悪いものではないですが、一方で私は、先日ある歴史書の現代語訳を読んで、「“意図的”な判官びいきに踊らされてはいけないな」と思うようになりました。

その歴史書とは、鎌倉幕府の始まりから6代将軍宗尊(むねたか)親王の時代までの出来事を記した「吾妻鏡(あづまかがみ)」です。この歴史書では、家臣からの讒言(ざんげん)を受けて義経を追い詰める頼朝と、頼朝に追われ東北に逃げる義経の様子が詳細に描かれていて、現代まで続く判官びいきの感情の形成に一役買っています。

ただ、実はこの歴史書、頼朝の死後に幕府の実権を握った北条家が、自分たちの政治を正当化するために作ったという説があり、世間の頼朝に対する評価が下がるような書き方を、意図的にしているのではないかと指摘する学者もいます。また、創作も多く入り交じっていて、例えば、義経が断崖絶壁を馬で駆け下りて平家に奇襲を掛けた、いわゆる「逆(さか)落とし」などは、実際にはなかったという説が有力です。

つまり、世間が頼朝に抱く冷酷な支配者のイメージや、義経に抱く悲劇のヒーローのイメージは、もしかしたら北条家が頼朝の評価を下げるために意図的に作り出したものかもしれないということです。仮にそうだとしたら、私はまんまと北条家の思惑に乗せられて「義経哀れ、頼朝憎し」の感情にとらわれていたことになります。

私たちも日々ニュースを見たり、ビジネスで情報収集をしたりしますが、流れてくる情報をただうのみにするのではなく、「これは本当か?」「発信者の思惑は何なのか?」とよくよく吟味しなければならないと思う今日このごろです。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】聞いたことに答えなさい!

今日は、私の友人の笑い話を紹介します。その友人は、スカイダイビングをする予定を立てていましたが、何度も「いざとなったらおじ気づいて、飛ぶのをやめるかもしれない」と言っていました。

彼がスカイダイビングをする予定日が過ぎた頃、私は、はたして彼が飛んだのかどうかが気になって、「飛んだの?」とメールで尋ねてみました。すると、彼からの返信は、「空を飛んだ気持ちは、飛んだ者にしか分からない」という一文だったのです。

皆さんはこの一文から、私の友人がスカイダイビングを無事決行することができたのか、それともできなかったのか、分かるでしょうか? 「飛んだ者にしか気持ちは分からない」というのは、「自分は飛んだ。だからこそ空を飛ぶ素晴らしさが分かる」という感動を伝えているのか、それとも「飛べなかった。だから、自分には空を飛んだ者の気持ちは分からない」と嘆いているのか、どちらなのか分かりません。

メールを読んだ私は思わず、その場で「いったい、どっちなんだ? 聞いたことに答えていないじゃないか!」と笑ってしまいました。

結局、後から「飛んだ」ことが分かり、友人との間では笑い話になりましたが、これが仕事上の話だったらどうでしょうか。プライベートな会話であれば、たとえ「聞いたことに答えていない」としても笑い話で済むことがあるでしょう。しかし、ビジネスシーンではそうはいきません。

ビジネスにおいては、判断したり、次の行動に移したりするために質問をします。聞いたことに答えてもらえなければ、先に進むことができません。時間も無駄になります。

皆さんは、仕事の中で、「聞かれたこと」にしっかりと答えていますか。残念ながら、そうではない人が多いように見えます。特に、皆さんが聞いたことに答えていないのは、「確認したか?」「できたか?」など「はい」か「いいえ」で答えられる質問のときです。

例えば、私や上司が進捗状況を知るために「あの資料できた?」と尋ねると、皆さんは、「この部分は、思うに……」などあれこれと説明し始めます。これでは、聞いたほうは、知りたいことが分かりません。皆さんがまず答えるべきなのは、「できた」「できていない」のどちらかです。

また、仮にできていない場合には、「できていない」と答えるだけでは不十分です。聞いたほうは、どのくらい進んでいるのか、いつできるのかを確認したいのです。「できていません」と事実を答えた上で、「ただし、下調べは済んでおり、他に急ぎの仕事もないので、今日の11時までには完成する予定です」と現状と予定を必ず伝えるようにしてください。相手は、必要に応じてスケジュールなどを調整することができるでしょう。

ビジネスにおいて聞いたことに答えるには、まず、相手の立場に立つことが大切です。今日から、肝に銘じて実践してください。

以上(2022年5月)

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画像:Mariko Mitsuda