定時退社の上司に、部下はついていけるのか?/半歩先行く中堅社員(2)

中堅社員のAさんが勤める会社では、毎月、幹部会が行われます。今月から、Aさんも上司のB本部長と一緒に出席することになりました。B本部長はAさんを高く評価しており、「他の幹部に名前を覚えてもらえるように」と声をかけてくれました。

その日の幹部会のテーマは「働き方改革」。幹部たちは所管部の取り組みを順番に発表していきます。次は社内でも仕事ができると評判のC本部長です。どんな発言をするのか興味津々だったAさんですが、C本部長の発言は意外なものでした。

「私は定時退社で『働き方改革』を実践しているが、部下は残業続きだ。部下の要領が悪くて仕事が遅いのが一番の原因だ」

C本部長の指摘にも一理あるのかもしれませんが、残業が慢性化しているのは事実です。C本部長の真意が理解できないAさんは、同意を求めるように隣のB本部長を見ました。すると、B本部長も何やら深く考え込んでいます……。

働かない上司は問題外

若い頃はバリバリ働いていたのに、今は面倒なことは全て部下にやらせて、自分は口だけ出す。こんな人が皆さんの会社にはいませんか? 定時退社するのが、こんな「働かない上司」だったら誰もついてきません。

かつては、年功序列・終身雇用で若い頃に頑張った分、ある程度の年齢になったら楽をする働き方も認められていたかもしれません。しかし、今の時代には通用しません。

働かない上司の存在は、現場の士気にも悪影響を及ぼします。中堅社員が自ら解決するのは難しいはずなので、その場合は自分の上司に“やんわり”と、働かない上司のことを相談してみるとよいでしょう。

仕事ができても“愛”がなければ……

冒頭のC本部長は、働かない上司ではなく、仕事ができる上司です。新技術が次々と登場し、働き方も残業規制、副業・兼業の容認、リモートワークなどと様変わりする中、C本部長は環境の変化に適応し、第一線で通用するスキルを維持する努力を続けてきたはずです。

C本部長のような上司の下で働く部下は、新しいことにチャレンジする機会に恵まれます。変化が当たり前の環境で鍛えられた部下は、柔軟性と突破力を兼ね備えることができるかもしれません。

これを実現するためには、上司の“愛”ある指導が必要です。仕事ができる上司は、部下にも自分と近いペースで働くことを求めがちです。しかし、上司が求めるスピードについてこれる部下はほとんどいません。

能力不足や不慣れなど、部下の仕事が遅い理由はさまざまですが、部下の“迷い”にも注目してあげたいものです。部下が、自分の思った通りに進めれば意外と早く終わるのに、「本当にこの進め方でよいのだろうか。間違えたら上司に叱られる」などと迷ってしまうので、余計な時間がかかるのです。

こうした部下の迷いを断ち切るためには、上司が丁寧に指導しなければなりません。仕事ができる上司が、「昔は自分もそうだった。手間と時間はかかるが、しっかりと教えてあげよう」と、“愛”のある指導を行ったとき、部下は成長することができるのです。

定時退社の上司を部下はどう見ているのか?

ところで、部下は自分たちが残業続きであっても、仕事ができる上司が定時退社することを、最初、次のように好意的に受け止めてくれることがあります。

  • 「上司は『働き方改革』を率先垂範するために、早く帰っているのだ」

ただ、この状態は長く続きません。上司が残業削減の対策を講じなければ、部下の状況は改善されません。そして、「定時退社の上司」と「残業続きの部下」という構図が定着します。不満がたまった部下は、先ほどとは全く違う印象を持つようになります。

  • 「なぜ、自分たちだけ残業しなければならないのだ!?」

仕事ができる上司は、「働き方改革」を率先垂範しているつもりでも、部下の心はどんどん離れていってしまうのです。

問われるのは「依存と自立」のバランス

C本部長が発言しているとき、Aさんの上司であるB本部長が考えていたのは、「依存と自立」のバランスです。全てがそうではありませんが、指示通りに働いていれば給料がもらえ、雇用も維持されるという環境は、ある意味、「会社への依存」です。

同様に、何かあれば上司がフォローしてくれるから大丈夫と甘えるのも、「上司への依存」といえるでしょう。

会社や上司は、こうした依存を受け入れる代わりに、社員(部下)から労働力の提供を受けていますが、「働き方改革」が進む中で、こうした関係は少しずつ変わっています。それは、

  • 個々人が自立して働くようになっている

ということです。

C本部長のやり方は、部下の自立を促すものかもしれませんが、言葉が足りませんでした。B本部長がAさんを幹部会に同席させたのも自立を促すためですが、B本部長がきちんと説明していたので、Aさんはやる気になっています。

「依存と自立」のバランスが問われる時代、大切なのは、上司が丁寧に説明することです。最初は時間がかかるかもしれませんが、そこで投資した時間は、必ず将来に活かされます。

Point

  • 中堅社員は、仕事ができて“愛”のある上司を目指していこう!
  • 「依存と自立」のバランスを忘れずに。

以上(2019年8月)

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画像:Eriko Nonaka

おごってくれない上司を、部下はケチだと思うか?/半歩先行く中堅社員(1)

「ごちそうさまでした~♪」

満腹・満足げな部下たちに別れを告げた中堅社員のAさん。今月は大忙しだったため、頑張った五人の部下たちをねぎらおうと奮発して焼き肉をおごりました。食事会は大盛り上がりで、「チームの結束が強まった!」と実感できました。

ただ、切実な問題が1つ……。Aさんの財布の中身がさみしいのです。

食事会の目的と、その成果を考えれば、飲食代を会社に請求しても問題ないでしょう。しかし、Aさんの会社では、「上司は部下に必ずおごる」という暗黙の了解があり、Aさんもそれに従っているのです。内心、Aさんはこう思っています。

「自分もよく上司におごってもらうけど、皆会社に請求していないのかな。毎回自腹では、正直、きついはずだ。出世もいいけど、部下におごったためにお小遣いがなくなるのはちょっとな」

「上司はおごるもの」という強迫観念

上司が集まると、「部下にどこまでおごる?」という話に割とよくなります。部下におごるのはいいけれど、毎回だと金銭的につらいので、他人がどこまでおごっているのかを知りたいのです。

とにかく上司は、部下から「ケチだ!」と思われたくはありません。そのため、「前回はおごったので、今回もおごらないと……」とか、「Bさんにはおごったから、Cさんにもおごらないと……」などと考えてしまうのです。

一方、上司にとってはうれしい? 意外な事実があります。部下の立場にある人に話を聞いてみたり、アンケートを見てみたりすると、部下は上司のおごりをそれほど期待していないようです。「気を使うし、おごってもらうのは申し訳ない。それに、フラットな気持ちで話ができない」というのがその理由です。

「部下におごらなければならない」という思いは、上司が持つ強迫観念のようなもので、この傾向は年配の上司に多く見られるようです。年功序列・終身雇用という雇用慣行の中で、「給料が低い若手を援助するのは上司の役割である」という雰囲気があったのでしょう。

とはいえ、おごるのは効果的?

とはいえ、「おごるのや~めた!」ということにはなりません。財布事情は別として、食事会は上司と部下とのコミュニケーションの場であることは間違いないからです。

普段とは違う雰囲気でリラックスできますし、おいしい食事があれば会話も弾みやすくなります。上司から食事に誘われた部下は、最初、「上司と二人はつらいな~。説教されるのでは……」などと敬遠するかもしれませんが、「おいしいお店があるから、一緒に食べに行こう。おごるよ!」とカジュアルに誘えば、部下も上司の誘いに応じやすくなります。

結局、上司はある程度は部下におごることになりそうですが、それが毎回だと、部下は「上司の誘い=タダ飯」と期待するかもしれません。バブル時代、ご飯をおごってもらうだけの「メッシーくん」がいましたが、“メッシー上司”になるのは避けたいものです。

おごるか否かの基準を持つ!

ということで、上司は「おごるか否かの基準」を持ちましょう。単純ですが分かりやすいのは、

  • 仕事なのか、プライベートに近いのか?

という基準です。

この基準を冒頭のAさんに当てはめてみましょう。食事会の目的は「部下をねぎらい、やる気を明日につなぐ」ことであり、完全に仕事です。しかも成果が上がっています。これなら、会社に飲食代を請求しても問題ないでしょう。

なお、こうした飲食代を「いくらまで請求していいか?」は、会社の規則で定められているはずです。経費を請求する場合は、事前に確認しましょう。

上司の素直な気持ちが大切

ここまでの話とは逆に、「会社に経費請求するまでもなく、むしろ自分で支払いたい」と上司が感じるケースがあります。

例えば、上司が一人の人間(人生の先輩)として部下にアドバイスをする場合や、頑張っている部下を何らかの形で応援したいと思う場合は、こんなふうに考えるものです。難しく考えずに、「上司がおごりたいと思ったら、おごる」というシンプルな判断をすればよいでしょう。ただし、懐具合とのバランスはとっておかないと長続きしません。

そうした意味では、食事でなく、コーヒーをおごるだけでも十分です。豪華な食事を1回するよりも、何度も一緒にコーヒーを飲むほうが、コミュニケーションの回数も増えます。

いずれにしても、中堅社員になったら、使う経費が増えてきます。部下との食事会に限らず、会社のお金と自分のお金の区別を明確にしなければなりません。

  • 「出世するほど、お金にきれいになる」

というのが、中堅社員の1つのテーマです。

また、今どきの問題として気をつけたいのが、ハラスメントです。部下と二人だけで食事などに行く場合、そこでの言動にはいつも以上に注意しておいたほうが無難です。こちらの意図とは全く関係のないところで、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントを指摘されることがあるかもしれないからです。そうした懸念があるなら、食事会は三人以上としたほうが無難です。

Point

  • 「上司はおごるもの」という強迫観念から解放され、「おごるか否かの基準」を設ける。
  • 大切なのはコミュニケーションの質!

以上(2019年8月)

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画像:Eriko Nonaka

サバイバルゲームフィールドの開設について

書いてあること

  • 主な読者:サバイバルゲームフィールドの開設を検討している事業者
  • 課題:市場の動向や収支見込みに関する知見がない
  • 解決策:競合の状況や開設に必要な設備・サービス、関連する法規制などを把握する

1 サバイバルゲームの概要と市場動向

1)サバイバルゲームとは

サバイバルゲームは、板壁などで囲った施設の中で玩具銃を用い、模擬的な銃撃戦などを敵味方に分かれた数人から数十人のチームで楽しむ競技です。一般的には、BB弾と呼ばれる直径6ミリメートルの球状の弾丸を装填し、難燃性ガスや圧縮空気などの力で射出するタイプの玩具銃(以下「エアガン」)が用いられます。

野外で楽しむことが多かったり、一種の「戦争ごっこ」でもあったりすることから、雰囲気を盛り上げ、かつ安全性を確保するべく、服装(以下「ミリタリールック」)は野外の行動に適した軍装品・迷彩服(払い下げ品やレプリカ品など)や、それに近いものであるのが一般的です。

また、エアガンは、射出時に代替フロンなどの難燃性ガスを使う「ガスガン」、射出時に電動モーターでポンプを作動させて作り出した圧縮空気を使う「電動ガン」、銃弾の装填と同時に人力で銃内部のポンプを使って圧縮空気を作り出し、弾丸を射出する「エアコッキングガン」があります。

銃弾が自動で装填され、低温でも作動するなど利便性の高さから大型銃を中心に電動ガンが使用されています。拳銃モデルなど小型の銃は電動モーターなどを内蔵するのが難しいため、ガスガンやエアコッキングガンが主流のようです。

2)市場の概要

サバイバルゲームの市場は、エアガン、ミリタリールックといった「装備」と、サバイバルゲームを楽しむ場所である「サバイバルゲームフィールド(以下「フィールド」)」などで構成されます。

装備市場は、総称してミリタリーショップなどと呼ばれるミリタリールック専門店・サバイバルゲーム専門店の他、玩具専門店・量販店などが主なプレーヤーです。主として、商品の販売で収益を上げています。

フィールド市場は、主に次のような背景を持つ事業者によって運営されています。

  • 愛好家グループを母体とする事業者(個人、法人)
  • 玩具銃も取り扱うミリタリーショップ
  • 遊休不動産の活用や町おこしなどを目的とする、異業種の新規参入者

フィールドの収益源は、時間・1日単位の貸し切り料、定例会(詳細は後述)の参加費、飲食物や関連グッズの販売などです。

3)フィールドの件数

東京サバゲーナビによると、都道府県別のフィールドの件数は次の通りです。

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なお、本業の閑散期(例:春~秋季のスキー場)、商業施設のイベントといった期間限定で開業しているフィールドや、個人が運営する小規模なフィールドなど、捕捉できていないフィールドもあるため、実際には図表より件数は多いものとみられます。

■東京サバゲーナビ■
https://tokyosavage.jp/
■日本遊戯銃協同組合(ASGK)■
http://www.asgk.jp

2 フィールドの概要

1)スタイル別に見るフィールド

フィールドのスタイルは、アウトドア型とインドア型に大別されます。

アウトドア型は、郊外の山林や採石場跡などの遊休地に立地する、フィールド外部に流れ弾が飛ばないように板壁やフェンスなどで囲った施設です。障害物を設置するなどして、模擬的な野外戦闘を楽しめるようにしています。

インドア型は、廃倉庫や廃工場といった使われなくなった施設、ビルのワンフロアなど、屋内でサバイバルゲームを楽しめるようにしたものです。施設の特性上、模擬的な屋内戦闘を楽しめるようにしてあるのが一般的ですが、模擬樹木を設置するなどして森林戦を模しているところもあります。

いずれのスタイルのフィールドも、開設に当たっては障害物や競技に必要な機材を設置するだけなど、比較的手間が掛からず、原状回復もしやすいため、遊休不動産の活用策にもなります。例えば、事務所跡を什器などが残った居抜きの状態でフィールドに転用し、日常的な環境で楽しめるようにしているケースがあります。また、スキー場の運営者が、春~秋季の休業中の施設活用策としてフィールドを運営しているケースもあります。

2)主な付帯設備

フィールドの付帯設備として、セーフティー(待機・休憩所)、更衣室、洗面所、装備の整備・一時保管スペース、試射場などが挙げられます。セーフティーはサバイバルゲーム特有の設備で、他のプレーヤーからの銃撃によって退場させられた人や、プレーの順番待ちをしている人が安全に待機できるようになっていることから、その名が付いています。

アウトドア型の場合、セーフティー、更衣室、洗面所といった付帯設備は、プレハブの建物などにまとめていることが多いようです。都心から離れているフィールドであれば、駐車場も備えています。

なお、女性愛好家の増加に伴い、女性専用の更衣室や洗面所などを設けるところも見られるようになっており、フィールドの計画を立てる際は留意が必要です。

3)主なサービス

フィールドのサービスとして、定例会の開催、フィールドの貸し切り、銃や防具など装備の有料レンタル、飲食物や関連グッズの販売、最寄り駅への送り迎えなどがあります。

定例会は、不特定の愛好家にサバイバルゲームの参加を呼びかけるもので、1日単位で行われます。特定のチームに属していない人でも参加費を支払うことで手軽に参加できます。フィールドの定員にもよりますが、1日当たり20~30人程度を集めるのが一般的なようです。稼働率向上が図れるため、参加者が見込める土日祝日を中心に行われています。

フィールドの貸し切りは、団体客向けに施設を数時間~1日単位で貸し出すもので、多くの施設では最低利用人数を定めています。

装備の有料レンタルは、初めてサバイバルゲームに参加する人や、装備をそろえるまでに至っていないライト層を取り込むためのサービスで、多くのフィールドで取り扱っています。

最寄り駅への送り迎えは、フィールドまでの交通手段がない人に対して行うものです。現地までの移動距離が長く、路線バスの本数も少ないため、タクシーでの移動を余儀なくされるような場所に立地しているフィールドで実施されている場合があります。

4)料金の目安

フィールドの利用に関わる料金の目安は次の通りです。

  • 定例会会費(1人当たり)
    3000円(終日)
  • 貸し切り料金
    定例会会費×最低利用人数
    (例:定例会会費が3000円、最低利用人数が15人の場合、3000×15=4万5000円)
  • 装備レンタル料
    エアガン:2000~3000円程度
    迷彩服:1000円程度
    フェースガードやゴーグルといった小物類:各500円程度

5)開設に掛かる費用

フィールドの開設に掛かる費用は、大きく分けて次の3つになります。

  • フィールドそのもの
    土地・建物の賃借料・取得費、造成費(アウトドア型の場合)
  • フィールドの設備
    セーフティーなどに使う建物、水道や電気などのインフラ回り(いずれもアウトドア型の場合)、遮蔽物(小規模な建物、工作物、廃車など)
  • フィールドの備品
    受付、ロッカー、レンタル用装備(エアガン、小物類)

なお、実際に掛かる費用については、どのようなフィールドにするのかによって、大きく異なってきます。例えば、フェンスの設置など手を付ける範囲を最低限にとどめ、セーフティーをイベント用のテントにしたり、トイレを仮設タイプにしたりするなどして、設備を簡易なものにする場合、造成費はほとんど掛からず、その他の費用も抑えられるでしょう。

ただし、魅力的なフィールドにするためには、多額の投資を行い、快適性やエンターテインメント性を高める施策が欠かせません。具体的には、セーフティーなどに使う建物を設置して水洗トイレやシャワー、更衣室を設けたり、遮蔽物を小屋など本格的なものにしたりすることが考えられます。

また、装備レンタル料については、1セット当たりの大まかな目安は次の通りです。

  • エアガン:2万~3万円(銃本体、バッテリーなど)
  • 迷彩服:5000~1万円(上下セット)
  • 小物類:2000~5000円(フェースガード、ゴーグルなど)

6)法規制

フィールドを開設するに当たり、特有の法規制はありません。

また、フィールドは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の規制対象となる「5号営業(ゲームセンターなど)」には基本的に該当しません。ただし、念のため所轄警察署の生活安全を担当する部署に相談しておくと、間違いないでしょう。

アウトドア型フィールドを次に挙げるような場所に設置する場合、許認可を取り付けたり、転用の手続きを取る必要があります。

  • 市街化調整区域(都市計画法)
  • 保安林(森林法)
  • 農地(農地法)
  • その他開発が規制されている場所

そのため、フィールドの開設を予定している場所が決まり、大まかな計画が固まり次第、土地の登記簿を取得したり、市町村の建設担当部署に問い合わせたりして、必要な手続きを洗い出す必要があります。規制によって開発できないケースもあり得るため、早めの対応が欠かせません。

また、セーフティーなどとして使う建築物を新たに設置する場合、建築基準法などに基づく手続きが必要なため、併せて建設担当部署に問い合わせておきましょう。

そして、開設に関わる工事や開設後にトラブルとならないよう、説明会や見学会を行うなどして、近隣住民の不安を解消することが欠かせません。

運営に当たっては、条例等により18歳未満の使用が禁止されているエアガンもあることから、18歳未満の入場を規制したり、該当するエアガンを18歳未満には貸し出さないなどの対応が必要です。

7)利用者などへのヒアリング、専門家への確認が欠かせない

本章で紹介したフィールドの概要は、あくまで基本的なもので、立地や競合環境、ターゲット層、ターゲット層が求める設備、敷地に見合った適正なプレー人数などの見極めが重要です。近隣のサバイバルゲーム専門店にヒアリングしたり、サバイバルゲーム愛好家を招いて試遊会を開催したりして、利用者に選ばれるフィールドを構築できるようにしましょう。

また、土地開発や風俗営業に詳しい行政書士などの専門家とも相談し、トラブルなく開設できるようにしましょう。

以上(2019年8月)

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画像:pixabay

この会社を選ぶ意味を語れますか?/若手社員が採用できる、辞めない職場づくりのヒント(1)

1 ビジョン語りで優秀な学生を採る

ゆとりさとり世代、ミレニアル世代、デジタルネイティブ、SNS社会の住人――。

どれも今どきの若者を形容するキーワードです。究極の売り手市場といわれる令和の時代、そんな彼らの価値観や行動原理を理解することなしに採用成功は望めません。本稿では、拙著『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』に記した若者を理解するためのキーワードをもとに、いま若手採用において、何が重要かを解説していきます。

今どきの若者がよく言う口癖に「それって意味あるんですか?」というセリフがあります。とにかく論理的、合理的な納得感が彼らの行動原理。意味と目的を理解できないと動きません。逆にその意味と目的に共感したら、大まじめに取り組みます。

就職先を選ぶ上でも、この「意味付け」という価値観が大きく影響しています。ですから企業としては、ビジョナリーな採用コミュニケーション戦略がより重要度を増しています。特に知名度の低い中小企業においては、ビジョン語りによる「意味」の提供は生命線となってくるでしょう。逆に「意味」の提供ができれば、優秀な学生を大企業からリプレイスできるジャイアントキリングにも期待が持てます。

2 親や友達に説明しなきゃいけない

彼らが、これほど企業選択に対する「意味付け」にこだわるのには、納得感以外にも理由があります。他人に、“なぜこの会社を選ぼうとしているのか”という理由を説明するための意味を欲しているのです。その筆頭が親です。オヤカクという言葉があるように、新卒で就職するにせよ転職するにせよ、いまや就活に親が口を出す時代。いまの若者たちは、親に対しての説明を意識せざるをえません。

また、いまの若者には多くの友達がいます。育ってきた中で知り合ったリアル友達だけでなく、SNSでつながったオンライン友達が圧倒的に増えています。その友達にも“なぜこの会社を選ぼうとしているのか”を語りたい、あるいは語る必要に迫られているのです。SNS上での彼らは、炎上したり悪目立ちしたりするのは困るけど、充実した自分を見せたい!他人に認められる自分でありたい!という欲求が人一倍強い世代なのです。

3 その会社に決めて「いいね」と言われたい

だから「そういう理由で選んだのなら分かる。いいじゃん。頑張ってね」と言われたいのです。逆にいうと、自分の友達が認めてくれないような就職先を選ぶというのは、相当勇気のいる選択なのです。超合理的な価値観を持つ若者からすると、すごく説明コストがかかるのです。それこそコスパが悪いじゃんということになってしまいます。

終身雇用が崩壊し、将来不安を抱える若者の人気企業ランキングにおいて、相変わらず大企業が上位にズラリと並ぶのは、その企業の安定性を買っているのではありません。だって一生勤め上げるという感覚は皆無なのですから。あのランキングには、就職先を選んだ意味の語りやすさ、周囲への説明のしやすさが反映されているといっても過言ではありません。

4 テクノロジー積極活用のススメ

また超合理的で生産性を極限まで追求する彼らは、時間のムダが大嫌い。最短ルートでゴールしたいと考えています。当然ながらデジタルツールを使うことは大得意です。こういった採用ツール(最近ではHRテックといわれます)を駆使することは、若手採用を成功させるもうひとつのカギといえます。

そういった観点から、若者への親和性があって時短を実現してくれる採用ツールをふたつ紹介しましょう。

まずは、オンライン自動面接日程調整システム。急速に進歩を遂げた「チャットボット」という技術によって、面接日程調整を完全自動化するサービスが台頭してきています。「チャットボット(Chatbot)」とは、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことです。

いまの若い世代は、LINEなどチャットでのリアルタイムなやりとりが当たり前。応募したものの「どうして返事するのに1日もかかるのか」というようなストレスを感じる人は、少なくありません。

一方で、採用業務に携わる担当者のデジタルリテラシーが高くないと、この手のHRテックシステムを駆使するのは難しいというのも事実。しかし最近では、機能充実より機能を絞って操作性をシンプルにするというサービスが増えています。

従来型の採用管理システムを導入していたあるアパレルチェーン。月間300~1000名の応募者をさばくために、1日3時間を費やしていた本社の採用担当者は、前述の面接設定に特化したシステムに乗り換えたことによって採用業務時間が半減したとのこと。

「生産性を高めるシステムって導入してみても、使いこなせないって、あるあるですよね。でも新しいシステムは触っちゃえばまあまあ簡単だったっていう感触。私の仕事はなくなっちゃうんじゃないですか?って思わず言ってしまったほどです」。そう話す担当者もいました。

5 YouTube世代にささる動画面接

面接をオンラインでやってしまいましょうというテックサービスも増えています。この動画面接システムも、面接にこぎつけるスピード感という面で非常に有効です。採用担当者の面接時間確保、応募者との日程調整だけでも大変な中、当たり前ですがリアルな面接では面接会場の確保も必要になります。全てが空いているタイミングを探すのに労力がかかり、なかなか面接をセッティングできずに終わってしまうケースも実際に多々起きています。

しかも、ライブ面接だけでなく録画面接という機能もあります。この機能を使えば、応募者がスマホで録画しておいた面接動画を、採用担当者が空いている時間にチェックすることが可能です。観たい時に映画を観るオンデマンドな動画サービスと同じです。これも忙しい採用担当者にとっては、非常にありがたい機能でしょう。

また応募者が遠方に在住している場合、面接に来てもらうのには、移動時間や交通費の面で大きな負担となります。その点、オンラインでの動画面接は場所の制約を受けません。日本全国(あるいは世界中)どこに住んでいても、面接が可能です。いとも簡単に時空を超えて面接できるというのは、応募者と採用担当者の負担を大幅に軽減することにつながります。

さて、利便性は理解できたとしても動画面接に踏み切れない理由があるとすれば、「やっぱり実際に会って面接しないと、応募者の人となりは分からないでしょ」という見極め問題でしょう。しかし考えてみてください。緊張感いっぱいの面接で自分を出し切ることって、なかなか難しいものです。特に最近の若者はリアルコミュニケーションが苦手。むしろYouTubeやTikTokに投稿慣れしている世代にとっては、動画による自己表現のほうがよっぽどリラックスして「素」を出せそうです。そう考えると、ガチガチに緊張して盛り上がらないリアル面接よりも、実は応募者のキャラを見極めやすいのかもしれません。

6 SNS世代を理解したリクルーティング戦略

生まれた時からインターネットがあり、多感な思春期にSNSというバーチャルな社会にデビューしたいまの若者は、もはやオンラインコミュニケーションのほうが得意。SNSで個人と個人が直接つながり、仲間関係が横に広がっています。そこでは年上も年下もなく、経営者でも会社員でも、外国人であっても、個と個でつながっています。

若者はそういった「ヨコにつながる仲間コミュニティ」の中で「バリバリ目立つのは嫌だけど認められたい」という葛藤を抱えながら、一方で「意味や目的のないムダな仕事はしたくない」合理性と生産性への強いこだわりを持っています。

そんな彼らの傾向を理解した上での採用活動を心掛けていただきたい。キーワードはビジョナリーなコミュニケーション&テックでのスピーディな採用です。

以上(2019年8月)
(執筆 平賀充記)

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画像:NDABCREATIVITY-Adobe Stock

【朝礼】答えはお客さまの中にある

6月になり、2019年上半期のヒット商品番付が公表されました。東の横綱には新元号「令和」が、西の横綱にはスマホ決済サービス各社が行ったキャンペーン「スマホペイ還元」が上がりました。

この他にも、各種メディアでは、改元のあった今年の上半期にふさわしい、新しい発想の商品やサービスが多数報道されました。例えば、普通は置いて使うはずのプリンターを、手で持って自分で動かせるものに変えた「リコーハンディープリンター」。ビルなどにあるのが一般的なオフィスを、エキナカに設置した「ボックス型シェアオフィス」。こうした、これまでの常識を変えたものが「新しい発想」として注目されたのでしょう。

社会や人々のライフスタイルがめまぐるしく変わりゆく現代では、商品やサービスもそれに合わせて進化させていくことが求められます。ただし、私は、「新しい発想」を生み出す源泉自体は、いつの時代も変わらないと思っています。

それは、「お客さまが本当に望んでいることは何かをとことん考え抜く」ことです。これは、かなり難しいことでもあります。本当に望んでいること、困っていることの多くは、実は本人も分かっていないからです。私の知っている経営者は、こう言っています。「本人も分かっていない、潜在的な本当の困り事を見つけて解決することが、自分の一生を懸けた仕事である」。そのため、彼は、使える限りの時間をお客さまと一緒に行動し、お客さまの話を聞くことに費やしています。

当社も同じです。お客さまが普段、どのようなことを考え、どのような行動を取っているか。喜びや悲しみを感じるのはどのようなときか。そうしたことを聞き、お客さまの表情をよく見て、そこから「本当に望んでいることは何か」を考え抜く。それこそが、私たちがやるべき一番大切な仕事です。

皆さん、ぜひ、お客さまの顔をよく見てください。連絡を取り、できるだけ直接会って話を聞きましょう。そうしなければ、お客さまの困り事を見つけることはできません。お客さまのほうから要望を言ってもらい、その後に対応するようでは遅いのです。言われてからやることは、作業にすぎません。しかし、言われるより前に実践すれば、それは、お客さまにとって「うれしいサービス」になるでしょう。

皆さんの中には、「お客さまと話をしているが、お客さまのことがよく分からない」という人もいるかもしれません。それは、お客さまの思っていることをしっかりと聞き出せていないからです。「なぜそうするのか、そう思うのか」「なぜ他の選択肢を選ばないのか」。こうしたことを質問し、お客さまの話はとことん掘り下げることが大切です。掘り下げた先に、きっと、お客さまの本当の思いが見えてくるでしょう。

「新しい発想」は、お客さまに思いを寄せ、考え抜くことで生まれます。いつの時代も、「答えはお客さまの中にある」と私は考えます。

以上(2019年7月)

pj16968
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】ビジネスの正解はあなたの情熱の中にある

先日、経営者仲間で食事をしたときに、話題になった質問があります。その内容は、「あなたが経営者ならば、A事業とB事業のどちらを選択しますか?」というものです。A事業は「社会的な意義が大きいが、もうからない事業」、B事業は「社会的な意義はないが、もうかる事業」です。皆さんの答えはどのようなものでしょうか。

この質問は、Google社が相手の視野の広さや柔軟性を知るために使うことがあるそうです。正解があるわけではありませんが、人によって答えに大きな違いが生じます。

ちなみに、私の答えは「A事業でもうかるように工夫する」というものでした。まず私の信条として、社会的に意義のない事業はやりたくありません。それに、A事業が本当に社会的に意義のあるものならば、いずれは世間に受け入れられる可能性が高いと思います。「もうからない」というのは、既存の参入企業を想定した情報かもしれませんが、そうであるならば、むしろビジネスチャンスが大きいと私は思うのです。

同じ類いの質問は他にもあります。例えば、「中小企業は大きな市場を狙うべきか? それとも、いわゆるニッチ市場を狙うべきか?」というのもその類いです。これらの質問で共通しているのは、絶対的な正解がなく、前提条件次第で有利な回答に変わることです。こうした質問を受けたとき、私が最も情けないと感じるのは、「前提条件が分からないから答えられない」という回答です。

このように回答する人は、いつまでも前提条件の提示を求め、結局、自分の答えを言えないものです。しかし、ビジネスは不確定要素だらけで、完全に前提条件が分かることはありません。

冒頭の質問は、いわゆる経営判断を求めるものです。では、私が何をもって意思決定したかといえば、最終的には自分の情熱なのです。もちろん市場調査はするでしょうし、これまでの経験も生かされるでしょう。しかし、リアルのビジネスではどの選択にも一長一短があることがほとんどで、99対1のように、分かりやすい差がつくことはまれです。となると、最後は自分の情熱で選択するしかないのです。言葉を変えれば、「どちらを『正解』にしたいか」を自分で決めるということなのです。この正解とは、皆さんの信念や夢に沿ったビジネスということになります。

皆さん、「こっちを正解にしたい!」という思いを持って活動してください。そのためには、世の中の大きなうねりを感じ、自分がビジネスの主人公になることです。試しに、A4用紙の中央に「自分」を書き、周囲に皆さんの仕事や業界の動きを書き込んでみてください。頭の中が整理され、重要なことは自然と大きく書くでしょう。そのたった1枚の図の中に、皆さんの仕事の喜びや苦しみが凝縮されています。それをじっくり見れば、「あぁ、自分がやりたいことはこれだ!」とおぼろげにでも分かってくるはずであり、それが皆さんの判断基準となるのです。

以上(2019年8月)

pj16969
画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】頼れる人、頼れない人

今日は、皆さんに大事なことを質問します。皆さんには、困ったときに頼れる人はいますか。仕事のことでも、仕事以外のことでも、頼れる人がいるのといないのとでは、心の持ちようが大きく違います。

私には、困ったときに頼れる人が、何人かいます。そのうちの1人は、まだ20代の若者です。彼は、自身の専門分野に明るいのはもちろんですが、それだけではありません。人から相談されたときに、すぐに解決できないことでもゼロ回答とせず、一緒にどうにかしようとする姿勢や心意気を持っています。彼の真摯な姿を見ていると、感謝で胸がいっぱいになります。心が洗われ、自分自身も頑張ろうという気持ちが湧いてきます。

一方で、残念ながら「この人は、いざというときに頼れないな」と思う人もいます。何かを相談したりお願いしたりしたときに、リアクションが悪く、対応してくれる際も保身に走る言動が目立つような人は、「頼れない」と感じてしまいます。利害関係があれば、ある程度の保身は仕方がないのかもしれませんが、それがあまり目に付くようだと、信頼できなくなってしまうのです。

そうした頼れない人の言動を見ると、私は悲しい気持ちになるのと同時に、その人を反面教師にしなければと強く思います。皆さんは、こうした話をどのように感じますか。困ったときに頼れる人はいるか、そして、皆さん自身は、誰かの頼れる人になっているか。一度、考えてみてください。

頼れる人と頼れない人には、さまざまな違いがあります。分かりやすいのは、「相談を受けた際、どのような動きをするか」という点でしょう。

頼れる人は、すぐにリアクションをします。自身が今できることを考え、実践しようとするのです。たとえ今、本人にできることがなかったとしても、「この手段がよいかもしれない」「この人に聞けば分かる可能性がある」「こうした影響も考慮したほうがよい」と、前に進む提案や建設的な意見を相手に伝えられるのが頼れる人です。

一方、私の経験上、頼れない人は、自分から動こうとしません。「分かりません」「できません」「今は難しいです」と、できるだけ労力を費やさずに済まそうとします。こういうリアクションを取らせる関係を築いてしまった側にも責任はあるでしょう。しかし、こうした言動は、相手にあまりにも冷たく利己的な印象を与えます。そして、次第に相手からの信頼は失われていくのです。

頼れる人と頼れない人とでは、結局、「誠実さ」において違いがあるのではないかと私は考えます。相手の困っている状況や気持ちに寄り添い、誠実に向き合おうとすれば、人は自ずと、頼れる人の言動を取るものではないでしょうか。

例に挙げた20代の彼は、私が感謝すると、「いえ、自分はまだ、至らないところが多くて。もっと勉強します」と答えます。皆さんは果たして、そうしたことが言えますか。皆さん、ぜひ、私と一緒に、「頼れる人」になりましょう。

以上(2019年8月)

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画像:Mariko Mitsuda

リファラル採用は企業変革の絶好のチャンスです!〜中小企業は知らない人を採ってはいけないという社会情勢を知る〜/岡目八目リポート

年間1000人以上の経営者と会い、人と人とのご縁をつなぐ代表世話人 杉浦佳浩氏。ベンチャーやユニークな中小企業の目利きである杉浦氏が今回紹介するのは、リファラルリクルーティング株式会社の代表取締役である白潟敏朗さんです。

今年の1月に白潟さんが出版された【知らない人を採ってはいけない 新しい世界基準「リファラル採用」の教科書】が発売後すぐに、Amazonの会社経営、マネジメント・人材管理、人事・労務管理の3分野で1位となるほどの人気。これも時代が正しい方向に進もうとしている結果と感じました。中小企業における採用のあり方を掘り下げることにフォーカスして今回はお伝えできればと思います。

まずは白潟さん作成の自己紹介シートと同社HPをご覧ください。

白潟氏の自己紹介シートを示した画像です

なんと解りやすい自己紹介シートなんでしょうか。。。。伝わる伝える技術の大切さがこの1枚で理解できます。さすが29年間で12,600社のコンサルを手がけられた実績の証と思いますね。物腰柔らかながらも伝えるべきことはキチンと伝え、伝わる。経営者経験も20年となり、7社の経営に携わってこられた白潟さんに、中小企業にとって大きな課題である人材採用面での大切な情報を余すところなく伺ってまいりました。私自身も企業間を取り巻く情勢状況を理解出来、大変勉強になった次第です。是非、ご期待下さい!!

1 リファラル採用をコンサルティングすることになったワケ~中小企業を取り巻く採用情勢、企業経営者との対話から生まれる~

1)減り続ける労働人口

開口一番 白潟さんから飛び出したのは、労働人口の減少の現実。2030年には何も対策を打たなければ、今より644万人の人手不足が生じる(出所:パーソル総合研究所より)。外国人の受け入れ、高齢者・主婦の社会復帰等で、一定はこの労働人口不足の【手当】は可能だと思うが、深刻な人手不足が日本を支えている中小企業にボディーブローのように効いていくことが、これから現実味を帯びていくことは明白です。

2)人材採用業界における中小企業の現況

マーケットサイズ(求人広告・職業紹介)が1兆円を超えたのがおおよそ10年前(出所:人材サービス産業の近未来を考える会作成資料9ページ)。現状何が起こっているか?

  • 求人広告に掲載してもまったくと言っていいほど人が来ない、応募がない(儲かるのは求人広告会社ばかり)
  • 求人広告の内容が自社の実態とかけ離れた【誇張】で打ち出し、採用のミスマッチが後を絶たない
  • たまに採用に至っても、質の低い人材しか来ない(すぐに辞めてしまう)
  • 登録している人材の中には経歴詐称をしている人材も(質の担保ができない)
  • 紹介会社に依頼して年収の35%の手数料を払える中小企業は少なくなってきている

ますます肥大化する人材採用マーケット、売上、利益が絶好調な収益構造にそろそろ綻びが出始め、賢明な経営者ほど自社の利益をある意味、対価なく貢いでいるだけのような構造を疑問視するようになっていると、白潟さんは話します。

3)コンサル業界ではやらないエリア戦略から見えてきたこと

50歳で一念発起し、トーマツ イノベーション(現ラーニングエージェンシー)の社長を後進に譲り、中小企業経営者を元気にする!を天命と誓い白潟総合研究所株式会社を起業した際、中小企業の集積している場所として当初八丁堀町駅近くに事務所を構えていました。その時の思い出話として、コンサルティング会社がやらない顧客開拓手法のエリア戦略にチャレンジしたそうです。

  • ご近所への開拓するのに、飛び込みを選んだ白潟さん、ありがちなことでは誰も取り合ってくれない、門前払いの連続、そこで名刺をA3サイズに巨大化して手渡す。社長がいなくても必ず社長にその巨大名刺が行き渡り、社長への面談確率を上げていたそうです。実際の名刺はこちらです。

白潟総合研究所株式会社の名刺を示した画像です

  • 社長と面談が叶った時に、営業新人でも誰でも簡単に経営課題を確認できるツールも作成。それは経営課題を予め印刷した大きなカード(トランプのような、ソリューションカードと名付けていらしゃいました)。こちらを7枚、社長の目の前に提示し、徹底的に課題を聞いていったそうです。

ソリューションカードの画像です

このエリア戦略について、白潟さんは笑顔で『うまくいきませんでした。』と話されていましたが、中小企業経営者との徹底的な対話から、一番の課題が【人が採れない、良い人が採れない】ということでした。前職時代から、社長の身内が入社したいと思わない会社はだめ!と言っていたそうですが、この課題を事業化、新規事業として、そして【新会社】として設立したのがリファラルリクルーティング株式会社となった経緯です。経営者への課題に向き合う姿勢大切ですね。

2 リファラル採用が全てうまくいっている。なぜか、その内容とは?

白潟さんから衝撃的なコメントがあったのが、『今まで、リファラル採用のお手伝いをしてきた中小企業で上手く行かなかった(採用に至らなかった)会社は1社もありません。』という事実。

なぜか? それは以下の【リファラル採用がうまくいく3つの前提条件】をご覧ください。

リファラル採用がうまくいく3つの前提条件を示した画像です

  • 社長と会社を好きな社員がいる
  • 嘘をつかない
  • 社長が耳の痛い提案を聴ける

まずはこの3つを会社の代表である社長が約束できるか? そこを見極め、確認できた時にだけ、採用のコンサルティングに進むそうです。ある意味うまくいくことに納得感がありますね。

リファラルリクルーティングについて詳細をお伝えしていきたいと思います。

1)リファラルリクルーティング≠コネ入社ではありません

リファラルリクルーティングを説明した画像です

社内外の信頼できる人脈からの紹介・推薦による採用活動のことなんですね。

2)リファラルリクルーティングの位置づけについて

リファラルリクルーティングの位置づけを説明した画像です

多様化する採用活動、その中でもダイレクトリクルーティングの中に分類されています。ウォンテッドリー等のソーシャルメディアが発達して行く中でリファラル採用も利便性、効率性がアップしたと言えます。

3)リファラル採用の誤解と適切な理解

リファラル採用のよくある誤解と適切な理解を説明した画像です

上記の中で大切に思ったのは、友人知人を口説くわけではない、その友人の先にいる友人や知人ということ。また自分で口説かなくて良い、会社主催のイベントに連れてくるだけでもOK。個人戦ではなく団体戦ということ。

4)リファラル採用の王道プロセス

リファラル採用の王道プロセスを説明した画像です

リファラル採用の唯一のデメリットが上記に記載されています。それは、求職者が入社意向であっても、テストでNG、面接でNGの場合。ここで大切なのは、テストでNGであっても、面接でNGであっても、必ず社長との面接までは実行すること。そして決して、不合格通知をださないこと。社長名の感謝の手紙、誠意を伝える。ここを失敗すると、声を掛けてくれた社員までが辞めてしまう恐れもあり、慎重にする。

5)実際にコンサルティングのイメージと費用について(標準例)

リファラル採用の具体的な推進手順を説明した画像です

標準6カ月でコンサルティングを行い、9回の訪問で2名以上の採用へ。その後の自力自走で採用を継続していくというイメージです。

このコンサルティングの中で、アピールブックの重要性、まさに嘘をつかないこと。出来ていないことは出来ていない、課題の全て、現状の事実を最初から隠すことなく求職者に伝える、入社してバレてしまう課題を入社前にキチンと見える化。しかし、会社が変革していこうとする中期経営計画と入社後の個人への能力開発を見える化することで期待をもって入社してもらう。

3 白潟さんの今後の展開、インタビューを終えて

1)白潟さんの事業の展開、今後について

前職時代に顧客社数が8,000社までマーケットを創った白潟さん、50歳からまたゼロからのスタートから現在顧客数は250社へと5年で成長させていらっしゃいます。今後の事業展開についても伺いました。

白潟総合研究所のHPにも掲載していますが、今後の展開は、親→子→孫の形態で会社を設立していきます。いわば総合店と専門店を同時に経営し顧客に向き合うこと。』

もう少し詳しく伺いますと、今回の主テーマである、リファラルリクルーティング株式会社は孫にあたります。白潟総合研究所は親に。今年1月、ソーシャルメディアを活用した採用コンサルティングの会社としてソーシャルリクルーティング株式会社を設立しています。こちらも孫の位置づけであり、今後も経営者の採用に関する課題に対応する事業を新会社化していく、その孫と親の間に【採用総合研究所】を設立、これが子にあたる位置づけに。

総合店(白潟総合研究所)でありながらも、専門店として対応ができる、親→子→孫という発想で、組織開発、人財育成、売上アップ、業務改革、経営管理と現時点でこれだけの【子】の研究所のイメージをお持ちです。この事業展開を継続、発展していく先、30年後には【お客様の数、シンプルな方法論の数、コンサルタントの質で世界No1.のコンサルティングファームになる】というビジョンを掲げていていらっしゃいます。日本が強くなる、活気ある中小企業経営者のために。私も微力ですがご一緒できますようにと願い、この白潟さんの想いに共感しています。

また今月(2019年7月)には私にとっても念願の大阪に拠点を構えることに。

2)インタビューを終えて

経営コンサルティング業界29年、しかも圧倒的な数の経営者と向き合ってこられた白潟さん。ご実績からすると少しくらい上から目線の部分もあるかと思いますが、そんなことは微塵もなく。物腰柔らかく、素人でも解りやすい口調で終始笑顔で接してくださいます。

経営者の課題を傾聴し、見える化したところから事業開発にまでもっていかれるスピード感には感心というより驚きのレベルです。

今回は、中小企業の経営を圧迫し、結果を出せていない、採用事情についてリポートさせていただきましたが、採用レベルのお話ではなく、経営者の変革、組織の変革、会社の変革を行う上で相当のチャンスと理解しました。

社長の親戚や社長の奥さんの友人、得意先等々社長をとりまく人脈から魅力がなければそれは大きな問題、課題、その解決にリファラル採用が決め手になるように思いました。まさに【知らない人は採ってはいけない】と。

白潟さんに感謝です。

以上(2019年7月作成)

法人間の国際送金サービス

書いてあること

  • 主な読者:海外企業と取引のある事業者
  • 課題:国際送金サービスの事例、留意点を知りたい
  • 解決策:銀行以外でも国際送金サービスを手掛ける企業がある。取引に当たり、ビジネスメール詐欺などの金融犯罪に注意する

1 拡大する国際送金の額

グローバル化の進展によって出稼ぎ労働者を含む移民が増加していることなどを背景に、国際送金の額の拡大が続いています。

世界銀行のデータによると、世界における国際送金の額(送金の受け手国側から集計した額)は、2018年には6894億400万ドル(1ドル=110円で換算すると約76兆円)と過去最高を記録したもようです(2019年4月公表の速報値)。

同じく世界銀行のデータによると、日本への国際送金の額は、2018年には56億3400万ドル(1ドル=110円で換算すると約6200億円)、日本からの国際送金の額は、2017年には52億8300万ドル(同、約5810億円)となっています。

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2 銀行以外で法人間の国際送金サービスを展開している企業事例

1)国際送金とは

国際送金は、国境を超えて現金を物理的に移動させることはまれで、実際には銀行間の「帳簿の付け替え」が行われるかたちが一般的です。

詳細は割愛しますが、国内のA銀行の口座から、海外のX銀行の口座に送金する場合、「送金手数料」「為替手数料」「受取手数料」が発生し、途中に介在する金融機関が多ければ、それだけ時間やコストが掛かることになります。

国際送金サービスの市場は、かつては、銀行や送金専門業者(Money Transfer Operator)の独壇場でしたが、インターネットが普及した近年では、ITを駆使したフィンテック企業の参入も相次いでいます。

以降では、銀行以外で、法人間の国際送金サービスを日本でも展開している企業事例を紹介します。

2)TransferWise(トランスファーワイズ)

TransferWise(英国)は、自社の銀行口座を多数の国に開設しており、送り手が自国のTransferWiseの口座へ入金して指示をすれば、受け手の国にあるTransferWiseの口座から、その時点での為替レートで送金できるというサービスを展開しています。

同社は、手数料計算ツールをウェブサイトで公開するなど、送金に掛かるコストの透明化を図っています。

同社の日本法人トランスファーワイズ・ジャパン(東京都千代田区)は、2016年9月より個人向けサービスを、2018年6月より法人向けサービスを開始しました。

■トランスファーワイズ「法人サービス」■
https://transferwise.com/jp/business/

3)Queen Bee Capital(クイーンビーキャピタル)

Queen Bee Capital(東京都港区)は、「PayForex(ペイフォレックス)」という、銀行間の国際送金ルートを利用し、顧客の資金を海外の銀行口座へ送金するサービスを展開しています。全ての手続きがインターネット上で完結でき、取り扱い通貨は20種類以上、200カ国以上に送金が可能です。送金額によって手数料が異なり、大口の外貨送金手数料は無料となります。

■Queen Bee Capital「PayForex」■
https://www.queenbeecapital.com/payforex/

3 銀行以外の法人間の国際送金サービスを利用する際の留意点

1)1回当たり100万円を超える送金は銀行以外に認められていない

上述したトランスファーワイズ・ジャパン、Queen Bee Capitalの2社は「資金移動業者」として登録を受けています。これは、「資金決済に関する法律」に基づき、銀行等(銀行、外国銀行の日本支店)以外のものが100万円に相当する額以下の為替取引を業として営む場合、「資金移動業者」として内閣総理大臣の登録を受けなければならないためです。

2)法人口座の開設には書類提出が必要

法人口座の開設には、申し込み者が本人であることを証明する書類と、個人番号(マイナンバー)・法人番号の提出が必要となります。これらの必要書類を取りまとめるには、相応の手間が掛かります。

3)金融犯罪に注意

いわゆる「ビジネスメール詐欺」の手口が巧妙化しています。2018年8月には情報処理推進機構(IPA)が、「日本語メールの攻撃事例を確認、あらゆる国内企業・組織が攻撃対象となる状況に」として、注意喚起を行いました。

今後、日本語の文面によるビジネスメール詐欺が増加した場合、海外との取引がない、あるいは英語のメールのやり取りの習慣がない国内の一般企業・組織も被害に遭う恐れがあります。

4 参考

現在、1回当たり100万円を超える送金は銀行以外に認められていません。ただし、2018年秋以降、金融庁の金融審議会において、この規制の緩和に向けた議論が進められています。

2019年5月29日には、金融審議会「金融制度スタディ・グループ」において、「『決済』法制及び金融サービス仲介法制に係る制度整備についての報告≪基本的な考え方≫(案)」が示されました。その中では、資金移動業者を送金額に応じて、「現行の送金上限額を超える高額送金を取り扱う事業者」「現行規制を前提に事業を行う事業者」「数千円または数万円以下の少額送金のみを取り扱う事業者」の3類型に再編することなどが、検討課題として示されています。

報道によると、金融庁は制度化に向けて議論を進め、早ければ2020年の通常国会に関連法改正案の提出を目指しているもようです。

以上(2019年7月)

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画像:photo-ac

【朝礼】「変化」は自ら起こすもの

先日、私は大学の頃の友人と、大学時代の思い出の地を巡ってきました。実に30年ぶりに、校舎の中と、その周辺の街を歩いてみたのです。

懐かしさと同時に、新しく変わった校舎や街並みに、大きな衝撃を受けました。

中でも印象に残ったのは、大学周辺の飲食店が、ほとんど新しく変わっていたことです。私たちは、「思い出の地巡り」の締めくくりとして、当時よく通っていた何軒かの店で乾杯しようと思っていましたが、それらの店はただの一軒も残っていませんでした。

唯一残っていたのは、昼ごはんをよく買いに行ったパン屋さんだけです。そのパン屋さんも、店名を含めて30年前とは様子が全く違っており、おしゃれなベーカリーカフェに変わっていました。私たちは、30年たつと飲食店がこれほどまでに入れ替わり、変化するのかと、時代の流れを実感しつつ帰ってきました。

それぞれの飲食店で事情はさまざまでしょうが、唯一パン屋さんが30年たっても残ることができたのは、時代とともに移りゆく学生たちのニーズやライフスタイルに合わせて、自分たちも変化してきたからかもしれません。私は、このパン屋さんの姿から、当社も、これから変化していかなければならないと改めて強く感じました。

ただし、パン屋さんと当社では、大きく違う点があります。それは、「パン屋さんは外から変化がやってくる」という点です。

そのパン屋さんは大学のそばにあるため、毎年、多くの学生が新しく入学し、そして卒業していきます。つまり、「顧客」も含めて、「常に外から変化がやってくる」環境にあるのです。

一方、当社はそうではありません。新入社員を定期的に採用してはいませんし、顧客が毎年、定期的に入れ替わるようなこともありません。外から大きな変化がやってくるわけではない当社は、「中から変わっていく」しかないのです。

皆さん、自分の周りを見回してみてください。当社は設立30年以上ですが、30年前と全く同じ進め方をしている仕事、変わらない商品があるはずです。長く続いているのは大いに誇れる素晴らしいことですが、ただ漫然と前例を踏襲しているだけで、本当は変わらなければならないのに変わっていないとしたら、それは大きな問題です。

「日に新た(ひにあらた)」。これは、昨日とは違う今日という意識を持ち、日々新しい自分になることで成長していけるという趣旨の言葉で、松下幸之助氏が好んで使っていたものです。松下氏は、社員が全く同じことを続けているだけだと、厳しく叱ることもあったといいます。

当社も同じです。皆さん一人ひとりが、「中から、自分たちから変わっていこう」という意識を持ち、日々変化していくことで成長できるのです。

この朝礼が終われば、昨日とは違う新しい一日が始まります。皆さん、今日から変化を意識し、当社に新しい風をぜひ起こしてください。

以上(2019年7月)

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画像:Mariko Mitsuda