目次
1 効果的にメッセージを伝えるための4原則
仕事に対する価値観、働き方の変化は昨今著しく、組織をまとめることはますます大変になっています。経営環境が変われば社員も不安になります。そのようなときに必要なのは経営者のメッセージです。
経営者の中には「うちは人数が少ないし、特別なことをしなくても、私(経営者)の考えは社員に伝わっている」と思っている人もいるかもしれません。しかし、残念ながらそれは勘違いです。他人同士が互いの考えを共有するまでには想像以上に長い時間と、伝える努力、そして聞く努力が必要なのです。
全員が目指すべきゴールを共有した一体感のある組織。これを実現するために、経営者自身が、今何を考え、どのような方向に企業を導こうとしているのかを社員に伝えるのです。そして、このメッセージをより効果的に伝えるためにぜひ知っておきたいのが、次の4原則です。
- 直接性の原則:社員に直接語りかける
- 公開性の原則:伝えるべきかどうか迷ったら、原則伝える
- 定期性の原則:定期的にメッセージを伝える機会を設ける
- 複合性の原則:多様なツールを組み合わせて伝える
2 直接性の原則:社員に直接語りかける
メッセージは、経営者が自分の言葉で、直接社員に語りかけます。ここでいう「直接」には、対面のコミュニケーションだけではなく、チャットや社内報などのツールも含みます。
直接伝えることが大切な理由は、メッセージが省略されたり、経営者以外の人の独自の解釈が加わったりするのを防ぐためです。「経営者→経営幹部→一般社員」といった伝言ゲームでは、正しくメッセージが伝わらない場合があるので、直接経営者の言葉で語りかけましょう。
【実践のポイント】
- 短くても構わないので、経営者自身の言葉で語る
- 「なぜそう考えたのか」という背景や理由も添える
- 対面が難しい場合は、動画メッセージや音声メッセージも効果的
3 公開性の原則:伝えるべきかどうか迷ったら、原則伝える
メッセージの内容によっては、「これは、全ての社員に伝えるべきか・・・・・・」と迷うこともあるでしょう。そのような場合は、基本的な内容を伝え、さらに詳しい情報を求めてくる社員には必要に応じて追加情報を伝えるようにしましょう。
例えば、経営者と経営幹部が新規事業について話しているのを聞いたら、もっと詳しく聞きたいという社員が出てくるでしょう。内容にもよりますが、「物事をより深く知りたい」という社員は見所がありますから、詳しい情報を求めてきたら、公開できる情報はできるだけ迅速に伝えるようにしましょう。
【実践のポイント】
- 「今は言えない」場合も、「なぜ今は言えないのか」を説明する
- 後から情報を追加する場合は、そのタイミングも伝えておく
- 機密情報や個人情報は当然慎重に扱う
4 定期性の原則:定期的にメッセージを伝える機会を設ける
社員の中には、「経営者のメッセージは、上司などが出す細かな指示と違い、抽象的で目の前の仕事に関係ない」と思っている人も少なくありません。「たまにメッセージを投げかけて、後は放置」というような状態だと、そのうち社員から関心を向けられなくなります。
これを防ぐためには、「毎週金曜日の朝礼は全員参加・経営者からメッセージを伝える日」のように、メッセージを伝える機会を定期的に設けて、メッセージに対する関心を高めることが肝心です。
【実践のポイント】
- 「短いメッセージ(日常的な気づきや感謝)は週1回程度」「中期的な方向性(月次の振り返りや来月の重点など)は月1回程度」など、内容に応じて頻度を決めておく
- 一方通行のメッセージだけでは、社員の本音や疑問が見えないため、「質問タイムを設ける」「匿名で質問を受け付ける」など、双方向のコミュニケーションを意識する
5 複合性の原則:多様なツールを組み合わせて伝える
メッセージを対面で伝えられたらよいのですが、テレワークをしている場合、そうした機会は限られています。そこで、さまざまなツールを補完的に活用しながら、適切なタイミングでメッセージを伝えていきましょう。
例えば、経営者のメッセージをチャットやオンラインの常設ルームで、全社員に伝えるといったような方法も有効です。ただ、ここぞというときは「生の音声」で語ったほうが、社員に経営者の思いが伝わりやすいです。
【実践のポイント】
- 「緊急・重要な発表」は対面推奨(動画でも可)。表情や声のトーンで本気度が伝わる
- 「日常的な気づき」はチャットなど、気軽に発信でき、社員も読みやすいツールを使う
- 詳細な説明が必要な内容は、後日文書で詳細を共有するなどの配慮を忘れない
以上(2026年3月更新)
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