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新入社員なんだし、先輩にはかわいがってもらいたい。仲間からも嫌われたくない。となると、やっぱり「コミュ力」が重要。といっても、共通の話題とかないし、あまり深い付き合いになるのもちょっとな〜。ひとまず「挨拶」をしっかりとやっておこう。面と向かって挨拶するのって照れくさいけれど、チャットだけで挨拶ってわけにもいかないだろうし……。
1 新入社員のアイスブレークは「挨拶」
皆さん、「アイスブレーク」をご存じですか? アイスブレークとは、場の雰囲気を和ませるために行う“つかみ”です。文字通り、「アイス」は氷のことで、この氷を溶かしてコミュニケーションを円滑にしようということです。皆さんの先輩が、本格的な商談に入る前に最近の出来事や趣味などの雑談をしていると思いますが、これがアイスブレークなのです。
そして、新入社員の皆さんも最強のアイスブレークができます。それが、「笑顔で明るい挨拶」です。元気な挨拶をされて嫌な気分になる人はいません。挨拶された相手は、「お、この新入社員はしっかりしているな!」と、勝手に「コミュ力期待できそう認定」をしてくれます。ですから皆さん、「おはようございます!」などの挨拶を欠かさないようにしてください。
また、挨拶は「先手必勝」です。相手が挨拶してくれるのを待つのではなく、自分から積極的に声をかけましょう。新入社員が先輩に先に挨拶することは、失礼でも出しゃばりでもありません。むしろ、フレッシュで好印象です。名前を覚えてもらうためにも、最初のうちは「おはようございます、○○です」のように自分の名前を添えるのも効果的です。
ちなみに、チャットツールなどで連絡をするときも、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と挨拶した後に本題に入れば印象が良くなりますよ!
2 心配ご無用。挨拶では「悪目立ち」しない
元気に挨拶をすると、「アピールが強すぎて、悪目立ちするんじゃないか?」と考えている人は安心してください。その心配はご無用です。
先輩からすれば、挨拶は社会人の常識なので、「挨拶ができている新入社員」と認識はされますが、イコール「アピールが強すぎ」とはなりません。つまり、挨拶は特別ではないのです。忙しそうな先輩に声をかけるのは気が引けるかもしれませんが、挨拶だけなら数秒で終わります。皆さんは爽やかな挨拶を続けるだけで、確実にコミュ力が高まります。
また、「挨拶しても相手がリアクションしてくれなかったらどうしよう?」と心配するかもしれませんが、これも心配ご無用。集中していて挨拶が聞こえないのか、挨拶を返す習慣がないといったところでしょうが、そうした相手のリアクションは気にしなくていいです。
なお、挨拶は「顔を見て」することが大切です。下を向いたまま、パソコンの画面を見たまま、歩きながらボソッと言うのは挨拶とは言えません。一度立ち止まって、相手の方を向いて、目を見て挨拶しましょう。これだけで印象は大きく変わります。
3 仕事でよく使う挨拶を確認
挨拶が大事なことは分かっても、シーンによっては「この場合、なんて言えばいいのだろう?」と迷うことがありますよね。ということで、よく使う挨拶のフレーズを覚えておきましょう。
- お礼を伝えるとき:ありがとうございます
- 謝罪するとき:(大変)申し訳ございません
- 朝、皆と会ったとき:おはようございます
- 仕事を頼むとき:よろしくお願いいたします
- 仕事を頼まれたとき:承知しました
- 相手を待たせるとき:○分程度、お待ちいただけますか
- 自分が外出するとき:行ってきます
- 自分が外出から戻ったとき:戻りました
- 誰かが外出するとき:行ってらっしゃい
- 誰かが外出から戻ったとき:お帰りなさい
- お客様がいらっしゃったとき:いらっしゃいませ
- お客様が帰られるとき:ありがとうございました
- 電話に出るとき:お電話ありがとうございます、○○会社の△△でございます
- 電話をかけるとき:お世話になっております、○○会社の△△と申します
- 電話を切るとき:失礼いたします
- 自分が業務を終了するとき:お先に失礼いたします
- 相手が業務を終了するとき:お疲れさまです
どの挨拶も、相手に聞こえるようにします。とはいえ、大声を出す必要はなく、普通に話すときよりも、少し声を張るくらいで大丈夫です。
4 敬語は使ってマスターせよ!
新入社員に限らず、「敬語」は大きな壁です。文化庁「敬語おもしろ相談室」によると、敬語には次の5種類がありますが、正直、よく分かりませんよね。これ、きっと先輩も同じですから安心してください。
- 尊敬語:相手の行為や状態などを立てて述べるもの 例)いらっしゃる
- 謙譲語I:自分の行為や状態などを謙(へりくだ)らせて述べるもの 例)伺う
- 謙譲語II:自分の行為や状態などを相手に丁寧に述べるもの 例)参る
- 丁寧語:相手に対して丁寧に述べるもの 例)です、ます
- 美化語:物事を美化して述べるもの 例)お料理
敬語を軽んじてはいけません。しかし、ぎこちない敬語でロボットのように話すよりも、多少間違えてもいいので誠意を持って伝えるほうが大切です。それに、使っていくうちに敬語に慣れてきます。「これは尊敬語で、こっちは謙譲語I」なんて意識することもなく、なじんでくるのです。それでも100点満点にはならないでしょうが、そんなに気にしなくていいです。繰り返しますが、大切なのは誠意を持って伝えることだからです。
なお、新入社員向けの書籍などでは「二重敬語に注意!」と紹介されることが多いので、念のため、触れておきましょう。二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を二重に使ってしまうことです。
例えば、「お読みになられる」は、「お○○」と「なられる」という尊敬語が重複しているので間違っています。正しくは「お読みになる」です。といっても、二重敬語は丁寧にしようという思いから出てくるのが通常なので、やはり、そんなに気にする必要はありません。敬語に慣れてくると、二重敬語についても「ん? 今のは変だったかな?」と気づくようになりますから安心してください。
■文化庁「敬語おもしろ相談室」■
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html
5 よく使う敬語を紹介
敬語で難しいのは尊敬語と謙譲語なので、ビジネスでよく使うフレーズを紹介しておきます。軽く眺めて、雰囲気をつかんでください。
- 読む:(尊敬語)お読みになる、(謙譲語)拝読する
- 言う:(尊敬語)おっしゃる、(謙譲語)申し上げる
- 見る:(尊敬語)ご覧になる、(謙譲語)拝見する
- する:(尊敬語)なさる、(謙譲語)いたす
- 知っている:(尊敬語)ご存じ、(謙譲語)承知する、存じ上げる
- 行く:(尊敬語)いらっしゃる、おいでになる、(謙譲語)伺う、参上する
- 来る:(尊敬語)おいでになる、みえる、(謙譲語)参る
- 知る:(尊敬語)お知りになる、(謙譲語)存じ上げる
- 聞く:(尊敬語)お聞きになる、(謙譲語)伺う
- 食べる:(尊敬語)召し上がる、(謙譲語)いただく
- 飲む:(尊敬語)お飲みになる、(謙譲語)いただく
- 見せる:(尊敬語)お見せになる、(謙譲語)お目に掛ける
ちなみに、敬語には「内と外」の使い分けというものもあります。例えば、社内の人との会話で「〇〇部長がおっしゃっていました」と言うのは正しいですが、社外の人と話すときに「〇〇部長がおっしゃっていました」とは言いません。「部長の〇〇が申しておりました」と言うのが正しいです。これまた難しいですが、徐々に覚えていきましょう。
6 「クッション言葉」でマイルドに!
新入社員にはあまり関係ないことですが、こちらの言葉がストレートすぎると事務的な印象やきつい印象を相手に与えてしまいます。そこで「クッション言葉」を使ってマイルドな印象にします。ビジネスでよく使うクッション言葉には次のようなものがあります。
- 恐れ入りますが
- 失礼ですが
- 申し訳ございませんが
- あいにくでございますが
- 勝手ばかりで恐縮ですが
- ご多用中に恐縮ですが
クッション言葉を使うと、同じ内容でも受け取る印象が大きく変わります。ただし、使いすぎると回りくどい印象になるので、適度に使うことを心がけましょう。
なお、余談ですが、「こんなことを言うのはなんなんだけど」など、先輩が皆さんにクッション言葉を使ってきたら、わりときついことを伝えようとしているかもしれませんね。
7 オンラインのときほど格別の配慮を
今どきは、オンラインで話すことも多くなっています。その際の挨拶や敬語の考え方はこれまでと同じです。ただ、オンラインでは相手の“呼吸”を感じにくいので、対面のときよりもコミュニケーションが難しくなります。大切なポイントを紹介します。
- オンライン会議の5分前にはスタンバイしておく
- 特に初対面の相手にはビデオオン(顔出し)が理想的
- カメラの位置は目線の高さに(見下ろしたり見上げたりしない)
- 相手の話が終わって、一呼吸おいてから話を始める
- 相手の話には、大きくうなずく
- 自分が話さないときはミュートにする(雑音防止)
- 話すときはミュートを解除し忘れないように注意
- 途中から参加してくる人への挨拶も忘れない
- 途中で退出する際の挨拶も、チャット機能を使うなど会話を遮らないよう注意する
8 こんなときどうする? 挨拶・言葉遣いのQ&A
1)廊下で役員とすれ違ったけど、顔と名前が一致しない。挨拶すべき?
迷わず挨拶しましょう。「おはようございます」と笑顔で挨拶すればOKです。名前が分からなくても問題ありません。
2)先輩に「敬語使わなくていいよ」と言われたら?
社交辞令の可能性もあるので、基本は敬語のままで。ただし、カチカチすぎる敬語は緩めて、「です・ます」調を基本にするとよいでしょう。
3)電話で名前を聞き取れなかったら?
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」と聞き直しましょう。曖昧なまま進めるほうが失礼です。
4)メールで「お疲れさまです」は使っていい?
社内メールなら問題ありません。ただし、社外へのメールは「お世話になっております」が無難です。
5)同期に対しても敬語を使うべき?
このあたりは会社の風土にもよりますが、職場にいる間は「です・ます」調を基本にしましょう。仕事中はある程度のけじめをつけた話し方を心がけることが大切です。
以上(2025年12月更新)
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画像:Mariko Mitsuda





