今まで遅刻は注意しませんでしたが、目に余る場合は懲戒処分できますか。

QUESTION

今まで遅刻は注意しませんでしたが、目に余る場合は懲戒処分できますか。

ANSWER

従来遅刻を注意しなかった場合には、目に余る場合でも懲戒処分にはできません。

解説

職場規律がルーズなのに、いきなり特定の者だけを懲戒処分にするのは、その懲戒は恣意的であり、又は他意あるものと考えられ、権利濫用等の法理により、認められません。
しかし、ルーズな職場規律を厳格にするのは、何ら問題はありません。従業員にその周知を十分行ったうえで、その違反者に対して厳格な措置を講じるようにしてください。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.96020

画像:Mariko Mitsuda

有期契約の労働者については、契約期間が満了したら自由に雇止めできるのでしょうか?

QUESTION

有期契約の労働者については、契約期間が満了したら自由に雇止めできるのでしょうか?

ANSWER

過去に有期契約が反復更新された場合や、有期雇用契約更新の期待権が生じている場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは雇止めが認められません。

解説

労働契約法の改正により、これまで判例上のルールであった「雇止め法理」が法定化されました。
これにより一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになりました。
≪対象となる有期労働契約≫

  • 過去の反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
  • 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

上記のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。
この場合、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.96080

画像:Mariko Mitsuda

自己退職申し出のタイミングは1ヶ月前としていいですか。

QUESTION

自己退職申し出のタイミングは1ヶ月前としていいですか。

ANSWER

1ヶ月前として構いません。

解説

実際の就業規則の条文例では、自己都合退職申出の予告期間を2週間とする会社と1ヶ月とする会社に分かれています。
民法627条1項では、期間の定めのない労働契約の解除の予告期間を2週間としています。このため、労働者が退職の意思表示をすれば2週間後に労働契約は終了すると考えられます。
しかし、同条2項では「期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。」と定められています。
したがって、月給制の場合、直近の賃金締切日で退職する場合はその賃金計算期間の前半、つまり2週間以上前でないといけない場合もでてきます。
民法の規定は強行法規ではありませんので、これと異なる規定が一切許されないわけではないとも考えられますが、このように考えたとしても、予告期間が長いために退職の自由が極度に制限される場合は、公序良俗に反し、当該規定が無効とされることになります。
1ヶ月前程度での規定であれば、労働者への制限が少なく、業務の引継ぎのための期間も必要ですので、公序良俗違反とはいえません。
民法の規定にも配慮し、「従業員が自己の都合により退職しようとするときは、原則として1ヶ月以上前、少なくとも2週間前までに退職願を提出しなければならない」と定めるのが良いでしょう。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.97080

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正社員とそれ以外の社員とでは、待遇に差があります。これは問題でしょうか?

QUESTION

正社員とそれ以外の社員とでは、待遇に差があります。これは問題でしょうか?

ANSWER

合理的な理由による差であれば問題ありません。

解説

労働者が正社員でないことのみを理由として、正社員とそれ以外の社員とで待遇に不合理な格差をつけることは、パートタイム・有期雇用労働法や裁判例等で否定されています。
逆にいえば、【業務の内容】【業務に伴う責任の程度】【配置の変更の範囲】【その他の事情】等を考慮して合理的と認められる格差ならば、問題ありません。
ただし、待遇の相違が不合理と認められるか否かの判断は、個々の待遇(給与、賞与、手当、福利厚生、教育訓練など)の趣旨を個別に考慮すべきとされていますので、ご注意ください。
このように、会社は、正社員と非正規社員の労働が同じであれば同じ待遇とし、労働に違いがあれば違いに応じた待遇とする(均等・均衡待遇)ために、現状の待遇を整理・点検・検討の上、必要があれば是正しなければなりません。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
 <監修>
   社会保険労務士法人中企団総研

No.92080

画像:Mariko Mitsuda

最低賃金に合わせて給料を定めている従業員について、給与計算期間の途中で最低賃金の改定があった場合、給料をどのように変更すればよいでしょうか?

QUESTION

最低賃金に合わせて給料を定めている従業員について、給与計算期間の途中で最低賃金の改定があった場合、給料をどのように変更すればよいでしょうか?

ANSWER

改定日以降の労働に対する分の時間給を、改定後最低賃金以上とする必要があります。

解説

都道府県別の最低賃金は、毎年10月初旬に改定が行われています。
よって月途中に給与計算の締日を設定している場合、給与計算期間の始期と改定後最低賃金の発行日とは一致しません。
時間給のみを支給している従業員に対してであれば、単純に時給単価を引き上げれば問題ありません。
日給や週給、月給制の場合、対象賃金額を所定労働時間で除し、時間額に換算したうえで最低賃金と比較する必要があるため、煩雑な計算になることも考えられます。
もし計算が当月分の締日に間に合わないならば、遅くとも翌月には差額を清算しましょう。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.92150

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営業社員の採用にあたり、営業成績に比例する完全歩合給にできますか。

QUESTION

営業社員の採用にあたり、営業成績に比例する完全歩合給にできますか。

ANSWER

完全歩合給にすることはできますが、社員(労働者)として雇用する場合には、保障給規定が必要です。

解説

固定給の定めがなく、売上の増減に応じて給与を増減させる請負制賃金にすることも、可能です。
この場合、この営業社員が労働基準法でいう「労働者」か、会社の指揮も受けず、就業規則の適用もなく、労働時間にも拘束されない「独立の事業者」かにより、労働基準法27条(出来高払制の保障給)の適用を受けるかどうかが違ってきます。
労働者には出来高払制の保障給を支払わなければなりませんが、独立の事業者には保障給を支払う必要はありません。
問題は客観的に労働者になる場合の要件です。たとえ契約書の表記がどのようなものでも、

  • 報酬が世間相場を下回らない
  • 従業員の指示を拒否でき、始・終業の時刻を指示されない
  • 会社の専属でない

等の要件を満たしていない場合は、独立の事業者ではなく労働者とみなされてしまうことがあります。
なお、労働者である場合、使用者が保障給の定めをしていないときでも、その営業社員が当然なにがしかの保障給を請求する法律上の権利を持つという性格のものではありません。
しかし、使用者は保障給を支払わないと労働基準法120条に定める罰則の適用を受けます。
通達でも、労働基準法27条は労働者の責に基づかない事由によって、実収賃金が低下することを防ぐ趣旨であるから、労働者に対し、常に通常の実収賃金とあまりへだたらない程度の収入が保障されるように保障給の額を定めるように指導することとされています。
労働基準法27条に従い、就業規則に保障給の定めをして、保障給を支払うべきです。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.92070

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現場に形式的に責任者を置いて請負を行うのは合法ですか。

QUESTION

現場に形式的に責任者を置いて請負を行うのは合法ですか。

ANSWER

違法になります。

解説

書類上、形式的には請負(委託)契約ですが、実態としては労働者派遣であるものを偽装請負といい、違法です。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は変わらないものも違法です。
請負とは、「労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法)」ですが、派遣との違いは、発注者と受託者の労働者との間に指揮命令関係が生じないということがポイントです。自分の使用者からではなく、発注者から直接、業務の指示や命令をされるといった場合偽装請負である可能性が高いと言えます。
偽装請負の代表的なパターンは、「代表型」、「形式だけ責任者型」、「使用者不明型」、「一人請負型」の4つです。
現場に形式的に責任者を置いていますが、その責任者は、発注者の指示を個々の労働者に伝えるだけで、発注者が指示をしているのと実態は同じ場合は、「形式だけ責任者型」といいます。単純な業務に多いパターンです。
請負で働く場合、自分の使用者がはっきりせず、基本的な労働条件が確保されない場合には、まず都道府県労働局の需給調整事業関係業務担当窓口に相談すべきです。

※本内容は2024年2月29日時点での内容です。
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No.94120

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試用期間中の者は雇用保険に加入しなくてもいいですか。

QUESTION

試用期間中の者は雇用保険に加入しなくてもいいですか。

ANSWER

加入しなければなりません。

解説

雇用保険は、採用日の属する月の翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届をその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に提出します。
雇用保険に原則として加入できないのは、

  • 法人の代表者
  • 株式会社の取締役、合名会社の社員
  • 監査役
  • 昼間学生
  • 事業主と同居している親族
  • 臨時内職的に雇用される者

等です。
試用期間中の者は、雇用保険の適用除外者とされていません。
したがって、試用期間中の者であっても、雇用保険に加入しなければなりません。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.98030

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業務時間外の不祥事を理由に配置転換や解雇することはできますか。

QUESTION

業務時間外の不祥事を理由に配置転換や解雇することはできますか。

ANSWER

不祥事のみを理由に配置転換や解雇することはできませんが、業務への影響度合いによって処分できることもあります。

解説

業務時間外の不祥事だけを理由に配置転換をすることはできません。また、解雇をすることもできません。
しかし、業務時間外の不祥事が理由で業務が円滑に進まない場合は、会社にとっても損害となります。この場合は、配置転換はやむを得ないと考えられます。
例えば、バスの運転手が業務時間外に飲酒運転を行っていたことが判明した場合などです。
不祥事による業務への影響度合いを考慮して、処分の内容を決めることが必要です。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.91010

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定年後の雇用保険の手続はどうなりますか。

QUESTION

定年後の雇用保険の手続はどうなりますか。

ANSWER

定年時の年齢や再就職意思の有無によって異なります。

解説

定年で会社を退職したときは、年齢や転職活動の状況によって、次の3つがあり、それぞれ手続きの方法が違っています。
1.60~64歳の定年で退職して、転職先を探している場合
通常の自己都合の退職者と同じ手続きになります。
ただし、自己都合退職と異なり、給付制限(基本手当が受け取れない期間)がありません。算定基礎期間(雇用保険の在籍期間)によって受給できる日数は異なります。
2.65歳以上で定年退職した場合
65歳以上の場合は、基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」が、一時金として支給されます。支給額は60~64歳で退職する場合から大きく下がりますが、老齢厚生年金などとのバランスも考慮し、早期退職をするべきかどうかなど慎重に検討する必要があります。
3.定年退職後すぐに転職せず、しばらく休養する場合
雇用保険では、基本手当の受給期間は原則として、退職日の翌日から1年以内となっています。
しかし、病気などですぐに働けない人と定年退職者などについては、受給期間の延長が認められています。
ハローワークで基本手当の受け取りを、延長してもらうための手続きができます。

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   社会保険労務士法人中企団総研

No.97050

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