【アンケート】先輩社員の本音「いまどきの新入社員、ここが困った……」

1 Z世代の新入社員とのコミュニケーションに悩む人たちへ

現在、10~20代の新入社員は、いわゆる「Z世代」(1990年代半ば~2010年代初頭生まれ)と呼ばれる人たちです。先輩社員は「せっかくわが社を選んで入社してくれたのだから、しっかり育てよう」とはりきりますが、ジェネレーションギャップは世の常。新入社員の行動や態度に悩まされることも多いのではないでしょうか。

例えば、SNSなど特定のコミュニティ内での会話やスマホなどの扱いに慣れているために、

  • 対面でのコミュニケーションが苦手で、挨拶がちゃんとできない
  • 友達感覚の話し方が抜けきらず、敬語が正しく使えない
  • 大学の講義の黒板も写メで撮るのが当たり前だったので、メモを取る習慣がない

といった話などはよく聞きます。「ビジネスパーソンとして非常識だし、ちゃんと注意したほうがいいのかな……」「それとも、これも時代だと思って、新入社員に合わせたほうがいいのかな……」と、先輩社員の心境は複雑です。

そこで、この記事では

直近3年間で10~20代の新入社員を採用した会社に勤める「30代以上の先輩社員310人」に「新入社員の気になった行動・態度」や「新入社員への注意の仕方」をアンケート

した結果をまとめました(実施期間:2026年6月6日~6月12日)。ぜひ、自分と同年代の社員がどう考えているのかをご確認ください。

2 新入社員の行動や態度について、思うところがあるか

まずは、新入社員の行動や態度に、困惑したり違和感を覚えたりしたことはあるかを聞きました。先輩社員の回答は次の通りでした。

新入社員の行動や態度について、思うところがあるか

先輩社員の46.2%は、新入社員の行動や態度について、思うところがあるようです。

3 具体的にどのような行動や態度が気になったか

新入社員の行動や態度について、困惑したり違和感を覚えたりしたことが「ある」と回答した先輩社員に、具体的にどのような行動や態度が気になったかを聞きました。

具体的にどのような行動や態度が気になったか

「挨拶をしない」という回答が38.5%と最も多く、次いで「声が小さい」「愛想がない」の34.1%が続きます。

4 実際に新入社員を注意したことがあるか

同じく、新入社員の行動や態度について、困惑したり違和感を覚えたりしたことがある先輩社員に、実際に新入社員を注意したことがあるかを聞きました。

実際に新入社員を注意したことがあるか

「たくさん注意した」「まあまあ注意した」が合計51.7%となりました。問題があったら注意するスタンスの先輩社員、注意するのが苦手な先輩社員が、大体半々ずついるようです。

5 注意した/しなかった理由は何か

前章で新入社員を「たくさん注意した」「まあまあ注意した」と回答した先輩社員に「注意した理由」を、「あまり注意しなかった」「一度も注意したことがない」と回答した先輩社員に「注意しなかった理由」を聞きました。

注意した/しなかった理由は何か

「注意した理由」は、「仕事に支障を来すから」が38.3%と最も多く、次いで「新入社員に成長してほしいから」の31.9%が続きます。「仕事を進める上で必要だと思ったら注意する」というスタンスの先輩社員が多いようです。

「注意しなかった理由」は、「下手に注意してハラスメントと言われたくないから」が50.0%と最も多く、次いで「多様性の時代、無理に会社の常識に当てはめる必要はないから」の25.0%が続きます。ハラスメントになるのを恐れて新入社員を注意できない先輩社員が多いようです。また、「仕事をちゃんとやってくれるなら、あとは本人に任せよう」というスタンスの人も一定数いるようです。

6 具体的に何を注意したか

新入社員を注意したことがある(図表3で「一度も注意したことがない」以外の回答をした)先輩社員に、具体的に何を注意したのかを聞きました。

具体的に何を注意したか

「言葉遣い(独特の表現、敬語が正しく使えない、タメ口など)」という回答が21.1%と最も多く、次いで「メモを取らない」「指示されたことをやらない」「指示されたことしかやらない」「始業時刻(定時)ギリギリに出社する」の19.7%が続きます。

7 新入社員の行動や態度は改善したか

同じく、新入社員を注意したことがある先輩社員に、注意した結果、新入社員の行動や態度が改善したかを聞きました。複数の新入社員を注意した経験がある先輩社員には、1人でも改善した新入社員がいるかを回答してもらいました。

新入社員の行動や態度は改善したか

45.1%の先輩社員が「改善した」と回答しています。

8 改善につながった/つながらなかった理由は何か

新入社員の行動や態度が「改善した」「改善しなかった」と回答した先輩社員に、それぞれそう思う理由を聞きました。

改善につながった/つながらなかった理由は何か

注目したいのは赤字の部分です。「改善につながった理由」「改善につながらなかった理由」の上位5つのうち3つが同じ内容になっています。これはもしかしたら「注意の仕方」の問題かもしれません。

例えば、「『それは正しいかな?』など、やんわりとした言い方をした」は、「改善につながった理由」の3位(25.0%)、「改善につながらなかった理由」の1位(29.6%)になっていますが、改善につながらなかったという先輩社員は、

優しく諭すことを意識しすぎて、「新入社員のやり方は間違っている」ということをちゃんと伝えられなかった

のかもしれません。改善につながらなかった理由の2位(22.2%)に「優しめのトーンで叱った」が入っているのも、このあたりが関係している可能性があります。一方で、「改善につながらなかった理由」には「厳しめのトーンで叱った」(14.8%)も挙がっており、トーンの強弱だけが改善を左右するとは言い切れません。タイミングや場所の選び方、新入社員側の受け止め方なども影響している可能性があります。いずれにしても、暴言などハラスメントに当たるような指導はダメですが、

「何が間違っているか」「なぜ間違っているのか」を丁寧に説明した上で、先輩として毅然と指導する

という意識は大切かもしれません。

9 いわゆる「ゆるブラック企業」についてどう思うか

労働環境はしっかりしているが、優しすぎて社員が仕事にやりがいを感じられない「ゆるブラック企業」が最近話題になっています。先輩社員全員に、ゆるブラック企業についてどう思うかを聞いてみました。

「ゆるブラック企業」についてどう思うか

先輩社員の43.7%は自社もゆるブラック企業かもしれないと思っている一方、38.6%はやりがいをちゃんと伝えられている自信があるようです。

前述の図表4では、問題があると感じても「ハラスメントと言われたくない」という理由から新入社員を注意できない先輩社員が多かったですが、こうした状況が続けば、職場全体がなんとなく「注意しない・されない」雰囲気になり、意図せずゆるブラック企業化が進むリスクもあります。

新入社員が成長できる環境をつくるためには、ハラスメントにならない適切な指導の仕方を会社として整理し、先輩社員が安心して指導できる土台を整えることが重要といえるでしょう。

以上(2026年7月更新)

pj00714
画像:Paylessimages-Adobe Stock

お金のやり取りがなくても税金が? 「みなし贈与」の落とし穴

1 「みなし贈与」とは何か?

通常の贈与は、一方が財産をあげて、もう一方が財産をもらうという当事者間の合意によって行われるやり取りをいいます。ただし、税金面では、

当事者間の合意がなくても「実質的に財産をタダまたは格安でもらった」とみなされて課税される

ケースがあります。これが「みなし贈与」です。重要な点は、

当事者の「意図」ではなく、取引の「経済的な実態」に焦点が当てられること

です。

みなし贈与は当事者間に「贈与のつもりがない」ケースが多く、税務調査で指摘されるまでその存在に気づかず、予期せぬ追徴課税が発生してしまうことがあります。取引の種類によっては追徴課税が多額になり、会社の経営を圧迫する事態に陥るケースもあります。

2 なぜ会社にとって重要なのか?

贈与と聞くと、個人間の取引をイメージする人が多いかもしれませんが、実は「みなし贈与」は個人と会社の間、あるいは関連会社間の取引においても広く適用されます。例えば、次のような取引です。

  • 創業者が会社の資金繰りを助けるために個人資産(土地や建物など)を安く譲渡する
  • 長年、社長個人が会社に貸し付けていた債務を免除する
  • グループ会社間でサービスを無償で提供する
  • 個人資産を会社に(第三者との取引に比べて)低価格で貸し付ける

中小企業では経営者個人の資産と会社の資産が密接に関わっていたり、資金繰りの都合により関連会社間で融通し合ったりすることが少なくないという事情があり、こうした取引が行われます。いずれも会社を存続させたり、事業を円滑に運営したりするために「良かれと思って」行う行為ですが、税務上は「経済的な利益をタダで、または低額で渡された」とみなされてしまうのです。

ちなみに、みなし贈与と呼びますが、贈与税が課されるわけではありません。みなし贈与は経済的な利益を受け取った側の所得となり、

  • 会社が利益を受け取った場合は法人税など
  • 個人が利益を受け取った場合は所得税など

が課されます。

3 会社で起こり得る「みなし贈与」の具体的なケース

1)会社への資産の低額譲渡:会社に法人税が課される

株主や役員、あるいは関連会社が、土地、建物、株式、知的財産などの資産を、その市場価格よりも著しく低い価格で会社に売却した場合に発生します。会社が市場価格と比べて安く資産を取得できた場合、その差額が会社にとっての経済的な利益「受贈益」とみなされます。

例えば、社長が個人的に所有する土地(市場価格5000万円)を、自身の会社に1000万円で売却したとします。この場合、会社は4000万円の経済的利益を得たことになり、この4000万円が受贈益として会社の利益に加算され、法人税の課税対象となります。

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2)会社への債務免除:会社に法人税が課される

株主や役員、あるいは関連会社が、会社が負っている債務を免除した場合に発生します。債務が免除されると、会社は返済義務がなくなるため、その分だけ負債が減少し、会社の財務状況が改善されます。この債務の減少分が会社にとっての経済的な利益「債務免除益」とみなされます。

例えば、創業者個人が資金繰りに苦しむ会社に3000万円を貸し付け、後にその3000万円を会社の経営改善のために全額免除したとします。この場合、3000万円は債務免除益として扱われ、法人税の課税対象となります。

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3)個人への債務免除:役員・従業員らに所得税が課される

会社が、役員、従業員、または株主が会社に対して負っている債務を免除した場合に発生します。債務が免除されることで、個人は返済義務から解放され、その分だけ経済的な利益を得たとみなされます。

例えば、会社が従業員に500万円の社内融資を貸し付け、後にその従業員の功績をたたえて免除したとします。この場合、500万円は従業員にとって経済的な利益となり、所得税の課税対象となります。

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4)個人への資産の低額譲渡・無償供与:役員・従業員に所得税が課される

会社が、役員、従業員などに対して、会社所有の資産(社用車、不動産、製品など)を市場価格よりも著しく低い価格で売却したり、あるいは無償で提供したりした場合に発生します。この場合、資産を受け取った個人が経済的な利益を得たとみなされます。

例えば、会社が所有する市場価格4000万円のマンションを、役員の1人に1000万円で売却したとします。この場合、役員は3000万円の経済的利益を得たことになり、この3000万円が役員の所得として、所得税の課税対象となります。

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5)無償で役務提供:会社に法人税が課される

会社が個人や関連会社にサービスを無償で提供したり、逆に個人が会社に重要なサービスを無償で提供したりした場合も、「みなし贈与」の対象となる可能性があります。

例えば、役員が個人で別途経営する個人事業会社が会社から報酬を受け取らずに、市場価値に見合うような経営サービス(本来、委託手数料などが発生する業務)を提供し続けた場合などが考えられます。この場合、その役務の対価相当額が、役員への報酬として認定されたり、会社への寄付金とみなされたりして、法人税の課税対象となることがあります。

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4 「みなし贈与」で損をしないための実践的対策

1)取引は必ず「時価」で行う

「みなし贈与」の課税は、原則として市場価値などの時価と実際の取引価額の差額に対して行われます。従って、この差額を発生させないことが、みなし贈与を回避する最も基本的で、最も重要な対策となります。

あらゆる資産(土地、建物、株式、機械設備、知的財産など)の譲渡、サービスの提供、貸付金の利息設定など、会社と株主、役員、従業員、あるいは関連会社との間で行われる全ての取引において、「時価」を意識し、その時価に基づいた適正な対価を設定することが大切です。

特に、不動産や非上場株式など、時価の算定が難しい資産については、専門家(不動産鑑定士、税理士など)による評価を事前に取得し、その評価額に基づいて取引を行うようにしましょう。評価の過程と結果は、税務調査に備えて詳細に文書化しておくことも大切です。

2)関連会社間取引の厳格化

複数の会社を経営している場合や、グループ会社が存在する場合、関連会社間での資金や資産、サービスのやり取りは頻繁に発生します。これらの取引も「みなし贈与」の対象となり得るため、第三者との取引と同様に厳格さをもって管理する必要があります。

具体的には、関連会社間であっても、全ての取引について正式な契約書を作成し、詳細な請求書を発行し、市場価格に基づいた適正な価格設定を行うようにしましょう。

3)債務免除は慎重に

会社が資金繰りに窮した際、株主や役員が会社への貸付金を免除することは、会社を救うための有効な手段となり得ます。しかし、前述の通り、これは会社にとって「債務免除益」となり、法人税の課税対象となります。

債務免除を検討する際には、その税務上の影響を十分に理解し、代替案も検討することが重要です。例えば、債務を株式に転換する「デット・エクイティ・スワップ(DES)」など、税務上より有利な選択肢がないかを、事前に税理士などの専門家と相談するようにしましょう。

4)役員・従業員への利益供与は適正に

会社が役員や従業員に対して、福利厚生やインセンティブとして経済的な利益を供与する場合も、曖昧な形で行うのではなく、その性質を明確にし、給与や賞与、あるいは適正な福利厚生費として適切に会計処理し、個人の所得税申告に正確に反映させるよう、本人への周知も忘れずに行いましょう。

5)専門家への早期相談

最も実践的で効果的な対策は、複雑な取引や関連会社間の取引を行う前に、必ず税理士や弁護士などの専門家に相談することです。

専門家であれば、「みなし贈与」のリスクを事前に特定し、時価の適切な算定方法についてアドバイスし、税務上最も効率的でリスクの低い取引スキームを提案することができます。また、万が一税務調査が入った場合でも、専門家の助言を受けて行った取引であれば、その正当性を主張しやすくなります。

対策 ポイント・具体的行動 実施済
①時価取引の徹底 全ての取引を時価ベースで設定。不動産・非上場株式では専門家(不動産鑑定士・税理士)による評価を事前取得・文書化する。
②関連会社間取引の厳格化 グループ・関連会社間でも正式な契約書・請求書を作成。第三者取引と同等の価格設定を行う。
③債務免除は慎重に 債務免除前に税務影響を確認。デット・エクイティ・スワップ(DES)など代替手段も税理士と検討する。
④役員・従業員への利益供与を適正に 経済的利益の供与は給与・賞与・福利厚生として明確に処理。本人への周知と所得税申告を徹底する。
⑤専門家への早期相談 複雑な取引の前に必ず税理士・弁護士に相談。事前確認で追徴課税リスクを最小化する。

以上(2026年7月更新)

pj30230
画像:ChatGPT

【賃金データ集】 退職金のモデル支給額

【賃金データ集】シリーズとは?

【賃金データ集】シリーズは、基本給や諸手当など賃金の主要な構成要素ごとの近年のトレンドを、モデル支給額を中心とした関連データとともに紹介します。経営者や実務家の方々が賃金支給水準の決定や改定を行う際の参考としてご活用ください。なお、モデル支給額などのデータを紹介する際は、基本的に出所に記載されている用語を使用するものとします。また、データは公表後に修正されることがあります。

この記事で取り上げるのは「退職金」(退職給付等の費用)です。

退職給付等の費用

なお、以降で紹介する図表データのExcelファイルは、全てこちらからダウンロードできます。

こちらからダウンロード

1 退職金の位置付けと退職金制度の概要

1)退職金の位置付け

退職金とは、在職中の従業員の功労に対する報償や賃金の後払いといった意味合いで、企業が退職した従業員に支払う金銭です。退職金制度は、支払い形態、算定の考え方、掛け金の積立形態などによって幾つかの種類に分類されます。退職金制度の導入は企業の義務ではないものの、多くの企業が実施しています。

2)退職金制度の概要

主な退職金制度の種類は次の通りです。

退職金の位置付け

1.支払い形態

支払い形態は、次のように大別されます。

  • 退職一時金:退職金を一括で支給
  • 退職年金:退職金を年金として支給(「企業年金」とも呼ばれる)

2.算定の考え方

退職一時金の算定の考え方は、次のように大別されます。

  • 基本給連動型:算定基礎額(退職金を計算する基礎となるもの)を基本給とする制度で、一般的には、「退職時の基本給×勤続年数別係数×退職事由別係数(会社都合退職と自己都合退職)」によって退職金を算定するもの
  • 基本給非連動型:算定基礎額を基本給以外とする制度で、代表的なものは「ポイント制退職金制度」や「別テーブル方式(第二基本給)」など

 退職年金の算定の考え方は、「確定給付型:あらかじめ将来の年金支払額が決まっている制度」と、「確定拠出型:あらかじめ掛け金の額が決まっている制度」に大別されます。

3.積立形態

積立形態はさまざまで、それぞれ特徴があります。

積立形態

2 退職金制度の潮流

1)退職金制度の3つの機能

退職金制度は功労に対する報奨や賃金の後払いといった機能を持ちながら、終身雇用・年功序列の人事制度に組み入れられ、定着してきました。

現在有力とされている退職金制度の機能を整理すると次の3つになります。

  • 功労報奨:従業員の長年の勤務を慰労する
  • 賃金後払い:若年時の低い賃金を補償する
  • 生活保障:退職後の労働者の生活を援助する

2)これからの退職金制度

かつての退職金制度は、年功主義の下で賃金の後払い機能を持ち、従業員の定着率向上に寄与しました。しかし、定年まで1社に勤め続ける従業員が減った昨今では、こうした考え方は必ずしも実情に合わなくなってきており、実際、退職金制度の見直し(廃止も含む)を実施・検討している企業が少なくありません。

例えば、企業の負担軽減という視点で、前述の確定給付企業年金と確定拠出年金について考えてみましょう。確定給付企業年金は企業(基金)が将来の給付額を加入者に約束するという仕組みです。仮に予定通りの運用ができなかった場合、企業は追加拠出をして加入者を保護する必要があります。一方、確定拠出年金ではあらかじめ掛け金は決まっていますが、将来の年金給付額は運用期間中の従業員の運用成績によって決まるため、運用成績に対する企業の責任が軽くなります。退職金に係る企業の負担を軽減したいと考えている企業にとっては、確定拠出年金のほうが適しているといえるかもしれません。

また、従業員の多くは、「退職後の生活のために、ある程度の資産が欲しい」と少なからず考えています。退職後の生活を考えるためには、退職金の具体的な支給額を知りたいところですが、実際の退職金制度は、退職時まで支給額の実態が分からないなど、制度内容がブラックボックス化しているケースが少なくありません。こうした場合は、確定拠出年金のように、従業員が在職中に自らの裁量で利用して、資産を運用できる退職金制度にするのも1つの方法です。

ちなみに、退職金制度ではありませんが、従業員が自分で掛け金を決めて運用する「個人型確定拠出年金」(通称「iDeCo(イデコ)」)には、従業員の掛け金に追加して、企業が掛け金を拠出することができる「中小事業主掛金納付制度」(通称「iDeCo+(イデコプラス)」)という制度があります。退職金に充てる原資の一部を企業が拠出する掛け金に充てることなどで、従業員の資産形成のサポートが可能になります。

3 厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

厚生労働省の統計資料によるモデル支給額

4 中央労働委員会の統計資料によるモデル支給額

中央労働委員会の統計資料によるモデル支給額

中央労働委員会の統計資料によるモデル支給額

5 日本経済団体連合会等の統計資料によるモデル支給額

日本経済団体連合会等の統計資料によるモデル支給額

6 東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

東京都労働相談情報センターの統計資料によるモデル支給額

7 情報インデックス(この記事で紹介したデータの出所)

この記事で紹介した統計資料は以下の通りです。調査内容は個別のURLからご確認ください。なお、内容はここ数年の公表実績に基づくものであり、調査年(度)によって異なることがあります。

■就労条件総合調査■
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/11-23.html

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■賃金事情等総合調査■
https://www.mhlw.go.jp/churoi/chingin/

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■退職金・年金に関する実態調査結果■
https://www.keidanren.or.jp/policy/index09.html

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■中小企業の賃金・退職金事情■
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/data/koyou/chingin

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以上(2026年7月更新)

pj17911
画像:ChatGPT

【外国人雇用】 在留資格の一覧! 自社が雇用できる外国人は?

1 押さえるべきは「在留資格」

日本で働く外国人の数は、2025年10月末日時点で、過去最多の257万1037人になりました(厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況」)。外国人雇用を検討する会社は今後ますます増えると思われますが、その際、注意が必要なのが「在留資格」です。

在留資格とは、

外国人が日本で行うことができる活動等を類型化したもので、法務省(出入国在留管理庁)が外国人に対する上陸審査・許可の際に付与する資格

のことをいいます。在留資格ごとに就労できる職種や在留期間が異なるため、正しく把握しておかなければ、不法就労などのトラブルを招きかねません。

大切なのは、

  • 職種の制限:制限があるかないか
  • 在留期間の期限:制限があるかないか(一部は無期限)
  • 労働時間の上限:日本人と同じか否か

を確認することです。

まずは、日本で就労する外国人の区分を見てみましょう。

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上記の図表1を踏まえると、一般的に、多くの外国人は、

  • 職種の制限:あり
  • 在留期間の期限:あり
  • 労働時間の上限:日本人と同じ

となりますが、就労できる職種や在留期間の細かいルールは在留資格ごとに異なります。以降で図表1の区分ごとに、在留資格の概要を紹介します。

2 身分に基づき在留する者

活動内容に関係なく日本に滞在する外国人が該当します。

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就労に関する特徴は次の通りです。

  • 職種の制限:なし。単純労働なども可
  • 在留期間の期限:永住者は無期限。その他の在留資格は期限あり
  • 労働時間の上限:日本人と同じ

どの在留資格についても職種の制限は特になく、労働時間の上限も日本人と同様ですが、在留期間について注意する必要があります。

ただし、永住者の場合は在留期間も無期限ですので、基本的に日本人と同じように雇用することができます。

3 就労目的で在留が認められる者

特定の知識・スキルを活かした職業に就く外国人が該当します。

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就労に関する特徴は次の通りです。

  • 職種の制限:それぞれの在留資格で認められた範囲内でしか活動できない
  • 在留期間の期限:高度専門職2号は無期限。その他の在留資格は期限あり
  • 労働時間の上限:日本人と同じ

「高度専門職2号」を除き、どの在留資格も在留期間に期限があります。

「高度専門職1号」の在留資格は、日本の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる高度の専門的な能力を持つ外国人の受入れをより一層促進するため、他の一般的な就労資格よりも活動制限を緩和した在留資格として設けられたものです。高度人材ポイント制において、学歴・職歴・年収等の項目ごとにポイントを付け、その合計が一定点数以上に達した人に許可されます。

「高度専門職2号」の在留資格は、日本の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる高度の専門的な能力を持つ外国人の受入れをより一層促進するため、「高度専門職1号」の在留資格をもって一定期間在留した者を対象に、在留期限を無期限とし、活動制限を大きく緩和した在留資格として設けられたものです。これらの外国人の中で、高度人材ポイント制において、学歴・職歴・年収等の項目ごとにポイントを付け、その合計が一定点数以上に達した人に許可されます。

4 技能実習

外国人技能実習制度における技能実習生が該当します。

外国人技能実習制度とは、技能実習生が日本で実習を行う会社(実習実施者)の下で働き、母国では得がたい技能の修得などを図るための制度です。

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就労に関する特徴は次の通りです。

  • 職種の制限:技能実習2号、3号に移行が可能な職種・作業は省令で定められている
  • 在留期間の期限:あり
  • 労働時間の上限:日本人と同じ

外国人技能実習制度は、まず技能実習1号からスタートし、所定の試験を受けることで技能実習2号、3号へと移行していく仕組みになっています。ただし、技能実習2号、3号に移行が可能な「職種」と各職種にひもづく「作業」が、省令で細かく定められています。

例えば、

「耕種農業」という職種には、「施設園芸」「畑作・野菜」「果樹」という作業がひもづくといった具合に、2026年4月10日時点で94の職種と171の作業(下記URL参照)

が定められています。

技能実習1号には職種・作業の制限はありませんが、技能の修得などに関係ない業務(単純労働など)に従事させることはできません。

■厚生労働省「技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/002.html

なお、外国人技能実習制度については、技能の習得という本来の制度趣旨に反して、「会社が技能実習生に、技能の習得に関係ない単純労働をさせる」などの問題が頻発していることに加え、日本の労働環境においても、団塊世代の大量離職などによる将来的な人材不足が深刻さを増している状況に鑑み、

2027年4月1日より、外国人技能実習制度に代わり、新たに「育成就労制度」が開始されることになっています。

育成就労制度は、「育成就労」という在留資格を設け、外国人を原則3年間で一定以上の技能を持つ「特定技能」に育成する制度です。外国人技能実習制度と似ていますが、

  • 外国人技能実習制度は、外国人が日本で習得した技能を、将来母国に持ち帰ることを想定した「国際協力」のための制度(特定技能への移行も可能だが、制度上は「帰国」が原則)
  • 育成就労制度は、外国人が技能の習得後も、日本企業の戦力として活躍することを想定した「人材確保」のための制度(帰国せず、日本に「在留」することが原則)

であり、目的が異なります。

また、その他にも、外国人技能実習制度とは、対象としている産業分野・職種が異なる、就労開始前の日本語教育が必須といった特徴があります。

■出入国在留管理庁「育成就労制度」■
https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html

5 資格外活動

就労するための在留資格を持っていないものの、法務大臣から資格外活動(在留資格の範囲外の活動)の許可を与えられた外国人が該当します。

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就労に関する特徴は次の通りです。

  • 職種の制限:資格外活動の許可を受けた場合には、本来の在留資格に属する活動を阻害しない範囲であれば、基本的になし(ただし、風俗営業等への就労は不可)
  • 在留期間の期限:あり
  • 労働時間の上限:日本人より短い(原則1週28時間まで)

労働時間については、日本人の場合、原則1日8時間、1週40時間が上限ですが、資格外活動を行う外国人の場合、原則1週28時間までとされています。

1日当たりの上限は特に定められていませんが、どの曜日から起算しても1週28時間以内になるようにしなければならない

ため、注意が必要です。

ただし、

例外として、在留資格の本来の活動に影響がない期間に限り、労働時間の上限が1日8時間、1週40時間まで延長

することができます。留学生のアルバイトを例にすると、勉強の妨げになりにくい大学の夏休み期間などがそれに該当します。

6 特定活動

特定活動(法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動)を行う外国人が該当します。

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就労に関する特徴は次の通りです。

  • 職種の制限:在留資格に該当しない活動を行う場合、法務大臣から個々の指定を受ける必要がある(ただし、ワーキング・ホリデーの場合は、風俗営業等以外であれば制限なし)。
  • 在留期間の期限:あり
  • 労働時間の上限:日本人と同じ

特定活動の場合、外国人のパスポートに添付される「指定書」という書類に、「活動類型」(ワーキング・ホリデー、EPAなど)が記載されており、その内容に応じて就労できる職種が変わってきます。

以上(2026年7月更新)
(監修 のぞみ総合法律事務所 弁護士 曽田駿希)

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画像:metamorworks

【書籍ダイジェスト】『サボテンは世界をつくり出す』

本書は、日本で唯一のサボテン学者である著者が、フィールドワークや研究室でのエピソードを交えつつ、サボテンの特殊な生態や能力について詳述している。
サボテンは水を大量に含むことから、家畜の飼料として与えると家畜の飲水量が減り、節水効果があるという。また、サボテンはCO2をシュウ酸カルシウムとして体内に蓄積する能力を持っており、枯死後も100年から100万年という長いスパンでCO2を土壌に固定できる。さらに、重金属による土壌汚染を植物によって浄化する「ファイトレメディエーション」への応用も期待されている。

書籍ダイジェストは、こちらからお読みいただけます。pdf

【朝礼】「土用の丑の日にうなぎを食べる」を文化にした平賀源内のアイデア

【ポイント】

  • 平賀源内は、うなぎの「う」と丑の日を結びつけ、夏のうなぎ商戦の文化を生み出した
  • アイデアとは、ゼロから何かを生み出すことと思われがちだが、そうではない
  • すでにあるものについて、「これとあれは、つながらないか」と模索することが大切

皆さん、おはようございます。突然ですが、今年の7月26日は、土用の丑の日(どようのうしのひ)です。うなぎ、好きな方も多いと思います。「土用の丑の日にうなぎを食べる」というこの習慣、実は、江戸時代の発明家・平賀源内(ひらがげんない)が広めたといわれています。

当時、うなぎは夏に売れない食べ物でした。脂が乗る旬は秋から冬で、夏場は客足が落ちてしまいます。困ったうなぎ屋が、源内に相談を持ちかけたところ、源内が考えたのが「本日は土用の丑、鰻食うべし」と書いた一枚の看板でした。「丑の日には『う』のつく食べ物を食べると夏負けしない」という言い伝えを活用したのです。うなぎの「う」と丑の日を結びつけた、一種のコピーライティングです。これが大当たりし、夏のうなぎ商戦という文化が生まれました。

源内はもともと博物学者であり、発明家でした。エレキテルの復元や、石綿で作った「火浣布(かかんぷ)」の製作など、当時の日本ではまったく前例のない挑戦を次々と行いました。彼の発想の根っこにあったのは、1つの問いです。「これとあれは、つながらないか」。異なる分野の知識を組み合わせ、誰も思いつかなかった答えを出す。それが源内の真骨頂でした。

私たちの仕事でも、同じことが言えると思います。行き詰まったとき、「全く新しいものを生み出さなければ」と考えると、どこから手をつければいいか分からなくなりがちです。でも源内がやったのは、すでにある知識と知識を「結びつける」ことでした。うなぎという食材は変えていない。丑の日という言い伝えも変えていない。ただ、その2つをつないだだけです。

アイデアとは、ゼロから何かを生み出すことと思われがちですが、そうではありません。すでにあるものを、新しい組み合わせで見せることなのです。今日一日、仕事の中で行き詰まりを感じたときは、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。「これと何かをつなげられないか」と。その小さな問いが、思わぬ突破口になるはずです。頑張っていきましょう。

以上(2026年7月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

相続から考える事業承継 事業承継で押さえるべき税務ポイント

事業承継では、自社株式や会社への貸付金など、事業の継続に必要な財産をどのように承継するかが重要な課題となります。特に自社株式は評価額が高額となることもあり、相続税や贈与税、事業承継税制の活用などを含めた検討が欠かせません。

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なぜ今『取適法』なのか!中小受託事業者等(受注者)の「取適法」の使い方

「取適法」について、改正前の法律である「下請法」から紐解いてその趣旨や目指すところを概観しつつ、その内容を解説し、そのうえで主に中小受託事業者等(受注者)側がどのようにこの「取適法」を活用すべきか、その在り方について考えてみたいと思います。

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制度改正に注目! 2026年度地域企業経営人材確保支援事業給付金の最新情報

人手不足が深刻化する中、経営人材や専門人材の確保は、多くの地域企業にとって重要な経営課題となっています。一方で、大企業で経験を積んだ優秀な人材を採用するには、待遇面のコストなどが壁となるケースも少なくありません。地域企業経営人材確保支援事業給付金は、こうした負担を軽減し、地域企業が高度な知識や経験を持つ人材を迎え入れることを後押しする制度です。

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相続人を悩ませる資料収集に備える! 16種類の「相続資料」一覧 (チェックリスト付き)

1 今のうちから進めておこう、相続資料の準備

相続は、そう何度も経験することではありません。だからこそ、いざ相続が発生すると、必要な資料や手続きの進め方が分からず、戸惑う方も少なくありません。相続に必要な資料は被相続人(亡くなった人)の生き方や財産状況によって異なります。加えて、近年は預貯金がネットバンキング、証券がネット証券で管理されるケースも増え、デジタル上にしか跡が残っていないことも珍しくありません。

相続財産や債務を最も正確に把握しているのは被相続人ですが、当事者が亡くなってから資料を集めるのは簡単ではなく、想像以上に手間がかかります。だからこそ、生前のうちに、将来の相続人(相続財産などを引き継ぐ人)が基本的な資料を把握しておくことが大切です。

相続資料(自治体や金融機関などに申請や連絡が必要なもの)は多岐にわたりますが、

戸籍関係・相続財産関係・債務関係に分けて考える

と、整理しやすくなります。次のチェックリストを確認しながら必要な資料を確認していきましょう

ダウンロードボタンをクリックすると、エクセル形式の一覧表がダウンロードできます。

こちらからダウンロード

(注)エクセルはMicrosoft365、Excel2024以降に対応しています。チェックボックスは、TRUEとFALSEの値で構成され、チェックボックスの書式設定が行われます。
オフになっているチェックボックスの値はFALSEです。チェックを入れるとチェックボックスの値はTRUEになります。数式でチェックボックスセルを参照すると、TRUEまたはFALSEがその数式に渡されます。

収集資料一覧表

2 主な戸籍関係の相続資料(4種類)

1)被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式

【目的】法定相続人を明らかにする、各種相続財産の名義変更手続きなどのため
【取得】相続人が、最寄りの役所の戸籍窓口で請求・取得

2024年3月1日以降は、戸籍謄本を1つの役所の窓口で一括して申請・取得できます(広域交付制度)。転籍の状況や、市区町村の事情(ネットワーク共有ができていない)などにより異なる場合もありますが、一般的に即日発行されます。

また、戸籍謄本一式を集めたら、法務局の「法定相続情報証明制度」を利用することをおすすめします。これは、戸籍謄本一式の内容に基づき、法定相続人が誰であるかを登記官が確認したうえで証明してくれる書類で、無料で必要な通数を発行してもらえます。交付される一覧図の写しがあれば、不動産の相続登記だけでなく、金融機関での預貯金の名義変更や、税務署、年金事務所での手続きなど、複数の窓口に戸籍謄本一式を何度も出し直す必要がなくなり、相続手続き全体を効率よく進められます。

2)被相続人の住民票の除票

【目的】不動産を相続した場合の相続登記(名義変更)や、各種相続財産の名義変更手続きなどのため
【取得】相続人が、被相続人が最後に住んでいた市区町村の役所の戸籍窓口(上記の広域交付制度には対応していないので注意)、または被相続人が最後に住んでいた市区町村の役所へ郵送のいずれかで請求・取得

一般的に申請から1週間程度で発行されます。届出の処理状況によっては即日発行もできる場合もあるようです。

3)相続人全員の戸籍謄本または戸籍抄本

【目的】自身が被相続人の相続人であることを明らかにするためや、各種相続財産の名義変更手続きなどのため
【取得】相続人が最寄りの役所の戸籍窓口、本籍地の役所へ郵送、または最寄りのコンビニ(コンビニ交付サービスに対応している市区町村に限る)のマルチコピー機のいずれかで請求・取得

郵便で請求した場合を除き、一般的に即日発行されます。郵便の場合は、1週間程度で送付されます。

4)相続人全員の住民票の写し、印鑑証明書

【目的】遺産分割協議書の作成や不動産を相続した場合の相続登記(名義変更)などのため
【取得】相続人が、最寄りの役所の戸籍窓口、本籍地の役所への郵送、または最寄りのコンビニ(コンビニ交付サービスに対応している市区町村に限る)のマルチコピー機のいずれかで請求・取得)

郵便で請求した場合を除き、一般的に即日発行されます。郵便の場合は、1週間程度で送付されます。

3 主な相続財産関係の相続資料(8種類)

1)預貯金口座の残高証明書と取引履歴

【目的】相続財産の把握、生前贈与の有無や預貯金の払戻し手続きなどのため
【取得】相続人が、金融機関に相続発生の連絡をし、指定の必要書類(被相続人の戸籍謄本や相続人の戸籍謄本、本人確認書類など)を窓口または郵送にて提出することで取得

金融機関ごとに詳細な手続きフローは異なりますので、事前にウェブサイトを確認しましょう。なお、個々の状況によって違いますが、手続きには3週間程度かかります。

また、被相続人名義の口座への入金や、公共料金などの引き落としは、原則できなくなりますので、金融機関の連絡に併せて、入金先や引落先への連絡や、入金・引落口座の変更手続きも進めていく必要があります。被相続人が生前に作成した口座一覧表があればそれを基にしますが、ない場合は確定申告書や手元に残された通帳・封筒等から取引先を推測します。

その他の調査手段として、2025年4月より、口座管理法に基づく「相続時口座照会制度」が開始されています。これは、預金保険機構のシステムを通じて、被相続人がマイナンバーを紐づけていた預貯金口座の所在(金融機関名や支店名)を公的に照会できる仕組みです。

ただし、注意点が2つあります。

  • この制度で確認できるのは「どの金融機関に口座があるか(口座の有無・所在)」のみであり、預金残高までわかるわけではありません。所在が判明した後、改めて各金融機関に個別の照会や残高証明書の請求を行う必要があります
  • 対象となるのはマイナンバーが紐づけられている口座のみであるため、登録されていない金融機関の口座については、引き続き個別の調査を行う必要があります

2)金融商品に関する残高証明書、顧客勘定元帳、配当金通知書

【目的】相続財産の把握や相続人の口座への移管手続きなどのため
【取得】相続人が、証券会社等に相続発生の連絡をし、指定の必要書類(被相続人の戸籍謄本や、相続人の戸籍謄本、本人確認書類など)を提出することで取得

金融機関ごとに詳細な手続きフローは異なりますので、事前にウェブサイトを確認しましょう。また、個々の状況によって違いますが、手続きには3週間程度かかります。

金融商品については、上記の手続きの前に、開設している証券口座の把握が必要です。相続人が、生前、証券口座の一覧表を作成していれば、それをたどればよいのですが、もし一覧表などがない場合には、証券保管振替機構リンクに対して、信用情報の開示の申し込みが必要になります。開示申し込みの手続きは、それぞれの機関のウェブサイトをご参照ください。

また、遺産分割協議後に、それぞれの相続人への名義変更が必要になりますが、相続人が証券用の口座を持っていない場合には、被相続人と同様の金融機関で新規口座開設が必要になる点に注意しましょう。

3)不動産の登記簿謄本、公図・地積測量図(土地の場合)

【目的】相続財産の把握や相続人への名義変更手続きなどのため
【取得】相続人が、不動産の所在地を管轄する法務局の窓口、不動産の所在地を管轄する法務局への郵送、登記情報提供サービスを利用してオンライン申請のいずれかで請求・取得

窓口の場合は即日発行、オンライン申請の場合は数日程度で郵送されます。

4)名寄帳または固定資産評価証明書

【目的】相続財産の把握や相続人への名義変更手続きなどのため
【取得】相続人が、不動産のある市区町村の役所の窓口、不動産のある市区町村の役所への郵送のいずれかで請求・取得

窓口の場合は即日発行、郵送の場合は1週間程度を要します。

不動産の相続については、1)と2)のように外部に請求する書類以外にも、被相続人が保管しているさまざまな書類が必要になります。主な資料には、次のものがあります。保管場所などを生前に把握しておくことが大切です。

  • 土地の実測図
  • 土地、建物の固定資産税課税明細書
  • 土地、建物の売買契約書など(取得の場合)
  • 土地、建物の不動産賃貸借契約書(賃貸、借地の場合)

5)生命保険の支払通知書、保険証書、解約返戻金計算書

【目的】相続財産の把握や保険金の支払い請求手続きなどのため
【取得】支払通知書と解約返戻金計算書は、保険金受取人が、契約している保険会社に連絡し、指定の必要書類(支払請求書、被保険者の住民票、保険金受取人の戸籍謄本・印鑑証明書など)を提出することで取得

支払通知書は、保険金の支払い後、郵送等されます。生命保険会社ごとに詳細な手続きフローは異なりますので、事前にウェブサイトを確認しましょう。保険証書は、基本的に被相続人が保管していますので、保管場所などを生前に把握しておくことが大切です。

生命保険については、上記の手続きの前に、契約している生命保険の把握が必要です。相続人が、生前、契約していた生命保険の一覧表を作成していれば、それをたどればよいのですが、もし一覧表などがない場合には、生命保険契約照会制度を利用して調査することができます。この制度は、生命保険協会を通じて、生命保険会社41社へ保険契約の有無を一括で照会できるもので、オンラインや郵送で調査依頼が可能です。

6)死亡退職金の支払明細書(支払調書)

【目的】相続財産の把握などのため
【取得】勤務先の会社などから交付

支払明細書が見当たらない場合には、勤務先の会社などに問い合わせるようにしましょう。

7)自動車の車検証、ゴルフ会員証書、骨董・貴金属などの査定書

【目的】相続財産の把握や名義変更などのため
【取得】基本的に被相続人が保管している(保管場所などを生前に把握しておく)

骨董・貴金属など購入価額が高額なものは、専門家による鑑定により評価額を算定する必要があります。

8)給与やアパート経営に伴う受取家賃などの未収となっている収入関連の各種契約書

【目的】相続財産の把握や名義変更などのため
【取得】基本的に被相続人が保管している(生前にどのような収入があるのか、保管場所などを生前に把握しておく)

相続時点で未収となっているものも、相続税の課税対象となるため、漏れのないよう、早めに情報を整理しておきましょう。

4 主な債務関係の相続資料(4種類)

1)借入金残高証明書・返済予定明細書

【目的】相続財産の把握などのため
【取得】相続人が、金融機関に相続発生の連絡をし、金融機関から指定された必要書類(被相続人の戸籍謄本や相続人の戸籍謄本、本人確認書類など)を窓口または郵送にて提出することで取得

金融機関ごとに詳細な手続きフローは異なりますので、事前にウェブサイトを確認しましょう。また、個々の状況によって違いますが、手続きには3~4週間程度を要します。

借入金については、上記の手続きの前に、借入金契約を把握しておくことが重要です。被相続人が、生前、契約していた借入金の一覧表を作成していれば、それをたどればよいのですが、もし一覧表などがない場合、指定信用情報機関である日本信用情報機構(JICC)、クレジット インフォメーション センター(CIC)、全国銀行協会のいずれかに対して、信用情報の開示の申し込みが必要になります。開示申し込みの手続きは、各機関のウェブサイトをご参照ください。

2)医療費の請求書・領収書

【目的】相続財産の把握や立て替えた相続人の所得税の医療費控除などのため
【取得】治療を受けていた病院から発行

被相続人の医療費については、誰が、いつ支払ったかを明確にしておくようにしましょう。被相続人が死亡した日までに本人が支払ったものは、

その被相続人の準確定申告(亡くなった年の1月1日から、亡くなった日までの所得税の確定申告)における医療費控除の対象

になります。

一方、被相続人が死亡した後に相続人(被相続人と生計が一緒であった場合に限る)が支払ったものは、

負担した相続人の確定申告における医療費控除の対象

になります。また、立て替えた医療費については、相続財産から債務としてマイナスすることができます。

3)葬式費用の請求書・領収書

【目的】相続財産の把握のため
【取得】葬儀会社などから発行

寺院に支払ったお布施・読経料・戒名料などは通常、領収書などの発行がない場合は、支払日、支払先、支払金額などのメモを残しておくようにしましょう。

葬式費用(墓石・墓地の買入費用や香典返しなど一定のものは除く)については、相続財産から債務としてマイナスすることができます。

4)公共料金などの請求書・領収書

【目的】相続財産の把握や契約解除などのため
【取得】被相続人が生前利用していた水道、ガス、電気会社などから発行

公共料金以外にも、スマートフォンや各種定期サービスについても、それぞれ請求書・領収書を保存しておきましょう。

これら公共料金や電話料金については、相続財産から債務としてマイナスすることができます。ただし、支出の内容によっては相続財産からマイナスできないものもあるため、税理士などの専門家にご相談ください。

以上(2026年7月更新)
(監修 税理士 石田和也)

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