印刷して職場に掲載できるポスターです。
今回は、年末に増える迷惑電話への対策用に、社員に守ってほしい電話応対の3つのポイントをまとめました。
こちらからポスターのPDFをダウンロードできます。社員への呼びかけのため、職場などに貼ってご活用ください
以上(2025年12月作成)
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画像:日本情報マート
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印刷して職場に掲載できるポスターです。
今回は、年末に増える迷惑電話への対策用に、社員に守ってほしい電話応対の3つのポイントをまとめました。
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以上(2025年12月作成)
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画像:日本情報マート
皆さん、おはようございます。皆さんは、アイドルグループの「AKB48」をご存じですよね。彼女たちが活動を開始したのが2005年、2025年12月でなんと結成20周年を迎えます。1つのエンターテインメントが、これほど長く多くの人々を魅了し続けるのは、驚異的なことです。では、その秘密は何でしょうか? 歌が上手いから? ダンスが特別だから? もちろん、それらも要素の1つでしょう。ですが、本質はそこにはないと私は考えています。
AKB48が実施した最も画期的なことは、「ファンが物語に参加できる仕組み」をつくり上げたことです。彼女たちのコンセプトは「会いに行けるアイドル」でした。その象徴が「選抜総選挙」。ファンは、CDに付いている投票券で、自分の応援するメンバー、いわゆる「推し」に投票する。遠くから応援するだけでなく、自分の一票がメンバーの未来を左右する。その仕組みがファンを強く引きつけたのです。
この仕組みづくりには、私たちも大きく学ぶべきところがあります。私たちは、お客さまを単なる「消費者」として見ていないでしょうか? 「製品やサービスを買ってもらったら終わり!」では、お客さまとの関係はそこで終わりです。そうではなく、お客さまを巻き込んで物語を作っていくにはどうすればよいかを考えることが大切です。
何も選抜総選挙のようなイベントをやれ、というのではありません。日々のお客さまとのコミュニケーションの中で、「製品やサービスについて思っていることを聞いてみる」「その声を製品やサービスに少しでも反映してみる」「その結果をお客さまにフィードバックする」、そんなシンプルな取り組みでいいのです。「お客さまの声を聞いたら、こんなことが実現できました!」と言われて、嫌な気持ちのする人はいないでしょう。
そうしたやり取りの中で、お客さまが「この会社をずっと応援したい」とファンになってくれたら、これほど心強いことはありません。「お客さまを巻き込んで、長い時間をかけ、一緒に物語を創っていく」という意識で、日々の仕事に取り組んでみてください。
以上(2025年12月作成)
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画像:Mariko Mitsuda
2026年の干支(えと)は、「午(うま)」です。前回の午年は、2014年(平成26年)の甲午(きのえうま)でした。2014年は、消費税が5%から8%へ引き上げられた年。また、青色発光ダイオード(LED)の開発で、赤﨑勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3人がノーベル物理学賞を受賞したことも注目を集めました。
過去5回の午年に起きた主な出来事や流行語は次の通りです。

午年生まれの日本の有名人には、次のような人がいます(既に亡くなられた方も含みます)。

日本において馬は、農耕や交通、そして戦の場でも欠かせない存在でした。力強く田畑を耕し、人や物を運び、戦場では武将の誇りと共に駆け抜けました。戦国時代には、織田信長の愛馬「白石鹿毛(しろいしかげ)」や上杉謙信の「放生月毛(ほうしょうつきげ)」など、名馬とともに戦った逸話が数多く残されています。戦国武将たちにとって馬は、単なる乗り物ではなく、共に命を預ける“戦友”だったのです。
時代が進むにつれ、馬は人々の暮らしから離れていきましたが、その存在は今なお日本文化の中に息づいています。例えば、正月の神社には、願い事を書いた「絵馬」がずらりと並びます。古来より神々の乗り物とされてきた馬に願いを乗せて届ける。そうした信仰から、今でも多くの人が、初詣で絵馬を奉納しているのです。
近年では、馬と触れ合うことで心を整える「ホースセラピー」も注目されています。馬は感情に敏感な優しい動物であるため、人の緊張を解きほぐし、安らぎをもたらすからです。力と優しさを併せ持つ馬は、今もなお、人と共に生きるパートナーとして活躍しているのです。
午(うま)にまつわる話として、古代マケドニアの英雄・アレクサンドロス大王と愛馬ブケパロスの逸話があります。ブケパロスは非常に気性の荒い暴れ馬として有名でした。しかし、大王は、ブケパロスに臆病な一面があることを見抜きます。実はブケパロスは、他の馬より感覚が鋭く、自分自身の影におびえて暴れていたのです。そこで、大王はブケパロスの顔を太陽に向けさせ、影を見ないようにすることで、この暴れ馬を落ち着かせ、見事に乗りこなしたのです。
この逸話が教えてくれるのは、「先入観を捨てて、相手を理解すること」の大切さです。皆さんも、部下や同僚が仕事で困っているとき、サポートに入りたいのに的はずれな助言をしてしまった経験はないですか? それは、自分の経験や相手の普段の言動などから、「相手は、〇〇に困っているんだ」と決めつけているからかもしれません。
大切なのは、そうした先入観を捨て、相手が何につまずいているのかを注意深く観察し、聞き取り、理解すること。原因が分かれば、自然と解決策も見えてきます。自分の問題に向き合う場合も同じです。「自分は、〇〇に困っているんだ」というのは、実は思い込みかもしれません。今、置かれている状況を冷静に分析しながら、解決策を探りましょう。
馬たちが蹄の音高らかに駆けていくように、今年は一丸となって前へと進む年にしましょう。そのために、自他問わず抱えている困難や不安としっかり向き合って、理解する姿勢を大切にしていきましょう。それは必ず、チームや組織が前へ進んでいくための一助になります。
馬の視野は非常に広く、およそ350度もあるといわれています。これは草食動物として、天敵である肉食獣の接近をいち早く察知するために進化した能力です。また、左右の目で異なるものを見る「単眼視」であるため、草を食べながらでも周囲の変化や危険を常に確認できます。馬は動くものに敏感で、わずかな風や音にも反応します。こうした能力のおかげで、馬は広大な草原でも安全に生活できるのです。
仕事の場でも、同じことが言えます。広い視野を持つことで、変化やリスクを早めに察知でき、柔軟に対応する力が養われます。新入社員や若手社員の皆さんは、まだ視野を広く持つことが苦手かもしれませんが、これは訓練で身につきます。例えば、「自分の仕事には誰が関わっているのか?」「自分の工程が終わったら、次は誰が何をするのか?」「この仕事の成功・失敗はお客さまにどのような影響を与えるのか?」。そういったことを一つずつ考えながら仕事をすると、視野は広がっていきます。
全体像を見ながらも、細かい見落としを拾うことができる「馬の視野」は、働く上でぜひとも理想としたい姿です。今年は干支にあやかって、馬のような視野を持って仕事をすることを心がけていきましょう。
しかし、実は馬にも、真後ろの約10度に死角があるそうです。同じように、たったひとりで全てを見渡すことはできません。弱点は仲間と補い合い、チームでカバーし、一丸となって前進していきましょう。
ところで、「干支とは何か?」と聞かれたら、どう答えますか? 一般的に、干支とは、巳(へび)年や申(さる)年など、12種類の動物を、年ごとに当てはめたものと認識されています。しかし、実は干支(えと=かんし)とは、古代中国に起源を持つ、年月日や時刻、方位などを表す呼称で、10種類の「干」と12種類の「支」を組み合わせた60通りがあるのです。本章では、意外と知られていない干支の起源についてご紹介します。
干支の「干(え)」は10種類あり、十干(じっかん)といいます。

これに陰陽五行思想(木・火・土・金・水)を結び付けて、次のようにも読みます。

一方、干支の「支」は古代中国の天文学で、木星の位置を示すために天を十二分した呼称を起源にしており、十二支といいます。

さらに、十二支を動物に当てはめて、次のように呼ばれるようになったのです。

中国では、古く殷(いん)の時代(紀元前16世紀~紀元前11世紀ごろ)から、この十干十二支の組み合わせで年月日が数えられたといいます。これが干支の起源です。
現在の日本では、干支は十二支を指すように使われていますが、このように、厳密には干支と十二支とは異なります。本来の干支(十干十二支)の組み合わせは全部で60通りあり、日本で使われている12通りの十二支とは違うのです。干支は年月日や時刻に当てられますが、日本では一般的に年に当てて使われています。満60歳を還暦(かんれき、もしくは生まれ年の干支を「本卦(ほんけ)」と呼ぶことから本卦還(がえ)りともいう)というのは、干支が1周して生まれ年の干支に還(かえ)るところからきています。
ちなみに、2025年の干支は乙巳(きのとみ)、2026年の干支は丙午(ひのえうま)です。自分の生まれ年の干支が何かを、下表で確認してみましょう。

干支は年月日などの時間を表す呼称として、古くから使われており、具体的な年がすぐ分かるため、歴史上の事件の呼称としても多く用いられています。
有名な例としては、以下のようなものがあります。
(注)日本でいう「文禄(ぶんろく)の役」です。
ちなみに、阪神甲子園球場は、「甲子(きのえね)」年の1924年に完成したことから名付けられています。
以上(2025年12月更新)
pj90006
画像:Brian-Adobe Stock
※ボタンを押すとSOMPOリスクマネジメント(株)のサイトへ移動します。
「一日の終わりに飲むお酒が、何よりの楽しみだ」
その習慣、本当に「楽しみ」の範囲で収まっていますか?
近年、本格的なアルコール依存症に至る手前の「アルコール依存症予備軍」と呼ばれる状態にある人が、ハンドルを握るケースが問題視されています。

アルコール依存症は、ある日突然なるものではありません。徐々に進行する病気です。
次のようなサインは、お酒に「コントロールされる」ようになっている危険な兆候です。

厚生労働省の統計※1によると、依存傾向は男性が高く、男性における「アルコール依存疑い」「潜在的依存者(予備軍)」の割合が6%以上と推計されています。飲酒習慣がある人は他人事と言えない割合です。女性は1%以下と少ないですが、アルコール依存症になりやすい※2と言われています。
※1.出典:厚生労働省「わが国の成人の飲酒行動に関する全国調査2013年」参照
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2013/133061/201315050A/201315050A0002.pdf(2025.11.4閲覧)
※2.出典:厚生労働省「健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~」参照
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-04-003 (2025.11.4閲覧)
「アルコール依存症予備軍」でも運転に深刻な影響を及ぼします。

毎日の多量飲酒により、肝臓のアルコール分解が追いつかなくなります。「酔いが覚めた」と感じていても「二日酔い運転」のリスクが高くなります。
体からアルコールが抜け始めると、イライラ、手の震え、発汗、不安感といった軽い離脱症状が現れます。
この状態で運転すると、注意力が散漫になり、危険への反応が遅れたり、攻撃的な運転になったりします。
習慣的な飲酒は、判断や理性を司る脳の前頭葉を萎縮させることが知られています。
通常時でも、速度超過や無理な追い越しなど、危険な判断を下しやすくなる傾向があります
飲酒について見つめ直すことは、ご自身と周囲の大切な人たちを守るための勇気ある行動です。
以上(2025年12月)
sj09163
画像:amanaimages
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業務時間外にLINEで連絡する、肩を叩いて励ますなどの行為は、職場のハラスメントに当たるのでしょうか。ハラスメントになるかどうかの境界線について、悩む企業も多いと思います。本稿では、最新の調査結果を参考に、ハラスメントの代表格であるパワーハラスメント(パワハラ)とセクシュアルハラスメント(セクハラ)について、基本的な考え方やハラスメント回避のヒントをお伝えします。
業務時間外にLINEで連絡する、肩を叩いて励ますなどの行為は、職場のハラスメントに当たるのでしょうか。ハラスメントになるかどうかの境界線について、悩む企業も多いと思います。本稿では、最新の調査結果を参考に、ハラスメントの代表格であるパワーハラスメント(パワハラ)とセクシュアルハラスメント(セクハラ)について、基本的な考え方やハラスメント回避のヒントをお伝えします。
先端機器によるストレスの可視化に取り組むMENTAGRAPH株式会社(本社:東京都中央区)は今年9月、「ハラスメントの基準」に関する調査結果を公表しました。
調査は昨年12月、全国の22~65歳の管理職と非管理職各900人、計1,800人を対象に実施。「ハラスメントの基準に関して当てはまるものを選択してください」という質問では、次のような回答が出ました。

※MENTAGRAPH株式会社 「ハラスメントの基準」に関する調査結果より
同社では、「身体的接触や属性・外見への言及、私的時間への侵入といった“グレーになりやすい行為”」が並んでいると指摘しています。これらの行為については、ハラスメントと感じる人が一定程度いる以上、慎むべきでしょう。
「肩を叩く」「『若いから体力がある』という発言」「髪型・服装への指摘」「業務時間外のLINEでの連絡」「下の名前での呼び捨て」については、非管理職のほうが管理職よりも「ハラスメントに当てはまる」と答えた割合が7.3~3.9ポイントも高く、大きなギャップがありました。同社は「現場(非管理職)はリスクとして敏感に捉える一方、管理職は『コミュニケーションの一形態』『指導の一環』と捉えがちで線引きが甘くなりやすい可能性が示唆されています」と注意を促しています。
これらの行為について従業員が「ハラスメントだ」と被害を訴えた場合に、会社は調査をして、ハラスメントに当たるかどうかの判断をしなくてはなりません。厚生労働省が示している判断の基準について、改めて確認しておきましょう。
まずパワハラは、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③労働者の就業環境が害されるもので、3つの要素をすべて満たすケースです。例えば、次のような行為がパワハラになります。

※厚生労働省サイト「あかるい職場応援団」より
例えば、「ハラスメントの基準」に関する調査結果のうち、「休暇取得の理由を尋ねる」は、過度に繰り返し行うと「個の侵害」に当たる可能性があります。一方、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、パワハラには当たりません。
セクハラは、「労働者の意に反する性的な言動」で、性的な関係の強要はもちろん、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘いなども含まれます。受け手が不快に感じればセクハラになり得ますが、セクハラかどうかの判断にあたっては、個人の受け止め方の違いもあるので、受け手の主観を重視しつつも一定の客観性が必要です。一般的には、被害者が女性の場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を、被害者が男性の場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準として、ケースバイケースで判断します。
また、性的関係を要求され、拒んだら解雇されたといったケースを「対価型セクハラ」、上司が女性社員の腰、胸などに度々触ったため、女性社員が苦痛を感じ就業意欲が低下したといったケースを「環境型セクハラ」といいます。
「ハラスメントの基準」に関する調査結果のうち、「肩を叩く」「髪型や服装への指摘」などは、例えば男性上司が女性の部下に対して行う場合、セクハラに該当しかねない行為と言えます。
ハラスメントへの対応が遅れると、最悪の場合、訴訟に発展し企業に大きな負担がかかります。訴訟の結果、使用者責任、債務不履行責任が問われ、適切な措置を怠ったことに対する損害賠償、社会的信用の失墜、従業員のモチベーション低下なども生じかねません。また、ご対応を進められる場合は、厚生労働省の特設サイト「あかるい職場応援団」も大変参考になるので、目を通すことをお勧めします。
※本内容は2025年11月10日時点での内容です。
(監修 社会保険労務士法人 中企団総研)
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画像:photo-ac
目次
白書とは、特定の分野について国が現状と課題、これからの方針を公式にまとめたレポートです。「中小企業白書」「エネルギー白書」「環境白書」、耳にはするけれど中身まではなかなか目を通せていないという人は多いでしょう。ですが、最新の統計データや業界動向、政策の方向性が整理されている白書は、経営者にとって重要な「情報の宝庫」です。
2025年もたくさんの白書が公表されました!この記事では、数ある白書の中から20種類を取り上げ、直近の内容を紹介します。世の中でどのような動きがあったのか、さまざまな分野の白書を通して見ていきましょう。
中小企業白書は、中小企業の実態や課題、国の中小企業政策の現状と今後の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
中小企業・小規模事業者の課題として、円安・物価高の継続、「金利のある世界」の到来、構造的な人手不足の深刻化、過去最高水準の賃上げ圧力への対応などが挙げられています。経営者年齢も依然高い水準で推移しており、事業承継に向けた取り組みが必要とされています。
経営力を個人特性面・戦略策定面・組織人材面の3つの視点で捉え、バランスよく強化すること、規模ごとに異なる「成長の壁(例:中小企業(成長段階)なら、経営者の一人体制の限界、スキル不足など)」の打破が求められています。
経済財政白書は、日本の景気や物価、雇用などの経済動向と、国の財政状況・財政運営の課題、今後の経済財政政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年度版には、次のような内容が記載されています。
2025年半ばまでの経済の動向が記載されています。名目GDPが600兆円を超え、国内民間最終需要は1年にわたり増加を続ける一方、米国の関税措置による世界経済の下押しを通じた輸出への影響等が懸念されています。設備投資は持ち直しの動きが続いていますが、不確実性の高まりによる影響には留意が必要とされています。
2024年度の賃金は、33年ぶりの賃上げ率となった春季労使交渉や、過去最大の上げ幅となった最低賃金の引上げ等の効果もあって、1994年以来最高の賃上げ率となりました。しかし、物価上昇との関係もあり、賃金が上昇したという実感を持つ人は、さほど増加しているわけではないようです。個人消費については、高齢層を中心に物価上昇における節約意識が働いており、消費の回復には給与所得の増加が特に重要とされています。
過去30年程度における日本の経常収支の変遷や企業行動の変化などが記載されています。また、中小企業の課題として、現預金比率が高い一方で、生産能力を高めるような前向きな設備投資が抑制されていることなどが挙げられています。
ものづくり白書は、日本の製造業の現状や課題、生産性向上・DXなどを含む国の「ものづくり政策」の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
個社単位のデジタル化・効率化は一定の成果が挙がっている一方で、「稼ぐ力」につながるだけの成果を創出できている製造事業者は少ないようです。企業間連携で産業単位の事業効率を向上させることや、ロボット・AIの開発・活用の重要性が示唆されています。
約6割の製造事業者が経済安全保障の取り組みを実施していないとされています。政府は、取り組みの好事例の発信等を通じて、経済安全保障の推進を後押ししていくとしています。
正社員以外の社員の能力開発がコロナ禍前の水準まで回復していないことなどが示唆されています。政府は、人材開発支援助成金や生産性向上支援センター、デジタル技術を含む多様な職業訓練の提供などを通じて、能力開発を支援していくとしています。
政府は、デジタル等成長分野の人材育成(半導体人材の育成、産学協働リカレント教育モデルの確立など)、ものづくり人材を育む教育・文化芸術(学校等でのものづくり教育、技術者や伝承者の育成など)、Society5.0(注)を実現する研究開発(ものづくりに関する基盤技術の研究開発、産学官連携など)を推進していくとしています。
(注)Society 5.0:サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会のことで、情報社会(Society 4.0)に続く社会として提唱されています。
情報通信白書は、日本のICT(インターネット・スマホ・通信インフラ・デジタル経済など)の動向や課題、国の情報通信政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
社会生活、企業活動において、スマートフォン・SNS・クラウド等が浸透・拡大しています。AIについては、世界的な開発競争が激化し、日本においても大規模言語モデル(LLM)の開発が盛んに行われています。一方で、日本のAI活力ランキング(2023年)は世界総合9位と低めで、企業における生成AIの活用方針策定なども海外に比べて遅れがちです。
デジタル分野の主要な課題として、「信頼性のあるデジタル基盤の確保」「AIによるイノベーション促進とリスク対応」「サイバーセキュリティ」などが挙げられています。
少子高齢化が進む地方において、デジタル技術が地方創生のカギを握ることが示唆されています。また、災害が激甚化、頻発化する中、さらなるデジタルインフラの強靱化が引き続き求められていることなどが記載されています。
科学技術・イノベーション白書は、日本の研究開発や技術革新(AI・宇宙・バイオなど)の動向と課題、国の科学技術・イノベーション政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
2025年が科学技術基本法制定から30年の節目に当たることから、同法制定の経緯や制定後30年の歴史などが紹介されています。制定後30年間の日本の科学技術・イノベーションの振り返りとして、「基礎研究力の低下」「人材」「研究インフラ」といった重要課題も掘り下げられています。
ものづくり白書の章でも紹介した「Society 5.0」を具体化し、国民の安全と安心を確保しつつ、ウェルビーイングを実現するための取り組みなどが紹介されています。
エネルギー白書は、日本のエネルギー(電気・ガス・石油など)の現状や課題、政府の今後の方針をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
福島復興の現状として、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組み(燃料デブリの試験的取り出し成功など)、帰還困難区域の避難指示解除に向けた取り組み(大熊町等での復興再生計画の認定など)、新たな産業の創出に向けた取り組み(福島イノベーション・コースト構想)が紹介されています。
日本のエネルギーを取り巻く環境変化を踏まえた上で、電力インフラ・データセンター立地・通信インフラの適正な整備(ワット・ビット連携)、2050年カーボンニュートラルに向けた次世代エネルギー革新技術(光電融合、ペロブスカイトなど)に関する取り組みなどが紹介されています。
環境白書は、日本や世界の環境問題の現状と施策をまとめた白書です。循環型社会白書は、ゴミ削減・リサイクルなどを通じ、資源をムダなく循環させる社会づくりの現状と施策をまとめた白書です。生物多様性白書は、絶滅危惧種や森林・海などの生き物と生態系の保護に関する現状と施策をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
2050年炭素中立(ネット・ゼロ)の実現に向け、温室効果ガスの排出量を2013年度と比べて、2035年度には60%、2045年度には73%削減する目標が設定されています。
サーキュラーエコノミーは、資源を効率的に循環させ、持続可能な社会をつくるとともに経済成長も実現するというものです。基本計画や法整備の状況、地域の特性を活かした循環資源や再生可能資源の活用事例などが記載されています。
ネイチャーポジティブは、生物多様性を維持するだけでなく、回復させるというものです。「30by30目標(2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する)」の実現に向けた取り組みとして、保護地域における取り組み(国立公園の指定など)や自然共生サイト(生物多様性が保全されている区域)の認定状況などが記載されています。
帰還困難区域における取り組み(避難指示の解除など)、未来志向の取り組み(「脱炭素×復興まちづくり」推進事業の実施など)、ALPS処理水(注)の海洋放出に係るモニタリングの状況などが記載されています。
(注)ALPS処理水:東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のことです。
食料・農業・農村白書は、日本の食料供給・農業・農村の今の姿と課題、そして国の今後の方向性をまとめた白書です。直近の2024年度版には、次のような内容が記載されています。
2024年に改正された食料・農業・農村基本法に基づき、食料自給率の他、食料安全保障の確保に関する目標を設定し、初動5年間で農業の構造転換を集中的に推し進めるための計画が策定されています。
コスト高騰に伴う農産物・食品への価格転嫁が業界全体の課題であることを踏まえ、合理的な価格の形成に向けた仕組みづくりに取り組んでいることや、消費者からコストの実態への理解・支持を得るための「フェアプライスプロジェクト」を継続していることなどが記載されています。
ドローンやAIによる農業の生産性向上や、「みどりの食料システム戦略」に基づく環境負荷低減の取り組みを推進していることなどが記載されています。
森林・林業白書は、日本の森林や林業(木材利用や山村を含む)の現状と課題、国の森林政策の方向性をまとめた白書です。直近の2024年度版には、次のような内容が記載されています。
「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」の章で紹介した内容とも重なりますが、生物多様性に関する国際的な動きとしてネイチャーポジティブの進展、国内の動きとして自然共生サイトの認定状況などが記載されています。
日本の植物種数は5565種と、同じ島国かつ面積も同程度の英国などを上回る生物多様性が確保されています。さまざまな生育段階や樹種から構成される森林が、モザイク状に配置されている状態を目指して、多様な森林整備が推進されています。
林野庁が2024年に「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」や「建築物への木材利用に係る評価ガイダンス」を公表したことなどが記載されています。
水産白書は、日本の水産業・漁業や水産資源の現状と課題、今後の水産政策の方向性をまとめた白書です。直近の2024年度版には、次のような内容が記載されています。
2024年の日本近海の平均海面水温が、統計開始以降、最も高い値となっています。また、黒潮大蛇行が2017年から継続し、過去に例のない長さで発生しており、黒潮が接岸する関東沖・東海沖では海水温が上昇する傾向にあります。
海水温の上昇や海流の変化が、水揚量の減少、漁場まで遠出することに伴う燃油等の費用増加、出漁の見合わせなど漁業経営に大きな影響を与えています。特に、サンマ、スルメイカ、サケの漁獲量が近年大きく減少しています。
漁業・養殖業における取り組みとして「いか釣り漁船によるスルメイカ不漁に伴うアカイカ操業の実施」などが、加工・流通・消費に向けた取り組みとして「サワラの漁獲量が増加した地域におけるブランド化の取り組み」などが、漁港・漁場における取り組みとして「藻場再生」などが紹介されています。
気候変動への緩和策として、水産分野では、漁船の電化・水素化等に関する技術の確立により、CO2の排出削減を図ること、CO2吸収源としてのブルーカーボンを推進することなどが記載されています。
国土交通白書は、日本の国土・インフラ・交通(道路・鉄道・空港・港湾など)の現状と課題、国土づくり・交通政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
建設業や運輸業の課題として、いわゆる「2024年問題」への対応や、就業者の高齢化・若年者の入職の減少、中長期的な担い手の確保・育成などが挙げられています。担い手不足等によるサービスの供給制約(メンテナンス不足で、水道の断水・漏水が発生するなど)についても記載されています。
業界内の人材の確保・定着に向け、「賃上げを含む処遇改善」「適切な価格転嫁」などに関する施策の状況が掲載されています。ICTスキル等により建設技術者の一部業務を代行する新職種「建設ディレクター」の活用や、人に代わり自動で鉄筋結束作業を行うロボットの導入などの事例も紹介されています。
観光白書は、日本の観光(インバウンド・国内旅行・地域観光など)の動向や課題、国の観光政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
2023年の「外国人旅行者受入数ランキング」において、日本(2510万人)が世界15位(アジアで2位)となりました。また、2024年の国際観光客数は14億4500万人(前年比10.7%増、2019年比1.3%減、世界観光機関(UN Tourism)の統計)と、コロナ前の2019年水準まで回復しています。
2024年の訪日外国人旅行者数が3687万人(2019年比15.6%増)と過去最高を記録し、2024年の日本人の国内延べ旅行者数は5.4億人(2019年比8.2%減)とコロナ前の9割程度に回復しています。
仕事より余暇を重視する割合が増加傾向にある中で、一人当たり旅行回数の増加や滞在長期化を図る必要があるとされています。地域の取り組み事例として、「何度も地域に通う旅、帰る旅等の推進」「ワーケーション・ブレジャー等の普及促進」などが記載されています。
厚生労働白書は、日本の暮らし(医療・年金・福祉など)と働き方(雇用・労働政策など)の現状と課題、そして厚生労働行政の今後の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
次世代の主役となる若者向けに、社会保障・労働施策の歴史や機能、ヤングケアラー支援の取り組みなどが紹介されています。
本格的な「少子高齢化・人口減少時代」を迎える中で、賃上げ、非正規雇用労働者の処遇改善、女性・若者・高齢者・就職氷河期世代等の活躍促進等、医療DX等の推進といった政策課題の現状や取り組みが紹介されています。
男女共同参画白書は、日本社会における男女平等や女性活躍、男性の家事・育児参画などの現状と課題、国の男女共同参画政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
全ての都道府県で、家事関連時間は妻のほうが210分以上、仕事関連時間は夫のほうが180分以上長く、「男性は仕事、女性は家庭」という性別による固定的な役割分担が依然として残っていることなどが示唆されています。
東京圏に住んでいる人は、現在も東京圏以外に住んでいる人よりも、出身地域に「家事・育児・介護は女性の仕事」「食事の準備やお茶出しは女性の仕事」等といった固定的な性別役割分担意識が「あった」と感じている割合が顕著に高いとされています。
個性と能力を発揮できる環境整備や魅力的な地域づくりに向け、「固定的な性別役割分担意識等を解消する」「全ての人にとって働きやすい環境をつくる」「地域における女性リーダーを増やす」「地域で学ぶ」の4つの取り組みが重要であるとされています。
こども白書は、日本のこどもや若者を取り巻く状況と、政府が進めている「こども政策」の取り組み状況を毎年まとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
自殺対策や孤独・孤立対策等の観点から、全てのこども・若者が居場所を見つけることができるよう、こども家庭庁が「こどもの居場所づくりコーディネーター配置等支援事業」「こどもの居場所づくり支援体制強化事業」などを実施しています。
若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない状況に対応するため、「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(WG)」が開催されています。WGに基づき、各自治体の「地域少子化対策重点推進交付金」において、若い世代の描くライフデザイン支援や官民連携の結婚支援の取り組みを重点メニューとして支援する旨などが記載されています。
2025年度から2028年度末を見据えた保育政策の在り方を示した「保育政策の新たな方向性」が取りまとめられています。「1.地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実(職員配置基準の改善など)」「2.全てのこどもの育ちと子育て家庭を支援する取り組みの推進(こども誰でも通園制度の推進など)」「3.保育人材の確保・テクノロジーの活用等による業務改善(保育士・幼稚園教諭等の処遇改善など)」の3つが柱となっています。
こども・若者にとっての利益を考え、そのための取り組み・政策を社会の中心に据える「こどもまんなか社会」の実現に向けて、「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」が発足しています。
食育白書は、日本人の食生活や「食に関する学び(食育)」の現状と課題、国の食育推進の取り組みをまとめた白書です。直近の2024年度版には、次のような内容が記載されています。
食育に関心を持たない国民が増える中で、持続可能な食料システムを実現していくためには、国民が食生活を通じて農林水産業を意識する機会を作ることが大切であるとされています。食育の事例として「スポーツ選手と子どもたちによる田植えや稲刈り等の農業体験」などが記載されています。
若い世代(20~30歳代)や高齢者世代も、食に関する課題を多く抱えており、健康に生活するための「大人の食育」が大切であるとされています。食育の事例として「会社の従業員が野菜の知識を学ぶプログラム『食育マルシェ』」などが記載されています。
防災白書は、日本で起きた地震・豪雨などの災害の状況と教訓、国や自治体の防災・減災の取り組みや今後の方針をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージの実施、避難生活支援コーディネーター等の育成など、支援体制の強化が進められています。「被災者による朝市の復興(出張輪島朝市)」などのコラム記事も紹介されています。
デジタル技術を活用した防災情報システムの整備や、地域防災力の強化に向けた取り組みが明記され、頻発・激甚化する災害に備える体制強化が進められています。
交通安全白書は、日本の交通事故の実態や原因、歩行者・自転車・自動車などへの安全対策、国の交通安全政策の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
2024年の交通事故の死者・重症者数は2万9948人で、2015年の4万3076人から10年間で約30.5%減少しています。特に小学生は、2015年が1185人、2024年が686人と約42.1%減少しています。一方で、小学生の飛び出しによる事故が多く発生しており、効果的な交通安全教育等の実施、自動車等の運転者に対する教育の実施の必要性などが示唆されています。
通学路点検や歩道整備、スクールバスの運行、地域による見守り活動が推進されています。また、最高速度30キロメートル毎時の区域規制等を実施する「ゾーン30」の整備などが進められています。
警察白書は、日本の犯罪などの治安情勢と警察の取り組み、今後の警察行政の方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
SNSを通じて対面することなく、恋愛感情や親近感を抱かせたりして金銭をだまし取るSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が著しく増加しています。匿名・流動型犯罪グループが、仕事の内容を明らかにせず、「高額」「ホワイト案件」等の表現を用いるなどして実行者を募集し、こうした犯罪に及ぶケースが確認されています。
SNSを取り巻く犯罪に対処するため、デジタル・フォレンジック(犯罪の立証のための電磁的記録の解析技術・手続き)を活用した捜査、匿名・流動型犯罪グループに「雇われたふり」をして検挙するための仮装身分捜査などが進められています。
防衛白書は、日本や周辺地域の安全保障環境と自衛隊の活動状況、そして日本の防衛政策の考え方・方向性をまとめた白書です。直近の2025年版には、次のような内容が記載されています。
2025年3月に新設された「統合作戦司令部」について記載されています。海・空自の主要部隊や、宇宙やサイバー領域などで活動する部隊の指揮が、平素から統合作戦司令部官に一元化され、各種事態に迅速に対応できる体制になっています。
2024年度に取りまとめられた、「自衛官の処遇・勤務環境の改善及び新たな生涯設計の確立に関する基本方針」の一例が紹介されています。自衛官の処遇改善(30を超える手当の新設・金額引き上げなど)、生活・勤務環境の改善(営内隊舎の居室の個室化など)、新たな生涯設計の確立(再就職先の拡充等)といった内容が記載されています。
災害派遣や対領空侵犯措置、在外邦人等輸送任務など、2024年度に国内外で活躍した隊員の声が紹介されています。
以上(2025年12月作成)
pj80199
画像:各白書より作成
年末の挨拶を、「本年も大変お世話になりました。ありがとうございました」という言葉だけで終わらせるのはもったいないかもしれません。
デジタル化が進み、お客さまとの温度感ある接点が少なくなりがちな今、対面や電話で交わす「生の声」は貴重です。特に年末の挨拶は、リアルに言葉を交わす絶好のチャンスです。
短時間で相手の印象に残るよう、そして、年明け早々にスタートダッシュを切り物事を動かしていけるよう、冒頭で紹介したこのフレーズなどを活用してみましょう。
「年明け、『混じりっけなしの理想』をお聞かせください。実現方法を徹底的に考えます」
年末から年明けは、多くの企業で来期の計画を立てる重要な時期です。
ただ、お客さまの頭の中には、どうしても「予算」や「今の体制」といった現実的な制約があります。この状態で普通に「来年はどうしたいですか?」「何がご希望ですか?」と聞いても、制約を考慮した無難な話に終始する、あるいは「制約があるから何もできない」といったことになりがちです。
そこで効くのが、「混じりっけなし」という強い、しかも通常のビジネスではあまり使わない言葉です。 この一言で相手に、「難しいさまざまな条件を横に置くとすると、自分は(自社は)本当はどうしたいのか」を考えるきっかけを与えられるかもしれません。
また、単に「理想は?」と尋ねるよりも「混じりっけなし」という、いわば最大級に強い表現をすることで、視座を一気に引き上げる、突き抜ける感も共有できるでしょう。
そして、大事なのは、少し間を置いて「実現方法を徹底的に考えます」と続けることです。安請け合いをするのではなく、「語っていただいた理想を、現実に落とし込むプランや手段は私も一生懸命考えます。一緒に実現しましょう。実現したいです」という、営業担当者としての等身大の誠実さや責任感を込めるようにします。
実現しようと動く泥臭さや、地に足がついた安心感を持ってもらえるのがベストです。
この「混じりっけなし」フレーズは、相手との関係性(距離感)に応じてニュアンスを調整すれば、より自然に相手に届くようになります。
例えば、既存のお客さまで、ある程度信頼関係を構築している場合は、よりパートナーとしての気持ちを込めるのがいいでしょう。
「年明け、予算や今の体制といった制約を一旦忘れて、○○さんの『混じりっけなしの理想』をお聞かせいただけませんか? それを今の状況でどう実現するか、私が徹底的に考えて具体的な計画を立てます。それを基に、一緒に議論してみましょう!」
ポイントは、「夢物語で終わらせない」という意思を、「具体的な計画」と添えて伝えることです。「あなたの理想を実現するために、私は一緒に汗をかきます」という姿勢が、共創、パートナー感を高めます。来期のアップセルを実現したい場合なども効くかもしれません。
一方、これから関係を深めていきたい新規営業先の場合は、少しトーンダウンが必要です。まだ関係が浅い相手に対して、「混じりっけなし」の「理想を語れ」と迫ると、相手が重いと負担に感じることもあり得ます。そこで、「壁打ち相手(相談役)」に立候補することでハードルを下げ、寄り添う姿勢を示します。
「来年は、△△さん(もしくは御社)の『混じりっけなしの理想』を一番近くで共有できる存在になりたいです。まずは一度、『壁打ち相手』として私に話だけしてみませんか? もし必要であれば、理想を実現する方法を私が徹底的に考えてみますので」
ポイントは、売り込みではなく、「あなたの思考を整理するお手伝いがしたい」というスタンスです。これなら相手も負担に感じず、「年明けに、話だけならしてみてもいいか」と考えてくれるかもしれません。
年末は誰もが忙しく、これまでの振り返りや事務処理などに追われます。年末の挨拶として連絡を入れて来る人も多いでしょう。だからこそ、定型文ではない、未来への意志がこもった温度感ある言葉が、相手の印象に残ります。相手との関係性にもよりますが、最後は、
「来年も御社と一緒に、新しい価値をつくっていけるよう努めます」
このように締めくくる。そして、会話を終えた後、お客さまがふと顔を上げ、「来年は今年より面白いことができそうだ」と少しだけワクワクした気持ちになる。それがお互いにとって一番嬉しいことではないでしょうか。
これまでの感謝に加え、未来への期待を共有して一年を締めくくる。一番大事なのは、営業担当者が心の底から、未来への期待と「一緒に実現したい」という気持ちを込めて伝えることです。それこそが、営業担当者が果たすべき年末最後の仕事であり、次の素晴らしい一年を始めるための、最高の準備といえるでしょう。
以上(2025年12月作成)
pj70132
画像:Gemini
ハラスメントは社内だけの問題ではないし、こちらが被害者になるとも限りません。例えば、自社の社員が取引先の社員などにハラスメントをしてしまったら、最悪の場合、その相手との取引が停止し、さらに噂が広がることで、業界内での会社の信用も地に落ちます。
にもかかわらず、多くの会社では、社外のハラスメントへの対策が漏れがちです。そこで、この記事では、社外のハラスメントへの対応について紹介します。基本は社内の場合と同じですが、社外の場合、
取引先と丁寧に連携を取りながら対応を進める必要
があります。
例えば、取引先の社員を事情聴取する場合、必ず取引先の担当部署の承諾を得なければなりません。基本的な対応の流れは次の通りです。
また、法令上、セクハラ(セクシュアルハラスメント)については、自社の社員が取引先の社員に対してハラスメントを行った疑いがあって、これについて取引先から事実確認や再発防止などに関する必要な協力を求められた場合、これに応じる努力義務があります。
加えて、セクハラとパワハラ(パワーハラスメント)については、自社の社員と役員が取引先の社員に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施など必要な配慮をする努力義務があります。
事実確認では、関係者(被害者・行為者・目撃者など)への事情聴取を行います。社外のハラスメントの場合、被害者と目撃者は基本的に社外の人間ですから、聴取を行うには取引先の担当部署の承諾が必要です。また、取引先の担当部署が立ち会いを希望する場合は応じます。
事情聴取の内容は、録音するのがベストですが、難しい場合は聴取の内容を書面(供述録取書)にまとめ、その内容を供述者に確認してもらい、内容に間違いがなければ署名をしてもらうことが大切です。そうすることで「言った、言わない」の問題を回避できます。
行為者の当時の言動(実際に何と言ったかなど)は、できるだけ具体的に聞き取ります。実際に体験した者でなければ語れない内容ほど、信用できるからです。
行為者に事情聴取をする場合、「言い訳は聞きたくない」などと対応せず、本人の言い分も十分に聴くことが大切です。弁明の機会を与えないと、手続きが不適切として行為者を処分できなくなる恐れがあるからです。
ハラスメントに関する事情を知っている行為者以外の社員が自社にいる場合、行為者や被害者が接触する前にできるだけ早く事情を聴取します。ただし、プライバシーにも配慮が必要(特にセクハラ事案)ですので、事情聴取のために必要な範囲を超えて、行為者や被害者の情報(ハラスメントの詳細な状況、行為者や被害者の性的嗜好など)を開示することは控えるべきです。
行為者の事情聴取の結果について、取引先が開示を求めてきた場合は応じます。これは、事実確認の他、被害者がメンタルヘルス不調になった場合の休職措置などにも利用されます。
メールやライン、録音、携帯電話の発着信履歴などの客観的な証拠(物証)を集めておくことは重要です。行為者や被害者の供述が信用できるか検討する上で、供述の内容と客観的な証拠が矛盾している場合、慎重な検討が必要になります。
客観的な証拠を集める際は、自社のサーバー内にある行為者のメールのデータは保存しておき、行為者にも当時の客観的な証拠があれば提出するよう求めます。また、取引先が客観的な証拠を持っている場合、開示してもらうよう依頼します。
証拠は事情聴取の前に収集するのが望ましいですが、事情聴取まで時間がない場合などは、事情聴取の後も(聴取内容を踏まえて)積極的に証拠の収集を続ける必要があります。
事情聴取が終わったら、「ハラスメントの事実があったか否か」を認定します。被害者と行為者の言い分が食い違ったり、客観的な証拠がなかったりして認定が難しい場合は、専門家(弁護士)に相談します。
事実関係の認定をしたら、認定した行為者の言動が、社内のハラスメントの基準などに照らして悪質なのか、それともそこまで悪質とは言えないのかを判断します。
悪質なハラスメントがあった場合、速やかに取引先に謝罪し、必要な措置を講じます。場合によっては訴訟などの法的な紛争に発展することもありますので、その準備も必要です。行為の内容が悪質とも適正とも言えない「グレーゾーン」のケースもあるでしょうが、その場合も謝罪はすべきでしょう。
また、行為者の処分についてですが、処分の内容や理由を取引先に伝える義務まではないと思われます。処分は自社の人事などに関することですし、関係者のプライバシー保護は加害者に対しても必要だからです。
なお、冒頭でもお話しした通り、セクハラについては、取引先から事実確認などについて必要な協力を求められた場合、これに応じる努力義務があります。当然ですが、協力を求められたことを理由に、取引先に対し契約解除などの不利益な取扱いをするのはNGです。
悪質なハラスメントがあった場合、行為者に対する注意・指導、人事上の処分(配置転換など)、懲戒処分などを検討します。
グレーゾーンの行為の場合、懲戒処分は難しいかもしれませんが、注意・指導などの対応はすべきでしょう。そうしないと、グレーゾーンの行為者は「自分は正しい」と思い込み、同じような言動を繰り返す恐れがあります。ですから、「今回はハラスメントに当たらないと判断したけれど、次は違う判断になるかもしれないから、言動を改めたほうがいい」と伝えます。
なお、懲戒処分を行うためには、就業規則など社員の服務規律を定めた文書において、ハラスメントが懲戒事由に当たる旨の規定を整備しておく必要があります。
社内だけでなく、取引先など社外の人に対するハラスメントもあってはならない旨を社内に周知します。ハラスメント防止規程や防止方針の該当条文をピックアップして説明したり、弁護士事務所などに依頼してハラスメントに関する研修を実施したりするとよいでしょう。
また、コンプライアンスに関するアンケートなどを実施し、「社外の人間への迷惑行為を見たことがあるか」「取引先から相談を受けたことがあるか」といった実態を調査するのもよいでしょう。
自社の社員が取引先からハラスメントを受けた場合の対応についても紹介します。自社の社員が取引先からハラスメントを受けたと相談してきた場合、基本的には、社内のハラスメント対応を参考にします。社内のハラスメントとの主な違いは、次の2点です。
1.については、ひとまずは相談者と目撃者に事情聴取を行い、違法な迷惑行為が確認できる場合、取引先に対応を求めるようにします。ただし、その後の取引の問題もあるので、取引先との連携は丁寧に行うようにします。
また、被害を訴える社員がメンタルヘルス不調で休職した場合は、その社員の申告が事実かを確認する必要があります。そのため、行為者の事情聴取の結果について、取引先に開示を求めることを検討します。
2.については、自社の社員が取引先からハラスメントを受けた場合、相談先や相談体制を定めてあらかじめ社員に周知しておくなど、ハラスメント被害に対応する体制を整備することが望ましいとされています(厚生労働省「職場におけるハラスメント関係指針」)。
なお、裁判例では、小売業の接客時の顧客からの苦情対応に対して相談体制を整えていたことを理由の1つとして会社の安全配慮義務違反を否定したもの(東京地裁平成30年11月2日判決)や、教諭が保護者から理不尽な言動を受けたことについて、校長が教諭に対して保護者に謝罪するよう求めたことを不法行為と判断したものがあります(甲府地裁平成30年11月13日判決)。
以上(2025年10月更新)
(監修 有村総合法律事務所 弁護士 平田圭)
pj60170
画像:photo-ac
多くの会社は、社員が入社してから一定期間を試用期間として設定し、本採用するかどうかを見極めています。試用期間を経て「この社員には適性がない」と判断したら本採用を拒否するわけですが、これが「不当解雇」になるケースがあります。
試用期間中やその直後は社員を簡単に解雇できると勘違いしている人がいますが、これは大きな間違いです。試用期間中の労働契約は、
労働契約は成立しているものの、試用制度を前提に、使用者には正当な理由があれば労働契約を解約できる権利が留保されています。これを「解約権留保付労働契約」
といいますが、この解約権留保付労働契約について、過去に最高裁は次のような判断をしています(最高裁大法廷昭和48年12月12日判決)。
つまり、確かに試用期間後の本採用の拒否は通常の解雇よりも緩やかといえるが、だからと言って何でも許されるわけではないということです。ポイントは、
就業規則に「本採用の拒否」の規定があることと、相手の能力や経験に応じて柔軟に対応すること
です。
まずは「解雇権濫用法理」を押さえましょう。これは、
「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」を欠く解雇は無効になる
というルールで、試用期間後に本採用を拒否する場合にも適用されます。

就業規則に解雇事由が規定されていない場合、裁判などで客観的に合理的な理由がないと判断されやすくなります。ですから、
就業規則に「試用期間中に社員として不適格と認めた場合、解雇することがある」などの規定を設ける
ことが、本採用を拒否する大前提となります。
就業規則の規定を確認したら、次に大切なのは、どのようなケースで本採用の拒否が不当解雇になりやすいか、典型例を押さえることです。次章で具体的なポイントを紹介します。
通常、試用期間は3~6カ月間ぐらいです。誰でも、すぐに仕事ができるようになるわけではないからです。ですから、
試用期間の途中で「適性がない」と性急に判断して解雇すると、適性の見極め方に問題があるとして、不当解雇
になり得ます。
実際、会社が営業職の社員を採用した後、成績不良を理由に6カ月間の試用期間の途中(3カ月間)で解雇し、争いになった裁判例があります。会社は社員に対して忠告を行い、成績を改善する機会を与えていたようですが、裁判では、
試用期間の満了後に解雇する場合も「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」が求められる以上、期間を短縮する場合、より一層高度の合理性と相当性が求められる
などの理由から、不当解雇と判断されました(東京高裁平成21年9月15日判決)。
試用期間の途中での解雇が認められる可能性があるのは、例えば、
など、明らかに社員としての適性がないケースです。
新卒や業界未経験者に「数カ月の試用期間で、他の社員と同じぐらい働けるようになれ」というのは酷です。ですから、
初心者であることを十分考慮せずに能力不足で解雇すると、不当解雇
になり得ます。
実際、社労士事務所が実務経験のない社労士を職員として採用した後、試用期間中のミスを理由に解雇し、争いになった裁判例があります。事務所は、職員が顧客の意向を十分確認せずに社労士業務を行ったことなどから能力不足と判断したようですが、裁判では、
実務経験がないと分かって職員を採用した以上、即戦力として期待できる状況ではなく、事務所が職員に対し、顧客への意向確認を十分行うよう明確に指示した形跡もない
などの理由から、不当解雇と判断されました(福岡地裁平成25年9月19日判決)。
初心者の能力不足を理由とした解雇が認められる可能性があるのは、例えば、
社会人歴は長いのに協調性がなく、何度注意しても周囲とトラブルを繰り返す
など、そもそも社会人としての資質が欠如しているケースです。
業界経験者を採用した場合、能力不足を理由とする解雇が認められやすい傾向にあります。ただし、同じ業界であっても仕事の進め方や必要とされる知識などは会社によって異なります。ですから、
経験者だからといって、必要な指導をしないまま解雇すると、不当解雇
になり得ます。
実際、土木工事の設計監理会社が、設計の経験がある社員を採用後、試用期間中に設計図面の作成業務を命じたものの、十分な能力がないと判断して解雇し、争いになった裁判例があります。会社が作成を命じた図面は、社員が過去に経験したことのない種類のもので、裁判では、
経験のない業務にもかかわらず、会社が具体的な指導をした形跡がなく、また、社員は時間をかけつつも、最終的に要求された作業を完了しており、一概に能力不足といえない
などの理由から、不当解雇と判断されました(東京地裁平成27年1月28日判決)。
経験者の解雇が認められる可能性があるとすれば、この裁判例の逆パターンで、
前職の経験があればこなせるレベルの業務を与え、なおかつ会社が指導を繰り返しているのに、業務を十分こなせない
など、仕事の進め方などの違いを踏まえても、経験者としての能力が不足しているケースでしょう。また、「会社がどれだけ真摯に指導をしたか」によって不当解雇になるか否かは変わってくるので、指導を行った日時や内容を「指導記録」などとして残すことが大切です。
なお、上の裁判例が不当解雇と判断された理由には、会社の指導不足の他に、
経験者として採用されたものの、給与の額が経験を考慮したといえるほど高くなかった
というものもありました。
試用期間中の労働契約は「解約権留保付労働契約」であると説明しましたが、「内定(採用内定)」もこれと同じです。内定とは、会社が内定者(採用選考に合格した求職者)に社員として採用する旨を通知し、内定者が入社を待っている状態です。会社が内定を出した時点で、
会社と内定者の間に、入社日を始期とする解約権留保付労働契約が締結
されたとみなされます。そのため、内定を出した相手に社員としての適性がないことなどが判明したとしても、その内定を取り消すと、違法になる恐れがあります。しかも、内定取り消しの場合、一定の要件を満たすと「会社名公表」というペナルティーまであります。
内定取り消しも通常の解雇よりはハードルは低いものの、実施するには「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」が必要です。具体的に内定取り消しが認められやすいケースとしては、次のようなものがあります。
上の例の他に、会社の経営悪化が原因でやむを得ず内定を取り消すケースなどがありますが、こうしたケースの内定取り消しは、「整理解雇」という、人員整理を理由とする解雇に準じて判断され、実施するための要件が厳しくなります。何より内定者側に落ち度がない内定取り消しになるので、トラブルを避けたいのであれば、
内定者に一定の補償や損害賠償を示して協議した上で、内定を取り消すこと
が無難です。
以上(2025年11月更新)
(監修 弁護士 八幡優里)
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画像:ELUTAS-Adobe Stock