非上場の中堅・中小企業の株式実務は、日常的に発生しないこともあり、株式管理が見直されないまま放置されてしまいがちです。しかし、場合によっては重大な経営リスクに直結することもあり得ます。
そこで本冊子では、非上場の中堅・中小企業の法務・総務担当者を主な読者として、自社で何を確認し、どの問題を経営陣に共有すべきか、どの場面で専門家に相談すべきかという観点から、株式実務の基本と実務上の留意点を整理します。
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非上場の中堅・中小企業の株式実務は、日常的に発生しないこともあり、株式管理が見直されないまま放置されてしまいがちです。しかし、場合によっては重大な経営リスクに直結することもあり得ます。
そこで本冊子では、非上場の中堅・中小企業の法務・総務担当者を主な読者として、自社で何を確認し、どの問題を経営陣に共有すべきか、どの場面で専門家に相談すべきかという観点から、株式実務の基本と実務上の留意点を整理します。
「サポート詐欺」をご存じでしょうか? パソコンでウェブサイトを閲覧中、
といった詐欺の手口です。以降、こうした画面のことを「偽画面」と呼ぶことにします。
偽画面は全画面表示され、「閉じる」ボタンがないため、マウス操作では画面を閉じることができません。警告音が鳴りやまず、パニックに陥った状態で、つい偽画面に記載された電話番号に電話をかけてしまう……。そうすると、サポート窓口の担当者をかたった詐欺被害に遭ってしまうわけです。
サポート詐欺の偽画面が表示されるきっかけは、ウェブサイトに表示された広告枠の「次のページに進むためのボタンに見せかけた広告」や「続きが気になる画像」をクリックしたり、検索結果の上位に表示された偽広告をクリックしたりすることです。巧妙につくられているため、この時点で見破るのは難しいですが、
あらかじめ偽画面のイメージと、所定のキーを使った画面の閉じ方を押さえておく
ようにすれば、万が一クリックしてしまっても落ち着いて行動できます。
以降で、サポート詐欺の被害に遭わないための対策を確認していきましょう。
情報処理推進機構(IPA)では、「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」を設けて注意喚起しています。パソコンで、同ページから「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」に行くと、実際にどんな状態になるのかを疑似体験できます。
(注)体験サイトを起動する前に、説明をよくお読みください。

偽画面を開いてしまったとしても、いきなりウイルスに感染するわけではありません。まずは、落ち着いてパソコンの音量を下げましょう。その後、偽画面を閉じれば問題ありません。大切なのは、
絶対に偽画面に表示された番号に電話をかけないこと
です。偽画面の閉じ方は、
といった方法があります。詳しくは、情報処理推進機構(IPA)の次のウェブサイトをご確認ください。
サポート詐欺でだまし取られた金銭を取り戻すことは難しいのが現実です。サポート詐欺の手口は人間の焦燥感・恐怖と安心感の心理的なギャップを巧みに突くもので、(偽画面に)表示された番号に電話をかけると、次のようなかたちで金銭をだまし取られてしまいます。
1.のように自ら振り込んでしまった場合、「本人が同意して送金手続きを行った」とみなされてしまうため、金融機関側の制度による救済を受けられないケースがほとんどです。
2.のように電子マネーのコードを伝えた場合、犯人がまだコードを使って(チャージして)いなければ、電子マネーの発行元のサポート窓口に連絡し、アカウントの利用停止や額面の返金に対応してもらえる可能性があります。
3.のように遠隔操作による不正送金の場合、不正アクセスによる被害として、金融機関の補償対象になる可能性があります。
いずれの場合も、泣き寝入りを避けるために、まずは次の3カ所に同時並行で連絡を入れてください。
情報処理推進機構(IPA)では、次のウェブサイトなどを通じて注意喚起しています。
日本サイバー犯罪対策センター(JC3)では、解説動画をYouTubeで公開しています。
以上(2026年7月更新)
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画像:日本情報マート
仕事はできるものの、短気で口が悪い、上司の命令に従わない、遅刻が多いといった社員への対応には、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。ただの問題社員であれば、場合によっては辞めてもらう(解雇する)という選択肢も考えられますが、相手が会社の中核を担う優秀な社員となると、辞めてしまった後の影響が心配になるものです。とはいえ、優秀だからといって、問題のある言動をそのままにしておくわけにもいきません。
このようなケースにどう対応すればよいのか、次の2つのポイントから考えてみましょう。
就業規則には「服務規律(社員が守るべき基本的な行動規範)」が定められています。誰が相手であっても、この「服務規律」をきちんと適用することが基本です。その上で、勤務態度が良くない社員には、次のような流れで対応していくとよいでしょう。

図表のうち2)については労働条件通知書、雇用契約書や就業規則への定めが、3)から5)については就業規則への定めが必要になります。なお、1)については特に定めがなくても構いません。
また、5)の「普通解雇」とは、
社員としての適性がない(能力、健康状態、勤務態度などに問題がある)ことを理由とする解雇
です。問題社員への対処というと「懲戒解雇」をイメージする方も多いかもしれませんが、懲戒解雇は本来、横領やハラスメントといった重大な問題行為を対象とする処分ですので、単に勤務態度が良くない社員に対して行うと、無効となってしまう可能性が高い点には注意が必要です。
図表のケースでいえば、1)から4)までの行程を経ても社員の勤務態度が改善されない場合は、5)の普通解雇もやむを得ないという考え方です。逆にいえば、
1)から4)までの行程で社員が問題行為を起こさない状況をつくれば、解雇する必要はなくなる
ということになります。次章では、「『解雇する前』の段階で手を打ち、社員に会社に残ってもらう」という観点から、図表の各行程のポイントをご紹介していきます。
社員の勤務態度に問題があるときは、まずはその上司から「君の言動は間違っている。改めなさい」などと注意してもらいましょう。大切なのは、「問題行為に気づいたら必ず注意する」という姿勢です。対応がその時々でまちまちになると、せっかく注意をしても社員から「今日は、上司の機嫌が悪いから注意されたのかな」などと、軽く受け取られる恐れがあります。
また、注意する際には、社員の言い分にも耳を傾けるようにしましょう。例えば、仕事の進め方について上司の指示に従わない社員は、もしかすると自分のやり方のほうが合理的だと考えているのかもしれません。実際にそうであれば、
「君のやり方のほうが良さそうだ、今回はそれでやってみよう。ただし、次回から自分の考えを試したい場合は事前に相談してくれ」
と社員の意見も取り入れながら、事前に相談しなかった点についてはやんわりと注意します。
それでも繰り返し注意して改善が見られない場合は、
「注意書」「指導書」などの形で、どのような注意をしたかを書面で残しておく
ようにすると、「言った、言わない」というトラブルを防ぐことができます。
注意しても社員の勤務態度が改善しなければ、
といった具合に、配置転換や労働条件の変更を検討してみましょう。社員の勤務態度を無理に改めさせるというよりも、問題行為が起こりにくい状況を一緒につくっていくイメージです。
ただし、例えば「問題行為は起きにくいものの、単純作業しか行わないポジションに就ける」といった配置転換は、場合によってはパワハラと受け取られる恐れがありますし、優秀な社員を活かし続けたいという会社側の意図にも沿いません。ですから、
社員が「どうすれば問題行為を起こしにくいか」だけでなく、「どうすれば能力を発揮しやすいか」も一緒に考えながら、配置転換などを検討していくことが大切
です。
配置転換などをしても効果が見られなければ、就業規則の懲戒事由に基づいて懲戒処分を検討することになります。懲戒処分は、一般的に次の7種類に分けられます。ただし、社員の問題行為に対して重すぎる懲戒処分や、弁明の機会を与えずに行った懲戒処分は無効になってしまうこともあるため、注意しましょう。
一概にはいえませんが、単に勤務態度が良くない社員に対して懲戒処分を行う場合は、
一般的には「1.戒告」から「3.減給」あたりが妥当(「口が悪い」が行き過ぎてパワハラに当たる指導を繰り返した場合などは、「4.出勤停止」「5.降格」もあり得る)
です。実際には、「当該行為の動機、目的、方法、頻度等の行為態様」「会社に与えた損害や周囲への影響」「社員の過去の処分歴・指導歴や反省態度」「会社側の落ち度」「社員の会社への貢献度」などを考慮しながら、慎重に判断していきましょう。
例えば、社員が過去に新サービスを立ち上げたなど、客観的に評価できる実績を残している場合は、
その貢献度を考慮して、処分を引き下げること
ことも可能です。とはいえ、単に処分を軽くするだけでは社員が増長してしまう恐れもあるので、
「今回は、君のこれまでの会社への貢献度を考えて軽い懲戒処分とする。ただ、今後勤務態度に改善が見られなければ、次はより重い処分を科す用意がある」
といった具合に、社員が反省しない場合に備えて、警告も添えておきましょう。
懲戒処分をしても状況が変わらない場合は、「退職勧奨」の実施を検討することになります。退職勧奨とは、
会社から社員に自主退職を促し、社員が同意した場合に退職させること
のことで、一般的な流れは次のようになります。
退職勧奨は、会社が一方的に労働契約を解除する解雇とは違い、社員に退職を強制するものではありません。ですから、
仮に社員がこの時点で「退職したくありません、これまでの勤務態度を改めます」などと言ってくるようであれば、反省の様子によっては雇用を継続する
という選択肢もあります。逆に、ここでも社員が反省せず退職勧奨にも応じない場合や、「勤務態度を改める」と言いつつもそれが口だけで、その後も改善が見られないといった場合には、残念ながら解雇せざるを得ないという判断になります。
退職勧奨後も改善が見られない場合は、「普通解雇」の行程に移ることになります。労働基準法では、
普通解雇に限らず、解雇はその30日前に解雇予告をして実施しますが(解雇予告手当を支払えば日数を短縮可)、一度解雇予告をしたら会社の意思で撤回することは不可
です。つまり、普通解雇を決定した時点で、社員の雇用を継続する道は残念ながらなくなってしまいます。
繰り返しになりますが、どれだけ優秀であっても、ここまでの行程を経ても勤務態度に改善が見られない社員を雇用し続けることは、企業秩序を危うくしてしまいます。企業秩序と社員の定着、どちらも両立できるのが一番ですが、
いざ両立が難しくなったときは、企業秩序を優先するという姿勢を貫くこと
ことが大切です。
以上(2026年8月更新)
pj00678
画像:Stingray_Japan-Adobe Stock
目次
個人データを個人情報取扱事業者(会社)が自ら取り扱う場合、守らなければならないルールが3つあります。具体的には
です。以降でポイントを確認していきましょう。
個人データは、正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去するよう努めなければなりません。
「正確かつ最新の内容に保つ」とはいえ、保有する個人データをすべて、いつも最新化しなければいけないわけではありません。それぞれの利用目的に応じて、その必要な範囲内で正確性・最新性を確保すれば大丈夫です。
また、「遅滞なく消去する」といっても、具体的に「いつまでに」「○日以内に」という期限は特にありません。業務の遂行上の必要性や引き続き個人データを保管した場合の影響等も勘案し、必要以上に長期にわたることのないようにしましょう。ただし、他の法令で保存期間が定められている場合があることに気をつけなければいけません。例えば、賃金台帳は労働基準法に基づき原則5年間保存が義務付けられています。
取り扱う個人データの漏えい、滅失または毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければなりません。
個人データの「漏えい」とは個人データが外部に流出すること、「滅失」とは個人データの内容が失われること、「毀損」とは個人データの内容が意図しない形で変更されることや、内容を保ちつつも利用不能な状態となることをいいます(3つまとめて、「漏えい等」といいます)。
「安全管理のために必要かつ適切な措置」については、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」に具体例が示されています。この記事の第5章で、参考として、社員数100人以下の「中小規模事業者」が講じるべき安全管理措置について紹介しています。最低限対応しないといけない内容ですので、確認してみてください。
従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければなりません。
「従業者」は、雇用関係にある社員(正社員、契約社員、嘱託社員、パート社員、アルバイト社員など)だけではなく、取締役、執行役、理事、監査役、監事、派遣社員なども含まれます。
「必要かつ適切な監督」は、前述した安全管理措置で「やる」と決めたことがしっかり守られているかチェックすることです。
ガイドラインの10「(別添)講ずべき安全管理措置の内容」で例示されている中小規模事業者における手法を紹介します。
「事業者の名称」「関係法令・ガイドライン等の遵守」「安全管理措置に関する事項」「質問および苦情処理の窓口」などの項目を策定する
個人データの取得、利用、保存等を行う場合の基本的な取り扱い方法を整備する
外国において個人データを取り扱う場合、当該外国の個人情報の保護に関する制度等を把握した上で、個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じる
以上(2026年7月更新)
pj60082
画像:日本情報マート
ファクタリングとは、
企業が持っている売掛金を、ファクター(ファクタリングのサービス提供企業)が買い取ったり、取引先が代金を支払えなくなった場合に備えて支払いを保証したりするサービス
です。
ファクタリングを活用すると、次のような経営上の悩みを解決できる可能性があります。例えば、
といったケースです。
特に、売掛金を買い取ってもらう買取型ファクタリング(詳しくは後ほど解説)は、入金を待たずに資金を受け取れるため、資金繰りの改善に効果があります。原材料費や人件費の上昇など、経営環境の変化が大きい現在では、資金調達の選択肢の一つとして検討する価値があるでしょう。また、紙の約束手形が2027年3月末をもって廃止される予定です。手形取引を利用している企業では、決済方法や資金調達方法の見直しが必要となるため、売掛金を活用できるファクタリングは、有力な選択肢の1つとして注目されています。
資金繰りに問題がない企業でも、ファクタリングは役立ちます。例えば、取引先の信用調査を専門会社に任せることで、新しい取引先との契約を安心かつスムーズに進められるようになります。
この記事では、ファクタリングの利用を検討する際の第一歩として、基本的な仕組みや種類について分かりやすく解説します。なお、ファクタリング会社によって利用できるサービスや仕組み、契約内容は異なるため、利用する際には内容をよく確認するようご留意ください。
ファクタリングの種類にはさまざまな分類方法がありますが、引き受け方法という面から見ると、次の2つに分けられます。
買取型・保証型のファクタリングには、それぞれ次のようなメリットがあります。ファクタリングの活用を検討する際に重要な点だと思いますので、ぜひご確認ください。
【買取型】
【保証型】
ファクタリングは銀行などからお金を借りる「融資」とは違いますので、担保や保証人は必要ありません。また、貸借対照表にも基本的には影響はありません(「借入金」にはなりません)。資金調達の選択肢として、また回収リスクの負担を軽減する保険のような存在として活用できます。
一方、ファクタリングには注意点が2つあります。1つ目は、手数料です。一般的に融資の利率などに比べて手数料は高くなる傾向にあります。2つ目は、取引先への対応です。取引先にファクタリングの活用を知られると、自社の経営状況の悪化を疑われる恐れがあります。
買取型・保証型のファクタリングの仕組みは、次の通りです(一般的な流れです)。

図表1で紹介しているのは、債権者・債務者・ファクターの「3社間によるファクタリング」です。
この他に、債権者・ファクターの「2社間によるファクタリング」があります。この場合、基本的には債務者に知られることなくファクタリングを活用できますが、3社間に比べて手数料が高くなることが多いようです。
これまで見てきた他、ファクタリングは決済方法、申込み方法、対象となる取引の内容などさまざまな面で分類されます。その他の主な種類の一例は次の通りです。
(図表2)【ファクタリングの主な種類の一例】
| 種類 | 引き受け方法 | 取引形態 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 一括ファクタリング | 買取型 | 2社間・3社間 | 債権者の売掛債権を一括して譲渡。ただし債権者側発信ではなく、債務者(支払企業)側が「支払手段」として支払業務で行うもの。債務者の支払業務を効率化できる |
| オンラインファクタリング | 買取型・保証型 | 2社間・3社間 | オンラインで申込みなどやり取りが完結する。早期にサービスが利用できる |
| 国際ファクタリング | 保証型 | 4社間 | 海外のファクターが信用調査を行った上で、債務者の信用リスクを保証する。L/Cの手続きなどが不要 |
(出所:各ファクターのウェブサイトなどを参考に日本情報マート作成)
金融機関などのファクターが債務者(支払企業側)の決済を代行するサービスです。債権者が保有する売上債権をファクターに一括して譲渡するため、債務者は支払業務の効率化を図れます。
また、一部のファクターでは、電子記録債権(でんさい)を一括ファクタリングの仕組みに組み込んだサービスを提供しています。電子記録債権は、手形など紙媒体で管理されてきた債権を電子化したものです。
申込みから入金までなど一連の手続きがオンライン上で完結するサービスです。対面での手続きや書類の郵送などは不要です(一部書類の郵送などが必要な場合もあります)。種類として多いのは買取型のファクタリングです。
買取型の場合、オンライン上で決算書や売上債権の請求書などをアップロードし、審査を受けます。中には即日対応をうたっているファクターもあり、早期にサービスを活用することができます。
輸出入の貿易にファクタリングを活用するサービスです。国際ファクタリングは、債権者・債務者・ファクターに加えて、ファクターの提携先である海外のファクターの4社間で行われます。海外のファクターが信用調査を行った上で、債務者の信用リスクを保証します。
輸出入を行う際の決済には従来、L/C(Letter of Credit、信用状)が使われてきましたが、国際ファクタリングを活用することで、手間とコストがかかるL/Cの手続きが不要になるなどのメリットがあります。
以上(2026年7月更新)
(監修 税理士法人AKJパートナーズ 公認会計士 仁田順哉)
pj35042
画像:MQ-Illustrations-Adobe Stock
とくぎんサクセスクラブと香川ニュービジネスクラブ(香川銀行)は合同で、企業間の新たなビジネス機会創出を目的としたビジネスマッチングサービス「TOMONY BUSINESS INFORMATION」を公開しております。
本サービスには、各地域で活躍する多様な業種の会員さまの事業内容、マッチング希望情報などを掲載しており、新たな取引先や提携先の開拓に向けたヒントやきっかけを見つけていただける構成となっております。
本サービスが、会員さまの更なる発展ならびに有益なビジネスパートナーとのご縁を築く一助となれば幸いです。是非ご一読いただき、有効にご活用くださいますようお願い申し上げます。
ご覧いただく中でご関心をお持ちの事項がございましたら、事務局までお問い合わせください。
【連絡先】とくぎんサクセスクラブ(徳島大正銀行 法人推進部内)
TEL:088-656-1125
以上(2026年7月作成)
出所:「東照公御遺訓」(久能山東照宮ウェブサイト)
冒頭の言葉は、
「敗北から学び、逆境を乗り越えた者が、最終的に大きな成功をつかむ」
ということを表しています。
織田信長(おだのぶなが)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)とともに、戦国の三英傑の1人に数えられる家康。「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥(ほととぎす)」という言葉でも知られ、三英傑の中でも特に忍耐強い武将というイメージがあるかもしれません。
しかし、生来の家康は、実はとても気が短い人物だったといわれています。家康の気の短さを象徴する戦(いくさ)の1つに、武田信玄(たけだしんげん)と対峙した三方ヶ原(みかたがはら)の戦い(1572年)があります。
この戦で、家康は上洛を目指す信玄が、敵である自分の居城を攻めずに素通りしようとしたことに腹を立て、兵力差があるにもかかわらず、武田軍に攻撃を仕掛けてしまいます。結果は大敗、家康は多くの家臣を失いながら、命からがら城へと逃げ帰ります。自分の短気な性格のせいで大きな敗北を味わった家康は、後年この戦での憔悴(しょうすい)した姿を肖像画として描かせ、自分への戒めとして生涯離さなかったといわれています。
信玄の死後、家康は同盟を結んでいた信長とともに武田氏を滅ぼし、大大名となりますが、本能寺の変(1582年)で信長が討たれると、その家臣である秀吉への臣従を余儀なくされます。しかし、家康はその立場を受け入れ、10年以上もの間、自分が天下を取るチャンスを虎視眈々(たんたん)と待ち続けたのです。
家康の中には、「気の短さを克服しなければ、三方ヶ原の戦いのような敗北を再び味わうことになる」という思いが少なからずあったのでしょう。過去の敗北を決して忘れまいとする家康の姿勢は、次の言葉からもうかがい知ることができます。
「こころに望(のぞみ)おこらば困窮したる時を思ひ出(いだ)すべし」(*)
秀吉の死後、家康は関ヶ原の戦い(1600年)で、秀吉の家臣だった石田三成(いしだみつなり)を倒し、征夷大将軍に任命されます(1603年)。武家としてトップの地位を手に入れた家康でしたが、豊臣家とこれに従う多くの大名が依然として天下取りの障害となっていました。そこで家康は、豊臣家を滅ぼす大坂冬の陣・夏の陣(1614年・1615年)までの間、再び忍耐の時期を過ごすことになります。
家康は征夷大将軍に就任した時点ですでに60歳を超えていました。「人生50年」といわれたこの時代に、高齢の身でチャンスを待ち続けるのは、勇気のいる選択だったかもしれません。しかし、短気な性格のせいで失敗した経験を忘れず、耐え忍んだことが、最終的に家康を天下人に押し上げ、250年以上にわたる江戸時代の礎を築いたのです。
ビジネスでも、競合の動きを見るためなど、あえて「待ち」に徹し、耐え忍ばなければならないときがあります。しかし、経営者にとって「待ち」に徹するというのは、ある意味、行動を起こすよりもつらいことです。
行動を起こせば、それに応じて何らかの結果が返ってきます。結果が良ければ「自分の行動は正しかった」、悪ければ「改めるべきところがあった」と振り返ることができるでしょう。
一方、「待ち」に徹するというのは、競合の動きなどに目を光らせながら、将来の成功のための下準備を進めることです。この下準備は、短期的に結果を出すためのものではないため、経営者は「『待ち』に徹するという選択が本当に正しいのか」について、確信を持つのが難しいのです。これはとても怖いことです。また、経営者が大きな行動を起こさない状態が続けば、「なぜ社長は動かないんだ……本当に大丈夫なのか?」と言い出す社員も出てくるでしょう。
そうしたとき、経営者に試されるのは「自分の直感を信じ抜く勇気」です。経営者がこれまでの人生で培ってきたビジネスの経験値は、並大抵のものではありません。たとえすぐに答えが見えなくても、自分の信じたタイミングが来るのを待つのです。
忍耐はいつか実を結びます。成功をつかんだときは、経営者は社員の手を取って「『待ち』に徹したかいがあった」と喜びを共有しましょう。社員は思うはずです。「この社長についてきてよかった」と。そのときこそ、「ここまで一緒に耐えてくれてありがとう」と、社員に心からの感謝を伝えることを忘れてはなりません。
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。
とくがわいえやす(1542〜1616)。三河(みかわ)国(現愛知県)生まれ。豊臣秀吉(とよとみひでよし)没後に関ヶ原の戦いにおいて東軍を率いて、石田三成(いしだみつなり)と対戦し、勝利。征夷大将軍に任じられ、江戸幕府を開く。
(*)「東照公御遺訓」(久能山東照宮ウェブサイト)
以上(2026年7月更新)
pj15180
画像:日本情報マート
目次
退職代行とは、
会社に直接「退職(自主退職)したい」と言えない(言いたくない)社員が、他者(以下「退職代行者」)に依頼して、退職手続きなどを代行してもらうこと
です。入社したばかりの新入社員が退職代行を利用して辞めてしまうというニュース、皆さんも一度は目にしたことがあると思います。
「退職の手続きを人任せにするなんて非常識だ」と思うかもしれませんが、
退職代行であっても、社員本人の意思による申し出であれば、退職は成立する
ので、むげには扱えないのがつらいところです。
これまで社員に退職代行を使われた経験がない場合、「社員を通さずに退職について交渉していいの?」「仕事の引き継ぎはどうなるの?」など、いろいろと疑問もあるでしょう。この記事では、そんな経営者の疑問に答えるべく、退職代行の対応のポイントをまとめました。
退職は本来、社員が自分の口で会社に申し出るのが礼儀です。社員に退職代行を使われると、経営者としては「なぜ自分の口で言わないの?」という腹立たしさもあり、同時に「最後なのに顔も見せてくれないのか……」という悲しさもあって、複雑な気持ちになります。
社員はなぜ、自分で退職を申し出ずに退職代行を使うのでしょうか? 人それぞれではありますが、例えば次のような理由が考えられます。
1.から4.は、「会社の対応に期待できない」という諦めや「自分の安全を守らなければ」という焦りから来るもので、退職代行を使われても仕方がないといえる面もあります(特に3.は、明らかに会社に問題がある)。5.と6.は、単純に「居心地が悪い」という不快感から来るもので、社員のわがままにも取れますが、直接「退職したい」と言いにくい心情は理解できるでしょう。
いずれにせよ、上のように
退職代行を使う社員は、会社に対して少なからずネガティブな感情を持っているケース
が多いです。「退職代行を使うなんて非常識だ」という考えも分かりますが、会社がこうした社員と直接退職について話をしようとすると、お互いの感情がヒートアップするなどして、かえってトラブルになることもあります。つまり、ポジティブに捉えるなら、
退職代行者が会社と社員の間に入ることで、退職手続きを円滑に進められる可能性がある
という考え方もできるわけです。
ここから退職代行の具体的な話に入ります。まずは「退職代行者とは何者で、具体的に何ができるのか」を確認していきましょう。一般的に、退職代行者は次の3種類に大別できます。
なお、2.の労働組合については、自社で労働組合を持たない中小企業の社員の場合、個人単位で加入できるユニオン(合同労働組合)が退職代行を行うことになります。
この3種類の退職代行者ですが、実は弁護士、労働組合、民間事業者それぞれで、退職代行で行えることが異なります。具体的には次の通りです。

お気付きかと思いますが、
民間事業者は「退職手続き」は代行できるが、会社との「交渉」は代行できない
のです。弁護士は弁護士法により、社員の代理として会社と直接交渉することが認められていますが、弁護士以外の者が同じことをすると非弁行為(違法)になるからです。ただし、労働組合は労働組合法により、労使関係や労働条件について会社と交渉すること(団体交渉)が認められているので違法になりません。言うなれば、
というイメージです。
なお、弁護士と労働組合については、退職に関する交渉がこじれて訴訟などに発展した際、弁護士は引き続き社員の代理として会社と争ったり、和解の交渉をしたりできるのに対し、労働組合にはその権限がないという違いがあります。
社員が退職代行を使う場合、まずは退職代行者から会社に対し、「電話」「メール」「内容証明郵便」などで、社員に退職の意思があることや退職理由などについて連絡が来ます。
連絡が来たら、まずは退職代行者に対し、
を確認しましょう。1.を確認するのは、退職代行者が退職について直接交渉できる相手なのかを判断するためです。2.を確認するのは、社員本人以外(社員の家族など)からの依頼だった場合、後々退職について本人とトラブルになる恐れがあるからです。
なお、民法上、
退職代行であっても、社員本人の意思による申し出であれば、退職は成立する
ので、社員本人からの依頼にもかかわらず、「退職代行を使っての退職は認めない」などと、退職代行者を拒絶することはできません。仮に拒絶したとしても、
というルールがあるので、退職の成立自体を妨げることはできません。
退職代行者からの連絡が来る際は、社員に退職の意思があることや退職理由の他に、
退職に関する社員の要望(退職日、年次有給休暇の取得、未払い残業代の支払いなど)
も併せて伝えられます。
基本的に会社の選択肢は、
のいずれかになります。なお、2.については、退職代行者によって次のように対応が変わります。
社員の要望に答える際は、口頭だと「言った、言わない」のトラブルになる恐れがあるので、
社員の要望に対する会社の回答を「回答書」などにまとめ、退職代行者に渡す
ようにしましょう。社内で検討すべき内容がある場合は、その内容についてだけ後日回答する旨を伝えます。
退職代行者から連絡があった場合、経営者が特に気になるのは「なぜ、社員が退職することになったのか」でしょう。ただ、退職理由については、例えば
内容証明郵便で届いた書面に「一身上の都合により退職します」とだけ書かれているなど、表面的な理由しか分からないケース
が少なくありません。経営者としては、ちゃんとした退職理由を知りたいところですが、
退職代行者は、社員本人から伝えてよいと言われていること以外は基本的に話せない
ので、詳細を聞くのは難しいと考えられます。
「ならば、社員本人と直接話したい」という経営者もいるでしょうが、この点についても、
そもそも社員は会社とコミュニケーションを取りたくなくて退職代行を使っている
という事情があるので、基本的には避けるべきです。どうしても気になるのであれば、
退職代行者に「退職理由をもう少し詳しく知りたいと、社員に伝えてほしい」と依頼
するとよいでしょう。強要はできませんが、社員が同意した場合であれば、退職代行者もその範囲内で話をすることができます。
多くの会社は、社員が退職する際に業務が滞らないよう、就業規則に
退職する社員は、会社の指示する期間内に速やかに後任者に業務の引き継ぎを行わなければならない
などの規定を設けています。退職代行の場合も、退職するまでは就業規則が適用されるので、
就業規則の内容を退職代行者に伝え、社員に引き継ぎをするよう働き掛けてもらうことは可能
です。ただ、問題は、会社とコミュニケーションを取りたくない社員が、
退職日までの間、年次有給休暇を使って休むなどして、引き継ぎを拒否するケース
があることです。年次有給休暇は、労働基準法で認められた社員の権利であり、会社も原則として取得を拒否できないので、こうしたケースでは引き継ぎが難航します。
難しいところですが、対応としては、
会社側で社員の担当業務に関する質問内容を取りまとめ、退職代行者経由で社員に渡し、回答してもらう
といった方法が考えられます。社内の人間と対面しない形での引き継ぎであれば、社員もある程度は応じてくれるかもしれません。
通常の退職であれば、会社は社員と、退職日や引き継ぎなどについて綿密に話し合いながら、退職手続きを進めることができます。一方、退職代行の場合、退職代行者を挟んでの話し合いになる上に、会社もあまり社員を刺激したくないため、退職日や引き継ぎなどについては、通常の退職よりも会社が社員に譲歩せざるを得ない面があります。
経営者としては、「急な退職な上に、引き継ぎも不十分で迷惑が掛かった。少しは社員に補填してほしい」と考えるかもしれません。この点、民法上、
退職時に会社が具体的な損害を受けた場合であれば、社員に損害賠償を請求できる可能性
はあります。ただし、引き継ぎ不十分などを理由に請求が認められる可能性は低く、例えば、
社員が担当していた業務について、代替要員を急遽採用する必要に迫られたため、採用に掛かった費用の実額○○円を請求する
など、具体的な損害内容を会社側が立証する必要があります。
なお、損害賠償を請求せずに、退職時に発生した損害を賃金や退職金から差し引くことは、社員本人の自由な意思に基づく同意がなければ認められないので、注意が必要です。
以上(2026年7月更新)
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目次
労働基準法で定められている「年休(年次有給休暇)」は本来、
社員が希望する時季に、自由に取得することができる
とされています。いわゆる「年5日の年休取得」が法律で義務付けられているのもあり、どの経営者も年休の取得自体に異議を唱えることはないでしょう。ただ、繁忙期の年休取得という話になってくると、人手不足に悩まされているのもあって、内心「それはちょっと勘弁してよ……」と思っている人が少なくないかもしれません。
労働基準法上は、「時季変更権」といって、一定の場合に、会社が社員の年休の取得時季を変更できるルールがあるのですが、
時季変更権が認められる範囲は限定的で、不用意に行使すると労働基準法違反になりかねない(罰則は6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)
という点に注意が必要です。以降で時季変更権の正しいルールを押さえていきましょう。
まず、時季変更権とは、
社員が申請した時季に年休を与えると、「事業の正常な運営に支障が出る具体的な事情」がある場合に限り、会社が年休の取得時季を変更することができるというルール
のことです。あくまで変更を認めるだけで、年休の取得自体を拒否することはできません。
ただ、この「事業の正常な運営に支障が出る具体的な事情」というのがくせもので、単に会社が繁忙期というだけでは認められません。次のように、時季変更権が認められるケースと、そうでないケースがあります。
次に、各裁判例などをもとにした判断基準を、ざっくりまとめた図表を紹介します。

また、時季変更権を行使する場合は、年休の申請があった時点で速やかに行い、その理由を具体的に、かつ明確に伝える必要があります。漠然とした理由や、休暇直前の通知は違法と判断されるリスクが高いです。
トラブルを避けるため、書面での通知なども検討しましょう。そして、可能な限り、社員の希望に沿った代替日を複数提示するなど、誠実な対応を心掛けることが望ましいでしょう。
申請された時季に代替要員を確保するための合理的な努力を尽くしても、それが不可能である場合が該当します。
特定の時期に複数の社員から年休の申請が集中し、全員に取得を認めると業務が回らなくなる場合です。例えば、夏季繁忙期に年休取得者が重なり、予備人員で対応できなかったために、時季変更権を行使したことが適法と認められた裁判例があります(前橋地裁高崎支部平成11年3月11日判決)。
特定の社員でなければ遂行できない業務や、重要な研修・会議など、本人の出勤が必須である場合がこれに当たります。例えば、職場全体の業務改善のための研修期間中に年休を請求したことについて、研修目的の達成が困難になるとして、時季変更権の行使が適法と認められた裁判例があります(最高裁平成12年3月31日判決)。
1カ月など連続した長期の年休申請で、代替人員確保が困難な場合も、時季変更権の行使が認められる可能性があります。
就業規則で定められた申請期限を著しく過ぎて直前に申請された場合も、時季変更権の行使が認められる可能性があります。
単に「繁忙期だから」「仕事が多くなりそうだから」といった抽象的な理由では認められません。具体的な事業運営への支障が出ることを説明する必要があります。例えば、抽象的に繁忙期であるといっても、年休を認めることによる具体的な支障が明らかでない場合、時季変更権は認められないと判断した裁判例があります(名古屋地裁平成5年7月7日判決)。
常に人手不足である状態は、会社が人員配置を見直すなどして解消すべき問題であり、時季変更権行使の正当な理由とは認められません。例えば、人員不足が9カ月以上に及び常態化したまま行使された時季変更権は認められないと判断した裁判例があります(西日本ジェイアールバス事件(名古屋高裁金沢支部平成10年3月16日判決))。
社員は退職日以降に年休を取得できないため、退職直前の年休申請に対して時季変更権を行使することは、事実上年休の取得を妨害する行為とみなされ、原則として認められません。
年休の利用目的は労働基準法の関知するところではないため、利用目的を理由に時季変更権を行使することは許されません。例えば、社員がデモ参加のために年休を申請し、会社がデモ参加を理由に時季変更権を行使したことが違法とされた裁判例があります(最高裁昭和62年7月10日判決)。
合理的な努力をすれば代替要員を確保できたにもかかわらず、その努力を怠った場合も、時季変更権の行使は認められません。
労使協定で定められた計画的付与日に対しては、時季変更権を行使できません。
繁忙期における年休の課題を解決し、時季変更権の行使に頼る頻度を減らすためには、事前の「計画」が非常に重要になります。そこで導入を検討したいのが、
計画的付与(労使協定で定められた日に年休を与えられる制度)
です。会社全体で一斉に付与することも、チームや個人単位での交代制にすることもできます。導入するには「労使協定」(事業場の過半数労働組合、それがない場合は労働者の過半数代表との書面による協定)の締結が必要になります。
計画的付与の対象は、付与日数のうち5日以上の部分です。例えば、年休の付与日数が10日の社員の場合は5日まで、20日の社員の場合は15日までです。これにより、特定の時期に年休申請が集中するのを防ぐことで、繁忙期の業務運営への影響を軽減できます。
計画的付与には主に3つの方式があります。
会社全体または事業場全体で休業日を設け、一斉に年休を付与する方式です。夏季休暇や年末年始と組み合わせることで、大型連休にすることも可能です。
流通・サービス業など一斉休業が難しい業態で、班やグループ別に交代で付与する方式です。
社員個人ごとに計画表を作成し、誕生日などをメモリアル休暇として推奨するなど、個人の希望も踏まえて計画する方式です。
時季変更権の行使が「事後的な対応」であるのに対し、計画的付与は「事前のリスク分散」であるという点が、根本的に異なります。特に中小企業では、人員の柔軟性が低い傾向にあるため、計画的付与は、時季変更権の行使に頼る頻度を減らすための有効な手段となります。
以上(2026年7月更新)
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ビジネスは時間との闘いの連続です。私たちは「早くやってくれ」「至急で頼む」などと言われることは日常茶飯事であり、何事も「スピード」を求められる日々を送っています。
例えば昼食を同じ値段、同じ味のものを飲食店で食べるのであれば、早く出てくるほうがよいのは確かです。通販で商品を買うときも、早く届いたほうがよいに決まっています。一方、気を付けなければいけないのは、「早い」だけではダメだということです。例えば、注文したものと違う品物が届いたり、盛り付けや梱包が雑だったりすると、せっかくの「早い」という強みも台無しです。
仕事でも同じです。早く仕事をこなそうとしてスピードを上げると、普段では考えられないミスを犯しやすくなります。そうならないために、次の2つの心構えを知っておきましょう。
1つ目は、自分が安全に進められる速度を守ることです。例えば、自動車の運転で考えると、ついスピードを上げたり、先を急いで無理な追い越しをかけたりしやすいものですが、無理をすると事故の原因となります。これを仕事で考えると、仕事のスピードは人それぞれで、自分に適したペースがあるはずですから、瞬間的にスピードを上げることよりも、自分の最高速度を長く持続させることを心がけたほうが結果的には良いのです。ただし、「今日よりも明日は5分早く」「明後日は明日よりも5分早く」といった具合に、安全な最高速度を少しずつ上げていく努力は必要です。
2つ目は、最後まで気を抜かないことです。例えば「今日中に顧客に提出」など時間を区切られた中で提案書を作るとき、私たちはどうしても提案書を期限内に完成させることのみを最優先に考え、資料が完成したらホッと一息ついてしまいます。しかし、そうすると集中力が切れてしまい、最後の最後で、封筒の宛先を間違えたり、入れるべき資料を入れ損ねたりなど、初歩的なミスを犯しやすくなります。ですから、取引先への提出が完了するまでが仕事だということを忘れないでください。ビジネスではスピード感が求められますが、早ければよいというものではありません。スピードと質を両立できるよう、自分のペースを守り、集中して走り抜けることを心がけましょう。今日の話は、自分を戒めるための交通安全のお守りのようなものと考えてください。
以上(2026年7月更新)
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画像:Mariko Mitsuda