「約束手形」が2027年3月末で廃止! 代わりの支払手段は?

1 約束手形の廃止で事務負担や資金繰りはどうなるのか

政府と産業界・金融界の取り組みにより、

約束手形は、2026年度末(2027年3月末)までに廃止されることが決定

しています。これに関連して、2026年1月に施行された「取適法」(旧下請法)の規制により、発注者から受注者への代金の支払いに約束手形を用いることが全面禁止となりました。

約束手形を廃止すると、発注者(振出側)、受注者(受取側)ともに事務負担やコストが減る一方、資金繰りでは発注者にはマイナスの、受注者にはプラスの影響が出ます。

(注)この記事では便宜上、取適法(旧下請法)の用語である委託事業者(親事業者)を「発注者」、中小受託事業者(下請事業者)を「受注者」、製造委託等代金(下請代金)を「代金」と呼びます。

約束手形

1)発注者(振出側)への影響

1.事務作業などの負担やコストが減る

手形帳の購入代金、1枚ごとに発生する印紙税、書留の郵送費用が完全に不要になります。また、手形の作成、署名捺印、金庫での現物保管、手形不渡りにかかる厳格なリスク管理の手間がなくなります。

2.資金繰りの悪化

これまで手形期日(90日〜120日など)まで猶予されていた支払いを、現金振込(基本60日以内)などで行う必要があり、手元の現預金が早く減少します。

なお、後述する電子記録債権や一括請求方式(ファクタリング等)についても、支払期日までに、代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難なものは使用禁止となりました。

支払期日の前倒しに対応するため、金融機関からの短期借入など、別の資金調達手段を確保しなければならず、金利負担が増える恐れがあります。

2)受注者(受取側)への影響

1.事務作業の負担やコスト、紛失・盗難リスクが減る

期日に合わせて銀行へ手形を持ち込む取立手続きがなくなります。また、約束手形を管理している間の紛失、盗難、火災による手形の滅失リスクがなくなります。

2.支払期日の短縮で資金繰りが改善する

現金回収までの期間がこれまでより数カ月単位で短縮されるため、仕入れや人件費の支払いに充てる手元資金に余裕ができます。また、これまで現金が不足した際に、手数料(割引料)を自己負担して行っていた「手形割引」を行う必要がなくなります。さらに、取引先の資金繰り悪化による「融通手形」に巻き込まれることや、手形不渡りによって突然売上金が回収不能になるリスクが低下します。

2 約束手形に代わる決済手段は?

約束手形に代わる決済手段として代表的なものは、インターネットバンキングと電子記録債権(でんさい)です。

1)インターネットバンキング

インターネットバンキングは、金融機関決済をインターネットで行うものです。パソコンやスマートフォンを使い、窓口やATMに行かなくても振込手続きが行えます。法人口座を開設すれば、複数の振込先に一括で振込手続きができるので、事務負担を軽減できます。また、口座残高や取引状況などの条件によって振込手数料が無料になったり、手数料の優遇を受けられたりする場合もあります。

代表的な支払期日は「月末締め翌月末払い」で、締め日から30日前後の入金となります。

また、現在、多くの金融機関がインターネットバンキングの機能に合わせて、経営に役立つ情報やサービスを提供する「法人ポータル」を拡充しており、使い勝手は向上しています。

2)電子記録債権(でんさい)

電子記録債権は、例えば、手形の作成・保管などのコストの低減や売掛債権の二重譲渡リスクなどの回避を可能とする新たな金銭債権で、電子債権記録機関で記録(振出)、譲渡(支払)ができます。

国内最大規模の電子債権記録機関が、でんさいネット(全銀電子債権ネットワーク)で、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、JA信連など国内488の金融機関が参加しています(2026年6月4日時点)。でんさいネットが取り扱う電子記録債権を「でんさい」といいます。

でんさいは、取引金融機関のインターネットバンキングなどを通じて、でんさいネットに「発生記録請求」を行うことで振出となり、支払期日になると受取側の決済口座に振り込まれます。

ただし、振出・受取の双方がでんさいネットを利用している必要があります。支払期日は、発生日(銀行営業日)から起算して3〜7銀行営業日を経過した日以降、最長で10年後までです。

3 約束手形の最終振出期限は?

約束手形が廃止される2027年3月末に向けて、取引金融機関に確認しておきたいのが、

  • 最終振出期限はいつまでなのか
  • 他行を支払地とする約束手形等の預金入金扱い受付はいつまでなのか

です。

なお、全国銀行協会(全銀協)の「手形・小切手機能の『全面的な電子化』に関する検討会」(第22回 2026年3月24日開催)資料によると、多くの金融機関は、最終振出期限、他行を支払地とする約束手形等の預金入金扱い受付の停止を、どちらも2026年9月末に設定しているようです。

4 決済手段の変更が進まない場合は、取引金融機関などに相談

約束手形は商慣行として長年利用されてきたため「何となくやめにくい」雰囲気がありました。しかし、取適法の施行によって状況は一変し、手形取引を続けること自体、実務上のコスト・リスク・手間の面から非合理となっています。

現在、発注者(振出側)として手形を発行している、あるいは受注者(受取側)として長期の手形を渡されている場合は、ただちに取引先や取引金融機関に相談し、決済手段の変更を協議しましょう。

発注者(振出側)が協議に応じようとしない場合など、受注者(受取側)は、公正取引委員会「相談・申告等の窓口」や、中小企業庁「取引かけこみ寺」などに相談するのも一策です。

■公正取引委員会「相談・申告等窓口」■
https://www.jftc.go.jp/shitauke/madoguti.html
■中小企業庁「取引かけこみ寺」■
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kakekomi.html

以上(2026年6月更新)

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画像:日本情報マート

【業種別データ】ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業の動向

ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業は、2023年に製造品出荷額が1兆2,789億8,200万円(+5.6%)と回復しました。一方、事業所数は1,615(98.8%)、従業者数は36,553人(97.5%)とやや減少。1事業所当たり出荷額7億9,200万円、従業者1人当たり現金給与487万円と生産性・賃金は改善していますが、原材料費比率が60.0%と高く付加価値比率は35.0%に留まります。原料高騰下でのコスト抑制と付加価値向上が喫緊の課題です。

1 業界動向

2023年のボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業の事業所数は1615事業所(対前年比98.8%)、従業者数は3万6553人(対前年比97.5%)、製造品出荷額等は1兆2789億8200万円(対前年比105.6%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は23人(対前年比98.6%)、現金給与総額は1億1000万円(対前年比101.7%)、原材料使用額等は4億7500万円(対前年比108.9%)、製造品出荷額等は7億9200万円(対前年比106.8%)、付加価値額は2億7700万円(対前年比103.3%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は487万円(対前年比103.1%)、製造品出荷額等は3499万円(対前年比108.3%)、付加価値額は1223万円(対前年比104.8%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は60.0%(対前年比102.0%)、同付加価値額比率は35.0%(対前年比96.7%)、同現金給与総額比率は13.9%(対前年比95.2%)となっています。

【2480 ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

「取適法」施行から6カ月! 期待に反して価格交渉が進まない根本的な理由とは?

1 取適法施行後、価格交渉は進んでいますか?

2026年1月1日に「下請法」が改正され、名称も中小受託取引適正化法(「取適法(とりてきほう)」)となりました。この改正により、

  • 適用対象となる取引の範囲が拡大
  • 発注者が受注者に対してやってはいけない「禁止行為」が追加

されました。

発注者と受注者が対等な関係を築き、人件費や原材料費等のコスト上昇を価格に反映できるよう、交渉を促すことが今回の狙いです。ただ、法改正から6カ月が経過した今でも、狙いである「価格交渉の促進」は、あまり成果が上がっていないようです。

Sansanが取適法の適用対象となる受注者・発注者に対して実施したアンケート調査によると、2026年3月時点で、

受注者の6割は、取適法施行後も「発注者との価格について協議する機会が増えていない」

と回答しています。

取適法施行後の状況

同調査では、

  • 発注者の約6割が「(取適法の)対象企業の特定」に課題を抱えている
  • 受注者の7割以上が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」がある

ことが明らかになりました。

■Sansan「取適法施行後の実態調査」(2026年3月)■
https://jp.corp-sansan.com/news/2026/0330.html

取適法のルールはシンプルです。発注者は、受注者が価格交渉を要求してきたら適切に対応しなければなりません。要求を拒んだり、無視したりすれば法令違反となり、行政指導、勧告、さらには会社名公表等のリスクがあります。一方、受注者には、価格交渉について、自ら積極的に発注者に働きかける姿勢が望まれます。ですが、足元では、

  • 発注者は、どの取引先(受注者)が取適法の対象になるのかを特定しきれていない
  • 受注者は、発注者に価格交渉を要求する権利があるのに、取引条件を明示した契約書や発注書が手元にないために、その一歩を踏み出せていない

という問題が起きているのです。

発注者・受注者いずれの問題も、取適法のルールへの理解不足が根底にあります。この記事で取適法のポイントをおさらいしますので、改めて確認していきましょう。

(注)この記事では便宜上、取適法(旧下請法)の用語である委託事業者(親事業者)を「発注者」、中小受託事業者(下請事業者)を「受注者」、製造委託等代金(下請代金)を「代金」と呼びます。

2 対象となる取引の範囲が広がっている

取適法では、適用対象となる取引の範囲を、「取引の内容」と「資本金基準」(資本金の額あるいは出資の総額)または「従業員基準」(常時使用する従業員の数)によって定めています。

「法律の対象取引」=「取引の内容」+「資本金基準」または「従業員基準」

「取引の内容」については、旧下請法の「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の他に、「特定運送委託」が新たに追加されました。特定運送委託とは、

販売する物品、製造を請け負った物品、修理を請け負った物品、作成を請け負った情報成果物(例:作成を請け負ったデザインに基づいて製造されたペットボトル)が記載される等した物品の引き渡しに必要な運送を、他の事業者に委託すること

です。

「従業員基準」は、今回の法改正で新たに追加されました。

従業員数が多く事業規模が大きいのに、減資等により資本金額が少額となっていた事業者を適用対象に含める

ことで、より多くの取引関係における不公正な慣行を是正しようという狙いがあります。

具体的な考え方は図表の通りです。黒字が「資本金基準」、赤字が「従業員基準」で、適用対象となる取引の発注者がどちらか1つでも該当する場合、取適法の適用を受けます。

取適法の適用対象

基準を満たす事業者を「優先的地位にある」ものとして取り扱うことで、取引に係る発注者の不当な行為をより迅速に、そして効果的に規制することが狙いです。

なお、詳細は省きますが、取適法とフリーランス・事業者間取引適正化等法のいずれにも違反する行為については、原則としてフリーランス・事業者間取引適正化等法を優先して適用することとされています。

3 取適法で追加された新たな禁止行為

取適法では、旧下請法でも禁止されてきた発注者による「受領拒否」「代金の支払遅延」「代金の減額」「返品」「買いたたき」等に加え、

  • 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
  • 手形による代金支払いの禁止

という、新たな禁止行為が定められました。

受注者の了解を得ていても、発注者に悪意がなくても、禁止行為に当たれば法令違反

です。これまでの取引慣行が違法とみなされる場合もあるので、早めに対応しておきましょう。

1)協議に応じない一方的な代金決定の禁止

発注者が一方的に代金を決定し、受注者の利益を不当に害する行為は禁止されます。例えば、次のようなものが禁止行為に該当します。

  • 受注者が代金の額の引き上げについて協議を求めたにもかかわらず、発注者が無視したり、拒否したり、回答を先延ばしにしたりして応じない
  • 発注者が代金の引き下げを要請する場合に、受注者が説明を求めたにもかかわらず、具体的な理由の説明や根拠となる資料の提供をしない

発注者にとって重要なのは、

  • 代金について価格交渉の機会をきちんと設けること
  • 交渉材料として必要なデータ(原価データ等)を事前に整えておくこと

です。「これまでそうだったから」という屁理屈は通用しませんし、代金の決定プロセスが不透明だと、優良な受注者は取引に応じず離れていってしまう恐れがあります。

2)手形による代金支払いの禁止

代金の支払手段として手形を用いることで、受注者に資金繰りの負担を強いる商習慣が続くことが問題視され、取適法では、

  • 代金の支払手段として手形(紙の手形)を用いることは全面禁止
  • 電子記録債権や一括請求方式(ファクタリング等)についても、支払期日までに、代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難なものは使用禁止

となりました。

これまで、代金の支払手段として手形を用いてきた発注者は、

振込等による支払いが増えることを見越して、あらかじめ資金を確保しておく必要

があります。発注者は、物品等の受領後、60日以内で定められている支払期日までに、代金を支払わなければ支払遅延となるからです。なお、紙の手形は2026年度末(2027年3月末)までに廃止される予定であり、代替の支払手段への移行が急務です。政府の方針を受けて、多くの金融機関では2027年3月を待たずに前倒しで手形・小切手の取扱を縮小する動きがあります。

4 法令違反をしないための参考情報

中小企業庁は、受注者に対する定期調査や、受注者からの申告または聴取等、様々な端緒情報を踏まえ、取適法違反の可能性がある発注者に対し立入検査を実施しています。

改善指導が行われた違反行為の内訳件数

2025年度は、725者の発注者への立入検査等を行い、1454件の違反行為を確認し、619者に対して改善指導を実施したほか、9者に対して公正取引委員会への措置請求が行われました(措置請求を行った9者については、公正取引委員会からの「勧告」に基づき指導がなされています)。

禁止行為の違反として支払遅延が276件、製造委託等の代金減額が142件、買いたたきが129件、不当な経済上の利益の提供要請が120件認められ、改善指導の対象となりました。特に不当な経済上の利益の提供要請では金型等の「型等無償保管」に関する違反行為の指摘が大幅に増えています。

公正取引委員会は、取適法の違反行為を未然に防ぐために、取適法のほか優越的地位の濫用規制等に関する基礎知識の習得を希望する人を対象に説明会を開催予定です(2026年6月11日時点で未定)。

■公正取引委員会「令和8年度取適法講習会の実施について」■
https://www.jftc.go.jp/event/kousyukai/2026toriteki.html

また、中小企業庁は、「適正取引支援サイト」を通じて、基本的な知識とともに、法改正のポイントを重点的に学ぶ無料のオンライン講習会を開催しています(受講には参加申し込みが必要です)。

■適正取引支援サイト「中小受託取引適正化法(取適法)講習会」■
https://tekitorisupport.go.jp/toriteki/

上記のオンライン講習会に加え、中小企業庁は、「みんなのパブリックレッスン」を通じて、取適法の内容や価格交渉についての無料のeラーニングも提供しています(利用規約に同意の上、新規利用登録が必要です)。

■みんなのパブリックレッスン■
https://minpub.learning-ware.jp/login

以上(2026年6月更新)

pj60375
画像:日本情報マート

【事業承継】「財産の承継」は合わせ技。基本的な方法を押さえよう

1 事業承継で重要となる自社株式の評価

オーナー企業の事業承継では、自社株式の評価額が非常に重要になります。業績好調で利益を積み重ねれば自社株式の評価は上がりますが、事業承継に限っていえば、評価が上がるのは好ましいことばかりではありません。なぜなら、

親族内承継であれば評価額を下げたいですし、M&Aによる第三者への承継であれば評価額を上げたい

からです。実際、親族内承継の場合、後継者に株式の買い取り資金がないこと、譲渡の際の贈与税・相続税が高いということが課題となっています。

後継者への株式移転時の障害

自社株式を後継者に「安く」引き継ぐことが事業承継を成功させるポイントですが、

  • さまざまな方法があり、それぞれ専門的である
  • 専門家や支援機関によって指摘するポイントが違う

といった課題があり、とっつきにくい分野です。そこで、この記事では、親族内承継を中心に財産の承継において、これくらいは知っておきたいというポイントをまとめます。実際に取り組む際は、必ず専門家などにご相談ください。

2 後継者に「3分の2以上」の株式を集中させる

後継者に自社株式を集中させる必要がありますが、具体的な割合を意識していますか? 過半数あれば大丈夫と考えているかもしれませんが、これは「普通決議」ができる水準にとどまります。より安定的な経営をするためには、「特別決議」ができる3分の2以上を後継者に集中させなければなりません。「特別決議」で決められることには「定款の変更や組織再編など」があり、より積極的な経営がしやすくなります。

一方、長く続いている会社ほど株式が分散する傾向があります。そこで、

会社や後継者が自社株式を買い取り、後継者を対象にした新株発行などを通じて、後継者の持株比率を高めること

を検討する必要があるでしょう。

さらに、事業承継をした後の株式分散を防止するために、定款に株式譲渡制限や株式の買い取り請求に関する事項を定めることも検討しましょう。

3 自社株式の評価を引き下げる、引き継ぐ数を減らす

1)自社株式の評価を引き下げる方法

自社株式の評価方法はさまざまです。中小企業の場合、

  • 類似業種比準価額方式:事業内容が類似する上場会社の平均株価を参考に計算する
  • 純資産価額方式:評価時点で資産や負債を時価評価した場合の純資産価額を、自社株式の数で除して計算する
  • 両方を併用

が用いられますが、いずれも純資産価額を引き下げれば自社株式の評価は下がります。純資産価額を引き下げる方法には、

1.役員退職慰労金を支払う

2.不動産を購入する

などがあります。特に役員退職慰労金は、経営者と後継者が話し合ってしっかりと決めるべきです。経営者は「勇退時にいくら欲しいのか」を明確に告げ、時期を決めて支給すれば自社株式の評価を引き下げられます。とはいえ、いくらでもよいというわけではなく、過大であれば税務上否認される恐れがあります。また、不動産の購入についても相続時の評価などに注意する必要があります。

2)引き継ぐ自社株式の数を減らす方法

全株式を引き継ぐと後継者の負担が重くなります。「3分の2」の株式を後継者に集中させれば、残りの3分の1は別の株主でもよいわけです。それも、

会社の方針に賛成し、長期に保有してくれる安定株主が好ましい

ということであり、ここで検討されるのが「従業員持株会」の設立です。従業員に株式を保有してもらえば、経営の安定と事業承継時の後継者の負担軽減が実現します。

4 「相続」の負担を軽減する

高齢の経営者が親族内承継をする場合、「相続」が事業承継の中心的な話題となります。負担軽減にどのような方法があるのか、ポイントを簡単に紹介します。

1)相続時精算課税:イメージは2500万円+年間110万円

「相続時精算課税」とは、贈与税の先送りのような制度です。具体的には、生前贈与について、特別控除(累計2500万円)と基礎控除(年間110万円で、2024年1月1日以後の贈与に適用)の合計額まで贈与税が非課税となり、これを超える部分には一律20%の贈与税がかかります。実際に相続が発生した場合、生前贈与した部分(年間110万円の基礎控除分を除く)も含めて相続財産を評価し、相続税を計算します。

ポイントは、

生前贈与した時点と、相続した時点の財産の価値の違い

です。価値が小さいうちに生前贈与し、価値が大きくなったときに相続が発生すると、生前贈与時の小さい価値により相続財産とされるため、後継者の負担は軽減されることになります。つまり、将来、業績が向上して自社株式の評価が高まると考えるなら、相続時精算課税はさらに有効な手段になります。

2)暦年贈与:イメージは年間110万円

「暦年贈与」という制度もあります。これは、年間110万円までの贈与が非課税となる制度です。非課税はうれしいところですが、年間110万円までしか非課税枠がなく、10年間にわたって利用しても贈与できるのは1100万円です。経営者が若く、よほど計画的に事業承継を検討していない限り、メリットは小さいかもしれません。また、前述した相続時精算課税と併用することもできません。

なお、暦年贈与については死亡日以前3年~7年間の分を相続財産に加えることになっています。つまり、相続税がかかるということです。

  • 死亡日以前3年間:これまで同様に全て相続財産に加える
  • 死亡日以前4〜7年間(2027年の相続については最長4年間となり、翌年から段階的に延長され2030年以後の相続で最長7年間):100万円を差し引いた額を相続財産に加える

といった取り扱いになります。

3)事業承継税制

事業承継税制とは、

一定の要件を満たし続ければ、承継した自社株式にかかる相続税・贈与税が猶予・免除される制度

です。一定の要件についての詳細は割愛しますが、簡単にいうとある程度の規模を継続しながら会社経営を続け、事業承継のたびにこの制度を使えば、相続税と贈与税が猶予・免除され続けるというものです。

4)持ち株会社(ホールディングス)

厳密には相続と違いますが、事業承継の通過点として持ち株会社(ホールディングス)が設立されることもあります。株式移転などの組織再編の手法を用いるのですが、

持ち株会社に会社の株式を移転。事業会社(元の会社)は、持ち株会社の100%子会社

とします。経営者は持ち株会社の代表、後継者は元の事業会社の代表になり、経営者は持ち株会社の代表の立場から後継者の経営をサポートします。ある意味で「院政」のような体制となりますが、後継者がまだ若い場合など、事業承継前のワンステップとして有効です。

5 遺言書の作成、家族信託の利用

1)遺言書の作成

ここまで後継者の負担軽減を前提に説明してきましたが、それ以外の親族への配慮も必要です。例えば、経営者に長男と次男がいて、後継者である長男にだけ遺産を集中させると次男が不満を覚え、兄弟げんかになって会社経営に悪影響を及ぼしかねません。そこで、経営者は「遺言書」を作成し、

遺産の配分や、配分した意図(法的拘束力はない)

を残しておくことが大事です。

なお、相続には「法定相続分」があります。例えば相続人が「配偶者や子」の場合、それぞれ2分の1ずつ相続できることになっています。しかし、遺言書を書くとこれを変えることができます。とはいえ、遺言書に書いたからといって法定相続分がゼロになっては困るので、「遺留分」が定められています。相続人が「配偶者や子」の場合、それぞれ4分の1ずつ相続できることになっています。

2)家族信託の利用

ちょっと視点は変わりますが、財産の承継を間違いなく行うために、「家族信託」を利用することもあります。家族信託とは、

経営者が家族に財産(自社株式も含む)の管理を託すこと

であり、経営者が認知症になった際の対策として利用されるのが一般的です。高齢な経営者は認知症のリスクがあり、万一の場合は冷静な判断ができません。そうなると事業承継どころか会社経営が立ち行かなくなってしまうため、家族信託を利用し、長男が「議決権」を行使できるようにするなどします。

6 M&Aを検討する際の主なポイント

1)M&Aの目的と課題

ここまで親族内承継を中心に考えてきましたが、最後にM&Aについても簡単に触れておきます。アンケートなどを見るとM&Aに対する悪いイメージは根強いようですが、一方で近年は後継者不足からM&Aによる第三者への承継が増えているのも事実です。M&Aによって想定されている効果と課題は次の通りです。

買収の目的・想定効果と買収の課題

2)M&Aの種類

M&Aにはさまざまな種類があり、代表的な方法およびそれぞれの特徴は次の通りです(中小企業庁「事業引継ぎハンドブック(2015年9月)」)。

1.株式譲渡

譲渡する側の会社のオーナー(経営者)が所有している発行済株式を、譲り受ける側の会社に売却し、子会社になることです。株主および経営者が交代するだけで、社員や社外の関係は変わりません。会社をそのまま存続させたいときや、オーナー(経営者)の持つ株式を現金化したいときに向いています。

2.事業譲渡

譲渡する側の会社が、その事業部門の全部または一部を譲り受ける側の会社に売却します。債権や債務、契約関係、雇用関係などについて、それぞれ同意を取り付けてなければいけないため手続きは煩雑です。また、複数の事業のうちの一部だけを売却し、その他の事業は残したい場合には有効な方法です。

3.吸収合併・吸収分割

吸収合併は、譲渡する側の会社の全ての資産や負債、社員などを譲り受ける側の会社が吸収し、譲渡する側の会社は消滅します。雇用条件の調整や事務処理手続きの合意の形成が難航する恐れがあります。

吸収分割は、譲渡する側の会社が、その事業部門の全部または一部を分割した後、譲り受ける側の会社に承継させる方法です。労働契約承継法によって、社員の現在の雇用がそのまま確保されます。

3)M&Aに向けた事前準備と支援機関への相談

M&Aで会社を売却する場合、相手先との交渉に入る前に、仲介機関の選定や会社の実態把握、企業の「磨き上げ」などさまざまなことをしなければなりません。最も注意すべきなのは、

いかにして秘密を守り、外部への漏洩を防ぐか

です。第三者はもちろん、親族や友人、役員・社員に至るまで十分に注意しましょう。

また、こうした一連の手続きを自社だけで行うことは困難なので、専門的なノウハウを有する支援機関に相談しましょう。具体的には、事業引継ぎ相談窓口、事業引継ぎ支援センター、商工会議所、金融機関(銀行、生命保険会社、損害保険会社)、税理士、弁護士、M&A仲介業者などがあります。それぞれ得意分野や業務の範囲、報酬体系などが異なるため、実績や利用者の声などを十分調査して選択しましょう。その際、複数の機関から話を聞いて比較することを忘れないでください。

以上(2026年7月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【朝礼】「伝わっている」は思い込み? ズレを埋めるコミュニケーション術

【ポイント】

  • 「自分が思っている自分の姿」と「相手から見た自分の姿」
  • まずは、自分の印象や欠点などを、身近な人に聞いてみることから始める
  • 問題を改善するときは、極端すぎるかもと思うほど、大げさな言動を心がけてみる

仕事をスムーズに進めるためには、自分の気持ちや考えを、相手にきちんと伝えることが大切です。ただ、「きちんと伝える」というのは、思っているより難しいものです。こちらは誠意を持って伝えたつもりなのに、なぜか相手に誤解されてしまった——そんな経験はないでしょうか。例えば、謝罪のために取引先を訪問したのに、かえって相手を怒らせてしまった、というようなケースです。なぜ、こういったことが起きるのか。理由はいろいろ考えられますが、一つ挙げるとすれば、「自分が思っている自分の姿」と「相手から見た自分の姿」がズレているからです。

皆さんは「ジョハリの窓」という言葉を聞いたことがありますか。これは、自分と他人の視点から「知っていること・知らないこと」を4つに分けて整理したフレームワークです。自分も相手も知っている「開放の窓」、自分は気づいていないけれど相手には見えている「盲点の窓」、自分は知っているが相手には伝わっていない「秘密の窓」、自分にも相手にも見えていない「未知の窓」です。

コミュニケーションを円滑にするには、お互いの認識が重なっている「開放の窓」を広げることが大切で、そのためには「盲点の窓」と「秘密の窓」を「開放の窓」に変えていく必要があります。なかでも特に意識してほしいのが「盲点の窓」です。自分では気づけない部分だからこそ、問題があっても放置されやすいのです。まずは、信頼できる身近な人に「自分はどんな印象を与えているか」を率直に聞いてみることから始めてみてください。

次に、問題を改善するときには、「少し極端過ぎるかも……」と思うほど、大げさな言動を心掛けるようにしてください。例えば、熱意をもって仕事に取り組んでいるにもかかわらず、周囲からは熱意が足りないと思われている人は、「1番」にこだわってみてください。上司から「この仕事、担当したい人はいるか」と聞かれれば、「私にやらせてください」と1番に手を挙げる、忙しそうな人がいれば真っ先に「何か手伝いましょうか」と声を掛けるといった具合です。

こうした、自分を眺める他人の目を意識した取り組みは、仕事をスムーズに進めるのにも役立ちますし、ビジネスパーソンとしての自身の成長にもつながるはずです。

           

以上(2026年6月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

「それ、私の仕事じゃないです」 仕事を断る部下をどう動かす?

1 仕事を断る部下は本当にわがままなのか?

管理職や教育担当者の皆さん、部下に仕事を頼んだときに、

「それって私の仕事ですか?」「それは私の仕事ではありません」

と渋られたり、断られたりして、戸惑った経験はありませんか?

上司の立場からすると、「業務命令に従わないなんてけしからん!」と怒りたくなるかもしれません。一方で、部下が仕事を断る理由が単なるサボりやわがままなら論外ですが、そうでないなら、アプローチ次第で部下の行動を改善させられるかもしれません。

そこで、この記事では「部下が仕事を断る理由」を次の4タイプに分けた上で、彼らの行動を改善させるための効果的なアプローチ法を紹介します。

部下が仕事を断る理由

2 やりたくない仕事は絶対にしない!「自分ブランド」タイプ

自分ブランド

1)特徴は?

「自分ブランド」タイプは、「この仕事は自分の成長やキャリアに関係ない」とみなして仕事を断るタイプ。基本的には、仕事を断る際にこんなことを考えています。

「誰でもできる雑用ばかりをやると、本来の仕事ができずに成長できない」

「安請け合いすると、『都合の良い便利屋』として消費されてしまいそう」

2)効果的なアプローチは?

本人の得意なことや強みに注目したり、今後の成長につながることを示したりすると、頼まれた仕事を自分ごととして捉えやすいです。例えば、次のようなアプローチをしてみましょう。

「細かいところまで気が回る〇〇さんだからこそ、この仕事をお願いしたい」

「来客は△△社の部長だから、直接顔をつないでおくと今後のキャリアに活きると思う」

3)逆効果なアプローチは?

次のように、「周りがやっているから」と義務を強調して押し付けるのは避けましょう。

「みんなやっていることだから」

「それもあなたの仕事でしょ」

3 忙しくて無理です!「キャパオーバー」タイプ

キャパオーバー

1)特徴は?

「キャパオーバー」タイプは、「今は忙しいので、無理です」として仕事を断るタイプ。基本的には、仕事を断る際にこんなことを考えています。

「抱えている仕事が増えると、段取りが狂う」

「この仕事を引き受けると余裕がなくなるし、忙しすぎるのは嫌だ」

なお、本当に業務量が多くて手が回らない部下もいます。そうした部下に新しい仕事を頼むのは難しいので、どれほどの業務を抱えているのか、果たしてその部下のキャパシティに合っているのかは、普段から注視しておきましょう。

2)効果的なアプローチは?

まず、「今抱えている仕事を教えて」などと現状をヒアリングしてみましょう。その上で、次のようなアプローチをしてみると、パニックにならずに仕事を進められるでしょう。

1.自分の段取りを変えるのが苦手(優先順位がつけられない)な部下の場合

今抱えている仕事を書き出すなどして可視化し、期日が近いものや重要度が高いものを先に進めて、余裕があるものは後送りにするなど、優先順位を決めるよう、部下に促しましょう。

2.防衛反応として、つい「忙しい」と言ってしまう部下の場合

1回に全ての仕事を頼まず、小さなタスクに分解して、順番に依頼してみるとよいでしょう。

3)逆効果なアプローチは?

次のように、部下の「忙しい」を疑ったり、根性論で押し切ったりするのは避けましょう。

「本当に忙しいの?」と疑いをぶつける

「みんな忙しいのだから頑張って!」「頑張ればできる!」と根性論で押し切る!

4 ミスしたらどうしよう……「リスク回避」タイプ

リスク回避

1)特徴は?

「リスク回避」タイプは、「自分だけでこの仕事をやるには重たい」「失敗したくない」と考えて仕事を断るタイプ。基本的には、仕事を断る際、こんなことを考えています。

「失敗したら周りに迷惑がかかる」

「過去にミスをして怒られた経験があり、引き受けるのが不安だ」

2)効果的なアプローチは?

次のように、「困ったら一緒に考えるから」とサポートする姿勢を見せたり、責任を部下だけに負わせないと伝えたりすると、不安感を払拭することができるでしょう。

「分からないことがあれば遠慮なく言ってね」

「最終的な責任は私が持つから、まずは思い切ってやってみよう」

3)逆効果なアプローチは?

次のように、「自分で考えろ」と突き放したり、全部丸投げしたりするのは避けましょう。

「どうすればいいか、少しは自分で考えて」

「全部自分でやってみるのも良い経験になるから、とりあえずやって」

5 私に頼むのはなぜですか? 「理由待ち」タイプ

理由待ち

1)特徴は?

「理由待ち」タイプは、「指示の意図や背景が分からない」と考えて仕事を断るタイプ。基本的には、仕事を断る際、こんなことを考えています。

「自分に向かない仕事なのに、なぜ頼んでくるの?」

「本来の役割でない仕事を引き受けるのは合理的か?」

2)効果的なアプローチは?

次のように、「仕事をお願いする理由」を明確に伝えたり、仕事の目的を踏まえて頼んだりすると、スムーズに頷いてもらいやすいでしょう。

「〇〇さんの〜という強みが、この仕事に活かせると思うので」

「急ぎ対応が必要なので、1時間だけでも引き受けてもらえると助かる」

3)逆効果なアプローチは?

次のように、いきなり雑な指示をしたり、部下が質問しにくくなる言い方をしたりするのは避けましょう。

「理由とかいいからとにかく早くやって」

「なんでそんなこと気にするの?」

6 違法になることもあるので要注意!

なかには、どんな対応をしても「最低限の仕事だけやればいい」と考える、働かない部下もいます。この場合、上司自身が疲弊しないよう、次のように考え方を変えることも重要です。

  • 労働条件通知書などで定めた業務ができているなら、現状維持として割り切る
  • 配置転換を検討し、部下が能力を発揮できる状況を作る
  • 「もっと成長したい」「成果を出したい」と考えている他のメンバーにリソースを割く

なお、部下が仕事を断るケースとして、よく挙げられるのが「雑用」を頼んだ場合です。雑用の範囲は次のように多様です。

雑用の範囲

こうした雑用は、職場の業務をスムーズに進める上で重要なものであり、労働条件通知書などに記載があれば、雑用を社員に命じることは問題ありません。例えば、労働条件通知書の業務内容の欄で、メインとなる業務の後に「その他これらに付随する業務」などの形で雑用について記載している会社は多いです。

ただし、雑用が無制限に認められるかというと、必ずしもそうではなく、次のような場合はハラスメントとして違法になることがあります。一昔前は意外とよく見られた光景かもしれませんが、今は控えたほうが無難です。

  • コピー取りだけを指示する:業務上の合理性がなく、能力に見合わない
  • 女性社員にお茶出しを強要する:性別による役割分担
  • 休日に上司の引っ越しを手伝わせる:業務とは関係のない拘束

以上(2026年6月作成)

pj00824
画像:日本情報マート

部下指導に悩む教育担当者がやる気を取り戻す7つのアプローチ

1 教育担当者の負担はますます重くなる

今の時代、教育担当者は会社にとって非常に大切な存在です。少子化で採用が難しくなる中、せっかく採った人材をいかに定着・戦力化できるかが、中小企業の競争力を左右するからです。問題は、その教育担当者の多くが、新人や若手の指導で壁にぶつかっていることです。

かつての「見て盗んで覚えろ」式の指導は通用しなくなり、価値観の異なるZ世代への接し方に悩む担当者も増えています。さらに、自分の業務をこなしながら後輩も育てるという二重の負担が、教育担当者を疲弊させています。

そんなときこそ、教育担当者に対する社長のフォローが必要です。やる気というのは、闇雲に応援されたり、一方的にアドバイスを与えられたりしても湧いてきません。社長がまず心掛けるべきは、

教育担当者の気持ちに寄り添い、何に悩んでいるのかをよく聞くこと

です。

その上で、教育担当者の悩みに応じて、具体的なアプローチの仕方を考えます。以降では、7つのパターンを例に社長が教育担当者に働き掛ける例を紹介します。

2 部下が生意気?

1)社長と呆田(あきれた)さんの会話

教育担当者の呆田さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら呆田さんは、「仕事ができないのに生意気な部下にあきれてしまい、お手上げの状態になっている」ことが分かりました。

社長:呆田君、いつもご苦労様。
   部下の教育は大変だね。
   呆田君の部下は、特に難しいと人事部も言っているからね。

呆田:本当ですよ。社長、なぜ、あのような社員を採用したのですか?
   何度言っても仕事を覚えないのに、自分の意見ばかり主張してきます。
   しかも、その主張が的外れなのですから、もうお手上げです……。

社長:まぁまぁ。気持ちは分かるが、まだ君の部下になって1カ月だ。根気強く頼むよ。
   今は色々な社員がいるから、社員の良い面を引き出す教育投資は欠かせないよ。

呆田:それは分かりますが、あまりにもレベルが低いですよ。
   もう私にできることは全部やりました。
   私以外に、もっと教育担当として適任の社員がいるのでは?

2)呆田さんへのアプローチ

今どき、呆田さんのような教育担当者は少なくないでしょう。簡単な仕事でさえ満足にできないのに自己主張が激しく、場合によっては上司の教え方が悪いと不満を漏らす部下がいます。教育担当者が「お手上げ」になってしまうのも分かります。

このケースでは、部下に問題があるのは明らかです。しかし、呆田さんも、部下の仕事のできなさ加減や生意気な物言いばかりに気を取られていて、視野が狭いようにも見受けられます。

人材不足の折、「ピカピカの新人」は期待しにくいです。となると、今どきの人材育成は、教育担当者が視野を広く持ち、それなりの時間をかけて部下の良いところを見つけ、伸ばしていかなければなりません。

呆田さんに対して、社長はどのようにアプローチするべきでしょうか。効果的なのは、

小さくてもよいので社長と一緒にできる仕事を与えること

です。社長の考えに触れることで、呆田さんの視野は広がるでしょう。

社長との仕事で、呆田さんはミスをするはずです。その際、頭ごなしに叱らず、呆田さんの話を聞き、ミスを取り返す方法を一緒に教え、ある程度任せます。これは、日ごろ呆田さんが行っている指導と同じはずなので、呆田さんは自分の教え方を再確認できます。

教育担当者としての経験が浅いと、短期的な成果、つまり部下の”成長の証し”をすぐに求めてしまいがちですが、人はゆっくりとしか育ちません。そのことを呆田さん自身が体験できる環境を社長がつくることが大切です。

3 部下が自分についてこない?

1)社長と寂椎(さみしい)さんの会話

教育担当者の寂椎さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら寂椎さんは、「一生懸命に部下を指導しているのに、部下が自分を慕ってくれなくてさびしがっている」ことが分かりました。

社長:寂椎君、いつもご苦労様。
   ん? 君、ちょっと元気がないんじゃないか?

寂椎:いや、なんというか……。
   私、部下に好かれる上司になろうと頑張ってるんですけど……。
   部下が私でなく、私の同僚の○○さんにばかり話を聞くらしくて、寂しくて……。

社長:なるほど、その気持ちは分からなくもないが、部下は寂椎君を慕っているはずだよ。
   寂椎君のように一生懸命な教育担当者はそうそういない。自信を持って!

寂椎:はぁ~。それなら、もう少し態度で示してくれてもいいと思います。
   最近はオンラインも多く、部下がさらによそよそしい気もします……。
   私ではなく、私の同僚のほうが教育担当として適任なのでは?

2)寂椎さんへのアプローチ

真面目な教育担当者ほど、寂椎さんのような感情になりがちです。寂椎さんには、自分の頑張りを部下に押し付けるつもりはありません。しかし、頑張った分だけ感謝してもらいたいのが人間というものです。

一方、このケースでは部下にも特に悪気はないのでしょう。部下としても、日ごろ、自分の面倒を見てくれる教育担当者に感謝をしているはずです。ただ、他の人の意見も聞いてみたいという思いがあるのも当然です。

一生懸命に教えているからこそ、教育担当者にはある意味、”自分色に染めたい”という感情があります。しかし、部下の成長を願うなら、さまざまな人の意見を聞いたほうがよいのは明らかで、ここに教育担当者のジレンマがあります。

寂椎さんに対して、社長はどのようにアプローチするべきでしょうか。まず行いたいのは、

社長が寂椎さんとその部下をオンラインの異業種交流会などに招待すること

です。

教育担当者と部下がセットで参加している状況であれば、社員教育などをテーマに部下に話を振ってみることで、寂椎さんが知りたがっている「自分の指導に対する部下の考え」を聞き出せるかもしれません。そこに日ごろの指導への感謝などがあれば、寂椎さんも自分の教え方を肯定できます。同時に、社長はこうした場で、寂椎さん自身がさまざまな人から意見を聞けるよう配慮します。そして、寂椎さんは教育担当者として優れているが、寂椎さん自身がもっと成長するためには、さまざまな人の話を聞くことが大切だということを理解させるのです。

教育担当者である自分の言うことを聞いてほしいのは当然です。しかし、どんなに一生懸命で、優れた教育担当者であっても、やはり考え方には偏りがあります。それを埋めるべく、たくさんの人と話をする大切さを体験させることが必要です。

4 自分は人に教えられる器ではない?

1)社長と能不(のうぶ)さんの会話

教育担当者の能不さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら能不さんは、「自分には能力が不足していて、部下を育てることには向いていないと思い自信を失っている」ことが分かりました。

社長:能不君、いつもご苦労様。
   ん、どうした? 少し顔色が良くないよ。

能不:実は社長に相談しようと思っていたことがあります。
   言いにくいのですが、私を教育担当から外してください。

社長:なぜ、そういうことになるんだい?
   能不君は一生懸命に頑張っているじゃないか。私も認めている。
   それなのに、一体、どうしたんだ?

能不:私には、うまく教えることができません。
   他の教育担当者に指導されている新人や若手はどんどん成長しています。
   このままでは部下に申し訳なくて……。

2)能不さんへのアプローチ

責任感の強い教育担当者ほど、能不さんのような感情になりがちです。責任感が強い分、部下に高いハードルを課し、また他の教育担当者やその部下と自分たちを比べてしまいます。

自分の部下に一番になってほしい気持ちはどの教育担当者にもあるでしょう。しかし、無理をし過ぎると部下への態度が厳しくなったり、自分自身が自信を失ったりしてしまいます。場合によっては、「自分は役立たずだ」とふさぎ込んでしまうかもしれません。

能不さんに対して、社長はどのようにアプローチするべきでしょうか。

まず、社長が、引き続き能不さんに教育担当を任せるか否かを判断

しなければなりません。能不さんの思いがエスカレートすると、自分の能力不足に悩み、離職を考えかねないからです。

引き続き能不さんに教育担当を任せる場合、

  • 「教育担当者の能力の高さだけで、部下を成長させることはできない」こと
  • 「自分の能力の高低よりも、部下の性格とそれに合わせた教え方」を考えるほうが大事であること

を伝えます。

自分自身の教育担当者としての資質を疑うのは当然です。しかし、それは自分側の分析にすぎません。教育担当者と部下は、人間同士のぶつかり合いです。教育担当者は、自分のことよりも、部下のことを少しでも多く考えることが大切なのです。

5 何でも教えすぎてしまう?

1)社長と世話焼さんの会話

教育担当者の世話焼さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら世話焼さんは、「部下に丁寧に教えているつもりなのに、部下がいつまでも自分で動けるようにならず、行き詰まりを感じている」ことが分かりました。

社長:世話焼君、いつもご苦労様。
   最近、少し疲れた顔をしているけど、どうかしたかい?

世話焼:社長……私、部下には丁寧に教えているつもりなんです。
    分からないと言われたら隣でやって見せるし、ミスしたら一緒に直して……。
    なのに、いつまで経っても一人でできるようにならないんです。

社長:それは大変だったね。でも、世話焼君は本当によく面倒を見ているよ。
   部下も助かっているはずだ。

世話焼:そうだといいんですが……。
    正直、私がいないと何もできない部下になってしまっている気がして。
    私の教え方が間違っているのでしょうか。

2)世話焼さんへのアプローチ

世話焼さんのような教育担当者は、面倒見がよく、部下思いです。しかし、「親切心」と「過干渉」は紙一重です。手取り足取り教え続けることで、部下が「自分で考える」機会を奪ってしまっているかもしれません。

ポイントは、

世話焼さんに「あえて教えない」経験をさせること

です。例えば、世話焼さんが担当している業務の一部を部下に任せ、世話焼さんには「答えを教えず、ヒントだけ出す」というルールを設けてもらいます。

部下が自力で答えを出したとき、世話焼さんはその達成感を一緒に感じられるでしょう。大切なのは、「手を出さないことが、部下への信頼の表れである」と、体験を通じて理解させることです。教育担当者の本当の役割は、部下の代わりにやってあげることではなく、部下が自ら動けるようになる環境を整えることなのです。

6 自分のやり方を押し付けてしまう?

1)社長と押付(おしつけ)さんの会話

教育担当者の押付さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら押付さんは、「自分が経験してきたやり方を部下に教えているのに、部下が素直に従わず、関係がぎこちなくなっている」ことが分かりました。

社長:押付君、いつもご苦労様。
   最近、部下とのやり取りはどうだい?

押付:いやあ、参りましたよ。
   私が長年やってきた方法を丁寧に教えているのに、部下がなかなか従わなくて。
   「もっと効率的なやり方がある」なんて言い出すんです。

社長:ほう、部下はどんな方法を提案しているんだい?

押付:それが、ツールを使うとか、手順を変えるとか……。
   でも私のやり方は長年の経験で培ったもので、確かな実績があります。
   それを軽んじられているようで、正直、面白くないんです。

2)押付さんへのアプローチ

押付さんの経験や実績は、確かに価値あるものです。しかし、時代や環境が変わる中で、かつて最善だったやり方が、今も最善とは限りません。また、部下が新しいやり方を提案しているとすれば、それは「仕事を良くしたい」という意欲の表れとも言えます。

ポイントは、

押付さんの経験を「肯定しながら」、視野を広げる機会を設けること

です。例えば、部下が提案したやり方を一度試す場を設け、押付さんにその結果を評価してもらいます。これなら、押付さんも冷静な目で部下を見られるかもしれません。

大切なのは、経験を否定することなく、「経験を土台に、さらに良い方法を一緒に探す」姿勢を押付さんに持ってもらうことです。自分のコピーを作ることではなく、部下が自分を超えていけるよう導くことこそが、教育担当者の役割であると理解させましょう。

7 教育に時間が取れない?

1)社長と忙殺(ぼうさつ)さんの会話

教育担当者の忙殺さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら忙殺さんは、「自分の業務が忙しすぎて、部下の指導に十分な時間を割けず、焦りと罪悪感をかかえている」ことが分かりました。

社長:忙殺君、いつもご苦労様。
   最近、ずいぶんバタバタしているようだけど、大丈夫かい?

忙殺:社長、正直に申し上げると、厳しい状況です。
   自分の担当業務だけでも手いっぱいで……。
   部下に「教えてください」と言われても、「後でね」と答えることが続いていて。

社長:そうか。それは忙殺君も大変だね。

忙殺:部下には申し訳ないと思っているんですが、どうにも時間が……。
   このままでは部下の成長を妨げてしまっている気がして、
   私が教育担当のままでよいのか不安です。

2)忙殺さんへのアプローチ

忙殺さんのケースは、本人の意欲や能力の問題ではなく、業務量と役割設計の問題です。教育担当者に過度な負荷がかかっている場合、いくら本人が頑張ろうとしても限界があります。

このケースで社長がまず取り組むべきは、

忙殺さんの業務量を見直し、教育担当としての時間を確保すること

です。「教育担当者」という役割は、時間があればやるものではなく、時間を確保してやるべきものです。社長が率先して、忙殺さんの業務の一部を他に移すか、優先順位を整理することが求められます。

「まとまった時間がなくてもできる指導」を忙殺さんと一緒に考えることも大切です。例えば、短時間のフィードバックを習慣化したり、チェックリストを使って部下が自己確認できる仕組みを整えたりすると、教育の質を落とさずに時間の負担を減らせます。「教育環境を整えるのも教育担当者の仕事だ!」と安易に突き放してしまうと、問題はいつまでも解決しません。

8 世代間のギャップに悩んでいる?

1)社長と隔世(かくせい)さんの会話

教育担当者の隔世さんに、社長が話し掛けました。話をしているうちに、どうやら隔世さんは、「若い世代の価値観や仕事への向き合い方が自分とはまるで違い、どう接してよいか分からずとまどっている」ことが分かりました。

社長:隔世君、いつもご苦労様。
   最近、若い部下たちとはうまくやれているかい?

隔世:それが、正直よく分からなくて……。
   仕事よりプライベートを優先したがるし、
   「なぜそうするのか」をいちいち説明しないと動かないし。
   私が若い頃は、見て盗んで覚えるのが当たり前だったんですが。

社長:なるほど、確かに今どきの若者は違うよね。

隔世:ええ。否定したいわけじゃないんです。
   ただ、どう接したらいいのか、何を言えば伝わるのか……。
   教育担当者としての自信がなくなってきました……。

2)隔世さんへのアプローチ

隔世さんの戸惑いは、多くのベテラン社員が感じているものです。世代間のギャップは確かに存在しますが、それは「どちらが正しいか」の問題ではありません。「自分の常識が通じない」と感じるのは、隔世さんが時代の変化に正直に向き合っている証拠です。

このケースで求められるのは、

世代の違いを「壁」ではなく「学びの機会」として捉え直すこと

です。例えば、社長は隔世さんに「若い部下が大切にしていることを一つ聞いてみよう」と促してみましょう。相手を理解しようという小さな一歩が、部下との関係性を変えるきっかけになるかもしれません。

また、「なぜそうするのか」を、きちんと部下に説明するよう、隔世さんに働きかけることも大切です。理由を丁寧に伝えることで、部下は納得して動けるようになり、自分で考える力も育ちます。隔世さん自身が若い世代の価値観を理解しようとする姿勢を持つことで、部下との信頼関係が深まり、指導の質も高まるでしょう。

以上(2026年7月更新)

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画像:metamorworks-Adobe Stock

【業種別データ】金属素形材製品製造業の動向

2023年の金属素形材製品製造業は、事業所数・従業者数がほぼ横ばいで安定する一方、製造品出荷額は約2.63兆円(前年比+5.0%)と回復基調にあります。アルミ・金属プレスが回復をけん引する反面、粉末・金製品は縮小。原材料使用額の上昇で原材料比率は約60.5%、付加価値率は33.8%にとどまり、収益性改善とコスト管理、付加価値向上が喫緊の課題です。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の金属素形材製品製造業の事業所数は3872事業所(対前年比99.3%)、従業者数は9万4692人(対前年比99.0%)、製造品出荷額等は2兆6320億4400万円(対前年比105.0%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は24人(対前年比99.6%)、現金給与総額は1億600万円(対前年比99.8%)、原材料使用額等は4億1100万円(対前年比106.1%)、製造品出荷額等は6億8000万円(対前年比105.7%)、付加価値額は2億3000万円(対前年比104.5%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は434万円(対前年比100.1%)、製造品出荷額等は2780万円(対前年比106.0%)、付加価値額は940万円(対前年比104.9%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は60.5%(対前年比100.5%)、同付加価値額比率は33.8%(対前年比98.9%)、同現金給与総額比率は15.6%(対前年比94.4%)となっています。

【2450 金属素形材製品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)アルミニウム・同合金プレス製品製造業

2023年のアルミニウム・同合金プレス製品製造業の事業所数は582事業所(対前年比99.5%)、従業者数は1万5113人(対前年比100.1%)、製造品出荷額等は5944億5600万円(対前年比105.0%)

となっています。

1事業所当たりの従業者数は26人(対前年比100.6%)、現金給与総額は1億1700万円(対前年比100.4%)、原材料使用額等は6億4000万円(対前年比103.3%)、製品出荷額等は10億2100万円(対前年比105.6%)、付加価値額は3億1900万円(対前年比110.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は450万円(対前年比99.8%)、製品出荷額等は3933万円(対前年比104.9%)、付加価値額は1230万円(対前年比110.1%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は62.7%(対前年比97.8%)、同付加価値額比率は31.3%(対前年比105.0%)、同現金給与総額比率は11.4%(対前年比95.1%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2451 アルミニウム・同合金プレス製品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)金属プレス製品製造業(アルミニウム・同合金を除く)

2023年の金属プレス製品製造業(アルミニウム・同合金を除く)の事業所数は3185事業所(対前年比99.5%)、従業者数は6万8892人(対前年比100.7%)、製造品出荷額等は1兆7089億4900万円(対前年比107.7%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は22人(対前年比101.2%)、現金給与総額は8800万円(対前年比101.8%)、原材料使用額等は3億3400万円(対前年比110.3%)、製品出荷額等は5億3700万円(対前年比108.3%)、付加価値額は1億7300万円(対前年比104.3%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は408万円(対前年比100.6%)、製品出荷額等は2481万円(対前年比107.0%)、付加価値額は802万円(対前年比103.0%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は62.3%(対前年比101.9%)、同付加価値額比率は32.3%(対前年比96.3%)、同現金給与総額比率は16.5%(対前年比94.0%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2452 金属プレス製品製造業(アルミニウム・同合金を除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)粉末や金製品製造業

2023年の粉末や金製品製造業の事業所数は105事業所(対前年比94.6%)、従業者数は1万687人(対前年比88.0%)、製造品出荷額等は3286億3900万円(対前年比92.6%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は102人(対前年比93.1%)、現金給与総額は5億9000万円(対前年

比94.8%)、原材料使用額等は14億7400万円(対前年比92.3%)、製品出荷額等は31億3000万円(対前年比97.8%)、付加価値額は14億4700万円(対前年比102.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は580万円(対前年比101.9%)、製品出荷額等は3075万円(対前年比105.1%)、付加価値額は1422万円(対前年比110.5%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は47.1%(対前年比94.4%)、同付加価値額比率は46.2%(対前年比105.1%)、同現金給与総額比率は18.9%(対前年比96.9%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2453 粉末や金製品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【金属素形材製品製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【業種別データ】洋食器・刃物・手道具・金物類製造業の動向

2023年の洋食器・刃物・手道具・金物類製造業は、事業所数・従業者数が微減する一方で製造品出荷額は約8,923億円とやや減少し、原材料比率が55.2%で付加価値率は40.2%にとどまります。特に洋食器は出荷額が前年の34.3%に急落し、作業工具も落ち込む一方、機械刃物や「その他の金物類」は堅調で付加価値を伸ばしています。総じて品目間で明暗が分かれ、コスト管理と高付加価値化、製品力強化や海外展開の検討が今後の重点課題です。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の洋食器・刃物・手道具・金物類製造業の事業所数は2388事業所(対前年比99.3%)、従業者数は3万9210人(対前年比98.9%)、製造品出荷額等は8923億2200万円(対前年比97.9%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は16人(対前年比99.6%)、現金給与総額は6800万円(対前年比101.9%)、原材料使用額等は2億600万円(対前年比97.3%)、製造品出荷額等は3億7400万円(対前年比98.6%)、付加価値額は1億5000万円(対前年比98.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は412万円(対前年比102.4%)、製造品出荷額等は2276万円(対前年比99.0%)、付加価値額は915万円(対前年比99.2%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は55.2%(対前年比98.7%)、同付加価値額比率は40.2%(対前年比100.2%)、同現金給与総額比率は18.1%(対前年比103.4%)となっています。

【2420 洋食器・刃物・手道具・金物類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)洋食器製造業

2023年の洋食器製造業の事業所数は93事業所(対前年比100.0%)、従業者数は977人(対前年比89.6%)、製造品出荷額等は157億5700万円(対前年比34.3%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は11人(対前年比89.6%)、現金給与総額は3300万円(対前年比91.2%)、原材料使用額等は6400万円(対前年比20.0%)、製品出荷額等は1億6900万円(対前年比34.3%)、付加価値額は9000万円(対前年比54.7%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は310万円(対前年比101.9%)、製品出荷額等は1613万円

(対前年比38.3%)、付加価値額は859万円(対前年比61.1%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は38.0%(対前年比58.2%)、同付加価値額比率は53.3%(対前年比159.7%)、同現金給与総額比率は19.2%(対前年比266.2%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2421 洋食器製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)機械刃物製造業

2023年の機械刃物製造業の事業所数は435事業所(対前年比99.5%)、従業者数は5979人(対前年比100.5%)、製造品出荷額等は931億7800万円(対前年比103.9%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は14人(対前年比100.9%)、現金給与総額は5900万円(対前年比103.0%)、原材料使用額等は9100万円(対前年比111.1%)、製品出荷額等は2億1400万円(対前年比104.3%)、付加価値額は1億1100万円(対前年比99.4%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は432万円(対前年比102.1%)、製品出荷額等は1558万円(対前年比103.4%)、付加価値額は805万円(対前年比98.5%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は42.7%(対前年比106.5%)、同付加価値額比率は51.7%(対前年比95.3%)、同現金給与総額比率は27.7%(対前年比98.7%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2422 機械刃物製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)利器工匠具・手道具製造業(やすり、のこぎり、食卓用刃物を除く)

2023年の利器工匠具・手道具製造業(やすり、のこぎり、食卓用刃物を除く)の事業所数は330事業所(対前年比99.7%)、従業者数は5892人(対前年比97.6%)、製造品出荷額等は1147億300万円(対前年比99.4%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は18人(対前年比97.9%)、現金給与総額は6900万円(対前年比101.4%)、原材料使用額等は1億7200万円(対前年比98.5%)、製品出荷額等は3億4800万円

(対前年比99.7%)、付加価値額は1億6100万円(対前年比99.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は385万円(対前年比103.6%)、製品出荷額等は1947万円(対前年比101.8%)、付加価値額は902万円(対前年比101.9%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は49.4%(対前年比98.8%)、同付加価値額比率は46.3%(対前年比100.1%)、同現金給与総額比率は19.8%(対前年比101.7%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2423 利器工匠具・手道具製造業(やすり・のこぎり・食卓用刃物を除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)作業工具製造業

2023年の作業工具製造業の事業所数は189事業所(対前年比96.9%)、従業者数は4342人(対前年比97.0%)、製造品出荷額等は898億1200万円(対前年比89.9%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は23人(対前年比100.1%)、現金給与総額は9800万円(対前年比99.4%)、原材料使用額等は2億1500万円(対前年比98.7%)、製品出荷額等は4億7500万円(対前年比92.7%)、付加価値額は2億3800万円(対前年比87.4%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は427万円(対前年比99.3%)、製品出荷額等は2068万円(対前年比92.7%)、付加価値額は1035万円(対前年比87.3%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は45.2%(対前年比106.4%)、同付加価値額比率は50.0%(対前年比94.3%)、同現金給与総額比率は20.7%(対前年比107.2%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2424 作業工具製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

6)手引のこぎり・のこ刃製造業

2023年の手引のこぎり・のこ刃製造業の事業所数は82事業所(対前年比100.0%)、従業者数は1108人(対前年比97.3%)、製造品出荷額等は193億5600万円(対前年比96.7%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は14人(対前年比97.3%)、現金給与総額は5700万円(対前年比

96.3%)、原材料使用額等は1億1800万円(対前年比88.1%)、製品出荷額等は2億3600万円(対前年比96.7%)、付加価値額は1億1300万円(対前年比106.4%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は420万円(対前年比99.0%)、製品出荷額等は1747万円(対前年比99.4%)、付加価値額は835万円(対前年比109.4%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は49.9%(対前年比91.2%)、同付加価値額比率は47.8%(対前年比110.1%)、同現金給与総額比率は24.0%(対前年比99.6%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2425 手引のこぎり・のこ刃製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

7)農業用器具製造業(農業用機械を除く)

2023年の農業用器具製造業(農業用機械を除く)の事業所数は144事業所(対前年比98.0%)、従業者数は1345人(対前年比94.1%)、製造品出荷額等は248億3800万円(対前年比87.2%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は9人(対前年比96.0%)、現金給与総額は3700万円(対前年比97.5%)、原材料使用額等は1億500万円(対前年比87.5%)、製品出荷額等は1億7200万円(対前年比89.0%)、付加価値額は6200万円(対前年比92.0%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は394万円(対前年比101.5%)、製品出荷額等は1847万円(対前年比92.7%)、付加価値額は665万円(対前年比95.9%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は61.0%(対前年比98.3%)、同付加価値額比率は36.0%(対前年比103.4%)、同現金給与総額比率は21.3%(対前年比109.6%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2426 農業用器具製造業(農業用機械を除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

8)その他の金物類製造業

2023年のその他の金物類製造業の事業所数は1115事業所(対前年比99.6%)、従業者数は1万9567人(対前年比100.2%)、製造品出荷額等は5346億7800万円(対前年比104.4%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は18人(対前年比100.6%)、現金給与総額は7300万円(対前年比103.6%)、原材料使用額等は2億9100万円(対前年比103.5%)、製品出荷額等は4億8000万円(対前年比104.9%)、付加価値額は1億6700万円(対前年比105.8%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は416万円(対前年比103.0%)、製品出荷額等は2733万円(対前年比104.2%)、付加価値額は950万円(対前年比105.1%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は60.7%(対前年比98.6%)、同付加価値額比率は34.8%(対前年比100.8%)、同現金給与総額比率は15.2%(対前年比98.8%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2429 その他の金物類製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【洋食器・刃物・手道具・金物類製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda

【業種別データ】非鉄金属素形材製造業の動向

2023年の非鉄金属素形材製造業は、事業所数はほぼ横ばい(1267)、従業者数は微増(4万3112人)で雇用は安定し、製造品出荷額は約1.29兆円(前年比+7.4%)と回復基調です。特にアルミダイカストが顕著な伸びを示しました。一方、原材料使用額の上昇で原材料比率は約55.8%と高止まりし、付加価値率の改善は限定的。収益性向上とコスト管理が当面の課題です。

1 業界動向

1)業界全体

2023年の非鉄金属素形材製造業の事業所数は1267事業所(対前年比99.6%)、従業者数は4万3112人(対前年比100.1%)、製造品出荷額等は1兆2872億1100万円(対前年比107.4%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は34人(対前年比100.5%)、現金給与総額は1億6000万円(対前年比105.2%)、原材料使用額等は5億6700万円(対前年比108.4%)、製造品出荷額等は10億1600万円(対前年比107.8%)、付加価値額は3億8100万円(対前年比108.0%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は471万円(対前年比104.8%)、製造品出荷額等は2986万円(対前年比107.3%)、付加価値額は1118万円(対前年比107.5%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は55.8%(対前年比100.6%)、同付加価値額比率は37.5%(対前年比100.2%)、同現金給与総額比率は15.8%(対前年比97.6%)となっています。

【2350 非鉄金属素形材製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2)銅・同合金鋳物製造業(ダイカストを除く)

2023年の銅・同合金鋳物製造業(ダイカストを除く)の事業所数は166事業所(対前年比100.0%)、従業者数は3681人(対前年比101.0%)、製造品出荷額等は1327億6200万円(対前年比108.3%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は22人(対前年比101.0%)、現金給与総額は1億1200万円(対前年比104.0%)、原材料使用額等は5億1500万円(対前年比107.3%)、製品出荷額等は8億円(対前年比108.3%)、付加価値額は2億4700万円(対前年比101.1%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は503万円(対前年比103.0%)、製品出荷額等は3607万円(対前年比107.3%)、付加価値額は1114万円(対前年比100.2%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は64.4%(対前年比99.0%)、同付加価値額比率は30.9%(対前年比93.4%)、同現金給与総額比率は14.0%(対前年比96.0%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2351 銅・同合金鋳物製造業(ダイカストを除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3)非鉄金属鋳物製造業(銅・同合金鋳物及びダイカストを除く)

2023年の非鉄金属鋳物製造業(銅・同合金鋳物及びダイカストを除く)の事業所数は345事業所(対前年比99.1%)、従業者数は8431人(対前年比100.5%)、製造品出荷額等は2089億800万円(対前年比104.5%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は24人(対前年比101.4%)、現金給与総額は1億1000万円(対前年比102.4%)、原材料使用額等は3億3900万円(対前年比111.9%)、製品出荷額等は6億600万円(対前年比105.4%)、付加価値額は2億3100万円(対前年比96.6%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は451万円(対前年比101.0%)、製品出荷額等は2478万円(対前年比104.0%)、付加価値額は943万円(対前年比95.2%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は55.9%(対前年比106.1%)、同付加価値額比率は38.1%(対前年比91.6%)、同現金給与総額比率は18.2%(対前年比97.1%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2352 非鉄金属鋳物製造業(銅・同合金鋳物及びダイカストを除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

4)アルミニウム・同合金ダイカスト製造業

2023年のアルミニウム・同合金ダイカスト製造業の事業所数は464事業所(対前年比99.8%)、従業者数は2万3324人(対前年比99.7%)、製造品出荷額等は7520億5900万円(対前年比109.3%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は50人(対前年比99.9%)、現金給与総額は2億3900万円(対前年比107.3%)、原材料使用額等は8億7600万円(対前年比108.9%)、製品出荷額等は16億2100万円(対前年比109.6%)、付加価値額は6億2000万円(対前年比114.2%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は475万円(対前年比107.4%)、製品出荷額等は3224万円(対前年比109.7%)、付加価値額は1233万円(対前年比114.3%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は54.1%(対前年比99.4%)、同付加価値額比率は38.2%(対前年比104.2%)、同現金給与総額比率は14.7%(対前年比97.9%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2353 アルミニウム・同合金ダイカスト製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

5)非鉄金属ダイカスト製造業(アルミニウム・同合金ダイカストを除く)

2023年の非鉄金属ダイカスト製造業(アルミニウム・同合金ダイカストを除く)の事業所数は147事業所(対前年比99.3%)、従業者数は3043人(対前年比98.7%)、製造品出荷額等は463億5500万円(対前年比106.1%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は21人(対前年比99.3%)、現金給与総額は7500万円(対前年比100.0%)、原材料使用額等は1億5500万円(対前年比101.9%)、製品出荷額等は3億1500万円(対前年比106.8%)、付加価値額は1億3900万円(対前年比110.1%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は364万円(対前年比100.7%)、製品出荷額等は1523万円(対前年比107.5%)、付加価値額は672万円(対前年比110.8%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は49.2%(対前年比95.4%)、同付加価値額比率は44.1%(対前年比103.0%)、同現金給与総額比率は23.9%(対前年比93.7%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2354 非鉄金属ダイカスト製造業(アルミニウム・同合金ダイカストを除く)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

6)非鉄金属鍛造品製造業

2023年の非鉄金属鍛造品製造業の事業所数は145事業所(対前年比100.0%)、従業者数は4633人(対前年比101.4%)、製造品出荷額等は1471億2700万円(対前年比101.4%)となっています。

1事業所当たりの従業者数は32人(対前年比101.4%)、現金給与総額は1億7000万円(対前年比103.6%)、原材料使用額等は6億円(対前年比103.4%)、製品出荷額等は10億1500万円(対前年比101.4%)、付加価値額は3億7000万円(対前年比100.3%)となっています。

従業者1人当たりの現金給与総額は531万円(対前年比102.2%)、製品出荷額等は3176万円(対前年比100.0%)、付加価値額は1157万円(対前年比98.9%)となっています。

製造品出荷額等に占める原材料使用額等比率は59.2%(対前年比102.0%)、同付加価値額比率は36.4%(対前年比98.9%)、同現金給与総額比率は16.7%(対前年比102.2%)となっています。詳しくは、下表を参照してください。

【2355 非鉄金属鍛造品製造業】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

2 品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)

品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)は次の通りです。

【品目別・都道府県別出荷金額ランキング(2023年実績)】

(出所:経済産業省「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」を基に作成)

3 経営指標

【非鉄金属素形材製造業の経営指標】

(出所:日本政策金融公庫「小企業の経営指標2024」)

(注1)( )内は、調査対象企業数です。

(注2)受取利息を加味できないなど調査項目に限界があるため、「黒字かつ自己資本プラス企業」でも損益分岐点比率が100%を超える場合があります。

以上(2026年3月更新)

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画像:Mariko Mitsuda