増え続ける「リベンジ退職」の脅威! 損害賠償は請求できる?

1 立つ鳥跡を濁す……退職時に会社を脅かす社員

社員が退職する際に、会社の備品や重要情報を持ち逃げされた……。退職後にSNSで誹謗(ひぼう)中傷や悪評を拡散された……。こうした、

会社に対して何かしらの不満を持っている社員が、その不満を晴らすために、退職時に意図的に損害を与える「リベンジ退職」

が深刻なリスクとして浮上しています。

会社としては、「そんな悪意ある行動は許せない! 損害賠償を請求したい」と考えるかもしれませんが、これは簡単ではありません。労働基準法第16条には、

使用者(会社)は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない(賠償予定の禁止)

というルールがありますし、民法第627条でも、

「労働者は、一定の期間を置きさえすれば、いつでも自由に労働契約を解消できる」旨などが定められていて、実害に基づく損害賠償請求であっても認められる範囲は限定的

なのです。

また、そもそも社員が会社への不満を内に秘めながら、自分が辞めることで会社を困らせようとして退職するのは、会社と社員の信頼関係が失われているということです。そのため、社員がリベンジ退職をした場合の対応だけでなく、それらを未然に防ぐための手立ても考えなければいけません。

そこで、この記事では、

  • リベンジ退職のケースごとに見る、損害賠償請求の可否
  • 会社が社員のリベンジ退職を未然に防ぐための手立て

について解説していきます。

2 このリベンジ退職、損害賠償請求できる?

1)重要情報の持ち出し・消去

社員が退職時に顧客情報などの会社の重要情報を持ち出したり、消去したりするケースがあります。例えば、退職した社員が顧客情報を持ち出した上で、同業他社に転職し、その後、転職先で顧客情報を利用していることが判明したため、会社が退職者に対して内容証明郵便で警告し、最終的に情報の返却・破棄に至った裁判例があります(大阪地裁平成25年4月11日判決)。

重要情報の持ち出しに対しては、まず、

不正に持ち出された情報が使われてしまうことを止めるのが第一で、その際は内容証明郵便で警告するのが効果的

です。

損害賠償請求については、重要情報の持ち出しだけでなく、社員が退職時に重要な業務データを消去・復旧できなくしたことで、データの再開発やそのための新たな人件費が必要となり、

退職者の故意に基づく、会社側に過失のない不法行為である

として、退職者に対する損害賠償請求が認められた裁判例があります(徳島地裁令和7年1月16日判決)。データ消去の場合は、退職者がデータ消去を故意に行ったという事実関係の証明や、消去されたデータが会社にとってどの程度重要なものであったかを明らかにすることが大切です。

2)会社備品の持ち出し

会社の貸与品であるPCや携帯電話、書類などを退職時に返却しない場合、まずは所有権に基づく返却請求を検討します。それでも返却されなければ、社員の不法行為(退職したのに備品を返却しない)に対する損害賠償として、備品代を請求することを考えます。

ただし、本人の同意なく、賃金や退職金から一方的に備品代を控除することは、労働基準法違反になる恐れがあるため注意が必要です。判例で、

会社の持つ債権(この場合は損害賠償請求権)と賃金を一方的に相殺することはできない

とされているからです。労使協定の控除項目に、「備品代(退職時に備品を返却しない場合)」などと定めていたとしても同様です。

もっとも、損害賠償請求については、過去に最高裁が、

客観的に見て「社員の自由意思に基づいて同意がなされた」ものといえる合理的な理由がある場合、賃金から控除しても賃金全額払いの原則(労働基準法第24条)には反しない

と判断した裁判例があります(最高裁平成2年11月26日判決)。つまり、賃金や退職金から備品代を控除したいのであれば、まずは本人の同意を得る必要があるわけです。

3)繁忙期を狙った突然の退職・引き継ぎ拒否

会社の繁忙期や年度末など、人員が抜けると困るタイミングをあえて狙って退職したり、他の社員に業務を引き継いだりしないことで、現場を混乱させる行為は、リベンジ退職の典型的なパターンとされています。

管理職など幅広い業務を担当している社員や、特定の業務に対して専門的な知識を持った社員が引き継ぎなしに突然退職してしまうと、業務の継続性に深刻な影響を与えるだけでなく、他の社員の負担が急増するリスクがあります。

損害賠償請求については、インテリアデザインの企画設計等を行う会社が工事を受注したものの、本件工事に対応するはずだった社員が退職し、工事ができなくなったとして、200万円の損害賠償を請求した裁判例があります(東京地裁平成4年9月30日判決)。しかし、裁判所は民法第627条の退職の自由に関する規定などに照らして、

信義則を適用し、原告の請求することのできる賠償額を限定することが相当である

として、200万円のうち70万円までの損害賠償請求しか認めませんでした。退職による損害賠償請求は、実際に発生した損害の具体的な立証が不可欠です。特に、繁忙期の退職や引き継ぎ不足による「逸失利益」の算定は極めて困難とされており、判例でも限定的にしか認めない傾向があります。

4)退職後のSNSでの誹謗中傷・悪評拡散

職場の人間関係に不満を抱いていた社員が、退職後にSNSで会社を特定できる形で「人間関係が破綻している」「ブラック企業だ」などと、誹謗中傷や悪評を拡散するケースがあります。このような行為は会社のイメージを著しく損ない、人材採用や取引先との関係に悪影響を及ぼす恐れがあります。

損害賠償請求については、退職した契約社員が常務取締役や総務部部長を誹謗中傷するメールを複数回にわたって送信し、メールのCCに他の社員をはじめ、取引先や関係者も含めて拡散したことについて、

本人への名誉毀損だけでなく、第三者からの常務取締役や総務部部長の社会的評価を低下させた

として、損害賠償請求が認められた裁判例があります(東京地裁令和4年5月13日判決)。

3 リベンジ退職を未然に防ぐための手立ては?

1)就業規則の見直し

就業規則において、退職手続きを明確に定めることが重要です。民法第627条では原則として、社員が退職の2週間前までに申し出れば、退職が認められます(無期雇用の場合)。ただし、業務の引き継ぎを円滑に行うためには、退職の1カ月前などに申し出るよう、就業規則に明記することが望ましいでしょう。

退職届の提出方法(書面での提出推奨)や、業務引き継ぎ、貸与品返却などの必要な手続きを具体的に定めることも重要です。

また、就業規則に退職手続きや引き継ぎ義務を明記するだけでは不十分です。定期的な社員への説明会や、デジタルツールでのアクセス容易化などで周知徹底を図っていきましょう。

2)秘密保持誓約書・競業避止義務契約の締結と運用

退職後の秘密保持義務は、就業規則や誓約書で取り決めることで有効になります。秘密保持誓約書には、秘密情報の範囲や期間を明確に記載することが重要です。

競業避止義務についても、期間や地理的範囲、対象業務範囲を合理的に設定し、代償措置(退職金の加算など)を設けることで有効性が高まります。

3)情報セキュリティー管理の徹底と経済産業省「営業秘密管理指針」の活用

機密情報の明確な定義と一覧化、退職前の情報持ち出しチェック、退職時にシステムアクセス権限を削除することなどは、情報漏洩を防ぐ上で非常に重要です。また、業務中でも会社のデータは、会社のサーバーやクラウドに一元管理するなどの方法で、退職した社員が引き継ぎをせずに退職した場合でも、データや資料が所在不明になるといった事態を避けることができます。

経済産業省の「営業秘密管理指針」では、営業秘密として法的保護を受けるための「秘密管理性」の要件が示されており、情報に接する社員が秘密だと分かる程度の措置(「マル秘」表示、アクセス制限、教育プログラムなど)を講じることが推奨されていますので、参考にするとよいでしょう。

■経済産業省「営業秘密管理指針」
https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/guideline/r7ts.pdf

4)組織風土・コミュニケーション改善による予防

法的な対策だけでなく、社員が不満を抱えにくい組織風土を醸成し、良好なコミュニケーションを維持することが、リベンジ退職の根本的な予防につながります。

例えば、次のような対策が考えられます。

1.1on1ミーティングの活用

定期的な1on1ミーティングを通じて、部下の悩みや不安を傾聴し、キャリアプランを一緒に考えることは、不満の解消やモチベーション向上につながります。

2.適切な人事評価とキャリアパスの明確化

社員の成果を正当に評価し、昇給・昇進の機会を明確にすることで、社員のモチベーションや企業への愛着心(エンゲージメント)が向上します。

3.職場環境の改善とメンタルヘルスケア

長時間労働の削減、ハラスメント対策、柔軟な働き方の導入は、社員の不満を減らし、離職防止につながります。ストレスチェックの活用、産業医や外部専門家(EAPサービスなど)との連携は、社員のメンタルヘルス不調の早期発見・早期対応体制を構築する上で非常に有効です。

以上(2025年9月作成)

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画像:Vadym-Adobe Stock

経営者がよく使うSNS、1位は顔出し前提のアレだった!

1 気になる経営者たちのデジタル事情

日々の業務や経営の意思決定において、情報収集やツールの選択は非常に重要。しかし、ほかの経営者の環境については意外に知らないものです。

そこで今回は、2025年6月、中小企業の経営者全409人を対象として、

  • 普段、どのSNSを一番よく使いますか? その理由は?
  • 業務で使っているPCのOSは、WindowsとMacどちらですか?
  • (書類を読むとき)紙派? デジタル派?

という3つの質問をしてみました。

中小企業の経営者たちが普段どのように情報を得て、どのような環境で仕事をしているのか、その実態が明らかになりました。気になる結果は次章から、詳しくご紹介していきます!

なお、回答の中で、明らかに誤字と思われる表記などは修正しています。

2 経営者に人気のSNS決定戦

経営者に人気のSNS

経営者が使用しているSNS、

ナンバーワンはFacebook(29.1%)

でした! 次点でX(17.4%)とInstagram(13.4%)が続きます。また、「使わない」と答えた経営者も34.0%とかなりの割合を占めていました。

経営者のSNS事情

以下に、それぞれのSNSをよく使う理由も紹介します。

【Facebook】

  • 昔から習慣的に使っているので
  • 年齢層が同じだから
  • 仲間同士の近況報告として
  • 会社関係者がよく使っているから
  • 国外からの友人からの発信をよく見る
  • 業務内容を紹介するため
  • FBの内容によって特定業種でのトレンドを測っている

【X(旧Twitter)】

  • 世の中の情報がリアルタイムで分かる
  • 情報量が多い
  • 情報収集がしやすいから
  • 拡散が期待できる
  • 読みやすく、用不用の判断がしやすいので
  • 思ったことを書いたりしてもすぐいいねがもらえるから
  • 読み物として面白いから
  • 思いがけない内容が投稿されて知的興味をそそられる

【Instagram】

  • 新しい発見があるから
  • ユーザーが多く、情報が多いから
  • よく行くお店が使っているから
  • 画像を上げることが多いので
  • 綺麗な写真を見るため
  • お客様集客のため
  • 我が家のペットを毎日アップロードしている
  • 興味深いものが見つけやすい

3 実際、Mac派ってどれくらい居るの?

Mac派ってどれくらい居るの?

また、経営者が業務中に使用しているOSについては、

Windows派が91.4%とかなりの優勢

です。デザイン業務やその使いやすさから、Macを選ぶ経営者も居ます。

経営者が業務中に使用しているOS

以下に、それぞれのOSを使用する理由も紹介します。

【Windows派】

  • システムに慣れている
  • 業務上、Windowsが使いやすい
  • 他の人とのコミュニケーションが取りやすい
  • 仕事とツールの相性が良いから
  • 安価で使いやすい
  • 今一番気に入っているPCのレッツノートのOSだから
  • 業務で使用するソフトがWindows用しかないから
  • 互換性が高いから

【Mac派】

  • デザインで使うことが多いから
  • 直感で使えるから
  • iPhoneとの親和性が高いから
  • 若い時からずっとMacなので扱い慣れているから
  • Macは使い慣れており、タブレット・携帯を連携しているので
  • 長年使い慣れているし写真を扱うのにスムーズ
  • Spotlight検索が秀逸だから

4 資料は紙で見たい? 画面で見たい?

資料は紙で見たい? 画面で見たい?

ペーパーレスの必要性が叫ばれる昨今、経営者たちに「(書類を読むとき)紙派ですか? データ(デジタル)派ですか?」と聞いてみたところ……

まだまだ紙が根強く人気! 紙派が全体の45.0%

を占めています。

紙派とデジタル派

しかし、紙にもデジタルにもそれぞれの長所があります。また、状況によって臨機応変に使い分けている経営者たちも多く見られました。以下に、それぞれの理由を紹介します。

【紙派】

  • 見落としが少なくなるから紙
  • 紙の方が頭に入るから
  • なかなかまだデジタルは馴染めていないから
  • 前へ行ったり後ろへ行ったり、逆さにしたりひっくり返したり、いろいろな方向から読めるから
  • 紙ならゆっくりと何度でも読み返しが出来るし、長文でも目が疲れない。
  • 年をとってるひとばかりでアナログ人間だから
  • 紙派である。読みながら書き込みや思考順が記入出来て、図解も余白に記入できるので、更なる展開に活用出来るから。
  • 図・表が含まれている場合などは、紙の方が全体を見ることができるから
  • 紙の方が、温かみがあって好きだから

【デジタル派】

  • コストと保管の便利さ
  • AIで要点が整理しやすいから
  • 検索、ページスキップ等必要な情報にたどり着きやすい
  • 拡大縮小が可能
  • 紙だと紛失等があり、データの方が良いと考える
  • 読み上げをしてもらえるから
  • 紙代が勿体無い
  • 職員同士共有できる
  • 書類が多くなると整理整頓が大変だから極力ペーパーレス化をしている

【併用】

  • 情報の重要度によって使い分ける
  • 紙でアウトプットされた書類は全体を把握しやすいが、データなら細かい部分を拡大したり二次利用がしやすいので一長一短がある
  • 紙は安心感があるし、データは若い社員が受け入れやすいから
  • 全体を見たい場合は紙、それ以外はペーパーレスでデータ
  • 仕事でデータ化しているのでデータで見るが確認のために紙を使う
  • データはスマホで見れるものは、場所や時間に縛られないのでいつでも見ることができます。紙は無くさなければ、手軽に見れますが、整理しておかないと見つけるのに時間がかかる場合が有ります。一長一短です
  • 我々下請けは元請けのサーバーにアクセスして納品書を印刷して納品してる。ペーパーレスしているのは元だけで、そこから下はしっかり紙使ってますがな
  • 記録の1次提出は紙で行うが、保存や加工のためにデータで保管はしている
  • 紙のものは紙で見るしデータで送られて来たものはそのままデータで見ることが多いただしそのデータを使いチェックするべきものであった場合にはプリントアウトする

以上(2025年7月作成)

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画像:ChatGPT

この先、避けては通れない AIの利用をめぐるサイバーリスク

1 AIの普及、進化でサイバーリスクも加速

日進月歩の勢いで進化を続けるAI(人工知能)。AIには「未だ確立された定義は存在しない」とされますが、近年、一大潮流となっているのが「生成AI」。人が指示を与える(プロンプトを入力する)ことで、文章、画像、動画、プログラムなどを自動的に生成できるのが特徴です。

生成AIは、

  • これまで人が行ってきた業務・作業の圧倒的な効率化を実現し、人手不足を解消する
  • これまで人が思い付かなかったような新たなビジネスアイデアを創出する

上で大きな効果が期待されている一方、セキュリティ対策やガバナンスが追いつかず、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも急増しています。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威2026」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が第3位として初めてランクイン

しました。

今や、AIに関するリスク管理は、情報システム部門や担当者の裁量に任せるレベルを超える「重大な経営課題」へと変貌しています。2026年には、総務省・経済産業省が「AI事業者ガイドライン」を改定(第1.2版)したり、金融庁が「『フロンティアAIによる脅威変化を踏まえた金融機関等の短期的な対応』に係る要請」(以下「フロンティアAI対応要請」)をしたりするなど、政府機関による方針作成や規制の動きも加速しています。

この記事では、中小企業の経営者やマネジメント層、そして現場の従業員の方に向けて、AIがもたらす新たな脅威の実態と、安全に使いこなして取引先からの信頼を勝ち取るための具体的なセキュリティ対策を解説していきます。

2 AIの利用をめぐるサイバーリスク:直面する4つの脅威

AIの普及、進化は、私たちのビジネスを便利にする一方で、サイバー犯罪の手口も急速に巧妙化させています。ここでは、IPAの「情報セキュリティ10大脅威2026」や最新のインシデント事例から、私たちが今まさに直面する4つの脅威を整理します。

AIの利用をめぐる4つの脅威

IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」でAIリスクが初の第3位にランクイン

$2709$FE0E

THREAT 01

巧妙化するフィッシング詐欺

生成AIが自然な日本語のビジネスメールを大量生成。「ニセ社長詐欺」による送金被害が急増。

言語の壁が消え、見破れなくなった

$2699$FE0E

THREAT 02

サイバー攻撃の自動化・高度化

AIが脆弱性探索や難読化コード生成を代行。未熟な攻撃者でも超一級の攻撃が可能に。

「AIアシスタント」が攻撃者側にも

THREAT 03

ハルシネーションと法的リスク

実在しない情報を「もっともらしく」出力。鵜呑みにして誤情報を提供すると、著作権侵害の恐れも。

ファクトチェックなき利用は危険

$26A0$FE0E

THREAT 04

間接プロンプトインジェクション

サイト・メールに仕込まれた不正プロンプトをAIが自律的に読込み、機密データを外部送信する恐れ。

「EchoLeak」のようなゼロクリック攻撃

(出所:IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」ほか)

1)言語の壁を超越した巧妙な「フィッシングメール」「ビジネスメール詐欺」

これまでの海外発のフィッシングメールやビジネスメール詐欺は、「てにをは」の使い方が不自然だったり、日本語の表現がどこか変だったりしたため、読めば見破ることができました。しかし、攻撃者が生成AIや翻訳文章生成ツールを悪用し、日常的な取引の文脈や業界の慣例を学習した違和感のない日本語のビジネスメールが瞬時に、大量に作れるようになっています。

2026年には、経営者などをかたって業務命令を装い、LINEグループの作成を要求した上、指定した口座に送金をさせる「ニセ社長詐欺」の被害が急増しています。

2)サイバー攻撃の「自動化」と「技術水準の底上げ」

生成AIを「サイバー攻撃のアシスタント」として悪用する攻撃者が登場しています。攻撃者は、AIにセキュリティホールとなる脆弱性を探させたり、セキュリティソフトの検出を回避する「難読化コード」や情報窃取コマンドを動的に生成させたりしています。これにより、高度なハッキング知識を持たない未熟者であっても、容易に超一級のサイバー攻撃を仕掛けられるようになっています。

3)実在しない情報を信じ込む「ハルシネーション(幻覚)」と法的リスク

対話型の生成AIは、確率的に「もっともらしい文章」を生成する仕組みであるため、時に架空の事実、間違った解釈を、あたかも真実であるかのように堂々と出力することがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。

AIが生成した内容を人間の目で検証(ファクトチェック)せずに鵜呑みにして、提案書やウェブサイトのコンテンツ、あるいはプログラムコードに利用すると、顧客へ誤った情報を提供してしまい信用を失う恐れがあります。また、意図せず、他者の知的財産権(著作権など)を侵害してしまう法的リスクもあります。

4)進化するAI固有のゼロクリック脆弱性「間接プロンプトインジェクション」

「Microsoft 365 Copilot」などのビジネスツールに生成AIが深く組み込まれる中、AI固有の新しい脆弱性を突いた攻撃が登場しています。その代表例が「間接プロンプトインジェクション」です。

AIには通常、悪意ある命令を拒否するセーフガード(保護措置)が導入されています。しかし、何らかの方法で、攻撃者にウェブサイトやメールの文面の中に、人間の目には見えない(または気づかない)不正プロンプトを仕込まれると、社内のAIがそのサイトやメールを自律的に読み込んだ際、仕込まれた不正な指示を真に受けて、「社内の機密データを外部のサーバーに勝手に送信する」といった動作(例えば、「EchoLeak」と呼ばれる脆弱性の悪用など)を、利用者が気づかないうちに実行してしまうのです。

3 「AI利用者」として押さえておくべき役割とポイント

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」では、AIに関わる主体を「AI開発者(Developer)」「AI提供者(Provider)」「AI利用者(Business User)」の3つに大別しています。

  • AI開発者:AIモデルやアルゴリズムそのものを構築する事業者
  • AI提供者:AIをアプリやサービスに組み込んで提供する事業者
  • AI利用者:事業活動においてAIシステムやサービスを利用する事業者

ここでは、主に「AI利用者」として押さえておくべきポイントを、中小企業の経営者・マネジメント層と従業員それぞれの目線から紹介します。なお、一般の中小企業の大部分は「AI利用者」に該当しますが、自社で顧客向けにAIチャットボットを組み込んだウェブサイトを構築したり、システムを開発して提供したりする場合は「AI提供者」の責任も兼ねることになります(この記事では割愛)。

AIに関わる3つの主体

1)経営者・マネジメント層目線:シャドーAI撲滅のためのリスクベースアプローチ

「うちはまだ業務にAIを導入していないから、リスクはない」と考えているとしたら、その考え方は危険です。会社が正式に利用を認めていない、あるいは安全な環境を用意していないにもかかわらず、現場の従業員が生産性を上げるために個人の判断で無料の公開型AIサービスを業務に使ってしまう「シャドーAI」が横行する恐れがあるためです。

無料の公開型AIサービスは、入力されたデータ(プロンプト)をAIの品質向上のために「再学習」する規約になっているケースが多々あります。ここに自社の機密情報、顧客の個人情報などをコピー&ペーストして入力すると、AIがそれを学習し、世界のどこかで別のユーザーが質問した際の「回答」として情報が漏えいしてしまうリスクがあります。

「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」が提唱する「リスクベースアプローチ」とは、利用するAIのリスクの大きさ(被害の大きさとその発生確率)を正しく把握し、それに見合った対策を講じる考え方です。経営者・マネジメント層に求められるのは、単に「AI利用は禁止」とすることではなく、データのオプトアウト(学習対象除外設定)が保証された法人向けの安全なAI環境(例えば、ChatGPT Team/Enterpriseや、Microsoft Copilotの商用データ保護環境など)を会社として公式に契約・提供し、シャドーAIを撲滅することです。

2)従業員目線:自動化バイアスの克服と入力(プロンプト)の厳格管理

現場の従業員が最も注意すべきは、AIを万能の道具だと錯覚してしまう「自動化バイアス(Automation Bias)」です。自動化バイアスとは、システムやAIが出した回答を過度に信頼し、人間が考えることを放棄して従ってしまう心理現象を指します。

AIがどれだけ自信満々に、美しい日本語で回答を出力したとしても、そこにはハルシネーション(幻覚)や、セキュリティ上の脆弱性が含まれている恐れがあります。従業員は次の「3つの原則」を守ることを徹底しなければなりません。

  • 重要情報の入力禁止:自社の機密情報、顧客の個人情報などは絶対に入力しない
  • ファクトチェックの義務化:AIの出力した数字、事実、ソース(根拠)は、必ず人間が別ルートで裏付けを取る
  • 責任の引き受け:AIは「アシスタント」であり、業務の最終決定と責任は人間の従業員自身にあることを自覚する

4 フロンティアAIの登場によるサプライチェーン全体への影響

今後、中小企業が避けては通れない課題が、「フロンティアAI」への対応と、それに伴うサプライチェーン全体の規制強化の波です。

フロンティアAIとは、米アンソロピック(Anthropic)社の「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」などに代表される、現在の技術基準をはるかに超える極めて大規模で高性能な最先端のAIモデルを指します。「Claude Mythos」は、システムやソフトウェアの「未知の脆弱性」を自動で、短期間に、大量に発見する圧倒的な能力を持っています。一方で、攻撃者側に悪用された場合、脆弱性を突いた攻撃を開始するまでのタイムラグが極端に短縮されるという脅威が生じています。

冒頭で触れた、金融庁が発出した「フロンティアAI対応要請」は、これまで安全だとされていたシステムに、突然大量の脆弱性が発覚し、修正プログラム(パッチ)の適用が追いつかなくなる事態を想定し、金融機関に対して、自社だけではなく、システムの開発・保守を委託している外部のITベンダーやサプライチェーンの事業者も含めて、「大量の脆弱性への対応リソースがあるか」「パッチ適用が間に合わずにシステム停止に追い込まれるリスクはないか」を至急点検し、契約(SLA/SLO)を確認せよと命じているものです。

こうした動きは金融業界にとどまらず、2026年度末に予定されている経済産業省の「SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)」の運用開始により、一般の製造業、流通業、サービス業の中小企業にも影響を及ぼすと考えられます。

現代のサイバー攻撃のトレンドは、セキュリティが強固な大企業を直接狙うのではなく、その取引先である中小企業や業務委託先を「踏み台」にして、ネットワークを経由して段階的に大企業へ侵入する「サプライチェーン攻撃」です(IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」で第2位)。

サプライチェーン攻撃の構造

大企業は、SCS評価制度を活用して取引先中小企業のセキュリティ体制を点検し、自社の安全を確保しようとするはずです。近い将来、中小企業は、大手の取引先から「フロンティアAIによる大量の脆弱性発覚に耐えられる体制があるか?」「委託先ベンダーとの保守体制は万全か?」という照会(チェックシートの提出要請など)を受けることになります。ここで「対応していません」「ITはベンダー任せで分かりません」と回答すれば、その瞬間に「リスクあり」と判断されてしまい、取引を失ってしまう恐れがあるのです。

5 自社の現状を評価するチェックリスト

1)経営者・マネジメント層向け

チェック項目
AI利用規程(ガイドライン)を策定し、全社に周知・徹底しているか
シャドーAI(無断での個人アカウント利用)を(技術的に)禁止・監視しているか
入力データが学習されない「安全な法人向けAI環境」を会社として提供しているか
外部のITシステムベンダーとの「保守契約(SLA/SLO)」を再確認しているか
自社が保有・利用・提供しているIT資産やソフトウェア構成を把握しているか
金銭支払いや契約変更等の重要業務において、複数人が関与する承認フローを構築しているか
サイバー攻撃によるシステム停止を想定したBCP(事業継続計画)を策定しているか

2)従業員向け

チェック項目
会社の秘密情報、顧客の個人情報、インサイダー情報をAIに絶対に入力していないか
AIの出力結果をそのまま鵜呑みにせず、必ず自分の目で検証(ファクトチェック)しているか
AIが生成したプログラムコードやシステム設定データを、検証せずに実業務に投入していないか
AIを悪用した巧妙な「なりすましメール」や「フィッシング詐欺」を疑う目を持っているか
万が一のトラブル(誤入力による情報漏えい等)が発生した際、すぐに報告できる窓口と手順を理解しているか

以上(2026年7月作成)

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画像:日本情報マート

【事業承継】 弁護士が教える。事業承継でホールディングスを活用するメリットと実務

1 事業承継でホールディングスを活用する5つのメリット

ホールディングスとは、事業会社の株式を譲渡などして設立される会社(持株会社)です。このホールディングスの傘下に事業会社を加えれば、事業承継対策として次の5つのメリットが期待できます。

  • 株価上昇を抑制する効果が得られる
  • 先代経営者のポストが用意できる
  • 後継者世代の経営管理ができる
  • 所有と経営の分離ができ、親族外への承継に対する不安排除の一助になる
  • 複数の事業を統括・管理できる機能が持てる

1)株価上昇を抑制する効果が得られる

ホールディングス体制に移行すると、事業会社の株価上昇を抑制する効果が得られます。これはホールディングスの資産となった事業会社の株式が値上がりすると、ホールディングスが保有する資産に含み益が生じるからです。

ホールディングスは、事業会社の株式が資産の50%以上を占めているケースが多いです。そのため、株価評価をする際は純資産方式で株価を算定します。この純資産方式による計算過程で時価評価が必要になるのですが、価値が上昇している資産(業績好調な事業会社の株式など)を有している場合は含み益が生じます。そして、この含み益に対して純資産方式では、

法人税相当額37%を控除できる

ので、結果として株価の上昇を抑えられる効果が期待できるのです。

自社株の相続税評価額

さらに、ホールディングスが本社ビルなどの不動産を保有すると、不動産の評価減によって株価が引き下げられる効果も期待できます。なぜなら、ホールディングスが不動産を取得した場合、取得後3年間は取得価格で評価しなければなりませんが、3年を経過するとその不動産を相続税評価で評価できるようになるからです。

不動産の相続税評価というのは、建物は固定資産税評価額、土地は路線価評価額となりますが、このような相続税評価は、時価の半額ほどであるケースが多いといわれています。つまり、評価減が起こる資産を親会社であるホールディングスが取得すると事業会社の株価を押し下げてくれる効果が期待できるのです。

2)先代経営者のポストが用意できる

事業承継を円滑に進めるためには、役員退職金を支給された先代経営者のポストを用意するケースがあります。長期にわたって代表者として事業会社の経営を担ってきた先代経営者は、依然として社内外に大きな影響力を持っているのが通常だからです。

ホールディングスは事業会社の株式を100%保有しており、事業会社を経営支配していますので、先代経営者がホールディングスの代表者に就任し、事業会社は後継者世代に委ねると良いバランスになることがあります。

先代経営者のポスト

3)後継者世代の経営管理ができる

事業承継を決断する経営者の悩みの多くは後継者の経営手腕ですが、この問題もホールディングスの活用で解消できます。

ホールディングスは、事業会社の株式を100%保有しているため、事業会社の株主総会の決議を書面決議(書面の同意のみで決議があったものとみなされる方法)で行うことができます。事業会社の株主総会決議というのは、事業会社の取締役の選解任や報酬の決定など、事業会社の経営の根幹にかかわる事項です。それを書面決議で決定できる権利を持っているのですから、ホールディングスは事業会社に対して強い経営支配を及ぼします。

この経営支配の仕組みを活用し、若い後継者世代の経営をサポートすることができます。経営のバトンを後継者に渡した後、事業会社の経営状況が思わしくない場合には、経営方針を変更させるなどの修正を行うことができます。

4)所有と経営の分離ができ、親族外への承継に対する不安排除の一助になる

中小企業の事業承継がなかなか進まない理由の1つは、親族内に後継者がいないことです。経営者に子がない、子がいたとしても他の企業に就職しているなど、事情はさまざまです。こうした後継者不在の問題もホールディングスの活用で解消できます。

具体的には、ホールディングスは事業会社の株式や不動産などの資産を所有する機能だけを担わせ、事業会社の経営は、役職員の中で一番優秀な者に担わせるのです。事業会社に利益が計上された場合、例えばその3割をホールディングスに配当で分配し、3割を内部留保にし、4割を役職員の報酬として分配するなど、一定のルールを作って、経営を親族外の経営者に担わせることも可能です。

親族外の者に事業会社の社長のポストを担わせることは不安に感じられる場合もあるかもしれませんが、ホールディングスは、事業会社の株式の100%を保有していますので、事業会社の社長を変更するのも書面決議で行うことができます。

所有と経営の分離

5)複数の事業を統括・管理できる機能が持てる

どのような事業であっても、良いときもあれば悪いときもあります。そのような中で事業を永続させていくには、複数の事業をホールディングスの傘下で管理していくことが重要になります。A、B、Cの3つの事業のうち、A事業の将来性は低くても、B事業、C事業がそれを補ってくれるグループを目指すということです。

このように複数の事業を統括するのが、まさにホールディングスです。ホールディングスに管理部門を配置することで、A事業、B事業、C事業の経営を管理し、経営資源を将来の事業計画に従って振り分けていくことができるようになります。また、このようにグループ経営ができれば、A事業は親族内の後継者に、B事業、C事業は親族外の役員に経営を委ねるなどの体制を取ることもできるようになります。

ホールディングスのイメージ

2 ホールディングス化のための2種類の手続き

1)株式譲渡によりホールディングスを設立する方法

オーナーが保有する事業会社の株式をホールディングスに譲渡すれば、ホールディングス体制を構築することができます。しかし、株式譲渡をする場合は、ホールディングスが株式を買い取る資金を銀行から調達しなければならず、過剰な債務を負担せざるを得ない恐れがあります。また、株式の譲渡代金の20%が譲渡所得税として課税され、ホールディングス体制に移行するだけで多額の税負担が発生する恐れもあることに留意しなければなりません。

2)株式移転を行う方法

株式移転によって持株会社を設立する場合、大きな税負担を負うことなく、ホールディングス体制に移行できます。株式移転の場合には、オーナーが事業会社の株式をホールディングスに現物出資し、その代わりにホールディングスの新株の発行を受けます。オーナーはホールディングスに事業会社の株式を渡しますが、対価として現金の支払いを受けないので課税されることは有りません。

株式移転によって持株会社を設立する場合

3 事業承継でホールディングスを活用する際のポイント

以上のように、事業承継対策としてホールディングスを活用するメリットは多いです。もっとも、このようなメリットを享受するためにはある程度の時間が必要です。一口にホールディングスといっても、どの程度の期間、その組織が運営されているのかで信用力も得られるメリットも大きく違ってくるからです。

事前にどのような課題を解決するためにホールディングスを活用するのか、方針を明確化した上で、じっくり組織を作っていくことが重要になってきます。

以上(2025年7月作成)
(日比谷タックス&ロー弁護士法人 弁護士 福崎剛志)

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画像:Mariko Mitsuda

メガソーラー向けの蓄電池導入に関する動向はどうなっている?

1 蓄電池の概要

太陽光発電で生み出した電気を効率的に使うために併設される蓄電池は、家庭用と産業用とに分かれます。家庭用と産業用の大きな違いは、蓄電池に貯められる電気の容量にあります。家庭用は容量が5kWh~10kWh程度に対して、産業用は小さくても10数kWh~20kW、大きいものだと容量50kWh~100kWh程度の容量の電気を貯められるとされています。

産業用の蓄電池は、主に次の種類の蓄電池が用いられます。

  • ナトリウム硫黄電池(NAS電池)
  • レドックスフロー電池
  • ニッケル水素電池
  • リチウムイオン電池

太陽光発電は日が差している日中に発電ができる一方で、天候が悪い日や、夕方から夜間は発電できず、発電した電力を消費ピーク時に活かしきれない課題もあります。そのため、蓄電池を導入することで次のような効果があるとされています。

  • 電力の安定供給
  • ピークシフト(需要が少ない時間帯に電力を蓄え、ピーク時に供給することで電力網の負荷を軽減する)
  • 災害時・停電時の電力確保
  • 環境負荷の低減・CO2排出量の削減

2 蓄電池の市場規模などに関するデータ

1)蓄電システムの出荷実績について

日本電機工業会(JEMA)の定置用リチウムイオン蓄電システム自主統計によると、系統連系型(電力系統が電力会社の送電網に接続されている仕組み)定置用リチウムイオンバッテリー蓄電システムの出荷実績は次の通りです。

定置用リチウムイオンバッテリー蓄電システムの出荷実績

定置用リチウムイオンバッテリー蓄電システムの出荷実績

出荷実績は2018年度を境に大きく伸びています。主な要因として、2018年7月に閣議決定されたエネルギー基本計画で、蓄電システムの重要性が改めて位置づけられたことや、導入支援が拡充したことが挙げられます。

3 蓄電池導入に関する支援策について

産業用蓄電池を使って一定の事業を行うと、環境共創イニシアチブなどが実施する補助金を受け取れることがあります。

1)「再生可能エネルギー電源併設型蓄電システム導入支援事業」(環境共創イニシアチブ)

発電事業者が、再生可能エネルギー電源設備へ新たに蓄電システムを併設し、再生可能エネルギーの有効活用や普及拡大、需給バランスの改善に寄与する事業に対して補助を行うことを目的とする制度です。設計費・設備費・工事費の1/2以内、または1/3以内が補助対象となります。なお、補助上限額はありません。

■再生可能エネルギー電源併設型蓄電システム導入支援事業■
https://sii.or.jp/saieneheisetsu06r/

(注)2025年5月30日時点で公募(1次)が締切となり、2次締切まで公募を受け付けするか否かについては今後、審査状況に応じて、環境共創イニシアチブのウェブサイトで案内される予定です。

2)「業務産業用蓄電システム導入支援事業」(環境共創イニシアチブ)

DR(電力の需要量と供給量を合わせる手法)に活用できる蓄電池を、電力需給ひっ迫時だけでなく再エネ出力制御対策にも活用することで、電力の安定供給・再エネ電源の更なる導入加速に貢献することを目的とする制度です。業務産業用蓄電システムを導入する際の設計費・設備費・工事費の1/3以内が補助対象となります。補助上限額は3億円です。

■令和6年度補正 業務産業用蓄電システム導入支援事業■
https://sii.or.jp/DRchikudenchi_gyousan06r/

3)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業(環境イノベーション情報機構)

蓄電池の導入を通じて、ストレージパリティ(太陽光発電設備の導入に際して、蓄電池を導入しないよりも、導入したほうが経済的メリットのある状態)を達成、再エネ活動と防災の強化を図る事業です。業務用・産業用の蓄電池導入に対し、1kWh当たり3万9000円を上限として補助金が交付されます。

■ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業■
https://www.eic.or.jp/eic/topics/2025/st_r06c/2ndpre/

4 蓄電池導入に関する規制・留意点について

1)蓄電池を設置する際の規制

1.蓄電池の設備基準

蓄電池は、消防法施行規則の規定に基づき、構造や設置の要件が定められています。例えば、次のような要件があります。

  • 設置する室の壁から0.1メートル以上離して設置すること
  • 水が侵入、または浸透するおそれのない場所に蓄電池を設置すること
  • 蓄電池を設置する場所には、屋外に通じる換気設備を設けること など
■消防法施行規則■
https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000008006/

2.蓄電池設置の際の届け出

容量が20kWを超える蓄電池を設置する場合には、設置される市町村等が定める火災予防条例が適用されるため、管轄の消防署への届け出が必要になります。詳細は、あらかじめ管轄の消防署に確認するようにしましょう。

■静岡市「燃料電池発電設備・変電設備・急速充電設備・発電設備・蓄電池設備設置届出書」■
https://www.city.shizuoka.lg.jp/shinsei/s6329/p0087.html

2)蓄電池に関するリスク

1.火災の防止

過充電や過放電などによる火災には注意が必要です。2024年には鹿児島県内のメガソーラー発電所で火災事故が発生した事例もあります。

蓄電池に用いられることがあるリチウムイオン電池では、過充電・過放電で蓄電池内の温度が上がり、発火や破裂につながる恐れがあります。そのため、蓄電池メーカーの協力を得て設備点検を怠らないことが重要です。

2.耐用年数の確認

蓄電池の耐用年数について、国税庁が定める減価償却資産上の耐用年数は次の通りに分けられます。

  • 建物内に設置したもの:6年
  • 電気業用設備で、金属製でないもの:8年
  • 電気業用設備で、金属製のもの:17年

一方で、使用環境や蓄電池の種類にもよりますが、蓄電池の寿命は最大で15年程度となっており、税務上の数字と実際に使用できる期間とで異なるため注意が必要です。

5 蓄電池製造企業の事例

1)パナソニック(東京都港区)

同社では、法人の施主向けに公共・産業用 蓄電システムを提供しています。工場や学校の大規模施設での蓄電に対応する機種から、蓄電と電気自動車への充電を同時に行えるタイプの蓄電池もあります。

■パナソニック「公共・産業用 蓄電システム(法人の施主様向け)」■
https://www2.panasonic.biz/jp/energy/chikuden/

2)パワーエックス(東京都港区)

同社では、2.7MWhの大容量蓄電池を自社開発しており、AIによる電力運用の管理や、修理費用、交換費用を20年間無料でサポートすることが特徴です。また、メガソーラーへの導入実績もあります(次章で後述)。

■PowerX Mega Power■
https://power-x.jp/megapower?gl=JP

3)GSユアサ(京都府京都市)

同社では、太陽電池と蓄電池を使用した蓄電池付きの太陽光発電システムの開発・製造に積極的に取り組んでいます。公共産業用に10?100kVA出力の蓄電システムを取り揃えており、用途により、リチウムイオン電池と鉛蓄電池を選択することができたり、停電対応やピークカットに対応できたりすることが特徴です。

■GSユアサ「蓄電システム」■
https://ps.gs-yuasa.com/products/sl/storage/

4)日本ガイシ(愛知県名古屋市)

同社では、産業用蓄電池でNAS電池を取り扱っています。NAS電池の実用化は同社が世界初となっており、次のような特徴があります。

  • 鉛蓄電池の約3分の1のコンパクトサイズ
  • 電力負荷平準によるピークカットが可能
  • 定置用蓄電池の世界的な安全規格UL1973のUL認証を取得
■日本ガイシ「NAS電池」■
https://www.ngk.co.jp/product/nas.html

6 蓄電池を併設するメガソーラー施設の事例

1)大村メガソーラー発電所

九電みらいエナジー(福岡県福岡市)が長崎県大村市で運用しているメガソーラー施設です。蓄電システムの導入を進めており、パワーエックス(東京都港区)が提供する蓄電容量8226kWhの蓄電池、ニシム電子工業(福岡県福岡市)が提供するエネルギーマネジメントシステム「TAMERBA EMS」を新たに設置する計画です。また、同社では、今回の蓄電システム設置に伴い、FIT制度からFIP制度による売電へ切り替えることも予定しています。

■ニシム電子工業「太陽光発電所併設型蓄電システム受注のお知らせ」■
https://www.nishimu.co.jp/news_top/blog/info/136

2)すずらん釧路町太陽光発電所

東急不動産(東京都港区)、三菱 UFJリース(東京都)、日本グリーン(東京都千代田区)の3社が出資するSPC(特定目的会社)が主体となり、北海道釧路町で運用しているメガソーラー施設です。約163haの遊休地を活用し、出力約92MW、年間発電量は一般家庭約2万1300世帯の年間電力消費量に相当する発電を行っています。蓄電池は、北海道電力が2015年4月に公表した「太陽光発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件」に基づき、大容量リチウムイオン電池を備えています。

■東急不動産「新たな戦略(4 蓄電池事業)」■
https://tokyu-reene.com/newBusiness.html

3)ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク 2

ソフトバンクグループで、再生可能エネルギー事業などを手掛けるSBエナジー(東京都港区)と三菱UFJリース(東京都千代田区)が出資するSPC(特定目的会社)が主体となり、北海道安平町で運用しているメガソーラー施設です。出力約65MW、年間発電量は一般家庭約1万9854世帯分の電力消費量に相当する発電を行っています。蓄電池は、容量約19MWhの大容量リチウムイオン電池が併設されています。

■SBエナジー「事業内容」■
https://www.sbenergy.co.jp/ja/business/

7 参考

1)電力の買取制度について

太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気は、これまで固定価格買取制度(FIT・再生可能エネルギーを市場から独立した形で電力会社が一定期間、一定の価格で買い取る制度)で運営されてきました。FIT制度は電力の買取価格が一定である一方で、需要のピーク時に供給量を増やしてもインセンティブが発生しない、適用開始から20年後に契約が満了となり、その後は買取価格が保証されない(価格が下がってしまう恐れがある)といった課題があります。

そこで、2022年度から導入された制度がFIP(Feed-in Premium)です。FIT制度のように電力を固定価格で買い取るのではなく、発電事業者が卸市場などで売電したときに、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せする仕組みです。

あらかじめ定められた基準価格(FIP価格)から参照価格(市場取引で期待される収入)を引いた額は「プレミアム単価」となり、発電事業者は売電価格にプレミアムが上乗せされた合計分を収入として受け取ることができます。

FIP制度では、市場価格と連動して1カ月単位で参照価格が見直されるため、需給バランスに応じて取引の戦略を立てやすくなります。また、蓄電池で発電した電気を貯めておくと、発電量の少ない時間帯でも電力を売却できるようになります。電力市場で需要が高まるタイミングで、蓄電池で貯めた電力を活用して供給を増加させれば、収益を拡大させることができるのも大きなメリットになります。

2025年度以降の価格表(太陽光、調達価格1kWh当たり)は次の通りです。

2025年度以降の価格表

FIT・FIP制度の詳細や、現在の電力の価格はこちらで確認することができます。

■経済産業省資源エネルギー庁「FIT・FIP制度」■
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/

2)中部地方のウェルカムゾーンマップ

中部電力パワーグリッド(愛知県名古屋市)では、「中部地方のウェルカムゾーンマップ」として、需要家向けの供給余力マップを公開しています。マップでは、送電線の位置情報や系統上の空き容量、早期に電力供給できる用地や立地検討に必要なインフラ情報などを地図上で確認できます。

そのため、愛知県、岐阜県、三重県、静岡県、長野県で特別高圧供給が必要な工場などを検討する事業者が事業用地の適否判断をするといった場面で活用できます。

■中部電力パワーグリッド「中部地方のウェルカムゾーンマップ」■
https://powergrid.chuden.co.jp/youchi/

以上(2025年7月作成)

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画像:Yoshinori Okada-Adobe Stock

【朝礼】大いに悩み、そして行動する「ストレイ・シープ(迷える子)」であれ

【ポイント】

  • 夏目漱石の小説の主人公・三四郎は、都会に翻弄されつつ、自分なりに考え、行動した
  • ビジネスに絶対の正解はない。失敗を恐れて行動しないよりはしたほうがいい
  • ただ、思考停止に陥ってはいけない。考えて行動するからこそ、失敗を次に活かせる

今日は、夏目漱石の小説「三四郎」についてお話しします。この作品は、明治時代の終わりごろ、九州から上京した青年・三四郎が、東京の洗練された空気に戸惑いながらも、さまざまな人々との出会いを通して、少しずつ自分の世界を広げていく物語です。

この物語のキーパーソンになるのが三四郎と同年代の女性・美禰子(みねこ)です。彼女は東京で育った良家の女性で、三四郎は彼女に引かれていきます。印象的なのが、彼女が三四郎に向けて言った「ストレイ・シープ(迷える子)」という言葉。上京してきた三四郎には、「母のいる故郷の世界」「学問を極めようとする人たちの集まる、やや浮世離れした大学の世界」「美禰子が暮らす華やかな都会の世界」という3つの世界ができていて、彼はその世界の中で自分の立ち位置を決められずにさまよう、ストレイ・シープだったのです。

しかし、自分の考えや信念をしっかり持てないながらも、自分なりに考えて行動を起こそうとする三四郎は次第に成長し、最終的に美禰子に自分の思いを告白します。残念ながら、美禰子はすでに別の男性と婚約が決まっていて、三四郎と結ばれることはなかったのですが、私は自分なりの勇気を出した三四郎がとても好きです。

今日、皆さんにこの作品を紹介したのは、「明確な答えが見つからなくても、何か行動を起こしてみよう」というメッセージを伝えたかったからです。最近は「失敗したくない」と考えるあまり、何かに挑戦することが苦手な人が増えているように思います。ですが、ビジネスに絶対の正解などというものはありません。失敗を恐れて行動しないよりは、行動して失敗して、それを次の成功の糧にするほうがずっと素晴らしいことではないでしょうか。

ただ、同時に大切なのは「思考停止に陥らないこと」です。何も考えずに行動するのはただの愚か者です。自分が今、どんな状況に置かれていて、その上でどう行動したいのか。熟慮した上で行動を起こすから、失敗したとしても次に活かすことができるのです。考えることからも、行動することからも逃げず、大いに悩み、そして行動するストレイ・シープになってください。

以上(2025年7月作成)

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画像:Mariko Mitsuda

【参加無料】地域事業者向けセミナー「買いたくなる商品づくりを考える」開催!

7月28日(月)オフィスあいさい(みはらしの丘 オフィスあいさい広場内)にて、地域事業者向けセミナー「買いたくなる商品づくりを考える」が開催されます!
詳細は、チラシか公式サイトをご参照ください。

公式サイトはこちら!


↑クリックで拡大表示↑

参加お申し込みはこちらから!

【開催概要】

  • 日時 2025年7月28日(月)
  • 場所 オフィスあいさい(みはらしの丘 あいさい広場内) 徳島県小松島市立江町炭屋ヶ谷47-3
  • 主催 小松島市/地域共創推進業務運営事務局
  • 問合せ先 とくぎんトモニリンクアップ株式会社 岸(088-656-1161)

以上(2025年7月作成)

4兆ドルの衝撃! AI時代の王者エヌビディアが映す企業の地殻変動

2025年7月、米国半導体大手エヌビディアの株価が時価総額4兆ドルの壁を超えたニュースは、テック業界のみならず世界経済全体に衝撃を与えました。この記録は、同社がAIインフラの王者として、新たな世界秩序を築きつつあることを示しています。

かつて2000年の時点で世界を牽引していたのは、ゼネラル・エレクトリック(GE)やインテル、エクソンモービルといった旧来の産業・金融大手でした。特にインテルは、PC時代のCPUを独占し、テクノロジーの「心臓部」としての地位を確立していました。

しかし、2007年のiPhoneの登場、翌2008年のリーマン・ショックが、すべてを変えました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)はモバイルとクラウドの波に乗り、インターフェースとサービスの領域で支配的な地位を築きました。ここではデータ、ネットワーク効果、ユーザー体験が価値創造の中心となり、GAFAが市場価値を急伸させたのです。

ところが今、新たな地殻変動が起きています。それがAIとエヌビディアです。生成AIや大規模言語モデルの普及に伴い、GAFAすらも再び「インフラ」への依存を強めています。AIは、従来のCPUでは処理が困難であり、並列計算に優れたGPUが不可欠です。エヌビディアは、この需要を10年以上前から見越し、CUDAという開発プラットフォームを整備してきました。

CUDAは、単なるGPUドライバではなく、AI開発における事実上の標準インフラです。多くの開発者、研究機関がこれに対応したコードを書いており、他社への乗り換えは事実上困難です。これは、かつてマイクロソフトのWindowsがアプリ開発者を囲い込んだ構造と似ており、強力な競争優位性を形づくっています。

さらに忘れてはならないのが、台湾の半導体メーカーTSMCの存在です。エヌビディアの最先端GPUは、TSMCの3nm(ナノメートル)以下の製造プロセスなくしては成立しません。エヌビディアは設計、TSMCは製造という水平分業が、半導体を巡るグローバルな力学を決定づけているのです。この構造の中で、かつての巨人インテルは設計と製造を一体で保ち続けた結果、柔軟性を失い競争力を落としました。

2025年現在の時価総額ランキングは、エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)といった米国企業が独占しています。その中でTSMCやブロードコムといった半導体プレーヤーも存在感を増しており、もはや経済の中核は「計算能力」そのものへと移っています。

この構図は、単なる一時の流行ではなく、構造的変化です。情報処理の高度化が進むなかで、計算基盤(コンピュート・サブストレート)を握る者が、価値の中枢を支配するようになったのです。

インテルが築いたCPU時代、GAFAが築いたクラウドとエコシステムの時代、そして今、エヌビディアとTSMCが中心となる「AIインフラの時代」。この歴史の流れを正確に理解することが、未来を切り拓く鍵となるでしょう。

在留外国人人口の増減率の推移

(注)このアニメーションGIFは、イメージを分かりやすく伝えるために生成AIによって作成したものですので、実際の数字等については各企業のHP等でご確認ください。

以上(2025年7月作成)

pj50558
画像:bephoto-Adobe Stock

【業種別データ】「荒茶」出荷金額、第1位は……

果実缶詰

「荒茶」出荷金額の第1位は、鹿児島県です!

【なぜ、出荷金額が多いの?】

  • 戦後の農地開拓……戦後、水利に乏しいシラス台地でダム・灌漑事業が進み、荒れ地だった台地が農地として活用できるようになった
  • 後発産地としての強み……後発産地として機械化農業を前提に設計され、平坦地率が高いことから、大型機械の導入が進んだ
  • 気候と品種を活かした経営……温暖な気候で早場産地となり、また多品種が栽培できることから、多様な需要にも対応している

ちなみに、

鹿児島県は、2024年には、出荷金額のみならず、生産量においても全国第1位

に輝いています。

近年は煎茶だけでなく、抹茶の原料となるてん茶の生産も拡大しており、日本を代表するお茶の産地として存在感を高めているそうです。

【業種別データ】シリーズでは、様々な業種の動向を、事業所数・従業者数・現金給与総額・原材料使用額等・製造品出荷額等・付加価値額などのデータを基に紹介しています。こちらもぜひご確認ください。

業種別データ集はこちら!

以上(2026年7月作成)

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画像:日本情報マート

「社会保険の適用拡大」、いよいよ全ての会社が対象に?

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(年金制度改正法)」が国会で成立し、「社会保険の適用拡大」がさらに推し進められることになりました。

社会保険の適用拡大とは、

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入するパート等の範囲が拡大されること

です。また、ここでいう「パート等」とは、

週の所定労働時間または月の所定労働日数が、正社員の4分の3未満の短時間労働者

です。本来、パート等は社会保険の適用対象外ですが、会社が厚生年金の被保険者数について一定の要件を満たし、さらにパート等が労働時間や賃金について一定の要件を満たすと、社会保険に強制加入となるのです。

現状は、会社とパート等が図表の1.から5.までの要件を全て満たすと、パート等が社会保険に加入するルールになっていますが、年金制度改正法によって、図表の赤字部分「1.厚生年金保険の被保険者数」「3.賃金」にメスが入ることになりました。

パート等の被保険者要件

「1.厚生年金保険の被保険者数」については、現状は常時50人超の被保険者を雇用する会社が対象になっていますが、

10年かけて段階的に縮小・撤廃され、2035年10月以降は全ての会社が対象になる

ことになりました。

厚生年金保険の被保険者数

「3.賃金」については現状、月額8.8万円以上の賃金要件が定められていますが、

年金制度改正法の公布日(2025年6月20日)から3年以内に、この賃金要件は撤廃される

ことになりました。

賃金

この他、個人事業所の適用対象の拡大なども予定されているので、厚生労働省ウェブサイトで確認しておきましょう。

■厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」■
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html

社会保険の適用拡大によって、社内では社会保険料の負担を確認する必要が出てくる他、

  • 対象となるパート等に、社会保険料の天引きが発生する旨を説明する
  • パート等が希望する場合、労働条件の見直しを検討する

などの実務が発生します。次のコンテンツで、具体的な実務の内容などを紹介しているので、興味のある方はぜひご確認ください。

以上(2025年7月作成)

pj00778
画像:キキセマルオ-Adobe Stock